JP4727161B2 - シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シールド工法の直打ちコンクリートライニング材など使用される、早強性に優れるとともに、耐水性にも優れたコンクリート組成物とその製造方法に関するものである。
トンネル工法の一つである掘削・覆工並進工法は、図5に示すように、シールド掘進機10のスキンプレート11の前面に設けられたメインカッター12により、湧水地層である地山50を掘削しながらその後部で内型枠13,13,‥‥を組み立て、掘削と併行して地山50と上記内型枠13との間に、妻枠14を介して、加圧ジャッキ15により圧縮力を加えながらコンクリートを打設し、上記地山50に密着した覆工コンクリート16を構築するもので、上記工法に用いられるコンクリートに対しては、打込み中から、地下水に対する耐水性が要求されるとともに、初期強度が必要とされている。
すなわち、上記シールド掘進機10を推進ジャッキ17により推進させる際には、シールドの反力を上記コンクリートが打設された内型枠13に負担させていることから、上記内型枠13と上記覆工コンクリート16面に初期に所要の付着強度が必要であり、そのため、上記コンクリートには、耐水性とともに、所要の短期強度の発現性(早強性)、地下水中での打込みで目標強度を満足する耐水性が要求される。
また、上記コンクリートは、一般に、図示しないコンクリートポンプからコンクリート打設管18まで圧送されため、流動性、材料分離抵抗性、及び、ポンプ圧送性にも優れている必要がある(例えば、特許文献1参照)。
現状において、上記工法で用いられているコンクリートとしては、例えば、高流動コンクリートや水中不分離性コンクリートなどが挙げられる。
高流動コンクリートは、セメント、水、骨材に、高性能AE減水剤などのコンクリート用化学混和剤を添加して流動性を高めるとともに、各種無機粉体や増粘剤を添加して材料分離抵抗性を向上させたもので、打込み時の省人化を図ることができるとともに、締め固め作業に伴う騒音を解消することができることから、多方面に使用されており、特に、鉄筋の混み入った型枠内へ大量のコンクリートを打設する構造物などに有効である。
水中不分離性コンクリートは、セメント、水、骨材に、セルロース系またはアクリル系の水溶性高分子を主成分とする水中不分離性混和剤を配合することにより、コンクリートの粘性及び耐水性を高めるようにしたもので、水中に直接打込んでも材料分離が少なく品質の信頼性を向上させることができる。
一方、植生コンクリートや排水性舗装用のコンクリートなどに用いられる、セメントペーストで粗骨材をまぶして成形した透水性コンクリートにおいて、上記粗骨材へ付着性と均一保型性とを向上させるための透水性コンクリート用添加剤が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記添加剤は第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤であり、上記化合物(A)と化合物(B)との組み合わせとしては、(1)両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、(2)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、(3)カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、から選択される。上記添加剤の配合量は、目的とする粘性及び空隙の均一性の程度により適宜選択されるが、好ましい配合量としては、セメントあるいは高炉スラグなどの水硬化性粉体に対して、化合物(A)と化合物(B)の合計が0.01〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%であり、これにより、空隙率が20〜30%の連続した空隙を含む強度の高い透水性コンクリートを得ることができる。
特開2003−327458号公報 特開2002−194997号公報
ところで、シールド工法、特に、湧水地層におけるシールド工法の直打ちコンクリートとして使用されるコンクリート組成物には、上記のように、流動性、材料分離抵抗性、及び、早強性に優れるとともに、耐水性にも優れていることが要求されている。この早強性と耐水性とは、従来、両立が困難な特性であって、上記高流動コンクリートでは流動性、材料分離抵抗性に優れており、また、コンクリート用化学混和剤を適宜選択するなどして、早強性を発揮させることも可能であるが、耐水性に問題があるため、地下水圧中での打込みにおいて、十分な強度を確保することが困難であった。
また、水中不分離性コンクリートは、耐水性に加えて、流動性、材料分離抵抗性には優れているが、早強性に問題があるため、シールドの反力を負担するだけの十分な初期強度が得られないといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、シールド工法の直打ちコンクリートライニング材などに使用される、早強性に優れるとともに、耐水性にも優れたコンクリート組成物とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、骨材として、細骨材と粗骨材とを用いたコンクリート組成物に、コンクリート用化学混和剤に加えて、上記骨材へ付着性と均一保型性に優れた効果を発揮する上記透水性コンクリート用添加剤を増粘性混和剤として添加することにより、早強性、流動性、材料分離抵抗性に優れるとともに、上記早強性とは相反する特性である耐水性にも優れたコンクリート組成物を得ることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、シールド工法における覆工コンクリート直打ち工法(以下、シールド直打ち工法という)の直打ちコンクリートに用いられる、セメント、水、細骨材、粗骨材にコンクリート用化学混和剤及び増粘性混和剤を添加し混練して成るコンクリート組成物の製造方法であって、上記増粘性混和剤が、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤で、上記粗骨材の最大寸法が13mmで、細骨材率が30〜45%であり、セメント、水、細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、しかる後に、粗骨材を加えて混練して上記コンクリート組成物を製造するようにしたことを特徴とする
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法において、上記コンクリート組成物における水セメント比を30〜40%としたことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法において、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法において、上記コンクリート用化学混和剤として、カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤を用いるとともに、上記減水剤を、セメントに対して、0.5〜5.0重量%の割合で配合したものである。
本発明によれば、シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物を製造する際に、コンクリート用化学混和剤に加えて、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤を増粘性混和剤として配合するとともに、粗骨材の最大寸法を13mmとし、細骨材率を30〜45%としたので、早強性、流動性、材料分離抵抗性に優れるとともに、耐水性にも優れたシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物を得ることができる。
このとき、水セメント比を30〜40%とすることにより、早強性、耐水性を更に向上させることができる。
また、上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対してそれぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したので、早強性、耐水性を確実に向上させることができる。
また、上記コンクリート組成物を製造する際に、セメント、水、骨材に、コンクリート用化学混和剤と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、しかる後に、粗骨材を加えて混練してコンクリート組成物を製造するようにしたので、シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物を効率よく製造することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の最良の形態に係るシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法の概要を示す図で、本発明のコンクリート組成物は、セメント、水、粗骨材、細骨材に、コンクリート用化学混和剤を配合するとともに、増粘性混和剤として、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)と、アニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する増粘性混和剤を用いたもので、その製造方法としては、まず、コンクリートプラントAのミキサー1にて、セメント、水、細骨材に、コンクリート用化学混和剤と、上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを練り混ぜた後、この混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、最後に粗骨材を加えて混練してコンクリート組成物を作製する。この混練された混練物を運搬車輌2のトラックアジテータ3に積み込んで混練しながら工事現場Bに運搬して荷卸しし、これを図示しないコンクリートポンプに装填して、上記図5に示したコンクリートを打設するための加圧ジャッキ15に連結されたコンクリート打設管18に圧送して覆工コンクリート16を構築する。
上記セメントとしては、特に限定されるものではなく、石灰石・粘土・酸化鉄などを原料とした普通ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,中庸熱ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメントなどのポルトランドセメントや、高炉セメント,フライアッシュセメント,シリカセメントなどの混合セメントを用いることができるが、特に、早強ポルトランドセメントを用いることが好ましい。
このとき、水セメント比(W/C)としては、30〜40%とすることが好ましく、35%前後とすることが特に好ましい。水セメント比が30%未満であると粘性が高くなり流動性が低下するだけでなく、セメントの割合が多くなるため水和発熱が大きくなり、温度ひび割れが発生し易くなる。また、40%を超えると、同じ粘性を得るためには上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを余分に入れる必要があるが、それでも早強性は低下してしまうので、30〜40%とすることが好ましい。
また、流動性、材料分離抵抗性、及び、ポンプ圧送性を向上させるためには、上記骨材(粗骨材と細骨材)に含まれる細骨材の割合である細骨材率(S/a)を、(S/a)=30〜45%とすることが好ましい。細骨材率が30%未満もしくは45%を超えた場合には、セメントペーストの粘性が低下するとともに、耐水性が低下する。
また、粗骨材としては、径の大きな粗骨材を用いた場合には、所用のスランプを得るための単位水量が小さくなり経済的ではあるが、その最大寸法については、鉄筋間隔、かぶり厚さを考慮する必要がある。また、最大寸法が過大であるとコンクリートの扱いが困難となる、材料が分離し易くなる、ポンプ圧送性が低下する、などの問題点があるので、粗骨材の最大寸法は過大とならないよう考慮する必要がある。例えば、3インチ配管で圧送するような条件であれば、水セメント比を40%以下、粗骨材の最大寸法を13mm程度とし、細骨材の割合(S/a)を従来よりも低く設定することにより、高流動性やポンプ圧送性及び材料分離抵抗性を確保しつつ、早強性を有するコンクリートの作製が可能である。
なお、上記細骨材は、10mm網ふるいを全て通過し、5mm網ふるいを85重量%以上通過する骨材で、粗骨材は、5mm網ふるいを85重量%以上通過しない骨材であって、一般には、いずれも川砂,海砂,山砂,砕石などから得られる。
また、上記コンクリート用化学混和剤としては、リグニン系、ポリカルボン酸系、メラミン系、ナフタリン系、あるいは、アミノスルホン酸系などのポリエーテル系減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤などの、通常使用されているコンクリート用化学混和剤の中から適宜選択することができる。中でも、上記増粘性混和剤との相溶性に優れたカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤を、上記早強セメントに対して、好ましくは0.5〜5.0重量%の割合、特に好ましくは1.0〜5.0重量%の割合で配合することにより、早強性を確実に発現させることができる。
また、本発明に用いられる第1の水溶性低分子化合物(A)としては、4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤が好ましく、特に、アルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤が好ましい。また、第2の水溶性低分子化合物(B)としては、芳香環を有するスルフォン酸塩が好ましく、特に、アルキルアリルスルホン酸塩を主成分とする添加剤が好ましいが、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)としては、ドデカン酸アミドプロピルベタインなどの両性界面活性剤から選ばれる化合物(A)とPOE(3)ドデシルエーテル硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B)との組み合わせ、または、上記カチオン性界面活性剤から選ばれる化合物(A)と臭化ナトリウムなどの臭素化合物から選ばれる化合物(B)との組み合わせであってもよい。
本例では、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とを単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合するとともに、、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とをある一定の割合でセメント中に混入するようにしている。
また、従来の水中不分離コンクリートで使用されていた水中不分離材料(混和剤)は、増粘性混和剤がセメント粒子に吸着するために硬化遅延を起こすが、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とがある一定の割合(例えば、2:5〜5:2の範囲)でセメント中に混入されると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)とが電気的に配列して擬似ポリマーを形成して増粘機能を発揮することから、セメント粒子に影響を与えないので、上記のような硬化遅延を起こさない。
したがって、シールド直打ち工法のコンクリートとして最適に用いられる、早強性に優れるとともに、優れた耐水性を有するコンクリート組成物を得ることができる。なお、実験の結果では、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と第2の水溶性低分子化合物(B)との配合の割合は、1:1の場合が最適であった。
なお、混練においては、まず、セメント、水、細骨材にコンクリート用化学混和剤であるカルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤と、第2の水溶性低分子化合物(B)であるアルキルアリルスルホン酸ナトリウムとを添加して混練して混練物を作製し、しかる後、上記混練物に第1の水溶性低分子化合物(A)であるアルキルアンモニウム塩を添加して再度混練し、最後に粗骨材を加えて混練してコンクリート組成物を製造することが好ましい。
これは、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを同時に添加すると、上記第1の水溶性低分子化合物(A)と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とが不均質な状態で擬似ポリマーを形成してしまうので、擬似ポリマーを均質な状態で形成させて所望の特性を得るためには長時間の混練が必要となるためである。
また、上記第1の水溶性低分子化合物(A)を先に加えると、混練の際に泡が発生してコンクリートの空気量が多くなり、強度の低下や比重の減少等が起こる場合がある。
このようにして得られたコンクリート組成物は、早強性や流動性に優れているだけでなく、耐水性にも優れているので、地中や水中などでの施工が容易であるとともに、初期強度と耐水性とを十分に確保することができるので、湧水地層におけるシールド工法の直打ちコンクリートライニング材として十分な特性を有している。また、優れたポンプ圧送性や材料分離抵抗性を有することから、坑内での3インチの配管による圧送も可能である。
なお、上記最良の形態では、上記コンクリート組成物を、シールド工法の直打ちコンクリートライニング材と使用する場合について説明したが、これに限るものではなく、従来高流動コンクリートが用いられていた、バイブレータによる締め固めが困難な建築物の施工や、従来水中不分離性コンクリートが用いられていた、海洋構造物や地中構造物などの水が存在する場所でのコンクリート施工にも本発明のコンクリート組成物は十分に適用可能である。
また、上記例では、コンクリートプラントのミキサーにて、セメント、水、細骨材、コンクリート用化学混和剤、及び、アルキルアリルスルホン酸ナトリウムなどの第2の水溶性低分子化合物(B)を練り混ぜ、更に、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度練り混ぜた後、最後に粗骨材を加えて混練し、この混練物を工事現場Bに運搬したが、図2(a)に示すように、コンクリートプラントAのミキサー1にて、セメント、水、細骨材、粗骨材、コンクリート用化学混和剤、及び、上記第2の水溶性低分子化合物(B)を練り混ぜた後、この混練物を運搬車輌2のトラックアジテータ3に積み込んで低速攪拌しながら工事現場Bに運搬し、工事現場Bにて、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して、上記トラックアジテータ3にて高速攪拌してコンクリート組成物を作製するようにしてもよい。
あるいは、図2(b)に示すように、コンクリートプラントAのミキサー1にて、セメント、水、細骨材、粗骨材、コンクリート用化学混和剤を練り混ぜ、この混練物を運搬車輌2のトラックアジテータ3に積み込んで低速攪拌しながら工事現場Bに運搬し、工事現場Bにて上記第2の水溶性低分子化合物(B)を添加して上記トラックアジテータ3で高速攪拌した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して更に高速攪拌して上記コンクリート組成物を製造するようにしてもよい。
図3(a),(b)の表に示すように、水190kg/m3に早強セメント(密度;3.14g/cm3)543kg/m3を加え、水セメント比が35%になるように調整した後、これに混和剤として、高性能特殊混和剤(花王株式会社製、カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤、商品名「マイティ4000FA」)、アルキルアリルスルホン酸ナトリウムを主成分とする添加剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100FA」)とを配合し、これに、川砂から得られた細骨材(密度;2.63g/cm3)597kg/m3を加えて練り混ぜ、この混練物にアルキルアンモニウム塩を主成分とする添加剤(花王株式会社製、商品名「ビスコトップ100FB」)を添加して再度混練し、最後に粗骨材(密度;2.56g/cm3)597kg/m3を加えて混練しコンクリート組成物を作製した。このとき、上記粗骨材として、13mm以下の大きさの粗骨材を用いた。
上記コンクリート組成物につき、以下の材料試験を行ない、その特性を従来の高流動コンクリート及び水中コンクリートと比較した結果を図4の表に示す。
なお、比較に使用した高流動コンクリートは、「高流動コンクリート施工指針」に、水中コンクリートは、「水中不分離性コンクリート設計施工指針(案)」に基づき作製した。
(1)初期性状;スランプフロー試験(5分,10分)、空気量試験、コンクリート温度
(2)フレッシュコンクリート経時変化保持性;初期性状試験項目を練りあがり0,60
,120,180,240分で行う。
(3)水中不分離性;水中にフレッシュコンクリートを落下させpHを測定
(4)水密性;フレッシュコンクリートの円柱供試体を作製し、その供試体に水圧をかけ
、透過した水量を測定するとともに強度試験を実施
(5)粘性試験;23度の傾斜面にコンクリートを流し、その速度を測定
(6)圧縮強度試験;JIS A 1108に準拠して実施
(7)ポンプ圧送試験;3インチ配管で圧送性を確認(管内圧力損失測定、コンクリート
の圧力ロスの確認)
(8)収縮量の測定;長さ変化試験により収縮量を測定
図4の表から明らかなように、本発明のコンクリート組成物は、流動性、材料分離抵抗性、及び、早強性に優れているだけでなく、耐水性についても優れた特性を有することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、早強性、耐水性に優れるとともに、ポンプ圧送性や材料分抵抗性にも優れたコンクリート組成物を得ることができるので、湧水地層におけるシールド工法における覆工コンクリートの構築や、バイブレータによる締め固めが困難な建築物の施工、更には、海洋構造物や地中構造物などの水が存在する場所でのコンクリート施工を容易にかつ確実に行うことができる。
本発明の最良の形態に係るシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法の概要を示す図である。 本発明によるコンクリート組成物の他の製造方法を示す図である。 実施例のコンクリート組成物の使用材料と配合を示す表である。 本発明の実施例におけるシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物と従来の高流動コンクリート及び水中コンクリートとの特性を比較した表である。 従来の掘削・覆工並進工法の一例を示す図である。
符号の説明
10 シールド掘進機、11 スキンプレート、12 メインカッター、13 内型枠、14 妻枠、15 加圧ジャッキ、16 覆工コンクリート、17 推進ジャッキ、
50 地山。

Claims (4)

  1. シールド工法の直打ちコンクリートに使用される、セメント、水、細骨材、粗骨材にコンクリート用化学混和剤及び増粘性混和剤を添加し混練して成るコンクリート組成物の製造方法であって、
    上記増粘性混和剤が、カチオン性界面活性剤から選ばれる第1の水溶性低分子化合物(A)とアニオン性芳香族化合物から選ばれる第2の水溶性低分子化合物(B)とを含有する添加剤で、
    上記粗骨材の最大寸法が13mmで、
    細骨材率が30〜45%であり、
    セメント、水、細骨材に、コンクリート用化学混和剤と上記第2の水溶性低分子化合物(B)とを添加して混練した後、上記混練物に上記第1の水溶性低分子化合物(A)を添加して再度混練し、しかる後に、粗骨材を加えて混練することを特徴とするシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法
  2. 上記コンクリート組成物における水セメント比を30〜40%としたことを特徴とする請求項1に記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法
  3. 上記化合物(A)と上記化合物(B)とを、単位水量に対して、それぞれ0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法
  4. 上記コンクリート用化学混和剤として、カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤を用いるとともに、上記減水剤をセメントに対して、0.5〜5.0重量%の割合で配合したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物の製造方法。
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