JPH09216131A - 放電加工機の加工液温度制御方法 - Google Patents

放電加工機の加工液温度制御方法

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JPH09216131A
JPH09216131A JP2422496A JP2422496A JPH09216131A JP H09216131 A JPH09216131 A JP H09216131A JP 2422496 A JP2422496 A JP 2422496A JP 2422496 A JP2422496 A JP 2422496A JP H09216131 A JPH09216131 A JP H09216131A
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Seiji Suzuki
政治 鈴木
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工槽への加工液の循環供給の開始後直ちに
放電加工作業を開始でき、しかも放電加工精度をおとす
ことがない放電加工機の加工液温度制御方法を提供す
る。 【解決手段】 加工液タンクから加工槽への加工液循環
に先立ち、液温調節装置によって加工液タンク内の加工
液温度T3 をテーブル温度T2 と同一ないし近接するよ
うに調節し、その後、前記加工液循環を開始し、以降
は、テーブル温度T 2 が徐々に機体温度T1 に近づき、
最終的に前記3部位の温度が略一致するように、加工液
温度T3 を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工液タンクとワ
ークを載置したテーブルを囲繞する加工槽との間で液温
調節された加工液を循環させて放電加工を行う放電加工
機の加工液温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放電加工機においては、図3に示
したように、放電加工作業の際に先ず加工槽への加工液
の循環供給が開始され、加工槽内には、テーブル温度と
は温度差のある加工液(図3の例では冷たい加工液)が
流入する(例えば、実公昭48−27351号公報参
照)。このため、加工槽内のテーブル等の構造部材は、
急激な温度変化を受け、それぞれの部材は局所的な温度
差を生じ、その温度差による内部応力で部材の歪(変
形)が発生する。そして時間経過と共に加工液温度は機
体温度に近づいてテーブル全体が略均一な温度になる
が、テーブルとこれを支持する装置本体部分に生じた変
形は引き続き存在し、この変形が消失するには極めて長
時間を要する。
【0003】斯かるテーブル及び装置本体の内部の変形
は、放電加工機のいわゆる熱変形の原因となる、すなわ
ち、主軸に取付けた電極位置とワークの固定位置との相
対関係が変化・変動するために放電加工精度が極端に悪
化する。現状では、これを簡易に解決するために、上記
加工液の循環供給を開始してから充分な時間が経過した
後、すなわち、時間経過により装置内部の温度差が消失
してワーク位置が熱的に安定したと思われる頃合いを見
計らって、放電加工を開始するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、装置内部の
上記温度差が消失したか否かを定量的に把握することは
容易ではなく、作業者の経験を頼りに上記経過時間を例
えば2〜3時間と設定していることもあり、これは不経
済である。そこで、本発明は、加工槽への加工液の循環
供給により生ずるテーブル近傍の部材の局部的な温度変
化を極力少くし、熱変形による放電加工精度の劣化を抑
えることが可能な放電加工機の加工液温度制御方法を実
現することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る放電加工機の加工液温度制御方法は、加
工液タンクとワークを載置したテーブルを囲繞する加工
槽との間で液温調節された加工液を循環させて放電加工
を行う放電加工機において、基台等加工熱の影響を受け
にくい部位の温度を機体温度(T1 )として検出し、前
記テーブルやテーブル近傍の加工熱の影響を受け易い部
位の温度をテーブル温度(T2 )として検出し、液温調
節の可能な加工液タンクに貯留された加工液の温度を加
工液温度(T3 )として検出し、まず前記テーブル温度
(T2 )と前記加工液温度(T3)との温度差が所定範
囲に入るように前記加工液温度(T3 )を調節し、前記
温度差が所定範囲に入ったとき前記加工槽への加工液の
循環を開始し、その後、前記テーブル温度(T2 )が徐
々に前記機体温度(T1 )になるように前記加工液温度
(T3 )を調節することを構成上の特徴とする。好まし
くは、前記テーブル温度(T2 )が徐々に前記機体温度
(T1 )になるように前記加工液温度(T3)を調節す
る際、前記テーブル温度(T2 )の変温率が予め決めら
れた所定変温率に従うように制御する。
【0006】
【作用】本発明によれば、加工液の循環に先立ち、液温
調節装置によってタンク内の加工液温度(T3 )をテー
ブル温度(T2 )と同一ないし近接するように調節し、
その後、前記加工液循環を開始し、以降は、テーブル温
度(T2 )が長時間かけて徐々に機体温度(T1 )に近
づき、最終的に前記3部位の温度が略一致するように、
加工液温度(T3 )を制御するので、機体温度と加工液
温度との差に起因して生じていた熱変位が大幅に低減な
いしなくなり、放電加工における加工精度が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図2は、本発明の一実施の形態の
放電加工機の全体概略構成図である。同図を参照する
と、本実施形態のいわゆる形彫り放電加工装置1は、装
置底部のベッド3と、ベッド3の後側に立設したコラム
5と、コラム5上部に対して水平方向に可動に取着され
たラム7と、ラム7前部に対して垂直方向に可動に取着
された主軸ヘッド9と、ベッド3の前側に立設したテー
ブルベース11と、テーブルベース11上に固定された
テーブル13と、テーブル13を取り囲む加工槽15、
とを有して成り、主軸ヘッド9下端に取着した加工電極
17とテーブル13上に固定したワークWとの間に火花
放電を生じさせてワークWに、加工電極17と同じ立体
断面形状の転写加工を行う工作機械である。
【0008】ワークWは、加工液が満たされる加工槽1
5の内部底部のテーブル13上に載置され、加工液は、
循環ループR1 内に配置した循環用ポンプ19によっ
て、加工槽15と加工液タンク(以下、タンク)21と
の間で循環され、タンク21内の加工液は、この循環ル
ープR1 とは異なる温調ループR2 内に配置した液温調
節装置23によって温度調節される。
【0009】この加工液温度制御のために、本放電加工
装置1の所定3部位には、温度測定用のセンサが設けら
れる。すなわち、加工液から熱的影響を受けにくい部
位であって目標温度部位となり得るコラム5(機体)、
加工液から熱的影響を受け易い部位を代表し得るテー
ブル13、加工液を貯留したタンク21(加工液)に
は、それらの各温度T1 (機体温度)、T2 (テーブル
温度)、T3 (加工液温度)をそれぞれ計測し得るよう
に対応したセンサS1、S2、S3 が設けられる。そし
て、これら3つのセンサS1 〜S3 、循環用ポンプ1
9、液温調節装置23等は、これらを制御するコントロ
ーラ25と電気的に接続される。尚、コントローラ25
は、本放電加工装置1の制御装置(図示せず)で実質的
に代替可能である。
【0010】以上の構成を有する本実施形態装置におけ
る加工液の温度制御の実際の手順について、図1を参照
して以下説明する。 (i)先ず、タンクから加工槽(テーブル)に加工液を循
環供給する前に、液温調節装置によってタンク内の加工
液の温度(T3 )をテーブル温度(T2 )に近づける
(図1の例ではT3 を上昇させているが、場合によって
は下降させることもある)。
【0011】(ii)次いで、テーブル温度(T2 )に対
して、加工液温度(T3 )が略一致ないしは或る程度近
づいたら(所定範囲A内に入ったら)、前記加工槽への
加工液の循環供給を開始する。尚、本装置内の放電加工
作業については、この段階以降に適宜開始することがで
きる。 (iii) 前記加工液の循環供給の開始後は、急激にT2
をT3 に近づけることによる熱変形を避けるため、テー
ブル温度(T2 )を一定の変温率にて機体温度(T1
に収束させ、最終的に3つの温度T1 、T2 、T3 が略
一致するように、加工液温度(T3 )を調節・制御す
る。この変温率としては、例えば、0.5〜1°C/時
とすることができる。あるいは、温度差一定制御を行う
ことが考えられる。
【0012】以上のように、本実施例においては、装置
の所定3部位の温度を検出しそれに基づき加工液を適切
に温度管理するので、すなわち、具体的には、加工槽へ
の加工液の循環供給を開始する前に、先ず加工液の温度
を上昇させてテーブル温度に近づけ、その後に該循環供
給を開始するので、温度差のある加工液がテーブルに一
気に供給されない、換言するとテーブル(及びテーブル
ベース等のテーブル支承部)が局所的に急激な温度変化
にさらされなくなり、また、テーブル等が加工液と共に
長時間かけて緩やかに温度変化せしめられるので、テー
ブル等の熱変形を飛躍的に抑制・緩和でき、これによ
り、該熱変位に起因していた加工精度の悪化を軽減ない
し殆どなくすことができる。しかも、実質的に遊休期間
が不要となり、加工液の循環供給の開始直後から放電加
工を行うことができ、非常に経済的である。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
工槽への加工液の循環供給の開始後直ちに放電加工作業
を行うことができ、しかも放電加工精度をおとさずにす
み、極めて合理的・経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る加工液の温度制御における3
部位の温度と時間との関係を示す線図である。
【図2】本実施形態に係る放電加工機の全体概略構成図
である。
【図3】従来の加工液温度制御における3部位の温度と
時間との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…放電加工装置 3…ベッド 5…コラム 7…ラム 9…主軸ヘッド 11…テーブルベース 13…テーブル 15…加工槽 17…加工電極 19…循環用ポンプ 21…加工液タンク 23…液温調節装置 25…コントローラ R1 …循環ループ R2 …温調ループ S1 、S2 、S3 …センサ W…ワーク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工液タンクとワークを載置したテーブ
    ルを囲繞する加工槽との間で液温調節された加工液を循
    環させて放電加工を行う放電加工機において、 基台等加工熱の影響を受けにくい部位の温度を機体温度
    (T1 )として検出し、 前記テーブルやテーブル近傍の加工熱の影響を受け易い
    部位の温度をテーブル温度(T2 )として検出し、 液温調節の可能な加工液タンクに貯留された加工液の温
    度を加工液温度(T3)として検出し、 まず前記テーブル温度(T2 )と前記加工液温度
    (T3 )との温度差が所定範囲に入るように前記加工液
    温度(T3 )を調節し、 前記温度差が所定範囲に入ったとき前記加工槽への加工
    液の循環を開始し、 その後、前記テーブル温度(T2 )が徐々に前記機体温
    度(T1 )になるように前記加工液温度(T3 )を調節
    することを特徴とする放電加工機の加工液温度制御方
    法。
  2. 【請求項2】 前記テーブル温度(T2 )が徐々に前記
    機体温度(T1 )になるように前記加工液温度(T3
    を調節する際、前記テーブル温度(T2 )の変温率が予
    め決められた所定変温率に従うように制御する請求項1
    記載の放電加工機の加工液温度制御方法。
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