JP2006132473A - 間隙調整板、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板、間隙調整方法、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法、及び可変動弁機構付きエンジン - Google Patents

間隙調整板、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板、間隙調整方法、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法、及び可変動弁機構付きエンジン Download PDF

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Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
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文典 細田
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
Ken Sugiura
憲 杉浦
Masayuki Yamamoto
真之 山本
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Abstract

【課題】 間隙の調整にかかる作業効率を改善することのできる間隙調整板、間隙調整方法、及び可変動弁機構付きエンジンを提供する。
【解決手段】 この間隙調整板は、軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備えた可変動弁機構付きエンジンに適用される。また、テーパ状のねじP7のねじ込み量に応じて自身の厚さを変更することのできるねじ穴P2が設けられている。そして、ロッカシャフト支持壁とバルブリフト機構との軸方向の間隙に配置するとともに、テーパ状のねじP7のねじ込み量を変更することで同間隙の大きさを調整する。
【選択図】 図16

Description

本発明は、隣り合う部材の間隙を調整する間隙調整板、該間隙の調整方法、及び前記間隙調整板を含めて構成された可変動弁機構付きエンジンに関する。
エンジンバルブのバルブ特性(最大バルブリフト量や作用角)を変更する可変動弁機構が提案されている。可変動弁機構としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
同可変動弁機構は、軸方向へ移動可能な状態でシリンダヘッドの支持壁を通じて支持されたコントロールシャフトと、このコントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブをリフトさせる複数のバルブリフト機構とを備えて構成されている。
バルブリフト機構は、コントロールシャフトと連動して移動可能なスライダギアと、スライダギア上に設けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて作動する入力ギアと、スライダギア上に設けられてエンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されている。
こうした可変動弁機構を備えたエンジンでは、カムシャフトのカムを通じて入力ギアが押されることにより、出力ギアを通じてエンジンバルブがリフトされる。また、コントロールシャフトとともにスライダギアを軸方向へ変位させて入力ギアの入力ギアと出力ギアの出力ギアとの相対位相差を変更することにより、エンジンバルブの最大バルブリフト量及び作用角を変更することができる。
特開2001−263015号公報
ところで、上記可変動弁機構をエンジンへ組み付けた際に、各バルブリフト機構における入力ギアと出力ギアとの相対位相差が規定の大きさに設定されていない場合、例えば、各シリンダに吸入される空気量のばらつきをまねくようになる。
そこで、可変動弁機構の組み付けに際しては、支持壁とバルブリフト機構との間隙に間隙調整板(シムまたはスペーサー)を配置して同間隙の大きさを変更することで、各バルブリフト機構の上記相対位相差が要求される大きさ(要求値)となるように調整する。即ち、上記相対位相差が要求値となるまで、次の(1)及び(2)の作業が繰り返して行われる。
(1)厚さの異なる複数の間隙調整板から適当な部材を選択して上記間隙に取り付ける。
(2)相対位相差が要求値となっているか確認する。
このように、従来の可変動弁機構の組み付け作業においては、相対位相差(バルブリフト機構と支持壁との間隙の大きさ)が要求値となるまで間隙調整板の選択及び取り付けを繰り返す必要があるため、作業効率の低下が避けられないものとなっている。
なお、こうした問題は、可変動弁機構付きエンジンに限られず、隣り合う部材の間隙を所要の大きさに設定すべく間隙調整板を組み付ける機械装置であれば同様に生じる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、間隙の調整にかかる作業効率を改善することのできる間隙調整板、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板、間隙調整方法、可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法、及び可変動弁機構付きエンジンを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
<請求項1>
請求項1に記載の発明は、隣り合う第1部材と第2部材との間に配置されて、これら第1部材と第2部材との間隙を自身の厚さに応じた大きさに維持する間隙調整板において、テーパ状のねじのねじ込み量に応じて厚さを変更することのできるねじ穴を設けたことを要旨としている。
<請求項2>
請求項2に記載の発明は、軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備えた可変動弁機構付きエンジンに適用されるとともに、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙に配置されて該間隙を自身の厚さに応じた大きさに維持する可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板において、テーパ状のねじのねじ込み量に応じて厚さを変更することのできるねじ穴を設けたことを要旨としている。
<請求項3>
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板において、前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、前記間隙調整板は、前記ねじのねじ込み量に応じた自身の厚さの変更を通じて、前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更するものであることを要旨としている。
<請求項4>
請求項4に記載の発明は、軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備え、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙に間隙調整板を配置して該間隙を所要の大きさに設定した可変動弁機構付きエンジンにおいて、前記コントロールシャフトの軸方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴にテーパ状のねじをねじ込むことで該間隙調整板の厚さを変更し、該厚さの変更を通じて前記間隙を前記所要の大きさに設定したことを要旨としている。
<請求項5>
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の可変動弁機構付きエンジンにおいて、前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、前記間隙調整板は、前記ねじのねじ込み量に応じた自身の厚さの変更を通じて、前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更するものであることを要旨としている。
請求項1〜5に記載の発明によれば、ねじのねじ込み量を変更することで間隙調整板の厚さを変更することができるため、複数の間隙調整板から適当な厚さの間隙調整板を選択する工程、及び選択した間隙調整板を取り付ける工程を繰り返して行う必要がなくなる。これにより、間隙の調整にかかる作業効率を改善することができるようになる。
<請求項6>
請求項6に記載の発明は、隣り合う第1部材と第2部材との間隙を所要の大きさに維持すべく該間隙に前記所要の大きさに応じた厚さの間隙調整板を配置する間隙調整方法において、厚さ方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴へテーパ状のねじをねじ込むとともに該ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記間隙を前記所要の大きさに設定することを要旨としている。
<請求項7>
請求項7に記載の発明は、軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備え、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙を所要の大きさに維持すべく該間隙に前記所要の大きさに応じた厚さの間隙調整板を配置する可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法において、厚さ方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴へテーパ状のねじをねじ込むとともに該ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記間隙を前記所要の大きさに設定することを要旨としている。
<請求項8>
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法において、前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、当該間隙調整方法は、前記ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更し、該相対位置の変更を通じて前記間隙を所要の大きさに設定するものであることを要旨としている。
請求項6〜8に記載の発明によれば、複数の間隙調整板から適当な厚さの間隙調整板を選択する工程、及び選択した間隙調整板を取り付ける工程を繰り返して行う必要がなくなるため、間隙の調整にかかる作業効率を改善することができるようになる。
本発明の実施形態について、図1〜図17を参照して説明する。
本実施形態では、吸気バルブの最大バルブリフト量を変更する可変動弁機構を備えたエンジンに対して本発明を適用している。
<エンジンの構造>
図1に、エンジンの平面構造を示す。
エンジン1は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12を備えて構成される。
シリンダブロック11には、複数のシリンダ13が設けられている。
シリンダヘッド12には、シリンダ13の吸気ポートを開閉する吸気バルブ21がシリンダ13毎に設けられている。また、シリンダ13の排気ポートを開閉する排気バルブ22がシリンダ13毎に設けられている。
各シリンダ13において、吸気バルブ21の近傍には、吸気カムシャフト23が設けられている。吸気カムシャフト23には、各シリンダ13と対応する位置に吸気カム25が設けられている。
吸気カムシャフト23は、複数の吸気カムシャフト支持壁31を通じて、回転可能な状態で支持されている。
各シリンダ13において、排気バルブ22の近傍には、排気カムシャフト24が設けられている。排気カムシャフト24には、各シリンダ13と対応する位置に排気カム26が設けられている。
排気カムシャフト24は、複数の排気カムシャフト支持壁32を通じて、回転可能な状態で支持されている。
吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、タイミングチェーン14を介してクランクシャフトに駆動連結されている。
エンジン1において、吸気カムシャフト23の近傍には、各吸気バルブ21の最大バルブリフト量及びバルブ作用角(開弁期間)を連続的に変更する可変動弁機構5が備えられている。
可変動弁機構5には、吸気カムシャフト23のトルクを通じて吸気バルブ21をリフトさせるバルブリフト機構5Aが複数設けられている。バルブリフト機構5Aは、隣り合うロッカシャフト支持壁33の間に配置されている。
<可変動弁機構の全体構造>
図2に、可変動弁機構5の斜視構造を示す。
可変動弁機構5は、動弁機構本体51とアクチュエータ52とを備えて構成されている。動弁機構本体51は、ロッカシャフト53、コントロールシャフト54及びバルブリフト機構5Aを備えて構成されている。
ロッカシャフト53は、シリンダヘッド12においてシリンダ配列方向(矢印FR方向)へ延びるように配置されている。即ち、吸気カムシャフト23と平行に配置されている。また、回転及び軸方向への移動ができないようにロッカシャフト支持壁33を通じて固定されている。なお、矢印Fはアクチュエータ52から離れる方向を、矢印Rはアクチュエータ52に近づく方向をそれぞれ示す。
ロッカシャフト53内には、軸方向へ移動することのできる状態でコントロールシャフト54が配設されている。また、ロッカシャフト53上には、各シリンダ13と対応する位置にバルブリフト機構5Aが設けられている。即ち、全てのバルブリフト機構5Aは、共通する1本のロッカシャフト53により支持されている。
コントロールシャフト54は、アクチュエータ52と駆動連結されている。
アクチュエータ52は、エンジン1を統括的に制御する電子制御装置を通じて駆動される。
電子制御装置は、アクチュエータ52の制御を通じてコントロールシャフト54を軸方向へ変位させることにより、吸気バルブ21の最大バルブリフト量及び作用角の変更を行う。コントロールシャフト54が矢印F方向へ向けて変位された場合、吸気バルブ21の最大バルブリフト量は大きくなる方向へ変更される。反対に、コントロールシャフト54がエンジン1の矢印R方向へ向けて変位された場合、吸気バルブ21の最大バルブリフト量は小さくなる方向へ変更される。なお、コントロールシャフト54の移動方向と最大バルブリフト量の変化方向との関係は、上記関係と反対に設定することもできる。
<動弁機構本体の構造>
図3に、動弁機構本体51の分解斜視構造を示す。
図4に、スライダギア6の斜視構造を示す。
図5に、軸方向に沿ったスライダギア6の断面構造を示す。
バルブリフト機構5Aは、スライダギア6、入力ギア7、第1出力ギア8、及び第2出力ギア9を備えて構成されている。
スライダギア6は、ロッカシャフト53上に設けられている。また、ロッカシャフト53上において、コントロールシャフト54と連動して軸方向へ移動することができるように設けられている。
スライダギア6と入力ギア7及び各出力ギア8,9とは、ヘリカルスプラインを通じて噛み合わされている。また、入力ギア7及び各出力ギア8,9は、これらギア7,8,9の間に位置する側面が同軸上において接触した状態でそれぞれスライダギア6に組み付けられている。
〔1〕「スライダギアの構造」
スライダギア6には、スライダギア入力スプライン61、スライダギア第1出力スプライン62及びスライダギア第2出力スプライン63が設けられている。
スライダギア入力スプライン61は、スライダギア6の軸方向中央に設けられている。また、入力ギア7のヘリカルスプライン(入力ギアスプライン71)と噛み合うように形成されている。
スライダギア第1出力スプライン62は、スライダギア入力スプライン61の端部のうち、アクチュエータ52側の端部に設けられている。また、第1出力ギア8のヘリカルスプライン(第1出力ギアスプライン81)と噛み合うように形成されている。なお、スライダギア入力スプライン61とスライダギア第1出力スプライン62とは、歯すじの傾斜方向が反対となるように形成されている。
スライダギア第2出力スプライン63は、スライダギア入力スプライン61の端部のうち、アクチュエータ52とは反対側の端部に設けられている。また、第2出力ギア9のヘリカルスプライン(第2出力ギアスプライン91)と噛み合うように形成されている。なお、スライダギア入力スプライン61とスライダギア第2出力スプライン63とは、歯すじの傾斜方向が反対となるように形成されている。
スライダギア第1出力スプライン62及びスライダギア第2出力スプライン63は、同じ外径に設定されている。また、スライダギア入力スプライン61の溝部分よりも外径が小さく設定されている。
スライダギア6の内部には、軸方向へ延びる貫通孔64が形成されている。また、スライダギア入力スプライン61の中心軸側となる位置には、周方向へ延びる周溝65が形成されている。これら貫通孔64と周溝65とは連続して形成されている。
スライダギア入力スプライン61には、同スプライン61の外部から周溝65までを貫通するピン挿入孔66が形成されている。ピン挿入孔66には、コントロールシャフト54と連動してスライダギア6を軸方向へ移動させるためのコントロールピン67が挿入される。
〔2〕「入力ギアの構造」
入力ギア7は、その本体となる入力ギアハウジング72を備えて構成されている。
入力ギアハウジング72の内部には、ロッカシャフト53の軸方向へ延びた空間が形成されている。また、入力ギアハウジング72の内周側には、スライダギア6のスライダギア入力スプライン61と噛み合うヘリカルスプライン(入力ギアスプライン71)が形成されている。
入力ギアハウジング72の外周側には、吸気カムシャフト23と接触する入力アーム73が設けられている。入力アーム73は、一対の支持アーム73L,73R、シャフト73A及びローラ73Bを備えて構成されている。
入力アーム73を構成する上記各要素は、次のように構成されている。
・支持アーム73L,73Rは、入力ギアハウジング72の外周側から径方向へ突出して形成されている。また、互いに平行となるように形成されている。
・シャフト73Aは、ロッカシャフト53の軸方向と平行となるように支持アーム73Lと支持アーム73Rとの間に設けられている。
・ローラ73Bは、シャフト73Aに回転可能な状態で取り付けられている。
〔3〕「第1出力ギアの構造」
第1出力ギア8は、その本体となる第1出力ギアハウジング82を備えて構成されている。
第1出力ギアハウジング82の内部には、ロッカシャフト53の軸方向に延びた空間が形成されている。また、第1出力ギアハウジング82の内周側には、スライダギア6のスライダギア第1出力スプライン62と噛み合うヘリカルスプライン(第1出力ギアスプライン81)が形成されている。なお、第1出力ギアスプライン81の歯すじの傾斜方向は、入力ギアスプライン71の歯すじの傾斜方向と反対に形成されている。
第1出力ギアハウジング82のベース円部分(ベース部82A)の外周側には、径方向へ突出した第1出力アーム83が形成されている。この第1出力アーム83の一辺には、凹状に湾曲したカム面83Aが設けられている。
〔4〕「第2出力ギアの構造」
第2出力ギア9は、その本体となる第2出力ギアハウジング92を備えて構成されている。
第2出力ギアハウジング92の内部には、ロッカシャフト53の軸方向に延びた空間が形成されている。また、第2出力ギアハウジング92の内周側には、スライダギア6のスライダギア第2出力スプライン63と噛み合うヘリカルスプライン(第2出力ギアスプライン91)が形成されている。なお、第2出力ギアスプライン91の歯すじの傾斜方向は、入力ギアスプライン71の歯すじの傾斜方向と反対に形成されている。
第2出力ギアハウジング92のベース円部分(ベース部92A)の外周側には、径方向へ突出した第2出力アーム93が形成されている。この第2出力アーム93の一辺には、凹状に湾曲したカム面93Aが設けられている。
<ロッカシャフト及びコントロールシャフトの構造>
図6に、ロッカシャフト53及びコントロールシャフト54の斜視構造を示す。
ロッカシャフト53において、各バルブリフト機構5Aと対応する位置には、軸方向へ延びる長孔53Aが形成されている。長孔53Aは、ロッカシャフト53の外周面(ロッカシャフト外周面53B)から内部空間までを連通する。
コントロールシャフト54において、ロッカシャフト53の長孔53Aと対応する位置には、中心軸に対して略垂直な方向へ延びる挿通穴54Aが形成されている。
ロッカシャフト53とコントロールシャフト54とは、次のように組み付けられる。
コントロールシャフト54は、軸方向へ摺動可能な状態でロッカシャフト53の内部空間に配置される。また、ロッカシャフト53の外周側においてスライダギア6の周溝65と対応する位置にブッシュ68が配置される。ブッシュ68には、コントロールシャフト54の中心軸に対して略垂直な方向へ延びる貫通孔68Aが形成されている。
そして、コントロールピン67の一端が、ブッシュ68の貫通孔68A及びロッカシャフト53の長孔53Aを通過してコントロールシャフト54の挿通穴54Aにはめ込まれる。
コントロールピン67の軸方向の長さは次のように設定されている。即ち、ロッカシャフト53上にスライダギア6を組み付けてコントロールピン67をコントロールシャフト54へ固定した際に、コントロールピン67の先端部(コントロールシャフト54に固定された端部とは反対側の端部)が周溝65内へ配置される大きさに設定されている。
ブッシュ68におけるコントロールシャフト54の軸方向と対応した長さは、次のように設定されている。即ち、スライダギア6の周溝65の幅と略同じ大きさに設定されている。これにより、コントロールシャフト54とスライダギア6とにおける軸方向の相対位置が固定される。
<可変動弁機構の組み付け態様>
図7を参照して、可変動弁機構5を構成する各部材の組み付け態様について説明する。
〔1〕「各シャフトとスライダギアとの組み付け態様」
・コントロールシャフト54が軸方向へ摺動可能な状態でロッカシャフト53の内部空間に配置される。
・スライダギア6の周溝65にブッシュ68が配置される。
・コントロールシャフト54及びロッカシャフト53が、スライダギア6の貫通孔64内に配置される。
・コントロールピン67の一方の端部がスライダギア6のピン挿入孔66、ブッシュ68の貫通孔68A、及びロッカシャフト53の長孔53Aを介してコントロールシャフト54の挿通穴54Aに固定される。
〔2〕「スライダギアと各ギアとの組み付け態様」
入力ギア7、第1出力ギア8及び第2出力ギア9は、スライダギア6に対して次のように組み付けられる。即ち、入力ギア7、第1出力ギア8及び第2出力ギア9は、それぞれのギアに設けられたアーム(入力アーム73、第1出力アーム83、第2出力アーム93)が周方向の位置が予め定められた位置と一致するようにスライダギア6へ組み付けられる。なお、予め定められた位置は、最大バルブリフト量を要求通りに変更することが可能となる各アームの周方向位置を示す。
<スライダギアの動作態様>
図8を参照して、スライダギア6の動作態様について説明する。なお、同図は、バルブリフト機構5Aの部分破断斜視構造を示す。
(a)可変動弁機構5においては、コントロールピン67の一方の端部がコントロールシャフト54に固定されるとともに、他方の端部がスライダギア6の周溝65に配置されている。また、ブッシュ68を通じてコントロールシャフト54とスライダギア6との軸方向の相対位置が固定されている。これにより、スライダギア6がコントロールシャフト54と連動して軸方向へ移動する。即ち、コントロールシャフト54が軸方向へ移動したとき、その移動量と同じ量だけスライダギア6が軸方向へ移動する。
(b)可変動弁機構5においては、スライダギア6の周溝65内にコントロールピン67が配置されているため、吸気カムシャフト23のトルクが入力ギア7へ伝達された際、スライダギア6がロッカシャフト53を軸として揺動する。
<最大バルブリフト量の変更態様>
可変動弁機構5においては、コントロールシャフト54とともにスライダギア6を軸方向へ移動させて、スライダギア6と入力ギア7及び各出力ギア8,9との軸方向の相対位置を変更することにより、入力ギア7と各出力ギア8,9とに対して互いに逆方向のねじり力が付与される。
これにより、入力ギア7と各出力ギア8,9とが相対回転し、入力ギア7(入力アーム73)と各出力ギア8,9(各出力アーム83,93)との相対位相差が変更される。なお、可変動弁機構5においては、共通する1本のコントロールシャフト54に全てのスライダギア6が固定されているため、コントロールシャフト54の移動にともない全ての吸気バルブ21の最大バルブリフト量が同時に変更される。
エンジン1においては、入力アーム73と各出力アーム83,93との相対位相差を変更することによって、吸気バルブ21の最大バルブリフト量を変更することができる。
最大バルブリフト量は、コントロールシャフト54の移動を通じて次のように変化する。
(a)上記相対位相差が最も小さいとき、即ち周方向において入力アーム73と各出力アーム83,93とが最も接近した状態にあるとき、吸気バルブ21の最大バルブリフト量は最も小さくなる。
(b)上記相対位相差が最も大きいとき、即ち周方向において入力アーム73と各出力アーム83,93とが最も離れた状態にあるとき、吸気バルブ21の最大バルブリフト量は最も大きくなる。
<エンジンのバルブリフト構造>
図9に、図1のD1−D1線に沿ったエンジン1の断面構造を示す。
シリンダヘッド12においては、吸気カムシャフト23の近傍に可変動弁機構5が配置されている。また、可変動弁機構5と吸気バルブ21との間には、ローラロッカーアーム41(バルブ駆動装置)が設けられている。
ローラロッカーアーム41の一端は、シリンダヘッド12に固定されたラッシュアジャスタ42に支持されている。ローラロッカーアーム41のもう一端は、吸気バルブ21上端のステムキャップ43に当接されている。
ローラロッカーアーム41のステムキャップ43側の端部(ステムキャップ側端部41A)は、吸気バルブ21の弁ばね44によって可変動弁機構5側へ付勢されている。これにより、ローラロッカーアーム41のローラ41Bは、常にバルブリフト機構5Aと当接した状態に維持される。
入力ギア7のローラ73Bは、シリンダヘッド12に圧縮状態で配置されたばね45によって、吸気カムシャフト23側へ付勢されている。これにより、入力ギア7のローラ73Bは、常に吸気カムシャフト23の吸気カム25と当接した状態に維持される。
各出力ギア8,9は、ハウジング82,92のベース円部分(ベース部82A,92A)及び出力アーム83,93のカム面83A,93Aのいずれかが常にローラロッカーアーム41のローラ41Bと当接した状態にある。
エンジン1においては、吸気カムシャフト23の回転にともなって入力ギア7が押される。このとき、吸気カムシャフト23のトルクが入力ギア7及びスライダギア6を介して各出力ギア8,9へ伝達されることにより各出力ギア8,9が揺動する。そして、各出力ギア8,9の揺動を通じて対応するローラロッカーアーム41が押されるため、これにともなって吸気バルブ21が開弁方向へリフトされる。
<バルブリフト機構の取り付け構造>
図10に、図1のA部の拡大構造を示す。
図11に、図10のV1方向からみたバルブリフト機構5A周辺の構造を示す。
エンジン1においては、第1出力ギア8の第1出力ギアハウジング82とロッカシャフト支持壁33とが隣り合って配置されている。また、第2出力ギア9の第2出力ギアハウジング92とロッカシャフト支持壁33とが隣り合って配置されている。なお、本実施形態においては、第1出力ギアハウジング82及び第2出力ギアハウジング92が第1部材に相当する。また、ロッカシャフト支持壁33が第2部材に相当する。
第1出力ギアハウジング82とロッカシャフト支持壁33との間、及び第2出力ギアハウジング92とロッカシャフト支持壁33との間には、調整プレートPが配置されている。第1出力ギア8、第2出力ギア9及び入力ギア7は、この調整プレートPを通じて軸方向の位置が固定されている。
第1出力ギアハウジング82とロッカシャフト支持壁33との軸方向の間隙(第1ハウジング側間隙G1)の大きさ、及び第2出力ギアハウジング92とロッカシャフト支持壁33との軸方向の間隙(第2ハウジング側間隙G2)の大きさは、調整プレートPを通じてそれぞれ一定の大きさに維持されている。なお、先の図9においては、調整プレートPを省略した状態の断面構造を示したが、実際には図10に示すように調整プレートPが配置されている。
図10において、第1ハウジング側間隙G1の大きさは、互いに対向する第1出力ギアハウジング82の側面とロッカシャフト支持壁33の側面との軸方向の間隔(第1ハウジング側間隙長さLG1)に相当する。また、第2ハウジング側間隙G2の大きさは、互いに対向する第2出力ギアハウジング92の側面とロッカシャフト支持壁33の側面との軸方向の間隔(第2ハウジング側間隙長さLG2)に相当する。
<調整プレートの構造>
図12に、調整プレートPの斜視構造を示す。
図13に、図12のV2方向からみた調整プレートPの平面構造を示す。
図14に、図12のV3方向からみた調整プレートPの正面構造を示す。
図15に、図14のD14−D14線に沿った調整プレートPの断面構造を示す。
調整プレートPについて、次のように「厚さ方向」「長さ方向」及び「幅方向」を規定する。
・上記各図中の矢印X方向、即ちコントロールシャフト54の軸に沿う方向を調整プレートPの厚さ方向とする。
・上記各図中の矢印Y方向、即ちコントロールシャフト54の軸に直交するとともにシリンダ13の軸に沿う方向を調整プレートPの長さ方向とする。
・上記各図中の矢印Z方向、即ちコントロールシャフト54の軸に直交するとともにシリンダ13の軸に直交する方向を調整プレートPの幅方向とする。
調整プレートPには、ロッカシャフト53の形状と対応した円弧状のシャフト取付部P1が形成されている。調整プレートPは、シャフト取付部P1がロッカシャフト53の外周面と接触した状態で、第1出力ギアハウジング82または第2出力ギアハウジング92とロッカシャフト支持壁33との間隙に配置される。
調整プレートPには、一対のねじ穴P2が設けられている。調整プレートPにおいては、各ねじ穴P2へテーパ状のねじをねじ込むとともに、そのねじ込み量を変更することで調整プレートPの厚さ(プレート厚さLP)を変更することができる。
各ねじ穴P2は、調整プレートPの中心軸PCを基準として、線対称となる位置に形成されている。また、長さ方向(厚さ方向と直交する方向)へ延びる態様で形成されている。
各ねじ穴P2は、調整プレートPの幅方向において、シャフト取付部P1が形成された位置と異なる位置に形成されている。即ち、調整プレートPの幅方向において、調整プレートPの側面近傍に形成されている。
ねじ穴P2は、開口部P3から中間部までにわたって形成された雌ねじP4と中間部から先端部P5までにわたって形成された挿入穴P6とから構成されている。雌ねじP4及び挿入穴P6の径はそれぞれ一定の大きさに設定されている。
<調整プレートの厚さの変更>
図16を参照して、調整プレートPの厚さの変更態様について説明する。
図16(a)は、ねじ穴P2にテーパ状のねじP7が挿入されていない状態の調整プレートPの側面構造を示す。
図16(b)は、ねじ穴P2にテーパ状のねじP7が挿入された状態の調整プレートPの側面構造を示す。
テーパ状のねじP7が各ねじ穴P2にねじ込まれていないとき、即ちねじP7のねじ込み量が「0」のとき、プレート厚さLPは最も小さい厚さ(最小プレート厚さLmin)に設定される。調整プレートPが第1ハウジング側間隙G1または第2ハウジング側間隙G2に配置された状態で、プレート厚さLPが最小プレート厚さLminに設定されたとき、第1ハウジング側間隙長さLG1または第2ハウジング側間隙長さLG2は、最小プレート厚さLminに維持される。
テーパ状のねじP7が各ねじ穴P2に全てねじ込まれているとき、即ちねじP7のねじ込み量が最大のとき、プレート厚さLPは最も大きい厚さ(最大プレート厚さLmax)に設定される。調整プレートPが第1ハウジング側間隙G1または第2ハウジング側間隙G2に配置された状態で、プレート厚さLPが最大プレート厚さLmaxに設定されたとき、第1ハウジング側間隙長さLG1または第2ハウジング側間隙長さLG2は、最大プレート厚さLmaxに維持される。
このように、本実施形態の可変動弁機構5では、第1ハウジング側間隙長さLG1及び第2ハウジング側間隙長さLG2を、テーパ状のねじP7のねじ込み量に応じて最小プレート厚さLminから最大プレート厚さLmaxまでの間で変更することが可能となっている。
<調整プレートによる相対位相差の調整>
本実施形態では、エンジン1に可変動弁機構5を組み付ける際に、各第1ハウジング側間隙長さLG1及び第2ハウジング側間隙長さLG2を変更することで、各バルブリフト機構5Aの入力アーム73と出力アーム83,93との相対位相差を次のように調整することができる。なお、以降では、同相対位相差をアーム位相差THとして示す。
まず、調整プレートPを第1ハウジング側間隙G1または第2ハウジング側間隙G2に配置する(ここでは第1ハウジング側間隙G1に配置した場合を想定する)。このとき、ロッカシャフト53の軸と直交する調整プレートPの一方の側面と第1出力ギアハウジング82とが接触した状態となる。また、ロッカシャフト53の軸と直交する調整プレートPの他方の側面とロッカシャフト支持壁33とが接触した状態となる。
そして、コントロールシャフト54(スライダギア6)の軸方向位置が固定された状態で各ねじ穴P2にねじP7をねじ込むことにより、プレート厚さLPの変更にともなって各ギア7,8,9が軸方向(第1ハウジング側間隙長さLG1が大きくなる方向)へ移動する。即ち、スライダギア6に対する各ギア7,8,9の軸方向の相対位置が変更される。このとき、入力ギア7と出力ギア8,9とに対して互いに逆方向のねじり力が作用するため、アーム位相差THが変更される。
アーム位相差THは、各ギア7,8,9の軸方向の移動量、即ち第1ハウジング側間隙長さLG1の変化量に応じて変化する。従って、可変動弁機構5においては、プレート厚さLP(ねじP7のねじ込み量)の変更を通じて第1ハウジング側間隙長さLG1を調整することで、アーム位相差THを所要の大きさに設定することができる。
なお、第1ハウジング側間隙長さLG1の調整を通じてアーム位相差THが所要の大きさに設定された後、第2ハウジング側間隙G2に別の調整プレートPが配置される。そして、第1ハウジング側間隙G1に配置された調整プレートPと第2ハウジング側間隙G2に配置された調整プレートPとを通じて、バルブリフト機構5A(入力ギア7及び各出力ギア8,9)の軸方向の位置が固定されるまで第2ハウジング側間隙G2の調整プレートPの厚さが調整される。
<入力アームと出力アームとの相対位相差の調整手順>
可変動弁機構5においては、各シリンダ13に吸入される空気量のばらつき等を抑制するため、組み付けに際して各バルブリフト機構5Aのアーム位相差THをそれぞれ要求される大きさ(位相差要求値THrq)に設定する必要がある。
図17を参照して、エンジン1への可変動弁機構5の組み付け時における各バルブリフト機構5Aのアーム位相差THの調整手順について説明する。ここでは、各バルブリフト機構5Aの位相差要求値THrqが同じ大きさの場合について説明する。ちなみに、位相差要求値THrqは、エンジン1や可変動弁機構5の構成によってバルブリフト機構5A毎に異なる大きさとなることもある。
[ステップS10]可変動弁機構5をシリンダヘッド12に組み付ける。
[ステップS20]各バルブリフト機構5Aにおいて、第1ハウジング側間隙G1に調整プレートPを配置する。なお、このステップにおいて第2ハウジング側間隙G2に調整プレートPを配置することもできる。
[ステップS30]各バルブリフト機構5Aの現在のアーム位相差THを測定する。
[ステップS40]位相差要求値THrqと各バルブリフト機構5Aの現在のアーム位相差THとの差に基づいて、現在のアーム位相差THを位相差要求値THrqとするために必要となる第1ハウジング側間隙長さLG1(要求間隙長さLGrq)を把握する。
[ステップS50]各バルブリフト機構5Aにおいて、調整プレートPのねじ穴P2にテーパ状のねじP7をねじ込むとともに、同ねじP7のねじ込み量の変更を通じて第1ハウジング側間隙長さLG1を要求間隙長さLGrqに設定する。なお、この作業では、各ねじ穴P2にねじ込まれたねじP7について、そのねじ込み量が同じ量だけ変更される。
[ステップS60]各バルブリフト機構5Aの現在のアーム位相差THが位相差要求値THrqとなっているか確認する。アーム位相差THが位相差要求値THrqとなっていない場合は、アーム位相差THが位相差要求値THrqとなるまでステップS50及びS60の作業を繰り返して行う。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この実施形態にかかる可変動弁機構付きエンジンの間隙調整部材及び間隙調整方法によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第1ハウジング側間隙G1に調整プレートPを配置するとともに、ねじP7のねじ込み量の変更を通じてアーム位相差THを調整するようにしている。これにより、複数の間隙調整板(シムやスペーサー)から適当な厚さの間隙調整板を選択する工程、及び選択した間隙調整板を取り付ける工程を繰り返して行う必要がなくなる。従って、アーム位相差TH(第1ハウジング側間隙長さLG1)の調整にかかる作業効率を改善することができるようになる。
(2)また、厚さの異なる複数の間隙調整板(シムやスペーサー)を用意する必要がないため、コストの低減を図ることができるようになる。さらには、それら複数の間隙調整板の管理を行う必要がなくなるため、さらなる作業効率の改善が図られるようにもなる。
(3)本実施形態では、調整プレートPにおいて、中心軸PCを基準として線対称となる位置に一対のねじ穴P2を設けるとともに、調整プレートPの幅方向において調整プレートPの側面近傍に各ねじ穴P2を形成するようにしている。これにより、ねじP7のねじ込み量を変更した際に、プレート厚さLPを調整プレートPの全体にわたって均一に変化させることができるようになる。
<変更例>
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・可変動弁機構5の構成は、上記実施形態にて例示した構成に限られず適宜変更することができる。
・上記実施形態では、調整プレートPに一対のねじ穴P2を設ける構成としたが、ねじ穴P2の数は1つまたは3つ以上に設定することもできる。また、ねじ穴P2の形成位置は、実施形態にて例示した位置に限られず適宜変更することができる。この場合、ねじ穴P2の形成位置は、プレート厚さLPを調整プレートPの全体にわたって均一に変化させることのできる位置に設定することが望ましい。
・上記実施形態では、可変動弁機構付きエンジンに適用される調整プレートとして本発明を具体化したが、本発明の適用対象は可変動弁機構付きエンジンに限られるものではない。要するに、隣り合う部材の一方または両方の移動を通じてこれら部材の間隙を所要の大きさに設定する必要のある機械装置について、そうした間隙を調整するための調整プレートとして本発明を具体化することもできる。
本発明にかかる可変動弁機構付きエンジンの間隙調整部材及び間隙調整方法を具体化した実施形態について、該可変動弁機構付きエンジンの平面構造を示す平面図。 同実施形態の可変動弁機構を構成する動弁機構本体及びアクチュエータについて、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構を構成するバルブリフト機構について、その分解斜視構造を示す分解斜視図。 同実施形態のバルブリフト機構を構成するスライダギアについて、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のバルブリフト機構を構成するスライダギアについて、軸方向に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁機構を構成するコントロールシャフト及びロッカシャフトについて、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、その分解斜視構造を示す分解斜視図。 同実施形態の可変動弁機構を構成するバルブリフト機構について、その内部構造を示す部分破断斜視図。 同実施形態の可変動弁機構付きエンジンについて、図1のD1−D1線に沿った断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁機構付きエンジンについて、図1のA部の拡大構造を示す平面図。 同実施形態の可変動弁機構について、図10のV1方向からみた正面構造を示す正面図。 同実施形態の可変動弁機構付きエンジンを構成する調整プレートについて、その斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の調整プレートについて、図12のV2方向からみた平面構造を示す平面図。 同実施形態の調整プレートについて、図12のV3方向からみた正面構造を示す正面図。 同実施形態の調整プレートについて、図14のD14−D14線に沿った断面構造を示す断面図。 (a)同実施形態の調整プレートについて、テーパ状のねじをねじ込む前の側面構造を示す側面図。(b)同実施形態の調整プレートについて、テーパ状のねじをねじ込んだ状態の側面構造を示す側面図。 同実施形態の可変動弁機構付きエンジンについて、相対位相差を調整するための手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…シリンダ、14…タイミングチェーン。
21…吸気バルブ、22…排気バルブ、23…吸気カムシャフト、24…排気カムシャフト、25…吸気カム、26…排気カム。
31…吸気カムシャフト支持壁、32…排気カムシャフト支持壁、33…ロッカシャフト支持壁。
41…ローラロッカーアーム、41A…ステムキャップ側端部、41B…ローラ、42…ラッシュアジャスタ、43…ステムキャップ、44…弁ばね、45…ばね。
5…可変動弁機構、5A…バルブリフト機構、51…動弁機構本体、52…アクチュエータ、53…ロッカシャフト、53A…長孔、53B…ロッカシャフト外周面、53C…内部空間、54…コントロールシャフト、54A…挿通穴。
6…スライダギア、61…スライダギア入力スプライン、62…スライダギア第1出力スプライン、63…スライダギア第2出力スプライン、64…貫通孔、65…周溝、66…ピン挿入孔、67…コントロールピン、68…長孔、69…ブッシュ、69A…貫通孔。
7…入力ギア、71…入力ギアスプライン、72…入力ギアハウジング、73…入力アーム、73A…シャフト、73B…ローラ、73L…支持アーム、73R…支持アーム。
8…第1出力ギア、81…第1出力ギアスプライン、82…第1出力ギアハウジング、82A…ベース部、82B…側壁、83…第1出力アーム、83A…カム面。
9…第2出力ギア、91…第2出力ギアスプライン、92…第2出力ギアハウジング、92A…ベース部、92B…側壁、93…第2出力アーム、93A…カム面。
G1…第1ハウジング側間隙、G2…第2ハウジング側間隙。
P…調整プレート、P1…シャフト取付部、P2…ねじ穴、P3…開口部、P4…雌ねじ、P5…先端部、P6…挿入穴、P7…ねじ。
PC…中心軸、LP…プレート厚さ、Lmin…最小プレート厚さ、Lmax…最大プレート厚さ、LG1…第1ハウジング側間隙長さ、LG2…第2ハウジング側間隙長さ、LGrq…要求間隙長さ、TH…アーム位相差、THrq…位相差要求値。

Claims (8)

  1. 隣り合う第1部材と第2部材との間に配置されて、これら第1部材と第2部材との間隙を自身の厚さに応じた大きさに維持する間隙調整板において、
    テーパ状のねじのねじ込み量に応じて厚さを変更することのできるねじ穴を設けた
    ことを特徴とする間隙調整板。
  2. 軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備えた可変動弁機構付きエンジンに適用されるとともに、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙に配置されて該間隙を自身の厚さに応じた大きさに維持する可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板において、
    テーパ状のねじのねじ込み量に応じて厚さを変更することのできるねじ穴を設けた
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板。
  3. 請求項2に記載の可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板において、
    前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、
    前記間隙調整板は、前記ねじのねじ込み量に応じた自身の厚さの変更を通じて、前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更するものである
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの間隙調整板。
  4. 軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備え、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙に間隙調整板を配置して該間隙を所要の大きさに設定した可変動弁機構付きエンジンにおいて、
    前記コントロールシャフトの軸方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴にテーパ状のねじをねじ込むことで該間隙調整板の厚さを変更し、該厚さの変更を通じて前記間隙を前記所要の大きさに設定した
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジン。
  5. 請求項4に記載の可変動弁機構付きエンジンにおいて、
    前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、
    前記間隙調整板は、前記ねじのねじ込み量に応じた自身の厚さの変更を通じて、前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更するものである
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジン。
  6. 隣り合う第1部材と第2部材との間隙を所要の大きさに維持すべく該間隙に前記所要の大きさに応じた厚さの間隙調整板を配置する間隙調整方法において、
    厚さ方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴へテーパ状のねじをねじ込むとともに該ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記間隙を前記所要の大きさに設定する
    ことを特徴とする間隙調整方法。
  7. 軸方向へ移動可能な状態で複数の支持壁を通じて支持されるコントロールシャフトと、該コントロールシャフト上に設けられてエンジンバルブのバルブ特性を変更する複数のバルブリフト機構とを備え、前記支持壁と前記バルブリフト機構との軸方向の間隙を所要の大きさに維持すべく該間隙に前記所要の大きさに応じた厚さの間隙調整板を配置する可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法において、
    厚さ方向と略直交する方向へ延びるねじ穴が設けられた間隙調整板を前記間隙に配置し、前記ねじ穴へテーパ状のねじをねじ込むとともに該ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記間隙を前記所要の大きさに設定する
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法。
  8. 請求項7に記載の可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法において、
    前記バルブリフト機構は、外周側にヘリカルスプラインが形成されるとともに前記コントロールシャフトと連動して軸方向へ移動するスライダギアと、該スライダギアに噛み合わされるとともにカムシャフトのカムを通じて作動する入力ギアと、前記スライダギアに噛み合わされるとともに前記エンジンバルブのバルブ駆動装置を作動させる出力ギアとを備えて構成されるものであり、
    当該間隙調整方法は、前記ねじのねじ込み量に応じて前記間隙調整板の厚さを変更することで前記スライダギアに対する前記入力ギア及び前記出力ギアの軸方向の相対位置を変更し、該相対位置の変更を通じて前記間隙を所要の大きさに設定するものである
    ことを特徴とする可変動弁機構付きエンジンの間隙調整方法。
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