JP2014118655A - オフセット印刷用コミック用紙 - Google Patents

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【課題】嵩がありインキ着肉性の良好なオフセット印刷用コミック用紙を提供する。
【解決手段】機械パルプと古紙脱墨パルプを主原料として製造されたコミック用紙であって、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.05mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とするコミック用紙。離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることが望ましい。さらに、機械パルプの配合率が50〜100%であり、機械パルプのフリーネスが75〜100mlCSFに調整されていることが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、低坪量で嵩がありインキ着肉性の良好な、オフセット印刷用コミック用紙に関するものである。
コミック用紙は、軽量で嵩があることが必要である。嵩を出すためには、カレンダー処理条件を緩くするか、カレンダー処理なしにする必要があるが、このようにすると、紙の平滑性が悪くなり、インキ着肉性が悪くなる。また、機械パルプの配合率を増加させると、機械パルプは、クラフトパルプより剛直であるため、紙の表面が粗くなり、インキ着肉性が悪くなる。嵩高剤の添加を行うと、嵩高剤は繊維間結合を阻害するものであるため、特に添加量が多くなると表面強度が低くなるという問題がある。
コミック用紙は、これらの対応を組み合わせながら、最適な抄造条件を見つけて生産しているのが実状である。機械パルプのなかでは、原木を摩砕して製造するGP(グラウンドウッドパルプ)やPGW(プレッシャライズドグラウンドウッドパルプ)やRGP(リファイナーグラウンドウッドパルプ)は、繊維が柔軟で、印刷適性が良いことが知られている。しかし、原木の確保が難しいので、木材チップを原料とする機械パルプとして、サーモメカニカルパルプ(TMP)の利用が主流になってきている。機械パルプのなかでは、TMPは、強度が高いが、繊維が剛直であり印刷適性はそれほど良くない。
機械パルプを使用する場合、紙の印刷適性を改善する技術として、次のような特許文献がある。特許文献1には、化学薬品処理を施して製造される広葉樹機械パルプを用いることが記載されている。そして広葉樹機械パルプの短繊維密度指数が0.20以上の繊維は短繊維密度が低いので、嵩高構造を維持し、紙の密度が低下することが記載されている。しかし、一般的に広葉樹は針葉樹に比べ硬く緻密な構造であるため、機械的にパルプ化するには電力原単位が高くなる問題がある。そのため、広葉樹機械パルプを製造するには、アルカリ薬品による前処理が必要となっているので、現状の機械パルプ製造設備を改造する必要がある。
特許文献2には、機械パルプの割合が25〜50質量%であり、針葉樹の機械パルプとしてPGWを使用することが記載されている。PGWは、機械パルプの中では、結束繊維が少ないことや、柔軟性があり繊維長分布でみると中間繊維を多く含んでおりフィブリル化されているので強度が高く平滑性を発現しやすいこと、また、耐色性が優れることが記載されている。しかし、前述したように原木の入手が難しくなってきているので、経済的に安定供給するのが難しくなってきている。
特許文献3には、印刷用紙を離解したパルプの繊維粗度を10〜25mg/100mに特定することが記載されており、25mg/100mを超えると、地合の悪化、印刷適性の低下が生じ、10mg/100m未満では、嵩が得られないことが記載されている。しかし、特許文献3の印刷用紙は離解パルプのフリーネスが450cc以上と高いものであり、インキ着肉性が悪いことが予想される。従来のコミック用紙の坪量は62、64、68g/m等であったが、60g/m以下の低坪量の用紙が使用されるようになってきており、従来と同程度の嵩での軽量化が求められている。
特開2006−225774号公報 特許第4868907号 特開2009−138308号公報
本願発明の課題は、低坪量で嵩がありインキ着肉性の良好なオフセット印刷用コミック用紙を提供することである。
本発明者は、コミック用紙のインキ着肉性を向上させる手段について鋭意検討した結果、コミック用紙を離解したパルプの特性を特定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本願の第1発明は、
機械パルプと古紙脱墨パルプを主原料として製造されたコミック用紙であって、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.05mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とするコミック用紙 である。
本願の第2発明は、第1発明において、
前記離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることを特徴とするコミック用紙 である。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明において、
機械パルプの配合率が50〜100%であり、機械パルプのフリーネスが75〜100mlCSFに調整されていることを特徴とするコミック用紙 である。
本発明によれば、低坪量で嵩があり、インキ着肉性の良好なオフセット印刷用のコミック用紙を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のコミック用紙の製造には、ワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、リールパートの各工程からなる抄紙機を用いる。
本発明にかかるコミック用紙は、原料のパルプとして、クラフトパルプ、古紙脱墨パルプ、機械パルプなどが使用できる。クラフトパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、などが使用できる。また、古紙脱墨パルプとしては、新聞古紙脱墨パルプ、上質古紙脱墨パルプなどの脱墨パルプ(DIP)が使用できる。機械パルプとしては、ストーングラウンドパルプ(SGP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等を使用することができるが、針葉樹の機械パルプを使用するのが製造が容易であり望ましい。
本発明にかかるコミック用紙は、機械パルプと古紙脱墨パルプを主原料とし、コミック用紙を離解して得られたパルプの、平均繊維長が0.95〜1.05mm、微細繊維割合(0.2mm以下)が7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とする。
なお、平均繊維長、微細繊維割合、繊維粗度はLorentzen&Wettre社製、ファイバーテスターを使用して測定したもので、平均繊維長は長さ加重平均繊維長、微細繊維割合は長さ基準で表したものである。
平均繊維長が0.95mmより短いと嵩が不足する。1.05mmより長いと地合いが悪くなりインキ着肉性が悪化する。微細繊維割合(0.2mm以下)が7%より少ないと紙面の窪みが多くなってインキ着肉性が悪化し、15%より多いと長繊維の割合が少なくなり嵩が不足する。繊維粗度が110μg/mより小さいと嵩が不足し、150μg/mより大きいとインキ着肉性が悪化する。
本発明のコミック用紙は、離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることが望ましい。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合は、Lorentzen&Wettre社製、ファイバーテスターを使用して測定したもので、長さ基準で表したものである。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であれば、コミック用紙表面が緻密かつ窪みが無い状態となり、インキ着肉性を向上させることができる。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40%より少ないと、繊維幅の小さい繊維の割合が多いか、繊維幅の大きい繊維の割合が多い場合であり、前者ではインキ着肉性は良いが嵩が不足し、後者では嵩はあるがインキ着肉性が悪くなる。繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が60%より多いと、嵩が不足する傾向となる。
コミック用紙を離解したパルプの特性をこのような範囲とするには、コミック用紙の原料となる機械パルプの製造において、使用する樹種の選定や、薬品による前処理の有無、摩砕条件などを設定する。あるいは、機械パルプの配合率の増減によって調整することができる。
例えば、樹種の選定では、スプルースの方が、パインや、スギよりも、平均繊維長、平均繊維幅、繊維粗度が大きい値を示す。
機械パルプ(例えばTMP)の製造において、薬品による前処理を行うと、前処理がない場合に比べ、平均繊維長は長く、平均繊維幅、繊維粗度を小さくすることができる。摩砕条件としては、急激な摩砕、すなわち、短時間で多くの電力を消費するような摩砕を行うと平均繊維長が短く、平均繊維幅が小さくなる傾向が強く、緩やかな摩砕を行うと平均繊維長は長く、平均繊維幅が小さくなる傾向がある。また、機械パルプと古紙脱墨パルプの比較では、機械パルプのほうが平均繊維長は長く、平均繊維幅は大きく、微細繊維割合は多い傾向を示す。
本発明のコミック用紙は、機械パルプの配合率が50〜100%と高いので、前述したような機械パルプの特性により、コミック用紙を離解したパルプの特性が概ね決まってくるが、配合する機械パルプ以外のパルプについて、予めパルプ特性を調べておくことで、コミック用紙を離解したパルプの特性を決定するのが容易になる。
本発明のコミック用紙は、主原料となる機械パルプの配合率は50〜100%としている。50%より少ないと嵩が不足する。また、機械パルプのフリーネスが75〜100mlCSFに調整されていることが望ましい。機械パルプのフリーネスが75mlCSFより低いと、抄紙機での脱水性が悪くなり、抄速の低下などの生産上の不具合を生じる。フリーネスが100mlCSFより高いと、コミック用紙を離解したパルプの平均繊維長が長くなったり、微細繊維の割合が少なくなって、インキ着肉性が劣ることになる。
印刷用紙のインキ着肉性は、平滑度に代表される印刷用紙の平滑性に大きく影響を受ける。インキ着肉性が悪いと、印刷する際にインキの付着量を多くする必要が生じるため、コストが増大するという不具合がある。
しかし、本願発明は、コミック用紙を離解したパルプの平均繊維長、微細繊維割合、繊維粗度、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合を特定の範囲とすることで、平滑度が同程度でも、インキ着肉性を改良する事ができることを見出したものである。したがって、嵩を維持しながらインキ着肉性を改善することができる。理由は、次のように予想される。
機械パルプにはシャイブと呼ばれる解繊されていない結束繊維が含まれており、結束繊維は繊維幅が大きい。したがって、シャイブ周辺の紙面にできる窪みにより着肉不良が生じやすい。通常このような窪みはカレンダー処理によって小さくすることができるが、コミック用紙は嵩が重視されるのでカレンダー処理条件が緩く、窪みを小さくすることができない。機械パルプには、微細繊維の割合が多く、シャイブと微細繊維とでは、大きさが異なり過ぎて、微細繊維ではシャイブ周辺にある窪みを十分に埋めることができず、着肉不良によるカスレが発生する。微細繊維よりやや大きめの繊維が多く存在すれば、シャイブと微細繊維の間にできる空隙を埋めることによりインキ着肉性を改善することができると考えられる。
本発明のコミック用紙は古紙脱墨パルプを、本願発明の特定事項に反しない範囲で配合することができる。古紙脱墨パルプの配合率は高いほうが、リサイクルという点で望ましいが、コミック用紙に要求される嵩、不透明度や白色度によっても配合率の上限は決まってくる。
本発明のコミック用紙には填料を添加することができる。具体的には、炭酸カルシウムを3〜20質量%添加することができるし、ホワイトカーボンを0.5〜2.0質量%添加してもよい。ホワイトカーボンは、インキ吸収能力が高いので、インキ着肉性や印刷後不透明度の向上に寄与し、炭酸カルシウムは不透明度の向上に寄与して、裏抜けのないコミック用紙とすることができる。
その他、使用する填料の種類は特に限定されず、二酸化チタン、タルク、クレー、シリカなどの無機填料や有機顔料等、一般に印刷用紙に使用されている填料を必要に応じて使用することができる。本発明のコミック用紙の灰分は、望ましくは5〜15%である。灰分が高過ぎると、表面強度が低くなり、紙粉やピッキングのトラブルを生じやすくなる。填料はパルプ繊維間の空隙を埋め、紙に平滑性を与えることができ、インキ着肉性が良好になる。
このようにして得られるコミック用紙の不透明度は87〜97%である。印刷後不透明度は89〜95%であることが望ましい。一般の印刷用紙は、新聞用紙(坪量43g/m)に比べると高い坪量であり、インキの浸透をそれほど考慮する必要がなく、不透明度を確保すれば裏抜けの対策となった。しかし、コミック用紙は軽量化されてきているので、裏抜けに関するインキの浸透の影響が大きくなる。
コミック用紙は、オフセット輪転機またはオフセット枚葉機で印刷される。インキの乾燥方式は、輪転機では乾燥装置によるヒートセット方式、枚葉機では乾燥装置がないコールドセット方式であり、一般にコールドセット方式の方がインキの浸透が大きくなる。今後、コミック用紙の軽量化が進んだ際には、裏抜けに関するインキの浸透の影響が大きくなるため、ヒートセット方式の輪転機においてもコミック用紙の印刷後不透明度が重要となり、ましてやコールドセット方式の枚葉機では、非常に重要であるといえる。
印刷後不透明度は不透明度よりも低い値となる。同じ不透明度の用紙で比較した場合、不透明度と印刷後不透明度の差(不透明度−印刷後不透明度)が小さい用紙のほうが、紙の厚み方向へのインキ浸透が抑えられている。低い坪量の用紙ほど、不透明度と印刷後不透明度の差を小さくするのが難しいが、機械パルプの配合や吸油性の高い填料の添加により、不透明度と印刷後不透明度の差を3%以下、さらには2%以下とするのが望ましい。このように不透明度と印刷後不透明度の差を小さくすることで、過剰に不透明度を上げることなく、コミック用紙が使用される際に必要な印刷後不透明度を高くし、裏抜けを防止したコミック用紙を得ることができる。すなわち、不透明度を向上させるための、填料の増添による強度ダウン、機械パルプの配合率増によるインキ着肉の悪化などの品質面の弊害や、古紙脱墨パルプの配合率減などのコスト面の弊害を小さくすることができる。
本発明のコミック用紙は、パルプに硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留向上剤、染料などを添加することができる。サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸などのサイズ剤が使用できる。紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド系樹脂などが使用できる。その他、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤などの添加剤も使用することができる。
本発明のコミック用紙は、表面強度向上を目的に、少なくとも片面に紙力増強剤を含む表面処理剤を塗布する。通常は両面に同じ塗布量で塗布する。紙力増強剤の塗布量は、片面あたり0.5〜1.5g/mである。紙力増強剤を塗布しているので、機械パルプの配合率と填料の添加率が高くても、表面強度を高くすることができる。紙力増強剤の塗布量が片面0.5g/mより少ないと表面強度が不足する。塗布量を1.5g/mより多くしても、それ以上の表面強度向上の効果はほとんどみられない。
表面処理剤を塗布する装置としては、一般的に使用される2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーターなどのロールコーターやブレードコーターやスプレーコーターを用いることができる。塗布する紙力増強剤としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、スチレンマレイン酸系共重合体、スチレンアクリル酸系共重合体などが使用できる。表面処理剤には、紙力増強剤のほか、表面サイズ剤や、滑剤、防滑剤などの薬品を混合して塗布することもできる。
表面処理剤の塗布濃度は、5〜10質量%が望ましい。紙厚を高くする上では、塗布濃度は低いほうがよいが、塗布濃度が5質量%より低いと十分な塗布量が得られない。塗布濃度が10質量%を超えると塗布ムラができやすくなり、表面強度の点で望ましくない。表面処理剤を塗布する際の湿紙の水分率は5〜15%が好ましく、5〜10%がさらに好ましい。5%より低いと表面処理剤の塗布による水分率の急激な変化により、抄紙工程内での紙の伸縮が大きくなるのでシワ入りが懸念され、抄紙安定性が悪くなる。塗布する際の湿紙水分が15%より高いと、表面処理剤の紙層内部への浸透が多くなり、塗布後の水分率が高くなるので、水分プロファイルが悪くなり、シワの発生原因となることがある。
本発明のコミック用紙の製造に際しては、通常、ドライヤーで乾燥後にカレンダー装置により平滑化処理するが、目的の印刷適性が得られるのであれば、カレンダー処理をしないほうが嵩が出るので望ましい。カレンダー処理する場合の装置としては、チルドカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダーなどの一般に使用されているカレンダー装置が使用できる。要求される平滑性に応じて、ニップ数やニップ圧、ロール温度、ロール材質、ロール硬度などを設定する。
本発明のコミック用紙の坪量は、50〜60g/mであり、50〜58g/mであることがさらに好ましい。坪量が50g/mに満たないと、厚さや不透明度が不足し、コミック誌には使用が難しくなる。本発明のコミック用紙の厚さは120〜150μmである。好ましくは120〜145μmである。この範囲のコミック用紙を使用すれば、コミック誌として、手肉感やページのめくりやすさが良好なものとなる。
本発明のコミック用紙の白色度は65〜75%であることが好ましい。この範囲であればコミック誌に好適である。白色度が65%に満たないと、印刷画像とのコントラストが弱く、印刷効果が低いものとなる。白色度が75%より高いと低坪量で不透明度を確保するのが難しくなる。本発明のコミック用紙の平滑度は、表裏面ともに5〜20秒であることが好ましい。平滑度が低いとインキ着肉性が劣り、20秒を超えると、インキ着肉性は良いが密度が高くなり、コミック用紙に必要な厚さを低坪量で確保することができなくなる。
本発明のコミック用紙は、クラークこわさ(JISP8143:2009紙−こわさ試験方法−クラークこわさ試験機法)横が20〜50cm/100であることが好ましい。20cm/100より低いと、しっかりとした手肉感がなく安価な印象を与えてしまうし、製本後にページをめくりにくくなる。50cm/100より高いと製本後に、本を開いても自然に閉じる傾向が強くなりハンドリングが悪くなるという問題がある。
以下、実施例及び比較例により、本発明の効果を具体的に表す。なお、%は特に断りのない限り質量%を表し、添加量は絶乾パルプ100質量部に対する固形分または有効成分で表す。
(実施例1)
サーモメカニカルパルプの原料のチップとして、スプルース:国内N材チップを60:40の質量割合で使用し、サーモメカニカルパルプ85質量部(80mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ10質量部(420mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ5質量部(200mlCSF)からなるパルプ分散液に、填料として、炭酸カルシウム(奥多摩工業株式会社製、商品名:タマパール121−6S)5質量%を添加し、カチオン化澱粉(ジー・エス・ エルジャパン株式会社製、商品名:ジェルトロン24)0.5質量%を添加し、歩留向上剤(ハイモ株式会社製、商品名:ハイモロックND−260)200ppmを添加して抄紙した。水分11%まで乾燥した湿紙に、ゲートロールコーターで濃度8%に溶解した酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、商品名:王子エースA)を塗布量が片面あたり0.8g/mとなるように紙の両面に塗布した後、乾燥し、カレンダー処理を行わず、水分6.5%、坪量59.8g/m、白色度69%のコミック用紙を得た。
(実施例2)
サーモメカニカルパルプの原料のチップとして、スプルース:ラジアータパイン:国内N材チップを15:25:60の質量割合で使用し、サーモメカニカルパルプのフリーネスを90mlCSFとした以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(実施例3)
機械パルプとしてPGW(プレッシャライズドグラウンドウッドパルプ、原料:チリ松)を使用し、PGW90質量部(100mlCSF)と針葉樹晒クラフトパルプ10質量部(480mlCSF)からなるパルプ分散液とした以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(比較例1)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを110mlCSFとした以外は、実施例2と同様にコミック用紙を得た。
(比較例2)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを95mlCSFとし、サーモメカニカルパルプ40質量部と針葉樹晒クラフトパルプ20質量部(480mlCSF)と広葉樹晒クラフトパルプ30質量部(420mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ10質量部(200mlCSF)からなるパルプを使用した以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
(比較例3)
サーモメカニカルパルプのフリーネスを70mlCSFとし、サーモメカニカルパルプ40質量部と広葉樹晒クラフトパルプ40質量部(420mlCSF)と上質古紙脱墨パルプ20質量部(200mlCSF)からなるパルプを使用した以外は、実施例1と同様にコミック用紙を得た。
実施例1〜3と比較例1〜3のコミック用紙の評価結果を表1に示す。試験方法、評価方法は次のとおりである。
(離解したパルプの平均繊維長、繊維長0.2mm以下の繊維割合、繊維粗度、繊維幅分布)
離解はJISP8220:1998パルプ−離解方法に準拠して行い、測定はLorentzen&Wettre社製ファイバーテスター(CODE912)を用いた。
(坪量)
JISP8124:2011紙及び板紙−坪量の測定方法
(厚さ、密度)
JISP8118:1998紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
(不透明度)
JISP8149:2000紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照明法
(平滑度)
JISP8119:1998紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法
(インキ着肉性評価)
RI印刷適性試験機を用いて、オフセットインキでベタ印刷を行い、インキ着肉性を、次の3段階で相対評価した。
◎ 優れる、○ 良い、△ やや悪い、 × 劣る
Figure 2014118655
表1に示したように、本発明の実施例1〜3では、低密度でインキ着肉性の評価が良好なコミック用紙が得られている。比較例1は、機械パルプのフリーネスが110mlCSFと高く、平均繊維長が1.12mmと長く、繊維長0.2mm以下の繊維割合が6.8%と少ない。また、繊維粗度が152μg/mと大きく繊維幅20〜40μmの割合が38%と少ないので、インキ着肉性の評価が悪くなっている。比較例2は、機械パルプの配合率が40質量%と少なく、密度が高くなっており、平均繊維長が1.21mmと長いので地合いが悪く、インキ着肉性の評価もやや悪くなっている。比較例3は、機械パルプの配合率が40質量%と少なく、機械パルプのフリーネスが70mlCSFと低く、平均繊維長が0.93mmと短く、繊維長0.2mm以下の繊維割合が15.3%と多く、繊維幅20〜40μmの割合が61%と高いので、インキ着肉性の評価は良いが密度が高くなっている。
本発明のコミック用紙は、コミック誌以外の用途の印刷用紙にも使用できる。

Claims (3)

  1. 機械パルプと古紙脱墨パルプを主原料として製造されたコミック用紙であって、離解したパルプの平均繊維長が0.95〜1.05mm、繊維長0.2mm以下の繊維の割合が全体の7〜15%、繊維粗度が110〜150μg/mであることを特徴とするコミック用紙。
  2. 前記離解したパルプの繊維幅分布において、繊維幅20〜40μmの範囲の繊維割合が40〜60%であることを特徴とする請求項1に記載のコミック用紙。
  3. 機械パルプの配合率が50〜100%であり、機械パルプのフリーネスが75〜100mlCSFに調整されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコミック用紙。
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