JP4473155B2 - 内燃機関の可変動弁機構及びその製造方法 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構及びその製造方法に関する。
エンジンバルブ(インテークバルブやエキゾーストバルブ)の最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する可変動弁機構が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、図21〜図24を参照して、可変動弁機構の構造について説明する。
図21に示すように、可変動弁機構100は、シリンダヘッドに配置される中空のロッカシャフト101と、軸方向へ移動可能な状態でロッカシャフト101内に配置されるコントロールシャフト102と、ロッカシャフト101の外周に設けられてエンジンバルブを運動させるバルブリフト機構103とを備えて構成される。
バルブリフト機構103は、外周にヘリカルスプラインが形成されたスライダギア104と、スライダギア104に噛み合わされるとともにカムシャフトを通じて運動する入力ギア105と、スライダギア104に噛み合わされるとともにエンジンバルブを運動させる出力ギア106とを備えて構成されている。
入力ギア105は、カムシャフトのカムと接触する入力アーム105Aを備えて構成されている。
出力ギア106は、バルブ駆動装置(ロッカーアームやスイングアームなど)と接触する出力アーム106Aを備えて構成されている。
可変動弁機構100は、コントロールシャフト102にはめ込まれたコントロールピンを通じて、コントロールシャフト102とスライダギア104とが連動して軸方向へ移動するように構成されている。
図22及び図23参照して、コントロールシャフト102とスライダギア104との組み付け構造について説明する。
コントロールシャフト102にはコントロールピン107を固定するためのピン挿入穴102Hが形成されている。
ロッカシャフト101には、コントロールシャフト102の軸方向におけるコントロールピン107の移動を許容するためのピン移動孔101Hが形成されている。
スライダギア104には、コントロールピン107を内部へ挿入するためのピン挿入孔104Hが形成されている。また、ロッカシャフト101を挿入するためのシャフト挿入孔104Sが形成されている。
そして、コントロールシャフト102及びロッカシャフト101をスライダギア104のシャフト挿入孔104Sに配置した状態で、ピン挿入孔104H、ピン移動孔101Hを介してピン挿入穴102Hへコントロールピン107はめ込むことにより、スライダギア104とコントロールシャフト102とを連動して移動させることが可能となる。
図24を参照して、可変動弁機構100の内部構造について説明する。
コントロールシャフト102には、径方向へ突出する態様でコントロールピン107がはめ込まれている。
コントロールピン107において、その先端部は、ロッカシャフト101のピン移動孔101Hを介してロッカシャフト101の外周側へ突出している。また、スライダギア104の内部に設けられたピン溝104Rに移動可能な状態で配置されている。
これにより、コントロールシャフト102が軸方向へ移動するとき、コントロールピン107の外周面がピン溝104Rに押しつけられて、スライダギア104がコントロールシャフト102とともに軸方向へ移動するようになる。また、入力ギア105及び出力ギア106のいずれかが揺動するとき、ピン溝104Rがコントロールピン107に対してコントロールシャフト102の周方向へ相対移動するため、入力ギア105及び出力ギア106とともにスライダギア104が揺動するようになる。この場合、コントロールピン107の外周面とピン溝104Rとが摺動する。
こうした構成の可変動弁機構100においては、コントロールシャフト102とともにスライダギア104を軸方向へ変位させて入力ギア105の入力アーム105Aと出力ギア106の出力アーム106Aとの相対位相差を変更することにより、エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角(バルブ開弁期間)を変更することができる。
特開2001−263015号公報 特開2004−316571号公報
上記可変動弁機構100においては、ロッカシャフト101とコントロールシャフト102とスライダギア104とを組み合わせる際、スライダギア104のシャフト挿入孔104Sへコントロールシャフト102及びロッカシャフト101を挿入した状態でコントロールピン107の取り付けが行われる。即ち、コントロールシャフト102へのコントロールピン107の取り付けが可能となるように、スライダギア104のピン挿入孔104Hとロッカシャフト101のピン移動孔101Hとコントロールシャフト102のピン挿入穴102Hとの位置を合わせて各部材を保持した状態でコントロールピン107の取り付け作業を行う必要がある。このため、組み立てにかかる作業効率の低下が懸念される。
ところで、上記可変動弁機構100においては、コントロールピン107とピン溝104Rとの接触面積が小さいため、コントロールシャフト102の軸方向への移動にともなうコントロールピン107のピン溝104Rへの押しつけ(コントロールピン107によるスライダギア104の軸方向への移動)、及びスライダギア104(入力ギア105または出力ギア106)の揺動にともなうコントロールピン107とピン溝104Rとの相対移動が不安定となることもある。
そこで、こうした事態を回避するために、ピン溝104Rに位置するコントロールピン107の周囲にブッシュ(支持プレート)を配置することが考えられる。
図25(a)に、ブッシュを配置した状態の可変動弁機構100の内部構造を示す。
図25(b)に示すように、ブッシュ108は、コントロールピン107をはめ込むための孔(ピン挿入孔108H)が設けられるとともに、コントロールシャフト102の軸線と略直交する面(支持端面108F)がピン溝104Rに対して面接触する形状に形成されている。そして、コントロールピン107に取り付けられることによりピン溝104Rに配置される。
上記ブッシュ108を備えた場合、ブッシュ108の支持端面108Fが対向するピン溝104Rと面接触する。これにより、コントロールシャフト102が軸方向へ移動するとき、軸方向へ作用する力がブッシュ108とピン溝104Rとの接触面全体で受けられるため、コントロールピン107によるスライダギア104の移動が安定して行われるようになる。また、ピン溝104Rがコントロールピン107に対して周方向へ相対移動するときには、ブッシュ108の支持端面108Fとピン溝104Rとが面接触した状態で摺動するため、相対移動が安定して行われるようになる。
しかし、上記構造を採用した可変動弁機構においては、ロッカシャフト101とコントロールシャフト102とスライダギア104を組み合わせる際、コントロールシャフト102へのコントロールピン107の取り付けが可能となるように、スライダギア104のピン挿入孔104Hとブッシュ108のピン挿入孔108Hとロッカシャフト101のピン移動孔101Hとコントロールシャフト102のピン挿入穴102Hとの位置を合わせて各部材を保持した状態でコントロールピン107の取り付け作業を行う必要がある。このため、組み立てにかかる作業効率のより一層の低下が懸念される。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は組み立てにかかる作業効率の向上を図ることのできる内燃機関の可変動弁機構及びその製造方法を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
<請求項1>
請求項1に記載の発明は、中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを固定するためのピン挿入穴を有するものであり、前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記コントロールピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記コントロールピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置されるものであり、前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構において、前記ロッカシャフトを軸線に沿って複数に分割したことを要旨としている。
請求項1に記載の発明によれば、スライダギアのシャフト挿入孔へコントロールシャフト及びロッカシャフトを挿入する前にコントロールシャフトへのピンの取り付けを行うことができる。即ち、スライダギアのピン挿入孔とロッカシャフトのピン移動孔とコントロールシャフトのピン挿入穴との位置を合わせて各部材を保持した状態でピンの取り付け作業を行う必要がなくなる。従って、作業効率の向上を図ることができるようになる。
<請求項2>
請求項2に記載の発明は、中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるバルブリフト機構と、前記コントロールシャフトのピン移動孔を介して前記コントロールシャフトに固定されるコントロールピンとを備え、前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じてエンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構において、前記ロッカシャフトを軸線に沿って複数に分割したことを要旨としている。
請求項2に記載の発明によれば、バルブリフト機構とコントロールシャフト及びロッカシャフトとを組み合わせる前にコントロールシャフトへのピンの取り付けを行うことができる。即ち、スライダギアのピン挿入孔とロッカシャフトのピン移動孔とコントロールシャフトのピン挿入穴との位置を合わせて各部材を保持した状態でピンの取り付け作業を行う必要がなくなる。従って、作業効率の向上を図ることができるようになる。
請求項3
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、前記ロッカシャフトを前記ピン移動孔が形成されている基準分割体と前記ピン移動孔が形成されていない補助分割体との2つに分割するとともに、前記基準分割体の周方向の長さを前記補助分割体の周方向の長さよりも小さく設定したことを要旨としている。
請求項3に記載の発明によれば、ロッカシャフトが2つの分割体から構成されるとともに、コントロールシャフトと基準分割体と(支持プレートと)ピンとを組み合わせた構造体をスライダギアのシャフト挿入孔へ挿入する際、シャフト挿入孔において先の構造体を挿入するためのスペースが十分に確保されるようになる。従って、作業効率をより向上させることができるようになる。
請求項4
請求項4に記載の発明は、中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを挿入するためのピン挿入穴を有するものであり、前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記ピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記コントロールピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置されるものであり、前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
〔1〕軸線に沿って複数に分割されたロッカシャフトを製造する工程
〔2〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されている分割体を基準分割体として、該基準分割体とコントロールシャフトとコントロールピンとを組み合わせる工程
〔3〕前記〔2〕の工程を通じて組み合わされた構造体をシャフト挿入孔へ挿入し、コントロールピンをピン溝へ配置する工程
〔4〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されていない分割体を補助分割体として、前記〔3〕の工程を通じて構成された構造体のシャフト挿入孔へ該補助分割体を挿入してロッカシャフトを構成する工程
前記〔1〕〜〔4〕の工程を含むことを要旨としている。
請求項4に記載の発明によれば、スライダギアのシャフト挿入孔へコントロールシャフト及びロッカシャフトを挿入する前にコントロールシャフトへのピンの取り付けを行うことができる。即ち、スライダギアのピン挿入孔とロッカシャフトのピン移動孔とコントロールシャフトのピン挿入穴との位置を合わせて各部材を保持した状態でピンの取り付け作業を行う必要がなくなる。従って、作業効率の向上を図ることができるようになる。
請求項5
請求項5に記載の発明は、中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを固定するためのピン挿入穴を有するものであり、前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記ピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記ピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置され、さらに該他方の端部へ支持プレートが取り付けられるものであり、前記支持プレートは、前記コントロールシャフトの軸線に略直交する端面が前記ピン溝と接触するものであり、前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
〔1〕軸線に沿って複数に分割されたロッカシャフトを製造する工程
〔2〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されている分割体を基準分割体として、該基準分割体とコントロールシャフトと支持プレートとコントロールピンとを組み合わせる工程
〔3〕前記〔2〕の工程を通じて組み合わされた構造体をシャフト挿入孔へ挿入し、支持プレート及びコントロールピンをピン溝へ配置する工程
〔4〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されていない分割体を補助分割体として、前記〔3〕の工程を通じて構成された構造体のシャフト挿入孔へ該補助分割体を挿入してロッカシャフトを構成する工程
前記〔1〕〜〔4〕の工程を含むことを要旨としている。
請求項5に記載の発明によれば、スライダギアのシャフト挿入孔へコントロールシャフト及びロッカシャフトを挿入する前にコントロールシャフトへのピンの取り付けを行うことができる。即ち、支持プレートのピン挿入孔とスライダギアのピン挿入孔とロッカシャフトのピン移動孔とコントロールシャフトのピン挿入穴との位置を合わせて各部材を保持した状態でピンの取り付け作業を行う必要がなくなる。従って、作業効率の向上を図ることができるようになる。
請求項6
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載される内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、前記〔1〕の工程にて、前記基準分割体と前記補助分割体との2つを前記ロッカシャフトの分割体として製造するとともに、前記基準分割体の周方向の長さを前記補助分割体の周方向の長さよりも小さく設定することを要旨としている。
請求項6に記載の発明によれば、ロッカシャフトが2つの分割体から構成されるとともに、コントロールシャフトと基準分割体と(支持プレートと)ピンとを組み合わせた構造体をスライダギアのシャフト挿入孔へ挿入する際、シャフト挿入孔において先の構造体を挿入するためのスペースが十分に確保されるようになる。従って、作業効率をより向上させることができるようになる。
請求項7
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載される内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、前記〔1〕の工程にて、前記複数に分割されたロッカシャフトを冷間鍛造により製造することを要旨としている。
請求項8
請求項8に記載の発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載される内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、前記〔1〕の工程にて、前記複数に分割されたロッカシャフトをプレス加工により製造することを要旨としている。
請求項7及び8に記載の発明によれば、各分割体の表面性状の平滑化を通じてロッカシャフトの耐摩耗性が低減されるため、コントロールシャフトの移動にともなって生じる摩擦を小さくすることができるようになる。
本発明の実施形態について、図1〜図20を参照して説明する。
本実施形態では、可変動弁機構としてインテークバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角を変更する可変動弁機構を想定している。
<エンジンの構造>
図1に、エンジンの平面構造を示す。
エンジン1は、シリンダブロック11及びシリンダヘッド12を備えて構成される。
シリンダブロック11には、複数のシリンダ13が設けられている。
シリンダヘッド12には、各シリンダ13の吸気ポートを開閉するインテークバルブ21が設けられている。また、シリンダ13毎に一対のインテークバルブ21が設けられている。
シリンダヘッド12には、各シリンダ13の排気ポートを開閉するエキゾーストバルブ22が設けられている。また、シリンダ13毎に一対のエキゾーストバルブ22が設けられている。
シリンダヘッド12のインテークバルブ21側には、インテークカムシャフト23が設けられている。インテークカムシャフト23には、各シリンダ13と対応する位置にインテークカム25が設けられている。
シリンダヘッド12のエキゾーストバルブ22側には、エキゾーストカムシャフト24が設けられている。エキゾーストカムシャフト24には、各シリンダ13と対応する位置にエキゾーストカム26が設けられている。
インテークカムシャフト23及びエキゾーストカムシャフト24は、タイミングチェーン14を介してクランクシャフトに駆動連結されている。
インテークカムシャフト23は、複数のカムシャフト支持壁15を通じて、回転可能な状態で支持されている。
エキゾーストカムシャフト24は、複数のカムシャフト支持壁16を通じて、回転可能な状態で支持されている。
エンジン1において、インテークカムシャフト23の近傍には、各インテークバルブ21のバルブ作用角及び最大バルブリフト量を連続的に変更する可変動弁機構5が備えられている。なお、バルブ作用角は、インテークバルブ21の開弁から閉弁までにおけるクランクシャフトの回転角度を示す。また、最大バルブリフト量は、インテークバルブ21が最も閉弁側の位置から最も開弁側の位置までに移動する量を示す。
可変動弁機構5には、インテークカムシャフト23のトルクを通じてインテークバルブ21をリフトさせるバルブリフト機構5Aが複数設けられている。バルブリフト機構5Aは、隣り合うロッカシャフト支持壁17の間に配置されている。
<可変動弁機構によるバルブ作用角の変更態様>
図2を参照して、可変動弁機構5によるインテークバルブ21のバルブ作用角及び最大バルブリフト量の変更態様について説明する。
バルブ作用角INCAMは、最も大きいバルブ作用角(最大バルブ作用角INCAMmax)から最も小さいバルブ作用角(最小バルブ作用角INCAMmin)までの間で連続的に変更される。また、このバルブ作用角INCAMの変化にともなってインテークバルブ21の最大バルブリフト量INVLも変更される。
最大バルブリフト量INVLは、バルブ作用角INCAMが最大バルブ作用角INCAMmaxのときに最も大きい最大バルブリフト量(上限最大バルブリフト量INVLmax)となる。また、バルブ作用角INCAMが最小バルブ作用角INCAMminのときに最も小さい最大バルブリフト量(下限最大バルブリフト量INVLmin)となる。最大バルブリフト量INVLは、バルブ作用角INCAMの変化に同期して、上限最大バルブリフト量INVLmaxから下限最大バルブリフト量INVLminの間で連続的に変化する。
<可変動弁機構の全体構造>
図3に、可変動弁機構5の斜視構造を示す。なお、可変動弁機構5においては、各シリンダ13に対応した箇所の構造が共通しているため、図3及び以降の図面では、1つのシリンダ13に対応した箇所の構造のみを示している。
可変動弁機構5は、動弁機構本体51とアクチュエータ52とを備えて構成されている。動弁機構本体51は、ロッカシャフト53、コントロールシャフト54及びバルブリフト機構5Aを備えて構成されている。
ロッカシャフト53は、シリンダヘッド12においてシリンダ配列方向(矢印FR方向)へ延びるように配置されている。即ち、インテークカムシャフト23と平行に配置されている。また、回転及び軸方向への移動ができないようにロッカシャフト支持壁17を通じて固定されている。なお、矢印Fはアクチュエータ52から離れる方向を、矢印Rはアクチュエータ52に近づく方向をそれぞれ示す。
ロッカシャフト53内には、軸方向へ移動することのできる状態でコントロールシャフト54が配設されている。また、ロッカシャフト53上には、各シリンダ13と対応する位置にバルブリフト機構5Aが設けられている。即ち、全てのバルブリフト機構5Aは、共通する1本のロッカシャフト53により支持されている。
コントロールシャフト54は、アクチュエータ52と駆動連結されている。
アクチュエータ52は、エンジン1を統括的に制御する電子制御装置を通じて駆動される。
電子制御装置は、アクチュエータ52の制御を通じてコントロールシャフト54を軸方向へ変位させることにより、インテークバルブ21のバルブ作用角及び最大バルブリフト量の変更を行う。コントロールシャフト54が矢印F方向へ向けて変位された場合、インテークバルブ21のバルブ作用角及び最大バルブリフト量は大きくなる方向へ変更される。反対に、コントロールシャフト54がエンジン1の矢印R方向へ向けて変位された場合、インテークバルブ21のバルブ作用角及び最大バルブリフト量は小さくなる方向へ変更される。なお、コントロールシャフト54の移動方向とバルブ作用角及び最大バルブリフト量の変化方向との関係は、上記関係と反対に設定することもできる。
<動弁機構本体の構造>
図4に、動弁機構本体51の分解斜視構造を示す。
図5に、スライダギア6の斜視構造を示す。
図6に、軸線に沿ったスライダギア6の断面構造を示す。
バルブリフト機構5Aは、スライダギア6、入力ギア7、第1出力ギア8、及び第2出力ギア9を備えて構成されている。
スライダギア6は、ロッカシャフト53上に設けられている。また、ロッカシャフト53上において、コントロールシャフト54と連動して軸方向へ移動することができるように設けられている。
スライダギア6と入力ギア7及び各出力ギア8,9とは、ヘリカルスプラインを通じて噛み合わされている。また、入力ギア7及び各出力ギア8,9は、これらギア7,8,9の間に位置する側面が同軸上において接触した状態でそれぞれスライダギア6に組み付けられている。
〔1〕「スライダギアの構造」
スライダギア6には、スライダギア入力スプライン61、スライダギア第1出力スプライン62及びスライダギア第2出力スプライン63が設けられている。
スライダギア入力スプライン61は、スライダギア6の軸方向中央に設けられている。また、入力ギア7のヘリカルスプライン(入力ギアスプライン71)と噛み合うように形成されている。
スライダギア第1出力スプライン62は、スライダギア入力スプライン61の端部のうち、アクチュエータ52側の端部に設けられている。また、第1出力ギア8のヘリカルスプライン(第1出力ギアスプライン81)と噛み合うように形成されている。なお、スライダギア入力スプライン61とスライダギア第1出力スプライン62とは、歯すじの傾斜方向が反対となるように形成されている。
スライダギア第2出力スプライン63は、スライダギア入力スプライン61の端部のうち、アクチュエータ52とは反対側の端部に設けられている。また、第2出力ギア9のヘリカルスプライン(第2出力ギアスプライン91)と噛み合うように形成されている。なお、スライダギア入力スプライン61とスライダギア第2出力スプライン63とは、歯すじの傾斜方向が反対となるように形成されている。
スライダギア第1出力スプライン62及びスライダギア第2出力スプライン63は、同じ外径に設定されている。また、スライダギア入力スプライン61の溝部分よりも外径が小さく設定されている。
スライダギア6の内部には、軸方向へ延びるシャフト挿入孔64が形成されている。また、スライダギア入力スプライン61の内部には、周方向へ延びるピン溝65が形成されている。シャフト挿入孔64とピン溝65とは連続して形成されている。
〔2〕「入力ギアの構造」
入力ギア7は、その本体となる入力ギアハウジング72を備えて構成されている。
入力ギアハウジング72の内部には、ロッカシャフト53の軸方向へ延びた空間が形成されている。また、入力ギアハウジング72の内周側には、スライダギア6のスライダギア入力スプライン61と噛み合うヘリカルスプライン(入力ギアスプライン71)が形成されている。
入力ギアハウジング72の外周側には、インテークカムシャフト23と接触する入力アーム73が設けられている。入力アーム73は、一対の支持アーム73L,73R、シャフト73A及びローラ73Bを備えて構成されている。
入力アーム73を構成する上記各要素は、次のように構成されている。
・支持アーム73L,73Rは、入力ギアハウジング72の外周側から径方向へ突出して形成されている。また、互いに平行となるように形成されている。
・シャフト73Aは、ロッカシャフト53の軸線と平行となるように支持アーム73Lと支持アーム73Rとの間に設けられている。
・ローラ73Bは、シャフト73Aに回転可能な状態で取り付けられている。
〔3〕「第1出力ギアの構造」
第1出力ギア8は、その本体となる第1出力ギアハウジング82を備えて構成されている。
第1出力ギアハウジング82の内部には、ロッカシャフト53の軸方向に延びた空間が形成されている。また、第1出力ギアハウジング82の内周側には、スライダギア6のスライダギア第1出力スプライン62と噛み合うヘリカルスプライン(第1出力ギアスプライン81)が形成されている。なお、第1出力ギアスプライン81の歯すじの傾斜方向は、入力ギアスプライン71の歯すじの傾斜方向と反対に形成されている。
第1出力ギアハウジング82のベース円部分(ベース部82A)の外周側には、径方向へ突出した第1出力アーム83が形成されている。この第1出力アーム83の一辺には、凹状に湾曲したカム面83Aが設けられている。
〔4〕「第2出力ギアの構造」
第2出力ギア9は、その本体となる第2出力ギアハウジング92を備えて構成されている。
第2出力ギアハウジング92の内部には、ロッカシャフト53の軸方向に延びた空間が形成されている。また、第2出力ギアハウジング92の内周側には、スライダギア6のスライダギア第2出力スプライン63と噛み合うヘリカルスプライン(第2出力ギアスプライン91)が形成されている。なお、第2出力ギアスプライン91の歯すじの傾斜方向は、入力ギアスプライン71の歯すじの傾斜方向と反対に形成されている。
第2出力ギアハウジング92のベース円部分(ベース部92A)の外周側には、径方向へ突出した第2出力アーム93が形成されている。この第2出力アーム93の一辺には、凹状に湾曲したカム面93Aが設けられている。
<コントロールシャフトの構造>
図7に、コントロールシャフト54の斜視構造を示す。
コントロールシャフト54において、各バルブリフト機構5Aと対応した箇所には、径方向へ延びる態様でピン挿入穴54Hが形成されている。即ち、本実施形態においては、コントロールシャフト54上に4つのピン挿入穴54Hが形成されている。
ピン挿入穴54Hには、コントロールシャフト54とスライダギア6とを連動して軸方向へ移動させるためのコントロールピン66がはめ込まれる。
<ロッカシャフトの構造>
図8に、ロッカシャフト53の斜視構造を示す。
図9に、ロッカシャフト53の分解斜視構造を示す。
ロッカシャフト53は、管として形成されている。管の内径は、コントロールシャフト54の外径と略同じ大きさに設定されている。即ち、ロッカシャフト53の内部空間へコントロールシャフト54を挿入することができる大きさに設定されている。
ロッカシャフト53において、コントロールシャフト54のピン挿入穴54Hと対応する箇所には、ピン移動孔53Hが形成されている。ピン移動孔53Hは、コントロールピン66の軸方向への移動を許容すべく軸方向へ延びた長孔として形成されている。
ロッカシャフト53は、軸線に沿って2つに分割されている。即ち、第1分割体53A(基準分割体)と第2分割体53B(補助分割体)との組み合わせを通じて構成されている。第1分割体53Aには、ピン移動孔53Hが形成されている。ピン移動孔53Hは、第1分割体53Aの周方向の略中心に形成されている。
第1分割体53A及び第2分割体53Bについて、第1分割体53Aの周方向の長さが第2分割体53Bの周方向の長さよりも小さく設定されている。即ち、軸線に直交する断面積について、第1分割体53Aの断面積が第2分割体53Bの断面積よりも小さく設定されている。
<コントロールピンとブッシュ>
図10に、ロッカシャフト53とコントロールシャフト54とを組み合わせた状態を示す。
コントロールシャフト54は、軸方向へ摺動可能な状態でロッカシャフト53の内部空間に配置される。また、コントロールシャフト54のピン挿入穴54Hには、ロッカシャフト53のピン移動孔53Hを介してコントロールピン66がはめ込まれる。
可変動弁機構5においては、コントロールシャフト54の軸方向への移動にともなうスライダギア6の軸方向への移動、及びスライダギア6(入力ギア7または出力ギア8)の揺動にともなうコントロールピン66とピン溝65との相対移動を安定させるため、コントロールピン66にブッシュ67(支持プレート)が取り付けられる。
ブッシュ67は、コントロールシャフト54の軸線と略直交する面(支持端面67F)がピン溝65に対して面接触するように形成されている。また、コントロールピン66をはめ込むためのピン挿入孔67Hが形成されている。
ブッシュ67におけるコントロールシャフト54の軸方向長さは、スライダギア6のピン溝65の幅と略同じ大きさに設定されている。従って、コントロールピン66にブッシュ67を取り付けることにより、コントロールシャフト54とスライダギア6とにおける軸方向の相対位置が固定される。
<バルブリフト機構の内部構造>
図11を参照して、バルブリフト機構5Aの内部構造について説明する。
(a)バルブリフト機構5Aにおいては、コントロールピン66の一方の端部(基端部)がコントロールシャフト54に固定されるとともに、他方の端部(先端部)がスライダギア6のピン溝65に配置されている。また、コントロールピン66の先端部にはブッシュ67が取り付けられている。そして、ピン溝65の幅と略同じ大きさのブッシュ67がピン溝65へ配置されることにより、ブッシュ67を通じてコントロールシャフト54とスライダギア6との軸方向の相対位置が固定されている。即ち、ブッシュ67の支持端面67Fが対向するピン溝65と面接触した状態にある。
これにより、コントロールシャフト54が軸方向へ移動したとき、その移動量と同じ量だけスライダギア6が軸方向へ移動する。即ち、スライダギア6がコントロールシャフト54と連動して軸方向へ移動する。このとき、軸方向へ作用する力がブッシュ67とピン溝65との接触面全体で受けられるため、コントロールピン66によるスライダギア6の移動が安定して行われるようになる。
(b)バルブリフト機構5Aにおいては、ピン溝65とコントロールピン66及びブッシュ67との相対移動が可能な状態でこれらコントロールピン66及びブッシュ67がピン溝65に配置されている。
これにより、インテークカムシャフト23のトルクが入力ギア7へ伝達されたとき、スライダギア6がロッカシャフト53を軸として揺動する。即ち、ピン溝65がコントロールピン66及びブッシュ67に対して周方向へ相対移動する。このとき、ブッシュ67の支持端面67Fとピン溝65とが面接触した状態で摺動するため、相対移動が安定して行われるようになる。
<バルブ作用角及び最大バルブリフト量の変更態様>
可変動弁機構5においては、コントロールシャフト54とともにスライダギア6を軸方向へ移動させて、スライダギア6と入力ギア7及び各出力ギア8,9との軸方向の相対位置を変更した場合、入力ギア7と各出力ギア8,9とに対して互いに逆方向のねじり力が付与される。
これにより、入力ギア7と各出力ギア8,9とが相対回転し、入力ギア7(入力アーム73)と各出力ギア8,9(各出力アーム83,93)との相対位相差が変更される。なお、可変動弁機構5においては、共通する1本のコントロールシャフト54に全てのスライダギア6が固定されているため、コントロールシャフト54の移動にともない全てのバルブリフト機構5Aの相対位相差が同時に変更される。
そして、上記相対位相差の変更を通じて、インテークバルブ21のバルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLが次のように変化する。
(a)上記相対位相差が小さくなるにつれて、即ち周方向において入力アーム73と各出力アーム83,93とが接近するにつれて、インテークバルブ21のバルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLは小さくなる。
(b)上記相対位相差が大きくなるにつれて、即ち周方向において入力アーム73と各出力アーム83,93とが離間するにつれて、インテークバルブ21のバルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLは大きくなる。
<エンジンのバルブリフト構造>
図12に、図1のD1−D1線に沿ったエンジン1の断面構造を示す。
シリンダヘッド12において、インテークバルブ21の上方には吸気用ローラロッカーアーム31が配置されている。また、インテークカムシャフト23と吸気用ローラロッカーアーム31との間には、可変動弁機構5のバルブリフト機構5Aが配置されている。
吸気用ローラロッカーアーム31は、アーム本体31Aとローラ31Bとを備えて構成されている。
アーム本体31Aの一端(アジャスタ側端部31C)は、ラッシュアジャスタ32により支持されている。ラッシュアジャスタ32は、シリンダヘッド12に固定されている。また、アーム本体31Aの他端(キャップ側端部31D)は、インテークバルブ21上端のステムキャップ21Aと当接している。
アーム本体31Aのキャップ側端部31Dは、インテークバルブ21の弁ばね33によって可変動弁機構5側へ付勢されている。これにより、吸気用ローラロッカーアーム31のローラ31Bは、常にバルブリフト機構5Aの出力ギア8,9と当接した状態に維持される。
入力ギア7のローラ73Bは、シリンダヘッド12に圧縮状態で配置されたばねによって、インテークカムシャフト23側へ付勢されている。これにより、同ローラ73Bは、常にインテークカムシャフト23のインテークカム25と当接した状態に維持される。
各出力ギア8,9は、ハウジング82,92のベース円部分(ベース部82A,92A)及び出力アーム83,93のカム面83A,93Aのいずれかが常に吸気用ローラロッカーアーム31のローラ31Bと当接した状態にある。
エンジン1においては、インテークカムシャフト23の回転にともなって入力ギア7が押される。このとき、インテークカムシャフト23のトルクが入力ギア7及びスライダギア6を介して各出力ギア8,9へ伝達されることにより各出力ギア8,9が揺動する。そして、各出力ギア8,9の揺動を通じて対応する吸気用ローラロッカーアーム31が押されるため、これにともなってインテークバルブ21が開弁方向へリフトされる。
エンジン1においては、入力アーム73と各出力アーム83,93との相対位相差に応じて、各出力ギア8,9による吸気用ローラロッカ−アーム31の押し下げ量(吸気用ローラロッカ−アーム31が最も閉弁側の位置から最も開弁側の位置までに移動する量)が変化するため、これにともなってインテークバルブ21のバルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLが変更される。
上記相対位相差が最も小さいとき、各出力ギア8,9による吸気用ローラロッカ−アーム31の押し下げ量が最小となるため、バルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLは最も小さい値に設定される。反対に、上記相対位相差が最も大きいとき、各出力ギア8,9による吸気用ローラロッカーアーム31の押し下げ量が最大となるため、バルブ作用角INCAM及び最大バルブリフト量INVLは最も大きい値に設定される。
<可変動弁機構の製造方法>
図13〜図19を参照して、可変動弁機構5の製造方法について説明する。
図13に、可変動弁機構5の製造工程の概要を示す。
[第1工程]可変動弁機構5の各構成部品を製造する。ロッカシャフト53については、第1分割体53A及び第2分割体53Bを冷間鍛造により製造する。なお、冷間鍛造に代えてプレス加工を採用することもできる。この第1工程では、こうした加工方法を通じて第1分割体53A及び第2分割体53Bを製造することにより、製造にかかる工程数の低減と各分割体53A,53Bの表面性状の平滑化とを図るようにしている。
[第2工程]コントロールシャフト54と第1分割体53Aとブッシュ67とコントロールピン66とを組み合わせる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業が行われる。
図14に、下記(a)の作業に対応した各部材の状態を示す。図15に、下記(b)の作業に対応した各部材の状態を示す。なお、図14及び図15において、[A]は各部材の正面構造を、[B]は各部材の側面構造をそれぞれ示している。
(a)コントロールシャフト54のピン挿入穴54Hへコントロールピン66をはめ込むことができるように、ブッシュ67のピン挿入孔67Hと第1分割体53Aのピン移動孔53Hとコントロールシャフト54のピン挿入穴54Hとの位置を合わせる。
(b)ブッシュ67のピン挿入孔67Hと第1分割体53Aのピン移動孔53Hとを介してコントロールシャフト54のピン挿入穴54Hへコントロールピン66をはめ込む。なお、以降では、この第2工程を通じて組み合わされた部材を第1構造体55とする。
[第3工程]スライダギア6と入力ギア7、第1出力ギア8及び第2出力ギア9とを組み合わせる。具体的には、次の(a)〜(c)の作業が行われる。
図16に、下記(a)〜(c)の作業が行われた後の各部材の状態を示す。なお、図16において、[A]は各部材の正面構造を、[B]は各部材の側面構造をそれぞれ示している。また、スライダギア6については、軸線に沿った断面構造を示している。
(a)スライダギア入力スプライン61と入力ギア7とを組み合わせる。
(b)スライダギア第1出力スプライン62と第1出力ギア8とを組み合わせる。
(c)スライダギア第2出力スプライン63と第2出力ギア9とを組み合わせる。なお、以降では、この第3工程を通じて組み合わされた部材を第2構造体56とする。また、本実施形態において、第2構造体56はバルブリフト機構5Aに相当する。
[第4工程]第1構造体55と第2構造体56とを組み合わせる。具体的には、次の(a)及び(b)の作業が行われる。
図17に、下記(a)の作業に対応した各部材の状態を示す。図18に、下記(b)の作業に対応した各部材の状態を示す。なお、図17及び図18において、[A]は各部材の正面構造を、[B]は各部材の側面構造をそれぞれ示している。また、スライダギア6については、軸線に沿った断面構造を示している。
(a)第1構造体55をスライダギア6のシャフト挿入孔64へ挿入する。
(b)ブッシュ67及びコントロールピン66をスライダギア6のピン溝65へはめ込む。なお、以降では、この第4工程を通じて組み合わされた部材を第3構造体57とする。
[第5工程]第3構造体57と第2分割体53Bとを組み合わせる。具体的には、次の(a)の作業が行われる。
図19に、下記(a)の作業が行われた後の各部材の状態を示す。なお、図19において、[A]は各部材の正面構造を、[B]は各部材の側面構造をそれぞれ示している。また、スライダギア6については、軸線に沿った断面構造を示している。
(a)スライダギア6のシャフト挿入孔64へ第2分割体53Bを挿入してロッカシャフト53を構成する。なお、この第5工程を通じて組み合わされた部材は、動弁機構本体51に相当する。
<ロッカシャフトの分割態様>
図20を参照して、ロッカシャフト53の分割態様について説明する。図20は、動弁機構本体51の側面構造を示す。
ここで、動弁機構本体51における各部材の寸法を次のように規定する。
[a]ロッカシャフト53の第1分割体53Aにおける周方向の長さを第1構造体周方向長さRAとする。
[b]ロッカシャフト53の第2分割体53Bにおける周方向の長さを第2構造体周方向長さRBとする。
[c]コントロールシャフト54の直径をコントロールシャフト直径LCとする。なお、ロッカシャフト53の内径は、ロッカシャフト53内においてコントロールシャフト54の移動が可能となるように、コントロールシャフト直径LCよりも若干大きく設定されている。
[d]ロッカシャフト53の直径をロッカシャフト直径LRとする。
[e]スライダギア6のシャフト挿入孔64の直径をシャフト挿入孔直径LSとする。なお、シャフト挿入孔直径LSは、ロッカシャフト53周りにおけるスライダギア6の揺動が可能となるように、ロッカシャフト直径LRよりも若干大きく設定されている。
[f]ロッカシャフト53の肉厚をロッカシャフト肉厚TRとする。
[g]コントロールピン66において、ロッカシャフト53から突出している箇所について、ロッカシャフト53の径方向の長さをコントロールピン突出長さHPとする。
[h]ロッカシャフト直径LRにコントロールピン突出長さHPを加えた長さをロッカシャフト高さHRとする。
[i]ロッカシャフト高さHRからロッカシャフト肉厚TRを除いた長さを第1構造体高さHAとする。
本実施形態の可変動弁機構5においては、第1構造体周方向長さRAが第2構造体周方向長さRBよりも小さく設定されている。また、第1構造体高さHAがシャフト挿入孔直径LSよりも小さく設定されている。即ち、こうした関係が成立するように動弁機構本体51を構成する各部材の寸法が設定されている。
こうした構造を採用することにより、第1分割体53Aとコントロールシャフト54とブッシュ67とコントロールピン66とを組み合わせた部材(第1構造体55)をスライダギア6のシャフト挿入孔64へ挿入することが可能となる。即ち、シャフト挿入孔64へロッカシャフト53、コントロールシャフト54及びブッシュ67を挿入する前に、第1分割体53Aとコントロールシャフト54とブッシュ67とコントロールピン66とを組み合わせることができる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この実施形態にかかる内燃機関の可変動弁機構及びその製造方法によれば、以下に示すような効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の可変動弁機構5によれば、シャフト挿入孔64へロッカシャフト53とコントロールシャフト54とブッシュ67とを挿入する前に、第1分割体53Aとコントロールシャフト54とブッシュ67とコントロールピン66とを組み合わせることができる。従って、可変動弁機構5の組み立てにかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。
ちなみに、図25に示す構造の可変動弁機構においては、その組み立てに際して、スライダギア104のピン挿入孔104Hとブッシュ108のピン挿入孔108Hとロッカシャフト101のピン移動孔101Hとコントロールシャフト102のピン挿入穴102Hとの位置を合わせて各部材を保持した状態でコントロールピン107の取り付け作業を行う必要がある。このため、本実施形態の可変動弁機構5を組み立てる場合に比べて作業効率が低くなる。
(2)図21や図25に示す構造の可変動弁機構においては、コントロールシャフト102へコントロールピン107をはめ込むため、スライダギア104にピン挿入孔104Hを設ける必要がある。
この点、本実施形態の可変動弁機構5においては、上記ピン挿入孔104Hに相当する孔をスライダギア6に形成する必要がない。即ち、本実施形態の可変動弁機構5においては、そうした孔をスライダギア6に形成していない。これにより、スライダギア6の製造にかかる工程数及びコストの低減を図ることができるようになる。
(3)可変動弁機構を備えたエンジンにおいては、メンテナンス等のためにバルブリフト機構をロッカシャフトから外す作業が必要となる場合もある。
本実施形態の可変動弁機構5によれば、バルブリフト機構5Aをスライダギア6と各ギア7,8,9とに分離しなくともバルブリフト機構5Aをロッカシャフト53から外すことが可能となるため、分解にかかる作業効率の向上、ひいては分解後の組み立てにかかる作業効率の向上を図ることができるようになる。なお、可変動弁機構5の分解は、以下に示す手順をもって行うことができる。
[A]動弁機構本体51のスライダギア6から第2分割体53Bを取り出すことにより、動弁機構本体51を第3構造体57と第2分割体53Bとに分解する。
[B]第3構造体57から第1構造体55を取り出すことにより、第3構造体57を第1構造体55と第2構造体56(バルブリフト機構5A)とに分解する。
ちなみに、図21や図25に示す構造の可変動弁機構においては、バルブリフト機構103をロッカシャフト101から外す作業を行うとき、コントロールピン107をコントロールシャフト102から取り外す必要がある。即ち、スライダギア104から各ギア105,106を取り外す作業が行われるため、バルブリフト機構103がスライダギア104と各ギア105,106とに分離される。従って、分解にかかる作業効率の低下、ひいては分解後の組み立てにかかる作業効率の低下をまねくようになる。
一方、上記可変動弁機構において、バルブリフト機構103をスライダギア104と各ギア105,106とに分離せずにバルブリフト機構103をロッカシャフト101から外すことができるようにするためには、次のような構造を採用する必要がある。即ち、入力ギア105において、スライダギア104のピン挿入孔104Hと対応する位置に、コントロールピン107を取り出すための孔(ピン挿入孔)を設ける必要がある。こうした構造を採用した場合、上述した作業効率の低下は回避されるようになるものの、入力ギア105へのピン挿入孔の形成にともなう工程数及びコストの増加が新たに問題となる。
この点、本実施形態の可変動弁機構5においては、入力ギア7にピン挿入孔を形成する必要がないため、入力ギア7の製造にかかる工程数及びコストの増大を抑制することができるようになる。
(4)本実施形態の可変動弁機構5によれば、第1構造体55をスライダギア6のシャフト挿入孔64へ挿入する際、シャフト挿入孔64において第1構造体55を挿入するためのスペースが十分に確保されるようになる。従って、作業効率をより向上させることができるようになる。
(5)本実施形態の製造方法では、第1分割体53A及び第2分割体53Bを冷間鍛造(またはプレス加工)により製造するようにしている。これにより、ロッカシャフト53の製造にかかる工程数の低減が図られるため、コストの増大を抑制することができるようになる。また、各分割体53A,53Bの表面性状の平滑化を通じてロッカシャフト53の耐摩耗性が低減されるため、コントロールシャフト54の移動にともなって生じる摩擦を小さくすることができるようになる。
<変更例>
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・ブッシュ68を備えない構造の可変動弁機構及びその製造方法についても、上記実施形態に準じた態様をもって本発明を適用することができる。
・ロッカシャフト53の分割態様は、上記実施形態にて例示した分割態様に限られるものではない。要するに、第1構造体55をスライダギア6のシャフト挿入孔64へ挿入することができる分割態様であれば、適宜の分割態様を採用することができる。
本発明にかかる内燃機関の可変動弁機構を具体化した実施形態について、内燃機関の全体構造を示す構成図。 同実施形態の可変動弁機構によるバルブ作用角及び最大バルブリフト量の変化態様を示すグラフ。 同実施形態の可変動弁機構について、動弁機構本体及びアクチュエータの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、動弁機構本体の分解斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、スライダギアの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、スライダギアの断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁機構について、コントロールシャフトの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、ロッカシャフトの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、ロッカシャフトの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、コントロールシャフト及びロッカシャフトの斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の可変動弁機構について、バルブリフト機構の内部構造を示す斜視図。 同実施形態の内燃機関について、可変動弁機構及びその周辺の断面構造を示す断面図。 同実施形態の可変動弁機構について、その製造工程の概要を示すフローチャート。 同実施形態の可変動弁機構について、第2工程において各部材を組み合わせる前の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、第2工程において各部材を組み合わせた後の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、第3工程において各部材を組み合わせた後の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、第4工程において各部材を組み合わせる途中の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、第4工程において各部材を組み合わせた後の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、第5工程において各部材を組み合わせた後の状態を示す図。 同実施形態の可変動弁機構について、動弁機構本体の側面構造を示す側面図。 従来の可変動弁機構について、その斜視構造を示す斜視図。 従来の可変動弁機構について、コントロールシャフト及びロッカシャフトの斜視構造を示す斜視図。 従来の可変動弁機構について、スライダギアの斜視構造を示す斜視図。 従来の可変動弁機構について、その内部構造を示す斜視図。 支持プレートを備えた可変動弁機構について、その内部構造を示す斜視図。
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…シリンダヘッド、13…シリンダ、14…タイミングチェーン、15…カムシャフト支持壁、16…カムシャフト支持壁、17…ロッカシャフト支持壁、21…インテークバルブ、21A…ステムキャップ、22…エキゾーストバルブ、23…インテークカムシャフト、24…エキゾーストカムシャフト、25…インテークカム、26…エキゾーストカム、31…吸気用ローラロッカーアーム、31A…アーム本体、31B…ローラ、31C…アジャスタ側端部、31D…キャップ側端部、32…ラッシュアジャスタ、33…弁ばね。
5…可変動弁機構、5A…バルブリフト機構、51…動弁機構本体、52…アクチュエータ、53…ロッカシャフト、53A…第1分割体、53B…第2分割体、53H…ピン移動孔、54…コントロールシャフト、54H…ピン挿入穴、55…第1構造体、56…第2構造体、57…第3構造体。
6…スライダギア、61…スライダギア入力スプライン、62…スライダギア第1出力スプライン、63…スライダギア第2出力スプライン、64…シャフト挿入孔、65…ピン溝、66…コントロールピン、67…ブッシュ、67F…支持端面、67H…ピン挿入孔。
7…入力ギア、71…入力ギアスプライン、72…入力ギアハウジング、73…入力アーム、73A…シャフト、73B…ローラ、73L,73R…支持アーム。
8…第1出力ギア、81…第1出力ギアスプライン、82…第1出力ギアハウジング、82A…ベース部、83…第1出力アーム、83A…カム面。
9…第2出力ギア、91…第2出力ギアスプライン、92…第2出力ギアハウジング、92A…ベース部、93…第2出力アーム、93A…カム面。
RA…第1構造体周方向長さ、RB…第2構造体周方向長さ、LC…コントロールシャフト直径、LR…ロッカシャフト直径、LS…シャフト挿入孔直径、TR…ロッカシャフト肉厚、HP…コントロールピン突出長さ、HR…ロッカシャフト高さ、HA…第1構造体高さ。

Claims (8)

  1. 中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、
    前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを固定するためのピン挿入穴を有するものであり、
    前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記コントロールピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、
    前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記コントロールピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、
    前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置されるものであり、
    前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記ロッカシャフトを軸線に沿って複数に分割した
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、
    前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを固定するためのピン挿入穴を有するものであり、
    前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記コントロールピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、
    前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記コントロールピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、
    前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置され、さらに該他方の端部へ支持プレートが取り付けられるものであり、
    前記支持プレートは、前記コントロールシャフトの軸線に略直交する端面が前記ピン溝と接触するものであり、
    前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記ロッカシャフトを軸線に沿って複数に分割した
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記ロッカシャフトを前記ピン移動孔が形成されている基準分割体と前記ピン移動孔が形成されていない補助分割体との2つに分割するとともに、前記基準分割体の周方向の長さを前記補助分割体の周方向の長さよりも小さく設定した
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  4. 中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、
    前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを挿入するためのピン挿入穴を有するものであり、
    前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記ピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、
    前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記コントロールピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、
    前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置されるものであり、
    前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
    次の〔1〕〜〔4〕の工程を含む
    〔1〕軸線に沿って複数に分割されたロッカシャフトを製造する工程
    〔2〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されている分割体を基準分割体として、該基準分割体とコントロールシャフトとコントロールピンとを組み合わせる工程
    〔3〕前記〔2〕の工程を通じて組み合わされた構造体をシャフト挿入孔へ挿入し、コントロールピンをピン溝へ配置する工程
    〔4〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されていない分割体を補助分割体として、前記〔3〕の工程を通じて構成された構造体のシャフト挿入孔へ該補助分割体を挿入してロッカシャフトを構成する工程
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の製造方法。
  5. 中空に形成されたロッカシャフトと、軸方向へ移動可能な状態で該ロッカシャフト内に配置されるコントロールシャフトと、前記ロッカシャフトの外周に配置されるスライダギアと、該スライダギアに組み付けられてエンジンバルブのカムシャフトを通じて運動する入力ギアと、前記スライダギアに組み付けられて前記エンジンバルブを運動させる出力ギアとを備え、
    前記コントロールシャフトは、前記コントロールシャフトと前記スライダギアとを連動させるコントロールピンを固定するためのピン挿入穴を有するものであり、
    前記ロッカシャフトは、前記コントロールシャフトの軸方向における前記ピンの移動を許容するピン移動孔を有するものであり、
    前記スライダギアは、軸線に沿って前記コントロールシャフトを挿入するためのシャフト挿入孔と前記ピンの周方向への移動を許容するピン溝とを有するものであり、
    前記コントロールピンは、一方の端部が前記ピン挿入穴にはめ込まれるとともに他方の端部が前記ピン溝に配置され、さらに該他方の端部へ支持プレートが取り付けられるものであり、
    前記支持プレートは、前記コントロールシャフトの軸線に略直交する端面が前記ピン溝と接触するものであり、
    前記コントロールシャフトの軸方向への移動を通じて前記入力ギアと前記出力ギアとの相対位相差を変更することで前記エンジンバルブの最大バルブリフト量及びバルブ作用角の少なくとも一方を変更する内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
    次の〔1〕〜〔4〕の工程を含む
    〔1〕軸線に沿って複数に分割されたロッカシャフトを製造する工程
    〔2〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されている分割体を基準分割体として、該基準分割体とコントロールシャフトと支持プレートとコントロールピンとを組み合わせる工程
    〔3〕前記〔2〕の工程を通じて組み合わされた構造体をシャフト挿入孔へ挿入し、支持プレート及びコントロールピンをピン溝へ配置する工程
    〔4〕前記ロッカシャフトを構成する複数の分割体のうち、ピン移動孔が形成されていない分割体を補助分割体として、前記〔3〕の工程を通じて構成された構造体のシャフト挿入孔へ該補助分割体を挿入してロッカシャフトを構成する工程
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
    前記〔1〕の工程にて、前記基準分割体と前記補助分割体との2つを前記ロッカシャフトの分割体として製造するとともに、前記基準分割体の周方向の長さを前記補助分割体の周方向の長さよりも小さく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
    前記〔1〕の工程にて、前記複数に分割されたロッカシャフトを冷間鍛造により製造する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の製造方法。
  8. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構の製造方法において、
    前記〔1〕の工程にて、前記複数に分割されたロッカシャフトをプレス加工により製造する
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構の製造方法。
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