JP2006141789A - 接続部材及び医療用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定具が緩みにくいとともに、固定具の締め付ける力を強くすることができる接続部材及び医療用具を提供すること。
【解決手段】オスコネクタ(2)と固定具(10)とメスコネクタ(15)から構成され、
オスコネクタ(2)は、前方部にテーパー状突起部(3)、中間部に係止部(4)、後方部にチューブ接続部(7)を形成し、前記係止部(4)とチューブ接続部(7)の間に左螺子(5)を形成し、前記メスコネクタ(15)は、後方部に前記オスコネクタ(2)のテーパー状突起部(3)が挿入可能なテーパー状管状体(17)、前方部にチューブ接続部(16)、後方部の外周に右螺子(18)を形成し、前記固定具(10)は、前方内壁面に右螺子(11)、後方内壁面に左螺子(13)を形成した接続部材(1)。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定具(例えばルアーロック)付接続部材(例えばオスコネクタとメスコネクタ)の改良に関する。接続部材の接合部を固定具で締め付けた後も、固定具の締め付けが緩んだり外れることのない接続部材に関する。本願の接続部材は、血液の体外循環回路、カテーテル類、輸液・輸血セット等の医療用具に使用される。
図7は、現在使用されている接続部材51とその使用状態図で、オスコネクタ52とメスコネクタ65を接合し、メスコネクタ65の後方部に形成した係止部68を固定具60の内壁面に形成した螺合部61に係止して、固定具60を回転させて、内壁面に形成した螺合部61により、接合部の外周から締め付けて固定するようにしている。
このように固定部材60を、回転させて、その螺合部61により、接合部の外周を締め付けているので、(A)締め付けが緩すぎると、衝撃や振動を受けた場合、逆方向に回転して、簡単にはずれてしまうことがあった。(B)逆に締め付ける力が強すぎるとオスコネクタとメスコネクタが離脱できなくなったり、メスコネクタにひび割れが発生する等の難点があった。(C)固定部材60は、その内壁面に形成した螺合部61とメスコネクタ65の係止部68、螺合部61後方内壁面とオスコネクタ52の係止部54の摩擦のみで固定されているので、緩みやすかった。
また特許文献1に、オスコネクタと固定具とメスコネクタから構成される接続具の発明が記載されている。
特許文献1は、固定具の後端の係止部を、オスコネクタの係止部(ストッパ)付近に形成された段部(溝)に回転できるように嵌合したもので、固定具を正逆回転することにより、オスコネクタ2とメスコネクタ15を取り外しできるようにしているものである。
また特許文献2には、オスコネクタとメスコネクタを接続するときに、これらの接合部に固定部を回転して固定し、メスコネクタをオスコネクタから取りはずすとき、固定部を逆回転し、固定部が離脱しないように固定部の係止部を、オスコネクタの係止部に係止するようにしたものである。
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の発明では、前記課題(A)、(B)を解決することができない。
実開昭62−116740号公報(第1図、第2図) 特表2004−523276号公報(第1図〜第4図)
解決しようとする問題点は、(A)締め付けが緩すぎると、衝撃で逆方向に回転して、簡単にはずれてしまうことがある。(B)逆に締め付ける力が強すぎるとオスコネクタとメスコネクタが離脱できなくなったり、ひび割れが発生する点である。
そこで本発明者は以上の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果次の発明に到達した。
[1]本発明は、オスコネクタ(2)と固定具(10)とメスコネクタ(15)から構成され、
オスコネクタ(2)は、前方部にテーパー状突起部(3)、中間部に係止部(4)、後方部にチューブ接続部(7)を形成し、
前記係止部(4)とチューブ接続部(7)の間に左螺子(5)を形成し、
前記メスコネクタ(15)は、後方部に前記オスコネクタ(2)のテーパー状突起部(3)が挿入可能なテーパー状管状体(17)、前方部にチューブ接続部(16)、後方部の外周に右螺子(18)を形成し、
前記固定具(10)は、前方内壁面に右螺子(11)、後方内壁面に左螺子(13)を形成した接続部材(1)を提供する。
[2]本発明は、前記固定具(10)は、前記オスコネクタ(2)ないしオスコネクタ(2)後方部に接続されたチューブ(T)の途中に遊嵌され、
オスコネクタ(2)のテーパー状突起部(3)を、メスコネクタ(15)のテーパー状管状体(17)に挿入し、
固定具(10)を左回転させて、固定具(10)の左螺子(13)がオスコネクタ(2)の左螺子(5)に沿って、左回転することにより、固定具(10)が前進し、
固定具(10)の右螺子(11)がメスコネクタ(15)の右螺子(18)に引っかかった後、固定具(10)を右回転させて、固定具(10)の右螺子(11)とメスコネクタ(15)の右螺子(18)同士の相互の螺子作用並びに固定具(10)の左螺子(13)とオスコネクタ(2)の左螺子(5)同士の相互の螺子作用により、固定具(10)をメスコネクタ(15)方向に前進させ、オスコネクタ(2)とメスコネクタ(15)の接合部を外周から締めつけて固定することができるように形成した接続部材(1)を提供する。
[3]本発明は、[1]ないし[2]に記載の接続部材(1)を含む医療用具を提供する。
(1)右螺子11と右螺子18同士の摩擦抵抗及び左螺子13と左螺子5同士の摩擦抵抗の二つの力が同時に働くので、固定具10が緩みにくい。
(2)固定具10を右回転させると、固定具10の右螺子11とメスコネクタ15の右螺子18同士の相互の螺子作用並びに固定具10の左螺子13とオスコネクタ2の左螺子5同士の相互の螺子作用により、固定具10をメスコネクタ15方向に前進させるので、固定具10は従来の固定具と比較して、二倍の前進距離を得ることができる。このため固定具10の締め付ける力を強くすることができる。
(3)固定具10を左回転させるのみで、左螺子13がオスコネクタ2の左螺子5を押すことになるので、オスコネクタ2をメスコネクタ15から簡単にとりはずすことができる。
[従来の接続部材(図7)では、オスコネクタ52からメスコネクタ65を取りはずそうとすると、締め付ける力が強すぎる場合は、はずれにくく、かん子等の取り外し器具等を使わないとはずれない。]
図1から図6は本発明の接続部材1とその使用方法の一例を示す概略図で、図1から図3はオスコネクタとメスコネクタを接続する前、図4はオスコネクタとメスコネクタを接続した状態、図5から図6はオスコネクタとメスコネクタ取り外すときの概略図である。
本発明の接続部材1は、オスコネクタ2と固定具10とメスコネクタ15から構成される。
[オスコネクタ]
オスコネクタ2は、前方部にテーパー状突起部3、中間部に係止部4、後方部にチューブ接続部7を形成している。係止部4とチューブ接続部7の間に左螺子5を形成している。
なお本発明では、「右螺子」とは、当該右螺子を形成した部品を右方向(時計と同じ方向)に回転させると前進し、左方向(時計と反対方向)に回転させると後退する螺子を意味し、「左螺子」とは、当該左螺子を形成した部品を左方向(時計と反対方向)に回転させると前進し、右方向(時計と同じ方向)に回転させると後退する螺子を意味する。なお図1から図6では、固定部10は縦断面図を記載しているので、左螺子13の向きが、オスコネクタ2の左螺子5の向きと逆に見えている。なお右螺子11は、メスコネクタ15の右螺子18(これらの部分は断面図で記載している)と向きが一致している。
係止部4はテーパー状突起部3をメスコネクタ15のテーパー状管状体17に挿入後、固定具10を左回転したときメス螺子13が乗り越えて、固定具10が前方に移動するのを防ぐストッパの役割を果たす。
[固定具10]
固定具10は、前方部(大径、図1に例示するように前方から中間部付近までも含む)と後方部(小径)から形成され、前方内壁面に右螺子11と後方内壁面に左螺子13が形成されている。
右螺子11は、メスコネクタ15の右螺子18に係止される。
左螺合13は、オスコネクタ2の左螺子5に螺合される。
固定具10は、オスコネクタとメスコネクタの接合部を外側から覆って固定できるものであれば何でも採用することができる。例えばルアーロック(ロックナットともいう)等を使用することができる。
[メスコネクタ15]
メスコネクタ15は、後方部に前記オスコネクタ2のテーパー状突起部3が挿入可能なテーパー状管状体17、前方部にチューブ接続部16、後方部の外周に右螺子18を形成している。右螺子18は固定具10の右螺子11と係止される。
本願発明の接続部材1の使用方法の一例について説明する。
(1)図1から図2に例示するように、オスコネクタ2のテーパー状突起部3を、メスコネクタ15のテーパー状管状体17に浅く挿入する。
(2)図3に例示するように固定具10を左回転させて、固定具10の左螺子13がオスコネクタ2の左螺子5に沿って、左回転することにより、固定具10が前進する。
(3)図4に例示するように固定具10の右螺子11がメスコネクタ15の右螺子18に引っかかった後、固定具10を右回転させると、固定具10の右螺子11とメスコネクタ15の右螺子18同士の相互の螺子作用並びに固定具10の左螺子13とオスコネクタ2の左螺子5同士の相互の螺子作用により、固定具10はメスコネクタ15方向に前進して、オスコネクタ2とメスコネクタ15の接合部を外周から締めつけて固定する。
またこのとき固定具10の左螺子13がオスコネクタ2の左螺子5を押すことで、オスコネクタ2をメスコネクタ15方向に前進しようとする力を付与し(オスコネクタ2とメスコネクタ15はテーパー嵌合になっているので、実際には進まない)、これらの力と前記オスコネクタ2とメスコネクタ15の接合部を外周から締めつける力の相乗作用により、オスコネクタ2とメスコネクタ15の接合部をより強固に固定することができる。
例えばメスコネクタ15の右螺子18と固定具10の左螺子13の螺子ピッチが2.5mmの場合は、オスコネクタ2は、固定具10が一回転することにより5.0mm前進させることができる。
以上のように固定具10を回転させると右螺子11と右螺子18同士の螺子作用並びに左螺子13と左螺子5同士の螺子作用により固定具10がメスコネクタ15方向に前進するので、固定具10は従来の固定具と比較して、二倍の前進距離を得ることができる。このため固定具10の締め付ける力を強くすることができる。
(4)オスコネクタ2をメスコネクタ15から取り外す場合は、図5から6に例示するように、固定具10を左回転すると、固定具10の右螺子11とメスコネクタ15の右螺子18同士の相互の螺子作用により、これらの螺合がはずれ、左螺子13はオスコネクタ2の左螺子5を押す作用が働き、オスコネクタ2はメスコネクタ15から簡単に取り外すことができる。
本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの接続前) 本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの接続前) 本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの接続前) 本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの接続状態) 本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの取り外し開始) 本発明の接続部材とその使用方法の概略図(オスコネクタとメスコネクタの取り外した状態) 従来の接続部材とその使用方法の概略図
符号の説明
1 接続部材
2 オスコネクタ
3 (前方部)テーパー状突起部
4 (中間部)係止部
5 左螺子
7 (後方部)管状体(チューブ接続部)
10 固定具(ルアーロック)
11 右螺子
13 左螺子
15 メスコネクタ
16 (前方部)管状体(チューブ接続部)
17 (後方部)テーパー状管状体
18 右螺子
T チューブ

Claims (3)

  1. オスコネクタ(2)と固定具(10)とメスコネクタ(15)から構成され、
    オスコネクタ(2)は、前方部にテーパー状突起部(3)、中間部に係止部(4)、後方部にチューブ接続部(7)を形成し、
    前記係止部(4)とチューブ接続部(7)の間に左螺子(5)を形成し、
    前記メスコネクタ(15)は、後方部に前記オスコネクタ(2)のテーパー状突起部(3)が挿入可能なテーパー状管状体(17)、前方部にチューブ接続部(16)、後方部の外周に右螺子(18)を形成し、
    前記固定具(10)は、前方内壁面に右螺子(11)、後方内壁面に左螺子(13)を形成した、ことを特徴とする接続部材(1)。
  2. 前記固定具(10)は、前記オスコネクタ(2)ないしオスコネクタ(2)後方部に接続されたチューブ(T)の途中に遊嵌され、
    オスコネクタ(2)のテーパー状突起部(3)を、メスコネクタ(15)のテーパー状管状体(17)に挿入し、
    固定具(10)を左回転させて、固定具(10)の左螺子(13)がオスコネクタ(2)の左螺子(5)に沿って、左回転することにより、固定具(10)が前進し、
    固定具(10)の右螺子(11)がメスコネクタ(15)の右螺子(18)に引っかかった後、固定具(10)を右回転させて、固定具(10)の右螺子(11)とメスコネクタ(15)の右螺子(18)同士の相互の螺子作用並びに固定具(10)の左螺子(13)とオスコネクタ(2)の左螺子(5)同士の相互の螺子作用により、固定具(10)をメスコネクタ(15)方向に前進させ、オスコネクタ(2)とメスコネクタ(15)の接合部を外周から締めつけて固定することができるように形成した、ことを特徴とする接続部材(1)。
  3. 請求項1ないし請求項2に記載の接続部材(1)を含むことを特徴とする医療用具。
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