JP4222275B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁機構に関するものである。
自動車用エンジン等の内燃機関においては、機関運転領域全体に亘って運転性及び燃費の最適化を図るべく、機関バルブの最大リフト量、及び同バルブを駆動するカムの作用角を可変とする可変動弁機構を備え、同機構を機関運転状態に応じて駆動するものが提案されている。
こうした可変動弁機構は、回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、それら入力アームと揺動アームとの軸を中心とする揺動方向についての相対位置を変更して最大リフト量及び作用角を可変とするものである。ここで、可変動弁機構における入力アームと揺動アームとの相対位置を変更するための構造について説明する。
可変動弁機構には、入力アーム及び揺動アームの揺動中心となる軸に沿って往復移動可能なスライダが設けられている。このスライダは、入力アーム及び揺動アームを貫通した状態となっている。そして、スライダの外壁には、互い傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが設けられている。また、入力アームの内壁にはスライダの入力ギヤと噛み合う内歯ギヤが形成され、揺動アームの内壁にはスライダの出力ギヤと噛み合う内歯ギヤが形成されている。そして、スライダを軸方向に移動させると、スライダの入力ギヤと入力アームの内歯ギヤとの噛み合い、及び、スライダの出力ギヤと揺動アームの内歯ギヤとの噛み合いに基づき、入力アームと出力アームとの相対位置が変更されるようになる。
ところで、入力アームへのカムの押しつけ時には、カムからの荷重を受ける入力アームが変位し、入力アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。一方、揺動アームによる機関バルブのリフト時には、同バルブ側からの荷重を受ける揺動アームが変位し、揺動アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。
ここで、スライダ側のギヤと各アーム側のギヤとにおける互いに噛み合うギヤ同士の間には遊び(バックラッシ)が存在しており、上述したように内壁と外壁とのクリアランスが大になるということは上記バックラッシが大となることを意味する。この場合、入力アームと揺動アームとの相対位置を変更するためにスライダを軸方向に適宜往復移動させる際、上記のようにバックラッシが大となった部分でスライダ側のギヤと各アーム側のギヤとの歯打音が大きくなることは避けられない。特に、スライダの移動時に同スライダから各アームに作用する周方向の力と、バルブリフト時にカムや機関バルブから各アームに作用する力とが同方向に作用する場合、上記歯打音は大きくなる傾向がある。
こうした歯打音を抑えるため、例えば非特許文献1では、入力アーム及び揺動アームを油圧に基づく力により軸方向一方側に付勢し、スライダ側のギヤと各アーム側のギヤとにおける互いに噛み合うギヤ同士の間の遊び(バックラッシ)を小さく抑えるようにしている。この場合、各アームがカムや機関バルブからの荷重を受けて上述したように変位し、各アームの内壁とスライダの外壁との間のクリアランスが大となる部分でバックラッシが拡大したとしても、同バックラッシはもともと小さく抑えられていることから、上記歯打音が問題になるほどバックラッシが大きくなることはない。
トヨタ技術公開集 発行番号13619
しかしながら、入力アーム及び揺動アームに油圧に基づく力を作用させるには、それら各アームに向けてオイルを供給するための専用の油通路を新たに二シリンダヘッド、より具体的には各アームの位置決めのシリンダヘッドのキャリア等に形成しなければならず、それに伴う手間と費用も無視できない問題となる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、手間や費用をかけることなく、スライダ側のギヤと各アーム側のギヤとの間の歯打音を抑制することのできる内燃機関の可変動弁機構を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、前記スライダの入力ギヤ及びこれと噛み合う前記入力アームの内歯ギヤの周方向一部であって、前記入力アームへの前記カムの押し付け時に同入力アームの内壁が前記スライダの外壁から離れる位置に対応する部分を欠歯とすることを要旨とするものである。
入力アームへのカムの押しつけ時には、カムからの荷重を受ける入力アームが変位し、入力アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、互いに噛み合う入力アームの内歯ギヤ及びスライダの入力ギヤの周方向一部であって、上記のようにクリアランスが大となる位置に対応する部分に欠歯が形成される。仮に、この部分に欠歯が形成されないとすると、その部分にて互いに噛み合う入力ギヤと内歯ギヤとの間の遊び(バックラッシ)が上記クリアランスの拡大に伴い大となり、スライダを軸方向に往復移動させる際の歯打音が大きくなることは避けられない。しかし、こうした歯打音については上記のように欠歯を形成し、クリアランスが大となる部分でギヤの噛み合いを生じさせないことで抑制することが可能になる。また、互いに噛み合う入力アームの内歯ギヤ及びスライダの入力ギヤの周方向一部を欠歯とするという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項2記載の発明では、互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、前記スライダの出力ギヤ及びこれと噛み合う前記揺動アームの内歯ギヤの周方向一部であって、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームの内壁が前記スライダの外壁から離れる位置に対応する部分を欠歯とするを要旨とした。
揺動アームによる機関バルブのリフト時には、同バルブ側からの荷重を受ける揺動アームが変位し、揺動アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、互いに噛み合う揺動アームの内歯ギヤ及びスライダの出力ギヤの周方向一部であって、上記のようにクリアランスが大となる位置に対応する部分に欠歯を形成することができる。仮に、この部分に欠歯が形成されないとすると、その部分にて互いに噛み合う入力ギヤと内歯ギヤとの間の遊び(バックラッシ)が上記クリアランスの拡大に伴い大となり、スライダを軸方向に往復移動させる際の歯打音が大きくなることは避けられない。しかし、こうした歯打音については上記のように欠歯を形成し、クリアランスが大となる部分でギヤの噛み合いを生じさせないことで抑制することが可能になる。また、互いに噛み合う出力アームの内歯ギヤ及びスライダの出力ギヤの周方向一部を欠歯とするという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明において、前記欠歯は、少なくとも、前記カムの回転による前記機関バルブのリフト時に前記入力アームまたは前記出力アームの内壁が前記スライダの外壁から最も離れる位置に形成されていることを要旨とした。
上記構成によれば、入力アームへのカムの押しつけ時や揺動アームによる機関バルブのリフト時に、各アームの内壁とスライダの外壁とのクリアランスが最も大きくなる部分に欠歯が形成されるため、そのクリアランスの拡大に伴いギヤ間のバックラッシが大となって歯打音が最も大きくなるおそれのある部分において、当該歯打音を的確に抑制することができる。
請求項4記載の発明では、互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、前記入力アームの内歯ギヤは、前記スライダの入力ギヤに対し、前記カムの前記入力アームへの押しつけ時に同入力アームが変位する方向と逆方向にオフセットするよう形成されていることを要旨とした。
入力アームへのカムの押しつけ時には、カムからの荷重を受ける入力アームが変位し、入力アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、入力アームの内歯ギヤについては、スライダの入力ギヤに対し、上記入力アームの変位方向と逆方向にオフセットするように形成されているため、上記クリアランスは予め小さく設定されていることになる。従って、上記のように入力アームが変位してクリアランスが拡大したとしても、そのクリアランスはもともと小さく設定されているため、歯打音が問題になるほど上記クリアランス、言い換えれば入力アームの内歯ギヤとスライダの入力ギヤとの遊び(バックラッシ)が大となるのを抑制することができる。また、入力アームの内歯ギヤをスライダの入力ギヤに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項5記載の発明では、互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、前記揺動アームの内歯ギヤは、前記スライダの出力ギヤに対し、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームが変位する方向と逆方向にオフセットするよう形成されていることを要旨とした。
揺動アームによる機関バルブのリフト時には、同バルブ側からの荷重を受ける揺動アームが変位し、揺動アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、揺動アームの内歯ギヤについては、スライダの出力ギヤに対し、上記揺動アームの変位方向と逆方向にオフセットするよう形成されているため、上記クリアランスは予め小さく設定されていることになる。従って、上記のように揺動アームが変位してクリアランスが拡大したとしても、そのクリアランスはもともと小さく設定されているため、歯打音が問題になるほど上記クリアランス、言い換えれば揺動アームの内歯ギヤとスライダの出力ギヤとの遊び(バックラッシ)が大となるのを抑制することができる。また、揺動アームの内歯ギヤをスライダの出力ギヤに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項6記載の発明では、互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤを備えるとともに軸方向に移動可能なスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、スライダ側のギヤと各アーム側のギヤとの互いに噛み合う二つギヤのうち、前記スライダ側のギヤは、前記各アーム側のギヤに対し、前記カムの回転による前記機関バルブのリフト時に同アームが変位する方向と同方向にオフセットするように形成されていることを要旨とした。
カムの回転による機関バルブのリフト時には、カムからの荷重を受ける入力アーム及び機関バルブ側からの荷重を受ける揺動アームが変位し、各アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、スライダ側のギヤについては、各アーム側のギヤに対し、上記揺動アームが変位する方向と同方向にオフセットするように形成されているため、上記クリアランスは予め小さく設定されていることになる。従って、上記のように各アームが変位してクリアランスが拡大したとしても、そのクリアランスはもともと小さく設定されているため、歯打音が問題になるほど上記クリアランス、言い換えれば各アーム側のギヤとスライダ側のギヤとの遊び(バックラッシ)が大となるのを抑制することができる。また、スライダ側のギヤを各アーム側のギヤに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記互いに噛み合う二つのギヤとは、前記スライダの入力ギヤ及びそれに噛み合う前記入力アームの内歯ギヤであって、前記入力ギヤについては、前記入力アームの内歯ギヤに対し、前記入力アームへの前記カムの押しつけ時に同入力アームが変位する方向と同方向にオフセットするよう形成されていることを要旨とした。
入力アームへのカムの押しつけ時には、カムからの荷重を受ける入力アームが変位し、入力アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、スライダの入力ギヤについては、入力アームの内歯ギヤに対し、上記入力アームの変位方向と同方向にオフセットするように形成されているため、上記クリアランスは予め小さく設定されていることになる。従って、上記のように入力アームが変位してクリアランスが拡大したとしても、そのクリアランスはもともと小さく設定されているため、歯打音が問題になるほど上記クリアランス、言い換えれば入力アームの内歯ギヤとスライダの入力ギヤとの遊び(バックラッシ)が大となるのを抑制することができる。また、スライダの入力ギヤを入力アームの内歯ギヤに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
請求項8記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記互いに噛み合う二つのギヤとは、前記スライダの出力ギヤ及びそれに噛み合う前記揺動アームの内歯ギヤであって、前記出力ギヤについては、前記揺動アームの内歯にギヤ対し、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームが変位する方向と同方向にオフセットするよう形成されていることを要旨とした。
揺動アームによる機関バルブのリフト時には、同バルブ側からの荷重を受ける揺動アームが変位し、揺動アームの内壁における上記変位方向前側に位置する部分がスライダの外壁から離れ、そこでの内壁と外壁とのクリアランスが大になる。上記構成によれば、スライダの出力ギヤについては、揺動アームの内歯ギヤに対し、上記揺動アームの変位方向と同方向にオフセットするよう形成されているため、上記クリアランスは予め小さく設定されていることになる。従って、上記のように揺動アームが変位してクリアランスが拡大したとしても、そのクリアランスはもともと小さく設定されているため、歯打音が問題になるほど上記クリアランス、言い換えれば揺動アームの内歯ギヤとスライダの出力ギヤとの遊び(バックラッシ)が大となるのを抑制することができる。また、揺動アームの内歯ギヤをスライダの出力ギヤに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンの可変動弁機構に具体化した第1実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1は、エンジン1におけるシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が接続されている。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断されるようになる。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転するようになっている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作するようになっている。
また、エンジン1は吸気バルブ9や排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備えている。こうした可変動弁機構の一つとして、吸気カムシャフト11の吸気バルブ9との間に、同バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を可変とするリフト量可変機構14が設けられている。このリフト量可変機構14の駆動を通じて、例えば吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態になるほど、最大リフト量及び作用角が大となるよう制御される。これは最大リフト量及び作用角を大とするほど、吸気通路7から燃焼室6への空気の吸入が効率よく行われ、上述した吸入空気量に関する要求を満たすことが可能なためである。
次に、リフト量可変機構14の詳細な構造について説明する。
リフト量可変機構14は、吸気カムシャフト11と平行に延びる支持パイプ15及びコントロールシャフト16と、回転する吸気カム11aにより押されて上記支持パイプ15を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記支持パイプ15を中心に揺動して吸気バルブ9をリフトさせる揺動アーム18とを備えている。そして、入力アーム17と揺動アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することで、上記吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角が可変とされる。
リフト量可変機構14の上記入力アーム17においては、ローラ19が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるようコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。
また、揺動アーム18と吸気バルブ9との間には、揺動アーム18の揺動を吸気バルブ9に伝達するロッカーアーム21が設けられている。このロッカーアーム21の一端部はアジャスタ22によって支持され、同アーム21の他端部は吸気バルブ9に接触している。更に、ロッカーアーム21においては、その一端部と多端部との間にローラ23が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ23が揺動アーム18に押しつけられるよう吸気バルブ9のバルブスプリング24により揺動アーム18側に付勢されている。
従って、揺動アーム18の揺動時には、揺動アーム18がロッカーアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われるようになる。そして、入力アーム17と揺動アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は小となってゆく。逆に、入力アーム17と揺動アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は大となってゆく。
ここで、リフト量可変機構14における入力アーム17と揺動アーム18との相対位置を変更する構造について、図2を参照して詳しく説明する。なお、同図は、リフト量可変機構14の内部構造、詳しくは支持パイプ15に取り付けられた入力アーム17及び揺動アーム18の内側の構造を示す破断斜視図である。
図2に示されるように、支持パイプ15は入力アーム17及び揺動アーム18を貫通している。また、支持パイプ15の外周面における入力アーム17及び揺動アーム18に対応する部分には円筒状をなすスライダ26が嵌め込まれている。そして、それら各アーム17,18、スライダ26、及び支持パイプ15については、入力アーム17における内壁17a(内周面)の中心、揺動アーム18における内壁18a(内周面)の中心、スライダ26の軸線、及び支持パイプ15の軸線が互いに一致するように設けられている。
スライダ26の外壁26aにおいて、長手方向中央部にはヘリカルスプライン27を有する入力ギヤ27aが設けられ、長手方向両端部にはヘリカルスプライン29を有する出力ギヤ29aが設けられている。このスライダ26の入力ギヤ27aには、入力アーム17の内壁17aに形成されてヘリカルスプライン28を有する内歯ギヤ28aが噛み合わされている。また、スライダ26の出力ギヤ29aには、揺動アーム18の内壁18aに形成されてヘリカルスプライン30を有する内歯ギヤ30aが噛み合わされている。なお、ヘリカルスプライン27,28とヘリカルスプライン29,30とは、互いに傾斜角が異なっており、例えば互いに歯すじの傾斜方向が逆となっている。
一方、支持パイプ15の内側にはコントロールシャフト16が挿入されている。そして、スライダ26に形成された周方向に延びる長穴32、及び、支持パイプ15に形成された軸線方向に延びる長穴(図示略)にピン31を挿入し、更に当該ピン31をコントロールシャフト16に挿入することで、スライダ26とコントロールシャフト16とが連結されている。ここで、上記支持パイプ15の長穴はコントロールシャフト16の軸線方向への変位を許容するためのものであり、スライダ26の長穴32は同スライダ26の周方向への変位を許容するためのものである。
そして、コントロールシャフト16を軸線方向に変位させ、それによってスライダ26を軸線方向に変位させると、ヘリカルスプライン27,29とヘリカルスプライン28,30との噛み合いにより、入力アーム17と揺動アーム18との揺動方向についての相対位置が変更される。具体的には、コントロールシャフト16を矢印R方向に変位させるほど入力アーム17と揺動アーム18との相対位置が互いに接近するように変更され、コントロールシャフト16を矢印F方向に変位させるほど入力アーム17と揺動アーム18との相対位置が互いに離間するように変更される。以上のようなコントロールシャフト16の軸線方向についての変位は、例えば電動モータを用いたアクチュエータの駆動制御によって実現される。
上記入力アーム17及び揺動アーム18の相対位置の変更を通じて、吸気カム11aの回転により揺動アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの作用角が可変とされる。なお、上記のように揺動アーム18が揺動するときには、それに伴いスライダ26も支持パイプ15の外周面に対し周方向に変位するが、こうした変位はスライダ26の長穴32によって許容されることとなる。
ところで、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び揺動アーム18が揺動して吸気バルブ9がリフトするとき、入力アーム17は吸気カム11a側からの荷重を受け、揺動アーム18は吸気バルブ9側からの荷重を受けることになる。そうした荷重による入力アーム17及び揺動アーム18への影響について、図3及び図4を参照して以下で入力アーム17への影響と揺動アーム18への影響とで別々に説明する。
[入力アーム17への影響]
図3は、吸気カム11a側からの荷重を受けたときの入力アーム17の変位態様を模式的に示した図である。入力アーム17に吸気カム11a側からの荷重が作用するのは、吸気カム11aが入力アーム17に押しつけられたときである。
上記入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ前には、例えば図3(a)に示されるように、入力アーム17の内壁17aとスライダ26の外壁26aとの間に、ある程度のクリアランスが生じることとなる。この状態にあって、吸気カム11aが入力アーム17に押しつけられると、入力アーム17が吸気カム11a側からの荷重F1を受けて例えば図3(b)に示されるように変位する。ここでの入力アーム17の変位については、入力アーム17における内壁17aの中心Liがスライダ26の軸線Lpと一致した状態(図3(a))から矢印X1方向、言い換えれば荷重F1の作用する方向とほぼ同じ方向にずれるという態様で行われる。こうした入力アーム17の変位により、入力アーム17の内壁17aにおける変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、そこでの内壁17a,18aと外壁26aとのクリアランスが大になる。
このように内壁17aと外壁26aとの間の一部でクリアランスが大になるということは、その部分で互いに噛み合う入力アーム17の内歯ギヤ28aとスライダ26の入力ギヤ27aとの遊び(バックラッシ)が大になることを意味する。そして、バックラッシが大になると、入力アーム17と揺動アーム18との相対位置を変更するためにスライダ26を軸方向に適宜往復移動させる際、上記のようにバックラッシが大となった部分で入力ギヤ27aと内歯ギヤ28aとの歯打音が大きくなることは避けられない。特に、スライダ26の移動時に同スライダ26から入力アーム17に作用する周方向の力と、荷重F1に基づき入力アーム17に作用する周方向の力とが同方向に作用する場合、上記歯打音が大きくなる傾向がある。
[揺動アーム18への影響]
図4は、吸気バルブ9側からの荷重を受けたときの揺動アーム18の変位態様を模式的に示した図である。揺動アーム18に吸気バルブ9側からの荷重が作用するのは、揺動アーム18がその揺動によって吸気バルブ9をリフトさせたときである。
上記揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト前には、例えば図4(a)に示されるように、揺動アーム18の内壁18aとスライダ26の外壁26aとの間に、ある程度のクリアランスが生じることとなる。この状態にあって、揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフトが行われると、揺動アーム18が吸気バルブ9側からの荷重F2を受けて例えば図4(b)に示されるように変位する。ここでの揺動アーム18の変位については、揺動アーム18における内壁18aの中心Loがスライダ26の軸線Lpと一致した状態(図4(a))から矢印X2方向、言い換えれば荷重F2の作用する方向とほぼ同じ方向にずれるという態様で行われる。こうした揺動アーム18の変位により、揺動アーム18の内壁18aにおける変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、そこでの内壁18aと外壁26aとのクリアランスが大になる。
このように内壁18aと外壁26aとの間の一部でクリアランスが大になるということは、その部分で互いに噛み合う揺動アーム18の内歯ギヤ30aとスライダ26の出力ギヤ29aとの遊び(バックラッシ)が大になることを意味する。そして、バックラッシが大になると、入力アーム17と揺動アーム18との相対位置を変更するためにスライダ26を軸方向に適宜往復移動させる際、上記のようにバックラッシが大となった部分で出力ギヤ29aと内歯ギヤ30aとの歯打音が大きくなることは避けられない。特に、スライダ26の移動時に同スライダ26から入力アーム17に作用する周方向の力と、荷重F2に基づき揺動アーム18に作用する周方向の力とが同方向に作用する場合、上記歯打音が大きくなる傾向がある。
次に、上述したような歯打音を抑制するための構造について、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、入力アーム17の内部を支持パイプ15の軸線方向から見た拡大断面図であって、入力アーム17の内歯ギヤ28aとスライダ26の入力ギヤ27aとの噛み合い状態を示している。同図に示されるように、互いに噛み合う入力ギヤ27a及び内歯ギヤ28aについては、それらギヤ27a,28aの周方向の一部が欠歯41,42とされている。この欠歯41,42の周方向についての形成位置については、上記荷重F1に基づき入力アーム17が図3(b)の矢印X1方向に変位したときに入力アーム17の内壁17aがスライダ26の外壁26aから離れる位置となっている。更に、上記欠歯41,42の周方向についての形成範囲内には、上記入力アーム17の変位に起因して、内壁17aが外壁26aから最も離れる位置(図3(b)の位置P1に対応)が含まれている。
このように欠歯41,42を形成することで、上記入力アーム17の変位により内壁17aにおける変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、そこでの内壁17aと外壁26aとのクリアランスが大になったとき、そのクリアランスが大となる部分でギヤの噛み合いを生じさせないようにすることができる。従って、そのクリアランスの増大に伴いギヤ同士の遊び(バックラッシ)が大となり、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音の発生を抑制することができる。なお、欠歯41,42を形成するにあたっては、入力ギヤ27aの周方向に並ぶ各ヘリカルスプライン27のうちの一つ、或いは複数が省略されることとなる。
図6は、揺動アーム18の内部を支持パイプ15の軸線方向から見た拡大断面図であって、揺動アーム18の内歯ギヤ30aとスライダ26の出力ギヤ29aとの噛み合い状態を示している。同図に示されるように、互いに噛み合う内歯ギヤ30a及び出力ギヤ29aについては、それらギヤ29a,30aの周方向の一部が欠歯43,44とされている。この欠歯43,44の周方向についての形成位置については、上記荷重F2に基づき揺動アーム18が図4(b)の矢印X2方向に変位したときに揺動アーム18の内壁18aがスライダ26の外壁26aから離れる位置となっている。更に、上記欠歯43,44の周方向についての形成範囲内には、上記揺動アーム18の変位に起因して、内壁18aが外壁26aから最も離れる位置(図4(b)の位置P2に対応)が含まれている。
このように欠歯43,44を形成することで、上記揺動アーム18の変位により内壁18aにおける変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、そこでの内壁18aと外壁26aとのクリアランスが大になったとき、そのクリアランスが大となる部分でギヤの噛み合いを生じさせないようにすることができる。従って、そのクリアランスの増大に伴いギヤ同士の遊び(バックラッシ)が大となり、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音の発生を抑制することができる。なお、欠歯43,44を形成するにあたっては、出力ギヤ29aの周方向に並ぶ各ヘリカルスプライン27のうちの一つ、或いは複数が省略されることとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ時、入力アーム17の内壁17aとスライダ26の外壁26aとのクリアランスが拡大する位置に欠歯41,42が形成されているため、その位置でギヤ同士の噛み合いを生じさせないようにすることができる。従って、上記クリアランスの拡大に伴いスライダ26の入力ギヤ27aと入力アーム17の内歯ギヤ28aとの間の遊び(バックラッシ)が大となって歯打音が大となるのを抑制することができる。また、互いに噛み合う入力ギヤ27aと内歯ギヤ28aとの周方向一部を欠歯41,42にするという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(2)上記欠歯41,42の周方向についての形成範囲内には、上記入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ時に、内壁17aが外壁26aから最も離れる位置(図3(b)の位置P1に対応)が含まれている。従って、少なくとも、上記入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ時に内壁17aと外壁26aとのクリアランスが最も大きくなる部分には、上記欠歯41,42が形成されることとなる。このため、そのクリアランスの拡大に伴い入力ギヤ27aと内歯ギヤ28aとの間のバックラッシが大となって歯打音が最も大きくなるおそれのある部分において、当該歯打音を的確に抑制することができる。
(3)揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時、揺動アーム18の内壁18aとスライダ26の外壁26aとのクリアランスが拡大する位置に欠歯43,44が形成されているため、その位置でギヤ同士の噛み合いを生じさせないようにすることができる。従って、上記クリアランスの拡大に伴いスライダ26の出力ギヤ29aと揺動アーム18の内歯ギヤ28aとの間の遊び(バックラッシ)が大となって歯打音が大となるのを抑制することができる。また、互いに噛み合う内歯ギヤ28aと出力ギヤ29aとの周方向一部を欠歯43,44にするという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(4)上記欠歯43,44の周方向についての形成範囲内には、上記揺動アーム18への吸気カム11aの押しつけ時に、内壁18aが外壁26aから最も離れる位置(図4(b)の位置P2に対応)が含まれている。従って、少なくとも、上記揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に内壁18aと外壁26aとのクリアランスが最も大きくなる部分には、上記欠歯43,44が形成されることとなる。このため、そのクリアランスの拡大に伴い出力ギヤ29aと内歯ギヤ30aとの間のバックラッシが大となって歯打音が最も大きくなるおそれのある部分において、当該歯打音を的確に抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図7〜図9を参照して説明する。
この実施形態は、各アーム側のギヤをスライダ側のギヤに対しバルブリフト時の変位方向と逆の方向に予めオフセットするように形成することで、バルブリフト時における各アームの変位に伴い、互いに噛み合うギヤ間のバックラッシが大となるのを抑制するようにしたものである。
図7は、リフト量可変機構14における入力アーム17、揺動アーム18、スライダ26、支持パイプ15、及びコントロールシャフト16等のシリンダヘッド2への取り付け状態を示す断面図である。
同図に示されるように、支持パイプ15及びコントロールシャフト16は、シリンダヘッド2の立壁部45を貫通するとともに、二つの立壁部45に挟まれた状態にある各アーム17,18を貫通している。各アーム17,18のうち、入力アーム17は二つの揺動アーム18によって挟まされて支持パイプ15の軸線方向についての位置決めがなされており、それら揺動アーム18は立壁部45に当接して上記軸方向についての位置決めがなされている。また、各アーム17,18の内側には支持パイプ15に填め込まれたスライダ26が位置している。そして、スライダ26の入力ギヤ27aと入力アーム17の内歯ギヤ28aとが互いに噛み合うとともに、スライダ26の出力ギヤ29aと揺動アーム18の内歯ギヤ30aとが互いに噛み合っている。
揺動アーム18には支持パイプ15が嵌め込まれる孔46が形成されている。そして、孔46の内周面は支持パイプ15の外周面と当接しており、それによって揺動アーム18の内壁18aと支持パイプ15の外周面との距離が固定されている。また、揺動アーム18の入力アーム17側の縁部には、入力アーム17の内壁17aが嵌め込まれる小径部47が形成されている。そして、小径部47の外周面には入力アーム17の内壁17aが嵌め込まれて当接しており、それによって入力アーム17の内壁17aと揺動アーム18の内壁18aとの距離、言い換えれば入力アーム17の内壁17aと支持パイプ15の外周面との距離が固定されている。
次に、吸気カム11aによる吸気バルブ9のリフト時に上記バックラッシが大となるのを抑制するための構造について、図8及び図9を併せ参照して説明する。
図8は、入力アーム17の内壁17a及び内歯ギヤ30aと、スライダ26の外壁26a及び入力ギヤ27aとの位置関係を模式的に示した図である。ここで、スライダ26の外壁26aは、同スライダ26の軸線Lp、即ち支持パイプ15の軸線を中心とする円周に沿って延びるように形成されている。このため、外壁26aに形成された入力ギヤ27aも、支持パイプ15の軸線を中心とする円周に沿って延びるように形成されることとなる。
これに対し、入力アーム17の内壁17aについては、その中心Liがスライダ26の軸線Lpに対し矢印Y1方向にオフセットした状態にされている。これは、入力アーム17が嵌め込まれる揺動アーム18の小径部47(図7)を、スライダ26の軸線Lpに対し、矢印Y1方向にオフセットするように形成することで実現される。そして、入力アーム17の内壁17aを上記のようにオフセットさせることで、当該内壁17aに形成される内歯ギヤ28aも、スライダ26の入力ギヤ27aに対し矢印Y1方向にオフセットした状態となるよう形成されることとなる。
本実施形態の上記矢印Y1方向については、入力アーム17への吸気カム11aの押しつけにより、入力アーム17が荷重F1を受けたときの同アーム17の変位方向(図3(b)の矢印X1)と逆方向となっている。このため、上記荷重F1により入力アーム17が変位したときの内壁17aの変位方向前側に位置する部分とスライダ26の外壁26aとのクリアランスは、内壁17a及び内歯ギヤ28aの矢印Y1方向へのオフセットによって予め小さくされることとなる。また、矢印Y1方向への内壁17a及び内歯ギヤ28aのオフセット量は、例えば上記荷重F1による入力アーム17の変位量と同じ値に設定されている。なお、こうした入力アーム17の変位量については実験によって求めることが可能である。
従って、上記荷重F1により入力アーム17が変位したとき、入力アーム17の内壁17aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れたとしても、その部分のクリアランスは予め小さくされていることから、同クリアランスが大きくなることは図8(b)に示されるように抑制される。その結果、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなるのを抑制することができる。
図9は、揺動アーム18の内壁18a及び内歯ギヤ30aと、スライダ26の外壁26a及び出力ギヤ29aとの位置関係を模式的に示した図である。ここで、スライダ26の外壁26aは、同スライダ26の軸線Lp、即ち支持パイプ15の軸線を中心とする円周に沿って延びるように形成されていることは上述したとおりである。このため、外壁26aに形成された出力ギヤ29aも、支持パイプ15の軸線を中心とする円周に沿って延びるように形成されることとなる。
これに対し、揺動アーム18の内壁18aについては、その中心Loがスライダ26の軸線Lpに対し矢印Y2方向にオフセットした状態にされている。これは、揺動アーム18の孔46(図7)を、スライダ26の軸線Lpに対し、矢印Y2と逆方向にオフセットするように形成することで実現される。そして、揺動アーム18の内壁18aを上記のようにオフセットさせることで、当該内壁18aに形成される内歯ギヤ28aも、スライダ26の出力ギヤ29aに対し矢印Y2方向にオフセットした状態となるよう形成されることとなる。
本実施形態の上記矢印Y2方向については、揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフトにより、揺動アーム18が荷重F2を受けたときの同アーム18の変位方向(図4(b)の矢印X2)と逆方向となっている。このため、上記荷重F2により揺動アーム18が変位したときの内壁18aの変位方向前側に位置する部分とスライダ26の外壁26aとのクリアランスは、内壁18a及び内歯ギヤ30aの矢印Y2方向へのオフセットによって予め小さくされることとなる。また、矢印Y2方向への内壁18a及び内歯ギヤ30aのオフセット量は、例えば上記荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じ値に設定されている。なお、こうした揺動アーム18の変位量については実験によって求めることが可能である。
従って、上記荷重F2により揺動アーム18が変位したとき、揺動アーム18の内壁18aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れたとしても、その部分のクリアランスは予め小さくされていることから、同クリアランスが大きくなることは図9(b)に示されるように抑制される。その結果、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなるのを抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)入力アーム17への吸気カム11aの押しつけにより、入力アーム17が荷重F1を受けて変位したとき、入力アーム17の内壁17aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、その部分での内壁17aと外壁26aとのクリアランスが大きくなる。しかし、上記部分のクリアランスは、入力アーム17の内歯ギヤ28aを、スライダ26の入力ギヤ27aに対し、矢印Y1方向にオフセットするように形成することで、予め小さくされている。従って、上記のように入力アーム17が変位して当該クリアランスが拡大したとしても、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記クリアランスが大きくなること、言い換えれば上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなることを抑制することができる。また、入力アーム17の内歯ギヤ28aをスライダ26の入力ギヤ27aに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(6)また、矢印Y1方向への内壁17a及び内歯ギヤ28aのオフセット量は、荷重F1による入力アーム17の変位量と同じ値に設定されている。このため、入力アーム17が荷重F1を受けて変位したとき、内壁17aの中心Liをスライダ26の軸線Lpとほぼ一致させることができる。従って、内歯ギヤ28aと入力ギヤ27aとの噛み合いを周方向全体に亘って均一なものとし、入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ時に、スライダ26の移動に基づく入力アーム17の位置変更を円滑に行うことが可能になる。
(7)揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に、揺動アーム18が吸気バルブ9側からの荷重F2を受けて変位したとき、揺動アーム18の内壁18aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26aから離れ、その部分での内壁18aと外壁26aとのクリアランスが大きくなる。しかし、上記部分のクリアランスは、揺動アーム18の内歯ギヤ30aを、スライダ26の出力ギヤ29aに対し、矢印Y2方向にオフセットするように形成することで、予め小さくされている。従って、上記のように揺動アーム18が変位して当該クリアランスが拡大したとしても、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記クリアランスが大きくなること、言い換えれば上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなることを抑制することができる。また、揺動アーム18の内歯ギヤ30aをスライダ26の出力ギヤ29aに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(8)また、矢印Y2方向への内壁18a及び内歯ギヤ30aのオフセット量は、荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じ値に設定されている。このため、揺動アーム18が荷重F2を受けて変位したとき、内壁18aの中心をスライダ26の軸線Lpとほぼ一致させることができる。従って、内歯ギヤ28aと出力ギヤ29aとの噛み合いを周方向全体に亘って均一なものとし、揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に、スライダ26の移動に基づく揺動アーム18の位置変更を円滑に行うことが可能になる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
この実施形態は、スライダ側のギヤを各アーム側のギヤに対しバルブリフト時の変位方向と同じ方向に予めオフセットするように形成することで、バルブリフト時における各アームの変位に伴い、互いに噛み合うギヤ同士のバックラッシが大となるのを抑制するようにしたものである。
以下、吸気カム11aによる吸気バルブ9のリフト時に上記バックラッシが大となるのを抑制するための構造について、図10及び図11を併せ参照して説明する。
図10は、入力アーム17の内壁17a及び内歯ギヤ28aと、スライダ26の外壁26a及び入力ギヤ27aとの位置関係を模式的に示した図である。ここで、入力アーム17の内壁17aは、互いに一致する支持パイプ15(図7)の軸線及びスライダ26の軸線Lpを中心とする円周に沿って延びるように形成されている。このため、内壁17aに形成された内歯ギヤ28aも、支持パイプ15の軸線及びスライダ26の軸線Lpを中心とする円周に沿って延びるように形成されることとなる。なお、このときには、孔46、小径部47(以上、図7)、及び内壁17aが、それぞれの中心を互いに一致させるように、且つ、支持パイプ15の軸線及びスライダ26の軸線Lpと一致するように形成される。
これに対し、内歯ギヤ28aと噛み合うスライダ26の入力ギヤ27aは、内歯ギヤ28aに対し、矢印Z1方向にオフセットするように形成されている。従って、入力ギヤ27aの中心Lg1は、互いに一致する内壁17a(内歯ギヤ30a)の中心Li及びスライダ26の軸線Lpに対し、矢印Z1方向にずれることとなる。
本実施形態の上記矢印Z1方向については、入力アーム17への吸気カム11aの押しつけにより、入力アーム17が荷重F1を受けたときの同アーム17の変位方向(図3(b)の矢印X1)と同方向となっている。このため、上記荷重F1により入力アーム17が変位したときの内壁17aの変位方向前側に位置する部分とスライダ26の外壁26a(入力ギヤ27a)とのクリアランスは、入力ギヤ27aの矢印Z1方向へのオフセットによって予め小さくされることとなる。また、矢印Z1方向への入力ギヤ27aのオフセット量は、例えば上記荷重F1による入力アーム17の変位量と同じ値に設定されている。
従って、上記荷重F1により入力アーム17が変位したとき、入力アーム17の内壁17aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26a(入力ギヤ27a)から離れたとしても、その部分のクリアランスは予め小さくされていることから、同クリアランスが大きくなることは図10(b)に示されるように抑制される。その結果、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなるのを抑制することができる。なお、このときには内壁17a(内歯ギヤ28a)の中心Liは、スライダ26の軸線Lpから矢印Z1方向に変位して入力ギヤ27aの中心Lg1と一致するようになる。
図11は、揺動アーム18の内壁18a及び内歯ギヤ30aと、スライダ26の外壁26a及び出力ギヤ29aとの位置関係を模式的に示した図である。ここで、揺動アーム18の内壁18aは、互いに一致する支持パイプ15(図7)の軸線及びスライダ26の軸線Lpを中心とする円周に沿って延びるように形成されている。このため、内壁18aに形成された内歯ギヤ28aも、支持パイプ15の軸線及びスライダ26の軸線Lpを中心とする円周に沿って延びるように形成されることとなる。なお、このときには、孔46(図7)及び内壁18aが、それぞれの中心を互いに一致させるように、且つ、支持パイプ15の軸線及びスライダ26の軸線Lpと一致するように形成される。
これに対し、内歯ギヤ30aと噛み合うスライダ26の出力ギヤ29aは、内歯ギヤ30aに対し、矢印Z2方向にオフセットするように形成されている。従って、出力ギヤ29aの中心Lg2は、互いに一致する内壁18a(内歯ギヤ30a)の中心Lo及びスライダ26の軸線Lpに対し、矢印Z2方向にずれることとなる。
本実施形態の上記矢印Z2方向については、揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に、揺動アーム18が吸気バルブ9から荷重F2を受けたときの同アーム18の変位方向(図4(b)の矢印X2)と同方向となっている。このため、上記荷重F2により揺動アーム18が変位したときの内壁18aの変位方向前側に位置する部分とスライダ26の外壁26a(出力ギヤ29a)とのクリアランスは、出力ギヤ29aの矢印Z2方向へのオフセットによって予め小さくされることとなる。また、矢印Z2方向への出力ギヤ29aのオフセット量は、例えば上記荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じ値に設定されている。
従って、上記荷重F2により揺動アーム18が変位したとき、揺動アーム18の内壁18aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26a(出力ギヤ29a)から離れたとしても、その部分のクリアランスは予め小さくされていることから、同クリアランスが大きくなることは図11(b)に示されるように抑制される。その結果、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなるのを抑制することができる。なお、このときにはな内壁18a(内歯ギヤ30a)の中心Loは、スライダ26の軸線Lpから矢印Z2方向に変位して出力ギヤ29aの中心Lg2と一致するようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(9)入力アーム17への吸気カム11aの押しつけにより、入力アーム17が荷重F1を受けて変位したとき、入力アーム17の内壁17aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26a(入力ギヤ27a)から離れ、その部分での内壁17aと外壁26aとのクリアランスが大きくなる。しかし、上記部分のクリアランスは、スライダ26の入力ギヤ27aを、入力アーム17の内歯ギヤ28aに対し、矢印Z1方向にオフセットするように形成することで、予め小さくされている。従って、上記のように入力アーム17が変位して当該クリアランスが拡大したとしても、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記クリアランスが大きくなること、言い換えれば上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなることを抑制することができる。また、スライダ26の入力ギヤ27aを入力アーム17の内歯ギヤ28aに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(10)また、矢印Z1方向への入力ギヤ27aのオフセット量は、荷重F1による入力アーム17の変位量と同じ値に設定されている。このため、入力アーム17が荷重F1を受けて変位したとき、内壁17a(内歯ギヤ28a)の中心Liを入力ギヤ27aの中心Lg1とほぼ一致させることができる。従って、内歯ギヤ30aと入力ギヤ27aとの噛み合いを周方向全体に亘って均一なものとし、入力アーム17への吸気カム11aの押しつけ時に、スライダ26の移動に基づく入力アーム17の位置変更を円滑に行うことが可能になる。
(11)揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に、揺動アーム18が吸気バルブ9側からの荷重F2を受けて変位したとき、揺動アーム18の内壁18aの変位方向前側に位置する部分がスライダ26の外壁26a(出力ギヤ29a)から離れ、その部分での内壁18aと外壁26aとのクリアランスが大きくなる。しかし、上記部分のクリアランスは、スライダ26の出力ギヤ29aを、揺動アーム18の内歯ギヤ30aに対し、矢印Z2方向にオフセットするように形成することで、予め小さくされている。従って、上記のように揺動アーム18が変位して当該クリアランスが拡大したとしても、スライダ26の軸方向移動に伴う歯打音が問題になるほど、上記クリアランスが大きくなること、言い換えれば上記部分でのギヤ間の遊び(バックラッシ)が大きくなることを抑制することができる。また、スライダ26の出力ギヤ29aを揺動アーム18の内歯ギヤ30aに対しオフセットするように形成するという、既存部品の変更だけで上記歯打音を抑制することができ、その抑制を手間や費用をかけることなく実現することができる。
(12)また、矢印Z2方向への出力ギヤ29aのオフセット量は、荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じ値に設定されている。このため、揺動アーム18が荷重F2を受けて変位したとき、内壁18a(内歯ギヤ30a)の中心Loを入力ギヤ27aの中心Lg2とほぼ一致させることができる。従って、内歯ギヤ30aと出力ギヤ29aとの噛み合いを周方向全体に亘って均一なものとし、揺動アーム18の揺動による吸気バルブ9のリフト時に、スライダ26の移動に基づく揺動アーム18の位置変更を円滑に行うことが可能になる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第3実施形態において、入力ギヤ27aと出力ギヤ29aとのいずれか一方のみをオフセットさせてもよい。この場合でもオフセットさせた方のギヤ及びそれに噛み合うアーム側のギヤに関しては、バルブリフト時のバックラッシ拡大を抑制することができる。
・第3実施形態において、矢印Z1方向への入力ギヤ27aのオフセット量を必ずしも荷重F1による入力アーム17の変位量と同じにする必要はない。また、矢印Z2方向への出力ギヤ29aのオフセット量を必ずしも荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じにする必要もない。
・第2実施形態において、入力アーム17の内壁17a及び内歯ギヤ28aと、揺動アーム18の内壁18a及び内歯ギヤ30aとのいずれか一方のみをオフセットさせてもよい。この場合でもオフセットさせた方のアーム側のギヤ及びそれに噛み合うスライダ側のギヤに関しては、バルブリフト時のバックラッシ拡大を抑制することができる。
・第2実施形態において、矢印Y1方向への内壁17a及び内歯ギヤ28aのオフセット量を必ずしも荷重F1による入力アーム17の変位量と同じにする必要はない。また、矢印Y2方向への内壁18a及び内歯ギヤ30aのオフセット量を必ずしも荷重F2による揺動アーム18の変位量と同じにする必要もない。
・第1実施形態において、欠歯41,42のみ形成したり、或いは欠歯43,44のみを形成してもよい。この場合でも欠歯が形成されたアーム側のギヤ及びスライダ側のギヤに関しては、バルブリフト時の歯打音を抑制することができる。
・第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて実施したり、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実施したりしてもよい。
・排気バルブ10の最大バルブ量、及び、排気カム12aの排気バルブ10に対する作用角といった排気バルブ10のバルブ特性を可変とする可変動弁機構をエンジン1に適用する場合には、その可変動弁機構に本発明を適用してもよい。
第1実施形態のリフト量可変機構が適用されたエンジンの所定気筒におけるシリンダヘッド周りの構造を示す拡大断面図。 リフト量可変機構の内部構造を示す破断斜視図。 (a)及び(b)は、吸気カム側からの荷重を受ける入力アームの変位態様を示す模式図。 (a)及び(b)は、吸気バルブ側からの荷重を受ける揺動アームの変位態様を示す模式図。 入力アームの内部を支持パイプの軸線方向から見た拡大断面図。 揺動アームの内部を支持パイプの軸線方向から見た拡大断面図。 第2実施形態でのリフト量可変機構における入力アーム、揺動アーム、スライダ、支持パイプ、及びコントロールシャフト等のシリンダヘッドへの取り付け状態を示す断面図。 (a)及び(b)は、第2実施形態における入力アームの内壁及び内歯ギヤと、スライダの外壁及び入力ギヤとの位置関係を示す模式図。 (a)及び(b)は、第2実施形態における揺動アームの内壁及び内歯ギヤと、スライダの外壁及び出力ギヤとの位置関係を示す模式図。 (a)及び(b)は、第3実施形態における入力アームの内壁及び内歯ギヤと、スライダの外壁及び入力ギヤとの位置関係を示す模式図。 (a)及び(b)は、第3実施形態における揺動アームの内壁及び内歯ギヤと、スライダの外壁及び出力ギヤとの位置関係を示す模式図。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…リフト量可変機構、15…支持パイプ、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、17a…内壁、18…揺動アーム、18a…内壁、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカーアーム、22…アジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、26…スライダ、26a…外壁、27…ヘリカルスプライン、27a…入力ギヤ、28…ヘリカルスプライン、28a…内歯ギヤ、29…ヘリカルスプライン、29a…出力ギヤ、30…ヘリカルスプライン、30a…内歯ギヤ、31…ピン、32…長穴、41〜44…欠歯、45…立壁部、46…孔、47…小径部。

Claims (8)

  1. 互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スライダの入力ギヤ及びこれと噛み合う前記入力アームの内歯ギヤの周方向一部であって、前記入力アームへの前記カムの押し付け時に同入力アームの内壁が前記スライダの外壁から離れる位置に対応する部分を欠歯とする
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スライダの出力ギヤ及びこれと噛み合う前記揺動アームの内歯ギヤの周方向一部であって、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームの内壁が前記スライダの外壁から離れる位置に対応する部分を欠歯とする
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記欠歯は、少なくとも、前記カムの回転による前記機関バルブのリフト時に前記入力アームまたは前記出力アームの内壁が前記スライダの外壁から最も離れる位置に形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  4. 互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記入力アームの内歯ギヤは、前記スライダの入力ギヤに対し、前記カムの前記入力アームへの押しつけ時に同入力アームが変位する方向と逆方向にオフセットするよう形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  5. 互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤが外壁に設けられたスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが内壁に形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記揺動アームの内歯ギヤは、前記スライダの出力ギヤに対し、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームが変位する方向と逆方向にオフセットするよう形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  6. 互いに傾斜角の異なるヘリカルスプラインを有する入力ギヤ及び出力ギヤを備えるとともに軸方向に移動可能なスライダと、前記入力ギヤに噛み合う内歯ギヤが形成されるとともに回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、前記出力ギヤに噛み合う内歯ギヤが形成されるとともに前記入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記スライダを軸方向に移動させて前記入力アームと前記揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更することで、前記機関バルブのバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記スライダのギヤと前記各アームのギヤとの互いに噛み合う二つギヤのうち、前記スライダのギヤは、前記各アームのギヤに対し、前記カムの回転による前記機関バルブのリフト時に同アームが変位する方向と同方向にオフセットするように形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記互いに噛み合う二つのギヤとは、前記スライダの入力ギヤ及びこれに噛み合う前記入力アームの内歯ギヤであって、
    前記スライダの入力ギヤについては、前記入力アームの内歯ギヤに対し、前記入力アームへの前記カムの押しつけ時に同入力アームが変位する方向と同方向にオフセットするよう形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  8. 請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構において、
    前記互いに噛み合う二つのギヤとは、前記スライダの出力ギヤ及びこれに噛み合う前記揺動アームの内歯ギヤであって、
    前記スライダの出力ギヤについては、前記揺動アームの内歯ギヤに対し、前記揺動アームによる前記機関バルブのリフト時に同揺動アームが変位する方向と同方向にオフセットするよう形成されている
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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