JP2006131854A - 潤滑剤用添加剤および潤滑剤組成物 - Google Patents

潤滑剤用添加剤および潤滑剤組成物 Download PDF

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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10NINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS C10M RELATING TO LUBRICATING COMPOSITIONS
    • C10N2020/00Specified physical or chemical properties or characteristics, i.e. function, of component of lubricating compositions
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Abstract

【課題】 従来よりも摩擦低減効果に優れた潤滑剤用添加剤を提供する。
【解決手段】 分子中に、モリブデン原子、亜鉛原子、銅原子、ニッケル原子、鉄原子、カドミウム原子、銀原子、鉛原子、アンチモン原子、錫原子およびビスマス原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子(M)を1分子当たりの平均でそれぞれ0.1〜100個有する数平均分子量500〜1,000,000の油溶性重合体(A)を含有する潤滑剤用添加剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、潤滑剤用添加剤および潤滑剤組成物に関する。詳しくは、特定の金属原子を有する油溶性重合体を含有する潤滑剤用添加剤と、それを含む潤滑剤用添加剤組成物、潤滑油組成物およびグリース組成物に関する。
各種機械および輸送機等に使用される潤滑油組成物並びにグリース組成物などの潤滑剤においては摩擦低減剤などの添加剤が添加されていることが多い。
例えば自動車用の潤滑油組成物であるエンジン油においては、省燃費化のための1つの方策としてエンジン油の低粘度化が進んでいるが、自動車の動弁系およびベアリング等の潤滑部分では混合潤滑および境界潤滑が多いため、エンジン油の低粘度化は摩耗の増大を引き起こす原因になっている。そこで、摩擦損失を低減する目的や摩耗防止の目的で摩擦低減剤等が添加されている。
摩擦低減剤としては、従来からモリブデン系化合物が有効であるとされており、例えば特許文献−1には各種のモリブデン化合物が、特許文献−2にはモリブデンジチオカーバメート化合物が提案されている。また、グリース組成物においても摩擦低減のために極圧剤と呼ばれる添加剤が添加されていることが多く、例えば特許文献−3には有効なモリブデン系化合物として硫化オキシモリブデンジチオカルバミン酸組成物などが提案されている。
特公昭52−106824号公報 特開平8−176579号公報 特開2004−002872号公報
ところが、従来のモリブデン系摩擦低減剤は摩擦低減効果に乏しく、十分な省燃費性が達成できないという問題点があった。従って、従来よりも摩擦低減効果に優れた潤滑剤および潤滑剤用添加剤を得ることが課題であった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、従来よりも摩擦低減効果に優れた潤滑剤用添加剤を見いだし、本発明に到達した。
すなわち本発明は、分子中に、モリブデン原子、亜鉛原子、銅原子、ニッケル原子、鉄原子、カドミウム原子、銀原子、鉛原子、アンチモン原子、錫原子およびビスマス原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子(M)を1分子当たりの平均でそれぞれ0.1〜100個有する数平均分子量500〜1,000,000の油溶性重合体(A)を含有する潤滑剤用添加剤、該添加剤を含有する潤滑剤用添加剤組成物、潤滑油組成物およびグリース組成物である。
本発明の潤滑剤用添加剤は各種基油への溶解性に優れ、それを添加した潤滑油組成物は摩擦低減効果に優れている。また本発明の潤滑剤用添加剤を添加したグリース組成物は摩擦低減効果に優れている。
本発明において、油溶性重合体における「油溶性」とは、一般的な液状石油製品に均一に溶解する性質をさすが、具体的には「100N溶剤精製鉱物油に対して0.1重量%を60℃にて均一溶解が可能」であり、かつ「25℃で24時間静置した後の析出有無を目視観察により評価した際に析出無き」ことを油溶性の定義とする。
また、本発明の潤滑剤用添加剤における「潤滑剤」とは、摩擦面を潤滑し、機械効率の向上を図るために用いられる物質の総称であり、潤滑油組成物およびグリース組成物などが含まれる。
本発明における油溶性重合体(A)は、分子中に、モリブデン原子、亜鉛原子、銅原子、ニッケル原子、鉄原子、カドミウム原子、銀原子、鉛原子、アンチモン原子、錫原子およびビスマス原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子(M)を1分子当たりの平均でそれぞれ0.1〜100個有する数平均分子量500〜1,000,000の油溶性重合体であり、2種の(A)からなる混合物であってもよい。
(A)中の(M)の数は、油溶性の観点から、好ましくは1分子当たり平均それぞれ0.1〜50個、さらに好ましくは1〜20個である。
(M)のうち、摩耗低減効果の観点から、好ましくは少なくともモリブデン原子および/または亜鉛原子を有すること、さらに好ましくはモリブデン原子、およびモリブデン原子と亜鉛原子を有することである。また、2種以上の(A)の混合物である場合、少なくとも1種の(A)はモリブデン原子を有していることが好ましい。その際、モリブデン原子とその他の(M)の個数の比率は特に限定されないが、摩擦低減効果の観点から、好ましくは1/10〜10/1、さらに好ましくは1/3〜10/1である。分子中におけるこれらの原子は、主鎖、側鎖および/または架橋部に存在し、好ましくは製造の容易さの観点から、側鎖および/または架橋部に存在する。
なお、これらの原子の1分子当たりの平均の個数は、後述の数平均分子量とこれらの原子の含有量(ICP発光分光分析による測定)から計算できる。
本発明における油溶性重合体の数平均分子量(以下、Mnと略記)は通常500〜1,000,000、好ましくは1,500〜1,000,000、さらに好ましくは2,000〜300,000である(Mnはゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる測定で、ポリスチレン標準)。
また、油溶性重合体の熱分解温度は100℃〜400℃であることが好ましい。さらに好ましくは120℃〜380℃、特に好ましくは150℃〜360℃である。熱分解温度がこの範囲内である場合、摩耗低減効果に優れる点で有利である。(熱分解温度は熱分解重量測定により測定)。
本発明における油溶性重合体としては、(M)を対イオンとして有する油溶性イオン性重合体(Ai)および(M)を錯体金属として有する油溶性錯体重合体(Ac)が挙げられる。これらのうち摩擦低減効果の観点から好ましいのは(Ac)である。
本発明における(Ac)としては、例えば、一般式(1)で表される油溶性錯体重合体が挙げられる。
一般式(1)において、Qは油溶性錯体重合体から錯体構造を除いた重合体残基、Q’はQと同一またはアルキル基の炭素数1〜32のジアルキルアミノ基、Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一でも異なっていてもよく、M1、M2およびM3は錯体金属原子、Lは錯体構造のリガンド部分を示し、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される1種以上である。
Q’がQと同一である場合は、錯体構造はQとQ’との架橋部に存在することになり、Q’がジアルキルアミノ基である場合は、錯体構造はQの側鎖に存在することになる。
Q’がジアルキルアミノ基である場合の炭素数1〜32のアルキル基としては、直鎖または分岐のアルキル基、例えばメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシルおよびイソトリデシル基などが挙げられ、好ましいのはブチル、2−エチルヘキシルおよびイソトリデシル基、特に好ましいのは2−エチルヘキシルおよびイソトリデシル基であり、2個のアルキル基は同一でも異なっていてもよい。また、式中全てのQ’は同一でも異なっていてもよい。
pおよびqは、通常0〜100、油溶性の観点から好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜20である。rは通常0〜50であって、油溶性の観点から好ましくは0〜40、さらに好ましくは0〜25である。p、qおよびrのうち少なくとも1つは0ではなく、pおよびqが0のときrは0.05〜50、rが0でpもしくはqの一方が0のとき残りは0.1〜100である。
1〜M3は、モリブデン原子、亜鉛原子、銅原子、ニッケル原子、鉄原子、カドミウム原子、銀原子、鉛原子、アンチモン原子、錫原子およびビスマス原子からなる群より選ばれる1種以上の金属原子であり、摩耗低減効果から好ましいのはモリブデン原子、亜鉛原子、およびモリブデン原子と亜鉛原子の併用であり、さらに好ましいのはモリブデン原子、およびモリブデン原子と亜鉛原子の併用である。
なお、モリブデン原子のみが1分子中に存在する場合は、qは0でありM1およびM3がモリブデン原子であり、亜鉛原子のみが1分子中に存在する場合は、pおよびrは0でありM2が亜鉛原子であり、モリブデン原子と亜鉛原子が1分子中に存在する場合は、M1およびM3がモリブデン原子であって、M2が亜鉛原子である。
一般式(2)〜(4)において、Rは炭素数1〜24のアルキル基、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。
一般式(1)〜(4)のそれぞれの式における複数のXは同一でも異なっていてもよく、1分子中のXにおける酸素原子と硫黄原子の比率は好ましくは1/10〜1/0、さらに好ましくは1/10〜10/1である。
一般式(2)〜(4)のいずれかで表されるリガンド部分(L)のうち好ましいのは、摩擦低減効果の観点から、一般式(2)で表されるリガンド部分である。
(Ac)の製造方法は特に限定されないが、例えば、活性水素原子含有重合体(A0)、二硫化炭素および金属化合物(後述の、M1〜M3の酸化物など)の反応から得ることができ、必要により水硫化アルカリ、ジアルキルアミン、水および/または溶剤を共存させてもよい。
(A0)としては、活性水素原子含有ビニル系重合体(A01)および活性水素原子含有開環重合系重合体(A02)、活性水素原子含有縮合系重合体(A03)が挙げられる。好ましいのは(A01)および(A02)である。
活性水素原子としては、水酸基、メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基、非置換アミド基、カルボキシル基およびスルホン酸基などの官能基に含まれる活性水素原子が挙げられる。
(A01)としては、活性水素原子含有ビニル単量体(m1)を必須単量体とし、必要により他のビニル単量体(m2)を共重合させて得られる(共)重合体、並びに活性水素原子を2個以上有する連鎖移動剤(d)の存在下に(m2)のみを単独重合または(m1)と(m2)を共重合した重合体が挙げられ、(m1)および(m2)としては下記の単量体が例示される。
(m1)活性水素原子含有ビニル単量体;
(m11)水酸基含有ビニル単量体;
(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート[アルキレン基としては、炭素数2〜20、好ましくは2〜6のアルキレン基、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2−ブチレン基、イソブチレン基、スチレン基、α−メチルスチレン基、1,1−ジフェニルエチレン基、シクロヘキシレン基およびペンタメチレン基など。アルキレングリコール単位数は1〜50、好ましくは1〜20、具体例としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数9〜18)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノ(メタ)アクリレートなど]、ビニルアルコール(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素数3〜12のアルケノール[アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、1−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4〜12のアルケンジオール[2−ブテン−1,4−ジオールなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、p−ヒドロキシスチレンおよびトリエタノールアミンジ(メタ)アクリレートなど]が挙げられる。
(m12)1級もしくは2級アミノ基含有ビニル単量体;
(m121)1級もしくは2級アミノ基含有モノビニル単量体:
(m1211)脂肪族1級もしくは2級アミノ基含有モノビニル単量体:
アミノアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど]およびこれらのモノアルキル(炭素数1〜6)置換体[モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレートなど]およびモノ(メタ)アリルアミンなどが挙げられる。
(m1212)芳香環含有1級もしくは2級アミノ基含有モノビニル単量体:
アミノフェニル、アミノアルキル(炭素数1〜8)フェニルおよびアミノフェニルアルキル(炭素数1〜8)(メタ)アクリレート並びに(メタ)アクリルアミド[N−(4−アミノフェニル)(メタ)アクリレート、N−(4−アミノフェニル)(メタ)アクリルアミドおよびN−(4−アミノフェニルメチル)(メタ)アクリルアミドなど]、並びにこれらのモノアルキル(炭素数1〜6)もしくはモノフェニル置換体[N−(4−フェニルアミノフェニル)(メタ)アクリルアミドおよびN−(4−メチルアミノフェニル)(メタ)アクリルアミドなど]が挙げられる。
(m122)1級もしくは2級アミノ基含有ポリビニル単量体:
ジエタノールアミンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(m13)非置換アミド基含有ビニル単量体;
(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(m14)カルボキシル基含有ビニル単量体;
カルボキシル基を1個含有するビニル単量体、例えば、不飽和モノカルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど]など;カルボキシル基を2個以上含有するビニル単量体、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸などが挙げられる。
(m15)スルホン酸基含有ビニル単量体;
炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水酸基を含有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エステルなど]などが挙げられる。
(m16)リン酸エステル基含有ビニル単量体;
例えば、リン酸モノアルケニルエステル(炭素数2〜12)[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル、リン酸ドデセニルなど]、(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数1〜12)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェートなど]、ポリ(n=2〜20)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートエステルのリン酸エステルなどが挙げられる。
(m1)のうち好ましいのは(m121)および(m122)、さらに好ましいのは(m121)、特に好ましいのはアミノアルキル(メタ)アクリレート、とりわけアミノエチル(メタ)アクリレートである。
なお、(m1)としては、活性水素原子が保護基で保護された誘導体を使用してもよく、重合後に保護基を外すことにより活性水素原子を再生することができる。
活性水素原子の保護基としては、例えば1級アミノ基に対して各種ケトン(ジメチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなど)を反応させて得られるケチミン基などが挙げられ、ケチミン基を重合後に加水分解することによってケトンが遊離し、1級アミノ基が再生される。
1級アミノ基とケトンとの反応は、50℃〜150℃で減圧で脱水することによって行うことができ、ケチミン基を生成する。この際、アルカリ存在化では反応がより進行しやすい。また、上記ケチミン基の加水分解は50℃〜150℃において、水を1〜50当量添加し、生成した遊離のケトンを減圧除去することにより行うことができる。
(m1)として1級アミノ基含有単量体を使用する際には、共重合性の観点から保護基の使用が好ましい。
他のビニル単量体(m2);
(m21)(メタ)アクリル酸エステル;
(m211)(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アルキル基としては炭素数1〜32(好ましくは1〜24)の直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシルおよび(メタ)アクリル酸テトラコシルなどが挙げられる。
(m212)(メタ)アクリル酸アルケニルエステル;
アルケニル基としては、炭素数1〜30の直鎖または分岐のアルケニル基が挙げられ、例えば(メタ)アクリル酸ブテニル、(メタ)アクリル酸オクテニル、(メタ)アクリル酸デセニル、(メタ)アクリル酸ドデセニル、(メタ)アクリル酸オレイルなどが挙げられる。
(m213)(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステル;
アルキレン基としては前述の(m11)で挙げた基などが挙げられる。またモノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては炭素数が1〜20、好ましくは1〜18の直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、前述のアルキル基が挙げられる。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレングリコールの単位の数は好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20である。
具体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数6)モノメチルエーテルモノメタクリレート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルモノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチルエーテルモノメタクリレートなどが挙げられる。
(m22)N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド;
N−モノアルキル(炭素数1〜30、好ましくは4〜30、さらに好ましくは8〜30の直鎖もしくは分岐)置換(メタ)アクリルアミド[例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルへキシル(メタ)アクリルアミド、N−デシル(メタ)アクリルアミド、N−ドデシル(メタ)アクリルアミド、N−オクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−2−デシルテトラデシル(メタ)アクリルアミドおよび(メタ)アクリルアミドなど]、N,N−ジアルキル(炭素数1〜30、好ましくは4〜30、さらに好ましくは8〜30の直鎖もしくは分岐)置換(メタ)アクリルアミド[例えばN,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジドデシル(メタ)アクリルアミドなど]およびエチレンジ(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
(m23)(メタ)アクリル酸以外の不飽和カルボン酸のエステル;
(メタ)アクリル酸以外の不飽和モノカルボン酸[クロトン酸など]の炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキルもしくはアラルキルエステル、ならびに不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマール酸、イタコン酸など]の炭素数1〜24のアルキルジエステル[マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジオクチルなど]が挙げられる。
(m24)脂肪族ビニル系炭化水素;
炭素数2〜30のアルケン[エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘプテン、4-メチルペンテン−1,1−ヘキセン、ジイソブチレン、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど]、炭素数4〜18のアルカジエン[好ましくは炭素数4〜5のブタジエン、イソプレン、その他1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど]などが挙げられる。
(m25)アルキルアルケニルエーテル;
炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテルなどが挙げられ、好ましくは炭素数1〜24のアルキル基である。具体的には、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとしては、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、n−ブチルアリルエーテルなどが挙げられる。これらのうちで好ましいものは、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルアリルエーテルおよびエチルアリルエーテルである。
(m26)脂肪酸ビニルエステル;
脂肪酸としては総炭素数1〜30、好ましくは1〜24、さらに好ましくは1〜18の直鎖状または分岐状の脂肪酸が挙げられ、飽和または不飽和のいずれであってもよい。具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘプタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn−オクタン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニルなどが挙げられる。
(m27)ビニルケトン類;
炭素数1〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど]が挙げられる。
(m28)脂環基(炭素数5〜24)含有ビニルモノマー;
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン、ピネン、リモネン、インデン、シクロアルキルカルボン酸ビニルエステル[シクロヘキサン酸ビニル、シクロオクタン酸ビニル、デカヒドロナフチル酸ビニルなど]、シクロアルキルカルボン酸プロペニルエステル[ビシクロペンチル酸プロペニルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デカヒドロナフチルなど]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルアルキルエステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチルなど]、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸メチル、シクロヘプチル(メタ)アクリル酸エチルなどが挙げられる。
(m29)芳香族ビニル系炭化水素;
スチレン、置換スチレン(置換基の炭素数1〜18)[アルキル置換スチレン(好ましくはα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレンなど)、シクロアルキル置換スチレン(シクロヘキシルスチレンなど)、アリール置換スチレン(フェニルスチレンなど)、アラルキル置換スチレン(ベンジルスチレンなど)、アシル基置換スチレン(アセトキシスチレンなど)、フェノキシ基置換スチレン(フェノキシスチレンなど)など]、ジビニル置換芳香族炭化水素[好ましくはジビニルベンゼン、その他ジビニルトルエンおよびジビニルキシレンなど]、ビニルナフタレンなどが挙げられる。
(m210)上記以外の単量体;
ニトリル基含有単量体[(メタ)アクリロニトリルおよびシアノスチレンなど]、ニトロ基含有単量体[4−ニトロスチレンなど]およびハロゲン含有ビニル単量体[塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(モノおよびジクロルスチレン、テトラフルオロスチレンおよび塩化アリルなど)]が挙げられる。
(m2)のうち、好ましいのは(m21)および(m22)であり、(m21)のうちさらに好ましいのは(m211)および(m211)のうちの2種以上の併用である。
(A01)における、単量体の仕込み重量比率は、通常(m1)/(m2)=0.1〜100/99.9〜0、好ましくは0.1〜40/99.9〜60、さらに好ましくは0.1〜50/99.9〜50である。
(A01)として最も好ましいのは、油溶性の観点から、(m2)として、(m21)および/または(m22)を含有し、(m21)+(m22)が全単量体の重量に基づいて60〜99.9重量%であるビニル重合体である。
(A01)を製造する方法は、従来から知られているラジカル重合方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等が挙げられる。これらのうち、好ましくは溶液重合法であり、通常、溶剤中で、開始剤存在下でラジカル重合することにより製造できる。溶剤としては、例えば高沸点溶剤として溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油など)、エステル系合成油、ナフテン油等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(イソプロピルアルコール、オクタノール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合物開始剤からなる群より選ばれる開始剤である。
アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩(例えば塩酸塩など)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミドなどが挙げられる。
過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなど]、有機過酸化物[例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、ラウリルパーオキシドなど]が挙げられる。
レドックス系触媒としては、アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組合せよりなるものなどが挙げられる。
また、重合には連鎖移動剤を添加してもよく、例えばメルカプタン類(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノールなど)、チオカルボン酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸など)、2級アルコール類(イソプロパノ−ルなど)、アミン類(ジブチルアミンなど)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウなど)などが挙げられる。
連鎖移動剤のうち好ましいのは1分子中に2個以上の活性水素原子を有する連鎖移動剤(d)であり、(d)を使用することにより重合体末端に活性水素原子を導入することができるため、例えば上記の(m2)を使用しない重合体であっても活性水素原子含有重合体(A0)として用いることができる。(d)としては例えばメルカプトエタノールおよびメルカプトプロパノールなどが挙げられる。
重合制御の方法は、断熱重合法、温度制御重合法が挙げられる。反応温度としては、好ましくは30〜140℃、さらに好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70〜120℃である。また、熱による重合開始の方法の他に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制御した溶液重合法である。
さらに、共重合としては、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよく、またグラフト共重合またはブロック共重合のいずれでもよい。
本発明における(A0)のうち、活性水素原子含有開環重合系重合体(A02)としては重合体末端のみに活性水素原子を有する開環重合系重合体(A021)と、さらに重合体主鎖および/または側鎖にも活性水素原子を有する開環重合系重合体(A022)が挙げられる。
(A021)としては、アルキレン基の炭素数2〜12のポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびそれらの末端一級アミノ化物などが挙げられる。
また、(A022)としては、ポリエチレンイミン、ジエタノールアミンアルキレングリコール付加物(アルキレングリコールの単位数20〜50)およびポリグリシドールなどが挙げられる。
活性水素原子含有縮合系重合体(A03)としては、両末端水酸基のポリエステル系重合体、両末端アミノ基のポリアミド系重合体、両末端アミノ基のポリウレタン系重合体および両末端水酸基のポリカーボネート系重合体などが挙げられる。
また、(A0)のSP値(溶解性パラメーター)は8.0〜9.8であることが好ましい。さらに好ましくは、8.2〜9.7、特に好ましくは8.5〜9.5である。SP値がこの範囲内である場合、油溶性に優れる点で有利である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedors法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出される値である。
(Ac)の製造に使用できる金属化合物としては、モリブデン化合物、亜鉛化合物、銅化合物、ニッケル化合物、鉄化合物、カドミウム化合物、銀化合物、鉛化合物、アンチモン化合物、錫化合物およびビスマス化合物が挙げられ、例えばこれらの金属の酸化物、水酸化物、酸化物の水和物およびハロゲン化物などが例示される。
金属化合物のうち好ましいのは摩耗低減効果の観点からモリブデン化合物(M0)および亜鉛化合物(Z0)である。
モリブデン化合物(M0)としては、6価のモリブデン原子を含有する化合物などが挙げられ、例えば、三酸化モリブデンおよびその水和物(MoO3・nH2O)、モリブデン酸(H2MoO4)およびその塩〔モリブデン酸アルカリ金属塩(M2MoO4)、モリブデン酸アンモニウム[(NH42MoO4又は(NH46(Mo324)・4H2O]など〕、MoOCl4、MoO2Cl2、MoO2Br2、Mo22Cl6、並びに硫化モリブデン酸およびその塩(テトラチオモリブデン酸アンモニウムなど)等が挙げられる。好ましいのは、工業的に入手しやすい三酸化モリブデンおよびその水和物、モリブデン酸およびその塩、並びに硫化モリブデン酸およびその塩であり、さらに好ましいのは、三酸化モリブデンおよびその水和物並びにモリブデン酸である。
亜鉛化合物(Z0)としては、例えば、酸化亜鉛およびその水和物(ZnO・nH2O)、並びにハロゲン化亜鉛(塩化亜鉛、臭化亜鉛など)が挙げられる。好ましいのは、工業的に入手しやすい酸化亜鉛およびその水和物並びに塩化亜鉛である。
本発明における(Ac)の製造は、前述のように反応させることにより達成できるが、必要により、他の成分の共存下で行ってもよい。他の成分としては水硫化アルカリ、ジアルキルアミン、水、溶剤などが挙げられる。水硫化アルカリを共存させることによって(Ac)におけるXの酸素/硫黄重量比を調節できる。ジアルキルアミンを共存させることによって、一般式(1)におけるQ’をジアルキルアミノ基にすることができる。水を共存させることによって、反応率が向上できる。また、溶剤としては例えば上記溶液重合の際の溶剤が挙げられ、溶剤を共存させることによって反応工程での低粘度化による反応速度の向上できる。
反応条件は、全ての原料を反応容器中に一括仕込みしてから所定の反応温度で反応してもよいが、金属化合物以外の原料を予め仕込んでおいて、所定の反応温度に到達してから金属化合物を徐々に添加することが好ましい。反応温度は好ましくは0℃〜150℃、さらに好ましくは50℃〜140℃、特に好ましくは70℃〜130℃である。反応時間は好ましくは0.5時間〜24時間、さらに好ましくは1時間〜10時間、特に好ましくは1時間〜5時間である。生成物は必要により濾過や抽出などの精製を行ってもよい。
また、(Ac)は、一般式(5)〜(7)のいずれかで表される1種以上の官能基を有する単量体(m3)を必須構成単量体とする重合体(A0’)、および金属化合物の反応から得ることができ、必要により水硫化アルカリ、水および/または溶剤を共存させてもよい。
式中、Rは炭素数1〜24のアルキル基、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。
(m3)としては、以下のものが挙げられる。
(m31);一般式(5)で表される官能基を有するビニル単量体
例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルジチオカルバミン酸、硫化(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノアルキル(炭素数1〜24)ジチオカルバミン酸などが挙げられる。
(m32);一般式(6)で表される官能基を有するビニル単量体
例えばメタクリロイルオキシエチルモノアルキル(炭素数1〜12)ジチオリン酸エステルなどが挙げられる。
(m33);一般式(7)で表される官能基を有するビニル単量体
例えばグリセリンモノ(メタ)アクリル酸エステル、グリセリンモノアルキレン(炭素数2〜20)グリコール(メタ)アクリル酸エステル、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられる。
(A0’)は、(m3)と他の単量体の共重合体であってもよく、他の単量体としては前述の(m2)および(m11)〜(m13)の単量体が挙げられ、好ましいのは(m21)特に(m211)である。(m3)/他の単量体の重量比は通常0.1〜100/99.9〜0、好ましくは1〜50/99〜50である。
共重合体の場合の重合様式はランダム共重合、ブロック共重合またはグラフト共重合のいずれでもよく、他の単量体のみから得られた重合体に対してグラフト重合してもよい。
(A0’)から(Ac)を製造する方法は、(A0’)を仕込んでおいてから、所定の反応温度に昇温した後、金属化合物を徐々に添加することが好ましい。
反応温度および反応時間などの条件は、前述の(Ac)の製造におけると同様の条件が好ましい。
本発明における(Ai)としては、(M)が酸性重合体の対イオンとして存在する油溶性重合体(Ai1)および(M)の酸化物が塩基性重合体の対イオンとして存在する油溶性重合体(Ai2)が挙げられる。
(Ai1)を構成する酸性重合体としては、酸性ビニル系重合体および酸性開環重合系重合体などが挙げられる。
酸性ビニル系重合体としては、酸性ビニル単量体(m4)とその他の単量体との共重合体が挙げられる。
(m4)としては、前述の(m14)、(m15)および(m16)、並びにそれらの硫黄置換体(2−メタクリロイルオキシエチル−ジチオカルバミン酸、ジチオメタクリル酸など)などが挙げられる。
(m4)と共重合できるその他の単量体としては前述の(m2)が挙げられ、好ましいものも同様である。(m4)と他の単量体との仕込み重量比[(m4)/他の単量体]は、通常0.01〜50/99.99〜50、好ましくは0.1〜20/99.9〜80である。
酸性開環重合系重合体としては、重合体末端のみに酸性基を有する開環重合系重合体(例えばポリプロピレングリコールの末端カルボキシル化物、ポリブチレングリコールの末端燐酸化物など)が挙げられる。
(Ai1)の製造は、上記の酸性重合体と炭素数1〜6の低級カルボン酸(例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸など)の金属塩(金属は上記のモリブデンなど)を混合し、低級カルボン酸を減圧除去することにより達成される。
酸性重合体と金属塩の仕込み当量比は1〜10/1〜10/1〜10が好ましい。
(Ai2)を構成する塩基性重合体としては、塩基性ビニル系重合体および塩基性開環重合系重合体などが挙げられる。
塩基性ビニル系重合体としては、塩基性ビニル単量体(m5)とその他の単量体との共重合体が挙げられる。
(m5)としては、前述の(m12)などが挙げられる。
(m5)と共重合できるその他の単量体としては前述の(m2)が挙げられ、好ましいものも同様である。(m5)と他の単量体との仕込み重量比[(m5)/他の単量体]は、通常0.01〜50/99.99〜50、好ましくは0.1〜30/99.9〜70である。
塩基性開環重合系重合体としては、重合体末端のみに塩基性基を有する開環重合系重合体(例えばポリプロピレングリコールの末端アミノ化物、ポリブチレングリコールの末端アミノ化物など)が挙げられる。
(Ai2)の製造は、上記の塩基性重合体と(M)の酸化物および/または(M)の酸化物の軽金属またはアンモニウム塩を混合することにより達成される。
酸性重合体と(M)の酸化物との仕込み当量比は1〜10/10〜1が好ましい。
本発明の潤滑剤用添加剤は、(A)を製造して得られたままの形態(反応生成物そのまま)で使用することが出来るが、必要により精製(例えば、溶剤の除去、触媒の除去など)されたものでもよい。
本発明の潤滑剤用添加剤は、油溶性に優れているので各種の潤滑油組成物またはグリース組成物などの潤滑剤組成物に添加すると優れた摩擦低減効果を発揮する。
本発明の潤滑剤用添加剤組成物は、上記の潤滑剤用添加剤並びに他の添加剤および/または希釈剤を含有する。
他の添加剤としては、潤滑剤組成物中に従来から種々添加されている添加剤であれば特に限定されず、例えば、粘度指数向上剤(ポリメタクリレート系、ポリオレフィン系など)、流動点降下剤(ポリメタクリレート系、エチレンビニルアセテート系など)、清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フェネート系、ナフテネート系などのCaやMg塩、炭酸カルシウム)を本発明の(A)の重量に基づいて0〜20%(以下において、特に限定しない限り%は重量%を表す)、好ましくは0.1〜10%、分散剤(コハク酸イミド系;ビスタイプ、モノタイプ、ボレートタイプ、マンニッヒ縮合物系など)を0〜20%、好ましくは0.2〜10%、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、アミン系;ジフェニルアミン、ヒンダードフェノール系、チオリン酸亜鉛、トリアルキルフェノールなど)を0〜5%好ましくは0.1〜3%、摩擦改質剤(長鎖脂肪酸系;オレイン酸、長鎖脂肪酸エステル;オレイン酸エステル、長鎖アミン系:オレイルアミンなど、長鎖アミド;オレアミドなど)を0〜5%、好ましくは0.1〜1%、摩擦摩耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメイト、ジンクジアルキルジチオフォスフェートなど)を0〜5%好ましくは0.1〜3%、極圧剤(硫黄リン系、硫黄系、リン系、クロル系など)を0〜20%、好ましくは0.1〜10%、消泡剤(シリコーン油、金属石けん、脂肪酸エステル、リン酸エステルなど)を2〜1000ppm、好ましくは10〜700ppm、抗乳化剤(4級アンモニウム塩、硫酸化油、リン酸エステルなど)を0〜3%、好ましくは0〜1%、腐食防止剤(ベンゾトリアゾール、1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカルバメートなど)を0〜3%、好ましくは0〜2%含有してもよい。
潤滑剤用添加剤組成物の重量に基づく、他の添加剤の合計の重量は、好ましくは0〜50%、さらに好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0〜15%である。
潤滑剤用添加剤組成物は希釈剤を含有することにより基油への溶解が容易になる点で好ましい。希釈剤としては、後述の基油と同様のもの、および前述の(A)の製造法において挙げた溶剤と同様のものが使用でき、(A)の製造工程で使用した溶剤を除去せずにそのまま残しておいてもよい。希釈剤として好ましいのは後述のグループIII基油またはグループIV基油である。
希釈剤を使用する場合の潤滑剤用添加剤組成物中の(A)の濃度は好ましくは30%以上、さらに好ましくは30〜90%である。
本発明の潤滑油組成物は、上記の潤滑剤用添加剤もしくは上記の潤滑剤用添加剤組成物および基油を含有する潤滑油組成物、または上記の潤滑剤用添加剤、他の添加剤および基油を含有する潤滑油組成物である。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油組成物の重量に基づいて好ましくは0.01〜30%、さらに好ましくは0.1〜20%の油溶性重合体(A)を含有する。
また、他の添加剤として、前述のジンクジチオフォスフェート、無灰分散剤、金属清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤および流動点降下剤からなる群から選ばれる1種以上を含んでいることが好ましい。
基油としては、従来から潤滑剤の基油として使用されている鉱物油および合成潤滑油などの基油であれば特に限定されない。
鉱物油とは、天然の原油から分離、蒸留、精製されるものをさし、パラフィン系、ナフテン系、、パラフィン−ナフテン混合系、あるいはこれらを水素化処理、溶剤精製したものが挙げられる。合成潤滑油とは化学的に合成された潤滑油であって、ポリ−α−オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジカルボン酸のアルキルエステルなどのジエステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、ポリシリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼンなどが挙げられる。また、基油は、アメリカ石油協会では以下のようにグループ■から■に分類
されている。
グループI基油は90%未満の飽和油(ASTM D2007)および/または硫黄含量(ASTM D2622、D4294、D4927またはD3120)が0.03%以上、粘度指数が80以上120未満。
グループII基油は90%以上の飽和油(ASTM D2007)および硫黄含量が0.03%以下、粘度指数が80以上120未満。
グループIII基油は90%以上の飽和油(ASTM D2007)および硫黄含量が0.03%以下、粘度指数が120以上。
グループIV基油はポリアルファオレフィン(PAO)。
グループV基油はグループI〜IV以外。エステルなど。
本発明の潤滑油組成物に用いられる基油は、好ましくは曇点(JIS K2269)が−5℃以下、さらに好ましくは−15℃〜−70℃である。基油の曇点がこの範囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好である。また、基油の動粘度は100℃において好ましくは1〜10mm2/sのものが好ましい。
本発明における潤滑油組成物に用いられる基油は、グループIII基油またはグループIV基油を潤滑油組成物の重量に基づき好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは10〜100%、特に50〜100%含有していることが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、摩擦低減効果以外に、分散効果、酸化防止効果、粘度指数向上効果、流動点降下効果などの効果も発揮することができる。その使用範囲は、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油、トラクション油、グリースなどに幅広く好適に用いることができる。好ましくはエンジン油、ギア油およびグリースへの使用であり、省燃費性に優れるうえ快適性においても効果的である。
本発明のグリース組成物は、基油および増稠剤からなる基グリース、並びに本発明の潤滑剤用添加剤を含有してなり、基油としては、前述の基油と同様のもの、および前述の(A1)または(A2)の製造法において挙げた溶剤と同様のものが使用でき、(A1)または(A2)の製造工程で使用した溶剤を除去せずにそのまま残しておいてもよい。基油として好ましいのは前述のグループIII基油またはグループIV基油である。増稠剤としては炭素数2〜32の脂肪酸金属塩などが挙げられる。
グリース組成物における基油、増稠剤および潤滑剤用添加剤の重量比は、好ましくは0.1〜90/0.1〜90/0.1〜50である。
[実施例]
以下に、実施例について説明するが、本発明はこれに限定するものではない。なお、実施例および比較例中の部は重量部を表す。
(GPCによる重量平均分子量の測定法)
装置 : 東洋曹達製 HLC−802A
カラム : TSK gel GMH6 2本
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.5質量%のTHF溶液
溶液注入量 : 200μl
検出装置 : 屈折率検出器
標準 : ポリスチレン
(熱分解重量測定による熱分解温度の測定法)
装置 :熱重量測定装置 TGA−50(株式会社島津製作所)
測定温度 :0〜600℃、10℃/min
試料重量 :10mg
(ICP発光分光分析による金属原子含量の測定法)
装置 :SEQUENTIAL PLASMA SPECTROMETER
ICPS−8000(株式会社島津製作所)
希釈溶剤 :キシレン
実施例1
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、および窒素吹き込み管を備えた反応容器に、メタクリル酸エステル系ランダム共重合体(2−アミノエチルメタクリレート/
メタクリル酸2−デシルテトラデシル=15/85重量比、Mn=4,000、SP値=9.1、分解温度=360℃)120部を仕込み、滴下ロートに二硫化炭素80部を仕込んだ。反応容器の気相部の窒素置換を行った後、反応容器を30℃に保ったまま30分かけて二硫化炭素を滴下した。その後、反応容器に三酸化モリブデン25部を仕込んで、反応容器内を100℃に昇温した。もう一つの滴下ロートに水44部を仕込み、1時間かけて滴下した。さらに1時間撹拌した後、ヘキサンで抽出し、温度100℃、圧力20mmHgで減圧乾燥して重合体(1)200部を得て、重合体(1)を本発明の潤滑剤用添加剤(E1)とした。重合体(1)は油溶性であり、Mn=8,000、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で2個のモリブデン原子を有していた。
実施例2
メタクリル酸エステル系ランダム共重合体を2−アミノエチルメタクリレート/メタクリル酸2−デシルテトラデシル=30/70重量比(Mn=4,000、SP値=9.4、分解温度=360℃)120部とする以外は実施例1と同様にして、重合体(2)200部を得て、重合体(2)を本発明の潤滑剤用添加剤(E2)とした。重合体(2)は油溶性であり、Mn=8,500、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で3個のモリブデン原子を有していた。
実施例3
メタクリル酸エステル系ランダム共重合体を2−アミノエチルメタクリレート/メタクリル酸テトラデシル=10/90重量比(Mn=4,000、SP値=9.2、分解温度=360℃)120部とする以外は実施例1と同様にして、重合体(3)200部を得て、重合体(3)を本発明の潤滑剤用添加剤(E3)とした。重合体(3)は油溶性であり、Mn=7,500、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で2個のモリブデン原子を有していた。
実施例4
メタクリル酸エステル系ランダム共重合体を2−アミノエチルメタクリレート/メタクリル酸2−デシルテトラデシル=15/85重量比、Mn=10,000、SP値=9.1、分解温度=360℃)120部とする以外は実施例1と同様にして、重合体(4)200部を得て、重合体(4)を本発明の潤滑剤用添加剤(E4)とした。重合体(4)は油溶性であり、Mn=25,000、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で5個のモリブデン原子を有していた。
実施例5
三酸化モリブデン25部を三酸化モリブデン17部、酸化亜鉛10部とする以外は実施例1と同様にして、重合体(5)200部を得て、重合体(5)を本発明の潤滑剤用添加剤(E5)とした。重合体(5)は油溶性であり、Mn=8,000、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で1個のモリブデン原子および1個の亜鉛原子を有していた。
実施例6
三酸化モリブデン25部を三酸化モリブデン17部、酸化亜鉛5部とする以外は実施例2と同様にして、重合体(6)200部を得て、重合体(6)を本発明の潤滑剤用添加剤(E6)とした。重合体(6)は油溶性であり、Mn=8,000、分解温度=350℃であり、1分子当たりの平均で2個のモリブデン原子および1個の亜鉛原子を有していた。
比較例1
市販のモリブデンジアルキルジチオカーバメートである「Molyvan(R)2000」、R.T.Vanderbilt Company ,Inc.社製)を比較例1の潤滑剤用添加剤(H1)とした。
比較例2
市販のモリブデンジアルキルジチオカーバメートである「サクラルーブ(R)165」、旭電化工業(株)製)を比較例2の潤滑剤用添加剤(H2)とした。
実施例7〜12、比較例3および4
<潤滑油組成物の製造と摩擦係数測定>
上記の(E1)、(E2)、(E3)、(E4)、(E5)、(E6)、(H1)または(H2)を、モリブデン含量として700ppmになるように下記の基油に60℃で添加して撹拌・混合し潤滑油組成物を得た。
基油 ; DiaQueenMOTOROIL SAE10W−30SH(三菱自動車製)
得られた潤滑油組成物の摩擦係数の測定を行った。結果を表1に示す。
[摩擦係数の測定法]
装置 : オプチモール SRV試験器(日本パーカライジング(株))
ボール : 直径10mm
ディスク: 直径24mm×厚さ7.9mm
測定温度: 80℃
荷重 : 50N
振動数 : 50Hz
振幅 : 2mm
測定時間: 30min
実施例13〜18、比較例5〜6
<潤滑剤用添加剤の溶解性試験>
上記の(E1)、(E2)、(E3)、(E4)、(E5)、(E6)、(H1)または(H2)を、モリブデン含量として700ppmになるように下記の基油に添加し、60℃にて一時間攪拌した。25℃で24時間静置後の状態を目視観察により評価した。
結果を表2に示す。○は透明均一、×は白濁または沈殿物ありを示す。
基油III ;100NグループIII基油[「YUBASE4」(SK Corp.製)]
基油IV;100NグループIV基油
本発明の潤滑剤用添加剤は潤滑油組成物やグリース組成物などの潤滑剤用の摩擦低減剤として利用できる。また、本発明の潤滑剤用添加剤は、潤滑油組成物用の分散剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤などとしても用いることができる。
本発明の潤滑剤用添加剤を添加した潤滑剤は、エンジン油(ガソリン用、ディーゼル用など)、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング油、ショックアブソーバー油、トラクション油、グリースなどに幅広く好適に用いることができ、特にエンジン油、ギア油への使用は、省燃費性に優れるうえ快適性においても効果的である。

Claims (9)

  1. 分子中に、モリブデン原子、亜鉛原子、銅原子、ニッケル原子、鉄原子、カドミウム原子、銀原子、鉛原子、アンチモン原子、錫原子およびビスマス原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子(M)を1分子当たりの平均でそれぞれ0.1〜100個有する数平均分子量500〜1,000,000の油溶性重合体(A)を含有する潤滑剤用添加剤。
  2. (A)が、1分子当たりの平均で0.1〜100個のモリブデン原子および/または亜鉛原子を有する油溶性重合体(A1)である請求項1記載の潤滑剤用添加剤。
  3. 油溶性重合体が、(M)のカチオンを対イオンとして有する油溶性イオン性重合体(Ai)又は(M)を錯体金属原子として有する油溶性錯体重合体(Ac)である請求項1または2記載の潤滑剤用添加剤。
  4. (Ac)が、一般式(1)で表される油溶性錯体重合体である請求項3記載の潤滑剤用添加剤。
    [式中、Qは油溶性錯体重合体から錯体構造を除いた重合体残基、Q’はQと同一またはアルキル基の炭素数1〜32のジアルキルアミノ基、Xは酸素原子または硫黄原子であり、複数のXは同一でも異なっていてもよく、M1、M2およびM3は錯体金属原子、Lは錯体構造のリガンド部分を示し、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される1種以上であり、pおよびqは0〜100、rは0〜50であって、p、qおよびrのうち少なくとも1つは0ではなく、pおよびqが0のときrは0.05〜50、rが0でpもしくはqの一方が0のとき残りは0.1〜100である。
    式中、Rは炭素数1〜24のアルキル基、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。]
  5. 油溶性錯体重合体が、一般式(1)においてM1およびM3がモリブデン原子であり、M2が亜鉛原子であって、活性水素原子含有重合体(A0)、二硫化炭素、モリブデン化合物(M0)および/または亜鉛化合物(Z0)の反応から得られる油溶性錯体重合体である請求項4記載の潤滑剤用添加剤。
  6. 活性水素原子含有重合体(A0)が、一般式(5)〜(7)のいずれかで示される活性水素原子含有基を有するビニル単量体(m1)と他のビニル単量体(m2)からなるビニル重合体であって、(m2)として(メタ)アクリル酸アルキルエステル(m21)および/またはN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド(m22)を含有し、全単量体の重量に基づく(m21)+(m22)の重量割合が60〜99.9重量%であるビニル重合体である請求項5記載の潤滑剤用添加剤。
    [式中、Rは炭素数1〜24のアルキル基、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。]
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の潤滑剤用添加剤並びに他の添加剤および/または希釈剤を含有する潤滑剤用添加剤組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれか記載の潤滑剤用添加剤または請求項8記載の潤滑剤用添加剤組成物、並びに基油を含有する潤滑油組成物であって、潤滑油組成物の重量に基づいて0.01〜30重量%の(A)を含有する潤滑油組成物。
  9. 請求項1〜6のいずれか記載の潤滑剤用添加剤または請求項7記載の潤滑剤用添加剤組成物、並びに基油および増稠剤からなる基グリースを含有してなるグリース組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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