JP4410645B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の可変動弁機構に関するものである。
近年、自動車用エンジン等の内燃機関においては、吸入空気量の調整を吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度調節によって行う代わりに、吸気バルブの最大リフト量及び同バルブを駆動する吸気カムの作用角を可変とすることによって行うことが考えられている。この場合、最大リフト量及び作用角を小とすることによって吸入空気量を少なくし、最大リフト量及び作用角を大とすることによって吸入空気量を多くすることとなる。
こうした最大リフト量及び作用角の変更を実現するには、例えば特許文献1に示される可変動弁機構を内燃機関に適用することが考えられる。この可変動弁機構は、回転する吸気カムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、同入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して吸気バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、それら入力アームと揺動アームとの揺動方向についての相対位置を変更して最大リフト量及び作用角を可変とするものである。
同機構の揺動アームには吸気バルブを駆動するためのカム面が形成されており、このカム面の形状によって吸気バルブを駆動する際のリフト量の推移が定められる。ここで、カム面の形状の一例を図7に示す。
同図における揺動アーム51のカム面52において、軸53寄りの部分には同アーム51の揺動に対し吸気バルブをリフトさせない非リフト区間が形成されている。この非リフト区間は、軸53の軸線を中心とするベース円B上に沿って延びる区間であって、これにより揺動アーム51の揺動に対し吸気バルブがリフトしない区間となっている。
また、カム面52において、非リフト区間よりも上記軸53から離れる側には揺動アーム51の揺動に対し吸気バルブをリフト可能なリフト区間が形成されている。このリフト区間は、上記ベース円Bに対し軸53とは逆側に離れるように延びる区間であって、これにより揺動アーム51の揺動に対して吸気バルブをリフト可能な区間となっている。なお、リフト区間において非リフト区間寄りの部分は、非リフト区間と逆向き、即ち軸53から離れる方向に向かって湾曲するR区間となっている。
そして、吸気カムの回転に基づき揺動アーム51が軸53を中心に揺動すると、カム面52により吸気バルブが押されて同バルブがリフトする。このときには、カム面52における吸気バルブ側との接触部分が軸寄りに位置する非リフト区間からリフト区間へと移行してゆき、同リフト区間内にて軸から離れる方向に移行するほど、吸気バルブのリフト量が大となってゆく。そして、上記接触部分は、揺動アーム51の揺動に伴い、カム面52に沿って非リフト区間とリフト区間との間で往復動する。
上記接触部分の往復動範囲は、最大リフト量及び作用角を小とするほど軸53寄りへと変位し、最大リフト量及び作用角を最小としたときには最も軸53寄りの範囲、例えば点P1からP2までの範囲となる。また、上記接触部分の往復動範囲は、最大リフト量及び作用角を大とするほど軸53と離れる方向に変位し、最大リフト量及び作用角を最大としたときには最も軸53と離れる範囲、例えば点P3からP4までの範囲となる。
図8は、吸気カムのカム角度の変化に対する吸気バルブのリフト量の推移を示すグラフである。同図において、実線L1は最大リフト量及び作用角が最小となるよう可変動弁機構を駆動したときのリフト量の推移を示し、実線L2は最大リフト量及び作用角が最大となるよう可変動弁機構を駆動したときのリフト量の推移を示している。従って、例えば最大リフト量及び作用角が最小から最大となるように可変動弁機構を駆動すると、吸気バルブのリフト量の推移傾向が実線L1で示す状態から実線L2で示す状態へと変化してゆき、それに伴い内燃機関の吸入空気量が徐々に増加してゆく。
ところで、機関運転に必要とされる吸入空気量が極少ない機関運転状態にあっては、最大リフト量及び作用角が例えば最小となるよう可変動弁機構が駆動され、これにより内燃機関の実際の吸入空気量が機関運転の必要に応じて少ない値とされる。なお、このときの吸入空気量は、図8の実線L1で囲まれた面積Sによって表されることとなる。
以上のように吸入空気量を少なくしている状況のもとでは、必要な吸入空気量を確保するのに吸気バルブの開く時間を短くするほどポンピングロスを小とすることが可能になるため、上記面積Sを確保した上で吸気カムの吸気バルブに対する作用角を極力小さくすることが望まれている。
こうした要求を満たすためには、揺動アーム51のカム面52の形状を例えば図9に示されるような形状とすることが考えられる。即ち、図7のカム面52と比較して、非リフト区間を長くするとともにリフト区間におけるR区間の曲率を大とし、リフト区間における揺動アーム51先端側がより吸気バルブ側(図中の下方)に傾くようにする。この場合、最大リフト量及び作用角が最小となるよう可変動弁機構を駆動したとき、カム面52の吸気バルブ側との接触部分の往復動範囲が最も軸53寄りに移行し、例えば点P5から点P6までの範囲となる。以上により、リフト量の立ち上がり開始を遅くするとともにリフト完了を早くしながらも、リフト量の増加及び減少を急速に行って上記面積Sを確保するのに必要な最大リフト量が得られる。そして、この場合のリフト量の推移は、例えば図10に実線L3で示されるように、面積Sを確保しつつ吸気カムの吸気バルブに対する作用角を小としたものになる。
なお、上記カム面52の形状を採用した場合、最大リフト量及び作用角が最大となるよう可変動弁機構を駆動すると、上記接触部分の往復動範囲は軸53から最も離れた位置に移行し、例えば図9の点P7から点P8までの範囲となる。このため、揺動アーム51のカム面52の長さについては、上記接触部分の往復移動範囲の移行を可能とする長さとされている。そして、最大リフト量及び作用角が最大となるよう可変動弁機構を駆動したときのリフト量の推移は、例えば図10に実線L4で示されるように、実線L3で示される推移を増加側に移行させたような推移となる。
特開2001−263015公報
図9に示されるカム面52の形状を採用することで、吸入空気量の極少ない機関運転状態において、必要な吸入空気量を確保しつつ吸気バルブの開いている期間を極力短くし、ポンピングロスの低減を図ることができるようにはなる。ただし、必要とされる吸入空気量の多い機関運転状態であって、最大リフト量及び作用角が大となるよう可変動弁機構が駆動されると、リフト量の推移傾向が図10の実線L3で示される状態から実線L4で示される状態に近づいてゆく。
この場合、図7に示されるカム面52の形状を採用したときに比べ、リフト量の推移傾向が急増且つ大となる傾向の強いものとなることから、上記のように可変動弁機構を駆動する過程で最大リフト量が大きくなり過ぎるという問題が生じる。このように最大リフト量が大きくなり過ぎると、吸気バルブの開弁時に同バルブが内燃機関の他の部位に干渉するおそれがある。また、吸気バルブのリフト量については、ある程度大きくなると、それ以上は大きくしても吸入空気量を多くすることはできないという傾向があり、上記のように最大リフト量が大きくなり過ぎるということは、吸入空気量の調整に関係なく吸気バルブを無駄に大きく開いているということになる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸入空気量が少ないときに必要な吸入空気量を確保した状態で吸気カムの作用角を小としつつ、最大リフト量及び作用角を大とすべく可変動弁機構を駆動するときに吸気バルブの最大リフト量が大きくなり過ぎるのを抑制することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して吸気バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記揺動アームの前記吸気バルブを駆動するカム面における前記軸寄りの部分に同揺動アームの揺動に対して前記吸気バルブがリフトしない非リフト区間を形成するとともに、前記カム面における前記非リフト区間よりも前記軸から離れる側には前記揺動アームの揺動に対して前記吸気バルブをリフト可能なリフト区間を形成し、前記入力アームと前記揺動アームとの相対位置を変更することで、前記吸気バルブの最大リフト量及び前記カムの同吸気バルブに対する作用角を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、前記リフト区間における前記非リフト区間寄りの部分には同非リフト区間と逆向きに湾曲し前記吸気バルブをリフトするR区間が形成されるとともに、前記リフト区間における前記R区間よりも前記揺動アームの先端寄りの部分には前記R区間と逆向きに湾曲し前記吸気バルブのリフトを抑制する逆R区間が形成されており、この逆R区間の曲率は、前記吸気バルブの最大リフト量及び前記カムの同吸気バルブに対する作用角が最小状態よりも大となるよう可変動弁機構を駆動したとき、内燃機関の実際の吸入空気量が必要とされる吸入空気量に等しくなる値に設定されることを要旨とした。
揺動アームが軸を中心に揺動すると、カム面における吸気カム側との接触部分が当該カム面に沿って往復動する。そして、上記接触部分の往復動範囲については、最大リフト量及び作用角が最小となるよう可変動弁機構が駆動されたときには最も軸寄りに移行し、その状態から最大リフト量及び作用角が大となるよう可変動弁機構を駆動するにつれて軸から離れる方向に移行してゆく。従って、カム面の非リフト区間を長くするとともにリフト区間中におけるR区間の曲率を大とし、更にリフト区間における揺動アーム先端側の部分を吸気バルブ側により傾けることで、最大リフト量及び作用角が小となるよう可変動弁機構を駆動したとき、必要な吸入空気量を確保した状態で吸気カムの作用角を小とすることができる。
しかし、こうしたカム面の形状を採用すると、最大リフト量及び作用角が大となるよう可変動弁機構を駆動したときであって、上記接触の往復動範囲が軸から離れる方向、言い換えれば揺動アームの先端側に移行したとき、吸気バルブの最大リフト量が大きくなり過ぎるおそれがある。この点、上記構成によれば、カム面のR区間よりも揺動アーム先端側の部分に、当該R区間と逆向きに湾曲する逆R区間が形成されており、往復動する上記接触部分が揺動アームの揺動に伴い逆R区間に入ったときには、吸気バルブのリフトが抑制されるようになる。従って、最大リフト量及び作用角が大となるよう可変動弁機構を駆動したとき、最大リフト量が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
以下、本発明を自動車用エンジンの可変動弁機構に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1は、エンジン1におけるシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が接続されている。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断されるようになる。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転するようになっている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作するようになっている。
また、エンジン1は吸気バルブ9のバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備えている。こうした可変動弁機構の一つとして、吸気カムシャフト11の吸気バルブ9との間に、同バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角を可変とするリフト量可変機構14が設けられている。ちなみに、本実施形態のエンジン1では、このリフト量可変機構14の駆動による最大リフト量及び作用角の変更を通じて、吸入空気量の調整が行われるようになる。即ち、最大リフト量及び作用角が小となるようリフト量可変機構14を駆動することで吸入空気量が多くされ、最大リフト量及び作用角が小となるようリフト量可変機構14を駆動することで吸入空気量が少なくされる。
次に、リフト量可変機構14の詳細な構造について説明する。
リフト量可変機構14は、吸気カムシャフト11と平行に延びる支持パイプ15及びコントロールシャフト16と、回転する吸気カム11aにより押されて上記支持パイプ15を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記支持パイプ15を中心に揺動して吸気バルブ9をリフトさせる揺動アーム18とを備えている。そして、入力アーム17と揺動アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することで、上記吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角が可変とされる。
リフト量可変機構14の上記入力アーム17においては、ローラ19が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるようコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。
また、揺動アーム18と吸気バルブ9との間には、揺動アーム18の揺動を吸気バルブ9に伝達するロッカーアーム21が設けられている。このロッカーアーム21の一端部はアジャスタ22によって支持され、同アーム21の他端部は吸気バルブ9に接触している。更に、ロッカーアーム21においては、それら一端部と多端部との間にローラ23が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ23が揺動アーム18に押しつけられるよう吸気バルブ9のバルブスプリング24により揺動アーム18側に付勢されている。
従って、揺動アーム18の揺動時には、揺動アーム18がロッカーアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われるようになる。そして、入力アーム17と揺動アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は小となってゆく。逆に、入力アーム17と揺動アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は大となってゆく。
なお、揺動アーム18におけるロッカーアーム21と対向する面は、吸気バルブ9を駆動するためのカム面25となっており、上記揺動時にロッカーアーム21のローラ23と接触することとなる。このカム面25における吸気バルブ9側との接触部分、即ちローラ23との接触部分は、揺動アーム18の揺動に伴い吸気バルブ9がリフトする際にカム面25に沿って往復動する。即ち、吸気バルブ9のリフト量が増加するときには、上記接触部分がリフト量の増加につれて支持パイプ15から離れる方向に移行してゆく。逆に、吸気バルブ9のリフト量が減少するときには、その減少につれて上記接触部分が支持パイプ15に接近する方向に移行してゆく。
また、上記接触部分の往復動範囲は、最大リフト量及び作用角を小とする(入力アーム17と揺動アーム18とを接近させる)ほど支持パイプ15寄りに変位するとともに、最大リフト量及び作用角を大とする(入力アーム17と揺動アーム18とを離間させる)ほど支持パイプ15から離れる方向に変位することとなる。
ここで、リフト量可変機構14における入力アーム17と揺動アーム18との相対位置を変更する構造について、図2を参照して詳しく説明する。なお、同図は、リフト量可変機構14の内部構造、詳しくは支持パイプ15に取り付けられた入力アーム17及び揺動アーム18の内側の構造を示す破断斜視図である。
図2に示されるように、支持パイプ15は入力アーム17及び揺動アーム18を貫通している。また、支持パイプ15の外周面における入力アーム17及び揺動アーム18に対応する部分には円筒状をなすスライダ26が嵌め込まれている。このスライダ26において、その長手方向両端部には各々同形状のヘリカルスプライン27が形成されており、それらヘリカルスプライン27は揺動アーム18の内側に形成されたヘリカルスプライン28と噛み合わされている。また、スライダ26の長手方向中央部にはヘリカルスプライン29が形成されており、このヘリカルスプライン29は入力アーム17の内側に形成されたヘリカルスプライン30と噛み合わされている。
なお、ヘリカルスプライン27,28とヘリカルスプライン29,30とは互いに歯すじの傾斜方向が逆となっている。また、揺動アーム18aと揺動アーム18bとは、ヘリカルスプライン27とヘリカルスプライン28とが噛み合わされたとき、揺動アーム18と入力アーム17との相対位置、及び、揺動アーム18bと入力アーム17との相対位置が互いに等しくなるように、スライダ26に組み付けられている。
一方、支持パイプ15の内側にはコントロールシャフト16が挿入されている。そして、スライダ26に形成された周方向に延びる長穴32、及び、支持パイプ15に形成された軸線方向に延びる長穴(図示略)にピン31を挿入し、更に当該ピン31をコントロールシャフト16に挿入することで、スライダ26とコントロールシャフト16とが連結されている。ここで、上記支持パイプ15の長穴はコントロールシャフト16の軸線方向への変位を許容するためのものであり、スライダ26の長穴32は同スライダ26の周方向への変位を許容するためのものである。
そして、コントロールシャフト16を軸線方向に変位させ、それによってスライダ26を軸線方向に変位させると、ヘリカルスプライン27,29とヘリカルスプライン28,30との噛み合いにより、入力アーム17と揺動アーム18との揺動方向についての相対位置が変更される。具体的には、コントロールシャフト16を矢印R方向に変位させるほど入力アーム17と揺動アーム18との相対位置が互いに接近するように変更され、コントロールシャフト16を矢印F方向に変位させるほど入力アーム17と揺動アーム18との相対位置が互いに離間するように変更される。以上のようなコントロールシャフト16の軸線方向についての変位は、例えば電動モータを用いたアクチュエータの駆動制御によって実現される。
上記入力アーム17及び揺動アーム18の相対位置の変更を通じて、吸気カム11aの回転により揺動アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの作用角が可変とされる。なお、上記のように揺動アーム18が揺動するときには、それに伴いスライダ26も支持パイプ15の外周面に対し周方向に変位するが、こうした変位はスライダ26の長穴32によって許容されることとなる。
次に、揺動アーム18のカム面25の形状について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は揺動アーム18を支持パイプ15の軸線方向から見た拡大図である。同図に示されるように、揺動アーム18のカム面25において支持パイプ15寄りの部分には、揺動アーム18の揺動に対し吸気バルブ9をリフトさせない非リフト区間ULが形成されている。この非リフト区間ULは、支持パイプ15の軸線を中心とするベース円B上に沿って延びる区間であって、これにより揺動アーム18の揺動に対し吸気バルブ9がリフトしない区間となっている。
また、カム面25において、非リフト区間ULよりも支持パイプ15から離れる側には、揺動アーム18の揺動に対し吸気バルブ9をリフト可能なリフト区間CLが形成されている。このリフト区間CLは、上記ベース円Bに対し支持パイプ15とは逆側に離れるように延びる区間であって、これにより揺動アーム18の揺動に対して吸気バルブ9をリフト可能な区間となっている。なお、リフト区間CLにおいて支持パイプ15寄りの部分は、ベース円Bから離れる方向、即ち非リフト区間ULと逆向きに湾曲するR区間FRとなっている。
ここで、カム面25における非リフト区間UL、及び、リフト区間CLのR区間FR側は、図9に示される従来の揺動アーム18の非リフト区間、及び、リフト区間のR区間側と同形状とされる。このため、最大リフト及び作用角が最小となるようリフト量可変機構14を駆動したときには、カム面25のローラ23との接触部分の往復動範囲が、例えば図3の点P5から点P6までの範囲となる。そして、このときの吸気カム11aのカム角の変化に対し、吸気バルブ9のリフト量は、図4に実線L3で示されるように必要な吸入空気量に対応した面積Sを確保しつつ、吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角をできる限り小とした態様で推移することとなる。
一方、本実施形態においては、最大リフト量及び作用角を最小の状態から大とするようリフト量可変機構14が駆動されたとき、最大リフトが大きくなり過ぎるのを抑制するために、リフト区間CLにおける揺動アーム18先端側の部分に上記R区間とは逆向きに湾曲する逆R区間RRが形成されている。
この逆R区間RRについては、R区間FRよりも揺動アーム18先端側に位置するものであり、上記のようにリフト量可変機構14が駆動されてカム面25におけるローラ23との接触部分の往復動範囲が支持パイプ15から離れる方向に移行したとき、その往復動範囲がさしかかるようになる区間である。そして、最大リフト量及び作用角が例えば最大となるよう上記リフト量可変機構14を駆動し、上記接触部分の往復動範囲が例えば図3の点P9から点P10までの範囲となったとき、その往復動範囲と上記逆R区間RRとの重なる期間が最も長くなる。
上記接触部分が往復動中に逆R区間RRに入ると、カム面の形状を図9に示される従来形状とした場合に比べて吸気バルブ9のリフトが抑制され、リフト量の推移傾向が緩やかな傾向をとるようになる。図4の実線L5は、上記逆R区間RRを形成した状態で最大リフト量及び作用角が最大となるようリフト量可変機構14を駆動したときのリフト量の推移傾向を示すものであり、この場合も最大リフト量付近ではリフト量の推移傾向が緩やかになる。そして、最大リフト量及び作用角を最小から徐々に大となるようリフト量可変機構14を駆動すると、リフト量の推移傾向が実線L3で示す状態から実線L5で示す状態へと近づいてゆく。
従って、カム面25のリフト区間CLに逆R区間RRを形成することで、最大リフト量及び作用角が最小状態から大となるようリフト量可変機構14を駆動したとき、吸気バルブ9の最大リフト量が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。なお、逆R区間RRの曲率については、最大リフト量及び作用角を最小状態よりも大となるようリフト量可変機構14を駆動したとき、エンジン1の実際の吸入空気量(図4上でのリフト量の推移を表す実線によって囲まれる面積に対応)が必要とされる吸入空気量に等しくなる値に設定される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)吸入空気量が少ないときには必要な吸入空気量を確保した状態で、吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角をできる限り小として同バルブ9の開く時間を短くし、エンジン1のポンピングロスを小とすることができる。更に、最大リフト量及び作用角を最小の状態から大となるようリフト量可変機構14を駆動したとき、吸気バルブ9の最大リフト量が大きくなり過ぎるのを抑制することもできる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・逆R区間RRをリフト区間CLの揺動アーム18先端側に形成したが、これに代えて逆R区間RRをリフト区間CLにおける揺動アーム18先端に達しないように形成してもよい。
例えば、図5に示されるように、逆R区間RRをR区間FRと隣合うように形成することもできる。この場合、吸気バルブ9のリフト量の推移傾向は、例えば図6に実線L6,L7に示される傾向をとるようになる。なお、同図において、実線L6については最大リフト量及び作用角が最小となるようリフト量可変機構14を駆動したときのリフト量の推移を示しており、実線L7については最大リフト量及び作用角が最大となるようリフト量可変機構14を駆動したときのリフト量の推移を示している。なお、ここでの逆R区間RRの曲率については、実線L6で囲まれた部分の面積(最大リフト量及び作用角最小時の吸入空気量に対応)が図4の面積Sと等しくなる値であって、且つ、最大リフト量及び作用角を最小状態よりも大となるようリフト量可変機構14を駆動したときにも、必要とされる吸入空気量が得られる値に設定される。
この場合も、第1実施形態と同等の効果が得られるようになる。即ち、最大リフト量及び作用角を最小にするときには、必要な吸入空気量を確保しつつ吸気バルブ9の作用角を極力小さくすることができる。更に、最大リフト量及び作用角を大とするときには、カム面25におけるローラ23との接触部分が逆R区間RRに入っている期間中に吸気バルブ9のリフトが抑えられるため、最大リフト量が大きくなり過ぎるのを抑制することができる。
・上記において逆R区間RRを必ずしも図5のようにR区間FRと隣接させる必要はなく、当該R区間FRと所定の間隔をおいて形成してもよい。
本実施形態のリフト量可変機構が適用されたエンジンの所定気筒におけるシリンダヘッド周りの構造を示す拡大断面図。 リフト量可変機構の内部構造を示す破断斜視図。 揺動アームを支持パイプの軸線方向から見た拡大図。 吸気カムのカム角の変化に対する吸気バルブのリフト量の推移傾向を示すグラフ。 揺動アームを支持パイプの軸線方向から見た拡大図。 吸気カムのカム角の変化に対する吸気バルブのリフト量の推移傾向を示すグラフ。 従来の揺動アームを軸方向から見た拡大図。 吸気カムのカム角の変化に対する吸気バルブのリフト量の推移傾向の従来例を示すグラフ。 従来の揺動アームを軸方向から見た拡大図。 吸気カムのカム角の変化に対する吸気バルブのリフト量の推移傾向の従来例を示すグラフ。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…リフト量可変機構(可変動弁機構)、15…支持パイプ、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…揺動アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカーアーム、22…アジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、25…カム面、26…スライダ、27,28,29,30…ヘリカルスプライン、31…ピン、32…長穴。

Claims (1)

  1. 回転するカムに押されて軸を中心に揺動する入力アームと、この入力アームの揺動に基づき前記軸を中心に揺動して吸気バルブをリフトさせる揺動アームとを備え、前記揺動アームの前記吸気バルブを駆動するカム面における前記軸寄りの部分に同揺動アームの揺動に対して前記吸気バルブがリフトしない非リフト区間を形成するとともに、前記カム面における前記非リフト区間よりも前記軸から離れる側には前記揺動アームの揺動に対して前記吸気バルブをリフト可能なリフト区間を形成し、前記入力アームと前記揺動アームとの相対位置を変更することで、前記吸気バルブの最大リフト量及び前記カムの同吸気バルブに対する作用角を可変とする内燃機関の可変動弁機構において、
    前記リフト区間における前記非リフト区間寄りの部分には同非リフト区間と逆向きに湾曲し前記吸気バルブをリフトするR区間が形成されるとともに、前記リフト区間における前記R区間よりも前記揺動アームの先端寄りの部分には前記R区間と逆向きに湾曲し前記吸気バルブのリフトを抑制する逆R区間が形成されており、この逆R区間の曲率は、前記吸気バルブの最大リフト量及び前記カムの同吸気バルブに対する作用角が最小状態よりも大となるよう可変動弁機構を駆動したとき、内燃機関の実際の吸入空気量が必要とされる吸入空気量に等しくなる値に設定される
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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