JP2007132212A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Yuji Yoshihara
裕二 吉原
Takao Yuasa
貴夫 湯浅
Hidekazu Hioka
英一 日岡
Yoshiaki Miyasato
佳明 宮里
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Abstract

【課題】機関バルブの開閉動作を休止させることができ、且つ、加工の手間を抑えるとともにコストを低く抑えることのできる内燃機関の可変動弁機構を提供する。
【解決手段】出力アーム18bとスライダ26とは、ストレート部62a及びヘリカル部62bとを備える溝62とピン61とを用いて連結される。そして、スライダ26の軸方向変位を通じてピン61が溝62のヘリカル部62bの長手方向端部に位置したとき、出力アーム18bに対応する吸気バルブの最大リフト量、及び同バルブを駆動する吸気カムの作用角が「0」となり、出力アーム18bに対応する吸気バルブの開閉動作が休止される。こうした吸気バルブの開閉動作の休止は、出力アーム18bをスライダ26に連結するための上記ピン61及び溝62を設けることで実現されるため、加工の手間を抑えることができるとともにコストを低く抑えることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構に係り、詳しくは同機構においてカムに押されて揺動する入力アームと機関バルブをリフトすべく揺動する出力アームとの揺動方向についての相対位置を変更する構造の改良に関するものである。
自動車用エンジン等の多気筒内燃機関においては、燃費改善等を意図して、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの開閉動作を休止させることにより、内燃機関の気筒稼働数を少なくしたり、一気筒における機関バルブの稼働数を少なくしたりすることが行われている。そして、上記機関バルブの開閉動作の休止については、機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を可変とする可変動弁機構、例えば特許文献1にみられるような可変動弁機構を利用することが考えられる。
こうした可変動弁機構は、回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき上記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる出力アームと、上記軸の軸方向に延びて両アームを貫通するとともに当該両アームに対し歯すじの傾斜方向の異なるヘリカルギヤによって連結される円筒状のスライダとを備えている。そして、スライダを上記軸の軸方向に変位させると、上記ギヤの作用によって入力アームと揺動アームとの揺動方向についての相対位置が変更され、上記最大リフト量及び作用角といったバルブ特性が変更される。
従って、最大リフト量及び作用角を最小としたとき、それらが「0」となるよう可変動弁機構のヘリカルギヤの傾斜角を設定すれば、同機構の駆動を通じて機関バルブの開閉動作を休止させることができるようになる。
特開2001−263015公報
ところで、上記可変動弁機構では、入力アーム及び出力アームとスライダとを連結するため、それらアームとスライダとに歯すじの傾斜方向の異なるヘリカルギヤを形成しなければならない。従って、こうしたヘリカルギヤを形成するための加工に手間がかかるとともに、その加工のためのコストが高くなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、機関バルブの開閉動作を休止させることができ、且つ、加工の手間を抑えるとともにコストを低く抑えることのできる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる出力アームと、前記入力アーム及び前記出力アームに連結されるスライダとを備え、前記スライダを軸方向に変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの揺動方向についての相対位置を変更する内燃機関の可変動弁機構において、前記入力アームと前記出力アームとのうち、少なくとも一方のアームは、前記スライダに対し前記軸の径方向に突出するピン及び同ピンが挿入される溝を用いて連結され、前記溝は、軸方向に延びるストレート部と同ストレート部から前記軸方向に対し傾斜して延びるヘリカル部とを備えていることを要旨とした。
上記構成によれば、スライダが軸方向に変位すると、入力アームと出力アームとの少なくとも一方をスライダに連結する溝及びピンについては、ピンと溝とが同溝の延びる方向に相対移動する。このピンが溝のストレート部とヘリカル部との間で移動すると、入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。そして、ピンが溝のヘリカル部に位置したとき、入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンが上記ヘリカル部に位置するようスライダを変位させることにより機関バルブの開閉動作を休止させることができる。また、こうした機関バルブの開閉動作の休止は、入力アームと出力アームとの一方をスライダに連結するための溝及びピンを設けることによって実現されるため、その連結をヘリカルギヤにより実現させていた従来に比べて、加工の手間を抑えることができるとともにコストを低く抑えることができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記入力アームと前記出力アームとのうち、一方のアームは前記スライダに対し前記軸の径方向に突出するピン及び同ピンが挿入される溝を用いて連結され、他方のアームは前記スライダに対し軸方向にのみ相対移動可能に連結されていることを要旨とした。
上記構成によれば、スライダが軸方向に変位すると、入力アームと出力アームとの一方をスライダに連結する溝及びピンについては、ピンと溝とが同溝の延びる方向に相対移動する。そして、ピンが溝のストレート部に位置しているときには入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置に変化はなく、ピンが溝のヘリカル部に位置するようになると入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、ピンが溝のヘリカル部に位置したとき、入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定することにより、機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝は前記ストレート部と前記ヘリカル部との両方を備えるものとし、他の溝は前記ストレート部のみを備えるものとした。
上記構成によれば、スライダが軸方向に変位すると、一気筒における複数の出力アームとスライダとの間において各々ピンと溝との相対移動が行われる。
上記複数の出力アームに対応した各溝のうち、全ての溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態、あるいは一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態に変化すると、ピンがヘリカル部に位置している溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。
従って、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態、あるいは一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態になったとき、ピンがヘリカル部に位置している溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、同出力アームに対応する機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、一つの気筒に設けられた複数の機関バルブのうち一部の機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
請求項4記載の発明では、請求項1又は2前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝のストレート部の軸方向長さは他の溝のストレート部の軸方向長さと異なっていることを要旨とした。
上記構成によれば、スライダが軸方向に変位すると、一気筒における複数の出力アームとスライダとの間において各々ピンと溝との相対移動が行われる。
上記複数の出力アームに対応した各溝のうち、全ての溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態、あるいは一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態に変化すると、ピンがヘリカル部に位置している溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。
従って、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態、あるいは一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態になったとき、ピンがヘリカル部に位置している溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、同出力アームに対応する機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、一つの気筒に設けられた複数の機関バルブのうち一部の機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
また、上記複数の出力アームに対応した各溝のうち、全ての溝のヘリカル部にピンが位置した状態になったときの各出力アームと入力アームとの相対位置が機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記ヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、一つの気筒に設けられた複数の機関バルブ全ての開閉動作を休止させることができる。
請求項5記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝と他の溝とでは、前記ストレート部と前記ヘリカル部とが前記軸の直交軸を中心とする対称形状となっており、前記一部の溝と前記他の溝との軸方向位置については、それら溝のストレート部であって同溝の軸方向中央部分に前記ピンが同時に位置するように設定されていることを要旨とした。
上記構成によれば、スライダが軸方向に変位すると、一気筒における複数の出力アームとスライダとの間において各々ピンと溝との相対移動が行われる。
上記複数の出力アームに対応した各溝のうち、全ての溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態になると、上記一部の溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、一部の溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の溝のストレート部にピンが位置した状態になったとき、上記一部の溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、同出力アームに対応する機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、上記一部の溝に対応する機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
また、上記複数の出力アームに対応した各溝のうち、全ての溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態に変化すると、上記他の溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、一部の溝のストレート部にピンが位置するとともに他の溝のヘリカル部にピンが位置した状態になったとき、上記他の溝に対応する出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、同出力アームに対応する機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するスライダを軸方向に変位させることにより、上記他の溝に対応する機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
以上のように、スライダの軸方向位置を同スライダの軸方向についての移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることで、開閉動作を休止させる機関バルブを、上記一部の溝に対応する機関バルブと上記他の溝に対応する機関バルブとの間で切り換えることができるようになる。
請求項6記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記内燃機関は複数の気筒を有する多気筒内燃機関であり、各気筒に対応するスライダは一体移動可能に互いに連結されており、各気筒のうち、一部の気筒における前記溝は前記ストレート部と前記ヘリカル部との両方を備えるものとし、他の気筒における前記溝は前記ストレート部のみを備えるものとした。
上記構成によれば、各気筒のスライダが軸方向に一体的に変位すると、各気筒において入力アームと出力アームとの一方をスライダに連結する溝及びピンについては、その溝に挿入されたピンと同溝との相対移動が行われる。そして、全ての気筒の溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の気筒における溝のストレート部にピンが位置した状態に変化すると、上記一部の気筒での入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、一部の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置したとき、その一部の気筒での出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記一部の気筒における溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、一部の気筒に設けられた機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
請求項7記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、 前記内燃機関は複数の気筒を有する多気筒内燃機関であり、各気筒に対応するスライダは一体移動可能に互いに連結されており、各気筒の前記溝のうち、一部の気筒の溝と他の気筒の溝とは、前記ストレート部と前記ヘリカル部とが前記軸の直交軸を中心とする対称形状となっており、前記一部の気筒の溝と前記他の気筒の溝との軸方向位置については、それら溝のストレート部であって同溝の軸方向中央部分に前記ピンが同時に位置するように設定されていることを要旨とした。
上記構成によれば、各気筒のスライダが軸方向に一体的に変位すると、各気筒において入力アームと出力アームとの一方をスライダに連結する溝及びピンについては、その溝に挿入されたピンと同溝との相対移動が行われる。
そして、全ての気筒の溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の気筒における溝のストレート部にピンが位置した状態に変化すると、上記一部の気筒での入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、一部の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置するとともに他の気筒における溝のストレート部にピンが位置した状態になったとき、上記一部の気筒での出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記一部の気筒における溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、上記一部の気筒に設けられた機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
また、全ての気筒の溝でストレート部にピンが位置した状態から、一部の気筒における溝のストレート部にピンが位置するとともに他の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置した状態になると、上記他の気筒での入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置が変化する。従って、一部の気筒における溝のストレート部にピンが位置するとともに他の気筒における溝のヘリカル部にピンが位置した状態になったとき、上記他の気筒での出力アームと入力アームとの揺動方向についての相対位置が、機関バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動するカムの作用角を「0」とする位置となるよう、上記他の気筒における溝のヘリカル部の長さ、傾斜角、及び傾斜方向を設定すれば、ピンと溝とが上述した位置関係を有するようスライダを軸方向に変位させることにより、上記一部の気筒に設けられた機関バルブの開閉動作を休止させることができる。
更に、互いに連結された各気筒のスライダの軸方向位置を同スライダの移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることにより、機関バルブの開閉動作を休止させる気筒を、上記一部の気筒と上記他の気筒との間で切り換えることができるようになる。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用の直列四気筒エンジンに適用した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1は、エンジン1の一番〜四番気筒のうちの所定気筒におけるシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が各々二つに分岐した状態で接続されている(図1には一方のみ図示)。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断されるようになる。なお、これら吸気バルブ9及び排気バルブ10はそれぞれ各気筒毎に二つずつ設けられている。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転するようになっている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作するようになっている。
また、エンジン1には、吸気バルブ9及び排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構として、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を可変とすることの可能なバルブリフト可変機構14が吸気カム11aと吸気バルブ9との間に設けられている。この実施形態では、こうしたバルブリフト可変機構14を利用して、一つの気筒に設けられた二つの吸気バルブ9のうちの一方の吸気バルブ9の開閉動作を休止するようにしている。すなわち、上記二つの吸気バルブ9のうち、一方の吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角のみを可変とするように、且つ、それら最大リフト量及び作用角の最小値を「0」とすることができるように、上記バルブリフト可変機構14を設定している。
次に、バルブリフト可変機構14の詳細な構造について説明する。
バルブリフト可変機構14は、回転する吸気カム11aにより押されて上記吸気カムシャフト11と平行に延びるロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18a,18bとを備えている。なお、入力アームは一つの気筒につき一つずつ設けられ、出力アームは吸気バルブ9に対応して一つの気筒につき二つずつ設けられている(図1には出力アーム18aのみ図示)。
上記入力アーム17については、ローラ19が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるようコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また、上記出力アーム18a,18bについては、その揺動時にロッカアーム21に押しつけられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせるものとなっている。このロッカアーム21の基端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、同ロッカアーム21の先端部は吸気バルブ9に接触している。また、ロッカアーム21は吸気バルブ9のバルブスプリング24によって出力アーム18a,18b側に付勢され、これによりロッカアーム21の基端部と先端部との間に回転可能に支持されたローラ23が出力アーム18a,18bに押しつけられている。
従って、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び出力アーム18a,18bが揺動すると、出力アーム18a,18bがロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われるようになる。そして、バルブリフト可変機構14では、一つの気筒において、入力アーム17と一方の出力アーム18aとの揺動方向についての相対位置を一定としつつ、入力アーム17と他方の出力アーム18bとの揺動方向についての相対位置を変更する。これにより、上記他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角が可変とされる。
すなわち、上記他方の出力アーム18bと入力アーム17とを揺動方向について互いに接近させることにより、他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角は小となる。逆に、他方の出力アーム18bと入力アーム17とを揺動方向について互いに離間させることにより、他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角は大となる。
次に、上記バルブリフト可変機構14のシリンダヘッド2への取り付け構造、及びバルブリフト可変機構14の内部構造について、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、シリンダヘッド2の上部に形成されたカムキャリア41を上方から見た平面図である。
このカムキャリア41には複数の立壁部45が各気筒に対応して互いに平行となるように設けられ、これら立壁部45の間には上記バルブリフト可変機構14が配設されている。バルブリフト可変機構14の駆動に用いられる上記ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、各バルブリフト可変機構14及び各立壁部45を貫通している。このコントロールシャフト16の基端部(図中の左端部)はスライドアクチュエータ47に連結されている。そして、バルブリフト可変機構14における入力アーム17と出力アーム18bとの揺動方向についての相対位置の変更は、スライドアクチュエータ47の駆動を通じて、コントロールシャフト16を軸方向に移動させることによって行われる。
図3は、バルブリフト可変機構14の内部構造を示す断面図である。
同図に示されるように、ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、シリンダヘッド2の立壁部45を貫通するとともに、二つの立壁部45に挟まれた状態にある各アーム17,18を貫通している。各アーム17,18のうち、入力アーム17は二つの出力アーム18a,18bによって挟まれた状態となっている。そして、入力アーム17は吸気カム11a(図1参照)に対応して位置し、二つの出力アーム18a,18bはそれぞれ二つの吸気バルブ9(図1参照)に対応して位置している。また、各アーム17,18a,18bの内側には、ロッカシャフト15の外周面に嵌め込まれた円筒状のスライダ26が設けられている。
上記ロッカシャフト15はパイプ状をなしており、同シャフト15の内部には上記コントロールシャフト16が挿入されている。このコントロールシャフト16には、同シャフト16とスライダ26とを連結するためのピン51が径方向に挿入されている。このようにコントロールシャフト16に挿入されたピン51は、同シャフト16の外周面から突出した状態となっている。また、ロッカシャフト15における上記ピン51に対応する位置には、軸線方向に延びるとともに同ピン51をロッカシャフト15の内周面側から外周面側に貫通させるための長穴33が形成されている。更に、スライダ26の内周面における上記ピン51に対応する位置には、周方向(図中の紙面と直交する方向)に延びてピン51の先端が挿入される溝34が形成されている。溝34内にはブッシュ35が設けられ、同ブッシュ35にはピン51の先端部分が挿入される挿入孔36が形成されている。そして、ピン51の先端部分をブッシュ35の挿入孔36に挿入することで、同ピン51がバルブリフト可変機構14(スライダ26)と係合されている。
従って、コントロールシャフト16が軸方向に移動すると、同シャフト16と一体移動するピン51の外周面がブッシュ35における挿入孔36の内周面に押しつけられ、更にブッシュ35の外側面が溝34の内側面に押しつけられ、スライダ26がコントロールシャフト16の軸方向に変位する。なお、こうしたコントロールシャフト16の軸方向移動は、同シャフト16のピン51とロッカシャフト15の長穴33との上記軸方向についての相対移動を通じて許容される。
コントロールシャフト16と共に上記軸方向に移動するスライダ26の外壁において、長手方向中央部には上記軸方向に延びるストレートスプライン27を有する入力ギヤ27aが設けられている。また、入力アーム17の内壁には上記軸方向に延びるストレートスプライン28を有する内歯ギヤ28aが形成されている。そして、入力アーム17の内歯ギヤ28aはスライダ26の入力ギヤ27aと噛み合わされている。従って、入力アーム17は、上記入力ギヤ27a及び内歯ギヤ28aにより、スライダ26に対し上記軸方向にのみ相対移動可能にされるとともに、周方向については上記スライダ26と一体的に揺動できるように連結される。なお、こうしたスライダ26の入力アーム17との一体的な揺動は、同スライダ26の溝34に嵌め込まれたブッシュ35と当該溝34との間の周方向についての相対移動によって許容される。
また、スライダ26と出力アーム18a,18bとは、ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の径方向に突出するピン61、及び、同ピン61が挿入されるとともにほぼ上記シャフト15,16の軸方向に沿って延びる溝62を用いて連結されている。この実施形態では、上記ピン61がスライダ26の外壁における長手方向両端部に設けられており、上記溝62が出力アーム18a,18bの内壁にコントロールシャフト16の軸方向とほぼ同方向に延びるように設けられている。従って、出力アーム18a,18bは、上記ピン61及び溝62により、スライダ26に対し上記軸方向に相対移動可能にされるとともに、周方向については上記スライダ26と一体的に揺動できるように連結される。
以上のように、入力アーム17及び出力アーム18a,18bをスライダ26に連結することで、吸気カム11aにより入力アーム17が押されて揺動すると、それに基づいてスライダ26及び出力アーム18a,18bが揺動し、更に揺動する出力アーム18a,18bに押されて吸気バルブ9がリフトするようになる。
次に、バルブリフト可変機構14において、一方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置を一定に保持しつつ、他方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置を変更する構造について、図4及び図5を参照して説明する。これら図4及び図5は、上記入力アーム17、出力アーム18a,18b、スライダ26、ロッカシャフト15、及びコントロールシャフト16を模式的に示した図である。
図4に示されるように、最大リフト量及び作用角を一定とする方の出力アーム18aに形成された溝62は、コントロールシャフト16の軸方向に延びるストレート部62aのみを備えている。また、最大リフト量及び作用角を可変とする方の出力アーム18bに形成された溝62は、コントロールシャフト16の軸方向に延びるストレート部62aと、同ストレート部62aの長手方向端部(図中右端部)に繋がるとともに、そこから上記軸方向に対し傾斜して延びるヘリカル部62bとを備えている。
そして、スライダ26が上記軸方向に変位すると、ピン61が溝62に対し同溝62の延びる方向に相対移動する。このとき、出力アーム18b側のピン61が溝62のストレート部62aに位置している間は、出力アーム18a側及び出力アーム18b側のピン61が共に溝62のストレート部62aに位置していることになり、入力アーム17と出力アーム18a,18bとの揺動方向についての相対位置に変化はない。従って、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9と出力アーム18bに対応する吸気バルブ9とが、それら出力アーム18a,18bに押されて共に開閉動作することとなる。
また、スライダ26の軸方向への変位を通じて、出力アーム18b側のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置したとき、出力アーム18a側のピン61は溝62のストレート部62aに位置した状態になる。この場合、一方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は変化せず、他方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置のみが変化する。
ピン61がヘリカル部62bに位置した状態にあっては、スライダ26が図4の矢印L方向(図中右方向)に変位し、同ピン61がヘリカル部62bにおけるストレート部62a側とは反対側の長手方向端部に近づくほど、出力アーム18bの入力アーム17に対する図5の矢印Rで示される周方向についての相対移動量Sが大きくなる。このヘリカル部62bについては、長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61がヘリカル部62bの上記長手方向端部に位置したとき、出力アーム18bと入力アーム17との相対位置が、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、上記ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bにおける上記長手方向端部に位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、一方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がないことから、その出力アーム18aに対応する吸気バルブ9は同出力アーム18aに押されて開閉動作する。一方、他方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作が休止される。また、こうした吸気バルブ9の開閉動作の休止は、出力アーム18a,18bをスライダ26に連結するためのピン61及び溝62を設けることで実現されるため、その連結をヘリカルギヤにより実現させていた従来に比べて、加工の手間が抑えられるとともにコストも低く抑えられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)出力アーム18bとスライダ26とがピン61及び溝62を用いて連結され、スライダ26の軸方向変位を通じてピン61が溝62のヘリカル部62bの長手方向端部に位置したとき、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角が「0」となるようヘリカル部62bが設定される。従って、スライダ26の軸方向変位を通じてピン61をヘリカル部62bの長手方向端部に位置させることで、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作を休止させることができる。また、こうした吸気バルブ9の開閉動作の休止は、出力アーム18bをスライダ26に連結するための上記ピン61及び溝62を設けることで実現されるため、その連結をヘリカルギヤにより実現させていた従来に比べて、加工の手間を抑えることができるとともにコストを低く抑えることができる。
(2)エンジン1においては、一つの気筒に一つの入力アーム17と、その入力アーム17に対応して二つの出力アーム18a,18bとが設けられ、それら入力アーム17及び出力アーム18a,18bの揺動を通じて一つの気筒に設けられた二つの吸気バルブ9を開閉動作させるている。そして、出力アーム18aとスライダ26との連結、及び出力アーム18bとスライダ26との連結は、それぞれピン61及び溝62を用いて行われている。更に、出力アーム18a側の溝62はストレート部62aのみを備えるものとされ、出力アーム18b側の溝62はストレート部62aとヘリカル部62bとの両方を備えるものとされている。従って、出力アーム18a側及び出力アーム18b側のピン61を共にストレート部62aに位置するよう、スライダ26を軸方向に変位させることで、出力アーム18a側の吸気バルブ9と出力アーム18b側の吸気バルブ9との両方を開閉動作させることができる。また、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bの長手方向端部に位置するよう、スライダ26を軸方向に変位させれば、出力アーム18b側の吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角が「0」となり、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作を休止させることができる。このとき、出力アーム18a側のピン61はストレート部62aに位置しており、吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角は変化しない。従って、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9を開閉動作させつつ、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作を休止させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図6〜図8に従って説明する。
この実施形態は、エンジン1の各気筒のうちのいずれかの気筒において、吸気バルブ9の開閉動作の休止を「なし」、「一つのみ」、及び「二つとも」のうちのいずれかに設定できるようにしたものである。なお、この実施形態では、エンジン1の一部の気筒のバルブリフト可変機構14において、その出力アーム18a,18bの溝62の形状が第1実施形態と異なっている。
図6に示されるように、上記バルブリフト可変機構14における出力アーム18a,18bにはそれぞれ、ストレート部62aとヘリカル部62bとを備える溝62が形成されている。ここで、出力アーム18a側の溝62と出力アーム18b側の溝62とではストレート部62aの長さが異なっている。より詳しくは、一方の出力アーム18aのストレート部62aの方が他方の出力アーム18aのストレート部62aよりも長くされている。また、他方の出力アーム18aのヘリカル部62bには、その両端部の中間にコントロールシャフト16の軸方向に延びる中間部62cが形成されている。
スライダ26が上記軸方向に変位すると、ピン61が溝62に対し同溝62の延びる方向に相対移動する。そして、出力アーム18a側及出力アーム18b側のピン61が共にストレート部62aに位置している間は、入力アーム17と出力アーム18a,bとの揺動方向についての相対位置に変化はない。従って、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9と出力アーム18bに対応する吸気バルブ9とが、それら出力アーム18a,18bに押されて共に開閉動作することとなる。
スライダ26を図6の状態から矢印L方向に変位させると、出力アーム18b側のストレート部62aが出力アーム18a側のストレート部62aよりも短いことから、出力アーム18a側のピン61が溝62のストレート部62aに位置するとともに、出力アーム18b側のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置した状態になる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、出力アーム18bが入力アーム17に対し図7の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図7に示されるように、出力アーム18a側のピン61がストレート部62aのヘリカル部62b側の端部に位置すると、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bの中間部62cに位置する。
すなわち、上述したピン61と溝62との位置関係が成立するよう、出力アーム18a側及び出力アーム18b側におけるストレート部62aの位置及び長さ、並びに出力アーム18b側におけるヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び中間部62cの位置などが設定されている。また、出力アーム18b側のヘリカル部62bにおいて、その長さ、傾斜角、傾斜方向、及び中間部62cの位置については、次のようにも設定されている。すなわち、ピン61が中間部62cに位置したとき、出力アーム18bと入力アーム17との相対位置が、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、同ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、傾斜方向、及び中間部62cの位置が設定されている。
従って、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bの中間部62cに位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、一方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がなく、その出力アーム18aに対応する吸気バルブ9は同出力アーム18aに押されて開閉動作する。一方、他方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作が休止される。
また、スライダ26を図7の状態から矢印L方向に変位させると、出力アーム18a側及び出力アーム18b側のピン61が共に溝62のヘリカル部62bに位置した状態となる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、出力アーム18aが入力アーム17に対し図8の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図8に示されるように、出力アーム18a側のピン61がヘリカル部62bの長手方向端部に位置したとき、出力アーム18b側のピン61もヘリカル部62bの端部に位置する。出力アーム18a側のヘリカル部62bについては、次のように設定されている。すなわち、ピン61がヘリカル部62bの長手方向端部に位置したとき、出力アーム18aと入力アーム17との相対位置が、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、上記ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、出力アーム18a側のピン61がヘリカル部62bの長手方向端部に位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、出力アーム18a,18bに各々対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び各バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、二つの出力アーム18a,18bに各々対応する吸気バルブ9の開閉動作が両方とも休止され、それら吸気バルブ9の設けられた気筒の稼働が休止されることとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態における(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(3)スライダ26の軸方向位置を同スライダ26の軸方向についての移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることにより、一つの気筒に設けられた二つの吸気バルブ9の駆動・休止態様を変更することができる。すなわち、一つの気筒に設けられた二つの吸気バルブ9について、二つとも開閉動作させたり、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9のみ開閉動作を休止させたり、二つとも開閉動作を休止させて同気筒の稼働を休止させたりすることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図9〜図11に従って説明する。
この実施形態は、一つの気筒における二つの吸気バルブ9の間で開閉動作を休止するバルブを切り換えられるようにしたものである。なお、この実施形態においては、バルブリフト可変機構14における出力アーム18a,18bの溝62の形状が第1実施形態と異なっている。
図9に示されるように、上記バルブリフト可変機構14における出力アーム18a,18bにはそれぞれ、ストレート部62aとヘリカル部62bとを備える溝62が形成されている。そして、出力アーム18a側の溝62と出力アーム18b側の溝62とは、コントロールシャフト16の軸線との直交軸を中心とする対称形状となっている。上記出力アーム18a側の溝62と出力アーム18b側の溝62とのコントロールシャフト16の軸方向についての位置は、それら溝62のストレート部62aであって同溝62の上記軸方向中央部に各々ピン61が同時に位置するように設定されている。
スライダ26がコントロールシャフト16の軸方向に変位すると、ピン61が溝62に対し同溝62の延びる方向に相対移動する。そして、出力アーム18a側及出力アーム18b側のピン61が共にストレート部62aに位置している間は、入力アーム17と出力アーム18a,bとの揺動方向についての相対位置に変化はない。従って、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9と出力アーム18bに対応する吸気バルブ9とが、それら出力アーム18a,18bに押されて共に開閉動作することとなる。
スライダ26を図9の状態から矢印L方向に変位させると、出力アーム18a側のピン61が溝62のストレート部62aに存在したまま、出力アーム18b側のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置した状態になる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、出力アーム18bが入力アーム17に対し図10の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図10に示されるように、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bのストレート部62a側とは反対側の端部に位置するとともに、出力アーム18a側のピン61がストレート部62aのヘリカル部62b側とは反対側の端部に位置する。出力アーム18b側のヘリカル部62bにおいては、その長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61が上記のようにヘリカル部62bの端部に位置したとき、出力アーム18bと入力アーム17との相対位置が、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、同ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、出力アーム18b側のピン61がヘリカル部62bの端部に位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、一方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がなく、その出力アーム18aに対応する吸気バルブ9は同出力アーム18aに押されて開閉動作する。一方、他方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、他方の出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の開閉動作が休止される。
また、スライダ26を図9の状態から上記矢印Lとは逆方向である矢印H方向に変位させると、出力アーム18b側のピン61が溝62のストレート部62aに存在したまま、出力アーム18a側のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置した状態になる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、出力アーム18aが入力アーム17に対し図11の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図11に示されるように、出力アーム18a側のピン61がヘリカル部62bのストレート部62a側とは反対側の端部に位置するとともに、出力アーム18b側のピン61がストレート部62aのヘリカル部62b側の端部とは反対側の端部に位置する。出力アーム18a側のヘリカル部62bにおいては、その長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61が上記のようにヘリカル部62bの端部に位置したとき、出力アーム18aと入力アーム17との相対位置が、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、同ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、出力アーム18a側のピン61がヘリカル部62bの端部に位置するようスライダ26を矢印H方向に変位させたときには、一方の出力アーム18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がなく、その出力アーム18bに対応する吸気バルブ9は同出力アーム18aに押されて開閉動作する。一方、他方の出力アーム18aと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、他方の出力アーム18aに対応する吸気バルブ9の開閉動作が休止される。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態における(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(4)スライダ26の軸方向位置を同スライダ26の軸方向についての移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることにより、一つの気筒に設けられた二つの吸気バルブ9の駆動・休止態様を変更することができる。すなわち、二つの吸気バルブ9について、二つとも開閉動作させたり、出力アーム18aに対応する吸気バルブ9のみ開閉動作を休止させたり、出力アーム18bに対応する吸気バルブ9のみ開閉動作を休止させたりすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図12〜図14に従って説明する。
この実施形態は、エンジン1における各気筒において、一部の気筒の稼働を休止すべく当該気筒に設けられた二つの吸気バルブ9の開閉動作を両方とも休止しつつ、他の気筒では二つの吸気バルブ9の開閉動作を行わせるようにしたものである。なお、この実施形態においては、バルブリフト可変機構14における出力アーム18a,18bの溝62の形状が第1実施形態と異なっている。
図12(a)に示されるように、エンジン1における各気筒のうち一部の気筒、例えば一番気筒及び四番気筒のバルブリフト可変機構14(図中右)では、出力アーム18a,18bにストレート部62aとヘリカル部62bとを備える溝62が形成されている。また、他の気筒、例えば二番気筒及び三番気筒のバルブリフト可変機構14(図中左)では、出力アーム18a,18bにストレート部62aのみを備える溝62が形成されている。そして、上記一部の気筒においては、出力アーム18a側の溝62と出力アーム18b側の溝62とが同一形状とされ、溝62とピン61との位置関係も出力アーム18a側と出力アーム18b側とで同一となっている。
各バルブリフト可変機構14のスライダ26は一つのコントロールシャフト16に連結されており、同シャフト16を軸方向に移動させることにより各バルブリフト可変機構14のスライダ26全てが一体的に変位することとなる。このようにスライダ26がコントロールシャフト16の軸方向に変位すると、ピン61が溝62に対し同溝62の延びる方向に相対移動する。そして、上記一部の気筒のピン61が溝62のストレート部62aに位置している間は、一部の気筒及び他の気筒のピン61が共に溝62のストレート部62aに位置していることになり、一部の気筒と他の気筒とのいずれも入力アーム17と出力アーム18a,18bとの揺動方向についての相対位置に変化はない。従って、全ての気筒において吸気バルブ9が出力アーム18a,18bに押されて図13に示されるように開閉動作し、全ての気筒が稼働されることとなる。
また、スライダ26の軸方向への変位を通じて、上記一部の気筒のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置したとき、上記他の気筒のピン61は溝62のストレート部62aに位置した状態になる。この場合、上記他の気筒の入力アーム17と出力アーム18a,18bとの揺動方向についての相対位置は変化せず、一部の気筒の入力アーム17と出力アーム18a,18bとの揺動方向についての相対位置のみが変化する。
上記一部の気筒のピン61がヘリカル部62bに位置した状態にあっては、スライダ26が図12(a)の矢印L方向(図中右方向)に変位すると、出力アーム18a,18bが入力アーム17に対し図12(b)の矢印Rで示される周方向に変位する。このヘリカル部62bについては、長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61がヘリカル部62bの端部に位置したとき、出力アーム18a,bと入力アーム17との相対位置が、吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、上記ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、上記一部の気筒のピン61がヘリカル部62bの端部に位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、上記他の気筒での出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化が生じない。このことから、それらの気筒(二番気筒及び三番気筒)では吸気バルブ9が出力アーム18a,18bに押されて図14に示されるように開閉動作する。一方、上記一部の気筒での出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、上記一部の気筒(一番気筒及び四番気筒)では、図14に示されるように吸気バルブ9の開閉動作が休止して当該気筒の稼働が休止される。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態における(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)コントロールシャフト16を軸方向に移動させ、各気筒におけるバルブリフト可変機構14のスライダ26を上記軸方向についての移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることにより、吸気バルブ9の開閉動作が行われる気筒数を変更し、エンジン1における稼働気筒数を変更することができる。すなわち、エンジン1において、全ての気筒の吸気バルブ9を開閉動作させて全ての気筒を稼働させたり、一部の気筒(一番気筒及び四番気筒)の吸気バルブ9を開閉動作を休止して当該気筒の稼働を休止させるとともに、他の気筒(二番気筒及び三番気筒)の吸気バルブ9を開閉動作させて当該気筒を稼働気筒としたりすることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図15〜図18に従って説明する。
この実施形態は、エンジン1において、二つの吸気バルブ9の開閉動作を休止する気筒を切り換え、稼働気筒と休止気筒とを切り換えられるようにしたものである。なお、この実施形態においては、第4実施形態に対し、バルブリフト可変機構14における出力アーム18a,18bの溝62の形状が異なるものとなっている。
図15(a)に示されるように、エンジン1における各気筒のバルブリフト可変機構14においては、出力アーム18a,18bにストレート部62aとヘリカル部62bとを備える溝62が形成されている。ここで、各気筒のうち一部の気筒(例えば一番気筒及び四番気筒)の溝62と、他の気筒(例えば二番気筒と三番気筒)の溝62とは、コントロールシャフト16の軸線との直交軸を中心とする対称形状となっている。また、上記一部の気筒の溝62と上記他の気筒の溝62とのコントロールシャフト16の軸方向についての位置は、それら溝62のストレート部62aであって同溝62の上記軸方向中央部に各々ピン61が同時に位置するように設定されている。
スライダ26がコントロールシャフト16の軸方向に変位すると、ピン61が溝62に対し同溝62の延びる方向に相対移動する。そして、一部の気筒及び他の気筒のピン61が共にストレート部62aに位置している間は、各気筒における入力アーム17と出力アーム18a,bとの揺動方向についての相対位置に変化はない。従って、全ての気筒において吸気バルブ9が出力アーム18a,18bに押されて図16に示されるように開閉動作し、全ての気筒が稼働されることとなる。
スライダ26を図15(a)の状態から矢印L方向に変位させると、上記他の気筒のピン61が溝62のストレート部62aに存在したまま、上記一部の気筒のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置した状態になる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、上記一部の気筒の出力アーム18a,18bが入力アーム17に対し図15(b)の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図15(b)に示されるように、上記他の気筒のピン61がストレート部62aのヘリカル部62b側とは反対側の端部に位置するとともに、上記一部の気筒のピン61がヘリカル部62bのストレート部62a側とは反対側の端部に位置する。この一部の気筒のヘリカル部62bにおいては、その長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61が上記のようにヘリカル部62bの端部に位置したとき、出力アーム18a,18bと入力アーム17との相対位置が、吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、同ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、一部の気筒のピン61がヘリカル部62bの端部に位置するようスライダ26を矢印L方向に変位させたときには、上記他方の気筒の出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がなく、その他方の気筒の吸気バルブ9は同出力アーム18a,18bに押されて開閉動作する。一方、上記一方の気筒の出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、上記一方の気筒(一番気筒及び四番気筒)では、図17に示されるようにの吸気バルブ9の開閉動作が休止される。
また、スライダ26を図15(a)の状態から上記矢印Lとは逆方向である矢印H方向に変位させると、上記一部の気筒のピン61が溝62のストレート部62aに存在したまま、上記他の気筒のピン61が溝62のヘリカル部62bに位置した状態になる。このピン61がヘリカル部62bに位置すると、上記他の気筒の出力アーム18a,18bが入力アーム17に対し図15(c)の矢印Rで示される周方向に相対移動する。その後、図15(c)に示されるように、上記一方の気筒のピン61がストレート部62aのヘリカル部62b側とは反対側の端部に位置するとともに、上記他方の気筒のピン61がヘリカル部62bのストレート部62a側とは反対側の端部に位置する。この他方の気筒のヘリカル部62bにおいては、その長さ、傾斜角、及び傾斜方向が次のように設定されている。すなわち、ピン61が上記のようにヘリカル部62bの端部に位置したとき、出力アーム18a,18bと入力アーム17との相対位置が、吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を「0」とする位置となるよう、同ヘリカル部62bの長さ、傾斜角、及び傾斜方向が設定されている。
従って、上記他方の気筒のピン61がヘリカル部62bの端部に位置するようスライダ26を矢印H方向に変位させたときには、一部の気筒の出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置には変化がなく、その一部の気筒の吸気バルブ9は同出力アーム18aに押されて開閉動作する。一方、上記他方の気筒の出力アーム18a,18bと入力アーム17との揺動方向についての相対位置は、その他方の気筒の出力アーム18a,18bに対応する吸気バルブ9の最大リフト量、及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を最小値「0」とする位置になる。その結果、上記他方の気筒(二番気筒及び三番気筒)では、図18に示されるように吸気バルブ9の開閉動作が休止される。
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態における(1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)コントロールシャフト16を軸方向に移動させ、各気筒におけるバルブリフト可変機構14のスライダ26を上記軸方向についての移動範囲の一端側と他端側との間で適宜変化させることにより、吸気バルブ9の開閉動作が行われる気筒数を変更したり、その開閉動作が行われる気筒と同開閉動作が休止される気筒とを切り換えることができる。すなわち、エンジン1において、全ての気筒の吸気バルブ9を開閉動作させて全ての気筒を稼働させたり、一部の気筒の吸気バルブ9の開閉動作を休止して当該気筒の稼働を休止させるとともに、他の気筒の吸気バルブ9を開閉動作させて当該気筒の稼働を休止させたりすることができる。更に、全ての気筒のうち吸気バルブ9の開閉動作を行う気筒と休止する気筒を切り換え、エンジン1における一部の気筒を休止させる際の稼働気筒と休止気筒を切り換えることができる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第3実施形態における他方の出力アーム18a,18bに形成された溝62を、第4実施形態における一部の気筒(休止可能な気筒)の出力アーム18a,18bに適用してもよい。
・第3実施形態における他方の出力アーム18a,18bに形成された溝62のヘリカル部62bについて、図19に示されるようにストレート部62a側と反対側の端部寄りの部分全体をコントロールシャフト16の軸方向に延びる中間部62cとしてもよい。
・第1〜第5実施形態において、ピン61及び溝62の位置関係を逆にしてもよい。すなわち、ピン61を出力アーム18a,18bの内壁に設け、溝62をスライダ26の外壁に設けてもよい。この場合、溝62のヘリカル部62bが周方向において上記各実施形態とは逆向きに傾斜することとなる。例えば、第1実施形態において、ピン61及び溝62の位置関係を上述したように逆に設定した場合、溝62のヘリカル部62bの傾斜方向が図20に示されるように変更される。
・第1〜第5実施形態において、入力アーム17とスライダ26とをピン及び溝によって連結してもよい。この場合、入力アーム17の内壁とスライダ26の外壁とのうち、一方にはピンがコントロールシャフト16の径方向に突出するピンが設けられ、他方には上記ピンが挿入されるとともに同シャフト16の軸方向に延びる溝が設けられる。
・上記のように入力アーム17とスライダ26とをピン及び溝によって連結した場合、その溝にストレート部及びヘリカル部を形成してもよい。この場合、最大リフト量及び作用角を最小値「0」とする際の入力アーム17と出力アーム18a,18bとの揺動方向についての相対位置の変更を、出力アーム18a,18bとスライダ26との間のピン61及び溝62を用いるだけでなく、入力アーム17とスライダ26との間のピン及び溝も用いて実現することが可能になる。
・第4及び第5実施形態において、出力アーム18a,18bとスライダ26とをコントロールシャフト16の軸方向にのみ相対移動可能に連結し、入力アーム17とスライダ26とをコントロールシャフト16の径方向に突出するピン、及び、そのピンが挿入されるとともにストレート部及びヘリカル部を備える溝によって連結してもよい。この場合、入力アーム17の内壁とスライダ26の外壁とのうち、一方に上記ピンが設けられ、他方には上記溝が設けられる。また、出力アーム18a,18bとスライダ26との連結については、ストレートスプラインを備えるギヤによって行ってもよいし、ストレート部のみを備える溝とピンとによって行ってもよい。
・第1〜第3実施形態においては、各気筒において一つの入力アーム17で二つの出力アーム18a,18bを揺動させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一つの気筒に二つの吸気カム11aが設けられるエンジンに適用する場合、一つの気筒につき二つの入力アーム17を設けて各入力アーム17で各々一つの出力アームを揺動させる構成としてもよい。
・第4及び第5実施形態においては、各気筒において一つの入力アーム17で二つの出力アーム18a,18bを揺動させる構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一つの気筒に吸気バルブ9が一つしか設けられていないエンジンに適用する場合には、一つの入力アーム17で一つの出力アームを揺動させる構成としてもよい。また、一つの気筒に二つの吸気カム11aが設けられるエンジンに適用する場合、一つの気筒につき二つの入力アーム17を設けて各入力アーム17で各々一つの出力アームを揺動させる構成としてもよい。
・第1〜第3実施形態において、一気筒における一方の出力アーム18aに形成された溝62と他方の出力アーム18bに形成された溝62との位置関係を逆にしてもよい。
・第1〜第5実施形態において、直列四気筒以外の多気筒エンジンを用いてもよい。
・第1〜第3実施形態において、単気筒エンジンを用いてもよい。
・バルブリフト可変機構14を吸気バルブ9の開閉動作を休止させるために用いたが、その吸気バルブ9の最大リフト量及び同バルブ9を駆動する吸気カム11aの作用角を調整するのに用いてもよい。この場合、溝62のヘリカル部62bにピン61が位置した状態で、スライダ26をコントロールシャフト16の軸方向に変位させることにより、上記最大リフト量及び作用角が調整されるようになる。
・排気バルブの最大リフト量及び排気カムの作用角を可変とするバルブリフト可変機構を備えたエンジンに本発明を適用してもよい。
第1実施形態のバルブリフト可変機構が適用されるエンジンのシリンダヘッド周りの構造を示す拡大断面図。 シリンダヘッドのカムキャリアを示す平面図。 バルブリフト可変機構の内部構造を示す断面図。 第1実施形態における入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 上記入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 第2実施形態における入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 上記入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 上記入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 第3実施形態における入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 上記入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 上記入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 (a)及び(b)は、第4実施形態における入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 クランク角の変化に対する各気筒の吸気バルブ9のリフト量の変化を示すタイミングチャート。 クランク角の変化に対する各気筒の吸気バルブ9のリフト量の変化を示すタイミングチャート。 (a)〜(c)は、第4実施形態における入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造を示す略図。 クランク角の変化に対する各気筒の吸気バルブ9のリフト量の変化を示すタイミングチャート。 クランク角の変化に対する各気筒の吸気バルブ9のリフト量の変化を示すタイミングチャート。 クランク角の変化に対する各気筒の吸気バルブ9のリフト量の変化を示すタイミングチャート。 入力アーム及び出力アームとスライダとの連結構造の他の例を示す略図。 ピンと溝との位置関係を逆にした場合の溝の形状を示す略図。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…バルブリフト可変機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18a…出力アーム、18b…出力アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、26…スライダ、27…ストレートスプライン、27a…入力ギヤ、28…ストレートスプライン、28a…内歯ギヤ、33…長穴、34…溝、35…ブッシュ、36…挿入孔、41…カムキャリア、45…立壁部、47…スライドアクチュエータ、51…ピン、61…ピン、62…溝、62a…ストレート部、62b…ヘリカル部、62c…中間部。

Claims (7)

  1. 回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる出力アームと、前記入力アーム及び前記出力アームに連結されるスライダとを備え、前記スライダを軸方向に変位させることにより前記入力アームと前記出力アームとの揺動方向についての相対位置を変更する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記入力アームと前記出力アームとのうち、少なくとも一方のアームは、前記スライダに対し前記軸の径方向に突出するピン及び同ピンが挿入される溝を用いて連結され、
    前記溝は、軸方向に延びるストレート部と同ストレート部から前記軸方向に対し傾斜して延びるヘリカル部とを備えている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記入力アームと前記出力アームとのうち、一方のアームは前記スライダに対し前記軸の径方向に突出するピン及び同ピンが挿入される溝を用いて連結され、他方のアームは前記スライダに対し軸方向にのみ相対移動可能に連結されている
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、
    前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝は前記ストレート部と前記ヘリカル部との両方を備えるものとし、他の溝は前記ストレート部のみを備えるものとした
    請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  4. 前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、
    前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝のストレート部の軸方向長さは他の溝のストレート部の軸方向長さと異なっている
    請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  5. 前記出力アームについては、内燃機関の一気筒における複数の機関バルブに対応して複数設けられるとともに、各々が前記溝及び前記ピンによってスライダに連結されるものであり、
    前記一気筒における複数の出力アームに対応した各溝のうち、一部の溝と他の溝とでは、前記ストレート部と前記ヘリカル部とが前記軸の直交軸を中心とする対称形状となっており、
    前記一部の溝と前記他の溝との軸方向位置については、それら溝のストレート部であって同溝の軸方向中央部分に前記ピンが同時に位置するように設定されている
    請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  6. 前記内燃機関は複数の気筒を有する多気筒内燃機関であり、
    各気筒に対応するスライダは一体移動可能に互いに連結されており、
    各気筒のうち、一部の気筒における前記溝は前記ストレート部と前記ヘリカル部との両方を備えるものとし、他の気筒における前記溝は前記ストレート部のみを備えるものとした
    請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  7. 前記内燃機関は複数の気筒を有する多気筒内燃機関であり、
    各気筒に対応するスライダは一体移動可能に互いに連結されており、
    各気筒の前記溝のうち、一部の気筒の溝と他の気筒の溝とは、前記ストレート部と前記ヘリカル部とが前記軸の直交軸を中心とする対称形状となっており、
    前記一部の気筒の溝と前記他の気筒の溝との軸方向位置については、それら溝のストレート部であって同溝の軸方向中央部分に前記ピンが同時に位置するように設定されている
    請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014101783A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Toyota Motor Corp 可変動弁機構
JP2016211384A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 株式会社オティックス 内燃機関の可変動弁機構

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