JP2006131690A - 樹脂組成物の流動性を向上させる樹脂改質材およびその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回路基板の製造等に好適に用いることができ、特に、誘電特性を大きく損なうことなく優れた樹脂流動性を付与することが可能な樹脂改質材とその代表的な利用技術を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる樹脂改質材は、(A)アミン成分、(B)エポキシ樹脂成分、(C)イミダゾール成分を少なくとも含有しており、これら各成分の混合比を、上記(A)成分および(B)成分の合計質量に対する上記(C)成分の質量で表される質量比とすれば、当該質量比は0.001以上0.1以下となっている。当該樹脂改質材を、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する(D)樹脂成分に添加することで、当該樹脂組成物の諸特性を生かしつつ、硬化前の溶融粘度を低下させることが可能となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物の硬化前の溶融粘度を低下させることを可能とする樹脂改質材およびその利用に関するものであり、特に、アミン成分、エポキシ樹脂成分、イミダゾール成分を必須成分として含んでなり、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の回路基板の製造等に好適に用いることができる樹脂改質材と、それを用いてなる樹脂組成物、積層体、回路基板等といった代表的な利用とに関するものである。
電子機器における情報処理能力の向上を図るために、近年、電子機器に用いられる配線基板上の回路を伝達する電気信号の高周波化が進められている。そのため、電気信号が高周波化された場合にも、配線(回路)基板の電気的信頼性を保ち、回路での電気信号の伝達速度の低下や電気信号の損失を抑制することが望まれる。
ところで、上記回路基板上には、通常、当該配線基板や回路を保護するための保護膜や、多層構造の配線基板における各層間の絶縁性を確保するための層間絶縁膜等の絶縁層が形成される。上記保護膜や層間絶縁膜等の絶縁層は、配線基板上に設けられるため、絶縁性に加えて、配線基板に接着するための接着性も求められている。
特に、フレキシブルプリント配線板(FPC)やビルドアップ回路基板等を積層して、多層構造の配線基板を製造する場合には、上記層間絶縁膜によって基板同士が接着されて固定されると同時に、層間絶縁膜の材料が回路配線の線間を埋めて配線が固定される。そのため、層間絶縁膜には、基板等に対する優れた接着力とともに回路配線の線間を埋められる程度の流動性が求められることになる。したがって、上記保護膜や層間絶縁膜等の絶縁層は、接着性、樹脂流動性を有する接着材料を用いて形成される。それゆえ、上記接着材料を用いて絶縁層を形成する場合、当該接着材料(絶縁層)は、接着性に加えて、樹脂流動性が優れたものになっていることが望ましい。
ここで、従来、配線基板に用いられる上記接着材料としては、一般的には、エポキシ系接着材料や熱可塑性ポリイミド系接着材料が用いられている。
上記エポキシ系接着材料は、被着体同士の低温・低圧条件下での貼り合わせや回路配線の線間埋め込みが可能である等の加工性に優れ、被着体との接着性にも優れている。特にエポキシ樹脂は、硬化剤とともに使用することにより、3次元網目構造を形成し得るため、様々な分野において、樹脂の機械的特性の向上、耐熱性の向上、耐薬品性の向上、接着性の向上等を目的として用いられている。また、エポキシ樹脂は、一般に200℃以下で低い溶融粘度を有しているため、様々な樹脂にエポキシ樹脂を混合することにより、樹脂の粘度を低下させて、貼り合わせ等の加工性を向上させる、充填剤などを大量に混合できるようにする等の樹脂の反応性希釈剤としての使用方法も知られている。
一方、上記熱可塑性ポリイミド系接着材料は、該ポリイミド樹脂のガラス転移温度以下における熱膨張が小さく、熱分解温度が高い等の耐熱性に優れている。さらに、エポキシ系接着材料およびポリイミド系接着材料の双方の優れた点を兼ね備えさせることを試みた技術も提案されている。具体的には、例えば、特許文献1には、ポリイミド樹脂とエポキシ化合物と、当該エポキシ化合物と反応可能な活性水素基を有する化合物とを混合してなるフィルム接着剤を用いる技術が開示されている。この技術で得られるフィルム接着剤は、低温短時間での被着体同士の接着を可能とするとともに、高温時の耐熱信頼性が得られることが可能とされている。
また、特許文献2には、芳香族エステル酸二無水物と芳香族ジアミンとからなるポリイミドと、エポキシ樹脂とからなる樹脂組成物が開示されている。この技術では、低吸水率で半田耐熱性に優れ、かつ耐熱性、接着性ともに優れ、250℃以下の低温で接着可能な樹脂組成物を得ることができる。そのため、従来の耐熱接着剤と異なり、接着に高温を要せず、ポリイミドフィルムに対しても高い接着力を示し、高温まで高い接着力を保持することが可能で、さらに半田耐熱性も有する接着剤を提供することが可能となる。
特開平8−27430号公報(公開日:平成8年(1996)1月30日) 特開2000−109645号公報(公開日:平成12年(2000)4月18日)
しかしながら、上記従来の接着材料では、特に電気信号の高周波化に対応した配線基板を製造する目的で用いるためには、樹脂流動性が不十分であるという問題を生じている。
具体的には、まず、一般的な上記エポキシ系接着材料では、十分な樹脂流動性を発揮できるものの、硬化後の硬化樹脂(エポキシ系樹脂)におけるGHz帯域の誘電率が4以上であり、誘電正接が0.02以上である。したがって、良好な誘電特性が得られない。
これに対して、上記熱可塑性ポリイミド系接着材料は、硬化後の硬化樹脂(熱可塑性ポリイミド系樹脂)におけるGHz帯域の誘電率が3.5以下であり、誘電正接が0.02以下であるため、誘電特性には優れている。ところが、熱可塑性ポリイミド系接着材料の樹脂流動性については不十分であることに加え、熱可塑性ポリイミド系接着材料を用いて被着体同士を接着させるためには、高温・高圧条件下にて被着体同士を貼り合せる必要があるため、加工性が十分ではない。
また、特許文献1に開示されているフィルム接着剤は、ポリイミド樹脂とエポキシ化合物とを混合したものであり、ポリイミド樹脂単独の場合に比べて低温での貼り合わせ加工が可能で、ポリイミド樹脂を使用することで高温時の耐熱信頼性がエポキシ系材料に比べて優れている。
しかしながら、低温加工性は向上しているが加工温度は200℃以上であり、200℃未満で加工性が要求されるビルドアップ配線板への適用は困難である。また、特許文献1には、ビルドアップ配線板で重要な性能である、配線回路の線間の埋め込み性(すなわち樹脂流動性)については何ら記載されていない。したがって、特許文献1に開示されているフィルム接着剤も十分な樹脂流動性を実現するには至っていない。
一方、特許文献2に開示されている樹脂組成物は、比較的低温で接着でき、耐熱性、ポリイミドに対する接着性、半田耐熱性に優れたものとなっている。したがって、例えば、フレキシブル印刷回路基板、TAB用テープ、複合リードフレーム、積層材料等に好適に用いられ得る特性を有している。
しかしながら、近年の電子機器に対しては、より一層の品質向上が要求されているため、電子機器に用いられる配線基板に対して要求される諸特性もより厳しいものとなっている。そのため、特許文献2に開示されている樹脂組成物は、最終製品である電子機器の種類によっては十分優れた接着材料として用いることができる場合も多いが、技術やニーズの進展に伴って十分に対応しきれない場合もあり得る。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の回路基板の製造等に好適に用いることができ、特に、熱可塑性樹脂の物性を生かしたまま、樹脂流動性を低下させることが可能な樹脂改質材とその代表的な利用技術を提供することにある。
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、エポキシ樹脂およびアミンの硬化系に対して、さらにイミダゾール成分を含有させると、熱可塑性樹脂の諸物性をほとんど損なうことなく、特異的に樹脂の溶融粘度を大きく低下させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明にかかる樹脂改質材は、上記の課題を解決するために、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物に添加した場合、当該樹脂組成物の硬化前の溶融粘度を低下させることを可能とする樹脂改質材であって、少なくとも1種類のアミンからなる(A)アミン成分と、少なくとも1種のエポキシ樹脂からなる(B)エポキシ樹脂成分と、少なくとも1種類のイミダゾールからなる(C)イミダゾール成分とを少なくとも含有しており、上記(A)〜(C)成分の混合比を、上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(C)イミダゾール成分の質量で表される質量比とした場合、当該質量比は0.001以上0.1以下であることを特徴としている。
上記樹脂改質材においては、上記(A)・(B)成分の混合比を、上記(B)エポキシ樹脂成分に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数に対する上記(A)アミン成分に含まれる活性水素のモル数で表されるモル比とした場合、当該モル比は0.4以上2.0以下であることが好ましい。
上記樹脂改質材においては、上記(B)エポキシ樹脂成分には、融点が60℃以上260℃以下の結晶性エポキシ樹脂が含有されていることが好ましく、上記(A)アミン成分には、分子量300以上の芳香族ジアミンが含有されていることが好ましい。
また、本発明にかかる樹脂組成物は、上記の課題を解決するために、少なくとも1種類のアミンからなる(A)アミン成分と、少なくとも1種のエポキシ樹脂からなる(B)エポキシ樹脂成分と、少なくとも1種類のイミダゾールからなる(C)イミダゾール成分と、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなる(D)樹脂成分とを含有しており、上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(C)イミダゾール成分の質量で表される質量比は、0.001以上0.1以下であることを特徴としている。
上記樹脂組成物においては、上記(D)樹脂成分には、脂環式オレフィン重合体、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂が含有されていればよい。また、上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(D)樹脂成分の質量で表される質量比は、0.4以上2.0以下であることが好ましい。さらに、溶融粘度が100ポイズ以上80000ポイズ以下であることが好ましい。
本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物の利用は特に限定されるものではないが、例えば、上記樹脂改質材を含有する樹脂組成物、あるいは、上記樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を少なくとも1層含んでなる積層体や回路基板を挙げることができる。上記積層体には、金属層を少なくとも1層含んでいると回路基板の製造に好適に利用することができる。
本発明にかかる樹脂改質材は、以上のように、(A)アミン成分と(B)エポキシ樹脂成分と(C)イミダゾール成分とを必須成分とし、(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分に対して、(C)イミダール成分の混合比を所定の範囲内としてなるものである。当該樹脂改質材を、脂環式オレフィン重合体、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する樹脂組成物に添加すると、当該樹脂組成物の諸特性をほとんど損なうことなく、樹脂組成物の溶融粘度を低下させることが可能となる。
その結果、本発明では、樹脂組成物における回路を埋め込むために必要な樹脂流動性を特異的に向上させることができるため、従来の樹脂組成物と比較して、優れた諸特性をバランスよく実現することができるという効果を奏する。特に、本発明では、(D)樹脂成分としてポリイミド樹脂を用いた場合、得られる樹脂組成物において、耐熱性や誘電特性を維持したまま、樹脂流動性を低下させることが可能となる。それゆえ、加工時の配線回路における線間の埋め込み性(樹脂流動性)、GHz帯域での低誘電率や低誘電正接が要求されるフレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板や、積層体の製造に好適に用いることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態では、本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物の概要、当該樹脂改質材および樹脂組成物に含有される成分、並びに、当該樹脂改質材および樹脂組成物の利用の順で、本発明を詳細に説明する。
(I)本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物
<樹脂改質材>
本発明にかかる樹脂改質材は、(A)アミン成分、(B)エポキシ樹脂成分、(C)イミダゾール成分の3成分を少なくとも含有している。上記(A)〜(C)の各成分(必須成分)は、各成分に分類される少なくとも1種の化合物が含有されていてもよい。なお、より具体的な化合物の種類については後述する。これら各成分の中でも、本発明では、(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分に対して、(C)イミダゾール成分の混合比を所定の範囲内としてなるものである。
本発明にかかる樹脂改質材は、上記構成を有しているため、後述するように(D)樹脂成分に混合して樹脂組成物、並びに当該樹脂組成物を硬化させた後の硬化樹脂において、当該樹脂組成物の有する諸特性をほとんど損なうことなく、樹脂流動性を向上させることができる。特に、硬化前の樹脂組成物において溶融粘度を低下させることができる。より具体的には、硬化前、すなわち半硬化状態の樹脂組成物において、180℃以下の温度でも十分な樹脂流動性を与えることができる。
上記(A)〜(C)の各成分の混合比は、質量比(または重量比)で規定される。樹脂改質材に混合される上記(A)〜(C)の各成分の質量(重量)を、それぞれMA ,MB ,MC で表すと、本発明にかかる樹脂改質材においては、上記(A)アミン成分と(B)エポキシ樹脂成分との合計質量に対する上記(C)イミダゾール成分の質量の比(質量混合比)RC =MC /(MA +MB )が所定の範囲内であることが好ましい。具体的には、上記質量比RC の下限値は0.001以上であればよく、0.005以上であることが好ましい。一方、当該質量比RC の上限値は0.1以下であればよく、0.05以下であることが好ましい。したがって、上記質量比RC の好ましい範囲は0.001以上0.1以下の範囲内となる(0.001≦RC ≦0.1)。
上記質量比RC が0.001未満(RC <0.001)となる、すなわち、上記樹脂改質材に含まれる(C)イミダゾールの含有量(MC )が(A)アミン成分と(B)エポキシ樹脂成分との含有量(MA +MB )に比べて相対的に小さくなると、当該樹脂改質材を含む樹脂組成物において樹脂流動性を十分なものにできなくなり、その結果、回路埋め込み性の向上効果が十分に得られなくなる。また、当該樹脂改質材を含む樹脂組成物を加熱して硬化させた硬化樹脂においては、耐熱性を十分なものとすることができなくなる。
一方、上記質量比RC が0.1を超える(0.1<RC )、すなわち、(C)イミダゾールの含有量(MC )が(A)アミン成分と(B)エポキシ樹脂成分との含有量(MA +MB )に比べて相対的に大きくなると、樹脂流動性は向上するが、室温で硬化反応が進行し易くなる。そのため、当該樹脂改質材を含む樹脂組成物の保存安定性や取扱性を大きく損なうことになる。また、イミダゾール類は、極性の高い化合物であるため硬化後の硬化樹脂において誘電特性を十分なものにできなくなる。
本発明にかかる樹脂改質材においては、さらに、上記(A)・(B)の各成分の混合比を規定することがより好ましい。これら2成分の混合比はモル比で規定される。上記(B)エポキシ樹脂成分に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数をNB で表し、上記(A)アミン成分に含まれる活性水素のモル数をNA で表すと、これら2成分のモル混合比RA =NA /NB は所定の範囲内となっていることが好ましい。具体的には、上記モル混合比RA の下限値は0.4以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。一方、当該モル混合比RA の上限値は、2.0以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましい。したがって、上記モル混合比の好ましい範囲は0.4以上2.0以下の範囲内となる(0.4≦RN ≦2.0)。
上記モル混合比が0.4未満(RA <0.4)あるいは2.0を超える(2.0<RA )と、硬化後の硬化樹脂の誘電特性に悪影響を与えることになる。また、硬化前の樹脂組成物においても、ガラス転移温度や熱膨張係数、高温時における弾性率が低下し、耐熱性も損なわれる。
なお、上記エポキシ基および活性水素のそれぞれのモル数は、エポキシ価およびジアミンの分子量から算出すればよい。また、本発明における活性水素とは、アミノ基の窒素原子に直接結合した水素原子を指し、一般的には、1つのアミノ基に対し2つの活性水素がある。
<樹脂組成物>
本発明にかかる樹脂組成物は上記樹脂改質材を含有するものであればよい。より具体的には、上記(A)〜(C)の各成分を必須成分とし、かつこれら各成分の混合比を所定の範囲内とする樹脂改質材を(D)樹脂成分に含有させたものである。
上記(D)樹脂成分は、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んでいればよく、具体的な樹脂の種類は特に限定されるものではないが、後述するように、回路基板の製造に本発明を利用する場合には、脂環式オレフィン重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。なお、より具体的な熱可塑性樹脂の種類については後述する。これら樹脂を用いることで、得られる樹脂組成物および硬化後の硬化樹脂において、誘電特性や耐熱性をより優れたものとすることができる。
本発明にかかる樹脂組成物において、各成分の混合比は特に限定されるものではなく、樹脂改質材を構成する上記(A)〜(C)の各成分の混合比が質量比で所定の範囲内にはいっておればよいが、特に、(C)イミダゾール成分以外の成分((A)・(B)・(D)の各成分)の混合比を質量比(または重量比)で規定することがより好ましい。
本発明にかかる樹脂組成物に混合される上記(A)・(B)・(D)の各成分の質量(重量)をMA ,MB ,MD で表すと、上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(D)樹脂成分の質量の比RD =MD /(MA +MB )が所定の範囲内であることが好ましい。具体的には、上記質量比RD の下限値は0.4以上であればよく、0.5以上であることが好ましい。一方、当該質量比RD の上限値は2.0以下であればよく、1.5以下であることが好ましい。したがって、上記質量比RD の好ましい範囲は0.4以上2.0以下の範囲内となる(0.4≦RD ≦2.0)。
上記質量比RD が0.4未満(RD <0.4)となる、すなわち、上記樹脂組成物に含まれる(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の含有量(MA +MB )が、(D)樹脂成分の含有量(MD )に比べて相対的に大きくなると、耐熱性および樹脂流動性は向上するが誘電特性を十分なものにできなくなる。すなわち、上記質量比RD が0.4未満であれば、硬化前の樹脂組成物(例えば樹脂シート)の流動性が高くなり、溶融粘度の最低値が低下し回路埋め込み性は向上し硬化後の硬化樹脂の高温時における弾性率や線膨張係数等で表される耐熱性は高くなる。ところが、硬化後の樹脂シートでは、GHz(ギガヘルツ)帯域において、低い誘電率及び低い誘電正接(優れた誘電特性)を実現することが困難となる。
これに対して、上記質量比RD が2.0を超える(2.0<RD )、すなわち、上記樹脂組成物に含まれる(D)樹脂成分の含有量(MD )が、(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の含有量(MA +MB )に比べて相対的に大きくなると、誘電特性を優れたものとできるが、接着性、加工性・取扱性、および樹脂流動性等が低下する。すなわち、上記質量比RD が2.0を超えると、硬化後の硬化樹脂では、GHz帯域にて優れた誘電特性を得ることができる。ところが、硬化前の樹脂組成物では、当該樹脂組成物と導体や回路基板との接着性や、当該樹脂組成物と導体や回路基板との貼り合わせ時の加工性が損なわれ、特に、樹脂流動性の低下により回路埋め込み性が大きく損なわれることになる。
<樹脂組成物の特性>
本発明にかかる樹脂組成物では、特定条件下の溶融粘度の最低値(最低溶融粘度)を規定することで、当該樹脂組成物の諸特性を生かしつつ、樹脂流動性をより好ましいものとすることが可能となる。具体的には、本発明にかかる樹脂組成物においては、半硬化状態であり、かつ、温度が60℃以上200℃以下の範囲内である条件において、最低溶融粘度が、100ポイズ以上80000ポイズ以下の範囲内であることが好ましい。
上記条件における最低溶融粘度が80000ポイズを超えると、樹脂流動性が不十分となり回路埋め込み性が低下する。一方、100ポイズ未満であると、加工時に樹脂組成物が基板の外側へ大量にはみだし基板上に残る樹脂量が減少する。その結果、回路を埋め込むことができなくなる。
また、本発明にかかる樹脂組成物では、後述する(D)樹脂成分としてポリイミド樹脂を用いることで、上記樹脂流動性に加えて誘電特性も優れたものとすることができる。なお、本発明では、GHz(ギガヘルツ)帯域における低い誘電率および低い誘電正接を優れた誘電特性と称するものとする。より具体的には、本発明にかかる樹脂組成物を硬化させることで得られる硬化樹脂において、周波数1〜10GHzにて、誘電率が3.3以下であり、また誘電正接が0.020以下となると優れた誘電特性を実現したことになる。
GHz帯域における誘電率および誘電正接が上記の範囲内であれば、従来の樹脂組成物(ポリイミド樹脂およびエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物)よりも誘電率および誘電正接が遥かに低くなっている。そのため、本発明にかかる樹脂組成物を、回路基板の保護材料や層間絶縁材料等の用途に用いた場合、回路基板の電気的絶縁性を確保し、回路基板上における回路の信号伝達速度の低下や信号の損失を抑制することができる。その結果、信頼性の高い回路基板を提供することが可能になる。
このように本発明では、(A)アミン成分、(B)エポキシ樹脂成分、(C)イミダゾール成分を必須成分とする樹脂改質材において、少なくとも(A)〜(C)成分の混合比(配合比)を質量比で規定し、好ましくは(B)・(C)成分の混合比をモル比で規定する。また、本発明にかかる樹脂改質材を(D)樹脂成分に含有させた樹脂組成物においては、(D)成分の混合比を質量比で規定することが好ましい。
これにより、熱可塑性樹脂の物性を生かしたまま、樹脂流動性を低下させることが可能となる。具体的には、例えば、(D)樹脂成分としてポリイミド樹脂を用いた場合には、(1)樹脂組成物と被着体(導体や回路基板等)との接着性、(2)樹脂組成物と被着体との貼り合わせ時に低温での接着を可能とする等の加工性や取扱性、(3)ガラス転移温度が高い、熱膨張係数が小さい、熱分解温度が高いといった耐熱性、(4)硬化樹脂の誘電特性等を損なうことなく、(5)回路を埋め込むため等に必要な樹脂流動性も優れたものにできる。加えて、プレッシャークッカーによる耐湿性テスト耐性(PCT耐性)、半田耐熱性、絶縁性等の諸特性についても優れたものとすることができ、かつ、これら諸特性のバランスを良好なものとすることができる。
そのため、本発明は、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の回路基板の製造等に好適に用いることができるとともに、本発明にかかる樹脂組成物を用いて得られる回路基板に対しても、良好な諸特性を付与することができる。
(II)本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物の各成分
次に、本発明にかかる樹脂改質材の必須成分である上記(A)〜(C)の各成分、本発明にかかる樹脂組成物に含有される(D)樹脂成分、さらにはこれら必須成分以外に含有されるその他の成分についてより具体的に説明する。
<(A)アミン成分>
本発明で用いられる(A)アミン成分は少なくとも1種のアミン類を含んでいればよい。本発明にかかる樹脂改質材は、この(A)アミン成分を含有することにより、当該樹脂改質材を含む樹脂組成物に良好な樹脂流動性を付与することができるとともに、硬化後の硬化樹脂に対して良好な耐熱性を付与することができる。また、本発明にかかる樹脂組成物を硬化させる場合、(A)アミン成分を含有させることにより後述する(B)エポキシ樹脂成分を効率よく硬化させることも可能になる。
本発明で用いられる(A)アミン成分は、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、アニリン、ベンジルアミン、アミノヘキサン等のモノアミン類;1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等の芳香族ジアミン類;ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン等のポリアミン類;等が挙げられる。
また、上記(A)アミン成分としては、これらアミン類の中でも、芳香族ジアミンを用いることが好ましく、分子量が300以上の芳香族ジアミンを含有していることが好ましく、分子量が300以上600以下の範囲内の芳香族ジアミンを含有していることがより好ましい。これにより、硬化後の硬化樹脂に対して良好な耐熱性や誘電特性を与えることができる。
上記芳香族ジアミンの分子量が300未満であると、硬化後の硬化樹脂において、構造中に含まれる極性基が多くなるため誘電特性が不十分となる、または損なわれる場合がある。すなわち、樹脂組成物の組成によっては、硬化後の硬化樹脂の誘電率や誘電正接が高くなってしまうことがある。一方、分子量が600を超えると、硬化樹脂中の架橋密度が低下するので、耐熱性が損なわれてしまう場合がある。
上記芳香族ジアミンとしては特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]アルカン類;2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]フルオロアルカン類;4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等のビス(アミノフェノキシ)ベンゼン系化合物類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン等のビス(アミノフェノキシ)ケトン系化合物類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド系化合物類;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン系化合物;ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等のビス[(アミノフェノキシ)フェニル]エーテル系化合物類;1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン等のビス[(アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン系化合物類;4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル等のビス[(アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル系化合物類;4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物類;4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン等の(フェノキシ)フェニルスルホン系化合物類;1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等のビス[(アミノフェノキシ)ジメチルベンゼン]ベンゼン系化合物;等を挙げることができる。これらジアミンは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、特に、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテルをより好ましく用いることができる。
これら化合物は、溶媒に溶解しやすい等の取扱性、入手の容易さ等から好ましいだけでなく、これら化合物を(A)アミン成分として含有させることにより、硬化後の硬化樹脂において、耐熱性(ガラス転移温度が高い等)、誘電特性等の諸特性を優れたものにすることができる。
<(B)エポキシ樹脂成分>
本発明で用いられる(B)エポキシ樹脂成分は少なくとも1種のエポキシ樹脂を含んでいればよい。本発明にかかる樹脂組成物は、この(B)エポキシ樹脂成分を含有することにより、当該樹脂組成物に良好な樹脂流動性を付与することができるとともに、硬化後の硬化樹脂に対して良好な耐熱性や絶縁性を付与することができる。また、(B)エポキシ樹脂成分の含有により、金属箔等の導体や回路基板に対する良好な接着性を付与することができる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリシロキサン等のエポキシ樹脂類;これらのハロゲン化エポキシ樹脂;融点を有する結晶性エポキシ樹脂;等を挙げることができる。これらエポキシ樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これらエポキシ樹脂の中でも、分子鎖中に少なくとも1つの芳香環および/または脂肪族環を有するエポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するナフタレン型エポキシ樹脂、融点を有する結晶性エポキシ樹脂がより好ましく用いられる。これらエポキシ樹脂は、入手しやすい上に、他の成分(上記(A)・(C)および(D)成分)に対する相溶性に優れている。また、得られる樹脂組成物に対して良好な樹脂流動性を付与することができるとともに、硬化後の硬化樹脂に対して優れた耐熱性や絶縁性を付与することができる。
上述した各エポキシ樹脂中でも、次に示す式の群(1)
Figure 2006131690
(ただし、式中、q,r,sはそれぞれ独立して任意の整数を表す)
で表されるエポキシ樹脂、または結晶性エポキシ樹脂をより一層好ましく用いることができる。これらエポキシ樹脂を用いれば、得られる樹脂組成物および硬化樹脂に対して、誘電特性、耐熱性、回路埋め込み性等の諸特性を付与することができる上に、これら諸特性のバランスを良好なものとすることができる。
さらに、上記(B)エポキシ樹脂成分としては、結晶性エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。結晶性エポキシ樹脂を用いれば、熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度が特異的に低くなるため、回路埋め込み性を大幅に改善することができる(すなわち樹脂流動性を向上することができる)。
上記結晶性エポキシ樹脂は、融点を有しており結晶構造を含む組織となるエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、商品名:YX4000H(ジャパンエポキシレジン株式会社製、ビフェニル型エポキシ樹脂)、商品名:EXA7335、EXA7336、EXA7337(大日本インキ工業株式会社製、結晶性を有するキサンテン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂類)等が好ましく用いられる。
ここで、結晶性エポキシ樹脂の融点の下限は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また融点の上限は、220℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。それゆえ、上記結晶性エポキシ樹脂の融点は60℃以上220℃以下の範囲内にあることが好ましい。融点が60℃未満であると、得られる樹脂組成物をシート状に成型した場合に、成型時に相分離が生じやすくなる。そのため、(B)エポキシ樹脂成分がシート表面に析出したり、シートに粘着性が生じたりする。一方、融点が220℃を超えると、得られる樹脂組成物を回路基板等に貼り合わせ加工する温度が高くなってしまう。
なお、(B)エポキシ樹脂成分として用いるエポキシ樹脂は、上述した何れのエポキシ樹脂であっても、高純度のエポキシ樹脂であることが好ましい。これにより得られる樹脂組成物および硬化樹脂において、信頼性の高い電気絶縁性を実現することができる。本発明において上記高純度の基準は、エポキシ樹脂中に含まれるハロゲンやアルカリ金属の含有濃度とする。
具体的には、エポキシ樹脂中に含まれるハロゲンやアルカリ金属の含有濃度は、120℃、2気圧の条件下で抽出した場合に、25ppm以下であることが好ましく、15ppm以下であることがより好ましい。ハロゲンやアルカリ金属の含有濃度が25ppmよりも高くなると、硬化後の硬化樹脂において、電気絶縁性の信頼性が損なわれてしまう。
また、(B)エポキシ樹脂成分として用いるエポキシ樹脂は、上述した何れのエポキシ樹脂であっても、そのエポキシ価(エポキシ当量ともいう)の下限値が150以上であることが好ましく、170以上であることがより好ましく、190以上であることが最も好ましい。また、上記エポキシ樹脂のエポキシ価の上限値は、700以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましく、300以下であることが最も好ましい。それゆえ、(B)エポキシ樹脂製分として用いるエポキシ樹脂のエポキシ価は150以上700以下の範囲内にあることが好ましい。
上記エポキシ樹脂のエポキシ価が150未満であると、硬化後の硬化樹脂中の極性基が多くなるため、誘電特性が損なわれる。すなわち、硬化樹脂の誘電率や誘電正接が高くなってしまう。一方、エポキシ価が700を超えると、硬化樹脂中の架橋密度が低下するので、耐熱性が損なわれてしまう。
<(C)イミダゾール成分>
本発明で用いられる(C)イミダゾール成分は少なくとも1種のイミダゾールを含んでいればよい。本発明にかかる樹脂組成物は、この(C)イミダゾール成分を含有することにより、(A)アミン成分と(B)エポキシ樹脂成分との硬化反応を促進させることができるとともに、当該樹脂組成物の流動性を大幅に向上させることができる。なお、本発明におけるイミダゾール類とは、イミダゾール類と同様に窒素原子を含有する5員環構造を有するイミダゾリン類も含んでいる。
また、理由は不明であるが、本発明者らが鋭意検討した結果、上述した(A)、(B)および(D)の各成分に対して、さらに(C)イミダゾール成分を配合すると、得られる樹脂組成物において、その溶融粘度の最低値をさらに低下させ、回路埋め込み性を大幅に向上させる(すなわち樹脂流動性をより向上させる)ことができるという新規な知見が見出された。
例えば、回路基板等に利用される樹脂組成物としては、ポリイミド系のものが知られているが、ガラス転移温度(Tg)の高い熱可塑性ポリイミド(Tgが200℃以上)では、180℃以下の温度では加工できないと考えられていた。これに対して、本発明では、このようなTgの高い熱可塑性ポリイミドを含有していても、硬化前の樹脂粘度を低下させ、樹脂流動性を向上させることが可能となり、180℃以下の温度でも加工することができる。それゆえ、本発明では、硬化前の樹脂組成物、および、硬化後の硬化樹脂に対して、優れた誘電特性、流動性、耐熱性、接着性、加工性等の諸特性をバランスよく付与することができる。
本発明にかかる樹脂改質材は、(A)エポキシ樹脂成分および(B)アミン成分に対してイミダゾール成分を含有するものである。言い換えれば、本発明においては、エポキシ樹脂のアミン硬化系において、さらにイミダゾールを添加したものであるが、このような樹脂改質材や樹脂組成物はこれまで知られていなかった。本発明者らは、(A)〜(C)成分を必須成分とする樹脂改質材を用いることにより、特異的に樹脂の溶融粘度を大きく低下させ得ることに初めて成功したものである。
上記(C)イミダゾール成分として用いられるイミダゾールは特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類;等を挙げることができる。これらイミダゾールは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これら化合物の中でも、回路埋め込み性、入手性、溶媒溶解性等に優れる点から、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンがより好ましく用いられる。
<(D)樹脂成分>
本発明で用いられる(D)樹脂成分は、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含んでいればよい。本発明にかかる樹脂組成物は、この(D)樹脂成分を含有することにより、樹脂組成物及び硬化後の硬化樹脂に対して良好な誘電特性、耐熱性、絶縁特性を付与することができる。
上記(D)樹脂成分として用いられる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の非環状ポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリビニリデンフルオライド樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂等のテフロン(登録商標)樹脂;ポリフェニレンサルファイ樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のポリイミド樹脂類;ナイロン66、ナイロン12等の脂肪族ポリアミド;ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、ポリ−p−フェニレンイソフタルアミド等の芳香族ポリアミド;ノルボルネン系重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体等の脂環式オレフィン重合体等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、取扱性、耐熱性、絶縁性、誘電特性に優れる点で、ノルボルネン系重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体等の脂環式オレフィン重合体;ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、ポリ−p−フェニレンイソフタルアミド等の芳香族ポリアミド;ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のポリイミド樹脂類が特に好ましい。
<(E)その他の成分>
本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物は、必要に応じて、上記(A)〜(C)および(D)成分の各成分以外の(E)その他の成分が含まれていてもよい。(E)その他の成分としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、(E−1)(B)エポキシ樹脂成分の硬化剤((A)アミン成分以外)、(E−2)(B)エポキシ樹脂成分と硬化剤との反応を促進するための硬化促進剤((C)イミダゾール成分以外)、(E−3)熱硬化成分、(E−4)フィラー成分等を挙げることができる。
<(E−1)硬化剤>
上記(E−1)硬化剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、フェノールノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂;ドデシル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族酸無水物;ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の脂環式酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等の芳香族酸無水物;アミノ樹脂類、ユリア樹脂類、メラミン樹脂類等のその他の樹脂類;ジシアンジアミド;ジヒドラジン化合物類;ルイス酸およびブレンステッド酸塩類;ポリメルカプタン化合物類;イソシアネートおよびブロックイソシアネート化合物類;等を挙げることができる。これら硬化剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これら硬化剤の使用量(混合比)については特に限定されるものではなく、(B)エポキシ樹脂成分を硬化させることができる量であり、かつ、硬化樹脂の誘電特性を損なわない範囲であればよいが、一般的には、(B)エポキシ樹脂成分全量を100重量部としたときに、1〜100重量部の範囲内で用いることが好ましい。
<(E−2)硬化促進剤>
上記(E−2)硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等を挙げることができる。これら硬化促進剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
これら硬化促進剤の使用量(混合比)については特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂成分と硬化剤との反応を促進できる量であり、かつ、硬化樹脂の誘電特性を損なわない範囲であればよいが、一般的には、(B)エポキシ樹脂成分全量を100重量部としたときに、0.001〜5重量部の範囲内で用いることが好ましい。
<(E−3)熱硬化成分>
上記(E−3)熱硬化成分としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖または末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子;等を用いることができる。これら熱硬化成分は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。これら熱硬化成分を添加することにより、得られる樹脂組成物や硬化後の硬化樹脂において、接着性や耐熱性、加工性等の諸特性を改善することができる。
なお、上記熱硬化成分の使用量(混合比)については特に限定されるものではなく、諸特性の改善効果を発揮できる量であり、かつ、硬化樹脂の誘電特性を損なわない範囲であればよい。
<(E−4)フィラー成分>
硬化樹脂の特性の改善、特に熱膨張係数を更に低下させるために、フィラー(充填材)成分を含有させる事が好ましい。フィラー成分として用いられるフィラーは、特に限定されないが、具体的には、酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ等の無機フィラー、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの有機フィラー等が挙げられる。
特に、高濃度に充填できることにより硬化樹脂の熱膨張係数を低下させることができ、またBステージ状態から硬化する過程で溶融しても溶融した樹脂組成物の流動性を妨げることがなく、溶融粘度の上昇を回避することができる事などの点で球状シリカを用いることが特に好ましい。
(III)本発明にかかる樹脂改質材の利用
本発明にかかる樹脂改質材は、様々な用途に好適に用いることができるが、中でも、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の回路基板の材料として好適に用いることができる。具体的には、当該回路基板や回路基板上のパターン化された回路を保護する保護材料、多層の回路基板にて各層間の絶縁性を確保するための層間絶縁材料等として好適に用いることができる。
<樹脂溶液>
本発明にかかる樹脂改質材を利用する場合の形態は特に限定されるものではないが、例えば、樹脂溶液(ワニス)として用いることができる。樹脂溶液の調製方法は特に限定されるものではなく、本発明にかかる樹脂改質材を適当な溶媒に添加して攪拌すればよい。また、上述した(A)〜(C)および(D)の各成分をそれぞれ適当な溶媒に溶解し、成分別の溶液を調製し、これらを混合してもよい。このときの成分別の溶液は、(A)〜(E)の各成分のみをそれぞれ含有するものであってもよいし、2種類以上の成分を含有するものであってもよい。また、同じ成分であっても複数種類の化合物を用いる場合には、それぞれについて溶液を調製してもよい。例えば、(D)樹脂成分として2種類の熱可塑性樹脂を用いる場合には、それぞれの熱可塑性樹脂を溶液として調製してから混合してもよい。
上記樹脂溶液に用いることができる溶媒としては、上記(A)〜(D)の各成分を溶解または分散し得る溶媒であれば特に限定されるものではないが、沸点が150℃以下の溶媒であることが好ましい。具体的には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、トリグライム、ジエチレングリコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等の鎖状エーテル等のエーテル類;等が好ましく用いられる。また、これらエーテル類に、トルエン、キシレン類、グリコール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、環状シロキサン、鎖状シロキサン等を混合した混合溶媒も好ましく用いることができる。これら溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
<樹脂シート>
また、本発明にかかる樹脂組成物は、あらかじめシート状に成形加工することにより樹脂シートとして用いることができる。樹脂シートの構成は特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、本発明にかかる樹脂組成物のみからなる単層シート、フィルム基材の片面あるいは両面に上記樹脂組成物からなる樹脂層を設けてなる2層シートまたは3層シート、フィルム基材と樹脂組成物からなる樹脂層を交互に積層した多層シート等の積層体を挙げることができる。したがって、本発明には、樹脂組成物だけでなく、当該樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を少なくとも1層含んでなる積層体も含まれる。
上記樹脂シートの成形方法は特に限定されるものではないが、通常は、上記樹脂溶液をフィルム基材(支持体)表面に流延または塗布し、その後樹脂溶液を乾燥させることによって、フィルム状に成形すればよい。この樹脂シートにおいては、樹脂改質材を含む樹脂組成物が半硬化状態(Bステージ状態)にある。したがって、半硬化状態の樹脂シートを上記支持体から剥離すれば、上記単層シートを得ることができる。また、樹脂シートを剥離しなければ、フィルム基材および樹脂組成物の樹脂層からなる2層シートを得ることができる。
さらに、フィルム基材の両面に樹脂溶液を流延または塗布し、その後樹脂溶液を乾燥させれば、フィルム基材およびその両面の樹脂層からなる3層シートを得ることができる。また、上記多層シートは、上記フィルム基材の表面に、上記樹脂溶液を流延または塗布し、その後樹脂溶液を乾燥させる工程を繰り返すことによって製造することができる。
上記支持体として用いられるフィルム基材の種類は特に限定されるものではなく、公知の樹脂フィルムを好適に用いることができる。また、単層シートを製造する場合には、フィルム基材以外の支持体を用いてもよい。このような支持体としては、例えば、ドラムやエンドレスベルトを挙げることができる。
本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物を樹脂シートとして用いる場合は、単層シートとして用いる場合でも、積層体として用いる場合でも、その樹脂層(樹脂組成物からなる層)の厚みは特に限定されるものではない。樹脂層の厚みは使用目的に応じて適切な厚みを設定すればよい。
さらに、本発明にかかる樹脂改質材および樹脂組成物は、上記樹脂溶液(ワニス)を、例えば、ガラス布、ガラスマット、芳香族ポリアミド繊維布、芳香族ポリアミド繊維マット等の各種繊維に含浸させることもできる。繊維に含浸させた樹脂組成物を半硬化させれば、繊維強化型の樹脂シートを得ることができる。
<金属層含有積層体>
また、本発明にかかる積層体は、上記フィルム基材として、樹脂フィルム等ではなく銅やアルミニウム等の金属を用いれば、金属層を含む積層体(金属層含有積層体)を得ることもできる。この金属層含有積層体の構成は特に限定されるものではなく、本発明にかかる樹脂組成物からなる樹脂層と金属層とをそれぞれ1層以上含む積層体であればよい。また、樹脂層は金属層の片面にのみ設けてもよいし両面に設けてもよい。さらに、金属層と樹脂層とを交互に積層させてもよい。
上記金属層含有積層体は、上述したように、樹脂溶液を金属層表面に流延または塗布して、当該樹脂溶液を乾燥することによって製造することもできるが、これに限定されるものではない。例えば、上述した方法で得られる単層シートや2層シートにおける樹脂層の面に金属箔を貼り合わせることによっても製造することができる。また、単層シートや2層シートにおける樹脂層の表面に、化学めっきやスパッタリング等の方法により、金属層を形成することによっても製造することもできる。
<回路基板>
さらに、上記金属層含有積層体において、金属層が回路基板の導体として用いることができる金属から形成されていれば、当該金属層に対してエッチング処理を行うことにより、所望のパターンの回路(パターン回路)を形成することもできる。つまり、本発明にかかる金属層含有積層体の金属層にパターン回路を形成することによって回路基板を得ることもできる。したがって、本発明には、上記樹脂改質材および樹脂組成物を用いて得られる回路基板も含まれる。この場合、樹脂層は絶縁層等として機能する。
上記エッチング処理の方法は特に限定されるものではなく、ドライフィルムレジストや液状のレジスト等を用いた公知の金属エッチング方法を好適に用いることができる。また、支持基板である樹脂層が硬化後も可撓性を有していればフレキシブルプリント配線基板とすることができる。さらに、エッチング処理により形成されたパターン回路を保護するために、上記半硬化状態の樹脂シート(シート状の樹脂組成物)を積層することもできる。また、パターン回路が形成された樹脂層(2層構造の金属層含有積層体)を積層することで、多層構造のビルドアップ回路基板を製造することもできる。
上記樹脂層が半硬化状態である場合には、適度な流動性を有している。そのため、熱プレス処理、ラミネート処理(熱ラミネート処理)、熱ロールラミネート処理等の熱圧着処理を行うことで、本発明にかかる樹脂組成物によりパターン回路の線間を良好に埋め込むことができる。
上記熱圧着処理における処理温度は特に限定されるものではないが、50℃以上200℃以下の範囲内であることが好ましく、60℃以上180℃以下の範囲内であることがより好ましく、80℃以上130℃以下の範囲内であることが好ましい。上記処理温度が200℃を超えると、熱圧着処理時に樹脂層が硬化してしまう可能性がある。一方、上記処理温度が50℃未満であると、樹脂層の流動性が低く、パターン回路を埋め込むことが困難となる。
上記パターン回路上に設けられる樹脂層は、パターン回路を保護する保護材料あるいは、多層の回路基板での層間絶縁材料となる。そのため、パターン回路を埋め込んだ後、露光処理、加熱硬化等を行うことによって完全に硬化させることが好ましい。露光処理や加熱硬化の具体的な方法は特に限定されるものではなく、樹脂層すなわち本発明にかかる樹脂組成物を十分に硬化できる条件で行えばよい。
上記樹脂層を硬化させる場合には、(B)エポキシ樹脂成分の硬化反応を十分に進行させるために、金属層と樹脂層とを貼り合せた後に、ポスト加熱処理を実施することが好ましい。ポスト加熱処理の条件は特に限定されるものではなく、製造する回路基板の種類や樹脂層(樹脂組成物)の種類に応じて、適宜好ましい条件を設定すればよい。例えば、一般的な回路基板を製造する場合には、150〜200℃の範囲内の温度条件下、10分〜3時間の範囲内で加熱処理を行う条件を挙げることができるが、これに限定されるものではない。なお、特に、誘電特性を評価する場合には、一般的には、150〜250℃の範囲内の温度条件下、1〜5時間の範囲内で加熱処理を行って得られる硬化物を用いるが、もちろん硬化条件はこれに限定されるものではない。
このように、本発明にかかる積層体および回路基板は、上述した樹脂組成物を含む樹脂層を備えている。そのため、当該積層体および回路基板の樹脂層は、接着性、加工性・取扱性、耐熱性、樹脂流動性、誘電特性等の諸特性をバランスよく付与することができる。これにより、高品質の積層体や回路基板を好適に製造することが可能になる。特に、積層体および回路基板が回路等を有している場合、各回路の電気的信頼性を確保し、各回路における信号伝達速度の低下や信号の損失を抑制することができる。
本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、本発明にかかる樹脂組成物を樹脂シートとして用いる場合、その流動性、積層性、揮発成分量は以下のように評価または算出した。また、当該樹脂シートを加熱硬化してなる硬化樹脂シート(硬化樹脂)の誘電特性およびガラス転移温度は、以下のように測定し評価した。
〔流動性〕
剪断モードの動的粘弾性測定装置(CVO、Bohling社製)を用い、加熱硬化前の樹脂シートについて、次に示す条件で複素粘度(Pa・S)を測定し、複素粘度より溶融粘度(ポイズ)に換算した。各樹脂シートの溶融粘度の評価は、60℃以上200℃以下の温度範囲内において、最も小さい溶融粘度で行った。
測定周波数:1Hz
昇温速度 :12℃/分
測定試料 :直径3mmの円形状の樹脂シート
〔積層性〕
高さが18μm,回路幅が50μm,回路間距離が50μmにて形成された回路を有するガラスエポキシ基板FR−4(商品番号:MCL−E−67、日立化成工業(株)社製;銅箔の厚さ50μm、全体の厚さ1.2mm)の回路形成面と銅箔(商品番号:BHY22BT、ジャパンエナジー社製)の光沢面とに接するように、樹脂シート(50μmの厚み)を挟み込み、温度180℃、圧力3MPaの条件下で1時間の加熱加圧を行って積層体を得た。得られた積層体の銅箔を塩化鉄(III)−塩酸溶液で化学的に除去した。露出した樹脂シートの表面を、光学顕微鏡(倍率50倍)を用いて目視によって観察し、回路間において泡のかみ込みの有無を確認した。
回路間の泡のかみ込み(回路間に樹脂が入り込んでいない部分)が確認されなかった場合の積層性を合格(○)とし、泡のかみ込み確認がされた場合の積層性を不合格(×)として評価を行った。
〔樹脂シート中の揮発成分量の算出〕
質量分析装置(商品番号:TGA50、島津製作所社製)を用い、樹脂シートを試料容器に入れて、次に示す条件にて重量変化を測定した。100℃〜300℃の範囲内で減少した重量を、重量変化前の樹脂シートの重量に対する割合で算出し、揮発成分量とした。
測定温度範囲:15℃〜350℃
昇温速度 :20℃/分
測定雰囲気 :窒素、流量50mL/分
試料容器 :アルミニウム製
〔誘電特性〕
空洞共振器摂動法複素誘電率評価装置(商品名、関東電子応用開発社製)を用い、次に示す条件にて、硬化樹脂シートの誘電率および誘電正接を測定した。
測定周波数:3GHz、5GHz、10GHz、
測定温度 :22℃〜24℃
測定湿度 :45%〜55%
測定試料 :上記測定温度・測定湿度条件下で、24時間放置した樹脂シート
〔ガラス転移温度〕
DMS−200(商品番号、セイコー電子工業社製)を用い、測定長(測定治具間隔)を20mmとして、次に示す条件下で、ポリイミド樹脂シート、硬化樹脂シートのtanδの測定を行い、当該tanδの最も高いピークをガラス転移温度(℃)とした。
測定雰囲気:乾燥空気雰囲気下、
測定温度 :20℃〜400℃
測定試料 :幅9mm,長さ40mmにスリットした硬化樹脂シート
〔熱膨張係数〕
熱膨張係数は、下記条件でTMA−50(商品名、島津製作所社製)を使用して測定し、測定結果における30℃〜125℃間の平均の熱膨張率を試料の熱膨張率とした。
測定方法:引張モード(試料にかかる荷重が3gとなるように調整)
昇温速度:10℃/分
測定範囲:30℃〜300℃
測定雰囲気:窒素(流量50ml/分)
測定試料:硬化後の樹脂を、硬化時の歪みを緩和させるために250℃で1分間加熱した試料を使用した。
試料形状:幅 5mm×厚み 50μm
測定間距離(チャック間距離):15mm
〔樹脂改質材の調製例1〕
次に示す各成分を表1に示す混合比となるようにジオキソランに溶解し、本発明にかかる樹脂改質材を含む溶液を調製した。
(A)アミン成分:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP、分子量=410g アミン価=102.5g/eq、和歌山精化工業(株)社製)
(B)エポキシ樹脂成分:結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:YX4000H、融点約106℃、エポキシ価=194g/eq、ジャパンエポキシレジン(株)製)
(C)イミダゾール成分:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(商品名:キュアゾール1B2PZ、四国化成工業(株)製)
〔樹脂改質材の調製例2〜4〕
上記樹脂改質材の調製例1で使用した各成分を表1に示す混合比となるようにジオキソランに溶解し樹脂改質材を含む溶液を調製した。
Figure 2006131690
〔樹脂溶液の調製例A〕
ウルテム1000−1000(ポリエーテルイミド樹脂、GE社製、Tg224℃)をジオキソランに溶解させて、固形分濃度が20%の溶液(樹脂溶液A)を調製した。
〔樹脂溶液の調製例B〕
ゼオノア(ノルボルネン系重合体、日本ゼオン株式会社製、Tg120℃)をキシレンに溶解させて固形分濃度20%の溶液(樹脂溶液B)を調製した。
〔実施例1〕
上記調製例1で調製した樹脂改質材を含む溶液と上記調製例Aで調製した樹脂溶液Bを表2に示す混合比となるよう混合攪拌して、本発明にかかる樹脂改質材を含む樹脂組成物としての溶液(ワニス)を得た。
得られた溶液を、支持体である125μm厚のPETフィルム(商品名セラピールHP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延した。その後、熱風オーブンにて60℃、80℃、100℃、120℃、140℃の温度で、各3分ずつ加熱乾燥させて、PETフィルムをフィルム基材とする2層シートを得た。当該2層シートから、PETフィルムを剥離除去することにより単層シート(加熱硬化前の樹脂シート)を得た。得られた樹脂シートの厚みは50μmであった。得られた樹脂シートの樹脂流動性、積層性、揮発成分量を評価した。その結果を表3に示す。
次に、18μmの圧延銅箔(商品名:BHY−22B−T、ジャパンエナジー(株)社製)を用いて、当該圧延銅箔の銅箔粗化面にて接するように上記樹脂シートを挟み込んだ。その後、温度180℃、圧力3MPaの条件で1時間加熱加圧することにより、樹脂シートを圧延銅箔で挟持した構成の銅箔積層体(金属層含有積層体)を得た。得られた銅箔積層体の銅箔をエッチングにより除去し硬化樹脂シートを得た。得られた硬化樹脂シートの誘電特性およびガラス転移温度を測定した。その結果を表4に示す。
〔実施例2〜5〕
(A)〜(D)および(E)の各成分を表1に示す比率で混合した以外は、実施例1と同様の手法で、樹脂シート(加熱硬化前)、当該樹脂シートを硬化させてなる硬化樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、流動性、積層性、揮発成分量を評価し、硬化樹脂シートについて、誘電特性、ガラス転移温度を評価した。その結果を表3および表4に示す。
〔比較例1〜2〕
(A)〜(D)の各成分を表2に示す比率で混合した以外は、実施例1と同様の手法で、樹脂シート(加熱硬化前)、当該樹脂シートを硬化させてなる硬化樹脂シートを得た。得られた樹脂シートについて、流動性、積層性、揮発成分量を評価し、硬化樹脂シートについて、誘電特性、ガラス転移温度を評価した。その結果を表3および表4に示す。
Figure 2006131690
Figure 2006131690
Figure 2006131690
Figure 2006131690
上記の結果から明らかなように、本発明にかかる樹脂改質材は、(A)アミン成分、(B)エポキシ樹脂成分に加えて、(C)イミダゾール成分を含んでおり、(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分に対する(C)イミダゾール成分の混合比率を規定すれば、(D)樹脂成分であるポリイミド樹脂や芳香族ポリアミド樹脂の諸物性を生かしつつ、樹脂流動性を向上できることがわかる。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明にかかる樹脂改質材は、以上のように、樹脂組成物に添加することで、当該樹脂組成物の樹脂流動性を向上させることができるとともに、接着性、加工性や取扱性、耐熱性、硬化後の誘電特性も優れたものとすることができる。そのため、フレキシブルプリント配線板やビルドアップ回路基板等の回路基板の製造等に好適に用いることができる。それゆえ、本発明は、樹脂組成物や接着剤等の素材加工産業や各種化学産業だけでなく、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物に添加した場合、当該樹脂組成物の硬化前の溶融粘度を低下させることを可能とする樹脂改質材であって、
    少なくとも1種類のアミンからなる(A)アミン成分と、少なくとも1種のエポキシ樹脂からなる(B)エポキシ樹脂成分と、少なくとも1種類のイミダゾールからなる(C)イミダゾール成分とを少なくとも含有しており、
    上記(A)〜(C)成分の混合比を、上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(C)イミダゾール成分の質量で表される質量比とした場合、当該質量比は0.001以上0.1以下であることを特徴とする樹脂改質材。
  2. 上記(A)・(B)成分の混合比を、上記(B)エポキシ樹脂成分に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数に対する上記(A)アミン成分に含まれる活性水素のモル数で表されるモル比とした場合、当該モル比は0.4以上2.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂改質材。
  3. 上記(B)エポキシ樹脂成分には、融点が60℃以上260℃以下の結晶性エポキシ樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂改質材。
  4. 上記(A)アミン成分には、分子量300以上の芳香族ジアミンが含有されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の樹脂改質材。
  5. 少なくとも1種類のアミンからなる(A)アミン成分と、少なくとも1種のエポキシ樹脂からなる(B)エポキシ樹脂成分と、少なくとも1種類のイミダゾールからなる(C)イミダゾール成分と、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂からなる(D)樹脂成分とを含有しており、
    上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(C)イミダゾール成分の質量で表される質量比は、0.001以上0.1以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 上記(D)樹脂成分には、脂環式オレフィン重合体、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂が含有されていることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 上記(A)アミン成分および(B)エポキシ樹脂成分の合計質量に対する上記(D)樹脂成分の質量で表される質量比は、0.4以上2.0以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の樹脂組成物。
  8. 溶融粘度が100ポイズ以上80000ポイズ以下であることを特徴とする請求項5、6または7に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の樹脂改質材を含有する樹脂組成物、あるいは、請求項5ないし8の何れか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を少なくとも1層含んでなることを特徴とする積層体。
  10. さらに、金属層を少なくとも1層含むことを特徴とする請求項9に記載の積層体。
  11. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の樹脂改質材を含有する樹脂組成物、あるいは、請求項5ないし8の何れか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された樹脂層を少なくとも1層含んでなることを特徴とする回路基板。
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