JP2006130815A - 帯電防止性を有する導光板または光拡散板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面のみに帯電防止層が形成された、脂環構造を持つ樹脂成形品から成る導光板又は光拡散板を提供する。前記帯電防止層は、1cm2あたり10mg〜0.0001mgであることが好ましく、脂環構造を持つ樹脂の平板上で、1.0%水溶液において接触角が30度以下である界面活性剤であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
そして、このような導光板または光拡散板には、透明性が高く、精密な成形が可能な脂環構造を持つ樹脂の成形品が広く使用されるが、液晶表示装置に組み込まれ使用されている間に、表面に埃、ゴミ等が付着して、表示品質が劣化してしまう問題があった。埃、ゴミ等付着の対策として成形品に帯電防止性を付与することが広く行われている。帯電防止性付与のために界面活性剤等の帯電防止剤を成形品内部に混合する技術が知られている。
特許文献1には、脂環構造を持つ樹脂に対する、界面活性剤を利用した帯電防止性付与技術が開示してある。
また、光拡散板も、液晶表示装置の背部に配置された光源からの光が、光拡散板の光入射面、光出射面及び光拡散剤とリフレクタ間で何回も反射されてから出射していくため、同様に平均光路長が長くなっている。このように導光板または光拡散板は平均光路長の長いが故に、色度むらが生じやすく、液晶に表示される画像の色が本来の色とズレてしまう問題が発生するという問題があった。特に帯電防止性付与のために、界面活性剤を成形品内部に混合する場合は、この問題が顕著に発現しやすい。
(1)脂環構造を持つ樹脂の成形品において、その表面のみに帯電防止層が形成された導光板又は光拡散板、
(2)表面の帯電防止層の重量が、1cm2あたり0.00001mg〜10mgであることを特徴とする(1)記載の導光板又は光拡散板、
(3) 表面の帯電防止層が、1.0%水溶液における、脂環構造を持つ樹脂の平板上での接触角が30度以下である、界面活性剤からなることを特徴とする(1)乃至(2)記載の導光板又は光拡散板、
(4)界面活性剤が両性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤であることを特徴とする(3)記載の導光板又は光拡散板、
(5)界面活性剤がアミノ基と炭素数が6〜18個のアルキル基または脂環構造とを持つことを特徴とする(3)または(4)記載の導光板又は光拡散板、
を提供するものである。
表面の帯電防止層の1cm2あたりの重量は、帯電防止層が金属、ITO等から形成される場合は、成形品の断面を走査型電子顕微鏡で観察して得た帯電防止層の厚みと帯電防止層を形成する材質の密度から求めることができる。また帯電防止層が界面活性剤である場合には、成形品をメタノールで加温洗浄し、その洗浄液をろ過後70℃で濃縮乾燥した残渣の重量と成形品の表面積から求めることができる。
帯電防止層は、形成が容易であること、色度むらが生じにくいことから界面活性剤からなることが好ましく、脂環構造を持つ樹脂成形品とのなじみがよいことから、1.0%水溶液における、脂環構造を持つ樹脂の平板上での接触角が30度以下である、界面活性剤からなることが好ましい。前記接触角は20度以下であることがより好ましく、10度以下であることがさらに好ましい。なお本発明における脂環構造を持つ樹脂の平板は、射出成形により製造され、コロナ処理等の表面処理が成されていない平板である。また本発明の接触角はASTM D5725に準拠して測定したものとする。
色度むらがより生じにくく、耐熱性がよいため長期の使用に耐えることができることから、界面活性剤は両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。両性界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリルアミドプロピルベタインなどのベタイン化合物、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイドジメチルアミンオキサイド化合物、N-ステアリル-α-アラニナート、N-ラウリル-α-アラニナートなどのアラニン化合物等を挙げることができる。ノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、ステアリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、カプリル酸モノグリセライド、ヤシ脂肪酸モノグリセライドなどのグリセリン脂族酸エステル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドなどのジエタノールアミド類を挙げることができる。
脂環構造を持つ樹脂成形品上に帯電防止層として形成されたときの成形品とのなじみ、耐摩擦性の観点から、界面活性剤はアミノ基と炭素数が6〜18個のアルキル基または脂環構造とを持つことが好ましい。この構造を持つ界面活性剤としては、前記のうち両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ステアリルアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、N-ステアリル-α-アラニナート、N-ラウリル-α-アラニナートがあげられ、ノニオン性界面活性剤としてはラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドがあげられる。ヤシ脂肪酸は、油脂化学便覧 改定三版107ページ[丸善(株)発行 日本油化学協会編]によると、炭素数が6から18のアルキル基からなる脂肪酸の混合物である。
なお本発明におけるアミノ基は1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基のいずれでもよい。アルキル基は直鎖状でも分岐を持つ構造でもよく、その中に不飽和結合を含んでいてもよい。界面活性剤が持つ脂環構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造が挙げられるが、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でも脂環構造を持つ樹脂とのなじみの観点からシクロアルカン構造が最も好ましい。アルキル基または脂環構造を構成する炭素原子数は、通常6から18個が好ましい。
また界面活性剤の構造が不明の場合は熱分解ガスクロマトグラフィー−マススペクトル測定により定性することができる。
脂環構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造が挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされ、好適である。
脂環構造を持つ樹脂中の脂環構造を持つ繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環構造を持つ繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環構造を持つ樹脂中における脂環構造を持つ繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環構造を持つ樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系モノマーの重合体及びビニル脂環式炭化水素系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族系モノマーの重合体の芳香環水素添加物及びビニル芳香族モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの共重合体の芳香環水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系モノマーの重合体の芳香環水素添加物及びビニル芳香族モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの共重合体の芳香環水素添加物がさらに好ましい。
ここで使用できる界面活性剤の希釈剤又は溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、水が挙げられるが、塗付後に得られる界面活性剤の成形品が透明性を有するために、使用する界面活性剤を良好に溶解する必要がある。希釈液または溶液としての安全性の観点からは、溶剤には水が望ましいが、乾燥を早くする、および/または溶解性を向上させるためにアルコール系溶剤、ケトン系溶剤、セロソルブ系溶剤、エステル系溶剤を単独または水と混合して使用することもできる。
希釈または溶解させる場合には、界面活性剤の濃度は0.0001%〜30%が好ましく、0.001%〜10%がより好ましく、0.05%〜5.0%がさらに好ましい。0.0001%より小さいときには帯電防止効果が十分でなく、30%より大きいときには発泡する、塗布厚みが不均一になるなどの塗布不良が生じるおそれがある。
また本発明の導光板の内部には光を散乱する機能を有する、光反射物質及び/又は空気の層(泡)などが分散していてもよい。光反射物質を使用する場合には、有機微粒子や無機微粒子などが挙げられ、ポリスチレン粒子やシリコーン粒子などの有機微粒子や、シリカ、アルミナ、及びチタニアなどの無機微粒子などが好ましい。
本発明の光拡散板は、対角線の長さが好ましくは500mm以上、特に好ましくは600mm以上である。大型の光拡散板ほど平均光路長が長いために色度むらが発生しやすく、本発明の効果が顕著に現れる。
本発明の光拡散板は、光拡散機能を有する微細凹凸形状を、少なくとも一つの面上に有してもよい。微細凹凸形状を有する少なくとも一つの面は、光源に対面する面の反対面であることが好ましい。微細凹凸形状は、光拡散機能を有する形状であれば特に制限はないが、例えば、複数の平行する畝状レンズからなる形状、連続プリズム形状、シボ面、ホログラフィー面などを挙げることができる。畝状レンズやプリズムのピッチは、10〜500μmであることが好ましく、20〜300μmであることがより好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。畝状レンズやプリズムの幅は、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。畝状レンズ又はプリズムの高さは、1〜250μmであることが好ましく、2〜100μmであることがより好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の光拡散板は、少なくとも一つの面に、光反射防止層を有することもできる。シボ面は研磨材によりサンドブラストされたスタンパー表面形状を、該スタンパーを金型に組み込み、樹脂を射出成形することで、射出成形品に転写することによって得ることができる。ホログラフィー面は特開昭59-131902号公報に記載されるように、スリガラス等の光拡散部材にレーザーなどの位相の揃った光を入射して、得られたスペックルパターンを硬化性樹脂に固定し、硬化性樹脂に固定された前記パターン表面に金属を電鋳して微細な凹凸を持つスタンパーを作製し、該スタンパーを射出成形金型に組み込んで樹脂を射出成形し、該スタンパーの凹凸を射出成形品に転写することによって得ることができる。
[色度むらの測定方法]
(a)導光板の場合
導光板の光反射面に反射シート[東レ(株)製、E60L]を積層し、光出射面に下向きプリズムシート[三菱レイヨン(株)、D117TF]と拡散シート[(株)ツジデン、D117TF]を積層し、光入射面に冷陰極蛍光ランプ[ハリソン東芝ライティング(株)、MBVM16J]を取り付け、冷陰極蛍光ランプを内面が白色の反射板で覆ってバックライトを作製した。
輝度計(ミノルタ(株)製、型式CA-1500W)を用い、導光板の光出射面の光入射面側の端から9.2mmの線分上で、該光入射面と直交する両側面から12.2mm離れた2点と該線分の中心の1点を合わせた計3点の測定点の平均色度y1、及び、該測定点に対応する、光出射面の光入射面と反対側の端から9.2mmの線分上に位置する測定点3点の平均色度y2を測定し、色度むらΔy=|(y1の平均値)-(y2の平均値)|とした。
(b)光拡散板の場合
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)製、LC−30AD1]の液晶セルを取りはずし、使用されていた光拡散板に替えて本発明の光拡散板を取り付け、2次元色分布測定装置[ミノルタ(株)製、型式CA-1500W]を用い、液晶テレビジョンの縦横をそれぞれ6等分する線分の交点25点で色度yを測定し、その最大値ymaxと最小値yminの差を色度むらΔy=ymax−yminとした。
[表面抵抗の測定方法]
表面抵抗は23℃−55%RH雰囲気に24時間放置後、表面抵抗測定器(アドバンテスト社製 R8340/R12702A)により測定した。
脂環構造を持つ樹脂として、ゼオノア1060R[日本ゼオン(株)製]100重量部に、光拡散剤としてトスパール120[ジーイー東芝シリコーン(株)製]0.8重量部を混合し、二軸混練機で混練し、ストランドをストランドカッターで切断してペレット状の成形材料を得た。
得られた成形材料を、光入射面となる面に8個のピンポイントゲートを有する金型を用いて、縦460mm、横612mm、対角線の長さ766mm、厚さ2.0mmの30インチ型光拡散板を、射出成形により製造した。射出成形の成形条件は、型締め力4410kNの射出成形機を用い、金型温度85℃、シリンダー温度275℃、ノズル温度260℃、射出圧1200kgf/cm2、保圧800kgf/cm2、射出速度100cm3/sとした。
得られた光拡散板を両性界面活性剤のN-ラウリル-α-アラニナート[ライオン(株)製リポミンLA]1.0%水溶液に浸し、80℃で30分乾燥して帯電防止層を形成した。得られた帯電防止層を有する光拡散板をメタノールで洗浄し、洗浄液をろ過し濃縮乾燥することで得た帯電防止層の重量は0.021mg/cm2であった。また光拡散板の色度むらを測定したところ、5.5/1000であり、表面抵抗は2×109Ωであった。
前記光拡散板を70℃で500時間処理する耐熱試験後に色度むらと表面抵抗を測定するとそれぞれ6.0/1000と2×109Ωであり、耐熱試験前とほとんど変化がなかった。また成形直後の光拡散板に発泡ポリエチレンシートに2g/cm2の荷重をかけて2000回擦る摩擦試験後に色度むらと表面抵抗を測定すると5.7/1000と4×109Ωであり、摩擦試験前と大差ない値であった。
帯電防止剤をノニオン性界面活性剤のヤシ脂肪酸ジエタノールアミド[第一工業製薬(株)製ダイヤノール300]に替えた以外は実施例1と同様にして、帯電防止層を形成した光拡散板を製造した。
得られた帯電防止層を有する光拡散板をメタノールで洗浄し、洗浄液をろ過し濃縮乾燥することで得た帯電防止層の重量は0.021mg/cm2であった。また光拡散板の色度むらを測定したところ、5.5/1000であり、表面抵抗は3×109Ωであった。
前記光拡散板を70℃で500時間処理する耐熱試験後に色度むらと表面抵抗とを測定すると8.5/1000と6×109Ωであり、耐熱試験前と大差ない値であった。また成形直後の光拡散板に発泡ポリエチレンシートに2g/cm2の荷重をかけて2000回擦る摩擦試験後に色度むらと表面抵抗とを測定しても6.0/1000と5×109Ωと摩擦試験前と大差ない値であった。
帯電防止剤を両性界面活性剤のステアリルベタインに替えた以外は実施例1と同様にして、帯電防止層を形成した光拡散板を製造した。
得られた帯電防止層を有する光拡散板をメタノールで洗浄し、洗浄液をろ過し濃縮乾燥することで得た帯電防止層の重量は0.022mg/cm2であった。また成形直後の光拡散板に光拡散板の色度むらを測定したところ、6.5/1000であり、表面抵抗は2×109Ωであった。
前記光拡散板を70℃で500時間処理する耐熱試験後に色度むらと表面抵抗とを測定すると7.1/1000と3×109Ωであり、耐熱試験前とほとんど変化がなかった。また成形直後の光拡散板に発泡ポリエチレンシートに2g/cm2の荷重をかけて2000回擦る摩擦試験後に色度むらと表面抵抗とを測定しても6.8/1000と6×109Ωと摩擦試験前と大差ない値であった。
脂環構造を持つ樹脂として、ゼオノア1060R[日本ゼオン(株)製]を用い、V字状溝が光反射面に対応する面に予め配設された金型を用いて射出成形することにより、導光板を作製した。射出成形の成形条件は、型締め力4410kNの射出成形機を用い、金型温度85℃、シリンダー温度275℃、ノズル温度260℃、射出圧1200kgf/cm2、保圧800kgf/cm2、射出速度100cm3/sとした。得られた導光板は、それぞれ、一端側の厚みが2mm、末端側の厚みが0.5mm、一端側から末端側までの長さが190mm、直線状光源の軸方向に沿った長さが250mmであり、一端側から末端側へ遠ざかる方向(直線状光源の軸芯と略垂直方向)につれて厚みが漸次薄くなるようなくさび型であった。
得られた導光板を両性界面活性剤のN-ラウリル-α-アラニナート[ライオン(株)製リポミンLA]1.0%水溶液に浸し、80℃で30分乾燥して帯電防止層を形成した。得られた帯電防止層を有する導光板をメタノールで洗浄し、洗浄液をろ過し濃縮乾燥することで得た帯電防止層の重量は0.025mg/cm2であった。また導光板の色度むらを測定したところ、3.5/1000であり、表面抵抗は2×109Ωであった。
前記導光板を70℃で500時間処理する耐熱試験後に色度むらと表面抵抗を測定するとそれぞれ4.0/1000と3×109Ωであり、耐熱試験前とほとんど変化がなかった。また成形直後の導光板に発泡ポリエチレンシートに2g/cm2の荷重をかけて2000回擦る摩擦試験後に色度むらと表面抵抗を測定すると3.7/1000と4×109Ωであり、摩擦試験前と大差ない値であった。
帯電防止剤を使用しないこと以外は実施例1と同様にして、光拡散板を製造した。得られた光拡散板の色度むらは5.5/1000であり、表面抵抗は3×1016Ω以上であった。
[比較例2]
ゼオノア1060R[日本ゼオン(株)製]100重量部に、光拡散剤としてトスパール120[ジーイー東芝シリコーン(株)製]0.8重量部と、帯電防止剤としてノニオン性帯電防止剤のステアリン酸モノグリセライド[花王(株)製エレクトロストリッパーTS−5]を2.0重量部とを混合し、二軸混練機で混練し、ストランドをストランドカッターで切断してペレット状の成形材料を得た。
得られた成形材料を、実施例1と同じ成形方法を用いて、帯電防止剤が内部に混合された光拡散板を製造した。得られた光拡散板の色度むらは15.0/1000であり、表面抵抗は3×1012Ωであった。
前記光拡散板を70℃で500時間処理する耐熱試験後に色度むらと表面抵抗とを測定すると24.5/1000と7×1012Ωであり、耐熱試験前からの変化が大きかった。
Claims (5)
- 脂環構造を持つ樹脂の成形品において、その表面のみに帯電防止層が形成された導光板又は光拡散板。
- 表面の帯電防止層の重量が1cm2あたり0.00001mg〜10mgであることを特徴とする請求項1記載の導光板又は光拡散板。
- 表面の帯電防止層が、1.0%水溶液における、脂環構造を持つ樹脂の平板上での接触角が30度以下である、界面活性剤からなることを特徴とする請求項1乃至2記載の導光板又は光拡散板。
- 界面活性剤が両性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤であることを特徴とする請求項3記載の導光板又は光拡散板。
- 界面活性剤がアミノ基と、炭素数が6〜18個のアルキル基または脂環構造とを持つことを特徴とする請求項3または4記載の導光板又は光拡散板。
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