JP2006130630A - 恒温装置を備えたワイヤ放電加工機 - Google Patents

恒温装置を備えたワイヤ放電加工機 Download PDF

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俊幸 橋口
Tatsuji Komatsu
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Abstract

【課題】 このワイヤ放電加工機は,加工液とは別の恒温液を各種の構造体に循環させ,加工液と恒温液との温度均一化を図り,工作物の加工精度をアップさせる。
【解決手段】 このワイヤ放電加工機は,加工液温度コントローラ27と恒温液温度コントローラ24とで加工液と恒温液との温度均一化を図り,恒温液39をクロスサドル7,ベッド3,コラム9等にに循環させ,加工槽1,X軸スライド6等を含めて装置全体の恒温化を図り,温度変化や温度差による工作物5の加工精度の悪影響を排除する。
【選択図】 図3

Description

この発明は,工作物とワイヤ電極との極間に加工電圧を印加して工作物を加工する恒温装置を備えたワイヤ放電加工機に関する。
近年,ワイヤ放電加工機は,加工槽に加工液を溜めて加工する浸漬式ワイヤ放電加工機が主流になってきている。また,ワイヤ放電加工機については,工作物の加工精度の要求も厳しくなり,例えば,0.001mm以下の精度が要求される。ワイヤ放電加工機では,コラム,テーブル,ベッド,ヘッド等の構成部品に温度差が発生しており,そのため構成部品毎に熱変位による熱膨張差が発生し,機械精度及び加工精度に悪影響を及ぼすことになる。ワイヤ放電加工機について,加工槽に加工液を溜めて工作物の加工を開始すると,クロスサドル等のテーブルとベースを構成するベッドとの間には,例えば,2〜3℃の温度差が発生し,温度差の影響によってX軸テーブルとY軸テーブルとにピッチ差が生じる。一般に,ワイヤ放電加工機では,Y軸テーブルがX軸テーブルに比較して短くなっている。そのため,ワイヤ放電加工機では,特に,温度差に伴ってピッチ加工精度に悪影響が発生する。
従来,放電加工装置において,ベッドやコラムに冷却器体を設けたものが知られている。該放電加工装置は,機械構造体にその温度上昇を検出する温度センサ及び機械的変位を検出する傾斜センサ,これらの各センサによって駆動される送風ファン及び冷却器体を設けたものである(例えば,特許文献1参照)。
また,金属加工装置において,ワーク保持部と加工部を有し,加工部に対する加工液供給装置が装備されているフレームに温度歪補償装置が設けられているものが知られている。該金属加工装置は,加工液供給装置がフレームを通り加工部に加工液を供給する循環パイプが接続され,加工液タンクに連結する帰還パイプが加工液タンクに接続されている。上記金属加工装置は,加工液タンクに設けた温度検知装置とそれ以外のものに設けた温度検知装置との検知温度信号を入力する比較制御装置により作動して,加工液を室温程度の設定温度とする加温冷却装置によって加温冷却される加工液で加工部やフレームを室温程度に設定したものである(例えば,特許文献2参照)。
また,ワイヤカット放電加工装置として,上下のアームに加工液を流通させるものが知られている。該ワイヤカット放電加工装置は,ワイヤ電極を支持する上下のワイヤカット放電加工用のアームを同一温度に制御するように加工液を流通させるものであり,上下のアームが常時同一温度に保たれ,両者の膨張や収縮を同じにし,加工精度をアップさせるものである(例えば,特許文献3参照)。
また,精密機械装置において,温度制御液を循環させるものが知られている。該精密機械装置であるワイヤカット放電加工機におけるコラムやヘッドに熱交換器を設けた循環冷却したり,研削盤におけるコラムやベッドに制御液を循環冷却する冷却ユニットが設けられている(例えば,特許文献4参照)。
また,冷却液流通パイプを鋳込んだ工作機械の構造体が知られている。該精密機械装置の構造体は,内部にパイプを配管し,ベッドやコラム等の温度制御を容易に迅速に効率的に行い得るものであり,冷却液流通用のパイプが埋設されるように鋳込んでベッドやコラムを鋳造形成し,冷却液をそれらのパイプ内に流通させて効果的に冷却し得るようにしたものである(例えば,特許文献5参照)。
従来,工作機械として,摺動面摩擦によって発生する熱を効率よく除去し精度を維持するものが知られている。該工作機械は,ベッド摺動面のリブの中に空洞を形成し,サドル上に形成されたサドル摺動面の下方に空洞を形成し,空洞の中に冷却媒体を通すことによって,摺動面摩擦によって発生する熱を除去するものであり,各所に温度センサを埋め込み,効率の良い温度コントロールができるようにしたものである(例えば,特許文献6参照)。
特開昭59−161232号公報 実公昭63−42981号公報 実公昭57−30031号公報 特開昭63−144916号公報 特開平6−126564号公報 特開2000−117571号公報
しかしながら,従来のワイヤ放電加工機では,概して,ベッドやコラムに冷却器体を設けたり,フレーム,スタンド,上下アームを加工液で室温程度に維持したり,上下アームに加工液を流通させたり,コラムやヘッドに熱交換器を設けた循環冷却したり,ベッドやコラムに冷却液を流通させたり,或いは,リブやサドルに空洞を設けて冷却媒体を通すものであった。
ところで,ワイヤ放電加工機における浸漬式ワイヤ放電加工機では,加工槽内には加工液が溜められているが,加工液には通常工作物を加工して加工屑等の異物が混入しており,たとえ濾過装置に加工液を通して濾過したとしても,加工液中に全く異物が混入していない状態を実現するのは困難であり,異物の混入は避けられないのが現状である。このような加工液を使用して,加工液を冷却或いは加温して恒温状態を実現したとしても,その加工液を工作物の加工精度に影響を及ぼす各種の構造体に通すのは,装置そのものに異物が詰まったりして装置の故障を発生させる原因になる。そこで,工作物の加工精度に影響を及ぼす各種の構造体を,加工液でなく別途に予め決められた所定の温度の恒温油を用いて恒温状態に維持して加工精度をアップさせることが望ましいことになる。その場合に,加工槽に溜められている加工液と各種の構造体を恒温状態に維持する恒温油との均一温度化を図るという技術的思想を有するものは,従来のワイヤ放電加工機では皆無であり,本発明者はそこに着目して本願発明を開発するに至ったものである。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,加工屑等の異物を含む可能性がある加工液を用いることなく,クリーンな恒温液を用いて工作物の加工精度に影響を及ぼす各種の構造体を恒温状態に維持するものであり,恒温液温度コントローラで予め決められた所定の温度に調整された恒温液をクロスサドル,ベース及びコラムに循環させると共に,加工槽に収容可能な加工液の温度を恒温液の温度に同期化させて加工液と恒温液との温度を均等温度に維持し,加工槽と一体構造のX軸スライドの温度をクロスサドル,ベース及びコラムの温度と均一化即ち均等化し,温度変化及び部材間の温度差による工作物に対する加工精度への悪影響を排除し,加工精度をアップさせる恒温装置を備えたワイヤ放電加工機を提供することである。
この発明は,ベッド,該ベッドから立設したコラム,前記ベッド上にY軸方向に往復移動するクロスサドル,及び該クロスサドル上でX軸方向に往復移動するX軸スライドと一体構造に構成された加工液を収容可能な加工槽を備え,前記加工槽内に設置された工作物を前記コラムに設けたワイヤ電極供給源から供給されるワイヤ電極によって加工するため,前記工作物と前記ワイヤ電極との間に加工電圧を印加して発生させた放電エネルギーによって前記工作物を放電加工するワイヤ放電加工機において,
前記クロスサドルに形成された第1液通路,前記ベッドに形成された第2液通路及び前記コラムに形成された第3液通路に,恒温液温度コントローラによって予め決められた所定の温度に制御された恒温液を循環させると共に,加工液温度コントローラによって前記加工液を前記恒温液に同期化させて同一温度に制御し,前記加工槽,前記X軸スライド,前記クロスサドル,前記ベッド及び前記コラムを均一温度に維持することを特徴とする恒温装置を備えたワイヤ放電加工機に関する。
また,このワイヤ放電加工機において,前記恒温液は,恒温液タンクから供給された液が前記恒温液温度コントローラを備えた恒温液温度調整室で予め決められた所定の温度に調整され,前記恒温液温度調整室からの温度調節された前記恒温液を前記第1液通路,前記第2液通路,次いで前記第3液通路を通って前記恒温液タンクに戻るように直列に循環させる。更に,前記恒温液が循環する恒温液循環路は,前記恒温液温度調整室と前記第1液通路,前記第1液通路と前記第2液通路,前記第2液通路と前記第3液通路,及び前記第3液通路と前記恒温液タンクとがそれぞれチューブによって接続され,閉回路に形成されている。
また,このワイヤ放電加工機において,前記恒温液は,恒温液タンクから供給された液が前記恒温液温度コントローラを備えた恒温液温度調整室で予め決められた所定の温度に調整され,前記恒温液温度調整室からの温度調節された前記恒温液を前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路に並列にそれぞれ供給して前記恒温液タンクにそれぞれ戻るように循環させる。更に,前記恒温液が循環する恒温液循環路は,前記恒温液温度調整室と,前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路とが供給側チューブによってそれぞれ接続され,また,前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路と前記液タンクとが回収側チューブによってそれぞれ接続され,閉回路に形成されている。
また,このワイヤ放電加工機において,前記加工槽に収容可能な前記加工液は,前記加工槽から濾過装置に回収され,前記濾過装置によって濾過されると共に前記加工液温度コントローラによって前記恒温液に同期化させて前記所定の均一温度に制御される。
また,このワイヤ放電加工機は,前記コラムの上部に設けられた上ワイヤヘッド,及び前記コラムから延びる下アームに設けられた下ワイヤヘッドを備え,前記工作物は前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤヘッドとの間に設置されている。
前記コラムに形成された前記第3液通路は,前記ベッド,前記クロスサドル及び前記加工槽に対向する前記コラムの領域にわたって延びて形成されている。このワイヤ放電加工機が大型の場合には,前記コラムに形成された前記第3液通路は,前記コラムの上部のUV軸ユニットまで延びて形成されており,装置全体を均一の温度に維持するように構成されている。
このワイヤ放電加工機は,前記コラムの上部に設けられたUV軸ユニット,及び前記コラムの上部で前記UV軸ユニットに隣接して設けられたZ軸ユニットを有する。
また,このワイヤ放電加工機では,前記恒温液としては,水又は油を選択的に使用することができる。
この恒温装置を備えたワイヤ放電加工機は,上記のように,放電加工に用いて加工屑等の異物が混入する可能性のある加工液とは別の予め決められた所定の温度の恒温液を用いて,加工槽,X軸スライド,Y軸スライドを備えたクロスサドル,ベッド,コラム等の各種の構造体の恒温化を達成するものであり,その時,クロスサドル,ベッド温度コラムに閉回路の恒温液循環路を形成し,該恒温液循環路に恒温液を循環させ,それと共に,恒温液温度コントローラと加工液温度コントローラとを同期化させて恒温液の温度を加工液の温度との均一化を図って同一温度に維持したので,加工槽内に設置された上ワイヤヘッド,下ワイヤヘッド,工作物,工作物の支持部材と共にX軸スライド,Y軸スライドを備えたクロスサドル,ベッド,コラム等の各種の構造体間に熱膨張差が発生することがなく,また,上記各種の構造体を恒温状態に維持したので,温度変化による加工精度にバラツキがなく,工作物に対する常に所定の加工精度,例えば,0.001mm以下の加工精度を確保することができ,工作物の加工精度を大幅にアップさせることができ,しかも恒温液が閉回路の恒温液循環路を循環するので,各種の構造体に異物等が溜まることがなく,装置そのものが恒温液の循環不良,詰まり,故障等を引き起こすことが無い。
以下,図面を参照して,この発明による恒温装置を備えたワイヤ放電加工機の実施例を説明する。このワイヤ放電加工機は,工作物5が加工液2に浸漬された状態でワイヤ電極10によって放電加工される浸漬式ワイヤ放電加工機であって,加工液2が入れられる加工槽1は,例えば,ボルト及びナットのような固着具によってワイヤ放電加工機のX軸スライド6に取り付けられている。このワイヤ放電加工機は,工場の床面,土台等のベース34に機台等のベッド3が設置されている。このワイヤ放電加工機は,X軸スライド6と一体的な加工槽1,加工槽1が載置されて加工槽1の移動方向(X軸方向)に対して直角方向(Y軸方向)に移動可能なクロスサドル7,図示していないが,加工槽1の相対移動に対してシール手段を介して摺接して加工槽1の長孔を遮蔽し且つ下アーム11が貫通するため長孔に対向するほぼ円形の孔が形成された遮蔽板を備えている。このワイヤ放電加工機は,工作物5に対して所定の加工形状にワイヤ放電加工を行うために工作物5との間で放電をするワイヤ電極10がワイヤ電極供給源(図示せず)から加工機本体を構成するコラム9に設けられているガイドローラ等を備えた自動ワイヤ供給装置(図示せず)によって工作物5の加工領域に供給され,工作物5との間に極間電圧を印加されて工作物5を加工するものであり,工作物5を加工した後には下アーム11の廃ワイヤ通路(図示せず)を通って回収される。
クロスサドル7に組み込まれたY軸スライドは,ベッド3との間に設けられたY軸スライドユニット18を介してベッド3に対してY軸方向に往復移動するように構成されている。また,加工槽1と一体のX軸スライド6は,クロスサドル7との間に設けられたX軸スライドユニット17を介してクロスサドル7に対してX軸方向に往復移動するように構成されている。X軸スライドユニット17は,図1では,X軸スライド6に固定された複数のスライダ42がクロスサドル7に固定された一対の軌道レール41(図2,3)上を相対移動することによって,加工槽1がクロスサドル7に対してX軸方向に往復移動するものである。また,Y軸スライドユニット18は,図1では,クロスサドル7に固定された複数のスライダ42がベッド3に固定された一対の軌道レール43(図2,3)上を相対移動することによって,クロスサドル7がベッド3に対してY軸方向に往復移動するものである。
この放電加工機は,図1に示すように,床や土台に設置されているベースを構成するベッド3,ベッド3から立設した加工機本体を構成するコラム9,ベッド3上にY軸方向に往復移動するY軸スライドを構成するクロスサドル7,クロスサドル7上でX軸方向に往復移動するX軸スライド6と一体構造に構成された加工液2が溜められる加工槽1,コラム9の上部に設けられたUV軸ユニット15,UV軸ユニット15に設けられたZ軸ユニット12,Z軸ユニット12に設けられた上ワイヤヘッド14,コラム9から延びる下アーム11に設けられた下ワイヤヘッド13,及び上ワイヤヘッド14と下ワイヤヘッド13との間で加工槽1内に設置された工作物5を備えている。このワイヤ放電加工機は,加工槽1内に設置された工作物5をコラム9に設けたワイヤ電極供給源(図示せず)から供給されるワイヤ電極10によって加工するため,工作物5とワイヤ電極10との間に加工電圧を印加して発生させた放電エネルギーによって放電加工するものである。更に,このワイヤ放電加工機は,コラム9の上部に設けられたUV軸ユニット15,及びコラム9の上部でUV軸ユニット15に設けられたZ軸ユニット12を備えており,更に工作物5に対して広範囲の加工領域を確保して高精度の加工を行うことができるものである。
このワイヤ放電加工機では,ワイヤ電極10は,コラム9に取り付けられたUV軸ユニット15に支持された上ワイヤヘッド14と,コラム9から加工槽1の長孔を貫通して横方向に延びた下アーム11に支持された下ワイヤヘッド13とによって案内される。上ワイヤヘッド14には,従来と同様に,ワイヤ送出口,ダイスガイド,噴流ノズル,給電子,及び給電子押え等が組み込まれており,ワイヤ電極10を工作物5の放電加工部位に送り出す。給電子が組み込まれた下ワイヤヘッド13は,上ワイヤヘッド14と同様の構造を有しており,上ワイヤヘッド14に対向した位置に設けられており,上ワイヤヘッド14から繰り出されたワイヤ電極10を受け入れる。上ワイヤヘッド14の給電子と下ワイヤヘッド13の給電子とをリード線が結んでおり,リード線には,リード線に接続された極とは反対の極が与えられている。工作物5に対して放電加工を行なったワイヤ電極10は,下ワイヤヘッド14に受け入れられた後,ガイドローラを通じて加工槽1から下アーム11の内部の廃ワイヤ通路を通って引出しローラで引き出されて外部へ排出される。加工槽1の加工液2が不足する場合には,加工液供給管から適宜供給量を調節して供給される。
この恒温装置を備えたワイヤ放電加工機は,特に,クロスサドル7に形成された液通路19(第1液通路),ベッド3に形成された液通路20(第2液通路)及びコラム9に形成された液通路21(第3液通路)に恒温液39を循環させると共に,加工液温度コントローラ27によって加工液2を予め決められた所定の温度に調節された恒温液39に同期化させて互いに同一温度に制御し,加工液2によって加工槽1,X軸スライド6,工作物5,工作物支持台4,下ワイヤヘッド13等の部材を恒温液39の温度と均一化を図り,装置全体,即ち,加工槽1,X軸スライド6,工作物支持部台4,Y軸スライドであるクロスサドル7,ベッド3,コラム9等を予め決められた所定の恒温に維持することを特徴としている。恒温液39としては,水又は油を装置に合わせて選択的に使用することができ,即ち,構成部品に対して適正な液を選択することが好ましい。X軸スライド6は,加工槽1と一体化されているので,加工液2の温度によって温度制御されている。このワイヤ放電加工機は,加工液2と恒温液39とが温度同期化即ち温度均一化の制御がされるので,X軸スライド6はクロスサドル7及びベッド3と同一温度に制御され,従って,加工槽1内の上ワイヤヘッド14,下ワイヤヘッド13,工作物5,X軸スライド6,クロスサドル7,ベッド3及びコラム9は,互いに温度差が発生することが無く,また,これらの部品は恒温状態に維持されており,工作物5の加工精度に温度変化や温度差による悪影響を及ぼすことがなく,常に高精度の加工を確保することができ,例えば,0.001mm以下の加工精度にも対応することができる。
また,このワイヤ放電加工機については,工作物5の加工に影響を及ぼす各種の構造体を恒温に維持するための恒温液39は,図3に示すように,油タンク等の恒温液タンク22から供給された油(又は水)が恒温液温度コントローラ24を備えた恒温液温度調整室23で予め決められた所定の温度に調整される。恒温液温度調整室23からの温度調節された恒温液39は,液通路19,液通路20,次いで液通路21を通って液タンクに戻るように直列に循環される。更に,恒温液温度調整室23と液通路19とは供給側のチューブ28で接続され,液通路19同士はチューブ29で接続され,液通路19と液通路20とはチューブ30で接続され,液通路20同士はチューブ31で接続され,液通路20と液通路21とはチューブ32で接続され,更に,液通路21と液タンクとは回収側のチューブ33で接続され,閉回路の恒温液循環路が直列接続に構成されている。このワイヤ放電加工機では,上記の各種の構造体は,X軸スライド6と一体の加工槽1,加工槽1内に設置された工作物支持台4,下ワイヤヘッド13,上ワイヤヘッド14,ベッド3,加工機本体のコラム9,及びY軸スライドを構成するクロスサドル7を指している。また,コラム9に形成された液通路21は,ベッド3,クロスサドル7及び加工槽1に対向するコラム9の領域にわたって延びて形成されている。更に,コラム3の液通路21は,ワイヤ放電加工機そのものが大型の場合には,コラム9全体を均等に温度調整するため,コラム9のトップである上部のUV軸ユニット15及びZ軸ユニット12まで延びて形成することもできる。
或いは,このワイヤ放電加工機の別の実施例としては,図示されていないが,恒温液39は,液タンクから供給された油(又は水)が恒温液温度コントローラ24を備えた恒温液温度調整室23で予め決められた所定の温度に調整されることは上記実施例と同一であるが,閉回路の恒温液循環路は,次のように並列に接続して構成することができる。温度調節された恒温液39は,恒温液温度調整室23から供給側チューブ28を通じて液通路19,液通路20及び液通路21に並列にそれぞれ供給される。恒温液39は,液通路19,液通路20及び液通路21をそれぞれ流れた後に,回収側チューブ33を通って液タンクに戻るように循環される。即ち,恒温液温度調整室23と,液通路19,液通路20及び液通路21とは,供給側チューブ28によってそれぞれ接続されている。また,液通路19,液通路20及び液通路21と液タンクとは回収側チューブ33によってそれぞれ接続され,閉回路の恒温液循環路に形成されている。
また,加工槽1に収容可能な加工液2は,濾過装置25のフイルタ(図示せず)によって濾過されて加工槽1との間で循環すると共に,加工液温度コントローラ27によって加工液2が温度調整されている。加工液2は,濾過装置25の上記フイルタによって濾過されて,加工液供給通路35を通って加工槽1に供給される。また,加工槽1から排出された加工液2は,加工液回収通路36を通って濾過装置25に回収される。また,濾過装置25における加工液2は,加工液温度調整循環路38を循環することによって,加工液温度調整室26における加工液温度コントローラ27によって加工液2を恒温液39に均等化した同一の予め決められた所定の温度に制御される。特に,このワイヤ放電加工機は,恒温液温度コントローラ24と加工液温度コントローラ27とが同期化させられ,加工液2の温度が恒温液39の温度と同一の予め決められた所定の均一温度になるように温度制御されることを特徴としている。それ故に,加工液2と恒温液39とは,常時予め決められた所定の均一温度に温度制御されることになる。従って,このワイヤ放電加工機は,加工槽1内に設置される下ワイヤヘッド13,上ワイヤヘッド14,それらの間に設置された工作物5,工作物5を固定するクランプ(図示せず)等の工作物支持台4,加工槽1と一体のX軸スライド6,Y軸スライドを持つクロスサドル7,ベッド3及びコラム9が予め決められた所定の均一温度になり,上記の各種の構成部品の熱膨張差による加工精度に悪影響を及ぼすことがなく,また,予め決められた所定の温度即ち恒温に制御されているので,温度の高低即ち温度変化による工作物に対する加工精度に悪影響がなく,工作物に対する加工に常に高精度を確保でき,例えば,0.001mm以下の加工精度を確保することができる。
この発明による恒温装置を備えたワイヤ放電加工機は,例えば,加工槽に供給された加工液に工作物を浸漬或いは加工液を工作物に噴射して,ワイヤ電極と工作物との間に極間電圧を印加し,発生する放電エネルギで工作物を加工するワイヤ放電加工機に使用して好ましいものである。
この発明による恒温装置を備えた放電加工機を示す正面図である。 図1のワイヤ放電加工機を概略的に示す斜視図である。 図2のワイヤ放電加工機を分解して示す分解斜視図である。 図3のコラムを矢視Aから見た背面を示す分解背面図である。
符号の説明
1 加工槽
2 加工液
3 ベッド
4 工作物支持台
5 工作物
6 X軸スライド
7 クロスサドル(Y軸スライド)
8 ワイヤコントロールユニット
9 コラム(加工機本体)
10 ワイヤ電極
11 下アーム
12 Z軸ユニット
13 下ワイヤヘッド
14 上ワイヤヘッド
15 UV軸ユニット
17 X軸スライドユニット
18 Y軸スライドユニット
19 液通路(第1液通路)
20 液通路(第2液通路)
21 液通路(第3液通路)
22 恒温液タンク
23 恒温液温度調整室
24 恒温液温度コントローラ
25 濾過装置
26 加工液温度調整室
27 加工液温度コントローラ
28 供給側チューブ
29,30,31,32 チューブ
33 回収側チューブ
34 ベース(土台)
35 加工液供給側チューブ
36 加工液回収側チューブ
38 加工液温度調整循環路
39 恒温液

Claims (11)

  1. ベッド,該ベッドから立設したコラム,前記ベッド上にY軸方向に往復移動するクロスサドル,及び該クロスサドル上でX軸方向に往復移動するX軸スライドと一体構造に構成された加工液を収容可能な加工槽を備え,前記加工槽内に設置された工作物を前記コラムに設けたワイヤ電極供給源から供給されるワイヤ電極によって加工するため,前記工作物と前記ワイヤ電極との間に加工電圧を印加して発生させた放電エネルギーによって前記工作物を放電加工するワイヤ放電加工機において,
    前記クロスサドルに形成された第1液通路,前記ベッドに形成された第2液通路及び前記コラムに形成された第3液通路に,恒温液温度コントローラによって予め決められた所定の温度に制御された恒温液を循環させると共に,加工液温度コントローラによって前記加工液を前記恒温液に同期化させて同一温度に制御し,前記加工槽,前記X軸スライド,前記クロスサドル,前記ベッド及び前記コラムを均一温度に維持することを特徴とする恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  2. 前記恒温液は,恒温液タンクから供給された液が前記恒温液温度コントローラを備えた恒温液温度調整室で予め決められた所定の温度に調整され,前記恒温液温度調整室からの温度調節された前記恒温液を前記第1液通路,前記第2液通路,次いで前記第3液通路を通って前記恒温液タンクに戻るように直列に循環させることを特徴とする請求項1に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  3. 前記恒温液が循環する恒温液循環路は,前記恒温液温度調整室と前記第1液通路,前記第1液通路と前記第2液通路,前記第2液通路と前記第3液通路,及び前記第3液通路と前記恒温液タンクとがそれぞれチューブによって接続され,閉回路に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  4. 前記恒温液は,恒温液タンクから供給された液が前記恒温液温度コントローラを備えた恒温液温度調整室で予め決められた所定の温度に調整され,前記恒温液温度調整室からの温度調節された前記恒温液を前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路に並列にそれぞれ供給して前記恒温液タンクにそれぞれ戻るように循環させることを特徴とする請求項1に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  5. 前記恒温液が循環する恒温液循環路は,前記恒温液温度調整室と,前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路とが供給側チューブによってそれぞれ接続され,また,前記第1液通路,前記第2液通路及び前記第3液通路と前記液タンクとが回収側チューブによってそれぞれ接続され,閉回路に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  6. 前記加工槽に収容可能な前記加工液は,前記加工槽から濾過装置に回収され,前記濾過装置によって濾過されると共に前記加工液温度コントローラによって前記恒温液に同期化させて前記所定の均一温度に制御されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  7. 前記コラムの上部に設けられた上ワイヤヘッド,及び前記コラムから延びる下アームに設けられた下ワイヤヘッドを備え,前記工作物は前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤヘッドとの間に設置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  8. 前記コラムに形成された前記第3液通路は,前記ベッド,前記クロスサドル及び前記加工槽に対向する前記コラムの領域にわたって延びて形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  9. 前記コラムに形成された前記第3液通路は,前記コラムの上部のUV軸ユニットへと延びて形成されていることを特徴とする請求項8に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  10. 前記コラムの上部に設けられたUV軸ユニット,及び前記コラムの上部で前記UV軸ユニットに隣接して設けられたZ軸ユニットを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
  11. 前記恒温液としては,水又は油を選択的に使用することができることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の恒温装置を備えたワイヤ放電加工機。
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