JP2010084239A - 嵩高紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、特に嵩高感があり、紙コシがしなやかであり、印刷品質に優れる嵩高紙を提供することにある。
【解決手段】パルプ平均繊維幅が18.0μm以下であり、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による重さ加重平均繊維長が0.90mm以下であり、さらに、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による0.2mm以下の微細繊維分が30.0%以下のパルプからなる嵩高紙により達成された。
【選択図】なし

Description

本発明は、嵩高紙に関するものであり、さらに詳しくは、嵩高感があり、紙コシがしなやかであり、印刷品質に優れる嵩高紙に関するものである。
近年、環境の観点から、古紙利用率のアップとともに、紙の軽量化が提唱されるようになってきた。紙の軽量化のための技術としては、化学的作用によって、繊維と繊維の間の結合を阻害して、紙の嵩密度を発現させる方法や抄造の際に低密度な嵩高填料を含有し抄紙することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これら薬品や填料を使用すると、繊維同士の結合点が少なくなり、紙の表面強度が弱く印刷適性が満足いくものではなかった。
また、嵩高で、特にオフセット印刷適性に優れる、印刷強度の高い印刷用紙を提供するために、紙中に、嵩高剤を対パルプ当たり0.1質量%以上2質量%以下、嵩比重0.3以下の無定形シリカ若しくは無定形シリケートを紙質量当たり1質量%以上9質量%未満含有させる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、印刷強度の高い印刷用紙は同時に紙コシが硬くなってしまい、嵩高紙として必要な紙コシのしなやかさが損なわれてしまっていた。
従って、従来、嵩高感、紙コシのしなやかさ、印刷品質を同時に満足することはできなかった。
特公昭52−39924号公報 特開2000−282392号公報
本発明の目的は、嵩高感があり、紙コシがしなやかであり、印刷品質に優れる嵩高紙を提供することである。
本発明の上記目的は、以下発明によって達成された。
1)パルプ平均繊維幅が18.0μm以下であり、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による重さ加重平均繊維長が0.90mm以下であり、さらに、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による0.2mm以下の微細繊維分が30.0%以下のパルプからなる嵩高紙。
2)該平均繊維幅として、15.0μm以上18.0μm以下である1)記載の嵩高紙。
3)該重さ加重平均繊維長として、0.55mm以上0.80mm以下である1)記載の嵩高紙。
4)該0.2mm以下の微細繊維分として、18.0%以上23.0%以下である1)記載の嵩高紙。
5)填料を9質量%以上25質量%以下含有する1)記載の嵩高紙。
本発明を実施することにより、特に嵩高感があり、紙コシがしなやかであり、印刷品質に優れる嵩高紙を提供することが可能となる。
以下、本発明の嵩高紙を詳細に説明する。
本発明者は、まず、紙中に含まれるパルプについて鋭意検討を行った。その結果、嵩高感、紙コシのしなやかさ、印刷品質をすべて満足するためには、紙中に含まれるパルプが、平均繊維幅が18.0μm以下であり、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による重さ加重平均繊維長が0.90mm以下であり、さらに、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による0.2mm以下の微細繊維分が30.0%以下であることが必要であることを見出した。
本発明におけるパルプの平均繊維幅とは、OpTest Equipment社 HiRes FQAを用いて測定されることによって得られる。パルプの平均繊維幅を小さくすることで、繊維同士が織り成す網目状のネットワークが緻密になり、印刷時における紙表面へのインキの着肉性が良くなると考えられる。パルプの平均繊維幅を調整するには、パルプを製造する際の原料樹種によるところが大きく、使用される樹種を選定する必要がある。
パルプの平均繊維幅としては、18.0μm以下であり、好ましくは15.0μm以上18.0μm以下である。18.0μmを超える平均繊維幅のパルプを用いることで、繊維同士が織り成す網目状のネットワークの緻密さが悪化し、印刷時における紙表面へのインキの着肉性が悪化する。さらに、15.0μm未満の平均繊維幅のパルプを用いると、パルプ自身の強度が悪化し、紙の強度が低下する可能性がある。
パルプの平均繊維長を短くすることで、紙コシのしなやかさを出すとともに、地合を良化させることで、着肉性の向上が図られると考えられる。パルプの平均繊維長を調整する手段としては、叩解の度合いを調整することや叩解時における刃型を選定することが重要であり、繊維長が長い繊維に対しては、繊維を切断してしまうカッティング刃を用いた叩解を行うことが望ましい。また、繊維長そのものがあらかじめ短い繊維を選択することも有効である。
平均繊維長の長さとしては、0.90mm以下であり、好ましくは0.55mm以上0.80mm以下である。0.90mmを超える平均繊維長のパルプを用いることで、紙コシのしなやかさがなくなり、紙の地合が悪化し、印刷着肉性が低下してしまう。さらに、0.80mmを超える平均繊維長のパルプを用いることで、紙コシのしなやかさがなくなり、紙の地合が悪化し、印刷着肉性が悪化してしまう可能性がある。また、0.55mm未満の平均繊維長のパルプを用いると、叩解処理を過度に進めてしまうことになり、嵩高感が失われる可能性がある。
パルプの微細繊維分を少なくすることで、紙全体の嵩を出しやすくすることができる。微細繊維分が増大すると、比較的長めの繊維が織り成す繊維ネットワークのすき間を埋める形で微細繊維分が存在し、微細繊維分が紙の密度を上げると考えられるからである。
微細繊維分の量としては、30.0%以下であり、好ましくは18.0%以上23.0%以下である。30.0%を超える微細繊維分が含まれるパルプを使用することで、紙の密度が上がり、嵩高紙として使用することができない。さらに、23.0%を超える微細繊維分が含まれるパルプを使用することで、紙の密度を上げてしまう可能性がある。また、18.0%未満の微細繊維分が含まれるパルプを使用することで、印刷強度が低下する可能性がある。
本発明に用いられるパルプとしては、パルプの製法には限定されないが、望ましくは、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)などが好ましい。また、LBSP(広葉樹晒亜硫酸パルプ)、NBSP(針葉樹晒亜硫酸パルプ)など従来から知られている化学パルプの何れもが使用でき、またGP(グランドパルプ)やTMP(サーモメカニカルパルプ)など各種の機械パルプ、さらには古紙パルプや非木材パルプ、合成パルプ、各種パルプ繊維をマーセル化など化学的処理を加えたパルプについても嵩高紙として特性や紙の品質を損なわない範囲で併用して使用することが可能である。
次に本発明者は、填料の添加量に関して鋭意検討を行った。嵩高紙の場合には、通常の印刷用紙に比較して、表面性が粗くなり、印刷時におけるインキの着肉性が悪化しやすい。本課題を解決するためには、紙表面の組成面も考慮する必要があり、パルプ繊維に比較して微細な構造を有し、多孔性の填料の紙表面に占める割合を上げることで、インキの着肉性を改善できることを見出し、填料を紙質量当たり9質量%以上25質量%以下含有させることで、より印刷性の良好な嵩高紙を提供することが可能となった。填料を紙質量当たり9質量%未満添加する場合には、印刷時の着肉性が悪化する傾向があり、また、填料を紙質量あたり25質量%を超えて添加する場合には、嵩高感に劣り、紙の表面強度が低下するため、印刷時に粉落ちが発生する可能性がある。
本発明において使用できる填料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、デラミネーティッドカオリン、焼成カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、カチオン修飾したコロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂などの有機顔料といった公知の製紙用填料を使用することができる。
その他、本発明で用いられるパルプスラリー中には、一般に知られる各種の抄紙用助剤を用いることができる。例えば、紙力剤として澱粉、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、ガラクトマンナンなど、湿潤紙力剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂など、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー、アルケニルまたはアルキル琥珀酸無水物、脂肪酸金属塩、脂肪酸、エポキシ系高級脂肪酸アミド、ロジン誘導体など、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンドなどの水溶性アルミニウム塩など、pH調整剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸など、他に歩留まり向上剤、染料、顔料、蛍光増白剤を適宜組み合わせて含有すると有利である。
また、本発明の嵩高紙を製造するに際しては、嵩高剤(紙厚向上剤)を添加することができる。嵩高剤としては、一般に知られている公知の嵩高剤が使用でき、例えば、ノニオン系界面活性剤や脂肪酸ポリアミドアミン等が挙げられる。
上記の嵩高剤は、抄紙時にパルプ繊維に定着し、パルプ繊維間の結合の阻害要因として働くために、繊維間結合の距離を増すことにより紙にした場合低密度化すると考えられている。そのため、添加量が適切でない場合、紙の強度が低下してしまう。本発明においては、嵩高感と強度を両立させるために、嵩高剤の添加量を1.0質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは、嵩高剤の添加量を0.5質量%以下にすることが好ましい。
本発明の紙の製造方法において使用する抄紙機は、一般的な抄紙機であれば特に制限はなく、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ハイブリッド抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機、各種のコンビネーション抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できるが、抄紙機ウェットパートおよびプレスパートにおいて紙匹に加える外力をできる限り穏やかにする設備や運転条件が望ましく、例えば、湿った状態の紙匹を低圧で処理できるシュープレスを用いることや乾燥後の平滑化処理をソフトカレンダーで行うことは、本発明の嵩高効果を損ねず望ましい方法である。
(実施例1)
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」は、実質固形分の質量部を示す。
(パルプスラリーA1、A2の調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解時間を変更して叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーA1、A2とした。なお、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分の測定には、OpTest Equipment社 HiRes FQAを用いた(以下の測定も同一の測定機器を用いて測定を実施した)。
(パルプスラリーB1、B2、B3の調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解時間を変更して叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーB1、B2、B3とした。
(パルプスラリーC1、C2の調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解時間を変更して叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーC1、C2とした。
(パルプスラリーDの調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーDとした。
(パルプスラリーEの調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーEとした。
(パルプスラリーFの調整)
LBKPパルプを、パルプ固形分4質量%となるように希釈し、試験用ナイアガラビーター(熊谷理機工業社製)を用いて、平均繊維幅、重さ加重平均繊維長、0.2mm以下の微細繊維分が表1に示した値となるように叩解時間を変更して叩解を行い、パルプ固形分1質量%に調整してパルプスラリーFとした。
Figure 2010084239
<紙の作製>
パルプスラリーA1 100部
軽質炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示)
奥多摩工業社製「タマパール121」
紙中含有量が8質量%になるように添加量調整
硫酸バンド 0.4部
カチオン化澱粉
日本食品化工社製「ネオタック40T」 1部
アルキルケテンダイマーサイズ剤
荒川化学工業社製「サイズパインK−903−20」 0.13部
カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤
ハイモ社製 「NR11LS」 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調整し、坪量80g/mの紙を抄造し、カレンダー処理を行い、実施例1の試料とした。
(実施例2〜10)
実施例1において、平均繊維幅が表2の通りとなるようにパルプスラリーの配合を調整して、実施例2〜10の試料を作製した。
(実施例11〜15)
実施例4において、表2の通り軽質炭酸カルシウムの紙中含有量を変化させることで、実施例11〜15の試料を作製した。
(実施例16〜20)
実施例7において、表2の通り軽質炭酸カルシウムの紙中含有量を変化させることで、実施例16〜20の試料を作製した。
(比較例1)
実施例1においてパルプスラリーA1の代わりにパルプスラリーEを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の試料を作製した。
(比較例2)
実施例1においてパルプスラリーA1の代わりにパルプスラリーFを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の試料を作製した。
(比較例3)
実施例1においてパルプスラリーA1の代わりにパルプスラリーC1を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の試料を作製した。
(比較例4)
実施例1においてパルプスラリーA1の代わりにパルプスラリーC2を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例4の試料を作製した。
Figure 2010084239
<嵩高感評価>
得られた嵩高紙に対して、評価用画像を印刷した印刷物を作成し、印刷物単枚の風合いや手肉感を触感して、嵩高感の評価とした。ボリューム感ある印刷物として感じられるか否かを以下の4段階で評価した。非常に嵩高感の高いものを◎、嵩高感の高いものを○、やや嵩高感があるものを△、嵩高感のないものを×とした。嵩高紙として使用できるものは△以上の評価の嵩高紙である。
<紙コシ評価>
得られた嵩高紙に対して、手で持ったときの紙コシを感覚にて評価した。柔軟性に富み、手で持った際の紙コシが非常に優れるものを◎、剛度が適度であり、手で持った際の紙コシが優れるものを○、やや剛度が高く、手で持った際の紙コシがやや硬いが、使用するのにはあまり気にならないものを△、剛度が高く、手で持った際の紙コシが硬く実使用に不向きであるものを×とした。実使用上問題なく使用できるものは△以上の評価の嵩高紙である。
<印刷着肉性評価>
得られた嵩高紙に対して、RI−1型印刷試験機(石川島産業機械社製)を用いて印刷着肉性評価試験を実施した。インキにスペースカラーフュージョンG(大日本インキ化学工業社製)を0.5cc用いて印刷し、印刷後の着肉性を目視評価した。着肉ムラが非常に少ないものを◎、着肉ムラが少ないものを○、若干の着肉ムラが生じているが、問題なく使用できるものを△、着肉ムラが悪く、使用するには問題が生じるものを×とした。実使用上問題なく使用できるものは△以上の評価の嵩高紙である。
<印刷強度評価>
得られた嵩高紙に対して、RI−1型印刷試験機を用いた印刷強度評価試験を実施した。インキにIGT測定用インキTV15(大日本インキ化学工業社製)を0.5cc用いて印刷し、印刷後の面むけを目視評価した。面むけがまったくないものを◎、面むけがほとんどないものを○、若干の面むけが生じているが、問題なく使用できるものを△、面むけが多く生じ、使用するには問題が生じるものを×とした。実使用上問題なく使用できるものは△以上の評価の嵩高紙である。
Figure 2010084239
<結果評価>
本発明である実施例1〜20のパルプ平均繊維幅が18.0μm以下であり、重さ加重平均繊維長が0.90mm以下であり、0.2mm以下の微細繊維分が30%以下のパルプからなる嵩高紙は、嵩高感、紙コシ、印刷着肉性、印刷強度に優れるものである。しかし、本発明の範囲外となる比較例においては、嵩高感、紙コシ、印刷着肉性の何れかが劣るため、嵩高紙としては使用できなかった。
実施例5と比較例1を比較した結果、平均繊維幅が18.0μmを超えた比較例1の場合、嵩高感はあるものの、紙コシが低下し、さらに、印刷時の印刷着肉性が劣り、本発明の嵩高紙として使用することができない。
実施例1と実施例2を比較した結果、平均繊維幅が15.0μm未満である実施例1の場合、印刷時の印刷強度に劣る傾向がある。
実施例10と比較例2を比較した結果、重さ加重平均繊維長が0.90mmを超えて調整した比較例2の場合、印刷強度が低下し、紙コシが硬くなり、印刷時の印刷着肉性が劣るため、本発明の嵩高紙として使用することができない。
実施例5と実施例6、9を比較した結果、重さ加重平均繊維長が0.80mmを超えて調整した実施例9では、紙コシはしなやかになるが嵩高感に劣る傾向があり、また、重さ加重平均繊維長を0.55mm未満に調整した実施例6では、紙コシが硬くなる傾向がある。
実施例5と比較例3、4を比較した結果、微細繊維分が30.0%を超えて調整した比較例3、4では、紙の嵩が出にくく、嵩高感に劣り、また、紙コシが硬くなるため、本発明の嵩高紙として使用することができない。
実施例5と実施例3、8を比較した結果、微細繊維分を18.0%未満に調整した実施例3では、嵩高感は向上するものの、紙コシが硬くなる傾向を示し、印刷時の印刷強度に劣る傾向があり、また、微細繊維分を23.0%を超えて調整した実施例8では、嵩高感に劣る傾向がある。
実施例13と実施例4、15を比較した結果、紙中に含まれる填料の量を9質量%未満に調整した実施例4では、紙コシが硬くなる傾向を示し、印刷時の印刷着肉性に劣る傾向があり、また、25質量%を超えて調整した実施例15では、紙コシがしなやかになるものの嵩高感に劣り、印刷時の印刷強度に劣る傾向がある。
本発明によって、嵩高感があり、紙コシがしなやかで、印刷品質に優れた嵩高紙を提供することが可能である。

Claims (5)

  1. パルプ平均繊維幅が18.0μm以下であり、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による重さ加重平均繊維長が0.90mm以下であり、さらに、JAPAN TAPPI No.52で規定されている光学的自動計測法でのパルプ繊維長測定方法による0.2mm以下の微細繊維分が30.0%以下のパルプからなる嵩高紙。
  2. 該平均繊維幅として、15.0μm以上18.0μm以下である請求項1記載の嵩高紙。
  3. 該重さ加重平均繊維長として、0.55mm以上0.80mm以下である請求項1記載の嵩高紙。
  4. 該0.2mm以下の微細繊維分として、18.0%以上23.0%以下である請求項1記載の嵩高紙。
  5. 填料を9質量%以上25質量%以下含有する請求項1記載の嵩高紙。
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