本発明の第1の実施形態によるパチスロ機1を説明する。
図1は本発明の第1の実施形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、3個のリール2〜4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはパチスロ機1の正面の表示窓5〜7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。各リール2〜4は、複数のシンボルを表示する図柄表示手段を構成している。この表示窓5〜7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技価値であるメダルが投入される、メダル投入口8が設けられている。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインL2A,L2Bが加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインL3A,L3Bが加わって5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。
また、表示窓5〜7の左方には、遊技動作表示器9〜12、BETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状態に応じて点灯制御され、その時の遊技状態が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLED(発光ダイオード)からなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム入賞時に、RBゲームの残り入賞可能回数をデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインに入賞組み合わせのシンボルが揃った時などに点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入スイッチ26、2貯留メダル投入スイッチ27、および3貯留メダル投入スイッチ28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向のスイッチ操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入スイッチ26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示されてクレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算スイッチ29、スタートレバー30および停止ボタン31〜33が設けられている。貯留メダル精算スイッチ29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。スタートレバー30が遊技者に操作されることにより各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2〜4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a〜47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図7参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2〜4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”のコードナンバーが付され、これらコードナンバーは、データテーブルとして後で説明するプログラムROM65(図6参照)に格納されている。各リール2〜4上には、“赤7”、“青7”、“BAR”、“スイカ”、“リプレイ”、“ベル”および“チェリー”のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「第1BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」、「第2BB内部当選状態」、「RB(レギュラー・ボーナス)内部当選状態」、「第1BB中一般遊技状態」、「第2BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」がある。これら7種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、および、入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
第1BB、第2BB、またはRBのボーナス当選フラグは、それぞれのボーナスに内部当選した後、当選したボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の単位遊技には持ち越されない。なお、単位遊技とは、遊技者のスタートレバー30に対する操作に応じてリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン31〜33に対する操作に応じてリール2〜4の回転が停止し、この際に有効化入賞ライン上に揃ったシンボルの組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。
第1BBの入賞成立を契機として発生し、「第1BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第1BB遊技状態」という。第2BBの入賞成立を契機として発生し、「第2BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第2BB遊技状態」という。「第1BB内部当選状態」、「第2BB内部当選状態」、「RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。これらを総称して、以下「内部当選状態」という。
図5は、配当表示部39に表わされる入賞シンボル組合せに対応する払出枚数または作動する遊技状態を示す。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役の入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役の入賞が成立し、15枚のメダル払出が行われる。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役の入賞が成立し、8枚のメダル払出が行われる。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」の入賞が成立し、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1BBの入賞が成立し、第1BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2BBの入賞が成立し、第2BB遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりRBの入賞が成立し、RB遊技状態が作動する。また、第1BB中一般遊技状態または第2BB中一般遊技状態において“ベル−ベル−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、RBの入賞が成立し、RB遊技状態が作動する。
図6および図7は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図6に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定する乱数サンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルやシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、プログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部39に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、内部当選状態のときに、遊技者にボーナスゲームの発生が近い状態になっていることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、リール2〜4の停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、前述した貯留メダル投入スイッチ26〜28、および貯留メダル精算スイッチ29がある。スタートレバー30およびスタートスイッチ30Sは、開始操作に基づいて単位遊技の開始を指令する信号を出力する開始信号出力手段を構成している。また、マイコン63、乱数発生器69、および乱数サンプリング回路70は、開始信号出力手段により出力された信号に基づいて当選役を決定する当選役決定手段を構成している。なお、当選役には、確率抽選処理(図10,S6)で決定された内部当選役および持越役が含まれる。さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、開始信号出力手段により出力された信号に基づいてリール2〜4により表示されるシンボルの変動を行う図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が押された時に対応するリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。リール停止信号回路78は、停止ボタン31〜33の停止操作に基づいてリール2〜4により行われるシンボルの変動の停止を指令する信号を出力する停止信号出力手段を構成している。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、停止信号出力手段により出力された信号と当選役決定手段により決定された当選役とに基づいて、リール2〜4により行われるシンボルの変動の停止制御を行う停止制御手段を構成している。マイコン63、ホッパー72、メダル検出部72S、および払出完了信号発生回路は、リール2〜4により予め定められたシンボルの組合せが表示されると遊技者にメダルを付与する遊技価値付与手段を構成している。マイコン63およびメダル検出部72Sは、遊技価値付与手段により遊技者に付与されるメダルに基づいて数値情報、つまり、メダル払出枚数を更新する数値情報更新手段を構成している。
マイコン63は、リール2〜4により第1の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−赤7”が表示されると、所定の遊技状態である一般遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に有利な遊技状態である第1BB遊技状態の作動を行う有利状態作動手段を構成している。また、マイコン63は、リール2〜4により第2の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−青7”が表示されると、一般遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に不利な遊技状態である第2BB遊技状態の作動を行う不利状態作動手段を構成している。図柄変動手段は、第1の特定のシンボルの組合せを構成する少なくとも一つのシンボルをリール2〜4に表示した後の所定シンボル数(滑りコマ数である4コマ)の範囲内に第2の特定のシンボルの組合せを構成するシンボルをリール2〜4に表示させる。本実施形態では、図柄変動手段は、第1の特定のシンボルの組合せを構成する右リール4のコードナンバー“0”の“赤7”(図4参照)を右リール4の中段に表示した後、第2の特定のシンボル組合せを構成するその1コマ後のコードナンバー“20”の“青7”を右リール4の中段に表示させる。停止制御手段は、停止信号出力手段により信号が出力された際にリール2〜4に表示されたシンボルの後の所定シンボル数(4コマ)の範囲内に、当選役決定手段により決定された当選役に対応するシンボルが含まれる場合には、このシンボルをリール2〜4に表示する。マイコン63は、数値情報更新手段により数値情報が予め定められた値に更新されると、有利な遊技状態または不利な遊技状態の作動を終了する作動終了手段を構成している。作動終了手段は、数値情報更新手段により数値情報が第1の値、本実施形態では450枚を超える値に更新されると有利な遊技状態の作動を終了し、数値情報更新手段により数値情報が第2の値、本実施形態では350枚を超える値に更新されると不利な遊技状態の作動を終了する。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図7に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。マイコン81は、その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込み、取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて表示する演出画像を選択する。そして、VDP90を制御して選択した演出画像を液晶表示装置22に表示させる。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
次に、図8を参照して、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される確率抽選テーブルについて説明する。
図8(a)〜(e)は、確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
確率抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの確率抽選処理(図10,S6)において、内部当選役を抽選する際に用いられる。確率抽選テーブルは、乱数発生器69で発生し、乱数サンプリング回路70で抽出された乱数を各内部当選役に区分けするデータを記憶している。各内部当選役には、0〜16383の数値データの中から所定の数値範囲の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が属する乱数範囲に割り当てられた内部当選役が選択される。つまり、内部当選役は、サンプリングされた1つの乱数値がどの乱数範囲に属するかによって決定され、当たり要求フラグによって表される。「第1BB」,「第2BB」のボーナス当たり要求フラグ、または「RB」の当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「第1BB」、「第2BB」または「RB」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナス入賞が実際に発生すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。
また、各内部当選役には期待値が設定されている。期待値は、単位遊技に3枚のメダルが賭けられたとした場合に、単位遊技に賭けたメダル1枚について払出を受けることを期待できるメダル枚数をいう。なお、この期待値の定義では、いわゆる引き込み率は考慮されないものとしており、内部当選役の入賞を成立させることができない取りこぼしが発生しないことが前提となっている。例えば、同図(a)に示す確率抽選テーブルの「チェリー」の小役についての期待値Kは、「チェリー」の小役についてのメダル払出枚数が2枚、「チェリー」の小役の当選確率が300/16384、であることから、以下の式(1)で表される。
K=2×(300/16384)/3=0.0122・・・(1)
他の内部当選役についての期待値も、同様の演算を実行して得られる。また、各確率抽選テーブルについての期待値は、その確率抽選テーブルで区分けされた各内部当選役についての期待値を合計した値で表される。
同図(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値299の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜299の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は300/16384であり、期待値は0.0122である。「ベル」の小役には下限値300,上限値1599の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が300〜1599の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は1300/16384であり、期待値は0.3967である。「スイカ」の小役には下限値1600,上限値1749の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1600〜1749の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は150/16384であり、期待値は0.0244である。「リプレイ」には下限値1750,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜3994の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384であり、期待値は0.1370である。「第1BB」には下限値3995,上限値4144の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が3995〜4144の範囲に属すると内部当選役として「第1BB」が選択される。「第1BB」の当選確率は150/16384であり、期待値は0である。「第2BB」には下限値4145,上限値4544の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4145〜4544の範囲に属すると内部当選役として「第2BB」が選択される。「第2BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「RB」には下限値4545,上限値4584の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4545〜4584の範囲に属すると内部当選役として「RB」が選択される。「RB」の当選確率は40/16384であり、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4585,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4585〜16383の範囲に属すると内部当選役として「ハズレ」が選択される。「ハズレ」の当選確率は11799/16384であり、期待値は0である。この一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役の期待値0.0122、「ベル」の小役の期待値0.3967、「スイカ」の小役の期待値0.0244、「リプレイ」の期待値0.1370を合計して得られる0.5704である。
同図(b)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ハズレ」には下限値3995,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12389/16384、期待値は0である。また、「第1BB」、「第2BB」、および「RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」、「第2BB」、および「RB」は選択されない。この内部当選状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる0.5704である。
図(c)は、「第1BB中一般遊技状態」において用いられる第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値12349の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10600/16384、期待値は0.6470である。また、「RB」には下限値12350,上限値16373の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4024/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値16374,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10/16384、期待値は0である。また、「第1BB」および「第2BB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」および「第2BB」は選択されない。この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる1.0803である。この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値1.0803は、一般遊技状態において用いられる図8(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.5704よりも大きく、第1BB中一般遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。また、各確率抽選テーブルでは、RBについての払出枚数が0枚として期待値が0に設定されているが、RBの入賞が成立してRB遊技状態が作動した場合には、後述するRB遊技状態用確率抽選テーブル(図8(e))に示すようにベルの小役の当選確率が著しく高いので、図9(b)に遊技可能回数として示される4回全ての単位遊技においてベル小役の入賞を成立させて15枚のメダル払い出しを受け、各単位遊技毎に12枚(15枚−3枚)のメダルの純増を期待できる。このため、RBの入賞が成立してRB遊技状態が作動した場合には、合計48枚(12枚×4回)のメダルの純増を期待できる。従って、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、RBについての実質的な期待値は、以下の式(2)の演算を実行して得られるK1と考えることができる。
K1=(4024/16384)×48/3=3.9297・・・(2)
このため、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルが用いられた場合には、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの期待値1.0803よりも多くのメダル払い出しを受けることを実質的に期待することができる。このことから、第1BB中一般遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態であることをより明確に言える。
図(d)は、「第2BB中一般遊技状態」において用いられる第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「RB」には下限値3995,上限値4044の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は50/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4045,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12339/16384、期待値は0である。また、「第1BB」および「第2BB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」および「第2BB」は選択されない。この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる0.5704である。この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.5704は、一般遊技状態において用いられる図8(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.5704と同じ値であるが、第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1BBの抽選が行われないので、第2BB中一般遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。また、上述した第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(同図(c)参照)は、期待値が高い後述するRB遊技状態用確率抽選テーブル(同図(e)参照)が用いられるRB遊技状態に対応するRBの抽選確率が、この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(同図(d)参照)よりも高く設定されている。
図(e)は、「RB遊技状態」において用いられるRB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値300,上限値16229の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は15930/16384、期待値は4.8615である。「スイカ」の小役には下限値16230,上限値16379の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は150/16384、期待値は0.0244である。「ハズレ」には下限値16380,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4/16384、期待値は0である。また、「リプレイ」、「RB」、「第1BB」、および「第2BB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「リプレイ」、「RB」、「第1BB」、および「第2BB」は選択されない。この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる4.8981である。
図9は、役物等作動時テーブルを概念的に示す図である。
この役物等作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理(図14)で用いられる。このテーブルは、第1BB、第2BB、およびRBの表示役毎に、作動中フラグ,払出可能枚数,遊技可能回数,入賞可能回数が定められている。作動中フラグは、各表示役に対応する遊技状態が作動していることを表すフラグである。払出可能枚数は、対応する作動中フラグがオンしてからクリアされるまでに払い出すことが可能なメダル枚数を表す。遊技可能回数は、作動中フラグがオンしてからクリアされるまでに行うことが可能な単位遊技数を表す。入賞可能回数は、作動中フラグがオンしてからクリアされるまでにメダル払出に係る役の入賞を成立させることが可能な回数を表す。
同図(a)は、BB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このBB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理(図14)において、表示役が第1BBまたは第2BBの場合行われるBB作動時処理(図14,S72)で用いられる。このテーブルは、第1BBおよび第2BBの表示役毎に、作動中フラグおよび払出可能枚数が定められている。第1BBについては、作動中フラグは第1BB作動中フラグ、払出可能枚数は450枚が定められている。第2BBについては、作動中フラグは第2BB作動中フラグ、払出可能枚数は350枚が定められている。
同図(b)は、RB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このRB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理(図14)において、表示役がRBの場合に行われるRB作動時処理(図14,S74)で用いられる。このテーブルは、表示役RBについて、作動中フラグはRB作動中フラグ、遊技可能回数は4回、入賞可能回数は4回が定められている。
次に、図10に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化を行う(図10,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時の制御RAM66の所定の記憶内容を消去する(S2)。具体的には、前回のゲームに使用された制御RAM66の書き込み可能エリアのデータの消去、制御RAM66の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、メインCPU64は、メダル投入・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、要求分のメダルの自動投入、または、投入メダルセンサ8Sや貯留メダル投入スイッチ26〜28からの入力に基づき、メダル投入枚数が最大投入枚数に達したと判断すると、メインCPU64は、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力を確認する。スタートスイッチ30Sからの入力を確認すると、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出する(S4)。続いて、メインCPU64は、後述する遊技状態監視処理を行った後(S5)、後述する確率抽選処理を行う(S6)。
次に、メインCPU64は、スタートコマンドをサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S7)。「スタートコマンド」は、S5で識別した遊技状態、S6の確率抽選処理で抽選した当選役等の情報を含むコマンドである。
続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S8)。この判別が“NO”のときは、4.1秒が経過するまでウエイト処理(S9)が行われる。ウエイト処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、ゲーム監視用タイマを制御RAM66の所定領域にセットする(S10)。このゲーム監視用タイマは、各単位遊技の時間を監視するタイマであり、遊技者の停止ボタン31〜33の停止操作によらずに自動的にリール2〜4を停止させるための自動停止用のタイマも含んでいる。
S10の処理が終了すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求し(S11)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、「リール停止許可コマンド」をサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S12)。「リール停止許可コマンド」は、停止ボタン31〜33の操作を受け付けることを許容するコマンドである。次に、メインCPU64は、停止ボタン31〜33が操作されてストップスイッチが“オン”となったか否かを判別する(S13)。いずれの停止ボタン31〜33も操作されずにこの判別が“NO”のときは、自動停止タイマの値が“0”か否かを判別する(S14)。この判別が“NO”のときは処理はS13に戻り、上述の処理が繰り返される。
いずれかの停止ボタン31〜33が操作されてS13の判別が“YES”になるか、自動停止タイマの値が“0”になってS14の判別が“YES”になると、次に、メインCPU64は、滑りコマ数決定処理を行う(S15)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタン31〜33が操作された後、リール2〜4が停止するまでの間に移動させるシンボルの数を示し、「引き込み数」と称されることもある。
図13はこの滑りコマ数決定処理の概略を示す図である。
滑りコマ数決定処理では、メインCPU64は、内部当選役および持越役に基づいて、0〜4のうちの何れかを滑りコマ数として決定し(図13,S61参照)、処理を終了する。
滑りコマ数決定処理の後、メインCPU64は、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン31〜33に対応するリール2〜4が回転するのを待ち(図10,S16参照)、リール2〜4の回転停止を要求する(S17)。次に、メインCPU64は、「リール停止コマンド」をサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S18)。「リール停止コマンド」は、停止したリール2〜4を識別可能な情報、所定の有効化入賞ライン上でその停止したリールにより表示されたシンボルの種類を識別可能な情報などを含んだコマンドである。
続いて、メインCPU64は、全てのリールが停止したかどうかを判別し(S19)、この判別が“NO”のときは処理はS13に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、全てのリール2〜4が停止し、S19の判別が“YES”になると、メインCPU64は次に表示役検索処理を行う(S20)。この表示役検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類と、確率抽選処理によって決定された当選役の種類との一致がとられる。
次に、この表示役に誤りがあってイリーガルヒットに該当するか否かが判別される(S21)。この判別結果がイリーガルヒットである場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される(S22)。表示役が正常でイリーガルヒットでない場合には、「表示役コマンド」がサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信される(S23)。「表示役コマンド」は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などを含んだコマンドである。
次に、メインCPU64は、入賞によるメダルの払出枚数が0枚か否かを判別し(S24)、この判別が“NO”のときは、制御RAM66に記憶した数値情報に払出枚数を加算して更新すると共に、その時の状態によって遊技メダルの貯留、または、払い出し処理を行う(S25)。つまり、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。
S24での判別が“YES”のとき、または、S25の処理を行った後、メインCPU64は、払出処理が終了した情報を含む「払出終了コマンド」をサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S26)。
続いて、メインCPU64は、第1BB作動中フラグ、第2BB作動中フラグ、またはRB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S27)。何れのフラグも“オン”でない場合には、次に、メインCPU64は、後述する役物等作動チェック処理を行う(S28)。一方、何れかのフラグが“オン”である場合には、次に、メインCPU64は、後述する役物等終了チェック処理を行う(S29)。これらの処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな遊技が開始される。
次に、図11を参照して、図10,S5で行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、第1BB作動中フラグ、第2BB作動中フラグまたはRB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図11,S41参照)。この判別が“YES”のときは、遊技状態を第1BB中一般遊技状態、第2BB中一般遊技状態またはRB遊技状態にセットする(S42)。つまり、第1BB作動中フラグ、第2BB作動中フラグまたはRB作動中フラグのうちのオンとなっているフラグに対応する遊技状態をセットする。一方、S41の判別が“NO”のときは、持越役がセットされているか否かを判別する(S43)。この判別が“YES”のときは、持越役に応じて、遊技状態を第1BB内部当選状態、第2BB内部当選状態またはRB内部当選状態にセットする(S44)。一方、S43の判別が“NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットする(S45)。S42,S44,またはS45の処理が行われると遊技状態監視処理は終了する。
次に、図12を参照して、図10,S6で行われる確率抽選処理について説明する。
この確率抽選処理では、まず、メインCPU64は、遊技状態が第1BB中一般遊技状態または第2BB中一般遊技状態の何れかであるか否かを判別し(図12,S51参照)、この判別が“YES”である場合には、図8(c)または図8(d)に示す第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルまたは第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルの何れかに基づいて内部当選役を決定する(S52)。一方、S51の判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを判別し(S53)、この判別が“YES”である場合には、図8(e)に示すRB遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S54)。
一方、S53の判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、遊技状態が内部当選状態であるか否かを判別し(S55)、この判別が“YES”である場合には、図8(b)に示す内部当選状態用確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定する(S56)。一方、S55の判別が“NO”である場合には、図8(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S57)。S52,S54,S56,またはS57の処理を行った後、メインCPU64は、内部当選役は第1BB,第2BBまたはRBのうちの何れかであるかを判別し(S58)、この判別が“YES”である場合には、内部当選役に基づいて、持越役をセットし(S59)、処理を終了する。一方、S58の判別が“NO”である場合には、そのまま確率抽選処理を終了する。
次に、図14を参照して、図10,S28で行われる役物等作動チェック処理について説明する。
この役物等作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、リール2〜4に実際に揃って表示されてい
る表示役は第1BBまたは第2BBであるか否かを判別し(図14,S71参照)、この判別が“YES”である場合には、BB作動時テーブル(図9(a)参照)に基づいてBB作動時処理を行う(S72)。この処理では、第1BB作動中フラグまたは第2BB作動中フラグを“オン”にし、持越役をクリアし、払出可能枚数をセットする処理が行われる。一方、S71の判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、表示役はRBであるか否かを判別し(S73)、判別が“YES”である場合にはRB作動時テーブル(図9(b)参照)に基づいてRB作動時処理を行う(S74)。この処理では、RB作動中フラグを“オン”にし、持越役をクリアし、遊技可能回数や入賞可能回数をセットする処理が行われる。S73での判別が“NO”である場合、または、S74の処理が行われた後、役物等作動チェック処理は終了する。
次に、図15を参照して、図10,S29で行われる役物等終了チェック処理について説明する。
この役物等終了チェック処理では、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(図15,S81参照)、この判別が“YES”である場合には、RB遊技数およびRB遊技における入賞回数の更新を行う(S82)。次に、メインCPU64は、更新したRB遊技数または入賞回数が、RB作動時テーブルに記憶された遊技可能回数または入賞可能回数に達したか否かに基づいて、遊技状態がRB終了時であるか否かを判別する(S83)。この判別が“YES”である場合には、RB作動中フラグをクリア等するRB終了時処理を行う(S84)。S83の判別が“NO”である場合、または、S84の処理を行った後、メインCPU64は、第1BB作動中フラグまたは第2BB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S85)、この判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。
S85の判別が“YES”の場合、または、S81の判別が“NO”の場合には、メインCPU64は、BB遊技状態におけるメダル払出枚数の更新を行い(S86)、続いて、更新したメダル払出枚数がBB作動時テーブルに記憶された払出可能枚数に達したか否かに基づいて、遊技状態がBB終了時であるか否かを判別する(S87)。この判別が“YES”である場合には、第1BB作動中フラグまたは第2BB作動中フラグをクリア等するBB終了時処理を行い(S88)、役物等終了チェック処理を終了する。S87の判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、表示役はRBであるか否かを判別し(S89)、この判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。一方、判別が“YES”である場合には、RB作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行い(S90)、役物等終了チェック処理を終了する。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、“赤7−赤7−赤7”の第1の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図14の役物等作動チェック処理のS71において表示役が第1BBと判別されると、S72のBB作動時処理で第1BB作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な第1BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”の第2の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図14の役物等作動チェック処理のS71において表示役が第2BBと判別されると、S72のBB作動時処理で第2BB作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な第2BB遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、リール2〜4により“赤7−赤7−赤7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に有利な第1BB遊技状態が作動し、“赤7−赤7−青7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に不利な第2BB遊技状態が作動する。このため、特定のシンボル組合せがリール2〜4に表示されたとしても、必ずしも、一般遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態が作動するとは限らず、一般遊技状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態が作動することもある。この結果、特定のシンボル組合せが停止表示されても、多くのメダルの付与を受けられるとは限らず、リール2〜4に表示されるシンボル組合せに対する遊技者の関心を高め、単位遊技の結果に対する遊技者の緊張感を高めることができる。
また、確率抽選処理(図10,S6)の抽選結果によっては、一般遊技状態から、一般遊技状態と比べて遊技者に有利な第1BB遊技状態に遊技状態が移行し、続いて、一般遊技状態に遊技状態が移行することが繰り返されることがある。この場合、確率抽選処理で遊技者に不利な第2BBが抽選された場合と比べて、相対的に多くのメダルが払い出される状況を生じさせることができる。
また、右リール4についてのシンボル列には、図4に示すように、滑りコマ数である4コマの範囲内にコードナンバー“0”のシンボル“赤7”とコードナンバー“20”のシンボル“青7”とが配置されている。このため、確率抽選処理(図10,S6)で“赤7−赤7−青7”のシンボル組合せに対応する第2BBが内部当選役として決定された場合、“赤7−赤7−赤7”の第1BBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”をリール4に表示させられるタイミングで停止ボタン33の停止操作が行われても、第1BBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”の後の4コマの範囲内にある“青7”のシンボル組合せがリール4に表示されて、第2BB遊技状態が作動する。このため、第1BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が第2BB遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置される遊技店(ホール)の利益が確保される。
また、図9(a)のBB作動時テーブルに示すように、遊技者に付与されたメダル枚数に基づいて第1BB遊技状態または第2BB遊技状態の作動が終了するので、付与されたメダルを計算することによって第1BB遊技状態または第2BB遊技状態の作動の終了を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。しかも、図9(a)のBB作動時テーブルでは、第1BB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が450枚、第2BB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が350枚と、異なる値に設定されている。このため、第1BB遊技状態の作動が終了するまでの期間と、第2BB遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なり、第1BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、第2BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。しかも、熟練者であれば、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行って、第2BB遊技状態をより早期に終了させることができるが、未熟練者であれば、このような停止ボタン31〜33の操作を行うことができないので、遊技者間の有利度の差をより大きなものとすることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。また、第2BB遊技状態での払出可能枚数が第1BB遊技状態での払出可能枚数に比べて少なく設定されているので、第2BB遊技状態が早期に終了し、いわゆるハマリを短くすることができる。
なお、上記実施の形態では、第1BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”とし、第2BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−青7”とした場合について説明した。しかし、第1BBおよび第2BBに対応するシンボル組合せは任意である。例えば、第1BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”とし、第2BBに対応するシンボル組合せを“青7−青7−青7”としてもよい。また、例えば、第1BBおよび第2BBに対応するシンボル組合せを同じにしてもよい。この構成によっても、確率抽選処理(図10,S6)で第2BB役が内部当選役として決定された状態において、第1BBの入賞を狙った停止ボタン31〜33の停止操作が行われると、第2BBの入賞が成立して第2BB遊技状態が作動する。このため、この構成によっても、第1BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が第2BB遊技状態の作動を誘発することとなる。
また、一般遊技状態に比べて第1BBの遊技状態が遊技者にとって相対的に有利であり、一般遊技状態に比べて第2BBの遊技状態が遊技者にとって相対的に不利であるならば、各確率抽選テーブルの構成は任意である。例えば、上記実施形態の説明では、図10,S6の確率抽選処理において、内部当選役としてリプレイが決定される確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定した場合について説明した。しかし、内部当選役としてリプレイが決定されず、その分内部当選役としてハズレが決定される確率の高い確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定してもよい。この構成によれば、遊技者がより多くのメダルを消費し、熟練者と未熟練者とで、遊技者が払出を受けられるメダル枚数の差を大きくすることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、上記実施形態では、一般遊技状態に比べて遊技者にとって相対的に有利な遊技状態を第1BB遊技状態、一般遊技状態に比べて遊技者にとって相対的に不利な遊技状態を第2BB遊技状態とした場合について説明した。しかし、有利な遊技状態および不利な遊技状態を、停止ボタン31〜33の操作タイミングのみに基づきリール2〜4の停止制御が行われる確率の高いCT遊技状態等の他の遊技状態として本発明を適用することもできる。この場合、例えば、払出可能枚数がそれぞれ異なる第1CTおよび第2CTを設け、一方を有利な遊技状態、他方を不利な遊技状態とすることができる。
また、第1BB遊技状態が終了した後のみ、所定の単位遊技が行われる間だけ、再遊技が内部当選役として決定される確率が他の遊技状態に比べて高いRT(リプレイタイム)遊技状態(高確率再遊技状態)が作動する構成としてもよい。この構成によれば、RT遊技状態中にはメダルの消費枚数を抑えつつ多くの単位遊技を行うことができ、第1BBやRBが内部当選役として決定される機会を多く得ることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、第2BB遊技状態中に所定の条件が成立すると、メダル払出に係る役の入賞を成立させることのできる停止ボタン31〜33の操作順序などが報知される、所謂ST(スーパータイム)遊技状態が作動するように構成してもよい。この構成によれば、報知された順序に従って停止ボタン31〜33を操作するなどにより、第2BBについてのメダル払出可能枚数に早期に達することができ、第2BB遊技状態を早期に終了させることができる。
また、上記実施形態では、第2BB遊技状態での払出可能枚数を、第1BB遊技状態での払出可能枚数に比べて少なく設定した場合について説明した。しかし、両遊技状態での払出可能枚数は同一であってもよい。また、第1BB遊技状態での払出可能枚数を、第2BB遊技状態での払出可能枚数に比べて少なく設定してもよい。この構成によれば、ハマリを長いものとすることができ、遊技店(ホール)の利益を確保することができる。
また、上記実施形態では、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図8(c))についての期待値およびRBの抽選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブル(図8(a))についての期待値およびRBの抽選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較して第1BB遊技状態を有利な遊技状態とした。また、第2BB中一般遊技状態では第1BBを抽選しないことにより、一般遊技状態と比較して第2BB遊技状態を不利な遊技状態とした。しかし、上記実施形態では第1および第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル間で同じであった小役の当選確率を、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較して第1BB遊技状態を有利な遊技状態とし、第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも低くして、一般遊技状態と比較して第2BB遊技状態を不利な遊技状態としてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態によるパチスロ機1を説明する。
本実施形態によるパチスロ機1は、第1の実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の構成を有する。
しかし、本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」、「第1CT内部当選状態」、「第2CT内部当選状態」、「第3CT内部当選状態」、「第4CT内部当選状態」、「第1RB内部当選状態」、「第2RB内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」、「第1CT遊技状態」、「第2CT遊技状態」、「第3CT遊技状態」、「第4CT遊技状態」、「SCT遊技状態」、「第1RB(レギュラー・ボーナス)遊技状態」、および「第2RB遊技状態」がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、リール2〜4の引込制御の種類、および、入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
BB、第1RBおよび第2RBのボーナス当選フラグは、それぞれのボーナスに内部当選した後、当選したボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。第1〜第4CTの当選フラグは、第1〜第4CTに内部当選した後、当選した第1〜第4CTの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の単位遊技には持ち越されない。
BBの入賞成立を契機として発生し、「BB中一般遊技状態」および「第1RB遊技状態」,「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。「BB内部当選状態」,「第1RB内部当選状態」,および「第2RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。「第1CT内部当選状態」〜「第4CT内部当選状態」は、それぞれ第1〜第4CTに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。これらを総称して、以下「内部当選状態」という。
「第1CT遊技状態」〜「第4CT遊技状態」は、「一般遊技状態」においてよりも高い確率で、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる「SCT遊技状態」が作動する遊技状態をいう。「SCT遊技状態」中、本実施形態では、後述する滑りコマ数決定処理(図24参照)において、原則として、リール2〜4についての滑りコマ数が“0”とされ、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。但し、停止ボタン31〜33が操作された際に、SCT用表示許可テーブル(図19参照)で表示許可された表示役に対応するシンボルが有効化入賞ライン上に位置していない場合には、滑りコマ数が“1“とされて、確率抽選処理(図23参照)での抽選結果および停止ボタン31〜33の操作タイミングに基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。
「第1CT遊技状態」〜「第4CT遊技状態」の発生条件は、後述する確率抽選処理(図23参照)でCTに内部当選した状態において、有効化入賞ライン上に対応するシンボル組合せ(図16参照)が停止表示し、図21,S28aの役物等作動チェック処理で行われるCT作動時処理(図25,S84a参照)で、第1〜第4CT作動中フラグが“オン”になることである。「第1CT遊技状態」〜「第4CT遊技状態」の終了条件は、これらの遊技状態中に、図20(b)のCT作動時テーブルに示す払出可能枚数を超えるメダル払出が行われて、図21,S29aの役物等終了チェック処理で行われるCT終了時処理(図26,S103a参照)で、CT作動中フラグが“オフ”になることである。
図16は、配当表示部39に表わされる入賞シンボル組合せに対応する払出枚数または作動する遊技状態を示す。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役の入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表わす。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役の入賞が成立し、15枚のメダル払出が行われる。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役の入賞が成立し、8枚のメダル払出が行われる。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」の入賞が成立し、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりBBの入賞が成立し、BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1CTの入賞が成立し、第1CT遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2CTの入賞が成立し、第2CT遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第3CTの入賞が成立し、第3CT遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第4CTの入賞が成立し、第4CT遊技状態が作動する。また、“ベル−リプレイ−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりSCTの入賞が成立し、SCT遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“ベル−ベル−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“ベル−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1のメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路は、第1の実施形態によるパチスロ機1におけるものと同様の構成を有している。
しかし、マイコン63から構成される有利状態作動手段は、リール2〜4により第1の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”が表示されると、所定の遊技状態である一般遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に有利であって、その度合いがそれぞれ異なる第1〜第2CT遊技状態の作動を行う。マイコン63から構成される不利状態作動手段は、リール2〜4により第2の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”が表示されると、所定の遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に不利であって、その度合いがそれぞれ異なる第3〜第4CT遊技状態の作動を行う。この不利な遊技状態においては一般遊技状態においてよりも高い確率で、有利な遊技状態においては不利な遊技状態においてよりも高い確率で、当選役決定手段により決定された当選役にかかわらず停止信号出力手段により出力された信号のみに基づいて図柄変動手段により行われるシンボルの変動の停止制御を、ステッピングモータ45、リール位置検出回路77、およびマイコン63から構成される停止制御手段停止制御手段が行うSCT遊技が発生する。また、マイコン63から構成される作動終了手段は、数値情報更新手段により数値情報が第1の値または第2の値、本実施形態では第1CT遊技状態中に253枚,第2CT遊技状態中に200枚を超える値に更新されると第1または第2CT遊技状態の作動を終了し、数値情報更新手段により数値情報が第3の値または第4の値、本実施形態では第3CT遊技状態中に100枚,第4CT遊技状態中に252枚を超える値に更新されると第3または第4CT遊技状態の作動を終了する。
また、本実施形態によるパチスロ機1と第1の実施形態によるパチスロ機1とは、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている確率抽選テーブル等のテーブルの構成が異なる。
図17,図18を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる確率抽選テーブルについて説明する。
図17(a)〜(d),図18(e)〜(i)は、確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
図(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値149の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜149の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は150/16384であり、期待値は0.0061である。「ベル」の小役には下限値150,上限値1649の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が150〜1649の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は1500/16384であり、期待値は0.4578である。「スイカ」の小役には下限値1650,上限値1749の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1650〜1749の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は100/16384であり、期待値は0.0163である。「リプレイ」には下限値1750,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜3994の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384であり、期待値は0.1370である。「BB」には下限値3995,上限値4054の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が3995〜4054の範囲に属すると内部当選役として「BB」が選択される。「BB」の当選確率は60/16384であり、期待値は0である。「第1CT」には下限値4055,上限値4454の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4055〜4454の範囲に属すると内部当選役として「第1CT」が選択される。「第1CT」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「第2CT」には下限値4455,上限値4854の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は400/16384、期待値は0である。「第3CT」には下限値4855,上限値5254の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は400/16384、期待値は0である。「第4CT」には下限値5255,上限値5654の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は400/16384、期待値は0である。「SCT」には5655の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第1RB」には5656の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には5657の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値5658,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10726/16384、期待値は0である。この一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役の期待値0.0061、「ベル」の小役の期待値0.4578、「スイカ」の小役の期待値0.0163、および「リプレイ」の期待値0.1370を合計して得られる値0.6172である。
同図(b)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値3995の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2246/16384、期待値は0.1371である。また、「ハズレ」には下限値3996,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12388/16384、期待値は0である。また、「BB」、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この内部当選状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。
同図(c)は、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3995,上限値3996の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値3997,上限値3998の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値3999,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12385/16384、期待値は0である。また、「BB」、「第1CT」〜「第4CT」および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「第1CT」〜「第4CT」および「SCT」は選択されない。このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。
同図(d)は、「第1CT遊技状態」において用いられる第1CT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値5845の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4096/16384、期待値は0.2500である。「SCT」には下限値5846,上限値16380の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10535/16384、期待値は0である。「第1RB」には16381の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には16382の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「BB」および「第1CT」〜「第4CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1CT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「第1CT」〜「第4CT」は選択されない。この第1CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.7301である。この第1CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.7301は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172よりも大きく、しかも、第1CT遊技状態用確率抽選テーブルではSCTの抽選確率が10535/16385と一般遊技状態に比べて高いため、第1CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
図18(e)は、「第2CT遊技状態」において用いられる第2CT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、図17(b)の内部当選状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「SCT」には下限値3996,上限値13995の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10000/16384、期待値は0である。「第1RB」には13996の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には13997の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値13998,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2386/16384、期待値は0である。また、「BB」および「第1CT」〜「第4CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2CT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「第1CT」〜「第4CT」は選択されない。この第2CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第2CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる図17(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第2CT遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利なSCTの抽選確率が10000/16385と一般遊技状態に比べて高く、第2CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。但し、第1CT遊技状態用確率抽選テーブルに比べると遊技者に有利なSCTの抽選確率は低く、第2CT遊技状態は、第1CT遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。また、後述する図20(b)のCT作動時テーブルに示すように、第1CTについての払出可能枚数が253枚であるのに対し、第2CTについての払出可能枚数は200枚と、第1CTについての払出可能枚数よりも少ない値に設定されており、第2CT遊技状態では第1CT遊技状態に比べて遊技者が獲得できるメダル枚数が少ない。この点でも、第2CT遊技状態は、第1CT遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利となっている。
同図(f)は、「第3CT遊技状態」において用いられる第3CT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、図17(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「SCT」には下限値3995,上限値3998の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4/16384、期待値は0である。「第1RB」には3999の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には4000の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4001,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12383/16384、期待値は0である。また、「BB」および「第1CT」〜「第4CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第3CT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「第1CT」〜「第4CT」は選択されない。この第3CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第3CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる図17(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第3CT遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1CTおよび第2CTの抽選が行われないので、第3CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
同図(g)は、「第4CT遊技状態」において用いられる第4CT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、図17(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「SCT」には下限値3995,上限値3996の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「第1RB」には3997の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には3998の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値3999,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12385/16384、期待値は0である。また、「BB」および「第1CT」〜「第4CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第4CT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「第1CT」〜「第4CT」は選択されない。この第4CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第4CT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる図17(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第4CT遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1CTおよび第2CTの抽選が行われないので、第4CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。また、第4CT遊技状態用確率抽選テーブルでのSCTの抽選確率2/16384は、第3CT遊技状態用確率抽選テーブルでの遊技者に有利なSCTの抽選確率4/16384よりも低く、第4CT遊技状態は、第3CT遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。また、後述する図20(b)のCT作動時テーブルに示すように、第3CTについての払出可能枚数が100枚であるのに対し、第4CTについての払出可能枚数は252枚と、第3CTについての払出可能枚数よりも多い値に設定されており、第4CT遊技状態では第3CT遊技状態に比べて遊技者に不利な遊技状態が長期間継続し、その間に遊技者は多くのメダルを消費することとなる。この点でも、第4CT遊技状態は、第3CT遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利となっている。
同図(h)は、「第1RB遊技状態」において用いられる第1RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、図17(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値16282の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は16133/16384、期待値は4.9234である。「スイカ」の小役には下限値16283,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「BB」、「リプレイ」、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「リプレイ」、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第1RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値4.9458である。
同図(i)は、「第2RB遊技状態」において用いられる第2RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、図17(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値3894の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は3745/16384、期待値は1.1429である。「スイカ」の小役には下限値3895,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には下限値3995,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12389/16384、期待値は0である。また、「BB」、「リプレイ」、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、リプレイ、「第1CT」〜「第4CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第2RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値1.1653である。
なお、「SCT遊技状態」においては、「一般遊技状態」中に作動した「SCT遊技状態」では、図17(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルが用いられ、「第1CT遊技状態」〜「第4CT遊技状態」の何れかの遊技状態中に作動した「SCT遊技状態」では、図17(d)および図18(e)〜(g)の確率抽選テーブルのうちのそのときの遊技状態に対応したテーブルが用いられる。
次に、図19を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる、内部当選役と、リール2に実際に揃って表示される表示役として許可される役との関係を定めた表示許可テーブルについて説明する。
表示許可テーブルは、内部当選役と、表示役として許可される役との関係が定められたテーブルであり、各遊技状態毎に設けられている。表示許可テーブルは、後述する滑りコマ数決定処理(図24)において、確率抽選処理(図21,S6a)で決定された内部当選役および停止ボタン31〜33の操作タイミングに基づき、滑りコマ数を決定する等して、左,中,右の各リール2〜4を停止制御するのに用いられる。
図19は、遊技状態がSCT遊技状態である場合における、内部当選役と表示役として許可される役との関係を示すSCT用表示許可テーブルを概念的に示す図である。
同図に示すように、遊技状態がSCT遊技状態である場合、内部当選役が「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「ハズレ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役の入賞が成立し、または「ハズレ」となる。また、内部当選役が「リプレイ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、および「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の入賞が成立し、または「ハズレ」となる。
また、内部当選役が「第1CT」〜「第4CT」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、および内部当選役である「第1CT」〜「第4CT」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または表示役として許可された「第1CT」〜「第4CT」の何れかの入賞が成立し、または「ハズレ」となる。また、内部当選役が「BB」である場合、「SCT」である場合、「第1RB」および「第2RB」である場合も、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、並びに内部当選役である「BB」、「SCT」、「第1RB」および「第2RB」の何れかが表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または表示役として許可された「BB」、「SCT」、「第1RB」または「第2RB」の何れかの入賞が成立し、または「ハズレ」となる。
次に、図20を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルについて説明する。
図20は、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルを概念的に示す図である。
この役物等作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理(図25)で用いられる。このテーブルは、BB、第1〜第4CT、第1〜第2RBの表示役毎に、作動中フラグ,払出可能枚数,遊技可能回数,入賞可能回数が定められている。作動中フラグは、各表示役に対応する遊技状態が作動していることを表すフラグである。遊技状態払出可能枚数は、対応する作動中フラグがオンしてからクリアされるまでに払い出すことが可能なメダル枚数を表す。遊技可能回数は、作動中フラグがオンしてからクリアされるまでに行うことが可能な単位遊技数を表す。入賞可能回数は、作動中フラグがオンしてからクリアされるまでにメダル払出に係る役の入賞を成立させることが可能な回数を表す。
同図(a)は、BB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このBB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がBBの場合に行われるBB作動時処理(図25,S82a)で用いられる。このテーブルは、BBの表示役について、作動中フラグはBB作動中フラグ、払出可能枚数は360枚が定められている。
同図(b)は、CT作動時テーブルを概念的に示す図である。
このCT作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役が第1〜第4CTの場合に行われるCT作動時処理(図25,S84a)で用いられる。このテーブルは、第1〜第4CTの表示役毎に、作動中フラグおよび払出可能枚数が定められている。第1CTについては、作動中フラグは第1CT作動中フラグ、払出可能枚数は253枚が定められている。第2CTについては、作動中フラグは第2CT作動中フラグ、払出可能枚数は200枚が定められている。第3CTについては、作動中フラグは第3CT作動中フラグ、払出可能枚数は100枚が定められている。第4CTについては、作動中フラグは第4CT作動中フラグ、払出可能枚数は252枚が定められている。
同図(c)は、RB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このRB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役が第1RBまたは第2RBの場合に行われるRB作動時処理(図25,S88a)で用いられる。このテーブルは、第1RBについては、作動中フラグは第1RB作動中フラグ、遊技可能回数は12回、入賞可能回数は8回が定められている。第2RBについては、作動中フラグは第2RB作動中フラグ、遊技可能回数は6回、入賞可能回数は6回が定められている。
なお、図示しないが、役物等作動時テーブルには、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がSCTの場合に行われるSCT作動時処理(図25,S86a)で用いられるSCT作動時テーブルも含まれる。SCT作動時テーブルは、SCTの表示役について、作動中フラグはSCT作動中フラグ、遊技可能回数は1回が定められている。
次に、図21〜図27に示すフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
メインフローチャートに示すメインCPU64の制御動作は、図21に示すように、第1実施形態の場合とほぼ同様のS1a〜S29aの処理が行われる。しかし、メインCPU64は、S26aで「払出終了コマンド」をサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信した後に、BB、第1〜第4CT、SCT、または第1〜第2RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S27a)。そして、いずれのフラグも“オン”でない場合には、次に、メインCPU64は、後述する役物等作動チェック処理を行う(S28a)。一方、何れかのフラグが“オン”である場合には、次に、メインCPU64は、後述する役物等終了チェック処理を行う(S29a)。
次に、図22を参照して、図21,S5aで行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、SCT作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図22,S41a参照)。この判別が“YES”のときは、遊技状態をSCT遊技状態にセットする(S42a)。一方、S41の判別が“NO”のときは、BB作動中フラグ、第1CT作動中フラグ〜第4CT作動中フラグ、第1RB作動中フラグ、または第2RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(S43a)。この判別が“YES”のときは、遊技状態をBB中一般遊技状態、第1CT遊技状態〜第4CT遊技状態、第1RB遊技状態、または第2RB遊技状態にセットする(S44a)。つまり、BB作動中フラグ、第1CT作動中フラグ〜第4CT作動中フラグ、第1RB作動中フラグ、または第2RB作動中フラグのうちのオンとなっているフラグに対応する遊技状態をセットする。一方、S43aの判別が“NO”のときは、持越役がセットされているか否かを判別する(S45a)。この判別が“YES”のときは、持越役に応じて、遊技状態をBB内部当選状態、第1CT内部当選状態〜第4CT内部当選状態、第1RB内部当選状態、または第2RB内部当選状態にセットする(S46a)。一方、S45aの判別が“NO”のときは、遊技状態を一般遊技状態にセットする(S47a)。S42a,S44a,S46a,またはS47aの処理が行われると遊技状態監視処理は終了する。
次に、図23を参照して、図21,S6aで行われる確率抽選処理について説明する。
この確率抽選処理では、まず、メインCPU64は、遊技状態がBB中一般遊技状態であるか否かを判別し(図23,S51a参照)、この判別が“YES”である場合には、図17(c)に示すBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S52a)。一方、S51aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、遊技状態が第1RB遊技状態または第2RB遊技状態であるか否かを判別し(S53a)、この判別が“YES”である場合には、図18(h)または(i)に示す第1RB遊技状態確率抽選テーブルまたは第2RB遊技状態確率抽選テーブルのうちの遊技状態に対応するテーブルに基づいて内部当選役を決定する(S54a)。
一方、S53aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、遊技状態が内部当選状態であるか否かを判別し(S55a)、この判別が“YES”である場合には、図17(b)に示す内部当選状態用確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定する(S56a)。一方、S55aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、遊技状態が第1〜第4CT遊技状態であるか否かを判別し(S57a)、この判別が“NO”であるときは、第1CT作動中フラグ〜第4CT作動中フラグの何れかがオンであるか否かを判別する(S58a)。S57aまたはS58aの判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、図17(d)〜図18(g)に示す第1〜第4CT遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S59a)。つまり、第1CT遊技状態用確率抽選テーブル〜第4CT遊技状態用確率抽選テーブルのうちの、遊技状態または作動中フラグに対応するテーブルに基づいて内部当選役を決定する。遊技状態がSCT遊技状態である場合に参照される確率抽選テーブルは、そのSCT遊技状態が作動したときの遊技状態に応じて異なる。即ち、一般遊技状態において作動したSCT遊技状態では、一般遊技状態用確率抽選テーブル(図17(a))に基づいて内部当選役が決定され、第1〜第4CT遊技状態において作動したSCT遊技状態では、第1CT遊技状態用確率抽選テーブル(図17(d))〜第4CT遊技状態用確率抽選テーブル(図18(g))に基づいて内部当選役が決定される。
S58aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、図17(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する(S60a)。S52a,S54a,S56a,S59a,またはS60aの処理を行った後、メインCPU64は、内部当選役はBB、第1CT〜第4CT、第1RB、または第2RBのうちの何れかであるかを判別し(S61a)、この判別が“YES”である場合には、内部当選役に基づいて持越役をセットし(S62a)、処理を終了する。一方、S61aの判別が“NO”である場合には、そのまま確率抽選処理を終了する。
次に、図24を参照して、図21,S15aで行われる滑りコマ数決定処理について説明する。
この滑りコマ数決定処理では、まず、メインCPU64は、遊技状態がSCT遊技状態であるか否かを判別し(図24,S71a参照)、この判別が“YES”であるときは、SCT用表示許可テーブル(図19)を参照し、表示許可された役の種別および停止ボタン31〜33の操作タイミングに基づき、0〜1のうちの何れかを滑りコマ数として決定する(S73a)。一方、S71aの判別が“NO”であるときは、内部当選役および持越役に基づいて、0〜4のうちの何れかを滑りコマ数として決定し(S72a)、処理を終了する。
次に、図25を参照して、図21,S28aで行われる役物等作動チェック処理について説明する。
この役物等作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、リール2〜4に実際に揃って表示されている表示役はBBであるか否かを判別し(図25,S81a参照)、この判別が“YES”である場合には、BB作動時テーブル(図20(a)参照)に基づいてBB作動時処理を行う(S82a)。この処理では、BB作動中フラグを“オン”にし、持越役をクリアし、払出可能枚数をセットする処理が行われる。一方、S81a判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、表示役は第1CT〜第4CTであるか否かを判別し(S83a)、この判別が“YES”である場合には、CT作動時テーブル(図20(b)参照)に基づいてCT作動時処理を行う(S84a)。この処理では、第1CT作動中フラグ〜第4CT作動中フラグを“オン”にし、持越役をクリアし、払出可能枚数をセットする処理が行われる。
S83aでの判別が“NO”である場合には、表示役はSCTであるか否かを判別し(S85a)、判別が“YES”である場合にはSCT作動時処理を行う(S86a)。この処理では、SCT作動中フラグを“オン”にし遊技可能回数をセットする処理が行われる。S85aでの判別が“NO”である場合には、表示役は第1RBまたは第2RBであるか否かを判別し(S87a)、この判別が“NO”である場合にはそのまま役物等作動チェック処理を終了する。一方、判別が“YES”である場合にはRB作動時テーブル(図20(c)参照)に基づいてRB作動時処理を行う(S88a)。この処理では、RB作動中フラグを“オン”にし、持越役をクリアし、遊技可能回数や入賞可能回数をセットする処理が行われる。S82a,S84a,S86a,S88aの処理が行われた後、役物等作動チェック処理は終了する。
次に、図26,図27を参照して、図21,S29aで行われる役物等終了チェック処理について説明する。
この役物等終了チェック処理では、まず、メインCPU64は、SCT作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(図26,S91a参照)、この判別が“YES”である場合には、SCT作動中フラグをクリア等してSCTを1ゲームで終了させるSCT終了時処理を行う(S92a)。S91aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、第1RB作動中フラグまたは第2RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S93a)、この判別が“NO”である場合、メインCPU64は、第1〜第4CT作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S98a)、この判別が“YES”である場合には、表示役は第1RBまたは第2RBであるか否かを判別する(S99a)。この判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、RB作動時テーブル(図20(c)参照)に基づいて上述したのと同様のRB作動時処理を行う(S100a)。S99aの判別が“NO”である場合、メインCPU64は、CT遊技状態におけるメダル払出枚数の更新を行い(S101a)、続いて、更新したメダル払出枚数がCT作動時テーブルに記憶された払出可能枚数に達したか否かに基づいて、遊技状態がCT終了時であるか否かを判別する(S102a)。この判別が“YES”である場合には、第1CT作動中フラグ〜第4CT作動中フラグをクリア等するCT終了時処理を行い(S103a)、役物等終了チェック処理を終了する。S102aの判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。
S93aの判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、RB遊技数および入賞回数の更新を行う(S94a)。次に、メインCPU64は、更新したRB遊技数または入賞回数が、RB作動時テーブルに記憶された遊技可能回数または入賞可能回数に達したか否かに基づいて、遊技状態がRB終了時であるか否かを判別する(S95a)。この判別が“YES”である場合には、RB作動中フラグをクリア等するRB終了時処理を行う(S96a)。S95aの判別が“NO”である場合、または、S96aの処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別し(S97a)、この判別が“NO”である場合には、そのまま役物等終了チェック処理を終了する。
S97aの判別が“YES”の場合、またはS98aの判別が“NO”の場合、メインCPU64は、BB遊技状態におけるメダル払出枚数の更新を行い(図26,S104a参照)、続いて、更新したメダル払出枚数がBB作動時テーブルに記憶された払出可能枚数に達したか否かに基づいて、遊技状態がBB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(S105a)。この判別が“YES”である場合には、BB作動中フラグをクリア等するBB終了時処理を行い(S106a)、役物等終了チェック処理を終了する。S105aの判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、表示役は第1〜第2RBであるか否かを判別し(S107a)、この判別が“NO”である場合にはそのまま役物等終了チェック処理を終了する。一方、判別が“YES”である場合には、RB作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行い(S108a)、役物等終了チェック処理を終了する。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の第1の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図25の役物等作動チェック処理のS83aにおいて表示役が第1CTまたは第2CTと判別されると、S84aのCT作動時処理で第1CT作動中フラグまたは第2CT作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な第1CT遊技状態または第2CT遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”の第2の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図25の役物等作動チェック処理のS83aにおいて表示役が第3CTまたは第4CTと判別されると、S84aのCT作動時処理で第3CT作動中フラグまたは第4CT作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な第3CT遊技状態または第4CT遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、リール2〜4により“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に有利な第1または第2CT遊技状態が作動し、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に不利な第3または第4CT遊技状態が作動する。このため、特定のシンボル組合せがリール2〜4に表示されたとしても、必ずしも、一般遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態が作動するとは限らず、一般遊技状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態が作動することもある。この結果、予め定められたシンボル組合せが停止表示されても、多くのメダルの付与を受けられるとは限らず、リール2〜4に表示されるシンボル組合せに対する遊技者の関心を高め、単位遊技の結果に対する遊技者の緊張感を高めることができる。また、有利な遊技状態および不利な遊技状態中のSCT遊技状態中には、確率抽選処理(図21,S6a)で決定された当選役にかかわらず停止ボタン31〜33の操作タイミングのみに基づいてリール2〜4により行われるシンボルの変動の停止制御が、一般遊技状態よりも高い確率で行われるので、熟練者は、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止操作を行うことにより、メダルを獲得できる機会が増える。このため、有利な遊技状態ではより多くのメダルを獲得でき、不利な遊技状態においても自分の技量に応じてメダルの獲得を期待できる。この結果、遊技者の技量がより強く反映されたパチスロ機1を提供することができる。
また、仮に、遊技者にとって有利な第1CT遊技状態または第2CT遊技状態が作動しているときであっても、それが第1CT遊技状態であるか第2CT遊技状態であるかによって、遊技者にとっての有利度が異なるので、メダルの払出量に起伏を設けることができる。また、第1CT遊技状態〜第4CT遊技状態においては、一般遊技状態においてよりも高い確率で、確率抽選処理(図21,S6a)により決定された内部当選役にかかわらず停止ボタン31〜33の操作タイミングのみに基づいてリール2〜4により行われるシンボルの変動の停止制御が行われるので、熟練者は、メダル払出に係るシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行うことにより、メダルを獲得できる機会が増える。このため、第1CT遊技状態および第2CT遊技状態ではより多くの遊技価値を獲得でき、第3CT遊技状態および第4CT遊技状態においても自分の技量に応じて遊技価値の獲得を期待できる。この結果、遊技者の技量がより強く反映されたパチスロ機1を提供することができる。
また、確率抽選処理(図21,S6a)の抽選結果によっては、一般遊技状態から、一般遊技状態と比べて遊技者に有利な第1CT遊技状態または第2CT遊技状態に遊技状態が移行し、続いて、一般遊技状態に遊技状態が移行することが繰り返されることがある。この場合、確率抽選処理で遊技者に不利な第3CTまたは第4CTが抽選された場合と比べて、相対的に多くのメダルが払い出される状況を生じさせることができる。
また、右リール4についてのシンボル列には、図4に示すように、滑りコマ数である4コマの範囲内にコードナンバー“0”のシンボル“赤7”とコードナンバー“20”のシンボル“青7”とが配置されている。このため、確率抽選処理(図21,S6a)で“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”のシンボル組合せに対応する第3CTまたは第4CTが内部当選役として決定された場合、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の第1CTまたは第2CTに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”がリール4に表示されるタイミングで停止ボタン33の停止操作が行われても、第1CTまたは第2CTに対応するシンボル“赤7”の4コマの範囲内にある“青7”のシンボル組合せがリール4に表示されて、第3CT遊技状態または第4CT遊技状態が作動する。このため、第1CT遊技状態または第2CT遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が第3CT遊技状態または第4CT遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置される遊技店(ホール)の利益が確保される。
また、図20(b)のCT作動時テーブルに示すように、遊技者に付与されたメダル枚数に基づいて第1〜第4CT遊技状態の作動が終了するので、付与されたメダルを計算することによって第1〜第4CT遊技状態の作動の終了を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。しかも、図20(b)のCT作動時テーブルでは、第1〜第4CT遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が253枚,200枚,100枚,252枚と、異なる値に設定されている。このため、第1〜第2CT遊技状態の作動が終了するまでの期間と、第3〜第4CT遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なるので、第1〜第2CT遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、第3〜4CT遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。しかも、熟練者であれば、メダル払出に係るシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行って、遊技者に不利な第3〜4CT遊技状態をより早期に終了させることができるが、未熟練者であれば、このような停止ボタン31〜33の操作を行うことができないので、遊技者間の有利度の差をより大きなものとすることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。
なお、上記実施の形態では、第1CTに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”、第2CTに対応するシンボル組合せを“赤7−青7−赤7”、第3CTに対応するシンボル組合せを“赤7−青7−青7”、第4CTに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−青7”とした場合について説明した。しかし、第1〜第4CTに対応するシンボル組合せは任意である。例えば、第1〜第4CTに対応するシンボル組合せを同じにしてもよい。この構成によっても、確率抽選処理(図21,S6a)で第3〜第4CTが内部当選役として決定された状態において、第1〜第2CTの入賞を狙った停止ボタン31〜33の停止操作が行われると、第3〜第4CTの入賞が成立して第3〜第4CT遊技状態が作動する。このため、この構成によっても、第1〜第2CT遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が第3〜第4CT遊技状態の作動を誘発することとなる。
また、一般遊技状態に比べて第1CTまたは第2CTの遊技状態が遊技者にとって相対的に有利であり、一般遊技状態に比べて第3または第4CTの遊技状態が遊技者にとって相対的に不利であるならば、各確率抽選テーブルの構成は任意である。例えば、上記実施形態の説明では、図21,S6aの確率抽選処理において、内部当選役としてリプレイが決定される確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定した場合について説明した。しかし、第3または第4CTの遊技状態においては、内部当選役としてリプレイが決定されず、その分内部当選役としてハズレが決定される確率の高い確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定してもよい。この構成によれば、遊技者がより多くのメダルを消費し、熟練者と未熟練者とで、遊技者が払出を受けられるメダル枚数の差を大きくすることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、上記実施形態では、第3〜第4CT遊技状態でのSCTの内部当選確率を一般遊技状態でのSCTの内部当選確率と略同一としたが、例えば、第3〜第4CT遊技状態では、ハズレが内部当選役となったときには停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらずハズレが表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定し、第3〜第4CT遊技状態を一般遊技状態よりも不利になるようにしてもよい。また、第3〜第4CT遊技状態では、メダルの払出枚数が1枚など、遊技者に付与される遊技価値が相対的に小さな役が表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、第3〜第4CT遊技状態を一般遊技状態よりも不利になるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1,第2CT遊技状態用確率抽選テーブル(図17(d),図18(e))についての期待値およびSCTの抽選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値およびSCTの抽選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較して第1〜第2CT遊技状態を有利な遊技状態とした。また、第3〜第4CT遊技状態で第1〜第2CTを抽選しないことにより一般遊技状態と比較して第3〜第4CT遊技状態を不利な遊技状態とした。しかし、上記実施形態では第1〜第4CT遊技状態用確率抽選テーブル(図17(d)〜図18(g))で同じ値であった小役の当選確率を、第1および第2CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較して第1および2第CT遊技状態を有利な遊技状態とし、第3および第4CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも低くして、一般遊技状態と比較して第3および第4CT遊技状態を不利な遊技状態としてもよい。
また、第1〜第2CT遊技状態または第3〜第4CT遊技状態が有利状態または不利状態で、かつ、第1〜第2CT遊技状態間で有利度が異なり、第3〜第4CT遊技状態間で有利度が異なるのならば、SCT遊技状態の作動条件は任意であり、例えば、“ベル−リプレイ−ベル”などの予め定められたシンボルの組合せが表示されることなく、SCT作動中フラグをオンにしたり、CT遊技状態中には常に0または1を滑りコマ数と決定してSCT遊技状態が常に作動しているようにしてもよい。また、停止ボタン31〜33の操作にのみ基づき停止制御が行われるリール2〜4の種類や数が異なる複数種類のSCT遊技状態を設け、各CT遊技状態間でそれぞれの内部当選役確率を異ならせてもよい。また、CT遊技状態の種別に応じて、作動するSCT遊技状態の種別を異ならせてもよい。
また、上記実施形態では、一般遊技状態に比べて遊技者にとって相対的に有利な遊技状態を第1CT遊技状態または第2CT遊技状態、一般遊技状態に比べて遊技者にとって相対的に不利な遊技状態を第3CT遊技状態または第4CT遊技状態とした場合について説明した。しかし、第1CT遊技状態および第2CT遊技状態の2種類のCT遊技状態のみを設け、一方を有利な遊技状態、他方を不利な遊技状態としてもよい。
また、第1CT遊技状態または第2CT遊技状態が終了した後のみ、所定の単位遊技が行われる間だけ、再遊技が内部当選役として決定される確率が他の遊技状態に比べて高いRT(リプレイタイム)遊技状態(高確率再遊技状態)が作動する構成としてもよい。この構成によれば、RT遊技状態中にはメダルの消費枚数を抑えつつ多くの単位遊技を行うことができ、第1CTや第2CTが内部当選役として決定される機会を多く得ることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、第3CT遊技状態中または第4CT遊技状態中に所定の条件が成立すると、メダル払出に係る役の入賞を成立させることのできる停止ボタン31〜33の操作順序などが報知される、所謂ST(スーパータイム)遊技状態が作動するように構成してもよい。この構成によれば、報知された順序に従って停止ボタン31〜33を操作するなどにより、第3CTまたは第4CTについてのメダル払出可能枚数に早期に達することができ、第3CT遊技状態または第4CT遊技状態を早期に終了させることができる。
また、上記実施形態では、第2CT遊技状態でのSCTの抽選確率を第1CT遊技状態でのSCTの抽選確率よりも低くすると共に、第1CTについての払出可能枚数を第2CTについての払出可能枚数よりも大きな値に設定して第1CT遊技状態を第2CT遊技状態よりも有利な遊技状態にした。また、第4CT遊技状態でのSCTの抽選確率を第3CT遊技状態でのSCTの抽選確率よりも低くすると共に、第4CTについての払出可能枚数を第3CTについての払出可能枚数よりも大きな値に設定して第4CT遊技状態を第3CT遊技状態よりも不利な遊技状態にした。しかし、第1CTおよび第2CT遊技状態でのSCTの抽選確率を等しくし、第1CTについての払出可能枚数を第2CTについての払出可能枚数よりも大きな値に設定することのみで、第1CT遊技状態を第2CT遊技状態よりも有利な遊技状態にしてもよい。また、第3CTおよび第4CT遊技状態でのSCTの抽選確率を等しくし、第4CTについての払出可能枚数を第3CTについての払出可能枚数よりも大きな値に設定することのみで、第4CT遊技状態を第3CT遊技状態よりも不利な遊技状態にしてもよい。また、第1CTおよび第2CTについての払出可能枚数を等しくし、第2CT遊技状態でのSCTの抽選確率を第1CT遊技状態でのSCTの抽選確率よりも低くすることのみで、第1CT遊技状態を第2CT遊技状態よりも有利な遊技状態にしてもよい。また、第3CTおよび第4CTについての払出可能枚数を等しくし、第4CT遊技状態でのSCTの抽選確率を第3CT遊技状態でのSCTの抽選確率よりも低くすることのみで、第4CT遊技状態を第3CT遊技状態よりも不利な遊技状態にしてもよい。また、上記実施形態では第1,第2CT遊技状態用確率抽選テーブル(図17(d)〜図18(e))で同じ値であった小役の当選確率を、第1CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を第2CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、第1CT遊技状態を第2CT遊技状態よりも有利な遊技状態としてもよい。また、上記実施形態では第3,第4CT遊技状態用確率抽選テーブル(図18(f)〜図18(g))で同じ値であった小役の当選確率を、第3CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を第4CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、第4CT遊技状態を第3CT遊技状態よりも不利な遊技状態としてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態によるパチスロ機1を説明する。
本実施形態によるパチスロ機1は、第2の実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の構成を有する。
しかし、本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」、「CT内部当選状態」、「第1RB(レギュラー・ボーナス)内部当選状態」、「第2RB内部当選状態」、「BB中一般遊技状態」、「CT遊技状態」、「SCT遊技状態」、「第1RB遊技状態」、および「第2RB遊技状態」がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、リール2〜4の引込制御の種類、および、入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
BB、第1RB、第2RBのボーナス当選フラグは、ボーナスに内部当選した後、当選したボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。CTの当選フラグは、CTに内部当選した後、当選したCTの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の単位遊技には持ち越されない。
BBの入賞成立を契機として発生し、「BB中一般遊技状態」および「第1RB遊技状態」,「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。「BB内部当選状態」,「第1RB内部当選状態」,および「第2RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。「CT内部当選状態」は、CTに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。これらを総称して、以下「内部当選状態」という。
「CT遊技状態」は、「一般遊技状態」においてよりも高い確率で、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる「SCT遊技状態」が作動する遊技状態をいう。「SCT遊技状態」中、本実施形態では、上述した滑りコマ数決定処理(図24参照)において、原則として、リール2〜4についての滑りコマ数が“0”とされ、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。但し、停止ボタン31〜33が操作された際に、SCT用表示許可テーブル(図30参照)で表示許可された表示役に対応するシンボルが有効化入賞ライン上に位置していない場合には、滑りコマ数が“1”とされて、確率抽選処理(図32,S6b)での抽選結果および停止ボタン31〜33の操作タイミングに基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。
「CT遊技状態」の発生条件は、後述する確率抽選処理(図32,S6b)でCTに内部当選した状態において、有効化入賞ライン上に対応するシンボル組合せ(図28参照)が停止表示し、図32,S28bの役物等作動チェック処理で行われるCT作動時処理(図35,S84b参照)で、CT作動中フラグが“オン”になることである。「CT遊技状態」の終了条件は、「CT遊技状態」中に、図31(b)のCT作動時テーブルに示す払出可能枚数を超えるメダル払出が行われて、図32,S29bの役物等終了チェック処理で行われるCT終了時処理(図36,S103b参照)で、CT作動中フラグが“オフ”になることである。
図28は、配当表示部39に表わされる入賞シンボル組合せに対応する払出枚数または作動する遊技状態を示す。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役の入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表わす。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役の入賞が成立し、15枚のメダル払出が行われる。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役の入賞が成立し、8枚のメダル払出が行われる。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」の入賞が成立し、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりBBの入賞が成立し、BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりCTの入賞が成立し、CT遊技状態が作動する。また、“ベル−リプレイ−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりSCTの入賞が成立し、SCT遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“ベル−ベル−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、BB中一般遊技状態において“ベル−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1のメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路は、第2の実施形態によるパチスロ機1におけるものと同様の構成を有している。しかし、マイコン63から構成される有利状態作動手段は、リール2〜4により第1の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−赤7”が表示されると、所定の遊技状態である一般遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に有利な遊技状態であるBB遊技状態の作動を行う。マイコン63から構成される有利状態作動手段は、リール2〜4により第2の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−青7”が表示されると、所定の遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に不利な遊技状態であるCT遊技状態の作動を行う。この不利な遊技状態においては一般遊技状態においてよりも高い確率で、有利な遊技状態においては不利な遊技状態においてよりも高い確率で、当選役決定手段により決定された当選役にかかわらず停止信号出力手段により出力された信号のみに基づいて図柄変動手段により行われるシンボルの変動の停止制御を、ステッピングモータ45、リール位置検出回路77、およびマイコン63から構成される停止制御手段停止制御手段が行うSCT遊技が発生する。マイコン63から構成される作動終了手段は、数値情報更新手段により数値情報が第1の値、本実施形態ではBB遊技状態中に360枚を超える値に更新されると有利な遊技状態の作動を終了し、数値情報更新手段により数値情報が第2の値、本実施形態ではCT遊技状態中に253枚を超える値に更新されると不利な遊技状態の作動を終了する。
また、本実施形態によるパチスロ機1と第2の実施形態によるパチスロ機1とは、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている確率抽選テーブル等のテーブルの構成が異なる。
図29を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる確率抽選テーブルについて説明する。
図29(a)〜(f)は、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
同図(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値149の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜149の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は150/16384であり、期待値は0.0061である。「ベル」の小役には下限値150,上限値1649の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が150〜1649の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は1500/16384であり、期待値は0.4578である。「スイカ」の小役には下限値1650,上限値1749の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1650〜1749の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は100/16384であり、期待値は0.0163である。「リプレイ」には下限値1750,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜3994の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384であり、期待値は0.1370である。「BB」には下限値3995,上限値4394の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が3995〜4394の範囲に属すると内部当選役として「BB」が選択される。「BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「CT」には下限値4395,上限値4794の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4395〜4794の範囲に属すると内部当選役として「CT」が選択される。「CT」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「SCT」には4795の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第1RB」には4796の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には4797の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4798,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は11586/16384、期待値は0である。この一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役の期待値0.0061、「ベル」の小役の期待値0.4578、「スイカ」の小役の期待値0.0163、および「リプレイ」の期待値0.1370を合計して得られる値0.6172である。
同図(b)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値3995の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2246/16384、期待値は0.1371である。また、「ハズレ」には下限値3996,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12388/16384、期待値は0である。また、「BB」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この内部当選状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。
同図(c)は、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(b)の内部当選状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3996,上限値16381の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12385/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値16381,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「BB」、「CT」、および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「CT」、および「SCT」は選択されない。このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1RB遊技状態用確率抽選テーブルが用いられる第1RBの当選確率が高く、BB遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
同図(d)は、「CT遊技状態」において用いられるCT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「SCT」には下限値3995,上限値3996の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「第1RB」には3997の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には3998の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値3999,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12385/16384、期待値は0である。また、「BB」および「CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、このCT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」および「CT」は選択されない。このCT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。このCT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、CT遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利なBBの抽選が行われないので、CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
同図(e)は、「第1RB遊技状態」において用いられる第1RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値16282の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は16133/16384、期待値は4.9234である。「スイカ」の小役には下限値16283,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第1RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値4.9458である。
同図(f)は、「第2RB遊技状態」において用いられる第2RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値3894の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は3745/16384、期待値は1.1429である。「スイカ」の小役には下限値3895,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には下限値3995,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12389/16384、期待値は0である。また、「BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、リプレイ、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第2RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値1.1653である。
なお、「SCT遊技状態」においては、「一般遊技状態」中に作動した「SCT遊技状態」では、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルが用いられ、「CT遊技状態」中に作動した「SCT遊技状態」では、同図(d)のCT遊技状態用確率抽選テーブルが用いられる。
次に、図30を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる表示許可テーブルについて説明する。
図30は、本実施形態によるパチスロ機1で用いられるSCT用表示許可テーブルを概念的に示す図である。
同図に示すように、遊技状態がSCT遊技状態である場合、内部当選役が「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「ハズレ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または「ハズレ」の入賞が成立する。また、内部当選役が「リプレイ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、または「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、または「ハズレ」の入賞が成立する。
また、内部当選役が「BB」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または「BB」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または「BB」の入賞が成立する。また、内部当選役が「CT」である場合、「SCT」である場合、「第1RB」および「第2RB」である場合も、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または内部当選役である「CT」、「SCT」、「第1RB」または「第2RB」の何れかが表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または表示役として許可された「CT」、「SCT」、「第1RB」または「第2RB」の何れかの入賞が成立する。
次に、図31を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルについて説明する。
図31は、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルを概念的に示す図である。
同図(a)は、BB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このBB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がBBの場合に行われるBB作動時処理(図35,S82b)で用いられる。このテーブルは、BBの表示役について、作動中フラグはBB作動中フラグ、払出可能枚数は360枚が定められている。
同図(b)は、CT作動時テーブルを概念的に示す図である。
このCT作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がCTの場合に行われるCT作動時処理(図35,S84b)で用いられる。このテーブルは、CTの表示役について、作動中フラグはCT作動中フラグ、払出可能枚数は253枚が定められている。
同図(c)は、RB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このRB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役が第1RBまたは第2RBの場合に行われるRB作動時処理(図35,S88b)で用いられる。このテーブルは、第1RBについては、作動中フラグは第1RB作動中フラグ、遊技可能回数は12回、入賞可能回数は8回が定められている。第2RBについては、作動中フラグは第2RB作動中フラグ、遊技可能回数は6回、入賞可能回数は6回が定められている。
なお、図示しないが、役物等作動時テーブルには、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がSCTの場合に行われるSCT作動時処理(図35,S86b)で用いられるSCT作動時テーブルも含まれる。SCT作動時テーブルは、SCTの表示役について、作動中フラグはSCT作動中フラグ、遊技可能回数は1回が定められている。
次に、本実施形態によるパチスロ機1による遊技処理について説明する。
本実施形態によるパチスロ機1では、第2実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の、図32に示すメインフローチャート、図33に示す遊技状態監視処理、図34に示す確率抽選処理、図35に示す役物等作動チェック処理、図36,図37に示す役物等終了チェック処理を行う。また、第2実施形態によるパチスロ機1で行われた図24に示すのと同様の滑りコマ数チェック処理が行われる。しかし、第2実施形態では「第1CT遊技状態」〜「第4CT遊技状態」と4種類のCT遊技状態があるのに対し、本実施形態では1つのCT遊技状態のみを有する。このため、メインCPU64による図32〜図37の各処理では、第2実施形態においてメインCPU64が第1〜第4CT遊技状態について行う処理について、CT遊技状態についてのみの処理が行われる。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、“赤7−赤7−赤7”の第1の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図35の役物等作動チェック処理のS81bにおいて表示役がBBと判別されると、S82bのBB作動時処理でBB作動中フラグ“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利なBB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”の第2の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図35の役物等作動チェック処理のS83bにおいて表示役がCTと判別されると、S84bのCT作動時処理でCT作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利なCT遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、リール2〜4により“赤7−赤7−赤7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に有利なBB遊技状態が作動し、“赤7−赤7−青7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に不利なCT遊技状態が作動する。このため、特定のシンボル組合せがリール2〜4に表示されたとしても、必ずしも、一般遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態が作動するとは限らず、一般遊技状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態が作動することもある。この結果、予め定められたシンボル組合せが停止表示されても、多くのメダルの付与を受けられるとは限らず、リール2〜4に表示されるシンボル組合せに対する遊技者の遊技者の関心を高め、単位遊技の結果に対する遊技者の緊張感を高めることができる。また、CT遊技状態中に作動するSCT遊技状態では、確率抽選処理(図32,S6b)で決定された当選役にかかわらず停止ボタン31〜33の操作タイミングのみに基づいてリール2〜4により行われるシンボルの変動の停止制御が行われるので、熟練者であれば、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止操作を行うことにより、メダルを獲得できる機会が増える。一方、未熟練者はこのような停止操作を行うことはできない。このため、遊技者間の公平が大きく崩れ、いわゆる客離れが発生してしまう虞があるが、BB遊技状態に比べて、CT遊技状態においては、熟練者であってもそれほど多くのメダルを獲得できないため、熟練者が獲得できるメダル枚数と未熟練者が獲得できるメダル枚数との差が少なく抑えられるので、その可能性が低減し、遊技者間の公平を保つことができる。
また、確率抽選処理(図32,S6b)の抽選結果によっては、一般遊技状態から、一般遊技状態と比べて遊技者に有利なBB遊技状態に遊技状態が移行し、続いて、一般遊技状態に遊技状態が移行することが繰り返されることがある。この場合、確率抽選処理で遊技者に不利なCTが抽選された場合と比べて、相対的に多くのメダルが払い出される状況を生じさせることができる。
また、右リール4についてのシンボル列には、図4に示すように、滑りコマ数である4コマの範囲内にコードナンバー“0”のシンボル“赤7”とコードナンバー“20”のシンボル“青7”とが配置されている。このため、確率抽選処理(図32,S6b)で“赤7−赤7−青7”のシンボル組合せに対応するCTが内部当選役として決定された場合、“赤7−赤7−赤7”のBBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”がリール4に表示されるタイミングで停止ボタン33の停止操作が行われても、BBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”の後の4コマの範囲内にある“青7”のシンボル組合せがリール2〜4に表示されてCT遊技状態が作動する。このため、BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作がCT遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置される遊技店(ホール)の利益が確保される。
また、図31(a)のBB作動時テーブルおよび同図(b)のCT作動時テーブルに示すように、遊技者に付与されたメダル枚数に基づいてBB遊技状態およびCT遊技状態の作動が終了するので、付与されたメダルを計算することによってBB遊技状態およびCT遊技状態の作動の終了を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。しかも、図31(a)のBB作動時テーブルではBB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が360枚に設定されているのに対し、図31(b)のCT作動時テーブルとではCT遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が253枚に設定されており、両遊技状態間でメダルの払出枚数が異なる値に設定されている。このため、BB遊技状態の作動が終了するまでの期間と、CT遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なるので、BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、CT遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。しかも、熟練者であれば、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行って、遊技者に不利なCT遊技状態をより早期に終了させることができるが、未熟練者であれば、このような停止ボタン31〜33の操作を行うことができないので、遊技者間の有利度の差をより大きなものとすることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。
なお、上記実施の形態では、BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”、CTに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−青7”とした場合について説明した。しかし、BBおよびCTに対応するシンボル組合せは任意である。例えば、BBおよびCTに対応するシンボル組合せを同じにしてもよい。この構成によっても、確率抽選処理(図32,S6b)でCTが内部当選役として決定された状態において、BBの入賞を狙った停止ボタン31〜33の停止操作が行われると、CTの入賞が成立してCT遊技状態が作動する。このため、この構成によっても、BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作がCT遊技状態の作動を誘発することとなる。
また、一般遊技状態に比べてBBの遊技状態が遊技者にとって相対的に有利であり、一般遊技状態に比べてCTの遊技状態が遊技者にとって相対的に不利であるならば、各確率抽選テーブルの構成は任意である。例えば、上記実施形態の説明では、図32,S6bの確率抽選処理において、内部当選役としてリプレイが決定される確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定した場合について説明した。しかし、CTの遊技状態においては、内部当選役としてリプレイが決定されず、その分内部当選役としてハズレが決定される確率の高い確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定してもよい。この構成によれば、遊技者がより多くのメダルを消費し、熟練者と未熟練者とで、遊技者が払出を受けられるメダル枚数の差を大きくすることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、上記実施形態では、CT遊技状態でのSCTの内部当選確率を一般遊技状態でのSCTの内部当選確率と略同一としたが、例えば、CT遊技状態では、ハズレが内部当選役となったときには停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらずハズレが表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定し、CT遊技状態を一般遊技状態よりも不利になるようにしてもよい。また、CT遊技状態では、メダルの払出枚数が1枚など、遊技者に付与される遊技価値が相対的に小さな役が表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、CT遊技状態を一般遊技状態よりも不利になるようにしてもよい。また、上記実施形態ではBB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図29(c))およびCT遊技状態用確率抽選テーブル(図29(d))で同じ値であった小役の当選確率を、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較してBB遊技状態を有利な遊技状態とし、CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも低くして、一般遊技状態と比較してCT遊技状態を不利な遊技状態としてもよい。
また、BB遊技状態またはCT遊技状態が有利な遊技状態または不利な遊技状態であるのならば、SCT遊技状態の作動条件は任意であり、例えば、“ベル−リプレイ−ベル”などの予め定められたシンボルの組合せが表示されることなく、SCT作動中フラグをオンにしたり、CT遊技状態中には常に0または1を滑りコマ数と決定してSCT遊技状態が常に作動しているようにしてもよい。
また、BB遊技状態が終了した後のみ、所定の単位遊技が行われる間だけ、再遊技が内部当選役として決定される確率が他の遊技状態に比べて高いRT(リプレイタイム)遊技状態(高確率再遊技状態)が作動する構成としてもよい。この構成によれば、RT遊技状態中にはメダルの消費枚数を抑えつつ多くの単位遊技を行うことができ、BBが内部当選役として決定される機会を多く得ることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、CT遊技状態中に所定の条件が成立すると、メダル払出に係る役の入賞を成立させることのできる停止ボタン31〜33の操作順序などが報知される、所謂ST(スーパータイム)遊技状態が作動するように構成してもよい。この構成によれば、報知された順序に従って停止ボタン31〜33を操作するなどにより、CTについてのメダル払出可能枚数に早期に達することができ、CT遊技状態を早期に終了させることができる。
次に、本発明の第4の実施形態によるパチスロ機1を説明する。
本実施形態によるパチスロ機1は、第3の実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の構成を有し、メインCPU64により制御される遊技状態は同じである。
しかし、本実施形態によるパチスロ機1と、第3実施形態によるパチスロ機1とではBB遊技状態およびCT遊技状態が作動する条件となるシンボル組み合わせが異なる。本実施形態によるパチスロ機1では、図38に示すように、“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりBBの入賞が成立し、BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりCTの入賞が成立し、CT遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1のメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路は、第1の実施形態によるパチスロ機1におけるものと同様の構成を有している。
しかし、本実施形態によるパチスロ機1では、遊技者に有利な遊技状態においては、一般遊技状態においてよりも高い確率で、不利な遊技状態においては一般遊技状態においてよりも低い確率で、当選役決定手段により決定された当選役にかかわらず停止信号出力手段により出力された信号のみに基づいて図柄変動手段により行われるシンボルの変動の停止制御を、ステッピングモータ45、リール位置検出回路77、およびマイコン63から構成される停止制御手段が行うSCT遊技が発生する。本実施形態では、不利な遊技状態においては当選率0/16384の確率でSCT遊技が発生する。つまり、不利な遊技状態においてはSCT遊技が発生しない。
また、本実施形態によるパチスロ機1と、第3実施形態によるパチスロ機1とでは図39に示す各確率抽選テーブルのうち、「BB中一般遊技状態」において用いられるBB中一般遊技状態用確率抽選テーブル、および、「CT遊技状態」において用いられるCT遊技状態用確率抽選テーブルでの各役に割り当てられた乱数範囲および当選確率が異なる。
同図(c)に示すBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3995,上限値3996の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値3997,上限値3998の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値3999,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12385/16384、期待値は0である。また、「BB」、「CT」および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「CT」および「SCT」は選択されない。このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。このBB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値だが、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利なCTの抽選が行われないので、BB遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
同図(d)に示すCT遊技状態用確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値5845の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4096/16384、期待値は0.2500である。「SCT」には下限値5846,上限値16381の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10536/16384、期待値は0である。「第1RB」には16382の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「BB」、「CT」、および「ハズレ」には乱数範囲が割り当てられておらず、このCT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「BB」、「CT」、および「ハズレ」は選択されない。このCT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.7301である。このCT遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.7301は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172より大きく、しかも、SCTの当選確率が高くなっているため、CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
本実施形態によるパチスロ機1では、第3実施形態によるパチスロ機1で行われた図32〜図37、および図24に示す処理が行われる。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、“赤7−赤7−青7”の第1の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図35の役物等作動チェック処理のS81bにおいて表示役がBBと判別されると、S82bのBB作動時処理でBB作動中フラグ“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利なBB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−赤7”の第2の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図35の役物等作動チェック処理のS83bにおいて表示役がCTと判別されると、S84bのCT作動時処理でCT作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利なCT遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、リール2〜4により“赤7−赤7−赤7”のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に有利なCT遊技状態が作動し、“赤7−赤7−青7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に不利なBB遊技状態が作動する。このため、特定のシンボル組合せがリール2〜4に表示されたとしても、必ずしも、一般遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態が作動するとは限らず、一般遊技状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態が作動することもある。この結果、予め定められたシンボル組合せが停止表示されても、多くのメダルの付与を受けられるとは限らず、リール2〜4に表示されるシンボル組合せに対する遊技者の遊技者の関心を高め、単位遊技の結果に対する遊技者の緊張感を高めることができる。また、CT遊技状態中に作動するSCT遊技状態では、一般遊技状態中よりも高い確率で、確率抽選処理(図32,S6b)で決定された当選役にかかわらず停止ボタン31〜33の操作タイミングのみに基づいてリール2〜4により行われるシンボルの変動の停止制御が行われるので、特に、熟練者は、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止操作を行うことにより、メダルを獲得できる機会が増える。この結果、遊技者の技量がより強く反映されたパチスロ機1を提供することができる。
また、確率抽選処理(図32,S6b)の抽選結果によっては、一般遊技状態から、一般遊技状態と比べて遊技者に有利なCT遊技状態に遊技状態が移行し、続いて、一般遊技状態に遊技状態が移行することが繰り返されることがある。この場合、確率抽選処理で遊技者に不利なBBが抽選された場合と比べて、相対的に多くのメダルが払い出される状況を生じさせることができる。
また、右リール4についてのシンボル列には、図4に示すように、滑りコマ数である4コマの範囲内にコードナンバー“0”のシンボル“赤7”とコードナンバー“20”のシンボル“青7”とが配置されている。このため、確率抽選処理(図32,S6b)で“赤7−赤7−青7”のシンボル組合せに対応するBBが内部当選役として決定された場合、“赤7−赤7−赤7”のCTに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”がリール4に表示されるタイミングで停止ボタン33の停止操作が行われても、CTに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”の後の4コマの範囲内にある“青7”のシンボル組合せがリール2〜4に表示されてBB遊技状態が作動する。このため、CT遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作がBB遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置される遊技店(ホール)の利益が確保される。
また、図31(a)のBB作動時テーブルおよび同図(b)のCT作動時テーブルに示すように、遊技者に付与されたメダル枚数に基づいてBB遊技状態およびCT遊技状態の作動が終了するので、付与されたメダルを計算することによってBB遊技状態およびCT遊技状態の作動の終了を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。しかも、図31(a)のBB作動時テーブルではBB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が360枚に設定されているのに対し、図31(b)のCT作動時テーブルとではCT遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が253枚に設定されており、両遊技状態間でメダルの払出枚数が異なる値に設定されている。このため、BB遊技状態の作動が終了するまでの期間と、CT遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なるので、BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、CT遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。しかも、熟練者であれば、メダル払出に係る予め定められたシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行って、遊技者に不利なBB遊技状態をより早期に終了させることができるが、未熟練者であれば、このような停止ボタン31〜33の操作を行うことができないので、遊技者間の有利度の差をより大きなものとすることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。
なお、上記実施の形態では、CTに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”、BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−青7”とした場合について説明した。しかし、BBおよびCTに対応するシンボル組合せは任意である。例えば、BBおよびCTに対応するシンボル組合せを同じにしてもよい。この構成によっても、確率抽選処理(図32,S6b)でBBが内部当選役として決定された状態において、CTの入賞を狙った停止ボタン31〜33の停止操作が行われると、BBの入賞が成立してBB遊技状態が作動する。このため、この構成によっても、CT遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作がBB遊技状態の作動を誘発することとなる。
また、一般遊技状態に比べてCTの遊技状態が遊技者にとって相対的に有利であり、一般遊技状態に比べてBBの遊技状態が遊技者にとって相対的に不利であるならば、各確率抽選テーブルの構成は任意である。例えば、上記実施形態の説明では、図32,S6bの確率抽選処理において、内部当選役としてリプレイが決定される確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定した場合について説明した。しかし、BBの遊技状態においては、内部当選役としてリプレイが決定されず、その分内部当選役としてハズレが決定される確率の高い確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定してもよい。この構成によれば、遊技者がより多くのメダルを消費し、熟練者と未熟練者とで、遊技者が払出を受けられるメダル枚数の差を大きくすることができる。これにより、遊技の進捗状況により大きな起伏が生じて、遊技の興趣がより高まる。
また、上記実施形態では、BB遊技状態での第1RBの内部当選確率を低い値にすると共にCTの抽選を行わないことにより、BB遊技状態を一般遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態としたが、例えば、ハズレが内部当選役となったときには停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらずハズレが表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、不利な遊技状態としてもよい。また、メダルの払出枚数の少ない役が表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、不利な遊技状態としてもよい。また、上記実施形態ではBB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図39(c))およびCT遊技状態用確率抽選テーブル(図39(d))で同じ値であった小役の当選確率を、CT遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、一般遊技状態と比較してCT遊技状態を有利な遊技状態とし、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも低くして、一般遊技状態と比較してBB遊技状態を不利な遊技状態としてもよい。
また、CT遊技状態またはBB遊技状態が有利な遊技状態または不利な遊技状態であるのならば、SCT遊技状態の作動条件は任意であり、例えば、“ベル−リプレイ−ベル”などの予め定められたシンボルの組合せが表示されることなく、SCT作動中フラグをオンにしたり、CT遊技状態中には常に0または1を滑りコマ数と決定してSCT遊技状態が常に作動しているようにしてもよい。
また、上記実施形態では、BB遊技状態での払出可能枚数がCT遊技状態での払出可能枚数よりも多く設定されていた。しかし、CT遊技状態での払出可能枚数をBB遊技状態での払出可能枚数よりも多くしてもよい。この構成によれば、BB遊技状態の作動が終了するまでの期間と、CT遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なるので、BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、CT遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。
また、CT遊技状態が終了した後のみ、所定の単位遊技が行われる間だけ、再遊技が内部当選役として決定される確率が他の遊技状態に比べて高いRT(リプレイタイム)遊技状態(高確率再遊技状態)が作動する構成としてもよい。この構成によれば、RT遊技状態中にはメダルの消費枚数を抑えつつ多くの単位遊技を行うことができ、CTが内部当選役として決定される機会を多く得ることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。
また、BB遊技状態中に所定の条件が成立すると、メダル払出に係る役の入賞を成立させることのできる停止ボタン31〜33の操作順序が報知される、所謂ST(スーパータイム)遊技状態が作動するように構成してもよい。この構成によれば、報知された順序に従って停止ボタン31〜33を操作することによりBBについてのメダル払出可能枚数に早期に達することができ、BB遊技状態を早期に終了させることができる。
次に、本発明の第5の実施形態によるパチスロ機1を説明する。
本実施形態によるパチスロ機1は、第3の実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の構成を有する。
しかし、本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「第1BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」、「第2BB内部当選状態」、「第3BB内部当選状態」、「第4BB内部当選状態」、「第1RB(レギュラー・ボーナス)内部当選状態」、「第2RB内部当選状態」、「CT内部当選状態」、「第1BB中一般遊技状態」、「第2BB中一般遊技状態」、「第3BB中一般遊技状態」、「第4BB中一般遊技状態」、「第1RB遊技状態」、「第2RB遊技状態」、「CT遊技状態」、および「SCT遊技状態」がある。これらの各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、リール2〜4の引込制御の種類、および、入賞成立を実現することが可能なボーナスの種別により区別される。
第1〜第4BB、および第1〜第2RBの当選フラグは、それぞれのボーナスに内部当選した後、当選したボーナスの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。CT役の当選フラグは、CTに内部当選した後、当選したCTの入賞が実際に成立するまでの間、次回のゲームに持ち越され、持越役として保持される。その他の役の当選フラグは、内部当選した単位遊技においてだけ有効であり、次回以降の単位遊技には持ち越されない。
第1BBの入賞成立を契機として発生し、「第1BB中一般遊技状態」、「第1RB遊技状態」、および「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第1BB遊技状態」という。第2BBの入賞成立を契機として発生し、「第2BB中一般遊技状態」、「第1RB遊技状態」、および「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第2BB遊技状態」という。第3BBの入賞成立を契機として発生し、「第3BB中一般遊技状態」、「第1RB遊技状態」、および「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第3BB遊技状態」という。 第4BBの入賞成立を契機として発生し、「第4BB中一般遊技状態」、「第1RB遊技状態」、および「第2RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「第4BB遊技状態」という。「第1BB内部当選状態」〜「第4BB内部当選状態」、「第1RB内部当選状態」、および「第2RB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。「CT内部当選状態」は、CTに内部当選していまだその入賞が成立していない状態である。これらを総称して、以下「内部当選状態」という。
「CT遊技状態」は、「一般遊技状態」においてよりも高い確率で、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる「SCT遊技状態」が作動する遊技状態をいう。「SCT遊技状態」中、本実施形態では、上述した滑りコマ数決定処理(図24参照)において、原則として、リール2〜4についての滑りコマ数が“0”とされ、内部当選役にかかわらず、停止ボタン31〜33の操作タイミングにのみ基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。但し、停止ボタン31〜33が操作された際に、SCT用表示許可テーブル(図43参照)で表示許可された表示役に対応するシンボルが有効化入賞ライン上に位置していない場合には、滑りコマ数が“1”とされて、確率抽選処理(図47参照)での抽選結果および停止ボタン31〜33の操作タイミングに基づき、リール2〜4の回転の停止制御が行われる。
「CT遊技状態」の発生条件は、後述する確率抽選処理(図47参照)でCTに内部当選した状態において、有効化入賞ライン上に対応するシンボル組合せ(図40参照)が停止表示し、図45,S28cの役物等作動チェック処理で行われるCT作動時処理(図48,S84c参照)で、CT作動中フラグが“オン”になることである。「CT遊技状態」の終了条件は、「CT遊技状態」中に、図44(b)のCT作動時テーブルに示す払出可能枚数を超えるメダル払出が行われて、図45,S29cの役物等終了チェック処理で行われるCT終了時処理(図49,S103c参照)で、CT作動中フラグが“オフ”になることである。
図40は、配当表示部39に表わされる入賞シンボル組合せに対応する払出枚数または遊技状態を示す。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「チェリー」の小役の入賞が成立し、2枚のメダル払出が行われる。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表わす。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「ベル」の小役の入賞が成立し、15枚のメダル払出が行われる。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「スイカ」の小役の入賞が成立し、8枚のメダル払出が行われる。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、「リプレイ」の入賞が成立し、その単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1BBの入賞が成立し、第1BB遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2BBの入賞が成立し、第2BB遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第3BBの入賞が成立し、第3BB遊技状態が作動する。また、“赤7−赤7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第4BBの入賞が成立し、第4BB遊技状態が作動する。また、“青7−青7−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりCTの入賞が成立し、CT遊技状態が作動する。また、“ベル−リプレイ−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことによりSCTの入賞が成立し、SCT遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−青7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。また、第1BB中一般遊技状態〜第4BB中一般遊技状態において“ベル−ベル−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第1RBの入賞が成立し、第1RB遊技状態が作動する。また、第1BB中一般遊技状態〜第4BB中一般遊技状態において“ベル−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶことにより、第2RBの入賞が成立し、第2RB遊技状態が作動する。
本実施形態によるパチスロ機1のメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路は、第1の実施形態によるパチスロ機1におけるものと同様の構成を有している。
しかし、マイコン63から構成される有利状態作動手段は、リール2〜4により第1の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”が表示されると、所定の遊技状態と比較して、遊技者にとって相対的に有利であって、その度合いがそれぞれ異なる第1BB遊技状態または第2BB遊技状態の作動を行う。マイコン63から構成される不利状態作動手段は、リール2〜4により第2の特定のシンボルの組合せ、本実施形態では、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”が表示されると、所定の遊技状態と比較して遊技者にとって相対的に不利な遊技状態である第3BB遊技状態または第4BB遊技状態の作動を行う。マイコン63から構成される作動終了手段は、数値情報更新手段により数値情報が第1の値または第2の値、本実施形態では第1BB遊技状態中に360枚,第2BB遊技状態中に300枚を超える値に更新されると第1または第2BB遊技状態の作動を終了し、数値情報更新手段により数値情報が第3の値または第4の値、本実施形態では第3BB遊技状態中に200枚,第4BB遊技状態中に360枚を超える値に更新されると第3または第4BB遊技状態の作動を終了する。マイコン63は、有利な遊技状態および不利な遊技状態の少なくとも一方(本実施形態では両方)において、遊技者にとっての有利度がそれぞれ異なる複数種類の特別遊技状態、本実施形態では第1RBよび第2RBの作動を行う特別遊技状態作動手段を構成している。
また、本実施形態によるパチスロ機1と第3の実施形態によるパチスロ機1とは、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納されている確率抽選テーブル等のテーブルの構成が異なる。
図41,図42を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる確率抽選テーブルについて説明する。
図41(a)〜(d),図42(e)〜(i)は、メイン制御基板61のプログラムROM65に格納される確率抽選テーブルを概念的に示す図である。
図41(a)は、「一般遊技状態」において用いられる一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルでは、「チェリー」の小役には下限値0,上限値149の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が0〜149の範囲に属すると内部当選役として「チェリー」の小役が選択される。「チェリー」の小役の当選確率は150/16384であり、期待値は0.0061である。「ベル」の小役には下限値150,上限値1649の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が150〜1649の範囲に属すると内部当選役として「ベル」の小役が選択される。「ベル」の小役の当選確率は1500/16384であり、期待値は0.4578である。「スイカ」の小役には下限値1650,上限値1749の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1650〜1749の範囲に属すると内部当選役として「スイカ」の小役が選択される。「スイカ」の小役の当選確率は100/16384であり、期待値は0.0163である。「リプレイ」には下限値1750,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が1750〜3994の範囲に属すると内部当選役として「リプレイ」が選択される。「リプレイ」の当選確率は2245/16384であり、期待値は0.1370である。「第1BB」には下限値3995,上限値4394の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が3995〜4394の範囲に属すると内部当選役として「第1BB」が選択される。「第1BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「第2BB」には下限値4395,上限値4794の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4395〜4794の範囲に属すると内部当選役として「第2BB」が選択される。「第2BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「第3BB」には下限値4795,上限値5194の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が4795〜5194の範囲に属すると内部当選役として「第3BB」が選択される。「第3BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「第4BB」には下限値5195,上限値5594の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5195〜5594の範囲に属すると内部当選役として「第4BB」が選択される。「第4BB」の当選確率は400/16384であり、期待値は0である。「CT」には下限値5595,上限値5654の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5595〜5654の範囲に属すると内部当選役として「CT」が選択される。「CT」の当選確率は60/16384であり、期待値は0である。「SCT」には5655の乱数が割り当てられており、抽出された乱数値が5655であると内部当選役として「SCT」が選択される。「SCT」の当選確率は1/16384であり、期待値は0である。「第1RB」には5656の乱数が割り当てられており、抽出された乱数値が5656であると内部当選役として「第1RB」が選択される。「第1RB」の当選確率は1/16384であり、期待値は0である。「第2RB」には5657の乱数が割り当てられており、抽出された乱数値が5657であると内部当選役として「第2RB」が選択される。「第2RB」の当選確率は1/16384であり、期待値は0である。「ハズレ」には下限値5658,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、抽出された乱数値が5658〜16383の範囲に属すると内部当選役として「ハズレ」が選択される。「ハズレ」の当選確率は10726/16384であり、期待値は0である。この一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役の期待値0.0061、「ベル」の小役の期待値0.4578、「スイカ」の小役の期待値0.0163、および「リプレイ」の期待値0.1370を合計して得られる値0.6172である。
同図(b)は、「内部当選状態」において用いられる内部当選状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値3995の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2246/16384、期待値は0.1371である。また、「ハズレ」には下限値3996,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12388/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この内部当選状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この内部当選状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。
同図(c)は、「第1BB中一般遊技状態」において用いられる第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役には、同図(b)の内部当選状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「リプレイ」には下限値1750,上限値5845の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4096/16384、期待値は0.2500である。また、「第1RB」には下限値5846,上限値16380の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は10535/16384、期待値は0である。また、「第2RB」には下限値16381,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。また、「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」は選択されない。この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.7301である。この第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.7301は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172よりも大きく、しかも、図42(h)に示す第1RB遊技状態用確率抽選テーブルが用いられる第1RBが高い確率で発生するため、第1CT遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
同図(d)は、「第2BB中一般遊技状態」において用いられる第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(b)の内部当選状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3996,上限値8091の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4096/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値8092,上限値12187の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4096/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値12188,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4196/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」は選択されない。この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる同図(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1RBの抽選確率が4096/16385と一般遊技状態に比べて高く、第2BB遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な遊技状態となっている。但し、第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルは第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルに比べて期待値および第1RBの抽選確率が低く、第2BB遊技状態は、第1BB遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
図42(e)は、「第3BB中一般遊技状態」において用いられる第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、図41(b)の内部当選状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3996,上限値3999の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は4/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値4000,上限値4001の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4002,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12382/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」は選択されない。この第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる図41(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1BBや第2BBの抽選が行われないので、第3BB遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
同図(f)は、「第4BB中一般遊技状態」において用いられる第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、図41(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「第1RB」には下限値3995,上限値3996の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は2/16384、期待値は0である。「第2RB」には下限値3997,上限値3999の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は3/16384、期待値は0である。「ハズレ」には下限値4000,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12384/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「CT」、および「SCT」は選択されない。この第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」の期待値を合計して得られる値0.6172である。この第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172は、一般遊技状態において用いられる図41(a)に示す一般遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値0.6172と同じ値であるが、第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは遊技者に有利な第1BBや第2BBの抽選が行われないので、第4BB遊技状態は、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。また、第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの遊技者に有利な第1RBの抽選確率2/16384は、第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの第1RBの抽選確率4/16384よりも低く、第4BB遊技状態は、第3BB遊技状態に比べると相対的に遊技者にとって不利な遊技状態となっている。
同図(g)は、「CT遊技状態」において用いられるCT遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「リプレイ」には、同図(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「SCT」には下限値3995,上限値16380の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12386/16384、期待値は0である。「第1RB」には16381の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「第2RB」には16382の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」および「CT」には乱数範囲が割り当てられておらず、このCT遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」および「CT」は選択されない。
同図(h)は、「第1RB遊技状態」において用いられる第1RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、図41(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値16282の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は16133/16384、期待値は4.9234である。「スイカ」の小役には下限値16283,上限値16382の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には16383の乱数が割り当てられており、当選確率は1/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第1RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第1RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値4.9458である。
同図(i)は、「第2RB遊技状態」において用いられる第2RB遊技状態用確率抽選テーブルを概念的に示す図である。この確率抽選テーブルは、「チェリー」の小役には、図41(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルと同じ乱数範囲が割り当てられており、当選確率および期待値も同じ値である。しかし、「ベル」の小役には下限値150,上限値3894の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は3745/16384、期待値は1.1429である。「スイカ」の小役には下限値3895,上限値3994の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は100/16384、期待値は0.0163である。「ハズレ」には下限値3995,上限値16383の乱数範囲が割り当てられており、当選確率は12389/16384、期待値は0である。また、「第1BB」〜「第4BB」、「リプレイ」、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」には乱数範囲が割り当てられておらず、この第2RB遊技状態用確率抽選テーブが用いられた場合には内部当選役として「第1BB」〜「第4BB」、リプレイ、「CT」、「SCT」、「第1RB」、および「第2RB」は選択されない。この第2RB遊技状態用確率抽選テーブルについての期待値は、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、および「スイカ」の小役の期待値を合計して得られる値1.1653である。
なお、「SCT遊技状態」においては、「一般遊技状態」中に作動した「SCT遊技状態」では、図41(a)の一般遊技状態用確率抽選テーブルが用いられ、「CT遊技状態」中に作動した「SCT遊技状態」では、図42(g)のCT遊技状態用確率抽選テーブルが用いられる。
図43は、本実施形態によるパチスロ機1で用いられるSCT用表示許可テーブルを概念的に示す図である。
同図に示すように、遊技状態がSCT遊技状態である場合、内部当選役が「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、および「ハズレ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、または「ハズレ」の入賞が成立する。また、内部当選役が「リプレイ」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、または「ハズレ」が表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「リプレイ」、または「ハズレ」の入賞が成立する。
また、内部当選役が「第1BB」〜「第4BB」であると、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または内部当選役である「第1BB」〜「第4BB」の何れかが表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または表示役として許可された「第1BB」〜「第4BB」の何れかの入賞が成立する。また、内部当選役が「CT」である場合、「SCT」である場合、「第1RB」および「第2RB」である場合も、「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または内部当選役である「CT」、「SCT」、「第1RB」または「第2RB」の何れかが表示役として許可され、停止ボタン31〜33の操作タイミングに応じて「チェリー」の小役、「ベル」の小役、「スイカ」の小役、「ハズレ」、または表示役として許可された「CT」、「SCT」、「第1RB」または「第2RB」の何れかの入賞が成立する。
次に、図44を参照して、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルについて説明する。
図44は、本実施形態によるパチスロ機1で用いられる役物等作動時テーブルを概念的に示す図である。
同図(a)は、BB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このBB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役が第1〜第4BBの場合に行われるBB作動時処理(図48,S82c)で用いられる。このテーブルは、第1〜第4BBの各表示役について、作動中フラグおよび払出可能枚数が定められている。第1BBについては、作動中フラグは第1BB作動中フラグ、払出可能枚数は360枚が定められている。第2BBについては、作動中フラグは第2BB作動中フラグ、払出可能枚数は300枚が定められている。第3BBについては、作動中フラグは第3BB作動中フラグ、払出可能枚数は200枚が定められている。第4BBについては、作動中フラグは第4BB作動中フラグ、払出可能枚数は360枚が定められている。
同図(b)は、CT作動時テーブルを概念的に示す図である。
このCT作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がCTの場合に行われるCT作動時処理(図48,S84c)で用いられる。このテーブルは、CTの表示役について、作動中フラグはCT作動中フラグ、払出可能枚数は253枚が定められている。
同図(c)は、RB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このRB作動時テーブルは、後述する役物等作動チェック処理において、表示役が第1RBまたは第2RBの場合に行われるRB作動時処理(図48,S88c)で用いられる。このテーブルは、第1RBについては、作動中フラグは第1RB作動中フラグ、遊技可能回数は12回、入賞可能回数は8回が定められている。第2RBについては、作動中フラグは第2RB作動中フラグ、遊技可能回数は6回、入賞可能回数は6回が定められている。
なお、図示しないが、役物等作動時テーブルには、後述する役物等作動チェック処理において、表示役がSCTの場合に行われるSCT作動時処理(図48,S86c)で用いられるSCT作動時テーブルも含まれる。SCT作動時テーブルは、SCTの表示役について、作動中フラグはSCT作動中フラグ、遊技可能回数は1回が定められている。
次に、本実施形態によるパチスロ機1による遊技処理について説明する。
本実施形態によるパチスロ機1では、第3および第4実施形態によるパチスロ機1とほぼ同様の、図45に示すメインフローチャート、図46に示す遊技状態監視処理、図47に示す確率抽選処理、図48に示す役物等作動チェック処理、図49,図50に示す役物等終了チェック処理を行う。また、第2実施形態によるパチスロ機1で行われた図24に示すのと同様の滑りコマ数チェック処理が行われる。しかし、第3および第4実施形態では1つのBB遊技状態のみを有するのに対し、本実施形態では「第1BB遊技状態」〜「第4BB遊技状態」と4種類のBB遊技状態を有する。このため、メインCPU64による各処理では、第3および第4実施形態においてBB遊技状態のみについて行われる処理について、「第1BB遊技状態」〜「第4BB遊技状態」の各遊技状態についての処理が行われる。
上述した本実施形態によるパチスロ機1では、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の第1の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図48の役物等作動チェック処理のS81cにおいて表示役が第1BBまたは第2BBと判別されると、S82cのBB作動時処理で第1BBまたは第2BB作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって有利な第1BBまたは第2BB遊技状態が作動する。また、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”の第2の特定のシンボル組合せが有効化入賞ラインに沿って並び、図48の役物等作動チェック処理のS81cにおいて表示役が第3BBまたは第4BBと判別されると、S82cのBB作動時処理で第3BBまたは第4BB作動中フラグが“オン”され、一般遊技状態に比べて相対的に遊技者にとって不利な第3BBまたは第4BB遊技状態が作動する。また、第1〜第4BB遊技状態で用いられる各確率抽選テーブルでは、第1RBおよび第2RBに乱数範囲が割り当てられており、遊技者に有利な第1または第2BB遊技状態および遊技者に不利な第3〜第4BB遊技状態の何れにおいても、遊技者にとっての有利度が互いに異なる第1または第2RBが抽選されて、第1または第2RB遊技状態が作動し得る。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、リール2〜4により“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に有利な第1BB遊技状態または第2BB遊技状態が作動し、“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”の特定のシンボル組合せが表示されると一般遊技状態と比べて遊技者にとって相対的に不利な第3BB遊技状態または第4BB遊技状態が作動する。このため、特定のシンボル組合せがリール2〜4に表示されたとしても、必ずしも、一般遊技状態と比較して遊技者にとって有利な遊技状態が作動するとは限らず、一般遊技状態と比較して遊技者にとって不利な遊技状態が作動することもある。この結果、予め定められたシンボル組合せが停止表示されても、多くのメダルの付与を受けられるとは限らず、リール2〜4に表示されるシンボル組合せに対する遊技者の関心を高め、単位遊技の結果に対する遊技者の緊張感を高めることができる。また、仮に、第1BB遊技状態または第2BB遊技状態が作動しているときであっても、それが第1BB遊技状態であるか第2BB遊技状態であるかによって、遊技者にとっての有利度が異なるので、メダルの払出量に起伏を設けることができる。また、第3BB遊技状態または第4BB遊技状態が作動しているときであっても、それが第3BB遊技状態であるか第4BB遊技状態であるかによって、遊技者にとっての有利度が異なる。また、第1もしくは第2BB遊技状態または第3もしくは第4BB遊技状態が作動しているときには、遊技者にとっての有利度がそれぞれ異なる第1または第2RB遊技状態が作動し、第1RB遊技状態または第2RB遊技状態の何れが作動するかによって遊技者にとっての有利度が異なる。従って、メダルの払出量に起伏を設けることができる。
また、右リール4についてのシンボル列には、図4に示すように、滑りコマ数である4コマの範囲内にコードナンバー“0”のシンボル“赤7”とコードナンバー“20”のシンボル“青7”とが配置されている。このため、確率抽選処理(図45,S6c)で“赤7−青7−青7”または“赤7−赤7−青7”のシンボル組合せに対応する第3〜第4BBが内部当選役として決定された場合、“赤7−赤7−赤7”または“赤7−青7−赤7”の第1〜第2BBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”をリール4に表示されるタイミングで停止ボタン33の停止操作が行われても、第1または第2BBに対応するシンボル組合せを構成するシンボル“赤7”の4コマの範囲内にある“青7”のシンボル組合せがリール4に表示されて第3〜第4BB遊技状態が作動する。このため、遊技者に有利な第1〜第2BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が遊技者に不利な第3〜第4BB遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置される遊技店(ホール)の利益が確保される。
また、図44(a)のBB作動時テーブルに示すように、遊技者に付与されたメダル枚数に基づいて第1〜第4BB遊技状態の作動が終了するので、付与されたメダルを計算することによって第1〜第4BB遊技状態の作動の終了を予測する楽しみを遊技者に与えることができる。しかも、図44(a)のBB作動時テーブルでは、第1〜第2BB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が360枚,300枚に設定されているのに対し、第3〜第4BB遊技状態についてのメダルの払出可能枚数が200枚,360枚に設定されており、各遊技状態間でメダルの払出枚数が異なる値に設定されている。このため、第1〜第2BB遊技状態の作動が終了するまでの期間と、第3〜第4BB遊技状態の作動が終了するまでの期間とが異なるので、第1〜第2BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルと、第3〜第4BB遊技状態で遊技者が付与を受けられるメダルとの差を大きくすることができる。しかも、熟練者であれば、メダル払出に係るシンボル組合せを狙った停止ボタン31〜33の操作を行って、遊技者に不利な第3BB遊技状態または4BB遊技状態をより早期に終了させることができるが、未熟練者であれば、このような停止ボタン31〜33の操作を行うことができないので、遊技者間の有利度の差をより大きなものとすることができる。これにより、遊技の進捗状況に大きな起伏が生じて、遊技の興趣が高まる。
また、第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(e)参照)と第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(f)参照)とでは、リプレイを含めた各当選役の抽選確率が略同一である。このため、遊技者は、第3BB遊技状態と第4BB遊技状態とを判別するのが困難であり、最も不利な第4BB遊技状態であったとしても、第4BB遊技状態よりも有利な第3BB遊技状態であると遊技者に期待させることができる。
なお、上記実施の形態では、第1BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−赤7”、第2BBに対応するシンボル組合せを“赤7−青7−赤7”、第3BBに対応するシンボル組合せを“赤7−青7−青7”、第4BBに対応するシンボル組合せを“赤7−赤7−青7”とした場合について説明した。しかし、第1〜第4BBに対応するシンボル組合せは任意である。例えば、第1〜第2BBと第3〜第4BBに対応するシンボル組合せを同じにしてもよい。この構成によれば、確率抽選処理(図45,S6c)で第3〜第4BBが内部当選役として決定された状態において、第1〜第2BBの入賞を狙った停止ボタン31〜33の停止操作が行われると、第3〜第4BBの入賞が成立して第3〜第4BB遊技状態が作動する。このため、第1〜第2BB遊技状態の作動を狙って遊技者により行われる停止操作が第3〜第4BB遊技状態の作動を誘発することとなる。この結果、遊技者に付与されるメダルが少なくて済み、パチスロ機1の設置されるホールの利益が確保される。
また、一般遊技状態に比べて第1〜第2BB遊技状態が遊技者にとって相対的に有利であり、一般遊技状態に比べて第3〜第4BB遊技状態が遊技者にとって相対的に不利であるならば、各確率抽選テーブルの構成は任意である。例えば、上記実施形態の説明では、図45,S6cの確率抽選処理において、内部当選役としてリプレイが決定される確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定した場合について説明した。しかし、第3〜第4BB遊技状態において、内部当選役としてリプレイが決定されず、その分内部当選役としてハズレが決定される確率の高い確率抽選テーブルを用いて、内部当選役を決定してもよい。この構成によれば、第3〜第4BB遊技状態において、遊技者がより多くのメダルを消費し、熟練者と未熟練者とで、遊技者が払出を受けられるメダル枚数の差を大きくすることができる。
また、上記実施形態では、第3〜第4BB遊技状態での第1RBの内部当選確率を低い値にすると共に第1〜第2BBの抽選を行わないことにより、第3〜第4BB遊技状態を一般遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態としたが、例えば、ハズレが内部当選役となったときには停止ボタン31〜33の操作タイミングに関わらずハズレが表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、不利な遊技状態としてもよい。また、メダルの払出枚数の少ない役が表示役となるように、滑りコマ数決定処理(図24)で滑りコマ数を決定して、不利な遊技状態としてもよい。また、上記実施形態では、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図41(c))〜第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(f))の各テーブル間で同じ値であった小役の当選確率を、第1〜第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を第3〜第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、第1〜第2BB遊技状態を有利な遊技状態とし、第3〜第4BB遊技状態を不利な遊技状態としてもよい。また、上記実施形態では第1,2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルで同じ値であった小役の当選確率を、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、第1BB遊技状態を第2BB遊技状態よりも有利な遊技状態としてもよい。また、上記実施形態では第3,第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルで同じ値であった小役の当選確率を、第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率を第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでの小役の当選確率よりも高くして、第4BB遊技状態を第3BB遊技状態よりも不利な遊技状態としてもよい。
また、上記実施形態では、第3BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(e)参照)と第4BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(f)参照)とで、リプレイを含めた各当選役の抽選確率を略同一とした場合について説明した。しかし、第1BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図41(c)参照)と第2BB中一般遊技状態用確率抽選テーブル(図42(d)参照)とで、リプレイを含めた各当選役の抽選確率を略同一としてもよい。この構成のよれば、遊技者は、第1BB遊技状態と第2BB遊技状態とを判別するのが困難であり、第1BB遊技状態よりも不利な第2BB遊技状態であったとしても、第1BB遊技状態であると遊技者に期待させることができる。
上記各実施形態のようにメダルの投入を条件に単位遊技の開始を指令する信号が出力されるパチスロ機1においては、投入されたメダル枚数を超える数のメダルが遊技者に付与されることが期待される状態を相対的に有利な遊技状態とし、投入されたメダル枚数を超える数のメダルが遊技者に付与されることが期待されない状態を相対的に不利な遊技状態とすることがより好適である。具体的には、相対的に有利な遊技状態おいては、単位遊技に賭けられたメダル1枚当たりに遊技者が払い出しを受けることを期待できる払出期待率が「1」を超える状態とし、相対的に不利な遊技状態においては、単位遊技に賭けられたメダル1枚当たりに遊技者が払い出しを受けることを期待できる払出期待率が「1」を下回る状態とすることが好適である。なお、上記のような構成は、各実施形態のように、複数種類の確率抽選テーブルを備え、相対的に有利な遊技状態では当選役決定手段が特定の内部当選役(例えば、リプレイ、小役、RB)を相対的に高い確率で決定し、相対的に不利な遊技状態では当選役決定手段が特定の内部当選役を相対的に低い確率で決定することにより実現してもよい。また、相対的に有利な遊技状態では当選役決定手段が特定の内部当選役を決定可能とし、相対的に不利な遊技状態では当選役決定手段が特定の内部当選役を決定不可能とする構成により実現してもよい。また、相対的に有利な遊技状態では停止制御手段が一般遊技状態に比べて相対的に範囲の広い滑りコマ数(例えば、0〜4コマ)を決定する等して、リール2〜4により所定のシンボル組合せ(例えば、チャンス目やシンボルの描かれていないブランク図柄など)が一般遊技状態に比べて相対的に高い確率で表示されるように停止制御を行い、相対的に不利な遊技状態では停止制御手段が一般遊技状態に比べて相対的に範囲の狭い滑りコマ数(例えば、0〜3コマ)を決定する等して、リール2〜4により所定のシンボル組合せが一般遊技状態に比べて相対的に低い確率で表示されるように停止制御を行うように構成して、実現してもよい。
また、液晶表示装置22やスピーカ96,96等を利用して遊技者にとって有利な演出を行う有利演出状態と、遊技者にとって不利な演出を行う不利演出状態と、状況に応じてこれらのうちの何れかを作動する演出作動手段とを備える構成として、有利な遊技状態および不利な遊技状態を実現してもよい。なお、有利演出状態としては、例えば、当選役決定手段により決定された当選役を一般遊技状態に比べて相対的に高い確率で報知したり(前述のSTに相当)、目押しの補助を一般遊技状態に比べて相対的に高い確率で行ったりする遊技状態とすることができる。また、不利演出状態としては、例えば、当選役決定手段により決定された当選役を一般遊技状態に比べて相対的に低い確率で報知したり、目押しの補助を一般遊技状態に比べて相対的に低い確率で行ったりする遊技状態とすることができる。このような構成の場合、例えば、内部当選役を決定するための確率抽選テーブルを複数種類記憶しなくても、本発明を実現でき、プログラム容量の低減を図ることもできる。
また、そのときの遊技状態を明確にする演出を行う状態演出手段を更に備える構成としてもよい。状態演出手段による演出は、そのときの遊技状態や作動中フラグと同期した演出を行うことにより実現することができる。このような構成の場合、例えば、遊技者が第2の特定のシンボル組合せが表示されて不利な遊技状態が作動したことを知らずに単位遊技を開始してしまうことを回避できることが期待できる。
また、そのときの遊技状態を暗に示唆する演出を行う状態示唆手段を更に備える構成としてもよい。状態示唆手段による演出は、そのときの遊技状態や作動中フラグだけでなく、所定の抽選に基づいて演出内容を決定し、この決定結果に応じて演出を行うことにより実現できる。このような構成の場合、例えば、遊技者にとって不利な遊技状態にありながらも有利な遊技状態にあるかもしれないという期待感を遊技者に与え、遊技者の興味を維持でき、パチスロ機1の稼働をあげるという効果が期待できる。