JP5306559B1 - ワイヤ放電加工機および冷却制御装置 - Google Patents

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Abstract

加工液の温度制御応答性を向上させるとともに、加工槽内の加工液の温度変動を抑制させるために、本発明では、ワイヤ放電加工機の加工液の液温度を制御する冷却制御装置(12)において、冷却装置で冷却された直後の加工液の温度を冷却後液温度として測定する冷却後温度センサ(21)と、加工槽1内の加工液の温度を槽内液温度として測定する槽内温度センサ(22)とを備える構成とし、、冷却制御装置(12)は、冷却装置への指令値である冷却指令値に、冷却後液温度をフィードバックする第1の温度フィードバック制御部(31X)と、第1の温度フィードバック制御部(31X)の外側に配置されるとともに、槽内液温度を目標温度に追従させるために、槽内液温度をフィードバックすることによって、冷却指令値を調整する第2の温度フィードバック制御部(33)とを有する構成とした。

Description

本発明は、加工液の温度制御を行うワイヤ放電加工機および冷却制御装置に関する。
ワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極とワーク(被加工物)との間に形成される間隙に電圧を印加し、放電を発生させることによってワークへの加工を行う装置である。ワイヤ放電加工機では、ワイヤ電極とワークとの間に、絶縁、冷却および加工屑の排除などを目的として、加工液を介在させている。この加工液は、電極とワークとの間で発生する放電と、ワークが配置された加工槽に加工液を供給するためのポンプの発熱と、によって温度上昇する。
加工槽内の加工液の温度が上昇した場合、ワークと、ワークを固定するためのテーブルと、機械構造体とが、熱膨張によって変形し、加工精度の悪化または面荒さの悪化につながる。また、極間部の冷却効率が低下するので、ワイヤ電極が断線する場合がある。そのため、ワイヤ放電加工機は、加工槽内の加工液を冷却するための冷却装置を備えている。
加工液の熱影響に起因する加工精度の悪化を抑制するためには、加工液の温度上昇を単純に抑制させるだけでなく、加工液を所定の温度に保つ必要がある。加工液の温度制御を行うためには、例えば、加工槽内などに温度センサが配置される。そして、温度センサで測定する温度が、目標温度に追従するように、加工槽内に供給する加工液が冷却(温度制御)されている。
例えば、従来のワイヤ放電加工機は、冷却装置と、複数の温度センサ(第1〜第3の温度センサ)と、加工液の液面の高さを検出する液面検出器とを有している。そして、第1の温度センサは、冷却装置で冷却された加工液の温度を検出し、第2の温度センサは、加工槽の温度を検出し、第3の温度センサは、機械温度を検出している。このワイヤ放電加工機は、液面検出器が液面の高さに応じて出力する信号に基づいて、第1の温度センサおよび第2の温度センサの何れかを選択する。そして、ワイヤ放電加工機は、選択した温度センサが検出する加工液の温度が、第3の温度センサで検出された目標温度に、近付くよう加工液を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のワイヤ放電加工機としては、水と油などの2種類の加工液を使い分けるワイヤ放電加工機がある。このワイヤ放電加工機では、例えば、水を冷媒にして油を冷却する方式を採用している。この方式の場合、油の加工液は、水の加工液よりも温度が高くなる傾向にある。そのため、ワイヤ放電加工機は、油使用時の目標温度を、水使用時の目標温度よりも下げるための、オフセットフィードフォワード量を用いている。そして、油を使用する加工モード時は、水を使用する加工モード時よりも、前記オフセットフィードフォワード量を増大させている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−125556号公報 特開2009−279670号公報
しかしながら、上記前者の従来技術では、選択する温度センサが切替えられた場合、切替え前後の加工槽内の温度を一定温度に制御することが困難になる。例えば、加工槽外に設置された温度センサを用いる場合、加工槽内の正確な温度を測定できないためである。一方、加工槽内の温度センサを用いる場合においては、加工液を冷却する箇所と温度センサの位置が離れているので、温度制御の応答性が低下する。温度制御の応答性を向上させるために制御ゲインを増加させると、温度変動幅が悪化する。特に、温度外乱が生じる環境においては、加工槽内の加工液の温度を一定に維持する事が困難になる。
また、上記後者の従来技術では、目標温度を下げるためのオフセットフィードフォワード量は、発熱量に応じて条件毎に設定する必要があるが、外部環境の変化によって発熱量が変化する。ところが、発熱量の変化によってオフセットフィードフォワード量を変更することができない。外部環境の変化によっては、加工槽内の温度を一定に保つことが困難になるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加工液の温度制御応答性を向上させるとともに、加工槽内の加工液の温度変動を抑制させることができるワイヤ放電加工機および冷却制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、加工液で満たされるとともにワークへの加工が行なわれる加工槽と、前記加工槽へ前記加工液を供給する加工液供給装置と、前記加工液を冷却する冷却装置と、前記冷却装置を制御することによって前記加工液の液温度を制御する冷却制御装置と、前記冷却装置で冷却された直後の加工液の温度を冷却後液温度として測定する冷却後温度センサと、前記加工槽内の前記加工液の温度を槽内液温度として測定する槽内温度センサと、を備え、前記冷却制御装置は、前記冷却装置に前記加工液を所定温度まで冷却させるための指令値である冷却指令値に、前記冷却後液温度をフィードバックする第1の温度フィードバック制御部と、前記第1の温度フィードバック制御部の外側に配置されるとともに、前記槽内液温度を目標温度に追従させるために、前記槽内液温度をフィードバックすることによって、前記冷却指令値を調整する第2の温度フィードバック制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、加工液の温度制御応答性を向上させるとともに、加工槽内の加工液の温度変動を抑制させることが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工機の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る液温度制御方法の第1例の概念を説明するための図である。 図3は、実施の形態1に係る液温度制御方法の第2例の概念を説明するための図である。 図4−1は、従来の液温度制御結果を示す図である。 図4−2は、実施の形態1の液温度制御結果を示す図である。 図5は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工機の他の構成例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る液温度制御方法の概念を説明するための図である。 図7は、加工工程と初期オフセット量との対応関係を示す図である。 図8は、加工工程毎に初期オフセット量を切替えるとともに、外部環境の変化に応じてオフセット量を補正する場合の、液温度制御処理手順を示すフローチャートである。 図9は、加工工程が切替えられた後の、液温度制御処理手順を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態に係るワイヤ放電加工機および冷却制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工機の構成を示す図である。ワイヤ放電加工機101は、ワイヤ電極2とワーク(被加工物)3との間に形成される間隙に電圧を印加し、放電を発生させることによってワーク3への加工を行う装置である。
ワイヤ放電加工機101は、加工槽1と、汚液槽5と、清液槽8と、フィルタポンプ6と、加工液ポンプ9と、循環用ポンプ10と、フィルタ7と、を備えている。また、ワイヤ放電加工機101は、冷却装置11と、冷却制御装置12と、機械構造体13と、第1〜第3の温度センサと、を備えている。
第1の温度センサは、冷却装置11で冷却された直後の加工液4の温度を測定する温度センサ(以下、冷却後温度センサ21という)である。第2の温度センサは、加工槽1内の加工液4の温度を測定する温度センサ(以下、槽内温度センサ22という)である。第3の温度センサは、機械構造体13の温度を測定する温度センサ(以下、機械温度センサ23という)である。なお、以下では、加工液4の温度を液温度といい、機械構造体13の温度を機械温度という。
加工槽1は、ワーク3への加工が行なわれる槽である。汚液槽5は、加工槽1内で加工屑が混ざってしまった加工液4を回収する槽である。清液槽8は、汚液槽5によって回収された後に濾過された加工液4を貯留する槽である。
フィルタポンプ6は、汚液槽5によって回収された加工液4を汲み上げてフィルタ7に送るポンプである。フィルタ7は、フィルタポンプ6によって汲み上げられた加工液4を濾過する。加工液ポンプ9は、清液槽8に貯留されている加工液4を汲み上げて加工槽1に送るポンプである。循環用ポンプ10は、清液槽8に貯留されている加工液4を汲み上げて冷却装置11に送るポンプである。
冷却装置11は、冷却制御装置12からの指示に従って加工液4を冷却する。本実施の形態の冷却装置11は、加工槽1内の加工液4の温度変動が抑制されるよう、加工液4を所望の温度に冷却する。
冷却制御装置12には、第1の温度センサである冷却後温度センサ21と、第2の温度センサである槽内温度センサ22と、第3の温度センサである機械温度センサ23と、が接続されている。冷却制御装置12は、第1〜第3の温度センサで検出された液温および機械温度に基づいて、冷却装置11を制御する。
加工槽1の中には、ワイヤ電極2に対向する位置にワーク3が配置される。また、加工槽1内は、加工液4で満たされている。加工槽1内に溜められた加工液4は、放電によって生じた加工屑が混ざり合っているので、加工液4が加工槽1から汚液槽5に流出するよう加工槽1は構成されている。
ここで、加工液4の循環手順について説明する。加工槽1内の加工液4は、汚液槽5によって回収される。汚液槽5によって回収、貯留された加工液4は、フィルタポンプ6によって汲み上げられ、フィルタ7を通して濾過される。そして、フィルタ7で濾過された加工液4は、加工屑が取り除かれた状態で清液槽8に供給される。
清液槽8に供給された加工液4は、加工液ポンプ9と循環用ポンプ10とによって加工槽1へ再び供給されるサイクルになっている。ただし、循環用ポンプ10によって加工槽1に供給される加工液4は、冷却装置11を介することによって目標温度に冷却される。
このとき、冷却制御装置12は、第1〜第3の温度センサで検出された液温および機械温度に基づいて、冷却装置11を制御する。このように、ワイヤ放電加工機101は、第1〜第3の温度センサで検出された温度に基づいて、加工液4への温度制御を行う。
図2は、実施の形態1に係る液温度制御方法の第1例の概念を説明するための図である。ワイヤ放電加工機101は、液温度制御機構201を備えている。液温度制御機構201は、加工液4の液温度を制御するものであり、冷却制御装置12、冷却装置11(ここでは図示せず)、加工槽1、冷却後温度センサ21、槽内温度センサ22などを含んで構成されている。
本実施の形態の冷却制御装置12は、第1の温度フィードバック制御部31Xと、第2の温度フィードバック制御部33とを有している。第2の温度フィードバック制御部33は、前記第1の温度フィードバック制御部31Xの外側(時系列的な後段側)に配置され、第1の温度フィードバック制御部31Xの指令値を調整する。具体的には、第2の温度フィードバック制御部33は、加工液4を所望の温度にするための温度指令値と、槽内温度センサ22によって測定された液温度(以下、槽内液温度という)と、に基づいて、第1の温度フィードバック制御部31Xの指令値を調整する。換言すると、第2の温度フィードバック制御部33は、第1の温度フィードバック制御部31Xの指令値に、加工槽1内の液温度である槽内液温度と温度指令値の差分をフィードバックする。これにより、加工液4の温度制御の高精度化と高応答化が実現される。
外部環境(外部温度)の変化がある場合にも高精度加工を行うためには、加工槽1内の温度を機械構造体13の温度に追従させることが一般的である。そのため、本実施の形態では、加工液4を所望の温度にするための温度指令値(追従指令値)を、例えば、機械温度センサ23で測定された機械温度とする。なお、加工液4を所望の温度にするための温度指令値は、機械温度以外の温度であってもよい。
第1の温度フィードバック制御部31Xは、第2の温度フィードバック制御部33から出力された指令値と、冷却後温度センサ21によって測定された液温度(以下、冷却後液温度という)と、に基づいて、冷却装置11に出力する指令値を調整する。換言すると、第1の温度フィードバック制御部31Xは、冷却装置11に出力する指令値に、冷却装置11で冷却された直後の加工液4の温度をフィードバックする。これにより、加工液4を温度制御する際に、加工工程に応じて発熱量が変化しても、発熱量を補償することが可能となる。
冷却装置11は、第1の温度フィードバック制御部31Xから出力された指令値に基づいて、加工液4を冷却する。冷却装置11で冷却された加工液4は、温度外乱が加算されて加工槽1に供給される。加工槽1における加工液4の温度(槽内液温度)は、槽内温度センサ22によって測定され、第2の温度フィードバック制御部33に送られる。
なお、第1の温度フィードバック制御部31Xは、加工工程に応じた発熱量を補償するための、フィードフォワード量を用いて、冷却装置11への指令値を生成してもよい。図3は、実施の形態1に係る液温度制御方法の第2例の概念を説明するための図である。なお、図3の各構成要素のうち図2に示す液温度制御機構201と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
ここでのワイヤ放電加工機101は、液温度制御機構202を備えている。液温度制御機構202は、液温度制御機構201と比較して、第1の温度フィードバック制御部31Xの代わりに第1の温度フィードバック制御部31Yを有している。また、液温度制御機構202は、第1の温度フィードバック制御部31Yの外側に、記憶部30とフィードフォワード制御部35とを有している。このように、液温度制御機構202では、液温度制御機構201の一部を変えている。
記憶部30は、加工工程に応じた発熱量を補償するためのフィードフォワード量32を記憶するメモリなどである。フィードフォワード量32としては、各加工工程の発熱量に応じた値が設定される。
フィードフォワード制御部35は、第2の温度フィードバック制御部33から出力された指令値と、記憶部30で記憶されているフィードフォワード量32と、に基づいて、第1の温度フィードバック制御部31Yの指令値を調整する。
具体的には、フィードフォワード制御部35は、第2の温度フィードバック制御部33からの出力値に、加工工程の種類に応じたフィードフォワード量32を加算する。換言すると、フィードフォワード制御部35は、第2の温度フィードバック制御部33からの出力値に、加工工程の種類に応じたフィードフォワード量32をフィードフォワードする。第1の温度フィードバック制御部31Yは、フィードフォワード制御部35から出力された指令値と、冷却後液温度と、に基づいて、冷却装置11に出力する指令値を調整する。
これにより、加工工程(加工モード)の種類を切替える際の発熱量の変化を速やかに補償することができる。そして、発熱補償を行なうことによって、加工槽1内の温度を、機械温度センサ23からの温度指令値に追従させることが可能となる。また、加工工程が切替えられた直後の加工液4の温度変動を抑制することが可能となる。
図4−1は、従来の液温度制御結果を示す図であり、図4−2は、実施の形態1の液温度制御結果を示す図である。図4−1および図4−2における横軸は時間であり、縦軸は温度である。図4−1では、加工槽内の液温度の推移を温度推移T1で示し、冷却装置の出口における液温度の推移を温度推移T2で示し、機械温度の推移を温度推移T3で示している。また、図4−2では、槽内液温度の推移を温度推移T11で示し、冷却装置11の出口における液温度(冷却後液温度)(冷却装置出口温度)の推移を温度推移T12で示し、機械温度の推移を温度推移T13で示している。図4−1および図4−2では、段取り工程、荒加工工程、仕上げ加工工程の順番でワイヤ放電加工の各加工工程が実施される場合の液温度制御結果を示している。
従来の液温度制御方法では、加工槽内の温度推移T1において、温度変動41,42などが生じるとともに、冷却装置の出口における温度推移T2において、工程切替え時の制御追従の遅れ43が生じている。また、従来の液温度制御方法では、機械温度(目標温度)と加工槽内の液温度との間(温度推移T3と温度推移T1の間)に制御誤差44が生じている。
本実施の形態の液温度制御方法では、発熱量を補償するためのオフセット量(補正前のオフセット量および補正後のオフセット量の少なくとも一方)を加工工程(段取り工程時、荒加工工程時、仕上げ加工工程時)毎に切替えている。図4−2では、段取り工程時に発熱補償51を行い、荒加工工程時に発熱補償52を行い、仕上げ加工工程時に発熱補償53を行った場合の液温度制御結果を示している。
加工槽1内の温度推移T11に示すように、温度変動は、ほとんど生じていない。また、冷却後液温度の温度推移T12に示すように、加工工程が切替られた際の制御追従の遅れは、ほとんど生じていない。また、機械温度(目標温度)と槽内液温度との間(温度推移T13と温度推移T11との間)に制御誤差は、ほとんど生じていない。
このように、発熱量を補償するためのオフセット量を加工工程毎に切替えることによって、槽内液温度を機械温度に対して常に追従させることが可能となる。また、加工工程が切替えられた際に発熱量が急激に変化しても、槽内液温度の変化を最小限に抑制することができる。
なお、加工液4を加工槽1に供給する加工液供給系は、図1に示した構成に限らない。図5は、実施の形態1に係るワイヤ放電加工機の他の構成例を示す図である。なお、図5の各構成要素のうち図1に示すワイヤ放電加工機101と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。ワイヤ放電加工機102は、図1に示したワイヤ放電加工機101と同様の構成要素を備えている。
ワイヤ放電加工機102では、清液槽8の加工液4を循環用ポンプ10で汲み上げるとともに、汲み上げた加工液4を冷却装置11および加工槽1に送っている。冷却装置11に送られた加工液4は、冷却装置11で温度制御された後、清液槽8に戻される。
加工液供給系が、ワイヤ放電加工機102に示す構成であっても、加工液供給系がワイヤ放電加工機101に示す構成である場合と同様の効果を奏する。これは、加工槽1に加工液4を供給する際に、加工液4が、発熱要素となる加工液ポンプ9と循環用ポンプ10とを必ず介するので、発熱量の補償が必要となるからである。このように、ポンプを介して加工液4を供する全ての加工液供給系(加工液回路系)において、本実施の形態の液温度制御方法は有効である。
以上説明したように、本実施の形態のワイヤ放電加工機101,102は、冷却装置11を制御することによって加工液4の液温度を制御する冷却制御装置12を備えている。また、ワイヤ放電加工機101,102は、冷却装置11で冷却された直後の加工液4の温度を冷却後液温度として測定する冷却後温度センサ21と、加工槽1内の加工液4の温度を槽内液温度として測定する槽内温度センサ22と、を備えている。
そして、冷却制御装置12は、冷却装置11に加工液4を所定温度まで冷却させるための指令値である冷却指令値に、冷却後液温度をフィードバックする第1の温度フィードバック制御部31Xを有している。また、冷却制御装置12は、第1の温度フィードバック制御部31Xの外側に配置され、槽内液温度を目標温度に追従させるために、槽内液温度をフィードバックすることによって、冷却指令値を調整する第2の温度フィードバック制御部33を有している。
また、記憶部30は、フィードフォワード量32を加工工程の種類毎に記憶している。さらに、フィードフォワード制御部35は、加工工程の種類に応じたフィードフォワード量32を、第1の温度フィードバック制御部31Yの指令値に加算している。
このように、実施の形態1によれば、槽内液温度と冷却後液温度を用いて冷却装置11の指令値を調整するので、加工液4の温度制御応答性を向上させることができるとともに、外部環境の変化によらず槽内液温度の変動を抑制できる。したがって、槽内液温度を目標温度に一致させることができる。
また、ワイヤ放電加工機101,102が、冷却装置11に出力する指令値を、フィードフォワード量32を用いて調整するので、加工工程が切替えられた際の発熱量の変化を速やかに補償できる。これにより、加工工程が切替えられた直後の加工液4の温度変動を抑制することができる。したがって、槽内液温度を目標温度に速やかに一致させることができる。
このように、槽内液温度を目標温度に一致させることができるので、高精度な加工および面荒さの向上を実現できるとともに、ワイヤ電極2の断線を防止することが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図6〜図9を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、冷却装置11への指令値に初期オフセット量を与える。また、加工工程毎に初期オフセット量を変更する。また、外部環境の変化に応じて初期オフセット量を補正する。
実施の形態2では、実施の形態1で説明したワイヤ放電加工機101,102の何れかを用いて、加工液4の液温度制御を行う。なお、以下では、ワイヤ放電加工機101を用いて加工液4の液温度制御を行う場合について説明する。
図6は、実施の形態2に係る液温度制御方法の概念を説明するための図である。本実施の形態のワイヤ放電加工機101は、液温度制御機構203を備えている。液温度制御機構203は、加工液4の液温度を制御するものであり、記憶部40、冷却制御部36、補正部37などを含んで構成されている。記憶部40、冷却制御部36、補正部37は、冷却制御装置12内に配置されている。
記憶部40は、発熱量を補償するための初期オフセット量41を記憶するメモリなどである。初期オフセット量41は、加工工程で発生する発熱量を補償するための値である。そのため、初期オフセット量41は、加工工程毎に設定される。
冷却制御部36は、機械温度センサ23で測定された機械温度(温度指令値)に対して初期オフセット量41を加算した値と、冷却後温度センサ21によって測定された液温度(冷却後液温度)と、に基づいて、冷却装置11に出力する指令値を調整する。
具体的には、冷却制御部36は、温度指令値に対して初期オフセット量41を加算した値が、冷却後液温度に一致するよう温度制御を行う。このように、冷却制御部36は初期オフセット量41を用いることによって、発熱量を補償した温度制御を行っている。したがって、加工液4の温度制御を高応答化させること、加工槽1内の温度変動を低減させること、および、槽内液温度を機械温度と一致させることが可能となる。
また、補正部37は、槽内温度センサ22で測定された槽内液温度と機械温度センサ23で測定された機械温度との差分(以下、液温度差分という)を用いて、初期オフセット量41を補正する。具体的には、液温度差分が初期オフセット量41に加算される。補正部37は、補正した初期オフセット量41を冷却制御部36の指令値に加算する。
このように、補正部37は、液温度差分を用いて初期オフセット量41を補正するので、外部環境の変化が発生した場合、または加工工程毎の発熱量が変化した場合であっても、槽内液温度を、機械温度に追従させることが可能となる。
なお、ここで説明した初期オフセット量41は、フィードフォワード量32に対応している。また、冷却制御部36が、第1の温度フィードバック制御部31Yに対応している。また、補正部37が、第2の温度フィードバック制御部33と、フィードフォワード制御部35に対応している。
また、冷却制御部36および補正部37による処理が、後述するステップS6の処理に対応する。また、液温度差分を補正部37に出力する処理が、後述するステップS9の処理に対応する。
初期オフセット量41は、各加工工程で発生する発熱量を補償するための値であるので、加工工程を切替えることによって発熱量が変化する場合には、初期オフセット量41も変更後の加工工程に応じた値に変更する。
図7は、加工工程と初期オフセット量との対応関係を示す図である。補正部37は、加工工程に応じた初期オフセット量41を用いて、冷却制御部36への指令値を生成する。例えば、段取り工程(槽循環)(ST1)においては、図1に示した加工液供給系において、加工液ポンプ9が停止し、循環用ポンプ10が動作する。このように、加工槽1内のテーブル下部のみに加工液4が供給されることによって、加工槽1内の温度ならし運転が開始される。循環用ポンプ10の運転に起因する加工液4の発熱は、冷却装置11によって低減されるので、加工槽1内に発生する発熱量は、外気温からの影響のみとなる。このため、段取り工程においては、外気温からの影響に応じた初期オフセット量Aが設定される。
また、荒加工工程(ST2)においては、冷却装置11を介さない加工液ポンプ9から、大量の加工液4が加工槽1内に供給される。加工液ポンプ9からは、例えば、上下ワイヤノズルを介して加工槽1内に加工液4が供給される。このため、加工液ポンプ9の動作に起因する加工液4の発熱と、放電による発熱に起因して加工槽1内に発生する発熱量と、が大幅に増加する。このため、荒加工工程においては、加工液ポンプ9が大量の加工液4を供給する動作に起因する発熱量と、放電に起因する発熱量と、の合計発熱量に応じた初期オフセット量Bが設定される。
また、仕上げ加工工程(ST3)においては、冷却装置11を介さない加工液ポンプ9から、加工液4が供給されるものの、荒加工工程時よりは供給量が絞られている。このため、加工液ポンプ9の動作に起因する加工液4の発熱と、放電に起因する発熱と、は荒加工工程と同様に発生するが、加工槽1内に発生する発熱量は荒加工工程時よりも低下する。このため、仕上げ加工工程においては、加工液ポンプ9が小量の加工液4を供給する動作に起因する発熱量と、放電に起因する発熱量と、の合計発熱量に応じた初期オフセット量Cが設定される。このように、本実施の形態では、発熱量を補償するための初期オフセット量41を加工工程毎に予め設定しておき、加工工程毎に初期オフセット量41を切替える。
図8は、加工工程毎に初期オフセット量を切替えるとともに、外部環境の変化に応じてオフセット量を補正する場合の、液温度制御処理手順を示すフローチャートである。なお、本実施の形態におけるオフセット量は、補正前の初期オフセット量41および補正後の初期オフセット量41の少なくとも一方である。発熱量の変化は、段取り工程時、荒加工工程時、仕上げ加工工程時で区分可能であるので、一例として、前記3つの工程で初期オフセット量41を切替える場合の、液温度制御処理手順について説明する。
ワイヤ放電加工機101が運転を開始した後、冷却制御装置12では、加工中か非加工中かの判定が行われる(ステップS1)。非加工中の場合は(ステップS1、Yes)、初期オフセット量Aが選択される(ステップS2)。そして、図3で説明した液温度制御が行われる(ステップS6)。
加工中の場合には(ステップS1、No)、冷却制御装置12は、荒加工工程であるか否かの判断を行う(ステップS3)。荒加工工程である場合(ステップS3、Yes)、荒加工工程での発熱量に応じた初期オフセット量Bが選択される(ステップS4)。また、仕上げ加工工程である場合(ステップS3、No)、仕上げ加工工程に応じた初期オフセット量Cが選択される(ステップS5)。
そして、初期オフセット量Bまたは初期オフセット量Cが選択されると、図3で説明した液温度制御が行われる(ステップS6)。このように、加工工程毎に最適な初期オフセット量41が選択されることによって、槽内液温度は機械温度に追従することとなる。
冷却制御装置12は、液温度制御中に加工工程が変化するか否かを監視している。加工工程が切替えられる(モード切替が行われる)と(ステップS7、Yes)、冷却制御装置12は、再び初期オフセット量41を選択するフローに戻る。これにより、ステップS1〜S6の処理が繰り返される。
初期オフセット量41は、発熱量を補償した値であるものの、外部環境の変化によって実際の発熱量が変化する場合がある。このため、冷却制御装置12は、槽内液温度に基づいて初期オフセット量41を補正する(図6参照)。具体的には、加工工程が切替えられなければ(ステップS7、No)、冷却制御装置12(補正部37)は、外部環境の変化に応じて初期オフセット量を補正する。加工工程が切替えられた直後は、槽内液温度の偏りが大きい。このため、加工工程が切替えられた後、冷却制御装置12は、冷却後温度センサ21によって測定された液温度が、冷却制御部36に入力される指令値(以下、冷却指令値という)に最初に到達したか否かを判断する(ステップS8)。換言すると、冷却装置11を通過した直後の液温度が、冷却指令値に最初に到達するまでの期間が判断される。
冷却後液温度が、冷却指令値に最初に到達していなければ(ステップS8、No)、冷却制御装置12は、第2の温度フィードバック制御部33によるフィードバック処理、または液温度差分を用いてオフセット量を補正する処理(図6参照)を無効化する。
冷却制御装置12は、冷却後液温度が、冷却指令値に最初に到達した後には(ステップS8、Yes)、第2の温度フィードバック制御部33による処理、または液温度差分を用いて初期オフセット量41を補正する処理、補正された初期オフセット量41をさらに補正する処理(図6参照)を行う(ステップS9)。これにより、加工工程が切替えられた直後の液温度制御安定性を維持することができる。
なお、図7および図8で説明した、荒加工工程と仕上げ加工工程とは、加工液4の供給量の設定値、または加工液4を供給する径路に備えられた流量計の値に基づいて判別してもよい。これは、加工槽1内に生じる発熱は、加工液ポンプ9から供給される加工液4の量に大きく依存するためである。そのため、オフセット量(初期オフセット量または補正後のオフセット量)を荒加工工程と仕上げ加工工程とで区分するのではなく、加工液4の供給量毎にオフセット量を細分化したテーブルを用意しておいてもよい。この場合、前記テーブルにおいて、加工液4の供給量とオフセット量とを対応付けしておく。そして、冷却制御装置12は、テーブル内から加工液4の供給量に応じたオフセット量を抽出して液温度制御に用いる。また、冷却制御装置12は、加工液4の供給量を変数としてオフセット量を算出する算出式を用いて、加工液4の供給量に応じたオフセット量を算出してもよい。
図9は、加工工程が切替えられた後の、液温度制御処理手順を示すフローチャートである。図8では、加工工程が切替えられたことで発熱量が変化した場合に、加工槽1内の温度を発熱量の変化に応じた制御に速やかに切替えるためのフローを示している。
冷却制御装置12は、加工工程が切替えられた後、冷却後液温度が冷却指令値に最初に到達したか否かを判断する機能(判断部)を備えている。ワイヤ放電加工機101が液温度制御機構201または液温度制御機構202を備えている場合には、第2の温度フィードバック制御部33が判断部として動作する。また、ワイヤ放電加工機102が液温度制御機構203を備えている場合には、冷却制御部36が判断部として動作する。
判断部は、加工工程が切替えられた後、冷却後液温度が冷却指令値に最初に到達したか否かを判断する(ステップS11)。判断部は、冷却後液温度が冷却指令値に最初に到達するまでの期間は(ステップS11、No)、温度制御の応答性に関する制御ゲインを高設定に変更(制御パラメータを高ゲインに設定)する(ステップS12)。そして、加工工程がこのまま切替えられなければ(ステップS13、Yes)、判断部は、制御ゲインを高設定の状態で維持して次のステップに進む。一方、加工工程が切替えられた場合(ステップS13、No)、判断部は、ステップS11〜S14の処理を繰り返す。
一方、判断部は、冷却後液温度が指令値に到達した後には(ステップS11、Yes)、制御ゲインを低設定に変更し(ステップS14)、次のステップに進む。このように、加工工程が切替えられた直後は、制御ゲインが高い値に設定されるので液温度の制御応答性を向上させることができる。また、通常の液温度制御時には、制御ゲインが低い値に設定されるので、液温度の変動幅を抑制することができる。
図8または図9で説明した液温度制御方法を用いることによって、図4−2に示したような液温度制御結果を得ることができる。本実施の形態では、発熱量を補償するためのオフセット量を加工工程毎に切替えることによって、槽内液温度を機械温度に常に追従させることができる。また、加工工程が切替えられた際の発熱量の急激な変化に対しても、槽内液温度の変化を最小限に抑制することができる。また、本実施の形態においても、図1で示した加工液供給系だけでなく、図5に示したような加工液供給系に対しても同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態のワイヤ放電加工機101,102は、機械構造体13の温度を機械温度として測定する機械温度センサ23を備えている。そして、追従指令値を、例えば機械温度としている。また、冷却制御装置12は、発熱量を補償するための初期オフセット量41を記憶しておく記憶部40を有している。そして、冷却制御部36は、機械温度に初期オフセット量41が加算された指令値を冷却指令値とし、当該冷却指令値に、冷却後液温度をフィードバックしている。
また、冷却制御装置12は、槽内液温度と機械温度との差分を用いて初期オフセット量41を補正する補正部37を有している。また、冷却制御装置12は、加工工程の種類が切替えられた後、第1の温度フィードバック制御部31Yに入力される冷却指令値に、冷却後液温度が最初に到達するまで、第2の温度フィードバック制御部33が冷却指令値を調整する処理を無効化している。
また、冷却制御装置12は、加工工程の種類が切替えられた後、第1の温度フィードバック制御部31Yに入力される冷却指令値に、冷却後液温度が最初に到達するまで、補正部37がオフセット量を補正する処理を無効化している。
また、冷却制御装置12は、加工工程の種類が切替えられた後、第1の温度フィードバック制御部31Yに入力される冷却指令値に、冷却後液温度が最初に到達するまでの期間は、温度制御の応答性に関する制御ゲインを高設定にし、到達後には制御ゲインを低設定にしている。
また、記憶部40は、初期オフセット量41を加工工程の種類毎に記憶しておき、冷却制御部36は、加工工程の種類に応じた初期オフセット量が機械温度に加算された指令値を、冷却指令値としている。
このように、実施の形態2によれば、温度指令値に対して初期オフセット量41を加算した値が、冷却後液温度に一致するよう温度制御を行うので、温度制御応答性を向上させることが可能となる。
また、液温度差分を用いて初期オフセット量41を補正するので、外部環境の変化が発生した場合、または加工工程毎の発熱量が変化した場合であっても、槽内液温度の変動を抑制することができる。
このように、液温度の温度制御応答性を向上させることができるとともに、槽内液温度の変動を抑制することができるので、槽内液温度を機械温度に追従させることが可能となる。
また、冷却後液温度が冷却指令値に最初に到達するまでは、冷却後液温度を用いたフィードバック処理、または液温度差分を用いたオフセット量の補正処理を無効化している。このため、加工工程を切替えた直後に加工槽1内に温度の偏りが発生した場合であっても、液温度制御を安定化させることが可能となる。また、発熱量を補償するためのフィードフォワード量32およびオフセット量を正確に補正することが可能となる。
また、冷却後液温度が冷却指令値に最初に到達するまでは、制御ゲインを高設定にし、到達後には制御ゲインを低設定にしているので、加工工程を切替えた直後の発熱量変化によって槽内液温度が変化したとしても、液温度制御の追従性を向上させることが可能となる。
また、フィードフォワード量32および初期オフセット量41が、加工工程に応じた値に変更されるので、加工工程を切替えた場合であっても、各加工工程で発生する発熱量を適切に補償することが可能となる。
以上のように、本発明に係るワイヤ放電加工機および冷却制御装置は、加工液の温度制御に適している。
1 加工槽、2 ワイヤ電極、3 ワーク、4 加工液、5 汚液槽、6 フィルタポンプ、7 フィルタ、8 清液槽、9 加工液ポンプ、10 循環用ポンプ、11 冷却装置、12 冷却制御装置、13 機械構造体、21 冷却後温度センサ、22 槽内温度センサ、23 機械温度センサ、30,40 記憶部、31X,31Y 第1の温度フィードバック制御部、33 第2の温度フィードバック制御部、35 フィードフォワード制御部、36 冷却制御部、37 補正部、101,102 ワイヤ放電加工機、201〜203 液温度制御機構。

Claims (11)

  1. 加工液で満たされるとともにワークへの加工が行なわれる加工槽と、
    前記加工槽へ前記加工液を供給する加工液供給装置と、
    前記加工液を冷却する冷却装置と、
    前記冷却装置を制御することによって前記加工液の液温度を制御する冷却制御装置と、
    前記冷却装置で冷却された直後の加工液の温度を冷却後液温度として測定する冷却後温度センサと、
    前記加工槽内の前記加工液の温度を槽内液温度として測定する槽内温度センサと、
    を備え、
    前記冷却制御装置は、
    前記冷却装置に前記加工液を所定温度まで冷却させるための指令値である冷却指令値に、前記冷却後液温度をフィードバックする第1の温度フィードバック制御部と、
    前記第1の温度フィードバック制御部の外側に配置されるとともに、前記槽内液温度を目標温度に追従させるために、前記槽内液温度をフィードバックすることによって、前記冷却指令値を調整する第2の温度フィードバック制御部と、
    を有することを特徴とするワイヤ放電加工機。
  2. 前記冷却制御装置は、
    前記第1の温度フィードバック制御部の外側に配置されるとともに、加工工程で発生する発熱量を補償するためのフィードフォワード量を記憶しておく第1の記憶部と、
    前記フィードフォワード量を、前記冷却指令値に加算するフィードフォワード制御部と、
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 機械構造体の温度を機械温度として測定する機械温度センサ、
    をさらに備え、
    前記目標温度は、前記機械温度であり、
    前記冷却制御装置は、
    前記発熱量を補償するためのオフセット量を記憶しておく第1の記憶部、
    をさらに有し、
    前記第1の温度フィードバック制御部は、前記機械温度に前記オフセット量が加算された指令値を前記冷却指令値とし、当該冷却指令値に、前記冷却後液温度をフィードバックすることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  4. 前記冷却制御装置は、前記槽内液温度と前記機械温度との差分を用いて前記オフセット量を補正する補正部、
    をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工機。
  5. 前記冷却制御装置は、加工工程の種類が切替えられた後、前記第1の温度フィードバック制御部に入力される冷却指令値に、前記冷却後液温度が最初に到達するまで、前記第2の温度フィードバック制御部が前記冷却指令値を調整する処理を無効化することを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  6. 前記冷却制御装置は、加工工程の種類が切替えられた後、前記第1の温度フィードバック制御部に入力される冷却指令値に、前記冷却後液温度が最初に到達するまで、前記補正部が前記オフセット量を補正する処理を無効化することを特徴とする請求項4に記載のワイヤ放電加工機。
  7. 前記冷却制御装置は、加工工程の種類が切替えられた後、前記第1の温度フィードバック制御部に入力される冷却指令値に、前記冷却後液温度が最初に到達するまでの期間は、温度制御の応答性に関する制御ゲインを高設定にし、到達後には前記制御ゲインを低設定にすることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  8. 前記第1の記憶部は、前記フィードフォワード量を加工工程の種類毎に記憶しておき、
    前記フィードフォワード制御部は、前記加工工程の種類に応じたフィードフォワード量を、前記出力指令値に加算することを特徴とする請求項2に記載のワイヤ放電加工機。
  9. 前記第1の記憶部は、前記オフセット量を加工工程の種類毎に記憶しておき、
    前記第1の温度フィードバック制御部は、前記加工工程の種類に応じたオフセット量が前記機械温度に加算された指令値を、前記冷却指令値とすることを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工機。
  10. 前記加工工程の種類は、段取り工程、荒加工工程および仕上げ加工工程の何れかであることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工機。
  11. 加工液で満たされるとともにワークへの加工が行なわれる加工槽と、
    前記加工槽へ前記加工液を供給する加工液供給装置と、
    前記加工液を冷却する冷却装置と、
    前記冷却装置で冷却された直後の加工液の温度を冷却後液温度として測定する冷却後温度センサと、
    前記加工槽内の前記加工液の温度を槽内液温度として測定する槽内温度センサと、
    を備えたワイヤ放電加工機に対し、
    前記冷却装置を制御することによって前記加工液の液温度を制御するともに、
    前記冷却装置に前記加工液を所定温度まで冷却させるための指令値である冷却指令値に、前記冷却後液温度をフィードバックする第1の温度フィードバック制御部と、
    前記第1の温度フィードバック制御部の外側に配置されるとともに、前記槽内液温度を目標温度に追従させるために、前記槽内液温度をフィードバックすることによって、前記冷却指令値を調整する第2の温度フィードバック制御部と、
    を有することを特徴とする冷却制御装置。
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