JP2006138985A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持し、且つ、抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れの問題を発生することなく写真印画紙用支持体を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の原紙面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも一方の原紙面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、写真印画紙用支持体に関するものである。更に詳しくは、写真印画紙端部の切断面からの現像処理液の浸透による汚れがなく、且つ、原紙にポリオレフィン樹脂で被覆する工程においてロールの汚れが少なく操業適性に優れた写真印画紙用支持体に関するものである。
近年、写真印画紙用支持体としては、迅速な現像処理、印画品質の保存性の面から、紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィンにより被覆した耐水性の写真印画紙用支持体が広く用いられている。
このような写真印画紙用支持体に要求される性質としては、現像処理装置内での搬送に必要な剛度、画像にゆがみを与えない面質等があるが、優れた外観を有するためには、特に現像処理液に対する高い耐浸透性が要求される。
このような写真印画紙用支持体に要求される性質としては、現像処理装置内での搬送に必要な剛度、画像にゆがみを与えない面質等があるが、優れた外観を有するためには、特に現像処理液に対する高い耐浸透性が要求される。
表裏面を樹脂被覆した写真印画紙用支持体における現像処理液の耐浸透性で問題となるのは、写真印画紙用支持体端部の切断面の樹脂被覆されていない原紙部分からの現像処理液の浸透である。このため、写真印画紙用支持体に用いる原紙にはサイズ剤を添加することが一般的に行われているが、特に写真印画紙の保存性の点で好ましい中性から弱アルカリ性領域の抄紙で使用することができ、また自己定着性があってサイズ性発現効果の高い特徴をもつアルキルケテンダイマー(以下AKD)サイズ剤が広く用いられている。しかし、AKDサイズ剤を使用した場合、抄紙工程及び樹脂被覆工程でロール汚れが発生し易いという欠点があった。
AKDはパルプ繊維の水酸基と化学的に反応して、繊維表面に強力な疎水性を付与するものであるが、近年の研究によれば、その反応率は低く、紙中に存在するAKDの大部分は化学的な反応で結合しておらず単に物理的に留まっていると考えられている。そして、この歩留りの悪さ故にAKDサイズ剤の添加量は過剰量となり、これが抄紙工程及び樹脂被覆工程でのロール汚れの原因となっているのが現状である。
このうち抄紙工程でのロール汚れについては、紙中に留まらず白水系に蓄積したAKDが加水分解したものや紙中の過剰のAKDが粘着性を発現し、プレスロール等を汚すものであると考えられる。一方、樹脂被覆工程でのロール汚れについては、抄紙工程から樹脂被覆工程までの原紙の保管中に、パルプ繊維と未反応のAKDが原紙の表面に移動して結晶化物を生成し、この結晶化物が樹脂被覆工程でペーパーロールを原紙通過時にロール側へ転写されるものと考えられる。
そして、このような抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れは、抄紙機及び樹脂被覆機の連続操業性を低下させるのみならず、ロール汚れが脱離して紙中に転写された場合には欠点となり写真印画紙用支持体の品質を著しく低下させてしまうという問題がある。
このうち抄紙工程でのロール汚れについては、紙中に留まらず白水系に蓄積したAKDが加水分解したものや紙中の過剰のAKDが粘着性を発現し、プレスロール等を汚すものであると考えられる。一方、樹脂被覆工程でのロール汚れについては、抄紙工程から樹脂被覆工程までの原紙の保管中に、パルプ繊維と未反応のAKDが原紙の表面に移動して結晶化物を生成し、この結晶化物が樹脂被覆工程でペーパーロールを原紙通過時にロール側へ転写されるものと考えられる。
そして、このような抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れは、抄紙機及び樹脂被覆機の連続操業性を低下させるのみならず、ロール汚れが脱離して紙中に転写された場合には欠点となり写真印画紙用支持体の品質を著しく低下させてしまうという問題がある。
こうした抄紙工程でのロール汚れを改善する方法としては、一般的には、例えばポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン縮合物やポリエチレンイミン等の強カチオン性物質、カチオン性あるいはアニオン性のポリアクリルアマイドをサイズ定着剤として添加し、パルプ繊維に対するサイズ剤の定着を向上させる方法がある(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、この方法では、AKDの歩留まりやサイズ性の発現が不十分な為に、AKD及びサイズ定着剤の添加量は過剰となり、薬品コストと効果が必ずしも最適の条件で抄造されていないのが現状である。
また例えば、AKDが多く吸着する微細繊維分を多く含むようなパルプを用いてAKDの歩留まりを向上させて、AKD添加量を低く抑える方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法では、微細繊維を単純に増やしてしまうと紙力が低下してしまい、写真印画紙用支持体に必要とされる十分な剛度を得ることができないという欠点がある。
また例えば、抄紙水温を低くしてAKDのサイズ発現性を高める方法によって、AKD添加量を抑える方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法では、抄紙水温の低下がワイヤーパートでの水切れに影響するために地合が悪化してしまい、写真印画紙用支持体に必要な優れた面質を得ることができないという問題がある。
また例えば、抄紙水温を低くしてAKDのサイズ発現性を高める方法によって、AKD添加量を抑える方法がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法では、抄紙水温の低下がワイヤーパートでの水切れに影響するために地合が悪化してしまい、写真印画紙用支持体に必要な優れた面質を得ることができないという問題がある。
また例えば、カチオン性物質とアニオン性コロイダルシリカ及び/又はアニオン性ベントナイトをパルプ繊維の歩留り向上剤添加することで、サイズ剤が定着するパルプ繊維の歩留りを向上させて結果的に原紙中へのサイズ剤の定着を向上させる方法がある(例えば、特許文献4参照)。しかし、この方法では、原紙中へのサイズ剤の高い定着効果を得るために必要な歩留り向上剤量を添加した場合、繊維のフロック化により地合が悪化してしまうという欠点がある。
一方、樹脂被覆工程でのロール汚れを改善する方法としては、例えばAKDの少なくとも60%が、C20−アルキル基を有するベヘニルケテンからなるAKDを使用する方法がある(例えば、特許文献5参照)。しかし、この方法は、原紙表面での結晶生成性の抑制効果に対するものであり、根本原因であるAKDのパルプ繊維に対する定着を向上させる効果は不明確である。
以上の通り、従来の技術においては、現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持し、且つ、抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れの問題を発生することなく写真印画紙用支持体を製造することは困難であった。
特公昭62−23119号公報(第2頁)
特開昭57−197539号公報(第2頁)
特開平5−173287号公報(第2頁)
特開平6−295012号公報(第2頁)
特開昭63−112796号公報(第5頁)
「紙パルプ製造技術シリーズ5 紙料の調成」、1992年、73頁
従って、本発明の目的は、現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持し、且つ、抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れの問題を発生することのない写真印画紙用支持体を提供することにある。
本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、写真印画紙用支持体に用いる原紙に使用するパルプの粘度、叩解後の繊維長及び微細繊維量の範囲を制御し、且つ、AKDサイズ剤の電荷密度と添加量の範囲を制御して原紙を製造することによって、写真印画紙用支持体に高い耐現像処理液浸透性が得られ、且つ、かかる主題を解決する際に随伴して問題となっている剛度低下、面質低下、抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れの問題も発生しない写真印画紙用支持体を完成するに至った。
本発明によれば、少なくとも一方の原紙面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加することを特徴とする写真印画紙用支持体が提供される。
本発明の写真印画紙用支持体は、支持体に用いる原紙に使用するパルプの粘度、叩解後の繊維長及び微細繊維量の範囲を規定し、且つ、AKDサイズ剤の電荷密度と添加量の範囲を規定することによって提供されるもので、現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持し、且つ、抄紙工程及び樹脂被覆工程のロール汚れの問題を発生することのない優れた写真印画紙用支持体である。
以下、本発明の写真印画紙用支持体について詳細に説明する。
本発明の写真印画紙用支持体は、支持体に用いられる原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%である。パルプ粘度についてはTAPPI T230 om−82に従い測定した値である。また繊維長試験については、JAPAN TAPPI No.52に従い、KAJAANI社製FS−200型繊維長測定器を使用して行った。0.2mm以下の繊維分の累積度数については、繊維長分布の0.2mm以下の全てのセグメントの繊維数を足し合わせたものの測定された全繊維数に対する比率を示すものである。
本発明の写真印画紙用支持体は、支持体に用いられる原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%である。パルプ粘度についてはTAPPI T230 om−82に従い測定した値である。また繊維長試験については、JAPAN TAPPI No.52に従い、KAJAANI社製FS−200型繊維長測定器を使用して行った。0.2mm以下の繊維分の累積度数については、繊維長分布の0.2mm以下の全てのセグメントの繊維数を足し合わせたものの測定された全繊維数に対する比率を示すものである。
パルプ粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、長さ加重平均繊維長が0.55mm〜0.75mmの範囲であるパルプを使用した原紙は、十分な機械的強度を持ちながら、尚且つ、配合した場合の原紙の地合も良好である。すなわち、この原紙を使用した写真印画紙用支持体は、現像処理装置内での搬送に必要な剛度と良好な画像を与えるような優れた面質を両立するものとなる。
上記のパルプの粘度については、樹種や漂白工程等の製造方法を適宜選択することで調整することが可能であるが、本発明に使用するパルプとしては、特にユーカリ系の樹種を用いたLBKPパルプが好ましい。また、長さ加重平均繊維長については、叩解機の種類、刃型、回転数、通過流量、パルプ濃度、電力負荷、通過回数等の条件をそれぞれ適宜調整することで可能である。
また、本発明に使用されるパルプは、繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%である。繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が30%よりも少ない場合は、AKDが吸着する微細繊維分が少ないため、サイズ剤の歩留まりやサイズ性の発現が不十分な為に、現像処理液の耐浸透性が悪化するし、過剰の未反応AKDによって抄紙工程及び樹脂被覆工程でロール汚れが発生してしまう。一方、繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が60%を超える場合は原紙の機械的強度が低下してしまい、実用上必要な剛度を得ることが出来ない。繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数については、前述の叩解条件の調整で可能であるが、特に、蒸解・漂白工程からマット工程・乾燥工程を経ずに直接抄紙工程に送られる直送パルプを用いることが、繊維長分布、操業面及びコスト面から非常に好ましい。
本発明で使用するパルプを叩解する叩解機としては、通常パルプの叩解に使用する叩解機、例えばビーター、コニカルリファイナー、ディスクリファイナーなどを使用することができる。
また、本発明で使用するパルプの叩解後の濾水度については、写真印画紙用支持体に実用上必要な剛度と、良好な面質を与えるような地合を得る意味から、JIS−P8121に記載のカナダ標準系試験方法で測定した濾水度(CSF)において、200〜350mlの範囲に調整することが好ましい。
上記のパルプの粘度については、樹種や漂白工程等の製造方法を適宜選択することで調整することが可能であるが、本発明に使用するパルプとしては、特にユーカリ系の樹種を用いたLBKPパルプが好ましい。また、長さ加重平均繊維長については、叩解機の種類、刃型、回転数、通過流量、パルプ濃度、電力負荷、通過回数等の条件をそれぞれ適宜調整することで可能である。
また、本発明に使用されるパルプは、繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%である。繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が30%よりも少ない場合は、AKDが吸着する微細繊維分が少ないため、サイズ剤の歩留まりやサイズ性の発現が不十分な為に、現像処理液の耐浸透性が悪化するし、過剰の未反応AKDによって抄紙工程及び樹脂被覆工程でロール汚れが発生してしまう。一方、繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数が60%を超える場合は原紙の機械的強度が低下してしまい、実用上必要な剛度を得ることが出来ない。繊維長0.2mm以下の繊維分の累積度数については、前述の叩解条件の調整で可能であるが、特に、蒸解・漂白工程からマット工程・乾燥工程を経ずに直接抄紙工程に送られる直送パルプを用いることが、繊維長分布、操業面及びコスト面から非常に好ましい。
本発明で使用するパルプを叩解する叩解機としては、通常パルプの叩解に使用する叩解機、例えばビーター、コニカルリファイナー、ディスクリファイナーなどを使用することができる。
また、本発明で使用するパルプの叩解後の濾水度については、写真印画紙用支持体に実用上必要な剛度と、良好な面質を与えるような地合を得る意味から、JIS−P8121に記載のカナダ標準系試験方法で測定した濾水度(CSF)において、200〜350mlの範囲に調整することが好ましい。
また、本発明の写真印画紙用支持体は、支持体に用いられる原紙中にサイズ剤としてAKDをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加する。AKDの添加量が0.1質量%よりも少ない場合はサイズ性の効果が小さく、実用上必要な耐現像液浸透性を得ることが出来ない。一方、AKD添加量が0.4質量%を超える場合、サイズ性の更なる向上がみられないばかりではなく、抄紙工程及び樹脂被覆工程でのロール汚れの悪化、繊維間結合力の低下による剛度の低下が生じてしまう。
本発明に用いられるAKDは、サイズ性の効果、サイズ剤の乳化工程及び原料コストの観点から炭素数が16〜22の高級脂肪酸を用いて製造したものが好ましい。またAKDサイズ剤エマルジョンとしては、パルプ繊維への定着効果及びエマルジョンの機械的安定性の観点から平均粒径が0.3〜1.5μmの範囲であるものを使用するのが好ましい。
本発明に用いられるAKDは、サイズ性の効果、サイズ剤の乳化工程及び原料コストの観点から炭素数が16〜22の高級脂肪酸を用いて製造したものが好ましい。またAKDサイズ剤エマルジョンとしては、パルプ繊維への定着効果及びエマルジョンの機械的安定性の観点から平均粒径が0.3〜1.5μmの範囲であるものを使用するのが好ましい。
また、本発明の写真印画紙用支持体において、支持体に使用する原紙中に添加するAKDについてカチオン性のものを使用した場合は、より優れた耐現像処理液浸透性とロール汚れ抑制効果を得ることができる。これはカチオン性のAKDの場合、アニオン性の表面電荷を持つパルプ繊維に対する自己定着能力が高められるためと考えられる。特に、pH4.5において高分子電解質を用いた滴定測定で求めた電荷密度が0.1meq/g以上であるようなカチオン性AKDをサイズ剤として用いた場合には、高い耐現像処理液浸透性とロール汚れ抑制効果が得られるためにより好ましい。
また、本発明の写真印画紙用支持体において、支持体に使用する原紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長を0.60〜0.70mmの範囲であるように調整した場合は、良好な面質を維持したまま、更に高い剛度を得ることができる。これは上記範囲の繊維長である場合、ワイヤー上での繊維の分散性と紙力の発現性のバランスが良好であるためと考えられる。
本発明で用いられる原紙中には、AKD以外のサイズ剤として、脂肪酸金属塩、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物、ロジン誘導体、エポキシ化高級脂肪酸アミド、有機フルオロ化合物等を必要に応じて併用することが可能である。
また、本発明で用いられる原紙中には、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂などの紙力増強剤を必要に応じて含有せしめることができる。また、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、合成パルプ、合成繊維などの繊維状物質、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、焼成カオリン、二酸化チタン、シリカなどの無機填料やプラスチックピグメントなどの有機填料、また一般的に使用されている各種の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、染料、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの抄紙用内添助剤を添加することができる。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
また、本発明で用いられる原紙中には、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂などの紙力増強剤を必要に応じて含有せしめることができる。また、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、合成パルプ、合成繊維などの繊維状物質、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、焼成カオリン、二酸化チタン、シリカなどの無機填料やプラスチックピグメントなどの有機填料、また一般的に使用されている各種の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、染料、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの抄紙用内添助剤を添加することができる。さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
本発明の写真印画紙用支持体の原紙は、長網抄紙機、ハイブリッド抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等で抄造され、必要とされる平滑性に応じてマシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等により平滑化処理される。
本発明で用いられる原紙の坪量に関しては、コスト、耐久性などの制約から、通常70g/m2〜250g/m2で抄造されるが、写真印画紙用支持体として十分な性能であればよく特に制限はない。
本発明のポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンのホモポリマー、あるいは2種類以上のα−オレフィンからなる共重合体又はα−オレフィンを主成分として、それと共重合可能な他のモノマーとの共重合体又はそれらの混合物を用いることが出来る。これらの樹脂に、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム等の白色顔料や着色顔料を添加すること、通常樹脂に混合される安定化剤、酸化防止剤、分散剤、滑剤等を添加することも差し支えない。ポリオレフィン樹脂による被覆は、走行する原紙上に加熱溶融した樹脂を流延する、所謂押出し塗工法によって行われる。
本発明による現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持する写真印画紙用支持体は、カラー印画紙、白黒印画紙、写植印画紙、複写印画紙、製版用印画紙等への利用、更に、高度の平滑性を求められる熱転写用受像紙の支持体、印刷用樹脂被覆紙等への転用も可能である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、以下の%及び部は累積度数以外は質量基準で固形分換算である。
漂白後マット化工程および乾燥工程を経ない直送処理で製造したパルプ粘度が10.3mPa・sの広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を、ダブルディスクリファイナーを用いて刃型、回転数及び電力負荷を調節することにより、長さ加重平均繊維長が0.58mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数が52.8%であるパルプスラリーを得た。
このパルプスラリーに、カチオン化澱粉2.0%、アニオン性アルキルケテンダイマー0.1%、高級脂肪酸アミド0.2%、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂0.2%、グアーガム0.6%を加え、長網式抄紙機で160g/m2の原紙を抄造した。
このパルプスラリーに、カチオン化澱粉2.0%、アニオン性アルキルケテンダイマー0.1%、高級脂肪酸アミド0.2%、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン樹脂0.2%、グアーガム0.6%を加え、長網式抄紙機で160g/m2の原紙を抄造した。
次に抄造した原紙の表面に、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100部に対して、10部のアナターゼ型酸化チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を、裏面には上記低密度ポリエチレン50%、密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン50%を混合したポリエチレン樹脂組成物を、それぞれ30μmになるように320℃で押し出し溶融コーティングし、実施例1の写真印画紙用支持体を得た。
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.3%に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例2の写真印画紙用支持体を得た。
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.4%に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例3の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプの粘度を6.0mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を53.8%に変更する以外は実施例2と同様にして、実施例4の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプの粘度を13.0mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を50.2%に変更する以外は実施例2と同様にして、実施例5の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.55mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を59.8%に変更する以外は実施例2と同様にして、実施例6の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプを漂白後マット化工程および乾燥工程を経て得られるシートパルプに変更し、叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.75mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を30.2%に変更する以外は実施例2と同様にして、実施例7の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において使用するアルキルケテンダイマーをカチオン性のものに変更する以外は実施例2と同様にして、実施例8の写真印画紙用支持体を得た。
実施例8の叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.60mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を51.6%に変更する以外は実施例8と同様にして、実施例9の写真印画紙用支持体を得た。
実施例8の叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.62mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を50.9%に変更する以外は実施例8と同様にして、実施例10の写真印画紙用支持体を得た。
実施例8の叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.65mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を50.2%に変更する以外は実施例8と同様にして、実施例11の写真印画紙用支持体を得た。
実施例8の叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.68mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を49.2%に変更する以外は実施例8と同様にして、実施例12の写真印画紙用支持体を得た。
実施例8の叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.70mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を48.9%に変更する以外は実施例8と同様にして、実施例13の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例1)
実施例2において製造するパルプの粘度を5.8mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を53.8%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例1の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプの粘度を5.8mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を53.8%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例1の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例2)
実施例2において製造するパルプの粘度を13.7mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を50.2%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例2の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプの粘度を13.7mPa・sに変更し、0.2mm以下の繊維分の累積度数を50.2%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例2の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例3)
実施例2において叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.53mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を61.0%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例3の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.53mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を61.0%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例3の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例4)
実施例2において製造するパルプを漂白後マット化工程および乾燥工程を経て得られるシートパルプに変更し、叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.78mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を28.9%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例4の写真印画紙用支持体を得た。
実施例2において製造するパルプを漂白後マット化工程および乾燥工程を経て得られるシートパルプに変更し、叩解したパルプの長さ加重平均繊維長を0.78mm、0.2mm以下の繊維分の累積度数を28.9%に変更する以外は実施例2と同様にして、比較例4の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例5)
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.05%に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例5の写真印画紙用支持体を得た。
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.05%に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例5の写真印画紙用支持体を得た。
(比較例6)
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.45%に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例6の写真印画紙用支持体を得た。
実施例1のアルキルケテンダイマーの添加量を0.45%に変更する以外は実施例1と同様にして、比較例6の写真印画紙用支持体を得た。
これらの写真印画紙用支持体のパルプ条件、AKD条件及びロール汚れ、現像処理液浸透性、剛度、面質感の評価結果を表1に示す。評価方法は下記の通りに行った。
[ロール汚れ]
抄紙工程及び樹脂被覆工程でのロール汚れについては、操業中のロール拭き取り掃除時に拭き取り布に付着した粕の量に対して視覚評価で判断し、汚れがほとんど見られない最良の状態を◎、汚れが少なく問題ない状態を○、汚れがあるもののを△、汚れが著しい状態を×に評価した。連続操業を行うためには、△以上、好ましくは○か◎の状態が必要である。
抄紙工程及び樹脂被覆工程でのロール汚れについては、操業中のロール拭き取り掃除時に拭き取り布に付着した粕の量に対して視覚評価で判断し、汚れがほとんど見られない最良の状態を◎、汚れが少なく問題ない状態を○、汚れがあるもののを△、汚れが著しい状態を×に評価した。連続操業を行うためには、△以上、好ましくは○か◎の状態が必要である。
[現像処理液浸透深さ]
現像処理液の浸透性については、写真印画紙用支持体を自動現像機(FC製作所製、カラーロールプロセッサー)で現像処理し、処理後の写真印画紙用支持体の4辺端部からの処理液で着色されている部分の長さを測定して評価した。優れた外観を維持するためには0.50mmが許容される上限である。
現像処理液の浸透性については、写真印画紙用支持体を自動現像機(FC製作所製、カラーロールプロセッサー)で現像処理し、処理後の写真印画紙用支持体の4辺端部からの処理液で着色されている部分の長さを測定して評価した。優れた外観を維持するためには0.50mmが許容される上限である。
[テーバー剛度]
テーバー剛度は、JIS−P8125に準拠して測定した、荷重曲げ方法による写真印画紙用支持体の流れ方向の剛度である。写真印画紙用支持体に現像処理装置内での搬送に必要な適度なコシを与えるためには、テーバー剛度1.50mNm以上が必要である。
テーバー剛度は、JIS−P8125に準拠して測定した、荷重曲げ方法による写真印画紙用支持体の流れ方向の剛度である。写真印画紙用支持体に現像処理装置内での搬送に必要な適度なコシを与えるためには、テーバー剛度1.50mNm以上が必要である。
[面質感]
面質感については、写真印画紙用支持体の標準見本に対する視覚評価の結果である。非常に面質の優れたものを◎、面質の良好なものを○、実用上問題のないものを△、著しく面質の劣ったものを×として評価した。写真印画紙用支持体としては、△以上、好ましくは○か◎が必要である。
面質感については、写真印画紙用支持体の標準見本に対する視覚評価の結果である。非常に面質の優れたものを◎、面質の良好なものを○、実用上問題のないものを△、著しく面質の劣ったものを×として評価した。写真印画紙用支持体としては、△以上、好ましくは○か◎が必要である。
<結果評価>
表1に示す通り、実施例1〜11の写真印画紙用支持体は、原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加するために、ロール汚れ、現像処理液浸透深さ、剛度、面質感のいずれについても効果があり問題のないものであることがわかる。
比較例1の写真印画紙用支持体の場合は、パルプ粘度が本発明の範囲よりも低いパルプで原紙を抄造したため、剛度が低く実用に耐えないものとなってしまうことがわかる。一方、比較例2の写真印画紙用支持体の場合は、パルプ粘度が本発明の範囲よりも高いパルプで原紙を抄造したため、叩解性が悪化し、その結果、得られた写真印画紙用支持体の面質感が悪化してしまうことがわかる。
また、比較例3の写真印画紙用支持体の場合は、使用するパルプの長さ加重平均繊維長が本発明の範囲よりも低く、更に0.2mm以下の繊維分の累積度数が本発明の範囲よりも高いために、写真印画紙用支持体に実用上十分な剛度を持たせることができないことがわかる。また、比較例4の写真印画紙用支持体の場合は、逆に該パルプの長さ加重平均繊維長が本発明の範囲よりも高く、0.2mm以下の繊維分の累積度数が本発明の範囲よりも低いため、AKDの歩留りが悪くなり、その結果、ロール汚れ及び現像処理液の浸透深さが悪化、更に繊維長が長いことで面質感も悪化し、操業面、品質面ともに問題のあることがわかる。
以上の通り写真印画紙用支持体の製造工程でのロール汚れ、及び現像処理液浸透深さ、剛度、面質感については、支持体に用いる原紙について、パルプの粘度、繊維長を適当な範囲に調整することにより好ましい状態に制御できることがわかる。
また、比較例5の写真印画紙用支持体の場合は、使用するパルプの特性は適当な範囲にあるものの、AKDの添加量が本発明の範囲よりも少なかったために現像処理液の浸透深さが大きくなってしまうことがわかる。一方、比較例6の写真印画紙用支持体の場合は、AKD添加量が本発明の範囲よりも過剰であったため、ロール汚れが悪化し更に繊維間結合の悪化による剛度低下も引き起こしていることがわかる。
また、実施例2と実施例8との比較から、添加するAKDがカチオン性であることにより、アニオン性AKDを使用するよりも微細繊維への定着が向上し、ロール汚れ及び現像処理液浸透深さがより好ましく改善されることがわかる。
更に、実施例8と実施例9〜13の比較から、使用するパルプの長さ加重平均繊維長を0.60〜0.70mmの範囲とすることにより、良好な面質感を保ったままで、より高い剛度の得られることがわかる。
表1に示す通り、実施例1〜11の写真印画紙用支持体は、原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加するために、ロール汚れ、現像処理液浸透深さ、剛度、面質感のいずれについても効果があり問題のないものであることがわかる。
比較例1の写真印画紙用支持体の場合は、パルプ粘度が本発明の範囲よりも低いパルプで原紙を抄造したため、剛度が低く実用に耐えないものとなってしまうことがわかる。一方、比較例2の写真印画紙用支持体の場合は、パルプ粘度が本発明の範囲よりも高いパルプで原紙を抄造したため、叩解性が悪化し、その結果、得られた写真印画紙用支持体の面質感が悪化してしまうことがわかる。
また、比較例3の写真印画紙用支持体の場合は、使用するパルプの長さ加重平均繊維長が本発明の範囲よりも低く、更に0.2mm以下の繊維分の累積度数が本発明の範囲よりも高いために、写真印画紙用支持体に実用上十分な剛度を持たせることができないことがわかる。また、比較例4の写真印画紙用支持体の場合は、逆に該パルプの長さ加重平均繊維長が本発明の範囲よりも高く、0.2mm以下の繊維分の累積度数が本発明の範囲よりも低いため、AKDの歩留りが悪くなり、その結果、ロール汚れ及び現像処理液の浸透深さが悪化、更に繊維長が長いことで面質感も悪化し、操業面、品質面ともに問題のあることがわかる。
以上の通り写真印画紙用支持体の製造工程でのロール汚れ、及び現像処理液浸透深さ、剛度、面質感については、支持体に用いる原紙について、パルプの粘度、繊維長を適当な範囲に調整することにより好ましい状態に制御できることがわかる。
また、比較例5の写真印画紙用支持体の場合は、使用するパルプの特性は適当な範囲にあるものの、AKDの添加量が本発明の範囲よりも少なかったために現像処理液の浸透深さが大きくなってしまうことがわかる。一方、比較例6の写真印画紙用支持体の場合は、AKD添加量が本発明の範囲よりも過剰であったため、ロール汚れが悪化し更に繊維間結合の悪化による剛度低下も引き起こしていることがわかる。
また、実施例2と実施例8との比較から、添加するAKDがカチオン性であることにより、アニオン性AKDを使用するよりも微細繊維への定着が向上し、ロール汚れ及び現像処理液浸透深さがより好ましく改善されることがわかる。
更に、実施例8と実施例9〜13の比較から、使用するパルプの長さ加重平均繊維長を0.60〜0.70mmの範囲とすることにより、良好な面質感を保ったままで、より高い剛度の得られることがわかる。
本発明の写真印画紙用支持体は、現像処理液に対する高い耐浸透性をもちながら、十分な剛度と優れた面質を維持するため、カラー印画紙、白黒印画紙、写植印画紙、複写印画紙、製版用印画紙等への利用が可能であり、更に、高度の平滑性を求められる熱転写用受像紙の支持体、印刷用樹脂被覆紙等への転用も可能である。
Claims (3)
- 少なくとも一方の原紙面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙を構成するパルプの粘度が6.0〜13.0mPa・sの範囲であり、該パルプの光学的測定による繊維長試験(JAPAN TAPPI No.52)の長さ加重平均繊維長が0.55〜0.75mmの範囲であり、0.2mm以下の繊維分の累積度数が30〜60%であって、且つ、該原紙中にサイズ剤としてアルキルケテンダイマーをパルプ固形分あたり0.1〜0.4質量%の範囲で添加することを特徴とする写真印画紙用支持体。
- サイズ剤に使用するアルキルケテンダイマーのイオン性がカチオン性であることを特徴とする請求項1記載の写真印画紙用支持体。
- 長さ加重平均繊維長が0.60〜0.70mmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の写真印画紙用支持体。
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JP2004327506A JP2006138985A (ja) | 2004-11-11 | 2004-11-11 | 写真印画紙用支持体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009530507A (ja) * | 2006-03-24 | 2009-08-27 | フェリックス シェラー ユニオール フォト― ウント スペチアルパピーレ ゲー エム ベー ハー ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | 記録材料用の支持材料 |
-
2004
- 2004-11-11 JP JP2004327506A patent/JP2006138985A/ja active Pending
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