JP2006139236A - 光変調器 - Google Patents

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Kenji Kono
健治 河野
Yuji Sato
勇治 佐藤
Masaya Nanami
雅也 名波
Toru Nakahira
中平  徹
Yasuji Uchida
靖二 内田
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】小型で高速、かつ熱ドリフトに起因するDCバイアス電圧シフトの少ない光変調器の提供。
【解決手段】電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記中心導体と前記接地導体との間で前記導電層に1つの間隙が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は光変調器に係り、特に、小型で高速、かつ熱ドリフトに起因するDCバイアス電圧のシフトの少ない強度光変調器、位相変調器あるいは偏波スクランブラーなどに好適する光変調器に関する。
周知のように、光変調器において、リチウムナイオベート(LiNbO)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(以下、リチウムナイオベート基板をLN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した光変調デバイスである進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbit/s、10Gbit/sの大容量光伝送システムに適用されている。
このようなLN光変調器は、最近ではさらに40Gbit/sの超大容量光伝送システムにも適用が検討されており、大容量光伝送システムにおけるキーデバイスとして期待されている。
[第1の従来技術]
図14は、第1の従来技術によるz−カットLN基板を用いて構成したLN光変調器の構成を示す斜視図である。図15は、図14のA−A´における断面図である。
図中、参照符号1はz−カットLN基板、参照符号2はSiOバッファ層、参照符号3は光導波路であり、Tiを1050℃で約10時間熱拡散して形成した光導波路であり、マッハツェンダ干渉系(あるいは、マッハツェンダ光導波路)を構成している。
なお、図中、参照符号3a、3bは電気信号と光が相互作用する部(相互作用部と言う)における光導波路(あるいは、相互作用光導波路)、つまりマッハツェンダ光導波路の2本のアームである。
また、図中、参照符号4は進行波電極であり、この進行波電極4としては、1つの中心導体4aと2つの接地導体4b、4cを有するコプレーナウェーブガイド(CPW)を用いることを想定する。
光導波路3を導波する光が進行波電極である金属(一般に、Auを用いる)から受ける吸収損を抑えるためと、中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極を導波する電気信号のマイクロ波等価屈折率(あるいは、進行波電極のマイクロ波等価屈折率)nを低減し光導波路3a、3bを導波する光の等価屈折率(あるいは、光導波路の等価屈折率)nに近づけるため、さらには特性インピーダンスをなるべく50Ωに近づけるために、進行波電極とz−カットLN基板1との間には、通常、400nm〜1μm程度の厚いSiOバッファ層2が堆積される。
図16は、進行波電極の中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧による電界が印加された際における望ましい電気力線DEFの分布を示している。
この図16からわかるように、2つの光導波路3a、3bを横切る電気力線の向きは逆向きであるため、マッハツェンダ型光導波路3では2本の光導波路を導波する光の位相をπずらすことにより、光のOFF状態を実現できる。
次に、図17を用いて上記第1の従来技術によるLN光変調器の問題点について考察すると、z−カットLN基板1は焦電効果を有しているので、基板の温度が変化するとその表面に電荷TECが誘起される。
さらに、この第1の従来技術によるLN光変調器では、バッファ層2に導電性がなく、進行波電極4の中心導体4aと接地導体4b、4cのz−カットLN基板1に相対向する面にz−カットLN基板1の表面に誘起された電荷TECの極性とは反対の極性の電荷ECが外部回路を通じて誘起される。
その結果、z−カットLN基板1に誘起された電荷と進行波電極の中心導体4aおよび接地導体4b、4cに誘起された電荷との間に電気力線EFが生じる。
ところが、図17から分かるように、この電気力線EFの発生の仕方はランダムであるため、LN光変調器を動作させるために中心導体4aと接地導体4b、4cの間に印加したバイアス電圧による電気力線DEFがランダムに打ち消されてしまう。
通常、LN光変調器を動作させるには、中心導体4aと接地導体4b、4c間にDCバイアス電圧とRF電気信号とを印加する必要がある。
図18に示す電圧−光出力特性において、図示実線の曲線はある状態でのLN光変調器の電圧−光出力特性であり、Vbはその際のDCバイアス電圧である。
この図18に示すように、通常、DCバイアス電圧Vbは光出力特性の山と底の中点に設定される。
この第1の従来技術によるLN光変調器の場合、この最適バイアス電圧Vbが温度の変化によりVb´へと大きく変化することになる。
この温度の変化によるDCバイアス電圧のシフトが熱ドリフトと呼ばれているものである。
上に述べた第1の従来技術によるLN光変調器における問題点を解決するために、以下に示すような各種の従来技術が提案されている。
なお、以下の各種の従来技術の説明においては、図15に示した第1の従来技術によるLN光変調器と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
[第2の従来技術]
上に述べた第1の従来技術によるLN光変調器における問題点を解決するために提案されたのが、図19に示した第2の従来技術によるLN光変調器である(特許文献1の第2実施例参照)。
この第2の従来技術によるLN光変調器においては、中心導体4aと接地導体4b、4cの両方に接触するように導電層5が形成されている。
図19に示すように、z−カットLN基板1が持つ焦電効果のためにz−カットLN基板1に誘起された電荷TECの極性とは反対の極性の電荷ECが、中心導体4aと接地導体4b、4cに接触した導電層5に誘起される。
その結果、z−カットLN基板1と導電層5に誘起された電荷間の電気力線EFは、図19に示すように一様となり、光導波路3a、3bをランダムな電気力線が横切ることはなくなる。
つまり、この第2の従来技術によるLN光変調器においては、焦電効果によりz−カットLN基板1の表面に誘起された電荷TECと外部回路から中心導体4aと接地導体4b、4cとを通じて導電層5に誘導された電荷ECに起因する光の屈折率変化は2本の光導波路2において同じとなり、2本の光導波路2を導波する光の位相差は外部から加えた電圧のみによることとなり、光変調器として機能することが可能となる。なお、導電層5としては厚み100nm程度のSi膜とされている。
但し、この第2の従来技術によるLN光変調器においては、重要な問題点が有る。一般によく知られているように、導電層5として使用されるSiやSiOなどの半導体による導電膜の電気伝導度はその制御が極めて難しく、導電膜に入れる不純物や膜の堆積条件などでその導電率が簡単に2〜3桁程度は変わってしまう。
この導電層5の導電率が低過ぎると、この第2の従来技術によるLN光変調器においては、前述した第1の従来技術によるLN光変調器の場合に近くなり、第1の従来技術によるLN光変調器が有していた問題点がそのまま生じてしまう。
逆に、この導電層5の導電率が高すぎると、中心導体4aと接地導体4b、4cが電気的に導通状態となることによって、電気的ショート状態となり、素子が破壊されてしまうという問題がある。
上述したように、適切な値の導電率を持つ導電層5を再現性よく形成することは困難であり、この第2の従来技術によるLN光変調器では光変調器としての製作の再現性・歩留まりに問題がある。
[第3の従来技術]
図20は、第3の従来技術によるLN光変調器の断面図を示す(特許文献2参照)。この第3の従来技術によるLN光変調器では、導電層6の幅を有限とすることにより導電層6を中心導体4aのみに接触させているとともに、接地導体4b、4cと導電層6との間に幅gの間隙(以降ギャップと呼ぶ)7a、7bを空け、接地導体4a、4bと導電層6との接触を避けている。
この第3の従来技術によるLN光変調器の動作原理は以下の通りである。中心導体4aの下方にある光導波路に印加される電界については、図20の領域Aと領域Bにおける誘起電荷からの電界の影響以外は、図19に示した第2の従来技術によるLN光変調器と同じ原理により均一な電界分布を得ることができる。
一方、接地導体4b、4cについては、第2の従来技術によるLN光変調器と異なり、導電層6と接触していない。換言すれば、図20の接地導体4bの下方にある、すなわち領域Aにある光導波路3aには、第1の従来技術によるLN光変調器と同様に焦電効果により誘起された電荷TECに起因するランダムな電界が加わることになる。
従って、この第3の従来技術によるLN光変調器を動作させるために中心導体4aと接地導体4b、4cの間に印加した電気信号の電気力線がランダムに打ち消される結果、DCバイアス電圧がシフトすることによって熱ドリフトの現象を生じるという問題が生じることが予想されるが、この第3の従来技術によるLN光変調器では、それを避けるために次のような工夫がなされている。
まず、この問題が生じる背景について説明すると、通常、中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極の厚みは数μm〜数10μm以上と厚く形成されている。そして、この進行波電極には、一般に、としてAuを使用するが、アルミニウムや銅などその種類には各種のものがある。
このような金属の材料が用いられている進行波電極と誘電体であるz−カットLN基板1とは互いの熱膨張係数が異なるために、温度変化に応じてz−カットLN基板1の内部に応力が生じる。
なお、進行波電極として金属の材料を数μm以上メッキするとz−カットLN基板に反りが生じるほど、メッキによる内部応力も大きく、このような内部応力に起因する光弾性効果のために内部電界が生じる。
一方、第1の従来技術において説明したように、温度が変化すると焦電効果によりz−カットLN基板1の表面に電荷が発生し、内部電界が生じる。
この第3の従来技術では、導電層6と接地導体4a、4bの間に幅gのギャップ7a、7bを設け、その幅gをフォトリソグラフィーにより規定することにより、内部応力に起因する光弾性効果による内部電界と、温度変化に起因する焦電効果による内部電界を打ち消そうとするものである。
しかしながら、2つの内部電界をうまく打ち消すことは容易でなく、これが実現できない場合には、接地導体の下方にある光導波路には第1の従来技術と同様に、ランダムな電界が加わり、温度とともにLN光変調器のDCバイアス電圧がシフトする温度ドリフトが発生する結果となる。
通常、中心導体4aと接地導体4b、4cからなる進行波電極は電解メッキ法で形成するが、電解メッキ液中に温度分布や電流分布があるために、メッキ時に同じ液温でかつ同じ電流を流しても、成長したメッキの粒子や電極の厚みにメッキ工程のランツーラン(run−to−run)ごとの微妙な分布が生じる。
そのため、進行波電極を電解メッキにより形成した場合に、z−カットLN基板1の内部に引き起こされる内部応力はメッキをする度ごとに異なってしまうことに加えて、電解メッキ液中においては、メッキ用電極とウェーハとの間における電流や液温に分布があるとともに、液の対流のため、同じウェーハにおいてでさえもメッキの粒子や電極の厚みに微妙な分布があり、チップごとの内部応力が異なってしまう。
その結果、この第3の従来技術でも、熱応力に起因する光弾性効果による内部電界と温度変化に起因する焦電効果による内部電界を打ち消すための最適なギャップ7a、7bの幅gの決定には困難が伴う。
さらに、ギャップ7a、7bはフォトリソグラフィーにより実現するが、光変調器をウェーハから切り出してチップ化してしまうと、フォトリソグラフィーが困難となる。
さらに、進行波電極を10μm以上と厚くメッキするとフォトリソグラフィーが困難となる。
そのために、ギャップ7a、7bの製作は進行波電極を厚くメッキする前に行う必要がある。つまり、ギャップ7a、7bは各光変調素子をウェーハから切り出す前、かつ厚くメッキする前、つまりウェーハ段階で形成する必要がある。
その結果、ギャップ7a、7bの形成は各変調素子の熱ドリフト特性を測定する前に行わねばならないが、ウェーハの状態では光導波路3a、3bに光を入射することができないので、熱ドリフト量は測定できない。
その結果、ギャップ7a、7bの幅gの設定が難しいとともに、各ウェーハに対して、さらには各チップに対して必ずしもうまく行くとは限らず、事実上難しく、変調素子の歩留まりを大幅に制限する結果となる。
さらに、メッキが厚くなるほど、基板1への応力が大きくなるため、メッキの応力の観点から進行波電極のメッキの厚みは10〜20μm程度に制限されてしまう。
ところが、実際のLN変調器において、光変調の広帯域化に不可欠なマイクロ波と光の速度整合を達成するには、25μmから30μm、さらにはそれ以上の厚みの進行波電極が必要な場合がある。
そのような場合には、この第3の従来技術は使用できず、この第3の従来技術の適用には限界がある。
[第4の従来技術]
図21は、第4の従来技術によるLN変調器の断面図を示す(特許文献3参照)。この第4の従来技術によるLN変調器では、進行波電極として中心導体8aと接地導体8bからなる対称コプレーナストリップ(CPS)、SiOバッファ層9a、9b、導電層10a、10b、10cを具備している。
また、この第4の従来技術によるLN変調器では、中心導体8aと接地導体8bの近くに導電層10a、10b、10cの切れ目であるギャップ11a、11bが形成されている。
これらのギャップ11a、11bは中心導体8aと接地導体8bの近傍、すなわち光導波路3a、3bの近傍にあるので、図20に示した第3の従来技術によるLN変調器と同様の焦電効果に起因するランダムな電界が発生し、これらが光導波路3a、3bに作用することになる。
従って、この第4の従来技術によるLN変調器においては、LN光変調器として動作させるために中心導体4aと接地導体4b、4cの間に印加したバイアス電圧の電気力線がランダムに打ち消されてしまう結果、光導波路3a、3bに有効に作用しない。つまり、DCバイアス電圧がシフトするという熱ドリフトの問題の解決法としては、この第4の従来技術では不十分である。
[第5および第6の従来技術]
図22は、第5の従来技術によるLN変調器の断面図を示すとともに、図23は、第6の従来技術によるLN変調器の断面図を示す(特許文献4参照)。これらの第5および第6の従来技術では、x−カットLN基板27に光導波路28a、28bが形成され、バッファ層50aもしくは60aが中心導体4aの下にのみ形成されている。
図中、参照符号40a、40b、もしくは70a、70bは中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップである。
これらの第5および第6の従来技術では、熱ドリフトを抑圧するための導電層を使用していない。従って、温度の変化に伴う焦電効果により誘起される電荷に起因して発生するランダムな電界をなくすためには、これらの第5および第6の従来技術に示すように、接地導体4b、4cをx−カットLN基板27に直接接触するように形成するとともに、接地導体4b、4cをなるべく広く、換言すると中心導体4aと接地導体4b、4cの間のギャップ40a、40b、もしくは70a、70bを例えば数μmとなるべく狭くすることが必要となる。
しかしながら、接地導体4b、4cがx−カットLN基板27に直接接触している上に、中心導体4aと接地導体4b、4cのギャップが数μmと狭い。従って、マイクロ波実効屈折率は3以上と高く、かつ特性インピーダンスは20Ω程度と低くなり、光変調器としては極端に不利な特性となってしまう。
これらの第5および第6の従来技術は、いわば、温度ドリフトとマイクロ波特性を独立には設計できない構造と言える。
特開昭62−73207号公報 特開平10−3064号公報 特開平8−146367号公報 特開平8−166565号公報 なお、本明細書で言及する特許文献には、上述した以外に後述する本発明の第1実施形態に類似している従来技術による光変調器を開示する特許文献5がある。 特開平3−253815号公報
以上のように、これまでに提案されている従来技術による光変調器では、中心導体と接地導体が電気的に直接に接続されていたために生じていた中心導体と接地導体間の電気的ショートの問題と構造決定や製作工程の容易性や製作の再現性・歩留まりを確保するが困難であること、あるいは導電層と接地導体間のギャップを調整する実施形態では通常必要とされる20μm以上の厚い進行波電極についても、製作性・再現性・歩留まり良く、熱ドリフトを抑えるのは困難であること、さらに中心導体と接地導体の近傍にギャップを設ける実施形態では焦電効果に起因するランダムな電界がマッハツェンダ光導波路を構成する2本の光導波路にかからないようにすることは困難であり、これらの課題を解決できる光変調器の実現が熱望されている。
そこで、本発明は、以上のよう従来技術の問題点を解消することにより、小型で高速、かつ熱ドリフトに起因するDCバイアス電圧のシフトの少ない強度光変調器、位相変調器あるいは偏波スクランブラー等に好適する光変調器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の光変調器は、
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記中心導体と前記接地導体との間で前記導電層に1つの間隙が形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項2の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体とは前記導電層に接触して形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項3の光変調器は、請求項1または請求項2に記載の光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体とは前記導電層に接触して形成されているとともに、
前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度によるバイアス電圧のドリフトを小さくすることを特徴とする光変調器。
上記課題を解決するために、本発明の請求項4の光変調器は、
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体の少なくとも一方が前記導電層に接触して形成されているとともに、
前記バッファ層が第1のバッファ層及び第2のバッファ層からなり、且つ前記導電層が第1の導電層及び第2の導電層からなり、
前記第1のバッファ層が前記基板上面の前記光導波路の直上で且つ該基板上面の一部分に形成され、前記第1の導電層が前記第1のバッファ層の少なくとも一部と接触するとともに前記基板上面まで延びて形成され、且つ、隣接する別の第1のバッファ層に形成された別の第1の導電層と所定距離離れて形成され、前記第2のバッファ層が前記基板上の前記第1のバッファ層が形成されていない部位で前記基板及び前記第1の導電層の上方に形成され、前記第2の導電層が前記第2のバッファ層及び前記第1の導電層の上面に形成されていて、
前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記中心導体と前記接地導体との間で前記第2の導電層に1つの間隙が形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項5の光変調器は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の光変調器において、
前記基板がz−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体のそれぞれの下方に前記光導波路が形成されていて、
前記1つの間隙が、前記それぞれの光導波路からほぼ等距離の位置に形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項6の光変調器は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の光変調器において、
前記基板がz−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体のそれぞれの下方に前記光導波路が形成されていて、
前記1つの間隙が、前記それぞれの光導波路から等距離の位置よりも前記接地導体側の位置に形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項7の光変調器は、請求項1乃至請求項3および請求項5または請求項6のいずれか一に記載の光変調器において、
前記光変調器がCPW(コプレーナウェーブガイド)構造で、その下方に光導波路が形成されていない別の接地導体と前記中心導体との間で前記導電層に別の1つの間隙が形成され、
且つ、該別の1つの間隙の形成位置が前記中心導体と前記別の接地導体の中央位置よりも前記別の接地導体側の位置であることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項8の光変調器は、請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の光変調器において、
前記光変調器がCPW(コプレーナウェーブガイド)構造で、その下方に光導波路が形成されていない別の接地導体と前記中心導体との間で前記第2の導電層に別の1つの間隙が形成され、
且つ、該別の1つの間隙の形成位置が前記中心導体と前記別の接地導体の中央位置よりも前記別の接地導体側の位置であることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項9の光変調器は、請求項4乃至請求項6および請求項8のいずれか一に記載の光変調器において、
前記第2の導電層に設けられた前記1つの間隙の大きさが、複数の前記第1の導電層間の距離よりも小さいことを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項10の光変調器は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の光変調器において、
前記基板がx−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体との間に前記光導波路が形成されていて、該光導波路と前記接地導体との間に前記1つの間隙が形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項11の光変調器は、
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記導電層が前記中心導体に電気的に接触せず、前記導電層が前記接地導体のみに電気的に接触するように形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項12の光変調器は、請求項11に記載の光変調器において、
前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度 によるバイアス電圧のドリフトを小さくすることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項13の光変調器は、
電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁させ、且つ、前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度によるバイアス電圧のドリフトを小さくするように、的記導電層が前記接地導体に電気的に接触せず、前記導電層が前記中心導体のみに電気的に接触するように形成されていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項14の光変調器は、請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器において、
前記導電層が半導体からなることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項15の光変調器は、請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器において、
前記導電層が金属もしくは金属酸化物の少なくとも1つからなることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項16の光変調器は、請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器において、
前記導電層が半導体と金属もしくは金属酸化物の組み合わせからなることを特徴としている。
本発明では、電気光学効果を有する基板を用いた光変調器について、光導波路の近傍には導電層を備えるとともに、光導波路からなるべく離れて影響が少ない箇所の導電層に電気的ショートを防ぐためのギャップを導電層に設けていることにより、光導波路を形成した領域では焦電効果に起因して誘起される電荷と反対の極性を持つ電荷が外部回路から中心導体とアース導体を通じて導電層に均一に供給される。
そのため、本発明による光変調器では、基板と導電層の各々に誘起された電荷同士による電界は光導波路が存在する領域においてはほぼ均一となり、結果的に熱ドリフトに起因するDCバイアス電圧のシフトを抑圧することができる。
さらに、本発明による光変調器では、進行波電極を構成する中心導体と接地導体とが電気的に分離されているので、焦電効果に起因する熱ドリフトを抑圧するための導電層の導電率がたとえ高くなっても電気的ショートが生じず、設計・製作性・歩留まりの点で大きな利点が有る。
また、本発明による光変調器では、導電層を使用しているため、バッファ層の低い比誘電率を有効に利用することにより、進行波電極を伝搬する電気信号のマイクロ波実効屈折率を下げるとともに特性インピーダンスを一般に外部回路に近づけつつ、熱ドリフトを効果的に抑圧でき、進行波電極の電気的特性と熱ドリフト特性を独立に設計できるという利点がある。
以下、図1乃至図13を参照して本発明による光変調器の実施形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明の実施形態について説明する際に、図19に示した従来の第2実施形態の光変調器と同一部分には同一符号を付して、重複する部分の詳細説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この本発明の第1実施形態では、図19に示した第2の従来技術と同様に、中心導体4aおよび接地導体4b、4cと導電層12a、12b、12cとが接触している。導電層12a、12b、12cとしてはSiよりも導電率が低いSiOを用いる。
そして、この第1実施形態では、焦電効果によりz−カットLN基板1の表面に誘起された電荷と外部回路から導電層12bに供給される電荷により形成される電界が、接地導体4bの直下にある光導波路3aにとって実質上ほぼ均一となるように、導電層12bを接地導体4bから中心導体4aに向かって伸ばしている。
この結果、図20に示したギャップ7aがあるために接地導体4bのエッジには導電層が存在しない第3の従来技術や、図21に示した接地導体8bのエッジ直近に導電層のギャップ11bがある第4の従来技術とは異なり、この第1実施形態では、接地導体4bから中心導体4aに向かって導電層12bを伸ばして形成しているので、接地導体4bの直下の光導波路3aには焦電効果により基板1の表面に誘起された電荷に起因するランダムな電界が作用しにくくなる。
さらに、この第1実施形態では、焦電効果により基板1の表面に誘起された電荷と外部回路から導電層12bに供給される電荷により形成される電界が中心導体4aの直下にある光導波路3bにとってほぼ均一となるように、中心導体4aに接触して導電層12aを備えている。
なお、この第1実施形態では、焦電効果に起因して誘起される電荷が中心導体4aの直下にある光導波路3bへ与える影響を小さくするために、あるいは換言すると、光導波路3bへのギャップ13bの影響を小さくするために、ギャップ13bを中心導体4aから遠ざけ、接地導体4cのエッジ近辺に位置させている。
この場合、熱ドリフト抑圧の効果はやや薄れるが、もちろんギャップ13a、13bを中心導体4aに対してz−cutLN基板1の基板表面に平行方向に対称に配置しても良い。
このように、本第1実施形態による光変調器では、光導波路3a、3bの近傍の導電層12a、12bをなるべく広くなるようにして形成しているので、焦電効果に起因する熱ドリフトを抑えることが可能となるばかりでなく、さらにギャップ13a、13bを設けているので、導電層の導電率が高くなり中心導体4aと接地導体4b間の抵抗が下がった場合にも電気的ショートが発生することがない。
なお、ギャップ13aについては、光導波路3a、3bから最も遠くに位置するという意味で、中心導体4aと接地導体4bの間のほぼ中間に設定しても良いが、一般に、z−カットLN基板1を用いた光変調器の場合、中心導体4aにより光導波路3bが受ける位相変化量は、接地導体4bにより光導波路3aが受ける位相変化量の5倍程度ある。
従って、ギャップ13aを接地導体4bのエッジから、中心導体4aと接地導体4b間の距離の1/5程度としても良いし、さらに他の位置に設定しても良いことは言うまでもない。これは、本発明の他の実施形態についても言えることである。
なお、ここで、誤解を避けるために、本第1実施形態とよく似てはいるが動作原理が全く異なる図2に示す従来の光変調器(特許文献5:特開平3−253815号公報の図3)について考察する。
この図2に示す従来の光変調器では、進行波電極としては中心導体14a、接地導体14bからなる非対称コプレーナストリップ(ACPS)を使用し、中心導体14aに接触した導電層15aと接地導体14bに接触したSiなどの高い導電率の導電層15bとの間にギャップ16を設けている。
この従来の光変調器では、高周波信号である電気信号に対しては誘電体と見なせるが、DC及び低周波信号に対しては導体と見なせる位の高い導電率を有する導電層15a、15bを使用するとともに、ギャップ16を極めて小さくすることにより、印加するDCバイアスあるいは低周波電圧を極めて細いギャップ16にかけている。
従って、この従来の光変調器は、それらの電圧による電界17がギャップ16に集中する、換言すると、中心導体14aと接地導体14b間の電位差がほぼギャップ16で発生させているので、光導波路3a、3bへの影響を小さくすることができるというものである。
このように、図2に示した従来の光変調器は、図1に示した本発明の第1実施形態と一見類似してはいるが、焦電効果によりz−カットLN基板1の表面に誘起された電荷と外部回路から中心導体4a、4b、4cを通じて導電層12a、12b、12cに供給された電荷で生成された電界に起因する光の屈折率変化を2本の光導波路2に対してほとんど同じとすることにより、2本の光導波路3a、3bを導波する光の位相差は外部から加えた電圧のみによるとする本発明の第1実施形態による光変調器とは原理が全く異なっている。
つまり、図1に示した本発明の第1実施形態による光変調器では、z−カットLN基板1の表面に発生した電荷と厚み1μm程度のバッファ層2の直上に誘導された反対の極性を持つ電荷とが形成する電界を均一化することが目的であるので、図2に示した従来の光変調器のギャップ16と比較して、図1に示す本発明の第1実施形態による光変調器のギャップ13a、13bを広く設定することが可能である。
さらに、導電層の導電率についても、図2に示した従来の光変調器の構造ではDCバイアスあるいは低周波の電圧をギャップ16に集中させる必要があるので、導電層15a、15bに高い導電率が要求される。
それに対し、図1に示す本発明の第1の実施形態では、焦電効果によりz−カットLN基板1の表面に生じる電荷と反対の電荷が導電層12a、12b、12cにとにかく誘導されれば良いので、導電層12a、12b、12cの導電率がある程度低くても良い。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第2実施形態では、図1に示した本発明の第1実施形態のギャップ13a、13bを導電層12a、12b、12cのみではなく、バッファ層2まで設け、バッファ層2を18a、18b、18cとに分割している。
[第3実施形態]
図4は、本発明の第3実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第3実施形態では、進行波電極として中心導体14a、接地導体14bを有するACPSを用い、導電層19a、19bの間にギャップ20を設けている。
なお、前述のように、本発明の基本は光導波路3a、3bに均一な電界がかかるようにすることであるから、本発明の第3実施形態では、光導波路3bの直上の中心導体14aに接触する導電層19aは広い面積としている。
[第4実施形態]
図5は、本発明の第4実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第4実施形態では、図4に示した本発明の第3実施形態のギャップ20を導電層19a、19bのみではなく、バッファ層2まで設けることにより、バッファ層2を41a、41bとに分割しているとともに、さらに、導電層42a、42bをz−カットLN基板1に電気的に接触させている。
これにより、本発明の第4実施形態による光変調器では、熱ドリフトと同時にDCドリフトも抑圧することができる。なお、導電層42a、42bをz−カットLN基板1に電気的に接触させない場合には、DCドリフトは生じ易いが、熱ドリフトについては抑圧することができる。
[第5実施形態]
図6は、本発明の第5実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第5実施形態では、第1バッファ層としてSiOバッファ層21a、21b、21cを形成した後、DCドリフトを抑圧するための第1の導電層22a、22b、22cを設けた後に、第2バッファ層23a、23bを設け、さらに本発明の主題である熱ドリフトを抑圧するための第2の導電層24a、24b、24cをギャップ25a、25bを介して設けている。
なお、DCドリフトを抑えるには、z−カットLN基板1の表面の抵抗を上げることが有効であり、また熱ドリフトを抑えるには光導波路3a、3bの上方に第2の導電層24a、24b、24cを極力広い面積で設けることにより、焦電効果による電界分布を均一にすることが有効である。
そこで、熱ドリフトを抑えるための第2の導電層24a、24b、24cに設けたギャップ25a、25bは、DCドリフトを抑えるための第1の導電層22a、22b、22c間のギャップよりも狭く形成することが好適である。
また、第2の導電層24a、24b、24cにギャップ25a、25bを設けるのと同時に、同じ程度の幅で第2のバッファ層23a、23bを部分的に除去してもよいことは言うまでもない。
なお、熱ドリフト抑圧の効果はやや薄れるが、ギャップ25a、25bを、中心導体4aに対してz−カットLN基板1の基板表面に平行方向に対称に配置するようにしても良い。
[第6実施形態]
図7は、本発明の第6実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第6実施形態では、図6に示した第5実施形態において、第2バッファ層23a、23bと第2の導電層24a、24b、24cを省略するとともに、第1の導電層22a、22b、22cをやや広くし、第1の導電層22aと22bに設けたギャップ26aと第1の導電層22aと22cに設けたギャップ26bを図6の第5実施形態の第1の導電層22aと22b間に設けたギャップや第1の導電層22aと22c間に設けたギャップよりも狭くしている。
なお、この第6実施形態でも、図1に示した本発明の第1実施形態と同様に、ギャップ26aについては、光導波路3a、3bから最も遠くに位置するという意味で、中心導体4aと接地導体4bの間のほぼ中間に設定しても良い。
この場合、前述のように、z−カットLN基板1を用いた光変調器の場合、中心導体4aにより光導波路3bが受ける位相変化量は、接地導体4bにより光導波路3aが受ける位相変化量よりも大きいので、中心導体4aと接地導体4bの間の中間よりも接地導体4b側に近づけても良いとともに、ギャップ26bは中心導体4aと接地導体4cの中間よりは接地導体4c側に近づけた方がより効果的である。
なお、ギャップ26aとギャップ26bは同じ大きさでなくてもよく、ギャップ26bをギャップ26aよりも広く形成することにより、電気的ショート及びDCドリフトを抑制する効果がある。
このような構造をとることにより、この第6実施形態による光変調器は、図6の第5実施形態による光変調器よりも特にDCドリフト抑圧の効果は低下するものの、光変調器をより簡単な手順により製作可能であるという特徴がある。
図8は、本発明の効果を説明するために、図7に記載した本発明の第6実施形態と、この第6実施形態において導電層22a、22b、22cがない構造についてのDCバイアス電圧の温度依存性を実際に測定した結果を示す。
ここで、導電層22a、22b、22cとしてはSiOを用いている。この図8からわかるように、導電層22a、22b、22cがないと、DCバイアス電圧が環境温度に大変大きく依存しているのに対し、本発明の第6実施形態のような構造をとることにより、この温度ドリフトを著しく抑圧することが可能となり、本発明の有効性を確認することができる。
[第7実施形態]
図9は、本発明の第7実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第7実施形態では、図7に示した第6実施形態において、第1の導電層22a、22bに設けたギャップ26aと第1の導電層22a、22cに設けたギャップ26bを接地導体4b、4c側よりも中心導体4a側に近くなるように設けている。
こうすることにより、第7実施形態による光変調器では、ギャップ26aと光導波路3aとの距離が遠くなることにより、図7に示した第6実施形態による光変調器の場合よりも、接地導体4bとの下にある光導波路3aへの熱ドリフトの影響を小さく抑えることができる。
しかしながら、第7実施形態による光変調器では、中心導体4aの下に設けた光導波路3bの熱ドリフトを抑圧する効果は小さくなるので、図7に示した第5実施形態による光変調器ほどには有効な実施形態ではない。
[第8実施形態]
図10は、本発明の第8実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第8実施形態では、図1に示した第1実施形態において、導電層12aと導電層12bとの間に設けたギャップ13aと、導電層12aと導電層12cとの間に設けたギャップ13bを接地導体4b、4c側よりも中心導体4a側に近くなるようにするとともに、図1中の導電層12aを省略した構造である。
こうすることにより、この第8実施形態による光変調器は、図1に示した第1実施形態による光変調器の場合よりも、接地導体4bの下にある光導波路3aへの熱ドリフトの影響は小さく抑えることができる。
しかしながら、この第8実施形態による光変調器では、中心導体4aの下に設けた光導波路3bの熱ドリフトを抑圧する効果は小さくなるので、図1に示した第1実施形態による光変調器ほどには有効な実施形態ではない。
なお、図10に示した構造の他、導電層12b、12cを具備しつつ、中心導体4aの直下の部分に導電層があり、かつこの導電層が導電層12b、12cと絶縁されている場合も本発明の範疇に入る。
[第9実施形態]
図11は、本発明の第9実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第9実施形態は、前述した図9に示される第7実施形態において、導電層22aを省略した構造である。
この第9実施形態による光変調器の構造においても、図9に示した第7実施形態と同様に、接地導体4bとの下にある光導波路3aへの熱ドリフトの影響は小さく抑えることができる。
しかしながら、この第9実施形態による光変調器の構造においては、中心導体4aの下に設けた光導波路3bの熱ドリフトを抑圧する効果は小さくなるので、図9に示した第7実施形態ほどには有効な実施形態ではない。
なお、図11に示した構造の他、導電層22b、22cを具備しつつ、中心導体4aの直下に導電層があり、かつこの導電層が導電層22b、22cと絶縁されている場合も本発明の範疇に入る。
図10に示した第8実施形態や図11に示した第9実施形熊では、導電層は中心導体4aに接触せず、接地導体4bのみに接触させている。さて、図1に示した第1実施形態や図3に示した第2実施形態を含む本発明の各種の実施形熊において、導電層に設けたギャップを著しく接地導体側に近づける場合には、接地導体の下方にある光導波路についての温度ドリフト抑圧の効果が薄れるものの中心導体の下方にある光導波路については、温度ドリフト抑圧の効果があるので、中心導体と接地導体の間の電気的ショートを防ぐことも含め、本発明として機能する。
さらに、この導電層に設けたギャップを著しく接地導体側に近づける場合には、図10に示した第8実施形態や図11に示した第9実施形態とは逆に、接地導体の下の導電層をなくす、つまり、接地導体を接地導体側のバッファ層の上に直接形成するようにしても良い。
但し、このようにしても本発明では、図20に示す第3の従来技術とは異なり、焦電効果による電界と熱応力による電界を打ち消し合わせるということは行わず、広い範囲を導体や導電層で覆うとともに、導電層と接地導体間のギャップは単に中心導体と接地導体の電気的ショート状態を防ぐためにのみ使用する。
[第10実施形態]
図12は、本発明の第10実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第10実施形態は、x−カットLN基板27による光変調器に適用した場合である。図中、参照符号28a、28bはx−カットLN基板27に形成した光導波路である。
なお、x−カットLN基板27には焦電効果はないが、焦電効果以外の要因に起因するバイアス電圧のドリフトを抑えるために、この第10実施形態では導電層29a、29b、29cを用いている。
この第10実施形態による光変調器においても、ギャップ30a、30bを光導波路28a、28bから離れた箇所に設けることにより、光導波路28a、28bに印加される電界を均一化するとともに、導電層29a、29b、29cの導電率が高くなっても電気的ショートを防ぐことができるという本発明の特徴を有している。
[第11実施形態]
図13は、本発明の第11実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。この第11実施形態は、図12に示した本発明の第10実施形態において、ギャップを33a、33bを導電層32a、32b、および32cのみではなく、バッファ層2にまで設け、バッファ層2をバッファ層31a、31b、および31cとに分割しているとともに、さらに、導電層32a、32b、および32cをz−カットLN基板1に電気的に接触させている。
これにより、第11実施形態による光変調器は、DCドリフトも抑圧できるとともに、中心導体4aと接地導体4b、4cの間のバッファ層をエッチング除去した本実施形態においてはバッファ層31a、31b、31cの間を充分に広く開けることにより、バッファ層31a、31b、31cやそれらの間にある空気の低い比誘電率を利用できるので、マイクロ波等価屈折率nをより低減するとともに、特性インピーダンスを外部回路により近づけることが可能となる。
本実施形態では、導電層32a、32b、32cを用いているので、x−カットLN基板1の表面のほぼ全体が金属で覆われているのと同じであるので、焦電効果によるランダムな電界の発生を抑えることができ、温度ドリフトを抑圧することが可能となる。
このことは、いわば、マイクロ波等価屈折率nと特性インピーダンスを温度ドリフトとは独立に設計できることを意味している。
[各実施形態について]
以上における本発明の各実施形態の説明では、電気的絶縁用のバッファ層としてはSiO膜を想定したが、これに限らずSiN、TiO、Al、ポリイミド、BCBなどその他のいかなる絶縁材料でも良い。
また、導電性膜の材料として、SiOを想定したが、ITOなどある程度の導電性を有していればどのような材料でもよいし、Siでも使用可能であり、さらに、TiやNiCrなどの金属、もしくは金属を酸化(この酸化とは金属を部分的に酸化する部分酸化も含む)して形成した金属酸化物、あるいはこれらとこれまでに述べてきたSiOやSiなどの半導体との組み合わせでも良いことは言うまでもない。
一般に、金属酸化物は酸化の度合いによってその導電率が大きく変化するため、適切な値の導電率を持つ導電層を再現性よく形成することは困難である。
図19に示した第2の従来技術における問題点の項において説明したように、中心導体と接地導体が導電層により電気的に接続されており、かつ酸化の度合いの制御がうまく行かずに導電層の導電率が高すぎる場合には、中心導体4aと接地導体4b、4cが電気的に導通状態、つまり、電気的ショート状態となり、素子が破壊されてしまうことになり、特に、金属酸化物を導電層として使用する従来技術による光変調器ではこの種の事故が多発している。
ところが、本発明による光変調器では、中心導体と接地導体は導電層により接続されてはおらず、電気的に絶縁されているため、金属酸化物を導電層として使用する場合にもこうした電気的ショートに起因する素子破壊を避けることができるので、素子の製作歩留まりを著しく改善することができる。
なお、金属や金属酸化物はそれらの最適厚みが数10nmと比較的薄く、それらのパターンが段切れをおこす場合があるが、SiやSiOのような半導体の場合にはそれらの厚みが100nm程度と比較的厚く、パターンの段切れを起こしにくい。
しかしながら、金属や金属酸化物はエッチングやリフトオフにより容易にパターン形成ができるが、SiやSiOのような半導体の場合には金属や金属酸化物ほどにはパターン形成が容易ではない。
従って、これらのメリット・デメリットと利用可能な装置との兼ね合いを考慮して、本発明による光変調器に用いる導電層の材料を選択することが重要である。
また、本発明による光変調器において、中心導体と接地導体の間のバッファ層をエッチング除去する構造の場合には、バッファ層や空気の低い比誘電率を利用することにより、マイクロ波等価屈折率nをより低減するとともに、特性インピーダンスを外部回路により近づけることができる。
この場合、もし導電層を用いないとすると、温度ドリフトの発生を低減するためには中心導体と接地導体の間隔を数ミクロンと極端に小さくする必要があり、マイクロ波等価屈折率nは3以上、特性インピーダンスは20Ω程度と光変調器としては極端に不利な特性となってしまう。
ところが、本発明による光変調器では、導電層を用いているので、中心導体と接地導体の間隔、すなわちマイクロ波等価屈折率nと特性インピーダンスを温度ドリフトとは独立に設計できることになるので、進行波電極として必要な特性を満たしつつ、温度ドリフトを有効に抑えることができるという利点がある。
また、本発明の各実施形態では、進行波電極の構成として1つの中心電極と広い2つの接地電極があるCPWを用いて説明してきたが、各種形態の進行波電極でもよいし、マッハツェンダ光導波路を構成する2本の光導波路の各々に2つのCPWや2つのACPSの中心電極を設定する、いわゆるプッシュプル構造の進行波電極でもよい。
さらに、本発明による光変調器における焦電効果に起因する動作点シフトを除去する原理は電極構造によらないので、これまでに述べた進行波電極のみならず、集中定数型電極にも適用可能である。
また、本発明の各実施形態では、z−カットLN基板とx−カットLN基板を主に想定して説明したが、y−カットなどその他のLN基板でも良いし、リチウムタンタレートなど、電気光学効果を有するその他の基板でも良いことは言うまでもない。
本発明の各実施形態では、マッハツェンダ光導波路を用いる強度変調器を例にとり説明したが、マッハツェンダ光導波路の代わりに方向性結合器を用いても良いし、その他の構造でも良いとともに、高速化と低電圧化のために提案されたリッジ構造のLN光変調器 (例えば、特許第2728150号)にも適用できることは言うまでもない。
さらに、本発明による光変調器は、強度変調器のみならず、位相変調器や偏波スクランブラなど電気光学効果を有する基板を用いて製作した各種光変調デバイスに適用可能である。
なお、本発明による光変調器は、焦電効果によって生じる電界の不均一を抑制するのに有効に作用するとともに、見かけ上焦電効果と同様に電界の不均一を生じさせる他の効果に対しても有効な抑制作用を有していることは言うまでもない。
図1は、本発明の第1実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図2は、本発明の本第1実施形態と類似している従来技術として、特許文献5の図3に開示されているLN光変調器を示す断面図である。 図3は、本発明の第2実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図4は、本発明の第3実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図5は、本発明の第4実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図6は、本発明の第5実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図7は、本発明の第6実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図8は、本発明の効果を説明するために、図7に記載した本発明の第6実施形態と、この第6実施形態において導電層22a、22b、22cがない構造についてのDCバイアス電圧の温度依存性を実際に測定した結果を示す図である。 図9は、本発明の第7実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図10は、本発明の第8実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図11は、本発明の第9実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図12は、本発明の第10実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図13は、本発明の第11実施形態による光変調器の構成を示す断面図である。 図14は、第1の従来技術によるz−カットLN基板を用いて構成したLN光変調器の構成を示す斜視図である。 図15は、図14のA−A´における断面図である。 図16は、図14および図15の進行波電極の中心導体4aと接地導体4b、4c間にバイアス電圧による電界が印加された際における望ましい電気力線DEFの分布を示す図である。 図17は、上記第1の従来技術によるLN光変調器の問題点を説明するために示す図である。 図18は、図14および図15に示されるLN光変調器の動作原理を説明するために示す電圧−光出力特性曲線図である。 図19は、第2の従来技術として、特許文献1の第2実施例に開示されているLN光変調器を示す断面図である。 図20は、第3の従来技術として、特許文献2に開示されているLN光変調器を示す断面図である。 図21は、第4の従来技術として、特許文献3に開示されているLN光変調器を示す断面図である。 図22は、第5の従来技術として、特許文献4に開示されているLN変調器を示す断面図である。 図23は、第6の従来技術として、特許文献4に開示されているLN変調器を示す断面図である。
符号の説明
1:z−cutLN基板、
2:SiO2 バッファ層、
3:光導波路、
3a、3b:相互作用部の光導波路、
4a:CPWの中心導体、
4b、4c:CPWの接地導体、
5、6:導電層、
7a、7b:ギャップ、
8a:中心導体、
8b:接地導体、
9a、9b:SiO2 バッファ層、
10a、10b、10c:導電層、
11a、11b:ギャップ、
12a、12b、12c:導電層、
13a、13b:ギャップ、
14a:ACPSの中心導体、
14b:ACPSのの接地導体、
15a、15b:導電層、
16:ギャップ、
17:ギャップ16に集中した電界、
18a、18b、18c:バッファ層、
19a、19b:導電層、
20:ギャップ、
21a、21b、21c:第1のバッファ層、
22a、22b、22c:第1の導電層、
23a、23b:第2のバッファ層、
24a、24b、24c:第2の導電層、
25a、25b:ギャップ、
26a、26b:ギャップ、
27:x−cutLN基板、
28a、28b:光導波路、
29a、29b、29c:導電層、
30a,30b、30c:ギャップ、
31a、31b、31c:バッファ層、
32a、32b、32c:導電層、
33a、33b:ギャップ、
41a、41b:バッファ層、
42a、42b:導電層、
40a、40b:ギャップ、
50a、60a:バッファ層、
70a、70b:ギャップ

Claims (16)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
    前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記中心導体と前記接地導体との間で前記導電層に1つの間隙が形成されていることを特徴とする光変調器。
  2. 前記中心導体と前記接地導体とが前記導電層に接触して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記中心導体と前記接地導体とは前記導電層に接触して形成されているとともに、
    前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度によるバイアス電圧のドリフトを小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光変調器。
  4. 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
    前記中心導体と前記接地導体の少なくとも一方が前記導電層に接触して形成されているとともに、
    前記バッファ層が第1のバッファ層及び第2のバッファ層からなり、且つ前記導電層が第1の導電層及び第2の導電層からなり、
    前記第1のバッファ層が前記基板上面の前記光導波路の直上で且つ該基板上面の一部分に形成され、前記第1の導電層が前記第1のバッファ層の少なくとも一部と接触するとともに前記基板上面まで延びて形成され、且つ、隣接する別の第1のバッファ層に形成された別の第1の導電層と所定距離離れて形成され、前記第2のバッファ層が前記基板上の前記第1のバッファ層が形成されていない部位で前記基板及び前記第1の導電層の上方に形成され、前記第2の導電層が前記第2のバッファ層及び前記第1の導電層の上面に形成されていて、
    前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記中心導体と前記接地導体との間で前記第2の導電層に1つの間隙が形成されていることを特徴とする光変調器。
  5. 前記基板がz−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体のそれぞれの下方に前記光導波路が形成されていて、
    前記1つの間隙が、前記それぞれの光導波路からほぼ等距離の位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の光変調器。
  6. 前記基板がz−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体のそれぞれの下方に前記光導波路が形成されていて、
    前記1つの間隙が、前記それぞれの光導波路から等距離の位置よりも前記接地導体側の位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の光変調器。
  7. 前記光変調器がCPW(コプレーナウェーブガイド)構造で、その下方に光導波路が形成されていない別の接地導体と前記中心導体との間で前記導電層に別の1つの間隙が形成され、
    且つ、該別の1つの間隙の形成位置が前記中心導体と前記別の接地導体の中央位置よりも前記別の接地導体側の位置であることを特徴とする請求項1乃至請求項3および請求項5または請求項6のいずれか一に記載の光変調器。
  8. 前記光変調器がCPW(コプレーナウェーブガイド)構造で、その下方に光導波路が形成されていない別の接地導体と前記中心導体との間で前記第2の導電層に別の1つの間隙が形成され、
    且つ、該別の1つの間隙の形成位置が前記中心導体と前記別の接地導体の中央位置よりも前記別の接地導体側の位置であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の光変調器。
  9. 前記第2の導電層に設けられた前記1つの間隙の大きさが、複数の前記第1の導電層間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項4乃至請求項6および請求項8のいずれか一に記載の光変調器。
  10. 前記基板がx−カットの面方位を含む基板であり、前記中心導体と前記接地導体との間に前記光導波路が形成されていて、該光導波路と前記接地導体との間に前記1つの間隙が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の光変調器。
  11. 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
    前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁するように、前記導電層が前記中心導体に電気的に接触せず、前記導電層が前記接地導体のみに電気的に接触するように形成されていることを特徴とする光変調器。
  12. 前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度によるバイアス電圧のドリフトを小さくすることを特徴とする請求項11に記載の光変調器。
  13. 電気光学効果を有する基板と、該基板上に形成された光を導波するための光導波路と、前記光導波路の上に形成されたバッファ層及び導電層と、前記光導波路に電圧を印加するための中心導体及び接地導体とを具備し、前記中心導体と前記接地導体との間に前記電圧を印加し、前記光導波路を導波する前記光の位相を変化させることにより前記光を変調する光変調器において、
    前記中心導体と前記接地導体を電気的に絶縁させ、且つ、前記基板に誘起された電荷に起因する電界が前記光導波路にほぼ均一に印加されて温度によるバイアス電圧のドリフトを小さくするように、的記導電層が前記接地導体に電気的に接触せず、前記導電層が前記中心導体のみに電気的に接触するように形成されていることを特徴とする光変調器。
  14. 前記導電層が半導体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器。
  15. 前記導電層が金属もしくは金属酸化物の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器。
  16. 前記導電層が半導体と金属もしくは金属酸化物の組み合わせからなることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一に記載の光変調器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013037243A (ja) * 2011-08-09 2013-02-21 Fujitsu Optical Components Ltd 光変調器
JP2014199302A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 住友大阪セメント株式会社 光デバイス
JP2015118371A (ja) * 2013-11-15 2015-06-25 Tdk株式会社 光変調器

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