JP2006131894A - 禁止剤を使用する(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合禁止方法ならびにその禁止剤として有用な化合物の製造方法 - Google Patents

禁止剤を使用する(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合禁止方法ならびにその禁止剤として有用な化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、たとえば分離および精製方法ならびに輸送および保管中の、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する方法を提供する。また、本発明は、イオン交換樹脂技術を使用してハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製する方法も提供する。
【解決手段】(A)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物を提供する工程;および(B)カチオン性成分およびアニオン性成分を有する少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含む重合禁止剤を、前記生成物の重合を禁止するために充分な量で、前記生成物に添加する工程を含む、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合禁止剤を使用するたとえば分離および精製方法中の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合禁止方法に関する。本発明は、重合禁止剤としての使用に適するハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を製造するためのイオン交換樹脂方法にも関する。
(メタ)アクリル酸およびそのエステルが、従来どおりの反応方法によって調製されるとき、一般に、これらの生成物は、そうしたプロセスの反応器から出て行く混合生成物ガスの中に存在する。典型的には、(メタ)アクリル酸を含有する混合生成物ガスは、冷却され、吸収塔内で水性流と接触され、それによって粗生成物流を生じさせ、その後、それを、多くの場合蒸留工程で脱水によって精製して、さらに濃縮された純粋な生成物溶液を生じさせる。一般に、(メタ)アクリル酸のエステルを含有する混合生成物ガスは、溶剤−キャリアとしてアルコールを多くの場合含有する非水性流であり、同じく蒸留による精製に付され、同じく濃縮された純粋な生成物溶液を結果として生成する。
残念なことに、蒸留による精製に特有の高温条件下では、(メタ)アクリル酸およびそのエステルは重合して、そのプロセス装置内で望ましくないポリマー固形物を生成する傾向が強い。プロセス装置がそれらのポリマー固形物で封鎖および閉塞されることとなり、結果的にそれが精製プロセスの進行中の操作を時として危険なまでに妨げることにつながりうるため、(メタ)アクリル酸およびそのエステルのそうした望ましくない重合を防止することは、重要である。加えて、生成物収率の損失は、たいていの場合、生成物の一部の重合に起因する。
(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止するための一つの確立された方法は、分離および精製操作中に、プロセス流およびプロセス装置に、そうした重合を禁止する1以上の物質を添加することを含む。より詳細には、メチレンブルー(塩化テトラメチルチオニン)を1以上の他の化合物、たとえばヒドロキノン(HQ)およびフェノチアジン(PTZ)と共に含む重合禁止剤は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルに良好な重合禁止作用をもたらすことがわかった。
たとえば、そうした方法は、米国特許第4,021,310号に記載されており、この特許は、アクリル酸またはそのエステルを含有する粗水性流の分離および精製中に3つの物質の組合せを蒸留塔に添加することを教示している。さらに詳細には、その蒸留は、(A)ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、クレゾール、フェノール、t−ブチルカテコール、ジフェニルアミン、フェノチアジンおよびメチレンブルーから成る群より選択される少なくとも1つの化合物;(B)ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅およびサリチル酸銅から成る群より選択される少なくとも1つの化合物;ならびに(C)酸素分子を含む三成分禁止剤系の存在下で行われた。この特許の開示によると、この方法は、アクリル酸およびそのエステルを含有する水性流の蒸留の際に上述の化合物が同時に存在したとき、相乗的重合禁止効果を達成した。
しかし、メチレンブルー化合物中のハロゲン化物(すなわち塩化物)アニオンが、グレード304、316および317Lなどの約35重量パーセント未満ニッケルを含有するグレードのものを含む(しかし、これらに限定されない)低ニッケル含量のステンレス鋼で造られた分離および精製プロセス装置を腐食させる傾向があることもわかっている。耐塩化物腐食性である合金およびコーティング(たとえばガラス)が市販されているが、それらのコストは低ニッケル含量のステンレス鋼より有意に高く、それ故、工業用プロセス装置を造るにはあまり魅力がない代用品である。さらに、付随する付加的なそうした除去コストをかけて特別に除去しなければ、メチレンブルーの塩化物は、腐食およびこれらの安価な建設材料との他の望ましくない相互作用により、分離および精製部分の下流のプロセス装置にマイナス影響をもたらし続けるであろう。
それ故、メチレンブルー(チアジン染料系化合物)中の塩化物(すなわちハロゲン化物)アニオンの実質的な部分の除去および/または置換は、腐食および他の望ましくない作用を減少させる重合禁止剤としての使用に適するハロゲン化物含量低減チアジン系化合物をもたらすであろう。同様に、メチレンブルーは、アジン染料として知られている化合物類(チアジン−、オキサジン−、およびジアジン染料系化合物を含む)の一構成員であるので、アジン系化合物中のハロゲン化物アニオンの実質的な部分の除去および/または置換は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの分離および精製用のプロセスにおける重合禁止剤としての使用に適する様々なハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物をもたらすであろう。
適するハロゲン化物含量低減アジン系化合物は、様々な市場の供給源から容易に使用できる形で入手できる。たとえば、5−アミノ−4−(ジエチルアミノ)ベンゾ[a]−フェノキサジニウム ヒドロゲンスルフェート(ナイルブルーA)(これは、オキサジン染料系カチオンを有する)または3,7−ジアミノフェノチアジニ−5−イウム アセテート(酢酸チオニン)(これは、チアジン染料系カチオンを有する)は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止することが期待される市販の適する禁止剤化合物である。これらの化合物は、ハロゲン化物含量低減化合物であるので、重合禁止作用をもたらすことも期待され、同時に、塩化物などのハロゲン化物を含有する化合物と比べてプロセス装置の腐食を低減することも期待される。さらに、アジン染料系カチオンを有するそうした禁止剤化合物は、単独使用に適し、同様に重合禁止活性を有する上述のものなどの他の化合物との併用にも適する。
たとえば塩化テトラメチルチオニン(メチレンブルー)などのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、単独または他の禁止剤化合物と併用での重合禁止剤としての使用に適するハロゲン化物含量低減アジン系化合物に変換できることもまた望ましい。そうしたアジン染料系化合物のハロゲン化物アニオンを腐食性がより低い別のアニオン種に交換するイオン交換方法により、上述の望ましい変換が達成されるだろう。一般に、イオン交換方法は、溶液中の1つのイオンを支持体に結合している別のイオンと交換する。
たとえば、米国特許第3,641,016号は、イオン交換樹脂を必要とせず、従って、最終チオニン誘導体生成物から溶剤および望ましくない無機アルカリ塩を除去するための追加の乾燥、濾過および/または洗浄工程を必要としない、溶液中で行われるイオン交換方法を用いてチオニン誘導体を調製する方法を開示している。詳細には、米国特許第3,641,016号の実施例13には、アルコール溶液中、強塩基、すなわち水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムでの処理によるチオニン化合物の水酸化物形の形成が記載されている。前記溶液を蒸発により乾燥させ、それらの固体を少量の水で洗浄することによりアルカリ塩を除去して、精製された乾燥水酸化チオニン生成物を残す。米国特許第3,641,016号の実施例14には、水溶液またはアルコール溶液中の水酸化チオニン化合物のヒドロキシ基を好ましい有機または鉱酸アニオンで置換するイオン交換方法による、有機および鉱酸を有するチオニン塩(酢酸塩、フマル酸塩、ハロゲンおよび硫酸塩など)の形成が記載されている。水溶液を使用する場合、新たに形成されたチオニン化合物を濾過によりその溶液から分離し、少量の水での洗浄によりさらなる有機および無機アルカリ塩の除去を達成する。溶液がアルコール溶液である場合、水酸化チオニン化合物のヒドロキシ基を好ましい有機または鉱酸アニオンで置換した後、その溶液を蒸発などにより乾燥させて固体を回収しなければならず、その後、それを少量の水で洗浄して、無機アルカリ塩を除去する。加えて、米国特許第3,641,016号の実施例15では、水溶液中での塩化、臭化または過塩素酸チオニン化合物と所望のカルボン酸のナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の間のイオン交換による、カルボン酸由来のアニオンを有するチオニン誘導体の調製が論じられている。この方法では、得られたチオニン化合物のカルボン酸形を分離および精製するために、濾過および洗浄工程も必要である。
米国特許第6,458,989号が、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの生産における禁止剤としてのスルホン酸塩の使用を開示していることにも注目されるが、実施例ではフェノチアジンのスルホン酸塩しか説明されていない。さらに、フェノチアジンは、アジンとして知られている化合物類に属する化合物ではあるが、本発明に関係があるアジン染料系化合物ではない。Smith,M and March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions,Mechanisms,and Structure,第5版,2001,John Wiley & Sons,Inc.,New York,310頁;およびR.Raue in Ullmans Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Deerfield Beach FL,A3巻,213頁参照。
適する様々な樹脂基体が工業界で知られており、それらは、従来、ポリマー材料またはゼオライトから製造されている。イオン交換方法およびそうした方法で使用されるイオン交換樹脂は一般に知られており、様々な分野での用途のために開発されているが、アジン染料系化合物の変換に特に適用されるような方法では多数の問題点に遭遇する。
たとえば、米国特許第4,813,974号には、塩化テトラメチルチオニンなどのカチオン性または塩基性染料のハロゲン化物(たとえば塩化物)含量を低減するイオン交換方法が記載されているが、開示されている方法は、化学量論超過分のハロゲン化物アニオンのみを除去するように設計されている。強塩基性イオン交換樹脂の使用は、染料分子と会合しているハロゲン化物イオンを除去する明瞭な方法であろうが、米国特許第4,813,974号は、高いpHが生じ、それが、得られる塩成生物を、結果として非常に不安定にする傾向があるため、強塩基性イオン交換樹脂の使用に対して警告している。米国特許第4,813,974号は、反応器に装入するイオン交換樹脂の全容量を処理される染料の1回のバッチのハロゲン化物含量超過分に合わせることにより過剰なハロゲン化物の除去を回避する方法を説明しており、これは、必然的に、その染料中に理論量のハロゲン化物を残す結果となる。このように、米国特許第4,813,974号は、出発化合物のカチオン部分と直接会合しているハロゲン化物アニオンのすべてまたはいずれかの部分を除去し、実質的に代用アニオンで置換できることを示唆する一方で、当該特許は、生じる、より高いpHへの一時的な暴露がそのカチオン部分に有害作用を及ぼさない場合にのみ達成することができると警告しており、そうした有害作用を回避または緩和する方法に関する情報およびガイダンスを一切提供していない。従って、米国特許第4,813,974号は、それが警告している問題点および障害に首尾よく対処する方法を説明していない。
加えて、メチレンブルーが塩基性条件(すなわち高pH環境)に適合しないと考えられることは、当該技術分野では公知である。The Merck Index,第11追補版,1989,Merck & Co.,Rahway New Jersey,p.954参照。さらに、染料業界では、メチレンブルーがその一構成員であるアジン系染料は、塩基性染料として分類されている(すなわち、その発色団は、カチオン性である)。Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Vol.3,第4追補版,1992,John Wiley & Sons,New York,p814参照。Ullmann’s Encyclopedia of Inductrial Chemistry,第5完全改定版,A9巻,VCH,Deerfield Beach,Florida,107頁に示されているように、水酸化ナトリウムが、塩基性染料の溶液を変化させるまたは脱色する(すなわち、そのカチオン部分を破壊する)と報告されているため、この染料類の構成員は、塩基性条件に感受性であると一般に考えられる。このように、当該技術分野における一般的な知識および情報が、高pH環境でイオン交換樹脂を使用して、ハロゲン化物含量が低減された誘導体を含むアジン染料系化合物の誘導体を合成することを、当業者に思いとどまらせている。
米国特許第4,021,310号明細書 米国特許第3,641,016号明細書 米国特許第6,458,989号明細書 米国特許第4,813,974号明細書 Smith,M and March,J.著、「March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions,Mechanisms,and Structure」、第5版、2001、John Wiley & Sons,Inc.、New York,310頁 R.Raue著、「Ullmans Encyclopedia of Industrial Chemistry」、第5版、1985、VCH Deerfield Beach FL、A3巻、213頁 「The Merck Index」、第11追補版、1989、Merck & Co.、Rahway New Jersey、p.954 「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」、Vol.3、第4追補版、1992、John Wiley & Sons、New York、p814 「Ullmann’s Encyclopedia of Inductrial Chemistry」、第5完全改定版、A9巻、VCH、Deerfield Beach、Florida、107頁
上述の事柄にもかかわらず、本発明は、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含む重合禁止剤を使用して、たとえば分離および精製方法ならびに輸送および保管中の、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する方法を提供する。
本発明は、上で論じた公知のイオン交換方法の問題点に対処し、それを克服する、イオン交換樹脂技術を使用してハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製する方法も提供する。
本発明は、(A)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物を提供する工程;および(B)カチオン成分およびアニオン成分を有する少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含む重合禁止剤を、前記生成物の重合を禁止するために充分な量で、当該生成物に添加する工程を含む、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する方法に関する。前記少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、下記一般式:
Figure 2006131894
(式中、
Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
〜Rは、同じであるか、互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;ならびに
Xは、少なくとも1つのモノ−、ジ−またはトリ−アニオンを、そのカチオン成分に対してそれぞれ1、1/2または1/3の比率で含む)
を有する。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、硫酸テトラメチルチオニン、酢酸テトラメチルチオニン、マレイン酸テトラメチルチオニン、ギ酸テトラメチルチオニンおよびフタル酸テトラメチルチオニンから成る群より選択することができる。加えて、前記重合禁止剤は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止することができる少なくとも1つの追加化合物をさらに含むことができる。
もう1つの実施形態において、本発明の方法は、(A)前記蒸留装置に前記生成物を導入する工程;(B)前記蒸留装置に前記重合禁止剤を導入する工程;および(C)前記蒸留装置において前記重合禁止剤の存在下で前記生成物を蒸留して、精製された生成物を形成する工程をさらに含むことができる。
本発明は、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を製造するための方法にも関し、該方法は:
少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収しかつ水酸化物アニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂と接触させて、ハロゲン化物富化イオン交換樹脂および所定量のアジン染料系水酸化物化合物を生じさせる工程であって、
ここで少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物は、一般式:
Figure 2006131894
(式中、
Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
〜Rは、同じであるか、または互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、または互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;ならびに
Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物から成る群より選択される少なくとも1つのハロゲン化物アニオンを含む)
を有する工程;および
(B)工程(A)の終了から約12時間以内に、前記量のアジン染料系水酸化物化合物を、水酸化物を除去しかつアニオンを供与することができる酸化合物と接触させて、所定量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物(前記ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物の全乾燥重量を基準にして4重量パーセント以下の非共有結合ハロゲン化物を有するもの)を形成する工程
を含む。前記酸化合物は、硫酸、酢酸、マレイン酸、ギ酸およびフタル酸から成る群より選択することができる。
1つの実施形態において、本発明の方法は、接触工程(A)の前に、非水酸化物塩基性アニオン交換樹脂を苛性アルカリで予備調整して、ハロゲン化物アニオンを吸収することおよび水酸化物アニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂を製造する工程をさらに含むことができる。
本発明は、(A)水酸化物形の塩基性イオン交換樹脂を、水酸化物アニオンを除去し、かつ他のアニオンを供与することができる酸化合物で予備調整して、ハロゲン化物アニオンを吸収することおよび前記他のアニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂を製造する工程;ならびに
(B)少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収することおよび前記他のアニオンを供与することができる前記塩基性イオン交換樹脂と接触させて、1モルのカチオン対0.5モル未満の非共有結合ハロゲンアニオンの比率を有する所定量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を製造する工程であって、
ここで少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物は、一般式:
Figure 2006131894
(式中、
Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
〜Rは、同じであるか、または互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、または互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;ならびに
Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物から成る群より選択される少なくとも1つのハロゲン化物アニオンを含む)
を有する工程
を含む、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製するための方法にも関する。
本発明をより良好に理解するために、後続の詳細な説明に対する参照がなされ、添付の図面とともに考察される。
本明細書および特許請求の範囲を通して、特に別様に示さない限り、百分率への言及は、重量パーセントであり、すべての温度は、摂氏度(℃)である。
本明細書および特許請求の範囲の目的のために、ここに列挙する範囲および比率の制限は、組合せ可能であると解釈してよい。たとえば、1〜20および5〜15の範囲が、特定のパラメータのために挙げられている場合、1〜15または5〜20の範囲も考慮されていると解釈する。
ここで用いる(一般に、アジン化合物とは区別されるような)用語「アジン染料系化合物」は、次の一般分子構造:
Figure 2006131894
(式中、Yは、−O−、−S−、または−NR−(R=水素、アルキル、アリールなど)であることができ;Dは、助色団基、たとえばアミノ、アリールアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはヒドロキシル基であることができる)
を有する分子を意味する。(R.Raue in Ullmans Encyclopedia of Industrial Chemistry,第5版,1985,VCH Deerfield Beach FL,A3巻,213頁参照)。前記助色団基は、そのアジン分子中に存在する吸収発色団を共鳴により置換する基としての機能を果たすと考えられる(J.March and M.Smith in Advanced Organic Chemistry 第5版,2001,Wiley,New York,310頁参照)。
本明細書で使用されるものとして、アジン染料系化合物を説明するために用いる際の、用語「低減されたハロゲン化物含量」は、前記化合物が、前記化合物に共有結合していないハロゲン化物アニオン(すなわち塩化物、臭化物、ヨウ化物またはフッ化物アニオン)を、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率で含有することを意味する。メチレンブルーの場合、これは、前記化合物の全乾燥重量を基準にして約4重量パーセント(重量%)塩化物に相当する。比較により、実質的にすべての化学量論量超過分のハロゲン化物(すなわち塩化物)をメチレンブルー(塩化テトラメチルチオニン)から除去して、カチオンと会合している塩化物アニオンを主として残す場合、得られるメチレンブルー誘導体は、その全乾燥重量を基準にしてモル比1対1のカチオン対アニオン(メチレンブルーの場合、これは、約8重量%の塩化物に相当する)を含有することに気づく。従って、「ハロゲン化物含量低減」化合物は、化学量論量超過分のハロゲン化物アニオンの実質的にすべてならびにその化合物のカチオンと会合しているハロゲン化物アニオンの少なくとも一部が除去された化合物を意味することを意図する。そのハロゲン化物原子(複数または単数)が容易に加水分解されないならば、またはその化合物が熱分解されないかぎり(これらは、いずれも、ハロゲン化物を独立した単位として放出して、腐食作用をもたらしうる)、化合物中の有機ハロゲン化物の存在が許容される。従って、共有結合しているハロゲン化物は、低ニッケル含量のステンレス鋼合金の腐食に有意に寄与するとは思われないので、化合物に共有結合しているハロゲン化物は、その分子に含有される1モルのカチオン対0.5モル以下のハロゲン化物アニオンという上述の比率に含めていない。
ここで用いる用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸とメタクリル酸の両方を包含すると解釈する。同様に、用語「(メタ)アクリル酸またはそのエステル」は、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびに両方のエステルを包含すると解釈する。
以後、蒸留プロセスにおけるアクリル酸の重合を禁止する特定の実施形態に関して本発明の方法が記載されるが、本発明は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの輸送および/または保管を含む(しかし、これらに限定されない)他の状況におけるメタクリル酸、ならびにアクリル酸およびメタクリル酸のエステルの重合禁止方法も包含すると解釈しなければならない。
さて、粗生成物流10が、蒸留装置、たとえば蒸留塔12に供給される分離および精製プロセス、たとえば蒸留プロセスの略図を提供する図1を参照しながら、本発明の方法を詳細に説明していく。図1に描かれているプロセスでは、精製された生成物は塔12の底部で回収され、低沸点不純物は塔12の頂部から除去される。当業者には、高沸点不純物が蒸留塔12の底部から除去され、精製された生成物が蒸留塔12の頂部から除去されるさらなる精製プロセスに本発明を適用できることがわかるだろう。当業者にはわかるように、蒸留装置は、1より多い蒸留ユニットまたは塔を具備することができる。たとえば、2つまたはそれ以上の蒸留塔を利用する分離および精製プロセスもあれば、上流の脱水塔に続いて蒸留塔を利用するものもあり、ならびに複数の塔および別の分離ユニットを使用して粗生成物流の希望精製度を達成するものもある。
粗生成物流10は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの生成物を含む。たとえば、粗生成物流10は、20から99重量%、たとえば35から90重量%、またはさらに50から80重量%の、(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの生成物;80から5重量%、たとえば65から10重量%、またはさらに50から20重量%の溶剤、たとえば水または適するアルコール;ならびに8重量%まで、たとえば6重量%まで、またはさらに5重量%までの副生成物、たとえばこれに限定されないが酢酸を含むことができる。
蒸留塔12は、当該技術分野において公知の適するいずれの蒸留塔であってもよい。たとえば、充填塔、またはシーブトレイ、バルブトレイ、デュアルフロートレイもしくはバブルキャップトレイ設計を適切に用いることができる。蒸留塔12内で、粗生成物流10は少なくとも1つの蒸留溶剤の存在下で蒸留に付されて、水が生成物から分離され、それによって、精製された生成物流14が生産され、蒸留塔12を出る。
蒸留溶剤は、蒸留溶剤供給ライン16によって蒸留塔12に導入される。前記1つまたは複数の蒸留溶剤は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの生成物を含む粗生成物流10の蒸留に適するいずれの溶剤(複数を含む)であってもよい。たとえば、1つの実施形態において、溶剤は、実質的に水不溶性であることができ、一般に、0.5重量%またはそれ以下、好ましくは0.2重量%またはそれ以下の室温での水への溶解度を有する。そうした水不溶性溶剤の適する例には、ヘプタン;ヘプテン;シクロヘプタン;シクロヘプテン;シクロヘプタトリエン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロペンタン;1,2−ジメチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;トルエン;エチルベンゼン;オルト−、メタ−、またはパラ−キシレン;トリクロロエチレン;トリクロロプロペン;2,3−ジクロロブタン;1−クロロペンタン;1−クロロヘキサン;および1−クロロベンゼンが挙げられるが、これらに限定されない。もう1つの実施形態において、溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジブチルエーテル、ヘキサン、ヘプタン、メタクリル酸エチル、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、およびメチルt−ブチルケトンから選択される。さらなる実施形態において、蒸留溶剤は、少なくとも2つの溶剤を含む混合溶剤である。そうした混合溶剤に有用な溶剤の適切な例には、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルt−ブチルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、トルエン、ヘプタン、およびメチルシクロヘキサンが挙げられるが、これらに限定されない。一般にはトルエンが蒸留溶剤として使用される。
粗生成物流10は、軽留分ストリッパー塔(示されていない)に供給した後、蒸留塔12に供給してもよい。その軽留分ストリッパー塔(示されていない)は、アクロレイン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、メチルエーテル、およびメチルビニルケトンを含む(しかしこれらに限定されない)軽留分を粗生成物流10からストリップする。一般に、使用されるストリッピングガスは、水蒸気である。軽留分ストリッパー塔(示されていない)が利用される実施形態では、実質的に軽留分を含有しないストリップされた粗生成物流10が、軽留分塔(示されていない)の底部から出、その後、蒸留塔12に導入される。
本発明に従って、重合禁止剤を蒸留塔12に供給して、粗生成物流10の蒸留中の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止し、ならびにその後、輸送および保管中、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する。
本重合禁止剤は、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含む。ここで用いる用語「アジン染料系化合物」は、1つの窒素原子(N)と、1つの硫黄原子(S)、1つの酸素原子(O)またはもう1つの窒素原子(N)のいずれかと、のみを環へテロ原子として有する六員環および1つのアニオンを含有する複素環式カチオンを有する化合物を指す。さらに詳細には、たとえば、適するハロゲン化物含量低減アジン系化合物は、下記一般式:
Figure 2006131894
を有し、式中、Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および他の置換炭化水素から成る群より選択される。
〜Rは、同じであるか、互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、互いに異なり;各R〜R10は、水素;飽和、不飽和および置換炭化水素;ならびに飽和または不飽和ハロゲン化炭素から成る群より選択される。
Xは、少なくとも1つのモノ−、ジ−またはトリ−アニオンを、そのカチオン成分に対してそれぞれ1、1/2または1/3の比率で含む。Xが、ハロゲン化物アニオン、たとえば1以上の塩化物、臭化物、ヨウ化物またはフッ化物アニオンを含む場合、そのハロゲン化物アニオンは、1モルのカチオン対0.5モル以下のハロゲン化物アニオンの比率で存在する。
限定ではないが、たとえば、Rは、水素、1から約20の炭素原子を有する脂肪族部分;シクロアルキル、アリール、アルアルキル、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロアルアルキル、クロロアルキルもしくはクロロアリール;または6から約12の炭素原子を有するクロロアルアルキルから成る群より選択することができる。
同様に、限定ではないが、R〜Rは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、各々、水素、1から約20の炭素原子を有する脂肪族部分、6から約12の炭素原子を有するシクロアルキル、アリール、アルアルキル、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロアルアルキル、クロロアルキル、クロロアリールまたはクロロアルアルキル、ヘテロシクリル、1以上のヘテロ原子が場合により割り込んでいるあらゆるアルキル、アルキレン、フルオロアルキル、フルオロアルキレン、クロロアルキルまたはクロロアルキレン鎖から成る群より選択される。加えて、RとRが一緒に、またはRとRが一緒に、4から10の環員を有する脂環式または複素環式部分の一部を形成していてもよい。
また、限定ではないが、R〜R10は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、各々、水素、1から約20の炭素原子を有する脂肪族部分、6から約12の炭素原子を有するシクロアルキル、アリール、アルアルキル、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロアルアルキル、クロロアルキル、クロロアリールまたはクロロアルアルキル、ヘテロシクリル、1以上のヘテロ原子が場合により割り込んでいるあらゆるアルキル、アルキレン、フルオロアルキル、フルオロアルキレン、クロロアルキルまたはクロロアルキレン鎖から成る群より選択される。加えて、RとRが一緒に、またはRとRが一緒に、またはRとRが一緒に、またはRとRが一緒に、またはRとRが一緒に、またはR10とRが一緒に、4から10の環員を有する脂環式または複素環式部分の一部を形成していてもよい。
適するアニオン、Xに関して、用語「モノ−アニオン」、「ジ−アニオン」、および「トリ−アニオン」は、アニオンの定量的電荷を指す。より詳細には、限定ではないが、モノ−アニオンの例は、HSO およびNO であり、ジ−アニオンの例は、SO 2−であり;トリ−アニオンの例は、SO 3−であろう。
さらに、本発明での使用に適するアニオン、Xは、硝酸;硫酸;低級アルカン、フルオロアルカンまたはクロロアルカン(C12以下)酸、たとえば酢酸およびプロピオン酸;スルホン酸、たとえばメタンスルホン酸、t−ブチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、オルトリン酸;ならびにホスホン酸、たとえばベンゼンホスホン酸由来のものでありうる。適するアニオン、Xをもたらすことができる他の源は、場合により、ホウ酸テトラフェニル誘導体を含む。アニオン、Xは、水溶液中で測定したpKaが15未満である1以上のプロトン酸として導入されうる。所定の電荷zのアニオン(すなわちA−z)についてのアニオン対アジン染料系カチオンのモル比は、1:1/zである。
加えて、たとえば、限定ではないが、Xは、SH;SO 2−;HSO ;RCOO(この場合のRは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、ヘテロシクリル、場合により1以上のヘテロ原子が割り込んでいるあらゆるアルキルアルキルもしくはアルキレン鎖、または飽和および不飽和ハロゲン化炭素である);RSO (スルホネート)もしくはROSO (スルフェート)もしくはRNHSO (スルファメート)(この場合のRは、1から約20の炭素原子を有する脂肪族部分、6から約12の炭素原子を有するシクロアルキル、アリール、アルアルキル、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロアルアルキル、クロロアルキル、クロロアリールまたはクロロアルアルキル、ヘテロシクリル、1以上のヘテロ原子が場合により割り込んでいるあらゆるアルキルもしくはアルキレンフルオロアルキル、フルオロアルキレン、クロロアルキルまたはクロロアルキレン鎖でありうる);S2−;SO 2−;SCN;NO ;NO ;CO 2−;HCO ;CN;HPO 2−;PO 3−;O 2−;HO;およびRO(この場合のRは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、ヘテロシクリル、場合により1以上のヘテロ原子が割り込んでいるあらゆるアルキルもしくはアルキレン鎖、または飽和および不飽和ハロゲン化炭素である)から成る群より選択されるいずれのアニオンであってもよい。
ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、単独で使用してもよいし、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止することができる他の化合物と併用してもよい。そうした他の禁止剤化合物は、水溶性、アルコール溶性、または有機溶剤に可溶性であり得、ヒドロキノン(HQ);4−メトキシフェノール(MEHQ);4−エトキシフェノール;4−プロポキシフェノール:4−ブトキシフェノール;4−ヘプトキシフェノール;ヒドロキノンモノベンジルエーテル;1,2−ジヒドロキシベンゼン;2−メトキシフェノール;2,5−ジクロロヒドロキノン;2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン;2−アセチルヒドロキノン;ヒドロキノンモノベンゾエート;1,4−ジメルカプトベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼン;2,3,5−トリメチルヒドロキノン;4−アミノフェノール;2−アミノフェノール;2N,N−ジメチルアミノフェノール;2−メルカプトフェノール;4−メルカプトフェノール;カテコールモノブチルエーテル;4−エチルアミノフェノール;2,3−ジヒドロキシアセトフェノン;ピロガロール−1,2−ジメチルエーテル;2−メチルチオフェノール;t−ブチルカテコール;ジ−t−ブチルニトロオキシド;ジ−t−アミルニトロオキシド;2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ(4HT);4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−エタノールオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ;2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸;2,2,3,3,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ;4−ニトロソフェノラートの塩;2−ニトロソフェノール;4−ニトロソフェノール;ジメチルジチオカルバミン酸銅;ジエチルジチオカルバミン酸銅;ジブチルジチオカルバミン酸銅;サリチル酸銅;鉄;フェノチアジン(PTZ);3−オキソフェノチアジン;5−オキソフェノチアジン;フェノチアジン二量体;1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,4−ジメチルペンチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびその塩;酸化窒素;ニトロソベンゼン;p−ベンゾキノン;ナフテン酸銅;酢酸銅;アクリル酸銅;ジメチルジチオカルバミン酸マンガン;ジエチルジチオカルバミン酸マンガン;ジブチルジチオカルバミン酸マンガン;ナフテン酸マンガン;酢酸マンガン;アセチルアセトネートマンガン;酢酸コバルト;炭酸コバルト;酢酸コバルト;二酸化窒素;ニトロベンゼン;ニトロソブタン;n−ニトロソジフェニルアミン;ジフェニルフェニレンジアミン;ニトロソカルバゾール;1−ニトロソ−2−ナフトール;2,4−ジニトロベンゼン;トリフェニルホスフィン;トリエチルホスフィン;トリブチルホスフィン;亜リン酸トリフェニル;亜リン酸トリエチル;亜リン酸トリ−i−プロピル;亜リン酸トリブチル;亜リン酸トリシクロヘキシル;重亜硫酸ナトリウム;ブチルメルカプタン;ドデシルメルカプタン;N,N−ジエチルヒドロキシルアミン;N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン;ベンゾチアゾール−2−イル−チオヒドロキシルアミン;−(ベンジルオキシカルボニル)ヒドロキシルアミンモノエタノールアミン;4−フェニレンジアミン;3−フェニレンジアミン;4−アミノジフェニルアミン;ジフェニルアミン;ジ−4−トリルアミン;4−ニトロフェニルアミン;t−ブチルアミン;ジベンジルアミン;アセトンオキシム;フェニルN−t−ブチルニトロン;−(4−ピリジルN−オキシド)−N−t−ブチルニトロン;それらの異性体;それらのうちの2つまたはそれ以上の混合物;および上記のうちの1つまたはそれ以上と分子酸素の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。禁止剤(複数を含む)は、単独で使用してもよいし、適する希釈剤と併用してもよい。
フェノール系禁止剤、たとえばHQを使用するときには、酸素の使用が好ましい。酸素がそうしたフェノール性禁止剤の効力を強化するからである。酸素は、酸素含有ガス、たとえば空気、純粋な酸素、合成空気、またはその酸素含有ガスの全容量を基準にして0.01容量%から100容量%の分子酸素を含有するあらゆる気体混合物を、蒸留塔12の中の1以上の位置で、またはさらに様々な他の補助装置(示されていない)位置、たとえば、限定ではないが、リボイラー、リボイラー入口/出口、付属ポンプの入口/出口、1以上の蒸留塔出口、または他の材料および化合物を供給するために用いられるいずれかの蒸留入口で添加することにより、供給することができる。
再び図1および本発明の方法を参照して、重合禁止剤のハロゲン化物含量低減アジン系化合物および他の禁止剤化合物を、互いに別々に、または混合して、1以上の禁止剤流で蒸留塔12に導入することができる。加えて、そうした禁止剤流は、粗生成物流10より上もしくは下で、または粗生成物流10より上と下の両方で、蒸留塔12に入ることができる。さらに、1以上の重合禁止剤化合物を粗生成物流10と同時に、または予め混合してから蒸留塔12に導入することができる。
たとえば、図1に示されているように、本発明の1つの実施形態では、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、第一禁止剤流18により蒸留塔12に供給することができるが、1以上の他の禁止剤化合物は、別の第二および第三禁止剤流20、22により蒸留塔12に導入される。任意に、分子酸素を蒸留塔12に、たとえば酸素供給ライン24により蒸留塔12の底部で供給してもよい。重合禁止剤の1以上のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物および他の禁止剤化合物は、蒸留塔12に入る前に粗生成物流10に添加されてもよい。加えて、任意に、重合禁止剤の1以上のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物および他の禁止剤化合物を、別の第四禁止剤流26によって水性蒸留塔12に添加してもよい。ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物および他の禁止剤化合物を蒸留塔12に供給するために様々な配置および方法が可能であり、過度の実験を行うことなく、関連技術分野の通常の技術者はそれらを容易に判定することができる。
蒸留塔12に供給される(i)少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物および(ii)少なくとも1つの他の禁止剤化合物の量は、本発明の方法には特に重要ではなく、使用のためにどの禁止剤化合物を選択するか、およびそれらを使用する操作条件によって変化するだろう。生成物(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止するような、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物および禁止剤化合物の適切な量を決定することは、充分に当業者の能力の範囲内である。たとえば、限定ではないが、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物に、得られる生成混合物が約1から約1,500ppm、たとえば約50から約500ppm、またはさらに約50から200ppmのその少なくとも1つののハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含むような量で、添加すべきである。同様に、限定ではないが、少なくとも一つの他の化合物は、(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物に、得られる生成混合物が約5から10,000ppm、たとえば約100から8,000ppm、またはさらに約500から6,000ppmのその少なくも1つの他の阻害剤化合物を含むように、添加すべきである。
図1に図示されているような精製プロセスに関連して、蒸留塔12を出て行く精製された生成物流14中の液体の全流量を基準にして約1から1,500ppm、たとえば約50から約500ppm、またはさらに約50から200ppmの量の少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物が蒸留塔12に存在するように、少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を蒸留塔12に導入することができる。同様に、限定ではないが、その塔12を出て行く精製された生成物流14中の液体の全流量を基準にして約5から10,000ppm、たとえば約100から約8,000ppm、またはさらに約500から6,000ppmの量の少なくとも1つの他の禁止剤化合物が蒸留塔12に存在するように、少なくとも1つの他の禁止剤化合物を導入することができる。少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を、
から成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物に添加する場合、
分子酸素を蒸留塔12に供給することが望まれる場合、たとえば、限定ではないが、それは、蒸留塔12内の気体の全容量を基準にして約0.01から5容量%の分子酸素が蒸留塔12に存在するように添加することができる。これも、過度の実験を行うことなく、当業者が容易に判定することができる。
操作温度および操作圧は、精製システム内の燃焼限界および酸素溶解度に強い影響を与える。これらの特性は、その酸素含有ガスについて使用すべき適切な酸素濃度を決定する際に考慮に入れなければならない。そうした因子の考慮は、当業者の能力の範囲内であり、一般に、酸素含有ガスとして純粋な酸素または大気のいずれかを使用することができる。モノマー含有溶液それ自体の酸素濃度が高いことは、避けるべきである。酸素濃度が禁止剤濃度より高いと、酸素は、過酸化物および最終的にはモノマーラジカルの形成を促進することにより、重合率を実質的に上昇させうる。こうした理由で、禁止剤が存在しないときには酸素を添加することを推めない。最適な酸素対禁止剤比は、使用される禁止剤によって変化するであろうが、過度の実験を行うことなく、当業者が決定できる範囲に充分存する。
重合禁止剤化合物は、一般に原末として利用することができ、従って、典型的に、蒸留塔12への導入前に少なくとも1つのデリバリー溶剤と混合しなければならない。当業者が決定できることとして、適するデリバリー溶剤は、水性溶剤(水または水を含む混合物など)であってもよいし、または有機溶剤(アルコール、アクリル酸、酢酸またはトルエンなど)であってもよく、さらに、選択される禁止剤化合物の性質に依存するであろう。
従って、本発明の特定の実施形態において、粗生成物流10は、蒸留溶剤供給ライン16により蒸留塔12に導入される少なくとも1つの蒸留溶剤と共に、蒸留塔12に供給される。任意に、1以上の他の禁止剤化合物を適するデリバリー溶剤と共に、第二および第三禁止剤供給ライン20、22により塔に導入してもよい。精製された生成物流14は、蒸留塔12の底部から出て行き、実質的に無水である。精製された生成物流14は、そのまま使用してもよいし、さらに処理してもよい(特定の不純物を除去するための追加蒸留および様々な等級の精製された生成物を形成するためのさらなる処理を含むが、これらに限定されない)。
たとえば、粗生成物流10がアクリル酸を含む場合、たとえば、得られる精製された生成物流14は、一般に1,000ppm未満、たとえば800ppm未満、またはさらに500ppm未満の水を有する。そうした精製された生成物流14は、ほんのわずかな量の次のうちの少なくとも1つも含有しうる:酢酸、プロピオン酸、β−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、アクロレイン、フルフラール、ベンズアルデヒド、マレイン酸、無水マレイン酸、プロトアネモニン、およびアセトアルデヒド。
シーブトレイ塔などの所定の蒸留塔設計には気相重合禁止剤の使用が必要であるという点にも注目される。本発明において有用な適する気相禁止剤の例には、n−フェニルヒドロキシルアミン、またはその誘導体、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびその塩、酸化窒素、ニトロソベンゼン、ジエチルヒドロキシルアミンならびにp−ベンゾキノンが挙げられるが、これらに限定されない。たとえば、気相禁止剤は、リボイラーおよび塔の最下トレイ(示されていない)に添加することができるが、液相禁止剤は、塔の頂部に添加される。液相禁止剤の量は、その塔への供給量に依存して、1ppmから1,000ppmの範囲でありうる。そうした設計は、本発明の方法に従って使用するために適する。
塔頂留出流28は、蒸留塔12の頂部から出て行き、一般に、水、酢酸ならびに/または(メタ)アクリル酸およびそのエステルの溶液(これらに限定されない)を蒸留溶剤と共に含む。たとえば、トルエンが蒸留溶剤として利用された場合、トルエン/水、トルエン/酢酸およびトルエン/(メタ)アクリル酸またはそのエステルの溶液が二液相系で塔頂に生産されるだろう。
塔頂留出流28は、有機相と水性相に相分離することができ、そうした相分離は、当該技術分野において公知のいずれの手段によって行ってもよい。たとえば、1つの実施形態では、塔頂留出流28はタンク30に導入し、有機相32と水性相34に相分離させる。その有機相32は、蒸留溶剤を主として含む。水性相34は、(メタ)アクリル酸またはそのエステル、酢酸、蒸留溶剤、および水を含むが、これらに限定されない。1つの実施形態では、蒸留溶剤を再使用することができるように、有機相32を溶剤供給ライン36によって再循環させて蒸留塔に戻す。また、図1に示されているように、水性相34は、タンク30を出て、そのうちの少なくとも一部は排水として再循環させ(示されていない)、上流のプロセス流と混合することができる(示されていない)。図1には描かれていないが、水性相34を部分的または完全に再循環させ、別の製造プロセスへの供給材料として使用できることは、理解できる。あるいは、有機相32と水性相34、それぞれの一部またはすべてを流用することができ、または処理して環境に放出することができる。
ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製するための本発明の方法を詳細に説明する。当業者には容易に理解し、実行できるように、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製するための本発明の方法は、バッチ方法または連続方法として適切に操作することができる。しかし、本発明の方法に関しては、連続モードの操作のほうが好ましい。
本発明の方法の第一の実施形態は、一般に、適する強塩基性イオン交換樹脂を使用して少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物をその水酸化物形に変換することを含む。この実施形態では、アジン染料系水酸化物化合物のみが合成中間体としての役割を果たし、その後、他の望ましいアニオンを供与することができる適切な酸化合物とそれを接触させることによって、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物にさらに変換する。この第一の実施形態の変型では、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物と接触させる前に、予備調整として知られている工程で、先ず、対応するアニオン形に変換する(たとえばカルボン酸を使用する)場合に、水酸化物形である強塩基性イオン交換樹脂を用いることができる。この第二の実施形態のもう一つの変型では、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物と接触させる前に、予備調整として知られている工程で、先ず、対応するアニオン形に変換する(たとえばカルボン酸を使用する)場合に、中性形の弱塩基性イオン交換樹脂を用いることができる。
より詳細には、本発明の方法の第一の実施形態は、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収することができる強塩基性アニオンイオン交換樹脂と接触させることを含む。この接触工程により、ハロゲン化物富化イオン交換樹脂および水酸化物形の所定量のアジン染料系化合物(すなわち、アジン染料系水酸化物化合物)が生じる。本発明での使用に適するハロゲン化物含有アジン染料系化合物は、用語を上で定義したようなあらゆるアジン染料系化合物であり、この場合のXは、カチオンのモルの、アニオンのモルに対する比率が1対0.5以下である量で、ハロゲン化物アニオンを含む。適するハロゲン化物含有アジン染料系化合物の例には、メチレンブルー(塩化テトラメチルチオニン)、ニューメチレンブルーN(塩基性ブルー24)、またはトルイジンブルーO(塩化トロニウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
ハロゲン化物含有アジン染料系化合物と、適する塩基性アニオンイオン交換樹脂との接触終了から約12時間以内、たとえば、限定ではないが、約60分以内に、次いで、水酸化物アニオンを除去し、かつ他の望ましいアニオンを供与することができる酸化合物と、大量のアジン染料系水酸化物化合物を接触させて、カチオン対非共有結合ハロゲン化物のアニオンのモル比が1対0.5以下である、大量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を形成する。前記他の望ましいアニオンは、たとえば、限定ではないが、硫酸によってもたらされる硫酸アニオン、酢酸によってもたらされる酢酸アニオン、マレイン酸によってもたらされるマレイン酸アニオン、ギ酸によってもたらされるギ酸アニオン、またはフタル酸によってもたらされるフタル酸アニオンでありうる。
アジン染料系化合物は、約8より高いpHなどの塩基性(すなわち高pH)条件下では水酸化物形で溶液中にある間に分解されやすいと思われるため、前記大量のアジン染料系水酸化物化合物を酸化合物と接触させる時間は、重要である。従って、酸化合物と接触させた後、得られるハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は、約6と約8の間のpHを有するべきである。
本発明の方法の第二の実施形態は、一般に、適するイオン交換樹脂を使用して、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物をその好ましい塩の形に直接変換することを含む。イオン交換樹脂がその水酸化物形であるこの第二の実施形態の変型は、予備調整工程で、好ましいアニオン種を提供することができる酸とその樹脂を接触させることにより、それを、好ましいアニオン種を有するその好ましい塩の形に、先ず、変換する。その後、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物をその変化されたイオン交換樹脂と接触させ、それ自体を、好ましいハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物に直接変換する。もう1つの変型では、先ず、弱塩基性中性イオン交換樹脂を、予備調整工程で、好ましいアニオン種を提供することができる酸とその樹脂を接触させることにより、好ましいアニオン種を有するその好ましい塩の形に変換する。その後、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物をその変換されたイオン交換樹脂と接触させ、それ自体を、好ましいハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物に直接変換する。
より詳細には、本発明の方法の第二の実施形態は、少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ他の望ましいアニオンをそのアジン染料系化合物に供与することができる塩基性アニオンイオン交換樹脂と接触させることを含む。この接触工程により、ハロゲン化物富化イオン交換樹脂、および1モルのカチオン対0.5モル以下の非共有結合ハロゲン化物アニオンの比率を有する大量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物が生じる。本発明での使用に適するハロゲン化物含有アジン染料系化合物は、用語を上で定義したようなあらゆるアジン染料系化合物であり、この場合のXは、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率でハロゲン化物アニオンを含む。適するハロゲン化物含有アジン染料系化合物の例には、メチレンブルー(塩化テトラメチルチオニン)、ニューメチレンブルーN(塩基性ブルー24)、またはトルイジンブルーO(塩化トロニウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
上述の第二の実施形態に従って本発明の方法を行うことにより、適する酸で滴定する必要がなくなる。上述の他の望ましいアニオンが、既に、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物に直接供与されているからである。しかし、その塩基性イオン交換樹脂が、上述の他の望ましいアニオン種を含まない場合には、後で詳細に論じるように、予備調整工程を用いて、その樹脂を望ましい形に先ず変換しなければならない。
いずれの強または弱塩基性アニオン交換樹脂も、本発明の方法での使用に適すると考えられる。たとえば、塩基性またはカチオン性の基、特にアンモニウム基(第四アンモニウム基を含む)を有する少なくとも部分的に架橋しているポリマーをベースにしたイオン交換樹脂は、本発明の方法においてうまく使用することができる。
ペンダント型第二または第三アミン基を有する弱塩基樹脂を利用して、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物を酢酸塩またはギ酸塩などの別の塩中間体に変換することもできる。
そうした塩基性イオン交換樹脂の特に好ましい群は、スチレンとジビニルベンゼンの重合生成物および第四アンモニウムまたはアミン基でのその後の官能化に基づく。イオン交換樹脂の容量は、重要ではないが、ミリリットルあたり約0.8ミリ当量と2.2ミリ当量の間の容量を有する樹脂は、容易に入手できるため、簡便である。イオン交換樹脂は、ゲル型(すなわち、非永久的多孔性)であってもよいし、マクロポーラス型であってもよく、強塩基性アニオン交換樹脂タイプについては、タイプ1かタイプ2の官能基のものであることができる。特に適するマクロポーラス型アニオン交換樹脂は、米国特許第4,025,467号に教示されている。これらの樹脂は、適切な有機溶剤の存在下、スチレンとジビニルベンゼンを適切な比率で重合させ、典型的には続いてクロロメチルメチルエーテルなどの薬剤でハロメチル化し、その後、第一、第二または第三アミンでのハロゲン置換によりアミノ化することによって、得られる。
本発明の方法と関連して使用するために適する強または弱塩基樹脂のもう1つの種類には、米国特許第2,675,359号および同第4,129,534号に教示されているようなポリアクリル酸樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、ジビニルベンゼンと共重合されるアクリルエステルとフリーラジカル触媒を、適切な有機溶剤の存在下、適切な比率で重合させることによって得られる。その後、少なくとも1つの第一アミン基および1つの第二アミンまたはより多くの場合には第三アミン基を有する多官能性アミンとの反応によりそのポリアクリレートに活性の基を与えて、弱塩基性官能化樹脂を作る。その樹脂を、典型的にはクロロメタンなどの薬剤でのハロアルキル化によりさらに誘導して、強塩基性樹脂を生じさせることができる。
アジンカチオンが、樹脂結合硫酸アニオンまたは他の適切なアニオンと会合している場合、強酸カチオン交換樹脂を使用して、所望のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を生じさせることもできる。塩化物イオンは、溶液中に残り、塔から洗い出されるだろう。その後、カチオン性アジン系染料フラグメントがその樹脂から放出され、その樹脂は、強酸、たとえば硫酸または何らかの他の適する酸を使用する処理でそのプロトン化形に再生することができた。
本発明の方法において有用な他のイオン交換樹脂には、米国特許第4,221,871号および同第5,693,680号で論じされているようなポリビニルピリジン骨格に基づくイオン交換樹脂が挙げられる。これらのイオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンとビニルピリジンのコポリマーを含み、1−(C4からC8アルキル)−ピリジニウムに変換された実質的な量のピリジル基を有していた。これらのイオン交換樹脂は、ジビニルベンゼンとビニルピリジンのビーズ形コポリマーを、アルキル化剤(R−L)(この場合、Rは、分枝鎖または非分枝鎖アルキル基であり、Lは、ピリジンの四級化を導くために充分な強さの脱離基である)で後官能化することを含む方法によって調製することができる。
使用することができる強塩基樹脂の市販例は、Amberlyst A26 OH、Amberjet 4400、Amberjet 4600、Amberlite IRA400、Amberlite IRA900、Amberlite IRA910、Amberlite IRA958およびDuolite AP143であり、これらは、各々、ペンシルバニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm and Hass Company)から入手することができる。加えて、ミシガン州ミッドランドにあるダウ・ケミカル(Dow Chemical)は、Dowex Monosphere AI−400、Dowex Monosphere 550A(OH)、Dowex RPU、Dowex 21K XLT、Dowex 21K 16/30、Dowex 21K 16/20、Dowex Marathon A2およびDowex Marathon MSAを含む(しかしこれらに限定されない)適する強塩基イオン交換樹脂を提供している。ドイツ、レーヴァークーゼンのバイエル(Bayer)も、商品名Lewatit M510およびLewatit Monoplus MP500で、適する強塩基イオン交換樹脂を販売している。英国、ウエールズ、ポンティクラム(Pontyclum)のピューロライト(Purolite)から市販されているPurolite A600、およびインディアナ、インディアナポリスのレイリー・インダストリーズ(Reilly Industries)から入手できるReillex HPQも、適する強塩基イオン交換樹脂である。
本発明の方法での使用に適する弱塩基樹脂の市販例は、Amberlyst A21、Amberlyst A23、Amberlyst A24、Duolite A561およびDuolite A7(各々、ローム・アンド・ハース社から入手可能);Dowex Monosphere 77およびDowex Monosphere 66(Dow Chemicalから入手可能);Lewatit MP 62(バイエルから入手可能);Purolite A100(ピューロライトから入手可能);およびReillex 402、Reillex 425およびReillex HP(各々、レイリー・インダストリーズから入手可能)である。
タイプ1とタイプ2の両方の樹脂を含む、第四アンモニウム基を含有する強塩基イオン交換樹脂、たとえば、限定ではないが、上述のAmberlyst A26 OH(タイプ1)およびAmberjet 4600(タイプ2)樹脂は、本発明の方法での使用に特に適する。
ハロゲン化物含有アジン染料系化合物と塩基性アニオンイオン交換樹脂との接触は、当業者に知られているいずれの手法でも遂行することができる。たとえば、限定ではないが、ハロゲン化物アニオン、アジン染料系化合物、苛性すすぎ液、および塩基性イオン交換樹脂による腐食または劣化に耐えることができる材料で造った塔などの容器の中にそのイオン交換樹脂を置いてもよい。その後、そのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を含有する溶液を、15℃と50℃の間の温度で(好ましくは室温で)、イオン交換樹脂を通って接触するように、容器に供給する。そのハロゲン化物含有アジン染料系化合物がイオン交換樹脂と接触した後、ハロゲン化物含量低減生成物を含む排出流がその容器を出る。その後、その排出流を回収し、上に記載したような酸で滴定して、好ましいアニオン種を有する所望の誘導体を生じさせることができる。
予備調整(時として、単に調整と呼ぶこともある)は、イオン交換樹脂を、関心のある化合物を変換するためにそれを使用する前に、あるものから別のものへ(すなわち、あるアニオン種を有するカチオン性樹脂から別のアニオン種を有する変換された樹脂へ、または中性アミン樹脂から適切なアニオン性の基を有するカチオン性アンモニウム樹脂へ)変換して、適切な会合アニオンを有する異なる種を生じさせる方法を意味するために、ここでは用いる。
たとえば、他の点では本発明の方法での使用に適する塩基性イオン交換樹脂が、その水酸化物形でない場合(すなわち、ハロゲン化物形の樹脂)、その樹脂は、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物をそれと接触させる前に、水酸化物形に変換することができる。このやり方でのイオン交換樹脂の予備調整は、その樹脂を苛性アルカリ、すなわち水酸化ナトリウム溶液と接触させることを典型的に含む。その時には既にその水酸化物形であるそのイオン交換樹脂を水ですすいで、残留苛性アルカリを除去し、その後、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物と接触させ、それによりそのアジン染料系化合物をそれらの水酸化物形に変換することができる。
同様に、上で論じたように、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物のハロゲン化アニオンを吸収する能力を有し、すでに他の望ましいアニオンを含有している塩基性イオン交換樹脂を使用することもできる。塩基性イオン交換樹脂が水酸化物形であるが、他の望ましいアニオン種を有する別の塩の形で使用することが望まれる場合には、それをハロゲン化物含有アジン染料系化合物と接触させる前に、予備調整によって変換することができる。このやり方でのイオン交換樹脂の予備調整は、所望のアニオン種をもたらす適切な酸とその樹脂を接触させることを典型的に含む。たとえば、当業者には理解されるように、酢酸は、酢酸アニオンをその樹脂にもたらし、マレイン酸は、マレイン酸アニオンをその樹脂にもたらすだろう。その時には既にその好ましい塩の形であるそのイオン交換樹脂を水ですすいで残留酸を除去し、その後、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物と接触させ、それによってそのアジン染料系化合物を所望の誘導体の塩の形に直接変換することができる。本発明の方法におけるこの予備調整工程の使用は、アジン染料系化合物の比較的不安定な水酸化物形の取り扱いを避けるために有用である。
勿論、イオン交換樹脂は、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物の継続的な量との接触を継続するので、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ水酸化物アニオンを供与するその能力は、その使用の継続が実行できなくなる時点 −消耗点として知られている時点− まで減少される。本発明の方法での使用に適する多くの消耗した塩基性イオン交換樹脂は、その消耗した樹脂と苛性アルカリを接触させることにより、再生することができる。たとえば、限定ではないが、消耗したイオン交換樹脂の再生は、典型的に、そのイオン交換樹脂を水ですすいで残留生成物を除去し、次に水酸化ナトリウム溶液などの苛性アルカリをそのイオン交換樹脂に通し、その後、水で再びすすいでその樹脂から残留苛性アルカリを除去する予備工程を含む。
消耗したタイプ1のイオン交換樹脂は、苛性アルカリ溶液のみとの接触により再生させて望ましい水酸化物形に戻すことが、時々困難なことに注意する。そうした場合には、米国特許第4,025,467号に概説されているように重炭酸塩を使用して予備すすぎ工程を行い、続いて、上に記載したような苛性アルカリすすぎ工程を行うことが、時として有益である。あるいは、米国特許第2,723,245号に記載されているような硫酸ナトリウムを使用する予備すすぎ工程を用い、続いて上に記載したような苛性アルカリすすぎ工程を用いてもよい。
カルボン酸アニオン変性アジン染料系化合物(すなわち、テトラメチルチオニン誘導体)のイオン交換樹脂合成の間に、これらの誘導体が、対応する硫酸誘導体に比べて制限された水溶液への溶解度を有することがあることが、観察されることがある。理論により限定するつもりはないが、得られるテトラメチルチオニンカルボン酸塩は、水溶液から沈殿し、塔を詰まらせる傾向を有する場合がある。カルボン酸塩を生じさせる手順の中で、メチレンブルーの1.5から約1.8重量%水溶液を使用する手順では、2から2.4重量%溶液を使用する手順よりうまく行くことが観察された。従って、上述の溶解度および沈殿の問題は、その生成物の溶解度が塔を通る材料の流れを妨げないようにイオン交換方法において異なる溶剤混合物を使用することにより軽減することができることが示唆される。
当業者には容易に理解されるように、上記の工程を行うために必要な樹脂、苛性アルカリおよび酸の量の決定および計算は、含まれるアニオンのイオン化状態、および様々な苛性アルカリおよび酸の溶液の濃度、ならびに変換すべきハロゲン化物含有アジン染料系化合物の量に依存するであろう。
本発明の方法に従って多成分禁止剤を使用して分離および精製中の(メタ)アクリル酸またはそのエステルの重合を禁止することの実例として、以下の実施例1〜9を提供する。分あたり67立方センチメートルの速度で空気でスパージした底部リボイラーポット上に搭載した直径1インチ、トレイ数30のOldershaw塔を使用する操作条件で、共沸トルエン蒸留塔の長時間のランを行った。中でも特にアクリル酸を含有する粗生成物流のための供給トレイは、トレイ20であった。対照トレイは、トレイ13であった。トレイは、塔の底から数え始めることにより番号をつけた。
実施例1(比較例)
(ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含むが、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物は含まない多成分禁止剤系)
水性アクリル酸生成物流を次の条件下、上述の蒸留塔で共沸蒸留することにより精製(すなわち脱水)した:
頂部圧力215mmHg
水性AA供給速度294g/時
トルエン還流速度490g/時
対照トレイ温度92℃
示した速度で、水性アクリル酸を蒸留塔のトレイ20に供給し、トルエンの還流を最上トレイに供給した。その水性アクリル酸供給流組成物は、73.6重量%のアクリル酸、0.8重量%のβ−アクリルオキシプロピロン酸(AOPA)、21.9重量%の水、3.1重量%の酢酸および0.6重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含有していた。氷アクリル酸中、1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に、各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppmおよびヒドロキノン 1,500ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を240g/時の速度で回収し、これは、94.8重量%のアクリル酸、3.7重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、5,760ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を74g/時の速度で回収し、これは、83.0%の水、2.6重量%のアクリル酸、および14.4重量%の酢酸を含有していた。
その塔を、8時間のラン2回分、操作した。その8時間のラン各々の終了時点で塔内に蓄積されたポリマーの量を目視検査によって概算した。各トレイ区画をポリマーのサイズおよび分布について検査した。サイズについてはそのポリマーを直径0.7mm(等級1.0)から直径2.8mm(等級5)に及ぶ1から5の尺度で等級付けした。分布についてもそのポリマーを1から5の尺度で等級付けした。この場合の数は、同じサイズの粒子の数を示す。各トレイ区画におけるこれらの等級の積を塔全体にわたって合計して、その塔のポリマーの総計数を得た。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約30であり、16時間後、それは約31であった。
実施例2(比較例)
(メチレンブルー、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
メチレンブルーはチアジン染料系化合物であるが、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物ではない。
水性アクリル酸生成物流を次の条件下、上述の蒸留塔で共沸蒸留することにより精製(すなわち脱水)した:
頂部圧力215mmHg
水性AA供給速度287g/時
トルエン還流速度553g/時
対照トレイ温度92℃
示した速度で、水性アクリル酸を蒸留塔のトレイ20に供給し、トルエンの還流を最上トレイに供給した。その水性アクリル酸供給流組成物は、その供給流の全重量を基準にして、64.0重量%のアクリル酸、0.5重量%のβ−アクリルオキシプロピロン酸(AOPA)、32.3重量%の水、2.5重量%の酢酸および0.7重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含有していた。氷アクリル酸中、1.0重量%のフェノチアジンおよび1.17重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に、各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.44重量%の塩化テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび塩化テトラメチルチオニン100ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を213g/時の速度で回収し、これは、95.3重量%のアクリル酸、3.0重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、3,400ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を99g/時の速度で回収し、これは、85.8%の水、2.3重量%のアクリル酸、および11.9重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、この実施例2から得られたその塔のポリマーの総計数は約18であり、16時間後、それは約12であった。
実施例3
(硫酸テトラメチルチオニン、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりに硫酸テトラメチルチオニンを用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。硫酸テトラメチルチオニンは、チアジン染料化合物群の、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物である。水性アクリル酸生成物流を293g/時で供給し、その組成は、69.1重量%のアクリル酸、0.9重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、25.2重量%の水、3.1重量%の酢酸、および1.7重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を595g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.30重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.55重量%の硫酸テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび硫酸テトラメチルチオニン 135ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を220g/時の速度で回収し、それは、94.7重量%のアクリル酸、3.02重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、4,600ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を99g/時の速度で回収し、それは、78.8%の水、2.0重量%のアクリル酸、および19.2重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約4であり、16時間後、それは約3であり、これは、比較例2で用いたメチレンブルー含有禁止剤系によって達成されたポリマー計数の約23%にすぎない。加えて、硫酸テトラメチルチオニンはハロゲン化物含量低減化合物であるので、装置腐食の減少が期待された。
実施例4
(酢酸テトラメチルチオニン、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりに酢酸テトラメチルチオニンを用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。酢酸テトラメチルチオニンは、チアジン染料化合物群の、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物である。水性アクリル酸を293g/時で供給し、その組成は、69.8重量%のアクリル酸、0.8重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、24.8重量%の水、3.0重量%の酢酸、および1.6重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を574g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.44重量%の酢酸テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび酢酸テトラメチルチオニン100ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を215g/時の速度で回収し、これは、94.5重量%のアクリル酸、3.6重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、4,100ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を95g/時の速度で回収し、これは、83.9%の水、2.7重量%のアクリル酸、および13.5重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約8であり、16時間後、それは約36であった。従って、酢酸テトラメチルチオニンを含む重合禁止剤は、重合を禁止し、それは低減されたハロゲン化物含量のものであるので、装置腐食の減少が期待された。
実施例5
(フタル酸テトラメチルチオニン、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりにフタル酸テトラメチルチオニンを用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。フタル酸テトラメチルチオニンは、チアジン染料化合物群の、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物である。水性アクリル酸を292g/時で供給し、その組成は、69.1重量%のアクリル酸、0.9重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、25.2重量%の水、3.1重量%の酢酸、および1.7重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を586g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.77重量%のフタル酸テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよびフタル酸テトラメチルチオニン185ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を224g/時の速度で回収し、これは、93.6重量%のアクリル酸、3.0重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、3,770ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を94g/時の速度で回収し、これは、73.8%の水、2.5重量%のアクリル酸、および23.7重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン1回分、操作した後、操作停止が必要なフラッジングが発生し、そのため、上述の条件下では2回目の8時間のランは不可能であった。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約17であった。従って、酢酸テトラメチルチオニンを含む重合禁止剤は、比較例2に匹敵するレベルで重合を禁止し、それは低減されたハロゲン化物含量のものであるので、装置腐食の減少が期待された。
実施例6(比較例)
(メチレンブルー、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
より高濃度の塩化テトラメチルチオニンを用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。水性アクリル酸を287g/時で供給し、その組成は、65.8重量%のアクリル酸、0.4重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、29.7重量%の水、2.6重量%の酢酸、および1.5重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を459g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.17重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中1.32重量%の塩化テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび塩化テトラメチルチオニン296ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を216g/時の速度で回収し、これは、96.6重量%のアクリル酸、3.0重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、3,650ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を96g/時の速度で回収し、これは、82.6%の水、2.2重量%のアクリル酸、および15.2重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約88であり、16時間後、それは約40であった。
実施例7
(硫酸テトラメチルチオニン、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりに硫酸テトラメチルチオニン(しかし、より高濃度のもの)を用いて、比較例2の共沸蒸留を繰り返した。水性アクリル酸を293g/時で供給し、その組成は、69.1重量%のアクリル酸、0.9重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、25.2重量%の水、3.1重量%の酢酸、および1.7重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を587g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中1.0重量%の硫酸テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび硫酸テトラメチルチオニン230ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を217g/時の速度で回収し、これは、93.7重量%のアクリル酸、3.4重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、5,100ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を93g/時の速度で回収し、これは、78.1%の水、2.3重量%のアクリル酸、および19.6重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン1回分、操作した後、操作停止が必要なフラッジングが発生し、そのため、上述の条件下では2回目の8時間のランは不可能であった。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約29であり、これは、比較例2より多く、比較例6より少なかった(両比較例とも、塩化テトラメチルチオニンを含有)が、実施例3(より少ない量の硫酸テトラメチルチオニンを使用)より大きかった。この硫酸テトラメチルチオニンは低減されたハロゲン化物含量のものであるので、装置腐食の減少が期待された。
実施例8
(酢酸テトラメチルチオニン、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりに酢酸テトラメチルチオニンを用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。水性アクリル酸を293g/時で供給し、その組成は、75.5重量%のアクリル酸、0.7重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、20.3重量%の水、3.0重量%の酢酸、および0.5重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を466g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.99重量%の酢酸テトラメチルチオニンの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよび酢酸テトラメチルチオニン317ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を238g/時の速度で回収し、これは、91.2重量%のアクリル酸、3.8重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、6,170ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を76g/時の速度で回収し、これは、79.2%の水、2.2重量%のアクリル酸、および18.6重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約18であり、16時間後、それは約89であった。従って、酢酸テトラメチルチオニンを含む重合禁止剤は、比較例6に匹敵するレベルで重合を禁止し、それは低減されたハロゲン化物含量のものであるので、装置腐食の減少が期待された。
実施例9
(ナイルブルーA、ヒドロキノンおよびフェノチアジンを含む多成分禁止剤系)
塩化テトラメチルチオニンの代わりに5−アミノ−4−(ジエチルアミノ)ベンゾ[a]フェノキサジニウム ヒドロゲンスルフェート(ナイルブルーA)を用いて比較例2の共沸蒸留を繰り返した。ナイルブルーAは、オキサジン染料化合物群の、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物である。水性アクリル酸を293g/時で供給し、その組成は、72.6重量%のアクリル酸、0.9重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸(AOPA)、21.5重量%の水、3.2重量%の酢酸、および1.8重量%の他の少量成分、たとえばホルムアルデヒド、ギ酸、マレイン酸およびヒドロキノン重合禁止剤を含むものであった。トルエン還流を485g/時の速度で最上トレイに供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび1.31重量%のヒドロキノンの禁止剤溶液を蒸留塔のトレイ15および24に各々9.9g/時の速度で供給した。氷アクリル酸中1.0重量%のフェノチアジンおよび2.0重量%のヒドロキノンの追加流を0.7g/時の速度で最上トレイに供給した。水中0.55重量%のナイルブルーAの溶液をトレイ18に供給した。禁止剤供給の結果、底部では、フェノチアジン 約900ppm、ヒドロキノン 1,500ppmおよびナイルブルーA125ppmの禁止剤レベルとなった。底部生成物を238g/時の速度で回収し、それは、94.0重量%のアクリル酸、2.8重量%のβ−アクリルオキシプロピオン酸、4800ppmの酢酸、および10ppm未満のトルエンを含有していた。水性留出液を81g/時の速度で回収し、それは、73.3%の水、2.4重量%のアクリル酸、および24.3重量%の酢酸を含有していた。その塔を、8時間のラン2回分、操作した。8時間のオンストリーム後、その塔のポリマーの総計数は約7であり、16時間後、それは約14であった。従って、ナイルブルーAを含む重合禁止剤は、比較例2よりも良好に重合を禁止し、それは低減されたハロゲン化物含量のものであるので、装置腐食の減少が期待された。
ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を調製するための本発明の方法の様々な実施形態の実例として、以下の実施例10〜16を提供する。
下の実施例10〜11では、ガラス製の直径2.5センチメートルのカラムに強塩基性イオン交換樹脂を充填した。このカラムおよび樹脂を使用して、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物、メチレンブルー(塩化テトラメチレンチオニン)を、室温で、様々なハロゲン化物含量低減アジン染料系誘導体に変換した。
実施例10
(硫酸テトラメチルチオニンへのメチレンブルーの変換)
Amberlyst A26 OH(58.35g)、水酸化物形のマクロポーラス型タイプ1強塩基性イオン交換樹脂を前記2.5cmカラムに添加した。そのイオン交換樹脂を10.7mL/分の速度で160mLの脱イオン水ですすいで、70.78mLの床量を得た。メチレンブルーの2.2重量%水溶液(名目上、2,438ppmの塩化物イオン濃度を有する)を10.70mL/分の供給速度でそのカラムに通して、そのイオン交換樹脂と接触させた。得られた水酸化テトラメチルチオニン含有留出液の画分を回収し、直ちに濃硫酸で12.2のpHから6と8の間のpHに滴定した。生じた材料は、硫酸テトラメチルチオニン(「TMTS」)に関しては2.08重量%であり、塩化物に関しては湿潤基準で1ppm未満であった。得られたTMTSは、1モルのテトラメチルチオニンカチオン対4.5×10−3モルの塩化物アニオンの比率(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)を有するものであった。
そのイオン交換樹脂床が消耗した後、160mLの水をそのカラムに通して、そのカラムから残留TMTS生成物をパージした。脱イオン水中の重炭酸塩の8重量%溶液、約800mLを4.2mL/分の速度でそのカラムに通した。その後、10.7mL/分の速度で約160mLの脱イオン水を用いて、そのイオン交換樹脂から過剰の重炭酸塩をすすぎ落とした。その後、そのカラムは、2Nの苛性アルカリ260mLを2.6mL/分で通し、その後、約160mLの脱イオン水を10.7mL/分の速度で用いてその樹脂から過剰の苛性アルカリをすすぎ落とすことにより、水酸化物形に再生させた。この時、その樹脂は、別の消耗サイクルで、いつでも使用できる状態にあった。
実施例11
Amberjet 4,600(54.32g)、塩化物形のゲル型タイプ2強塩基性イオン交換樹脂を前記2.5cmガラスカラムに添加した。そのイオン交換樹脂を10.7mL/分の速度で160mLの脱イオン水ですすいで、87mLの床量を得た。その後、6.7mL/分と7.3mL/分の間の速度で約560mLの水酸化ナトリウム2N水溶液をそのカラムに通して、そのイオン交換樹脂を水酸化物形に変換した。その後、その樹脂を、10.7mL/分の速度で160mLの脱イオン水ですすいで、そのカラムから過剰の水酸化ナトリウム溶液を除去した。
メチレンブルーの2.4重量%水溶液(名目上、2,660ppmの塩化物イオン濃度を有する)を7mL/分の供給速度でそのカラムに通して、そのイオン交換樹脂と接触させた。得られた水酸化テトラメチルチオニン含有留出液の画分を回収し、直ちに濃硫酸で12.2〜12.4のpHから6と8の間のpHに滴定した。生じた材料は、TMTS2.08重量%、および湿潤基準で塩化物6.2ppmであった。そのTMTSは、1モルのテトラメチルチオニンカチオン対2.8×10−3モルの塩化物アニオンの比率(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)を有するものであった。
そのイオン交換樹脂床が消耗した後、160mLの脱イオン水をそのカラムに通して、そのカラムから残留TMTS生成物をパージした。その後、上の実施例10に記載した方法を用いて、その消耗したイオン交換樹脂を再生させて、水酸化物形に戻した。その樹脂は、別の消耗に適するものだった。
下の実施例12〜14では、直径1センチメートルのガラスビュレットに、水酸化物形のマクロポーラス型タイプ1強塩基性イオン交換樹脂、Amberlyst A26 OHを充填した。その後、その樹脂を、その水酸化物形から、選択されたアニオン種を有する形に変換し、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物、メチレンブルー(塩化テトラメチレンチオニン)を、前記選択されたアニオンを有する様々なハロゲン化物含量低減アジン染料系誘導体に室温で変換した。
実施例12
(酢酸で予備調整した強塩基性樹脂)
Amberlyst A26 OH イオン交換樹脂(17g)を1cmガラスビュレットに充填した。69.2gの4%酢酸水溶液をそのビュレットに通し、そのイオン交換樹脂を水酸化物形から酢酸塩形に変換することにより、そのイオン交換樹脂を調整した。その後、その変換されたイオン交換樹脂を250mLの脱イオン水ですすいだ。ここで生じた洗浄排水のpHは、7であった。
メチレンブルー(1.5重量%水溶液。名目上、1,662ppmの塩化物を含有)を3.2mL/分の流速でそのガラスビュレットに通してそのイオン交換樹脂と接触させた。得られた生成材料は、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物、酢酸テトラメチルチオニン(1.29重量%、湿潤基準で1.8ppmの塩化物を含有)であった。その酢酸テトラメチルチオニンは、1モルのテトラメチルチオニンカチオン対1.35×10−3モルの塩化物アニオンの比率(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)を有するものであった。
実施例13
(ギ酸で予備調整した強塩基性樹脂)
Amberlyst A26 OH(17g)イオン交換樹脂を1cmガラスビュレットに充填した。69.2gの4重量%ギ酸水溶液をそのビュレットに通して、そのイオン交換樹脂を水酸化物形からギ酸塩形に変換した。その後、そのイオン交換樹脂を250mLの脱イオン水ですすいだ。ここで生じた洗浄排水のpHは、7であった。
メチレンブルー(1.78重量%水溶液。名目上、1,405ppmの塩化物を含有)を3.2mL/分の流量でそのガラスビュレットに通してそのイオン交換樹脂と接触させた。得られた生成材料は、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物、ギ酸テトラメチルチオニン(1.78重量%。湿潤基準で2.2ppmの塩化物を含有)であった。そのギ酸テトラメチルチオニンは、1モルのテトラメチルチオニンカチオンを、1.12×10−3モルの塩化物アニオンに対して含有していた(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)。
実施例14
(マレイン酸で予備調整した強塩基性樹脂)
Amberlyst A26 OHイオン交換樹脂(17g)を1cmガラスビュレットに充填した。イオン交換樹脂は調整され69.2gの4重量%マレイン酸水溶液をそのビュレットに通して、その樹脂をマレイン酸塩形に変換した。その後、そのイオン交換樹脂を250mLの脱イオン水ですすいだ。ここで生じた洗浄排水のpHは、3〜4であった。
メチレンブルー(1.78重量%水溶液。名目上、1,405ppmの塩化物を含有)を3.2mL/分の流量でそのビュレットに通してそのイオン交換樹脂と接触させた。得られた生成材料は、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物、マレイン酸テトラメチルチオニン(2.16重量%。湿潤基準で2.2ppmの塩化物を含有)であった。そのマレイン酸テトラメチルチオニンは、1モルのテトラメチルチオニンカチオンを、1.15×10−3モルの塩化物アニオンに対して含有していた(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)。
下の実施例15では、直径1センチメートルのガラスビュレットに弱塩基性イオン交換樹脂、Amberlyst 21を充填した。その後、遊離塩基形で通常供給されるその樹脂を、選択されるアニオン種を有する形に変換し、ハロゲン化物含有アジン染料系化合物、メチレンブルー(塩化テトラメチレンチオニン)を、前記選択されるアニオンを有する様々なハロゲン化物含量低減アジン染料系誘導体に変換する。
実施例15
(酢酸で予備調整した弱塩基性樹脂)
Amberlyst A21(約20.5gまたは31mL)イオン交換樹脂を直径1cmガラスビュレットに充填した。名目上50mLの7%酢酸水溶液を2.08mL/分でそのイオン交換樹脂に通し、続いて125mLの脱イオン水を通した。
1.5重量%メチレンブルー水溶液(名目上、1,662ppmの塩化物を含有)を2.08mL/分でそのビュレットに通してそのイオン交換樹脂と接触させた。生じた生成物は、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物、湿潤基準で9.9ppm塩化物を含有する1.53重量%酢酸テトラメチルチオニン水溶液であった。その酢酸テトラメチルチオニンは、1モルのテトラメチルチオニンカチオンを6.27×10−3モルの塩化物アニオンに対して含有していた(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)。
実施例16
(バッチ反応を用いた強塩基性ゲル型タイプ1樹脂)
Amberjet 4,400 OH(20.21g)を500mLフラスコに充填した。205.4gの1.96重量%メチレンブルー溶液(名目上、2,173ppmの塩化物を含有)をそのフラスコに充填して、反応を開始させた。反応過程の間、室温で、400rpmで、攪拌機を用いてその反応混合物を攪拌した。最初の1時間の間は15分ごとにサンプル(〜15mL)を回収した。それらは〜12の名目pHを有した。各画分(すなわちサンプル)を硫酸で4.5のpHに逆滴定した。回収したTMTSサンプルは、1.35重量%(収率68.9%)ですべて同様であり、それらは、名目上、32ppmの塩化物イオンを含有していた。得られたTMTS生成物溶液は、1モルのテトラメチルチオニンカチオンを2.22×10−2モルの塩化物アニオンに対して含有していた(すなわち、1モルのカチオン対0.5モル以下のアニオンの比率)。
本発明の方法を利用する分離および精製方法の略図である。

Claims (11)

  1. (A)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから成る群より選択される少なくとも1つの化合物を含む生成物を提供する工程;および
    (B)カチオン性成分およびアニオン性成分を有する少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を含む重合禁止剤を、前記生成物の重合を禁止するために充分な量で、前記生成物に添加する工程
    を含む、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止する方法。
  2. 前記少なくとも1つのハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物が、下記一般式:
    Figure 2006131894
    (式中、
    Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
    〜Rは、同じであるか、または互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、または互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;さらに
    Xは、少なくとも1つのモノ−、ジ−またはトリ−アニオンを、そのカチオン性成分に対してそれぞれ1、1/2または1/3の比率で含む)
    を有する、請求項1記載の方法。
  3. Xが、SH;SO 2−;HSO ;RCOO(この場合のRは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、ヘテロシクリル、任意に1以上のヘテロ原子が割り込んでいるアルキル アルキルもしくはアルキレン鎖、または飽和および不飽和ハロゲン化炭素である);RSO (スルホネート)もしくはROSO (スルフェート)もしくはRNHSO (スルファメート)(これらの場合のRは、1から約20の炭素原子を有する脂肪族部分、6から約12の炭素原子を有するシクロアルキル、アリール、アルアルキル、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロアルアルキル、クロロアルキル、クロロアリールまたはクロロアルアルキル、ヘテロシクリル、1以上のヘテロ原子が任意に割り込んでいるアルキルもしくはアルキレン フルオロアルキル、フルオロアルキレン、クロロアルキルまたはクロロアルキレン鎖でありうる);S2−;SO 2−;SCN;NO ;NO ;CO 2−;HCO ;CN;HPO 2−;PO 3−;O 2−;HO;およびRO(この場合のRは、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル、ヘテロシクリル、任意に1以上のヘテロ原子が割り込んでいるアルキルもしくはアルキレン鎖、または飽和および不飽和ハロゲン化炭素である)から成る群より選択される、請求項2記載の方法。
  4. 前記ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物が、硫酸テトラメチルチオニン、酢酸テトラメチルチオニン、マレイン酸テトラメチルチオニン、ギ酸テトラメチルチオニンおよびフタル酸テトラメチルチオニンから成る群より選択される、請求項2記載の方法。
  5. 前記重合禁止剤が、(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を禁止することができる少なくとも1つの追加の化合物をさらに含む、請求項1記載の方法。
  6. 蒸留装置を使用して前記生成物を精製する工程をさらに含む方法であって、
    (A)前記蒸留装置に前記生成物を導入する工程;
    (B)前記蒸留装置に前記重合禁止剤を導入する工程;および
    (C)前記蒸留装置において前記重合禁止剤の存在下で前記生成物を蒸留して、精製された生成物を形成する工程
    を含む、請求項1記載の方法。
  7. (A)少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ水酸化物アニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂と接触させて、ハロゲン化物富化イオン交換樹脂および所定量のアジン染料系水酸化物化合物を製造する工程、
    ここで、前記少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物は一般式:
    Figure 2006131894
    (式中、
    Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
    〜Rは、同じであるか、または互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、または互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;さらに
    Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物から成る群より選択される少なくとも1つのハロゲン化物アニオンを含む)を有する;および
    (B)工程(A)の終了から約48時間以内に、前記量のアジン染料系水酸化物化合物を、水酸化物を除去し、かつアニオンを供与することができる酸化合物と接触させて、所定量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物(前記ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物の全乾燥重量を基準にして4重量パーセントを超える非共有結合ハロゲン化物を有しない)を形成する工程
    を含む、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を製造する方法。
  8. 接触工程(A)の前に、非水酸化物塩基性アニオン交換樹脂を苛性アルカリで予備調整して、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ水酸化物アニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂を生じさせる工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 前記酸化合物が、硫酸、酢酸、マレイン酸、ギ酸およびフタル酸から成る群より選択される、請求項7記載の方法。
  10. (A)水酸化物形の塩基性イオン交換樹脂を、水酸化物アニオンを除去し、かつ他のアニオンを供与することができる酸化合物で予備調整して、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ前記他のアニオンを供与することができる塩基性イオン交換樹脂を生じさせる工程;および
    (B)少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物を、ハロゲン化物アニオンを吸収し、かつ前記他のアニオンを供与することができる前記塩基性イオン交換樹脂と接触させて、所定量のハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物(前記ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物の全乾燥重量を基準にして4重量パーセントを超える非共有結合ハロゲン化物を有しない)を製造する工程、
    ここで、当該少なくとも1つのハロゲン化物含有アジン染料系化合物は一般式:
    Figure 2006131894
    (式中、
    Yは、S、OまたはNRから成る群より選択され、この場合のRは、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;
    〜Rは、同じであるか、または互いに異なり;R〜R10は、同じであるか、または互いに異なり;各R〜R10は、水素、ならびに飽和、不飽和および置換炭化水素から成る群より選択され;さらに
    Xは、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびフッ化物から成る群より選択される少なくとも1つのハロゲン化物アニオンを含む)
    を有する
    を含む、ハロゲン化物含量低減アジン染料系化合物を製造する方法。
  11. 前記酸化合物が、硫酸、酢酸、マレイン酸、ギ酸およびフタル酸から成る群より選択される、請求項10記載の方法。
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