JP5827603B2 - 抄紙方法 - Google Patents

抄紙方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5827603B2
JP5827603B2 JP2012163224A JP2012163224A JP5827603B2 JP 5827603 B2 JP5827603 B2 JP 5827603B2 JP 2012163224 A JP2012163224 A JP 2012163224A JP 2012163224 A JP2012163224 A JP 2012163224A JP 5827603 B2 JP5827603 B2 JP 5827603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filler
paper
pulp
sodium polyacrylate
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012163224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014019995A (ja
Inventor
篤 田村
篤 田村
目黒 章久
章久 目黒
稔 沓名
稔 沓名
有里子 丹野
有里子 丹野
恭兵 江口
恭兵 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Original Assignee
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd filed Critical Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority to JP2012163224A priority Critical patent/JP5827603B2/ja
Publication of JP2014019995A publication Critical patent/JP2014019995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5827603B2 publication Critical patent/JP5827603B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、填料の歩留まりが高く、抄紙工程ラインを汚さない抄紙方法に関する。
近年、環境対応、省資源などの観点から紙の軽量化、低坪量化が要望され、これに伴って紙の白色度、不透明性、印刷適性を維持あるいは向上させるために、粒子径の小さい各種填料を高含有率で内添する方法がとられている。
しかしながら、粒子径の小さい填料を内添させた紙では、紙力発現の主要因であるパルプ繊維間の水素結合を填料が阻害する傾向が大きく、紙力が急激に低下する。紙力には、一般的な引張強さや剛度の他に印刷時の耐刷力が関係し、これらの低下は作業性の悪化をもたらす。
粒子径の小さい填料を内添させた高灰分率の紙及び板紙を求めた場合、抄紙時における歩留り低下、抄紙系内の汚れ、製品のサイズ性の低下などの問題が発生し、操業上の障害となる。
紙及び板紙の製造工程において、ワイヤーパートでの製紙原料の歩留率の向上を図るために、中性抄紙条件下では製紙工程の最終せん断工程であるスクリーン前後にアクリルアミド系水溶性ポリマーを添加する方法(例えば、特許文献1を参照。)や、カチオン性高分子とコロイダルシリカの組み合わせ(例えば、特許文献2を参照。)など種々提案がなされている。填料の歩留率に着目した、填料を前処理する方法の提案もある(例えば、特許文献3,4,5を参照。)。
さらには1種以上の分散剤を含有する低密度填料を用いる嵩高紙に関する提案もある(例えば、特許文献6を参照。)。
特開2005−226174 特開2008−31584 特開平10−60794 特開2006−118092 特開2006−118093 特開2007−270404
特許文献1,2に記載された抄紙方法は、填料の歩留まりの向上に寄与する高分子を抄紙機ワイヤー上に乗る直前の紙料に添加するため、パルプ繊維の強い凝集を招き、紙の地合を損なう虞がある。特許文献3,4,5に記載された抄紙方法は、填料をカチオン性物質で予め凝集させる方法を提案しているが、白色度、不透明度が低下するため、より多くの填料を内添する必要がある。さらには当該填料の表面がカチオン性になっているため、酸性領域の抄紙では硫酸バンドやカチオン化澱粉などの存在によって、系全体が過剰にカチオン性となり、パルプへの定着は逆に低下する。特許文献6に記載された提案は、低密度填料に着目するものであり、実施例などに記載するチキソレックスと呼ばれる低密度填料の平均粒子径は10μm前後と非常に大きく、且つ軽いため歩留を上げる向上策は必要としない。
本発明の目的は、前述した問題点を解消し、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、填料の歩留まりが高く、抄紙工程ラインを汚さない抄紙方法を提供することにある。
本発明者らは、抄紙方法について鋭意検討を重ねた結果、填料として焼成クレーをポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、該填料スラリーを添加することによって、課題を達成できることを見出した。すなわち、本発明の抄紙方法は、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、前記紙料の調製工程のときに、前記填料をポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、該填料スラリーを添加し、かつ、前記填料が焼成クレーであることを特徴とする。このような方法によれば、填料の歩留まりが高く、抄紙工程ラインを汚さない抄紙方法とすることができる。
本発明に係る抄紙方法では、前記填料スラリー中の填料とポリアクリル酸ナトリウムとの混合比が、填料100部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.01部〜10部であることが好ましい。この範囲とすることで填料が高い歩留率となる。
本発明に係る抄紙方法では、前記填料の平均粒子径が5μm以下であることが好ましい。本発明の抄紙方法は、平均粒子径が5μm以下の填料であっても、従来にない歩留まり率の高さとでき、且つ抄紙工程ラインを汚さない抄紙方法とすることができる。
本発明に係る抄紙方法では、前記紙料は、さらにカチオン性を示す内添紙力増強剤を含むことが好ましい。パルプとポリアクリル酸ナトリウムによって表面をアニオン性とした填料の定着に有効である。
本発明は、パルプ、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、填料の歩留まりが高く、抄紙工程ラインを汚さない抄紙方法を供給することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る抄紙方法は、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、前記紙料の調製工程のときに、前記填料をポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、該填料スラリーを添加する。
本実施形態に係る抄紙方法で使用するパルプ繊維は、LBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(砕木パルプ)、PGW(加圧式砕木パルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミメカニカルパルプ)、CGP(ケミグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットンなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することが可能である。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプ、古紙パルプ、植林木から得られるパルプが好ましい。
本実施形態に係る抄紙方法で使用する填料は、ポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、調製工程における紙料に添加することが好ましい。例えば、パルプスラリーに填料スラリーを添加する。填料の表面をアニオン性に帯電させることで、硫酸バンドの使用によって表面がカチオン性になったパルプ繊維への定着が良好となり、結果的に抄紙機ワイヤー上での歩留率が向上する。さらには填料使用量を減らすことができ、また、パルプに定着しない填料が減ることから工程汚れも発生しにくい。填料とポリアクリル酸ナトリウムとの混合比は、填料100部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.01部〜10部であることが好ましい。より好ましくは0.03部〜5部、更に好ましくは0.1部〜0.9部である。0.01部未満では填料表面のアニオン性が不足し、歩留率が向上しない場合がある。10部を超えると填料表面を被覆する以外にポリアクリル酸ナトリウムが余剰し、系内全体がアニオン性となりその他のカチオン性添加剤の定着に支障をきたす場合がある。また、コスト面でも不利となる。
本発明においてポリアクリル酸ナトリウムは、填料を添加する前の分散媒に添加しても良く、また、填料を添加した後の分散媒に添加しても良い。好ましくは、填料を添加する前の分散媒に添加することが好ましい。これによって、填料の分散性がより安定したスラリーを得られる。
填料にポリアクリル酸ナトリウム以外のポリカルボン酸塩を始めとするアニオン性資材を混合しても差し支えないが、本発明に支障の無い範囲とする。
本実施形態に係る抄紙方法で使用する填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウムである。特に平均粒子径5μm以下、更には平均粒子径4μm以下の歩留率の低くなりやすい填料について歩留率の向上効果が大きい。平均粒子径5μm以下の歩留率の低い填料としては、例えばクレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムである。平均粒子径4μm以下の歩留率低い填料としては、例えばクレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタンである。平均粒子径5μmを超える填料は、抄紙機ワイヤー上での歩留率がそれほど低くはないために、ポリアクリル酸ナトリウムの添加による歩留率向上の効果が乏しくなる。尚、ここで平均粒子径とはマイクロトラックHRA(ハネウェル社製)を用いてレーザー法で測定した体積平均粒子径を示す。
紙中の填料含有量は、特に限定するものではないが、パルプの乾燥質量100質量部に対して、2〜20質量部であることが好ましい。より好ましくは3〜17質量部である。さらに好ましくは、4〜15質量部である。本発明における歩留率向上の効果をより発揮することができる。填料含有率が2質量部未満又は20質量部を超えても本発明における歩留率の向上効果は見られるが、その効果は乏しくなる。また、粒子径0.01μm以下の填料を実用される例はないが、実質この領域では本発明の抄紙方法を用いても歩留率を向上させることは難しい。
本実施形態に係る抄紙方法では、紙料に含ませる成分として、パルプ及び填料以外に、硫酸バンドを使用する。硫酸バンドは酸性領域下でカチオン性を有するが、抄紙機上の紙料pHは3.0〜6.5が好ましい。より好ましくはpH3.5〜6.0である。更に好ましくはpH4.0〜5.5である。pHが3未満では硫酸バンドはアルミニウム分がイオンとして溶解してしまい、白水に移行し循環するため、結果として系全体が過大な強カチオン性となり薬品定着に寄与しない虞がある。pH6.5を超えると硫酸バンドのカチオン性が弱くなり、前処理した填料の定着や薬品定着に寄与しなくなる虞がある。pHが3.0〜6.5の範囲とするためにパルプスラリー中のパルプ100質量部に対して硫酸バンドは0.5〜2質量部添加することが好ましい。ここでの硫酸バンドは硫酸アルミニウム16水和物を指す。硫酸バンドは、抄紙機で抄紙する最終原料に存在していれば良いため、叩前原料、叩解前原料、各種薬品添加後の原料、白水で希釈後の原料などに硫酸バンドを添加しても良いし、白水や回収原料などに添加しても良い。なお、白水とは、抄紙機のワイヤーパート及びプレスパートからの搾水である。
本実施形態に係る抄紙方法で使用するパルプ、填料及び硫酸バンド以外には内添サイズ剤、湿潤紙力増強剤などの内添紙力増強剤、嵩高剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、ピッチコントロール剤などの各種助剤を、各製品に合わせて好適に配合することができる。内添サイズ剤は、各種公知のものが使用でき、特に限定されず、例えば、強化ロジンサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)である。
内添紙力増強剤としては、従来公知の紙力増強剤を使用することが可能であり、例えば、澱粉系紙力増強剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤、ポリビニルアルコール系紙力増強剤である。中でもカチオン澱粉、両性澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、グラフト重合澱粉はカチオン性を示すため、パルプとポリアクリル酸ナトリウムによって表面をアニオン性とした填料の定着に有効である。カチオン化澱粉、両性澱粉、カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、澱粉グラフトアクリルアミド系紙力剤のうち、少なくとも1種類を使用することで、填料の歩留率を更に向上させることができる。内添紙力増強剤の添加率は、パルプ100質量部に対し0.2〜3質量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜2質量部である。0.2質量部未満では紙力自体も不足する虞があり、填料歩留率の更なる向上効果にも劣る虞がある。3質量部を超えると系内がカチオン性過大となり填料定着率は低下し、抄紙機を始めとする工程内の汚れが大きく、操業性が悪くなる虞がある。
ポリアクリル酸ナトリウムで前処理した填料の添加タイミングは紙料が白水で希釈される前が好ましい。具体的には種箱までに添加を完了することが好ましい。紙料のパルプ濃度が2%以上の状態に添加、より好ましくは3%以上の状態に添加する。パルプ濃度2%未満では、比較的、填料定着率の向上効果が低くなりやすく、また、種箱以降の添加では、パルプへの定着時間も不足する場合がある。パルプ濃度5%を超えると、填料との混ざりが悪く、結果として填料定着率向上効果が低下しやすい。
カチオン性の指標としては、抄紙機入口原料紙料(インレット原料(ヘッドボックス原料))のゼータ電位が+5mV〜−25mVであることが好ましく、+0mV〜−20mVであることがより好ましい。カチオン要求量は、0ml〜1ml(カチオン性高分子電解質ポリダドマック0.001N使用時)若しくはアニオン要求量0ml〜0.3ml(アニオン性高分子電解質ペスナ0.001N使用時)が好ましく、アニオン要求量がなく、カチオン要求量0ml〜1mlがより好ましい。尚、ゼータ電位の測定はSZP06型(BTG社製)、カチオン要求量は粒子電荷計PCD−04(BTG社製)及び精密自動滴定装置PCD−T3(BTG社製)を使用し測定した。
支持体を抄紙する方法は、特に限定されるものではなく、長網抄紙機、長網多層抄紙機、円網抄紙機、円網多層抄紙機、長網円網コンビ多層抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造できる。
支持体の坪量は、特に限定されないが、低坪量の方が填料歩留率向上の要求が大きい。高坪量の場合、本発明方法を使用せずとも填料定着率が高いからである。本発明の効果が得やすい坪量は30〜120g/mであり、好ましくは35〜100g/mであり、より好ましくは35〜80g/mである。なお、多層抄きの場合は一層当たりの坪量を指す。
本実施形態に係る抄紙方法で得られる製紙を支持体として表面サイズ液を塗布しても良い。表面サイズ液として澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの公知の水溶性高分子などが上げられるが、特に限定されるものではない。塗布方法は、サイズプレスのようなポンドを設けるタイプや、ゲートロールサイズプレス、シムサイザーのようなフィルムメタリングタイプや、ロッドコーター、エアーナイフコーター、などを用いることができるが、特に限定されるものではない。
本実施形態に係る抄紙方法で得られる紙ウェブを支持体として顔料及び接着剤を主体とした塗料を塗布しても差し支えない。所望する品質要求により、キャスト処理を行っても良い。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
<填料の前処理>
填料として用いる焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製、平均粒子径2.0μm)100部を水中に分散し、次いでポリアクリル酸ナトリウム(アクアリックDL20:日本触媒社製)を0.3部撹拌しながら添加し、焼成クレーの濃度が25質量%の填料スラリーを得た。
<填料歩留率の算定>
実施例ではブリットジャー(ブリット式ダイナミックドレイネージジャーテスター)の試験条件として、調整工程のはじめに位置する各原料混合から抄紙機直前に位置するスクリーン(以降、マシン前スクリーンと略する)にかかるシェアを1500rpm、薬品添加終了しマシン前スクリーン通過後から抄紙ワイヤーまでのシェアを700rpmで、30秒として、紙料スラリーにかかるシェアを模擬して以下試験を行った。L−BKP(CSF400ml)100部を水中に分散させて、濃度0.6質量%で500mlのパルプスラリーを得た。このパルプスラリー500mlを60メッシュプラスチックワイヤーを使用したブリットジャーにとり、回転数1400rpmで撹拌しながら40秒間隔で、それぞれ、硫酸バンド1.0部、前処理した填料10部(填料スラリーとして40部)、酸性エマルジョンサイズ剤0.2部(AL1200:星光PMC社製)、カチオン化澱粉1.0部(ネオタック30T:日本食品加工社製)を順次添加し、さらに20秒間撹拌して後、回転数を700rpmにして20秒間撹拌した。下方のコックを開けて30秒間白水を排水した後、続いて得られる白水を100ml採取した。得られた白水は重さを計量してある東洋濾紙No.3を用いて濾別したものをJIS P8251:2003「板紙及びパルプ灰分試験方法‐525℃燃焼法」に準じて処理し、白水中の灰分濃度を算出し、これをfとした。同様に、処理前のカチオン澱粉まで添加が完了したパルプスラリー100mlについても同様な操作を行い、インレット原料相当の灰分濃度を算出し、これをFとした。填料歩留率は以下の計算式(数1)にて算出した。
(数1)填料歩留率計算式:填料歩留率(%)={(F−f)/F}×100
<白水濁度視感評価>
ブリットジャー試験によって得られた白水の濁度を視感評価し、工程汚れの指標とした。
◎…透明感が十分にあり、抄紙工程汚れとならない(合格)。
○…透明感があり、抄紙工程汚れとならない(合格)。
△…濁りはあるが、抄紙工程汚れにはならない(合格)。
×…濁りが大きく抄紙工程汚れとなる(不合格)。
<填料の平均粒子径の測定>
粒度分布計マイクロトラックHRA(ハネウェル社製)によってレーザー法で測定した。
(実施例2)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を0.01部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例3)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を0.03部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例4)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を0.1部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例5)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を0.9部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例6)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を1.2部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例7)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を5部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例8)
填料の前処理に用いるポリアクリル酸ナトリウムの添加量を10部とした以外は、実施例1と同様にして評価した。
参考例9)
填料として使用する焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製、平均粒子径2.0μm)をカオリンクレー(HS:KAMIN社製、平均粒子径2.4μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
参考例10)
填料として使用する焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製、平均粒子径2.0μm)を酸化チタン(A110:堺化学工業社製、平均粒子径0.5μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
参考例11)
填料として使用する焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製、平均粒子径2.0μm)を軽質炭酸カルシウム(TP121−S:奥多摩工業社製、平均粒子径4.3μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
参考例12)
填料として使用する焼成クレー(アンシレックス93:エンゲルハード社製、平均粒子径2.0μm)をタルク(NTL:日本タルク社製、平均粒子径11μm)へ変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例13)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部を両性澱粉(ネオタック110M:日本食品加工社製)1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例14)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部をホフマン変性アクリルアミド系紙力剤DH4160(星光PMC株式会社製)1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例15)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部を両性アクリルアミド系紙力剤(DS4388:星光PMC社製)1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例16)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部を澱粉グラフト重合ポリアクリルアマイド(DG4204:星光PMC社製)1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例17)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部を、カチオン化澱粉0.5部及び澱粉グラフト重合ポリアクリルアマイド0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例18)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)1.0部を、アニオン性ポリアクリルアミド樹脂(ハーマイドE−15/ハリマ化成株式会社製)1.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(実施例19)
カチオン化澱粉(ネオタック30T:日本食品加工社製)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして評価した。
(比較例1)
填料をポリアクリル酸ナトリウムによる前処理をせずそのまま添加した以外は、実施例1と同様にして評価した。
(比較例2)
填料をポリアクリル酸ナトリウムによる前処理をせずそのまま添加した以外は、実施例9と同様にして評価した。
(比較例3)
填料をポリアクリル酸ナトリウムによる前処理をせずそのまま添加した以外は、実施例10と同様にして評価した。
(比較例4)
填料をポリアクリル酸ナトリウムによる前処理をせずそのまま添加した以外は、実施例11と同様にして評価した。
(比較例5)
填料をポリアクリル酸ナトリウムによる前処理をせずそのまま添加した以外は、実施例12と同様にして評価した。
(比較例6)
硫酸バンドを無添加とした以外は実施例1と同様にして評価した。
本実施例及び比較例で得られた、評価結果を表1に示す。
Figure 0005827603
表1から明らかなように、実施例1〜8、13〜19で評価した紙料は、いずれも填料歩留率が高く、白水濁度も良好であることがわかる。従って、パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、填料の歩留まりが高く、抄紙工程を汚さず抄紙することができる。
比較例1〜5では、ポリアクリル酸ナトリウムによる填料の前処理を行わなかったため填料表面のアニオン性が付加されず、結果として填料歩留まりが下がり、実抄紙では所望の紙中灰分とするため填料添加量を多くする必要がある。また、結果として白水濃度が極端に高くなり工程を循環する汚れを発生することとなる。比較例6では、硫酸バンドを未使用としたため抄紙pHが高くなることによって、パルプ繊維表面のカチオン性が不足し、更にはカチオン性資材である硫酸バンドそのものが系内に存在しないため、極端にカチオン性が不足となることとなるため、表面をアニオン性とした填料はパルプ繊維に吸着しない。結果的に填料歩留率は著しく低下し、比較例1〜5同様、工程を循環する汚れを発生することとなる。
また、表2に、ポリアクリル酸ナトリウムによる填料の前処理を行うことによって、歩留率が向上する程度を比較した結果を示した。参考例11及び参考例12と、比較例4及び比較例5とのそれぞれの比較から、6μm以上の比較的粒子径の大きい填料を用いた場合であってもポリアクリル酸ナトリウムによる填料の前処理を行うことによって歩留率の向上が認められるものの、他の実施例及び比較例との比較から、填料の平均粒子径が大きくなるにつれその歩留率向上の効果は小さくなることがわかる。これは、平均粒子径の大きい填料は、そもそもその粒子の大きさから物理的に紙中に留まりやすいためであると推察される。このように填料は、平均粒子径が6μm未満、好ましくは5μm以下としたときに特にポリアクリル酸ナトリウム由来の歩留率の向上が顕著となる。
Figure 0005827603

Claims (4)

  1. パルプ繊維、填料及び硫酸バンドを含む紙料を抄紙する方法において、
    前記紙料の調製工程のときに、前記填料をポリアクリル酸ナトリウムと混合した填料スラリーとした後、該填料スラリーを添加し、かつ、前記填料が焼成クレーであることを特徴とする抄紙方法。
  2. 前記填料スラリー中の填料とポリアクリル酸ナトリウムとの混合比が、填料100部に対してポリアクリル酸ナトリウム0.01部〜10部であることを特徴とする請求項1に記載の抄紙方法。
  3. 前記填料の平均粒子径が5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抄紙方法。
  4. 前記紙料は、さらにカチオン性を示す内添紙力増強剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の抄紙方法。
JP2012163224A 2012-07-24 2012-07-24 抄紙方法 Active JP5827603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012163224A JP5827603B2 (ja) 2012-07-24 2012-07-24 抄紙方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012163224A JP5827603B2 (ja) 2012-07-24 2012-07-24 抄紙方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014019995A JP2014019995A (ja) 2014-02-03
JP5827603B2 true JP5827603B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=50195228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012163224A Active JP5827603B2 (ja) 2012-07-24 2012-07-24 抄紙方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5827603B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6196932B2 (ja) * 2014-04-28 2017-09-13 北越紀州製紙株式会社 オフセット印刷用塗工紙の製造方法及びオフセット印刷用塗工紙

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0749640B2 (ja) * 1988-11-16 1995-05-31 新王子製紙株式会社 中性紙の製造方法
US8088250B2 (en) * 2008-11-26 2012-01-03 Nalco Company Method of increasing filler content in papermaking

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014019995A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2987642B2 (ja) 紙および紙製造方法
US5512135A (en) Process for the production of paper
CA2611272C (en) Method of producing a fibrous web comprising a filler
JP2016166444A (ja) 紙または板紙の抄造方法
EP1977040A2 (en) Papermaking processes using coagulants and optical brighteners
Lourenço et al. A comprehensive study on nanocelluloses in papermaking: the influence of common additives on filler retention and paper strength
JP6003793B2 (ja) 耐油紙及び耐油紙の製造方法
JP5827603B2 (ja) 抄紙方法
JP2018003215A (ja) 塗工紙
JP5601630B2 (ja) 製紙用填料分散液および填料含有紙
JP4268583B2 (ja) 中性新聞印刷用紙の製造方法
US9068292B2 (en) Uncoated recording media
US20110126995A1 (en) Method for production of paper
JP2588211B2 (ja) 中性紙の製造方法
JP5971856B2 (ja) 中質印刷用紙及びその製造方法
JP4324073B2 (ja) 填料の前処理方法とこれを配合した紙及び紙の製造方法
JP2021195663A (ja) 紙の製造方法
JP6927403B1 (ja) 紙の製造方法
EP3177769B1 (en) A method of increasing the filler content in paper or paperboard
JP5714856B2 (ja) 紙の製造方法
JP2004277900A (ja) 写真印画紙用紙の製造方法
JP6822596B1 (ja) 紙の製造方法
JP6204526B2 (ja) 印刷用紙
US20100230061A1 (en) Process for Producing Optically Brightened Paper
JP4180984B2 (ja) 写真印画紙用支持体の支持体用原紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5827603

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250