JPH05196902A - 進行波光変調器 - Google Patents

進行波光変調器

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JPH05196902A
JPH05196902A JP4215837A JP21583792A JPH05196902A JP H05196902 A JPH05196902 A JP H05196902A JP 4215837 A JP4215837 A JP 4215837A JP 21583792 A JP21583792 A JP 21583792A JP H05196902 A JPH05196902 A JP H05196902A
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optical
electrodes
electrode
width
substrate
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JP4215837A
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English (en)
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David W Dolfi
デイヴィッド・ダブリュ・ドルフィ
Roger L Jungerman
ロジャー・エル・ジャンガーマン
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Hewlett Packard Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な速度整合、低スイッチング電圧、良好
なインピーダンス整合、広い帯域幅を備えた、光導波チ
ャネル内の光を電磁信号により変調する効率の良い手段
を提供すること。 【構成】 必要なスイッチング電圧が低く、インピーダ
ンス整合が良好で、改善された帯域能力を有する、X切
断ニオブ酸リチウム上の進行波光変調器を開示するもの
である。本発明の他の態様によれば、進行波光変調器
は、その駆動電圧や速度整合に悪影響を与えること無
く、そのインピーダンスを増大させることが可能とな
る。これは、アース電極の幅を熱電極の幅の3倍以下に
狭くすることにより達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、進行波光変調器に関す
るものであり、とりわけ、性能の大幅な向上を提供する
変調器の設計に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
光変調器に関する解説は、1987年に Marcel Dekker,In
c. から発行された、Lynn D. Hutcheson の編集によ
る、「 Integrated Optical Circuits andComponents,
Design and Applications」によって知ることができ
る。その「Ti:LiNbO3 Integrated Optic Technology」
と題された第6章を参照のこと。
【0003】高周波数で光強度を効率良く変調すること
の可能な光変調器は、光ファイバ遠隔通信の領域におい
て価値を有するものである。光伝送によって得られる帯
域幅が極めて広いため、また、既存の通信テクノロジの
ほとんどが、光学手段ではなく電気的手段を用いて光学
キャリヤに関する情報のエンコード等の機能を実施して
いるため、電気技術と光技術とを結びつけることが望ま
しい。これは、電気的信号によって高周波数で光強度変
調を行うための効率的な方法を提供する進行波光変調器
等の装置によって達成される。
【0004】進行波光変調器は、マイクロ波信号等の電
磁信号を用いて、光導波チャネル内で光強度変調を行
う。一般には、ニオブ酸リチウム等の結晶材料が基板と
して用いられ、この基板内に、光導波チャネルが形成さ
れる。この光導波チャネルは、結晶基板に、写真平版の
マスキングを施し、チタン等の元素を拡散させることに
より形成されて、まわりの基板の光屈折率より高い光屈
折率を有する領域が生成される。屈折率の差によって全
内反射が生じ、これにより光導波管内における光の伝搬
が強制される。
【0005】材料の光屈折率は、材料中における光の位
相速度に関係するものである。結晶基板はその光屈折率
が電磁信号によって影響されるという特性を有する。電
磁信号は電極によって加えられる。光導波チャネルに近
接して電磁信号を加えて、基板中の光導波路の光屈折率
に影響を与えることにより、その光導波路に沿って伝搬
する光を前記電磁信号に応じて変調させることが可能に
なる。
【0006】1つの表面を介して基板に光導波チャネル
が拡散された光変調器の場合、光導波路は基板の前記1
つの表面に存在し、電磁信号を加える電極は変調器の前
記1つの表面上に取り付けられる。通常、その電極は、
細長くて、光導波チャネルと平行に配置され、導波路
は、電極の下又は電極の間に直接配置される。
【0007】光導波チャネルは、光導波路内の光屈折率
の変化に対して電界の効果を最大限に利用できるように
位置決めされる。光導波チャネルが、異なる方向におい
て2つ以上の屈折率を呈する結晶基板内に拡散される場
合、電界による変化を最も受け易い方向における屈折率
を利用することが望ましい。
【0008】進行波光変調器を製作する主たる設計目的
は、(1)広い変調帯域幅、(2)低いスイッチング電
圧、及び(3)電磁信号変調源に対するインピーダンス
整合である。
【0009】広い変調帯域幅は、高周波による光伝送能
力を利用するために必要になる。一般に、所望の帯域幅
は数十ギガヘルツのオーダであった。帯域幅は、主とし
て、光信号と、光信号の変調に用いられるマイクロ波信
号との速度の不整合によって制限される。マイクロ波信
号が電極内を進む速度は、光信号が光導波路内を進む速
度より遅いので、位相誤差が生じることになる。位相誤
差の範囲は、(1)マイクロ波信号の周波数と、(2)
マイクロ波信号によって発生する電界と光経路との相互
作用の長さとによって決まる。
【0010】位相誤差は、マイクロ波信号の周波数の低
下と共に減少する。しかし、目的は、一般に、できる限
り高い周波数まで動作する変調器を設計することであ
り、従って、周波数を下げることは設計上選択されるも
のではない。信号間の相互作用の長さを短縮することに
より帯域幅を広くすることが可能になるが、この場合、
スイッチング電圧を高くすることになってしまう(後述
する)。
【0011】従って、本発明の目的は、速度の整合を改
善すると共に、低スイッチング電圧を維持することによ
り、進行波光変調器の帯域幅を広くすることである。
【0012】スイッチング電圧は、それが電極間に加え
られた際に光変調器をフル・オフからフル・オンにする
直流電圧に定義される。マイクロ波変調信号の所定のパ
ワー・レベルに関して変調量を最適化するために低スイ
ッチング電圧が望まれる。必要とされるマイクロ波のパ
ワーが低減することにより、低コストの駆動回路の設計
が可能になる。
【0013】スイッチング電圧に影響を与える主なパラ
メータは、電極のギャップと電極の長さである。電極間
の距離又はギャップが小さくなるにつれて、必要なスイ
ッチング電圧が低下する。しかし、ギャップ・サイズが
小さくなるにつれて、基板内への電界透過深度が低くな
るので、電極を互いにあまり近接して配置させることは
できない。これは、ギャップ・サイズが小さくなると光
導波チャネルとオーバラップする電界が減少するという
ことを意味する。また、隣接する電極のすぐ下に2つ以
上の光導波チャネルを配置しなければならない設計にお
いては、光導波路をあまり接近させてはならなかった
り、或いは、光導波路間の交差結合(cross-coupling)が
生じたりするため、ギャップ・サイズが制限されてしま
う。
【0014】従って、本発明のもう1つの目的は、低ス
イッチング電圧を実現すると同時に、強電界のオーバラ
ップを実現し、及び交差結合を阻止することである。
【0015】最後に、マイクロ波変調源からの出力イン
ピーダンスは、光変調器の入力インピーダンスと等しい
か、又は「整合する」ことが理想的である。インピーダ
ンスの不整合は、パワー損失、又は駆動回路を破壊する
可能性のある反射を発生させる。一般に、マイクロ波信
号変調源のインピーダンスは、光変調器のインピーダン
スを超える50オームである。従って、光変調器のイン
ピーダンスが大きくなる設計を用いることが望ましい。
【0016】光変調器のインピーダンスは、主として、
電極のギャップ、及び「熱」電極の幅によって決まる。
本明細書で用いる限りにおいて、「熱」電極は、電極対
のうちの第1の電極と定義され、この場合、その電極対
のうちの第2の電極はアース電極である。アース電極
は、一般に、その電極対のうちの幅の広い方の電極であ
り、光変調器にマイクロ波信号を加えるケーブルのシー
ルド手段に接続されるものである。所定の電極対によ
り、その電極対の間のギャップ幅が定義される。ギャッ
プ幅が小さくなればインピーダンスが小さくなり、熱電
極の幅が大きくなるとインピーダンスが更に減少する。
上述のように、スイッチング電圧を低下させるにはギャ
ップを小さくすることが望ましく、電極のRF損失を減
少させるには熱電極幅を比較的広くすることが望まし
い。これが、インピーダンス整合と、低スイッチング電
圧及び低RF損失との間における設計上の矛盾である。
【0017】従って、本発明のもう1つの目的は、低ス
イッチング電圧を実現すると共に、マイクロ波のインピ
ーダンス整合及び低RF損失を実現することにある。
【0018】要するに、進行波光変調器の設計目的は、
広い変調帯域幅、低いスイッチング電圧、及びインピー
ダンス整合を含む低マイクロ波挿入損失である。しか
し、これらの設計目的の達成は、従来は、光変調器の設
計において、パラメータの多くが相互依存し、互いに矛
盾しているという事実により複雑化してきた。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の主たる目的は、
電磁信号により光導波チャネル内の光を変調するための
効率の良い手段を提供することにある。この目的は、進
行波光変調器の設計を改善することによって実現する。
本発明の一実施例に基づく光変調器により良好な速度整
合が提供され、その結果として、低スイッチング電圧と
良好なインピーダンス整合と共に、広い帯域幅が得られ
ることになる。
【0020】本発明は、変調源と変調器との間のインピ
ーダンス整合の改良が可能となるように、他の設計パラ
メータに影響を及ぼすことなく、光変調器のインピーダ
ンスを増大させることを可能とする、有限幅のアース電
極の使用について教示するものである。好適実施例の場
合、該設計は、2つのアース電極及び1つの熱電極を利
用して、ニオブ酸リチウムのX切断基板上で実施され
る。この設計により、大幅に改良された高周波光変調器
が提供されることになる。
【0021】本発明の態様の1つによれば、アース電極
の幅を狭めることによって、他のパラメータに悪影響を
与えることなく、重要な設計パラメータ、即ち、マイク
ロ波インピーダンスを、改良することができる。以前
は、「無限の」アース電極が望ましいと信じて、装置に
おけるアース電極の幅はできる限り大きくとられた。更
に、設計の他の寸法を変えることによってインピーダン
ス整合を達成しようとする場合には、スイッチング電圧
又は帯域幅といった別の重要な設計パラメータとの設計
上のトレード・オフが必ず伴った。
【0022】より詳細には、本発明は、電磁信号に応答
して光信号を変調させる光変調器を提供するものであ
り、該変調器は、プロセス側(process side)と、少なく
とも1つの光屈折率と、1つ以上の光導波チャネルとを
備えた基板から構成される。その光導波路は、所定の光
屈折率を有し、この光導波路に比べて小さい屈折率を有
する媒体によって包囲されている。このため、この光導
波路は全内反射によって光エネルギーの伝達を行う。
【0023】光変調器はまた、基板に接続された複数の
細長い電極を備えており、その電極は、互いに隣接し、
更に、或る手段にも隣接している。その手段とは、少な
くとも1対の電極間に電位差を印加して、その電極対に
沿って伝搬する進行波を生成し、これにより少なくとも
1つの導波路とオーバラップする電界を発生させ、印加
された電位差に応じて、オーバラップした導波路の光屈
折率を変化させる、というものである。光屈折率が変化
することにより、オーバラップした導波路内の光信号
が、電界の関数として強度変調される。電極対における
所定電極の電極幅は、電極内の進行波の伝搬方向に対し
て垂直で、基板のプロセス側に対して平行な方向に沿っ
た、電極の平均寸法として定義される。対をなす電極の
一方は他方に比べて広く、所定の電極対における広い方
の電極幅と狭い方の電極幅との比は約3以下となる。
【0024】本発明のもう1つの態様によれば、ニオブ
酸リチウムのX切断基板が用いられ、電極の厚さと緩衝
層の厚さが、ニオブ酸リチウム製X切断基板の物理的特
性に基づき、ギャップ幅、光学チャネル間隔、及び熱電
極幅といった他の物理的な設計上の考慮事項と協働して
優れた性能を達成する変調器が得られるように選択され
た、光変調器が提供される。
【0025】
【実施例】図1は、マッハ・ツェンダー干渉計の強度変
調構成における、従来の進行波光変調器100の斜視図
である。光変調器100は、図示のように、インピーダ
ンス整合回路150及び同軸ケーブル170に関連する
ものである。同軸ケーブル170はマイクロ波信号源1
71に接続されている。図1は正確な縮尺率で描かれて
おらず、また図1中には解説を容易にするため簡略化さ
れたものがある、ということに留意されたい。また、最
も留意されるべきことは、インピーダンス整合回路15
0が概略的に示され、同軸ケーブルの接続176が本来
の斜視図の代わりに単なる線で示されている、というこ
とである。
【0026】光変調器100は、一般には、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3 )の結晶である基板110からな
るものであり、こうした結晶は、それ自体に印加される
電界に応答して変化する少なくとも1つの屈折率を備え
たものである。基板110上での光変調器の製作は、一
般に、「プロセス側」と呼ばれる基板の片側において行
われる。光導波チャネル230は、基板110のプロセ
ス側の表面に所望の深さまで拡散される。光導波チャネ
ル230のそれぞれは、入力ブランチ231から出力ブ
ランチ232まで延びている。電極接続パッド112,
114,116は、基板110のプロセス側の表面に蒸
着された金属により形成される。一般に、この金属は、
金又は銅であり、基板110上に所望の高さまで蒸着又
は電気メッキを施すことにより形成される。
【0027】図1から分かるように、電極接続パッド1
12,114,116は、同一平面上にあり、基板11
0の平らな表面上に位置している。中央の電極接続パッ
ド114は、2つの外側の電極接続パッド112,11
6の間に設けられている。電極接続パッド114は
「熱」電極接続パッドと呼ばれ、また電極接続パッド1
12,116は「アース」電極接続パッドと呼ばれる。
【0028】同軸ケーブル170は、外側導体174と
同軸をなす中心導体172を備えている。外側導体17
4は、中心導体172の信号を外部の電磁気的干渉から
シールドする働きをしている。同軸ケーブル170は、
接続176を介してインピーダンス整合回路150にマ
イクロ波信号を供給する。インピーダンス整合回路15
0は、マイクロ波信号変調源171及び同軸ケーブルの
出力インピーダンス(一般に50オーム)と、進行波光
変調器100の入力インピーダンス(一般に50オーム
未満)との差を補償する働きをする。インピーダンスが
不整合の場合、同軸ケーブル170と光変調器110と
の界面において反射が生じるので、インピーダンス整合
を行うことが望ましい。そうした反射は、電力損失及び
マイクロ波信号の摂動を生じさせるものである。光変調
器のインピーダンスが50オームに略等しい場合には、
インピーダンス整合回路150は不要とすることができ
る。
【0029】インピーダンス整合回路150は、同軸ケ
ーブル170からのマイクロ波信号を光変調器100へ
その発射端部130において相互接続する。光変調器1
00の発射端部130において、電極接続パッド11
2,114,116は、機械的接続を可能にするのに十
分なサイズとなっている。図1に示す従来の装置の場合
には、同軸ケーブル170の中心導体172が、光変調
器100の熱電極接続パッド114に電気的に接続され
る点に留意されたい。また、同軸ケーブル170の外側
導体174が、光変調器100のアース電極接続パッド
112,116に接続される点に留意されたい。
【0030】従来の装置では、アース電極は、シールド
を目的としてこれまで利用されてきたものである。従っ
て、望ましくない電磁気的影響に対する強力な保護シー
ルドを提供するため、アース電極は、できる限り大きく
なるように維持されてきた。また、従来の装置の場合、
アース電極又はアース面は、電流の消費効率を良くし
て、抵抗損失を減少させるために、できる限り大きく作
成された。一般的な光変調器の場合、アース電極12
0,124は、熱電極122に比べて10倍以上も幅が
広い。この幅の比は、光変調器100の相互作用長領域
Lにおける電極の幅のことである。相互作用長領域につ
いては後述することとする。
【0031】主たる目的は、インピーダンス整合回路1
50との良好な機械的接触を可能にするため、及び発射
端部と変調器上の相互作用長Lの領域との間におけるイ
ンピーダンス整合を維持するために十分な大きさに電極
接続パッド112,114,116を光変調器100の
発射端部130に作成することにある。発射端部130
の領域において、熱電極接続パッド114は、ギャップ
118により、アース電極接続パッド112,116か
ら分離されている。両方のギャップは等しいことが望ま
しいので、ギャップ幅について言及する場合、ギャップ
のいずれか一方の幅を意味するものと理解される。熱電
極114はテーパ状に形成されており、ギャップ幅11
8は、ギャップと熱電極との幅の比を一定に保つために
狭められている。熱電極は、その幅が狭められて相互作
用長領域Lの一端にあるポイント119において所望の
幅になるまで、そのテーパ状態が続くものである。
【0032】ポイント129は、相互作用長領域Lの他
端である。相互作用領域L内において、ギャップ126
の下には光導波チャネル230が設けられており、そこ
では、光導波路の光屈折率に対する電極120,12
2,124の電磁気効果が強くなる。図1から分かるよ
うに、アース電極120,124及び熱電極122は、
相互作用長領域L内において一定の幅を有している。ま
た、相互作用長領域L内において、ギャップ126の幅
は一定であり、熱電極幅に対するギャップ幅の比が一定
となるようになっている。熱電極幅に対するギャップ幅
の比が一定であるその長さに沿って、電極120,12
2,124の長さに沿って進行するマイクロ波信号によ
り生成された電界が、基板110内の光導波チャネル2
30とオーバラップし、これにより光導波路の屈折率が
変調される。
【0033】相互作用長領域L内の電極120,12
2,124に沿ったマイクロ波信号の伝搬方向を図1に
矢印192で示す。マイクロ波信号が、熱電極とアース
電極のいずれか一方との間の電位差によって決まる進行
波であるため、マイクロ波信号の方向は、常に矢印19
2で示す方向となる。
【0034】マイクロ波信号が加えられると、電極12
0,122,124内で電流が発生する。これらの電流
は、略電極の長さに沿った方向に流れる。しかし、熱電
極内の電流は、任意の時点において、アース電極内の電
流の方向と逆方向になる。
【0035】矢印190,194は、それぞれ、熱電極
122内に矢印192で示す電流の伝搬と同時点におけ
る、アース電極120,124に沿った電流の方向を示
すものである。この時点において、熱電極に沿った電流
は、マイクロ波信号の伝搬方向と同じ方向である。電流
が正弦波であるため、熱電極及びアース電極内の電流
は、絶えずその方向を「切り換え」、熱電極内の電流
は、いずれかのアース電極内の電流の方向と反対方向に
常に維持される。
【0036】光導波チャネル230は、基板110の表
面下に位置している。従来の光変調器100の形態の1
つに、2つの光導波チャネル230が存在するものがあ
り、その2つのチャネル230は、各ギャップ126の
すぐ下方に1つずつ設けられ、相互作用領域L内で熱電
極122と平行に延びている。光導波チャネル230
は、発射端部又は終端部においては、電極接続パッド1
12,114,116の下方には存在せず、これら発射
端部及び終端部における電極接続パッドが導波路の光屈
折率に影響を与えるということはあまりない。
【0037】図1には、光変調器100の終端部132
が示されている。終端部132において、発射端部13
0に存在するのと同じタイプのインピーダンス整合の問
題に遭遇することになる。従って、終端部132におけ
る電極は、機械的接続を行うのに十分な領域を提供する
ため、発射端部における電極と同様に拡大された。終端
抵抗器180は、終端部132において光変調器100
のインピーダンスを整合させる働きをする。この抵抗器
180は、基板110上に、又は基板外に配置すること
が可能である。抵抗器180が基板110上にある場合
には、終端部においてインピーダンス整合回路150は
用いられないことになる。また、抵抗器180が基板1
10上にない場合には、同軸ケーブルを用いて終端部1
32において電極接続パッド112,114,116に
抵抗器180を接続することができる。この場合、光変
調器100のインピーダンスを同軸ケーブルのインピー
ダンスに整合させるために整合回路150が必要にな
る。
【0038】動作時、一般にはマイクロ波信号が電極1
20,122,124に加えられるので、光導波チャネ
ル230の光屈折率が影響を受ける。その結果、光導波
チャネル230の有効光路長は、光導波路を通過する電
界の差異により異なる。入力ブランチ231を通って入
る光エネルギーは分割され、各光導波チャネル内を進む
光強度が入力ブランチ内の光の半分になるようになって
いる。光路長が異なることにより、光導波チャネル23
0の一方における光は、もう一方における光と位相がず
れることになる。位相のずれた両光導波チャネル230
からの光は、出力ブランチ232で結合し、これによ
り、光強度が変調される。
【0039】図2は、図1のライン2−2´に沿った断
面図である。電極120,122,124、及びギャッ
プ126は、図1の同じ番号の構成要素に対応する。図
2はほぼ正確な縮尺率で描かれている。電極120,1
22,124は、ニオブ酸リチウム基板110上に配置
されている。電極は、緩衝層222によりニオブ酸リチ
ウム基板から分離されている。一般には、この緩衝層は
二酸化珪素(SiO2)である。特に、ギャップ126内
には、電極の上方及びそのまわりに空気208が存在す
る。光導波チャネル230は、断面で示すように、ギャ
ップ126の下方、及び基板110の表面220より下
に位置している。
【0040】電極120,122,124の幅は、図の
水平方向の寸法にあたる。電極120,122,124
の垂直方向の寸法は、その電極の高さ又は厚さである。
緩衝層222の垂直方向の寸法はその緩衝層の厚さであ
る。従来、熱電極122の幅は数十ミクロンのオーダを
有し、一般には24ミクロンである。アース電極12
0,124の幅は熱電極の幅のほぼ10倍のオーダを有
する。電極120,122,124の厚さは数ミクロン
のオーダを有し、一般には3ミクロンである。緩衝層2
22の厚さは数十分の1ミクロンのオーダを有し、一般
には0.2ミクロンである。ギャップ126の幅は数ミ
クロンのオーダを有し、一般には6ミクロンである。光
導波チャネル230は、非円形であり、5ミクロンの長
軸幅を有するものである。
【0041】本発明は、図1に示す従来の光変調器10
0の構造に似た全体構造を有するものである。本発明
は、図1のライン2−2´に沿った断面図と類似した図
2に示す断面図から分かるように、電極120,12
2,124のサイズ及び配置が異なるものである。図3
は、図2の光変調器と同様に構成された光変調器の断面
図であり、本発明の実施例を表すものである。
【0042】図3は、本発明の望ましい実施例における
従来技術との構造上の変更を示すため、図2と同じ縮尺
率で概略を描いたものである。図3において、Wg はア
ース電極120,124の幅、Gはギャップ126の
幅、Wh は熱電極122の幅、Hは電極の高さ、Dは緩
衝層222の厚さ又は深さである。本発明の場合、アー
ス電極の幅Wgは、熱電極幅Whのオーダで作成された。
また、緩衝層の厚さDが増し、電極の厚さHが増した。
これらの変更の結果、ギャップ幅Gは、図2に示す従来
の光変調器のギャップ幅よりも広く形成され、熱電極幅
h は狭く形成された。後述の理由から、これらの構造
上の変更により、進行波光変調器が大幅に改良されるこ
とになる。
【0043】図4は、図3と同様の光変調器の断面図で
ある。更に、図4には、電極120,122,124の
長さに沿って進むマイクロ波信号によって発生する電界
線が示されている。電界線は、熱電極122からアース
電極120又はアース電極124への放射を示すため、
矢印のついた線として示されている。電界線は、別個の
線として示されているが、それらが無限に延びる連続し
た電界から構成されていることは明らかである。電界の
最大強度が、いわゆる「フリンジ」フィールドの領域に
当たる、電極120,122,124のエッジ近辺で発
生する点に留意されたい。
【0044】図4から分かるように、電界線410は、
熱電極122で生じ、空気408を介してアース電極1
24で終端する。同様に、電界線418は、電極122
と電極124との間の空気408を通過する。電界線4
20は、熱電極122で生じ、緩衝層222を通過し、
次に基板110を通過し、次に空気408を通過して、
アース電極124で終端する。電界線414は、緩衝層
222、基板110、光導波チャネル230を通過し、
再び基板を通過し、最後にアース電極124の下にある
緩衝層を通過する。電界線412は、緩衝層222、空
気408、基板110、光導波チャネル230、基板、
空気、及び緩衝層を通過した後、アース電極124で終
端する。
【0045】電界線が通過する1つ又は複数の材料は重
要である。これは、各材料が異なる誘電率を有し、その
誘電率が、該材料を通る電界の経路長及び該材料内にお
ける電界線の密度と共に、電極120,122,124
に沿ったマイクロ波信号の速度を決定するからである。
即ち、誘電率の低い材料を通る電界線の密度が高くなる
につれて、電極120,122,124に沿ったマイク
ロ波電流の伝搬速度が増すことになる。
【0046】誘電率の解説は、屈折率についての説明に
類似したものである。これは、媒体の屈折率が該媒体の
誘電率の平方根であるためである。光変調器におけるマ
イクロ波信号についての「有効」誘電率には、マイクロ
波信号の伝搬に影響を与える媒体の個々の誘電率がそれ
ぞれ組み込まれる。同様に、光信号についての有効誘電
率には、光信号の伝搬に影響を与える媒体の誘電率がそ
れぞれ組み込まれる。以上を考慮して、速度の整合につ
いては、有効光屈折率と有効マイクロ波屈折率との整合
として、あるいは、有効マイクロ波誘電率と有効光誘電
率との整合として説明する。従来の技術の欄における解
説から、マイクロ波信号と光信号との速度整合が重要な
設計目的であるという点を想起されたい。
【0047】基板110の誘電率が比較的高いので、光
信号はマイクロ波信号よりも速い。マイクロ波信号の速
度を増すことが所望されるので、電界が通る材料の誘電
率は低いことが望ましい。図4の空気408及び緩衝層
222は、両方とも、基板110及び光導波チャネル2
30よりも誘電率が低い。光変調器100の有効誘電率
は、電界が材料の端から端までたどることになる経路長
と共に、電界が通過する異なる材料の関数となる。こう
した有効誘電率は、光変調器100の全誘電率を反映し
たものであり、マイクロ波信号の速度を示すものであ
る。
【0048】本発明によれば、電極120,122,1
24の高さHを増すことによって、発生する電界のより
多くが空気408を通過することになる。また、緩衝層
222の厚さを増すということは、より多くの電界、特
に電極120,122,124のエッジにおける高密度
の電界が、緩衝層222を通過するということを意味す
る。電極120,122,124の高さの増大、及び緩
衝層222の厚さの増大は、両方とも、光変調器100
の全有効誘電率を低下させる働きをする。緩衝層222
の厚さが増すと、光導波チャネル230を通過する電界
の密度も少し低下するが、本発明によれば、速度整合の
有益な効果が、光導波チャネルとオーバラップする電界
強度を下げる有害な効果に勝ることが分かった。
【0049】しかし、電極の厚さHが増加すると、光変
調器100のインピーダンスが低下するという悪影響が
生じる。まず第1に、光変調器100のインピーダンス
は、一般に、既に所望のインピーダンス未満であるた
め、電極の厚さHを増すことにより更にインピーダンス
が低下するのは望ましくない。しかし、本発明によれ
ば、緩衝層の厚さDが増すと、光変調器100のインピ
ーダンスが増すため、これが補償されることになり、同
時に、有効誘電率が低下するので速度整合が得られる。
但し、光導波チャネル230の光屈折率について同様の
効果を達成するため、駆動電圧を増大させる必要がある
というのが、緩衝層の厚さDを増大させる上での制限に
なる。必要な駆動電力を低く保つため、駆動電圧は低く
維持されることが望ましい。電極の高さHが増すと、電
極に沿ったマイクロ波信号についての導電率が改善され
るので、マイクロ波の損失が減少する。
【0050】電極の高さH及び緩衝層の厚さDのパラメ
ータを操作することによって、光変調器の設計を最適化
すると、速度整合が改善され、バイアス電圧要件が許容
可能なものとなり、理想のインピーダンスである50オ
ームを約10オーム下回る約40オームというインピー
ダンスを備えた設計が得られる。しかしながら、本発明
によれば、アース電極幅Wg を狭めることによっても、
光変調器100の速度整合又は駆動電圧要件に悪影響を
及ぼすことなく、インピーダンスを増すことが可能であ
る。
【0051】アース電極幅Wg を熱電極幅Wh のオーダ
にまで狭めることによって、インピーダンス整合を改善
し、速度整合を従来に比較して大幅に改善することが可
能となる。アース電極120,124の幅を熱電極12
2の幅の略2倍にまで狭めることにより、インピーダン
スを低下させることなく、速度整合が大幅に高めらると
いうことが、コンピュータ・シミュレーションにより分
かった。アース電極幅Wg が熱電極幅Wh の約3倍にま
で狭められた際に、アース電極幅Wg を狭めることの有
益な効果が明らかになり始める。
【0052】コンピュータのシミュレーションによって
計算されたアース電極幅Wgに対する限界は、どちらが
狭いにせよ、熱電極幅Wh又はギャップ幅Gの限界とほ
ぼ同じであるが、これは、これらの幅において、アース
電極幅Wgの減少が、光導波チャネル230にオーバラ
ップする電界の量の減少にかなりの影響を及ぼし始める
からである。代替案として、この効果をギャップ幅Gに
よって規定することも可能である。即ち、インピーダン
ス整合に対する有益な効果は、アース電極幅W gをギャ
ップ幅Gの約3倍にまで減少させた場合にも認められ
る。
【0053】要するに、電極120,122,124の
高さHは、従来の一般的な3ミクロンに対し、10〜1
5ミクロンのオーダまで増すことになる。また、緩衝層
222の厚さDは、従来の一般的な0.2ミクロンに対
し、1.0〜1.5ミクロンのオーダまで増すことにな
る。更に、アース電極幅Wg は、従来の数百ミクロンか
ら15〜25ミクロンまで狭まり、熱電極幅Wh は、従
来の24ミクロンから7〜13ミクロンまで狭まるの
で、Wh に対するWg の比は、約3以下になる。ギャッ
プ幅Gは、更に広げることが可能なものであるが、狭め
られた熱電極Whのオーダとなる。従って、電極12
0,122,124の厚さ、誘電率、及び位置により、
有効マイクロ波屈折率が光屈折率の35%内に納まるこ
とになり、これは従来は約65%であった。
【0054】進行波光変調器の基板は各種材料から構成
することが可能なもので、加えられた変調信号に応答し
て変更可能な光屈折率をその材料が有してさえいれば良
い。例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、
及び砒化ガリウムは、全て光変調器用の基板として用い
られてきた。これらのうち、ニオブ酸リチウムが最も一
般的な材料であり、これは、部分的には、次の特性のた
めである。
【0055】(1)光スペクトルの可視領域及び近赤外
領域における透過性。 (2)光学的に良質の大きな単一領域(single-domain)
結晶を簡単に成長させることができる。 (3)電気光学的な性能係数が既知の材料中で最も高い
ものの1つである。 (4)光導波チャネルが標準的な処理技術を用いて比較
的簡単に形成される。
【0056】本発明の望ましい実施例は、後述のよう
に、ニオブ酸リチウムのX切断基板によって実施され
る。
【0057】ニオブ酸リチウムは、結晶構造の格子方向
が異なると屈折率が異なる、異方性結晶である。便宜
上、3つの方向、即ち3次元デカルト座標軸に対応する
X、Y、Z方向を有するニオブ酸リチウム結晶構造につ
いて説明することにする。結晶のZ方向は、所定強度の
電界によって結晶基板の光屈折率の変更に最大の影響を
与える方向である、と定義される。
【0058】図4には軸440が示されている。同図か
ら分かるように、X方向は垂直であり、Z方向は水平で
あり、Y方向は図の平面に対して直接入出する方向であ
る。この配向は、Z方向が基板110の上部表面と平行
で、X方向がそれに対して垂直である、X切断結晶とし
て知られている。従って、X切断結晶の場合、光屈折率
の変化に対する最大の効果は、電界線の水平成分によっ
て生じることになる。このため、光導波チャネル230
が、電極120,122,124の間に配置されてい
る。見ての通り、電界線412,414等の電界線は、
ほぼ水平となった状態で光導波チャネル230とオーバ
ラップする。
【0059】いわゆるZ切断である、第2の切断タイプ
のニオブ酸リチウム結晶の場合には、X方向とY方向が
転換されて、X方向が基板110の上部表面に対して水
平になり、Z方向がそれに対して垂直になる。これは、
電界線の垂直成分が光導波チャネル230の光屈折率の
変化に対して最大の影響を与えることを意味する。この
ため、Z切断光変調器(図示せず)の場合には、光導波
チャネルは、電界線の垂直成分とオーバラップするよう
に、電極のすぐ下に配置されることになる。
【0060】X切断デバイスは、音響共鳴、及びZ切断
デバイスにおいて経験するマイクロ波モードに関連した
問題による影響を受けにくいものである。X切断デバイ
スのもう1つの利点は、焦電効果がそれほど顕著でない
ということである。焦電効果は、温度変化により電荷の
立ち上がり(build up)を発生させるものである。これ
は、光変調器の製作時及び動作時の両方において逆効果
を奏するものである。
【0061】本発明の実施例の1つでは、厚い緩衝層2
22と厚い電極120,122,124とをX切断ニオ
ブ酸リチウム上に用いる。これにより、今日まで知られ
ているうちで最も効率の良い高周波設計が得られる。そ
の光変調器のインピーダンスは約40オームである。従
来の光変調器で一般的であるように、これは目標のイン
ピーダンスである50オームより低い。それにもかかわ
らず、理想のインピーダンスよりわずかに低いというこ
とは、性能を大幅に妥協するということにはならない。
【0062】しかし、上述のように、本発明は、インピ
ーダンス整合を改善する手段を提供するものである。良
好な速度整合を達成し、低駆動電圧を実現することも設
計に含まれる場合には、50オームへのインピーダンス
整合は、従来では達成することができなかった。これ
は、50オームへのインピーダンス整合という目的は、
それら他の重要な目的との間で常にトレード・オフが行
われてきたからである。例えば、ギャップ126を広げ
ると、インピーダンスは高くなるが、必要な駆動電圧も
高くなってしまう。Dを大きくとって緩衝層222を厚
くすると、インピーダンスは高くなるが、駆動電圧も高
くなってしまう。電極の高さHを低くした場合には、有
効誘電率が高くなるという犠牲を払ってインピーダンス
を高くすることになるが、これにより速度整合も損なわ
れることになる。Wh を狭めることにより熱電極122
を細くすると、インピーダンスは高くなるが、やはりマ
イクロ波信号におけるRF損失が増すことになる。
【0063】代替案として、精密なインピーダンス整合
が達成できなかった場合には、インピーダンス整合回路
150を利用することも可能である。ただし、これは、
低周波数におけるインピーダンス整合が劣化したり、ま
た、抵抗損失があるため、望ましくない。
【0064】本発明によれば、Wg を小さくしてアース
電極120,124を狭くすることにより、インピーダ
ンスを高くすることができる。この場合、Wg が、ギャ
ップ幅Gまたは熱電極幅Wh より小さくならない限り、
他の重要なパラメータに悪影響を及ぼすことはない。重
なりの積分に悪影響を与えること無くインピーダンスを
高めることによる有益な効果は、Wg がWh の約3倍で
ある場合に始まる、ということがコンピュータ・シミュ
レーションにより立証されている。重なりの積分とは、
光学チャネルにオーバラップする電界の大きさの測定の
ことである。
【0065】X切断ニオブ酸リチウム基板上に厚い電極
及び厚い緩衝層を備えた光変調器におけるアース電極1
20,124の幅を狭くすることにより、インピーダン
ス整合の改善された効率の良い変調器を実現可能とする
ことを企図している。
【0066】上述のマッハ・ツェンダー光変調器は、光
信号と加えられたマイクロ波信号との間における速度の
不整合を最小限にして、広帯域の強度変調が行えるよう
に設計されている。同じ広帯域周波数応答は、代替的な
光学装置構造により得ることができる。位相変調器を形
成するため、光導波チャネル230のうちの1つを除去
することが可能である。その代替案として、光導波チャ
ネル230を近接させて(即ち、互いに10ミクロン以
内に)配置することにより、光学的方向性結合変調器を
形成することも可能である。
【0067】望ましい特定の実施例に関連して本発明の
説明を行ってきたが、以上の解説及び例は、単に例示を
目的としたものであって、本発明の範囲を制限するもの
ではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の欄の記載に
よって定義されるものである、ということが理解される
べきである。
【0068】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、光
導波チャネル内の光を電磁信号により変調する効率の良
い手段を提供することが可能となる。即ち、これによ
り、良好な速度整合が提供され、その結果として、低ス
イッチング電圧と良好なインピーダンス整合と共に、広
い帯域幅が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インピーダンス整合回路及びマイクロ波信号変
調源との接続を示す従来の進行波光変調器の斜視図であ
る。
【図2】光変調器の重要な寸法を示す、図1の従来の装
置のライン2−2´に沿った断面図である。
【図3】重要な寸法の相対的な変更を示す図2の従来の
装置の断面図に類似した本発明の断面図である。
【図4】電極に沿って伝搬するマイクロ波信号により発
生する電界線の例示を含む、図3に類似した本発明の断
面図である。
【符号の説明】 110 基板 120,124 アース電極 122 熱電極 126 ギャップ 222 緩衝層 230 光導波チャネル 410,412,414,416,418,420 電界線 Wg アース電極幅 Wh 熱電極幅 D 緩衝層の厚さ G ギャップ幅 H 電極高さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁気信号に応じて光信号を変調する為の
    光変調器であって、この変調器が、 プロセス側及び第1の光屈折率を有する基板と、 前記基板に接続され、第2の光屈折率を有し、この第2
    の光屈折率よりも小さい光屈折率を有する少なくとも1
    つの媒体により包囲され、光エネルギーを全内反射によ
    り伝送するためのチャネルを提供するように形成され
    た、少なくとも1つの光導波器と、 前記基板に接続され、互いに隣接すると共に前記少なく
    とも1つの光導波器に近接するように形成された、複数
    の細長い電極と、 少なくとも一対の前記複数の電極間に電位差を印加する
    手段であって、その電位差の印加により所定方向におけ
    る前記電極対に沿って伝搬する進行波を生成し、これに
    より前記少なくとも1つの光導波器にオーバラップする
    電界を発生させて、その電界がオーバラップする導波器
    の光屈折率を前記印加された電位差に応じて変化させ、
    その光屈折率の変化が前記電界がオーバラップされた導
    波器内の光信号を前記電界の関数として変調するように
    するもの、とからなり、 前記一対の電極に関する電極幅が、その電極内の前記進
    行波の所定の伝搬方向に垂直であると共に前記基板の前
    記プロセス側に平行な方向に沿った前記所定電極の平均
    寸法として定義され、 前記電極対の内の一方の電極がその他方の電極より幅が
    広く、その電極対における幅の狭い電極に対する幅の広
    い電極の比が約3を超えないように形成されていること
    を特徴とする、進行波光変調器。
JP4215837A 1991-08-14 1992-08-13 進行波光変調器 Pending JPH05196902A (ja)

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