JP2006129879A - 新規の7−トランスメンブランレセプター - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規の7-トランスメンブランレセプターを提供する。
【解決手段】 7-トランスメンブランレセプターをコードする新規のポリヌクレオチドと、これらの1つと特異的に結合もしくは免疫反応性を示す、少なくとも1つのリガンド/レセプターを有するポリペプチド類。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一般に、シグナル伝達に関与する細胞レセプター超科と7-トランスメンブランレセプター、さらに、7種の新規の7-トランスメンブランレセプターをコードするDNA配列のクローニングと発現に関する。
7-トランスメンブランレセプター(ヘプタヘリカル、蛇行状またはGタンパク結合レセプターとしても知られている)は、類似した分子構造を持つ超科を含んでなる。
7-トランスメンブランレセプター(7TMレセプター)のアミノ酸配列は、既に報告されており、7TMレセプター間の関係については、Probstらによって検討されている [DNA and Cell Biology, 11(1): 1-20 (1992)]。 具体的には、7TMレセプター間にはアミノ酸配列の類似性が見い出されており、いずれのレセプターも多くの構造的特徴、例えば、細胞外領域にアミノ末端があること、7つの疎水性に富んだ(約20〜30個のアミノ酸からなる)α-ヘリックス領域を有していること(ちなみに、これらは細胞膜間を貫通していると考えられており、このことからトランスメンブラン領域1〜7と呼ばれている)、約20個の保存性に富んだアミノ酸があること、そして、細胞内領域にカルボキシ末端があること、などの特徴があるものと思料されている。 7TMレセプター間のアミノ酸の類似性は、およそ10%から80%以上の範囲にあり、同一または類似のリガンドを認識するレセプターほど一般に高い相同性を示す。
7TMレセプターは、相同性の高さ、それにその認識リガンドの種類、またはそのいずれか一方によって分類することができる。 例えば、インターロイキン-8レセプター、アンジオテンシンIIレセプター、トロンビンレセプター、エンドセリンレセプター、N-ホルミルペプチドレセプター、C5aレセプターは、すべてペプチドレセプターと結合し、20〜40%のアミノ酸の類似性を有している。
7TMレセプターは、多数の種類のリガンド(例えば、光、臭い、神経伝達物質、ペプチドホルモンおよび低分子物質)を認識し、数種類のグアニンヌクレオチド結合タンパク(G−タンパク)を介してシグナルを伝達し、種々の細胞内酵素、イオンチャンネルおよび運搬体によって、多くの生理活性(視覚的興奮、臭覚受容、神経伝達など)に影響を与えている。 シグナル伝達経路は、ロドプシン[Khorana, J. Biol. Chem., 267, 1-4 (1992); Stryer, J. Biol. Chem., 266: 10711-10714 (1991)] とβアドレナリンレセプター[Dohlman et al., Ann. Rev. Biochem., 60: 653-688(1991)] によるものが明らかにされているが、他の7TMレセプターによる経路も示唆している。
各7TMレセプターは、原形質膜の細胞内表面に位置する特定のGタンパクに結合すると考えられている。 レセプターのリガンドへの結合は、Gタンパクを活性化(すなわち、αサブユニット上でのGTPとGDPの変換)し、細胞内のシグナル伝達特異性酵素およびチャンネルを順次刺激する。 従って、各7TMレセプターの機能によって、まず複雑な細胞外環境から特定のリガンドが決定され、次に、Gタンパクが活性化されて特定の細胞内シグナルが生産される。
Cotecchiaらは、7TMレセプター上の第3トランスメンブランの細胞内ループは、レセプターが特定のGタンパクと結合するための重要な決定因子を含むと報告している[Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 2896-2900 (1990)]が、Lefkowitzは、7TMレセプターの他の領域も、リガントと結合するまでの間、7TMレセプターを折り畳まれた不活性型に維持するために必要である、という報告をまとめている [Nature, 265: 603-604 (1993)]。
最近、免疫および血液凝固に重要なリガンドを認識するいくつかの7TMレセプターが同定された。 Holmesらは、インターロイキン-8レセプター(IL8R1)は、好中球の走化性に関与していることを報告し[Science, 253: 1278-1280 (1991)]、また、Sasakiらは、アンギオテンシンIIレセプター(AT2R)が、血管の凝血作用に関与していることを報告している[Nature, 351:230-233 (1991)]。
同様に、エンドセリンレセプター は、血管収縮を制御し、また、筋肉運動を平滑化する[Arai et al., Nature. 351: 230-233 (1991)]。
加えて、C5aレセプターは、in vitroで走化性であり、また、顆粒酵素の放出や超酸素の生産に関与し、さらに、in vivoでアナフィラキシーや敗血症性ショックに関与していると考えられている [Gerard and Gerard, Nature, 349: 614-617 (1991)] 。
トロンビンも、7TMに認識され、血小板凝集、単球走化性、リンパ球細胞分裂促進などの強力な活性化物質であり、血管損傷に対する炎症反応を介在する。
N-ホルミルペプチド(f-met-leu-phe)レセプターは、好中球の走化性および活性化の要因である[Thomas et al., J.Biol.Chem. 265: 20061 (1990)] 。
これら7TMレセプターは、すべてペプチド性リガンドを有し、低分子の有機化合物を認識するその他の7TMレセプターも前炎症反応に関与している。 例えば、血小板活性化因子レセプターは、生理活性を有するホスホリピドを認識し[Honda et al., Nature, 349: 342-346 (1991)] 、血小板凝集およびエンドトキシンショックを引き起こす。 また、トロンボキサンA2レセプターは、アラキドン酸代謝物を認識して血管収縮や血小板凝集を刺激し、脳卒中および気管支喘息に関与している[Hirata et al., Nature, 349, 617-620 (1991)]。
7TMレセプター(チロトロピン)の第3細胞内ループが変異した変異体と、別の7TMレセプター(黄体ホルモンレセプター)にて第3細胞内ループ近傍の第6トランスメンブラン領域が変位した変異体は、それぞれ甲状腺機能亢進症 [Parma et al., Nature, 365: 649-651 (1993)]、および家族性思春期早発症[Shenker et al., Nature, 365: 652-654 (1993)]を引き起こす。 両変異体とも、本質的に7TMのレセプターを活性化する。
すでに、他の研究によって、7TMレセプターの活性化を阻害する変異体が、先天性腎原発性尿崩症などの疾患の原因となる、ホルモン抵抗の状態を引き起こすことが示されている (Rosenthal et al., J. Biol. Chem., 268: 13030-13033 (1993) 参照)。
さらに他の研究によって、多くの7TMレセプターが、原癌遺伝子としての機能を有し、突然変異により活性化されることが明らかになっている。 その例として、7TMレセプターの自然発生突然変異体が、レセプターの正常な機能を変え、腫瘍形成やアテローム性動脈硬化症などのヒトの病体と関連した制御不能な細胞増殖を引き起こすことを指し示したAllenらの論文 [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 11354-11358 (1991)] を参照されたい。 従って、多くの人の病気の原因には、その根底に7TMレセプターの変異があるのかも知れない。
本発明は、7種の新規の7TMレセプターをコードするポリヌクレオチド(すなわち、DNA配列およびRNA転写物) V28、V31、V112、R20、R2、R12、RM3と、7種の7TMレセプターの1つと特異的に結合もしくは免疫反応性を示す、少なくとも1つのリガンド/レセプターを有する(ペプチド断片および類似体などの)ポリペプチド類を意図している。
本発明の7TMレセプター断片は、N末端の細胞外領域、トランスメンブラン領域、トランスメンブラン領域に接続している個々の細胞外および細胞内ループ、それに、C末端の細胞内領域および融合物本体を、特に意図している。
本発明で開示したDNA配列は、ゲノムおよびcDNA配列、それに、全部または一部を化学合成したDNA配列である。
特に本発明で例示したポリヌクレオチド配列は、プラスミドに挿入された7TM レセプターのV28、V31、V112、R2、R12およびR20をコードするDNAであって、それらDNAは、アメリカ合衆国 20852 メリーランド州、ロックヴィル、パークロウン ドライブ 12301に所在のアメリカン タイプ カルチャー コレクション(ATCC)に、1992年10月12日に寄託されている。 寄託番号は、それぞれATCC受託番号第75330号、第75327号、第75326号、第75329号、第75331号および第75328号である。 また、本発明で例示した他のポリヌクレオチド配列は、プラスミドに挿入された7TMレセプターのRM3をコードするDNAであり、これは1992年11月2日にATCCに寄託されて、ATCC受託番号第75340号が付与されている。
本発明のもう1つの目的に鑑み、本発明のDNA配列を取り込んだ生理活性を有するプラスミドとウイルスDNAを提供し、そして7TMレセプターまたは7TMレセプター変異体をコードするDNAを含むベクターにて、細胞内または細胞外での発現を制御する配列と結合するように操作した。
また、本明細書で述べた原核または真核細胞の宿主は、安定して本発明のDNA配列で形質転換または形質導入することから、DNA配列からコードされる7TMレセプターポリペプチドまたは変異体ポリペプチドは、宿主細胞において発現される。 かような7TM生成物を発現する宿主細胞は、様々な目的で利用できる。 発現された生成物が宿主細胞表面に「出現」する程度にまで、7TMレセプターまたは7TMレセプター変異体と特異的に免疫反応する抗体物質を発現するための効果的な免疫源を、細胞が有しているものと思われる。
本発明の宿主細胞は、適当な培地中で生育させると、7TMレセプターの大量生産に特に有用であり、7TMレセプターポリペプチド生成物が、細胞または細胞を生育させた培地より単離される。 新規の7TMレセプターを発現する宿主細胞も、7TMレセプター結合の作用薬または拮抗薬を同定するための分析において有用である。
このように本願発明によれば、所期の目的であった、シグナル伝達に関与する新規の7-トランスメンブランレセプターおよびその変異体、それに、これらの発現をコードするDNA配列を獲得できる。
また、前出のDNA配列を取り込んだプラスミドとウイルスDNAを含むベクターを作成することで、細胞内または細胞外での遺伝子発現を可能ならしめ、これにより、原核または真核細胞の宿主を安定して本発明のDNA配列で形質転換または形質導入でき、目的とする7TMレセプターポリペプチドまたは変異体ポリペプチドが、これら宿主細胞において発現および取得できる。
さらに、これら新規の7TMレセプターを発現する宿主細胞は、7TMレセプター結合の作用薬または拮抗薬を同定するための分析においても有用である。
本発明の新規の7TMレセプターは、天然の細胞源からも単離物として得られるものと考えられるが、本発明の宿主細胞に関する組み換え操作により生産されるのが望ましい。 生成物は、宿主細胞の選択および/または単離後の処理操作によって、全体的または部分的に糖鎖を含むもの、部分的または全体的に脱糖鎖処理を施したもの、または全く糖鎖を含まないものが得られる。
本発明の7TMレセプター変異体は、水に可溶および不溶のポリペプチド、またはペプチド断片からなり、1つ以上の特定のアミノ酸が欠失または置き換えられたペプチド類似体、例えば、(1) 7TMレセプターに対する1つ以上の生理活性または免疫学的特異性が失われていない、望ましくは強化されているもの、(2) 特定のリガンド/レセプターの結合機能が特異的に失われているもの、が含まれる。 多量体形成を可能にするために、アミノ酸(例えば、リシン)残基を付加した類似体ポリペプチドを意図している。
また、本発明の7TMレセプターまたは7TMレセプター変異体と特異的に反応する抗体(例えば、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、CDR-移植した抗体など)、またはその他の結合タンパクも本発明に含まれる。 抗体物質は、単離された天然または組み換え体7TMレセプター生成物(ペプチドも含む)や、表面にこれら生成物を発現している細胞を用いて産生させることができる。 抗体物質はまた、抗イディオタイプ抗体を産生させるための免疫化、本発明のポリペプチドの精製、および細胞表面にポリペプチドを産生している細胞の同定に有用である。 細胞表面および血清などの液体中の7TMレセプターの検出および定量のための分析には、「サンドウィッチ」分析での単一または複数の抗体物質が含まれる。 抗体物質ならびに7TMレセプター結合物(例えば、低分子またはペプチド)に対する作用薬または拮抗薬も、本発明の7TMレセプターとリガンド/レセプターの結合、特に、in vivoでの免疫および/または炎症反応を調節(すなわち、停止、阻害または刺激)する上で有用である。
本発明のDNAおよびアミノ酸配列に関する情報の科学的重要性は明らかである。例えば、7TMレセプターのcDNA配列を知ることによって、7TMレセプターをコードしているゲノムDNA配列と、プロモーターやオペレーターなどの7TMレセプター遺伝子の発現を制御しているゲノムDNA配列とのDNA/DNAハイブリダイゼーションによる単離が可能になる。 本発明のDNA配列を用いて、ストリンジェントな条件の下で行われたDNA/DNAハイブリダイゼーションによっても同様に、7TMレセプターの対立遺伝子、特定の疾患に関連した7TMレセプターの変異体、7TMレセプターに対して生物学的および/または免疫学定に特異的なその他の構造関連タンパク、および7TMレセプターに相同性を示すヒト以外のタンパクをコードしているDNAの同定が可能になる。 本発明のDNAは、細胞の7TMレセプター合成能の有無を検出するためのDNA/RNAハイブリダイゼーションにおいて有用である。
本発明のDNA配列が提供されることによって、通常同一の発現をしている細胞から、7TMレセプターの発現の制御に関連した治療上有用なオリゴヌクレオチド(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、トリプルヘリックスまたはアプタマーのオリゴヌクレオチド)を入手することが可能である。 (他のヌクレオチドについては、Crooke et al., BIO/TECHNOLOGY, 10: 882-886 (1992)、およびAlper et al., BIO/TECHNOLOGY, 11: 1225 (1993)に記載されている。) 本発明のDNA配列はまた、Mitani et al., TIBETECH, 11: 162-166 (1993) (治療用遺伝子の分配)、Sikora、TIBECH, 11: 197-201 (1993)(癌の遺伝子療法)、および、Findeis et al., TIBTECH, 202-205 (1993) (レセプターによる遺伝子療法) に示されているような、遺伝子療法のために開発されたベクターにおいても有用である。
本発明を、新規の7TMレセプターをコードするヒトゲノムおよびcDNA配列、V28、V31、V112、R20、R2、R12およびRM3の単離に関する好適な実施例に基づいて、以下に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
実施例1には、7TMレセプターのR20、V31、V28およびV112の一部をコードするPCR断片の単離を記載した。
実施例2には、全長ヒトV31ゲノムクローンの単離を記載した。
実施例3には、V31ヒトcDNAクローンの単離、さらにはV31ゲノムクローンの性質について記載した。
実施例4には、ヒトV31遺伝子の染色体上の位置を特定する実験について記載した。
実施例5には、全長マウスV31ゲノムクローンのクローニングを記載した。
実施例6には、V28の全長ヒトゲノムクローンのクローニングを記載した。
実施例7には、全長ヒトV28 cDNAの単離について記載した。
実施例8には、全長ヒトV112 cDNAについて記載した。
実施例9には、ヒトR20をコードする全長ゲノムDNAの単離について記載した。
実施例10には、ヒトゲノム胎児肝臓ライブラリーからの全長R2およびR12 7TMレセプター遺伝子の単離について記載した。
実施例11には、RM3 7TMレセプターをコードするcDNAのクローニングについて記載した。
実施例12には、本発明の7TMレセプターのアミノ酸配列と先に報告された7TMレセプターのアミノ酸配列との比較について記載した。
実施例13には、7TMレセプターV31をコードするゲノムおよびcDNA配列を用いたヒト細胞の形質変換と形質変換された細胞の表現型について詳細に記載した。
実施例14には、ノーザンブロットおよびin situハイブリダイゼーションで分析した種々のヒト組織および造血系細胞における本発明の7TMレセプターの発現について記載した。
実施例15と16には、それぞれV31ゲノムとV20ゲノム配列を、グルタチオン-S-トランスフェラーゼとの融合タンパクとして、大腸菌にて発現させた事例について記載した。
実施例17には、V31とV28 cDNAを、グルタチオン-S-トランスフェラーゼとの融合タンパクとして、大腸菌にて発現させた事例について記載した。
実施例18には、V31に特異的なモノクローナルおよびポリクローナル抗体の産生に有用なV31融合タンパクおよびV31ペプチドと反応するポリクローナル血清の産生について記載した。
実施例19には、本発明の7TMレセプターの細胞外および細胞内リガンドに関する、いくつかの同定法について記載した。
実施例1
新種の7TMレセプター超科の同定法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を採用した。
PCRプライマーのデザインと合成
最初に、8つの異なる変性オリゴヌクレオチドプライマープールを、血小板活性化因子レセプターのアミノ酸配列を基にデザインした。 8つのプライマープールによるPCRでは、新種の7TMレセプターは全く増幅されず、いくつかの血小板活性化因子レセプターのクローンが増幅されただけであった。
次に、デザインした変性プライマーの配列を、全アミノ酸の相同性が30%であるIL8R1とAT2Rの間において、高い相同性が認められるアミノ酸配列の領域から選定した。 相同性の高い最初の領域は、第2トランスメンブラン内にあり、両レセプターの20残基の内、16残基が一致していた。 5'変性プライマープール(各プライマーは、長さ45ヌクレオチドにクローニング部位を加えたもので、PCRに使用される一般的なプライマーよりも長い)は、この配列に基づいて合成された。 上流プライマーの配列を、下記の通りIUPAC命名法に従って示す。 下線で示したヌクレオチドは、クローニング時に使用するBamHI切断部位である。
Figure 2006129879
このオリゴヌクレオチドプールでは、マルチプルコドン選択と、IL8R1とAT2Rの間における4つのアミノ酸の違いから、配列中に10箇所の変性箇所が認められた。 デザインの際には、10箇所は変性されず、その代わりにWadaらのヒトコドン頻度表 [Nucl. Acids Res., 19S: 1981-1986 (1991)]に基づいて、1個の「最も推定される」ヌクレオチドを用いてデザインした。
IL8R1とAT2Rの間で広範に一致した第2の領域は、推定されている第2の細胞内領域内にあり、近接箇所に8つの同一アミノ酸が認められる。 この領域は、下流のアンチセンスPCRプライマープール(長さ21のヌクレオチドに制限酵素切断部位を加えたもの)のデザインに用いた。 下流プライマーの配列を、下記の通りIUPAC命名法に従って示す。 下線で示したヌクレオチドは、クローニング時に使用するHindIII切断部位である。
Figure 2006129879
イノシンは、数種のヌクレオチドと塩基対を形成するため、このオリゴヌクレオチドは、いくつかの変更点においてヌクレオチドのイノシンを有している。
PCRによる新規の7TMレセプターをコードするゲノムDNAの単離
オリゴヌクレオチドプライマープール1と2を用いて、BlinとStaffordの方法 [Nucl. Acids Res., 3, 2303-2308 (1976)]によって、白血球細胞から精製したヒトゲノムDNAを増幅した。 PCRは、Perkin-Elmer-Cetusの機器を使い、次の温度サイクルに従って操作した。 最初の4分間は94℃にて反応せしめ、続いて、(1) 30秒間、94℃で変性、(2) 45秒間、50℃でアニーリング、および(3)2分間、72℃で伸長せしめ、この(1)〜(3)を、25サイクル行った。 反応混合液には、合計40μlの中に、1×PCR緩衝液、0.25mM dGTP、0.25mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dTTP、0.01μg/μlプライマープール1、0.01μg/μlプライマープール2、0.125mg/mlヒトゲノムDNA、および2.5単位のTaqポリメラーゼが含まれている。 PCRで認められた主生成物は、1.2%アガロースゲル電気泳動によって、192塩基対の大きさが測定された。
8つの異なるPCR反応が、0.5mMから2.25mMの範囲でMgCl2の量を増加させながら行われた。 MgCl2の濃度は、PCR生成物の量を変化させないと思われたため、全ての8つの反応液をフェノールおよびクロロホルムで抽出し、エタノール沈澱した後、制限酵素BamHIおよびHindIIIによって分解した。 分解したDNAは、1.2%アガロース上で電気泳動を行い、192塩基対のバンドを切り出して、ゲルより抽出した。 次に、回収したゲルを、BamHI-HindIII分解プラスミドBluescript SK-(StratageneCloning Systems、ラヨラ、カリフォルニア州)に連結し、細菌宿主XL-1Blueに形質転換した。 数千のクローンが得られ、そのほとんどは、青白色選択法により決定された組み換え体であると考えられる。
20の異なるクローンをDNA塩基配列の分析のために選別した。 プラスミドDNAを調製し、ジデオキシ鎖末端法により配列決定を行った。 ほとんどのプラスミドは、IL8R1またはAT2Rに対応する配列を含んでいたが、20クローンの内の2つは、IL8R1との相同性が28%、AT2Rとの相同性が46%のペプチドをコードする新しい配列を含んでいた。 この新規の配列は、R20と命名され、7TMレセプターと一致した一連のアミノ酸をコードしていた。 すなわち、最初の17残基は、全般に親水性で、保存性の高いシステイン残基を含み、残りの22残基は疎水性で、第3トランスメンブラン領域に対応していた。
さらに新しい新規の配列を同定するために、プライマープール1と2を用いてPCRにより得られたクローンを、ハイブリダイゼーションによってスクリーニングして、IL8R1、AT2RおよびR20を含むクローンを除いた。 約1000個のクローンをそれぞれ単離し、マイクロプレート上で培養した。 白金耳を使ってクローンをプレートに移し、一夜培養してニトロセルロース膜に転写した。 ブロットしたDNAを、標準的な方法に従って、変性ならびに調製した。 次に、IL8R1、AT2RおよびR20に特異的な32P-標識プローブを用いてハイブリダイゼーションを行った。 ハイブリダイズされなかったクローンを選択し、配列分析にかけた。 7TMレセプター部分をコードしていると思われる3つの新しいクローンを同定した。 クローンの挿入部をV31、V28およびV112と命名した。 V112(ATCC 75326)をコードしている挿入部を、配列番号:3に示した。 7TMレセプターと思われる遺伝子のV31、V28およびR20をコードしている全遺伝子については、実施例2、6および9にそれぞれ記載した方法に従って、λファージのヒトゲノムDNAライブラリーより単離した。
実施例2
下記に示した特異的プライマーを用いて、PCRによって、V31ゲノムクローンを単離した。
Figure 2006129879
ヒトゲノムDNAλライブラリー(ATCC 37333)を分画して、各プールに約3000クローン、計150プールを調製した。 150プールを15のグループに分け、各グループに約30,000ファージを分配した。 V31特異性プライマーを用いたPCRを、次の条件に従って行った。 まず、最初の4分間を94℃にて反応せしめ、続いて、(1) 30秒間、94℃で変性、(2) 45秒間、50℃でアニーリング、および(3)2分間、72℃で伸長せしめ、この(1)〜(3)を30サイクル行った。 反応混合液には、合計50μlの中に、1×PCR緩衝液、0.25mM dGTP、0.25mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dTTP、0.01μg/μl V31正方向プライマー、0.01μg/μl V31逆方向プライマー、1μl ファージプール分解物および2.5単位のTaqポリメラーゼが含まれている。 15グループの内、114bpと思料されるPCR断片が得られ、同じ条件でPCRを行ったところ、同グループの内の1つのプールから同一の断片が得られた。
次に、V31をコードするファージを同定するために、ハイブリダイゼーションを行った。 まず、約6,000のファージを、5枚の15cmプレートに添付した。 次に、二枚に重ねたフィルターを各プレートに吸着させ、標準的な方法に従って、ハイブリダイゼーション処理を行った。 そして、V31特異性プライマーを使って32P-dCTPをPCR反応に取り込ませることによって、V31部分プラスミドから32P標識プローブを調製した。 この放射性標識プローブを使ったハイブリダイゼーションとフィルターの洗浄を、緩やかな条件で行った。
ハイブリダイゼーション溶液の内容は、20%ホルムアミド、5×SSC (0.75M塩化ナトリウム、0.075Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハード溶液[1%ポリビニルピロリドン(Sigma社、セントルイス、ミズーリー州)、1%フィコール、1%ウシ血清アルブミン−画分V]、0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5および50ng/mlの超音波処理サケ精子DNA(Sigma社)である。 42℃で一夜ハイブリダイゼーションを行った後、2×SSCで、42℃でフィルターをよく洗浄した。
ハイブリダイズしているクローンを選び、プラークを精製し、DNAを単離して制限酵素による分析を行った。 ハイブリダイズしているEcoRIおよびKpnI断片をサブクローニングし、DNAの配列分析に用いた。 配列分析より、配列をコードしているV31が単離され、PCRでクローニングされた114bpの配列と完全に一致していることが示された。 しかし、この配列は、コードしている領域の5'末端側をすべて含んではいなかった。
従って、V31のゲノムの配列をさらに様々なラムダ-FixIIベクター(Stratagene社)中のヒト胎盤ゲノムライブラリーから単離した。 V31をコードしている5'末端側の配列(EcoRI-PstI断片)を利用したハイブリダイゼーションによって、約600,000個のファージをスクリーニングした。 このプローブは、32P-dCTP、32P-dTTP、dGTP、dATP、ランダムヘキサマープライマーおよびDNAポリメラーゼIのクレノウ断片を含んだ反応液中で、約100ngの変性したV31 DNA断片を標識することによって調製した。 取り込まれなかったヌクレオチドは、反応混合液を、G-25セファデックスQuick Spinカラム(Boehringer Mannheim社) に通すことによって除去した。
このプローブを煮沸して変性し、ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハード溶液、0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5)と50ng/mlの超音波処理サケ精子DNAで、ファージフィルターと共に、42℃で、一夜インキュベートした。 フィルターを、0.2×SSC、0.1%SDSによって、42℃で、10分間の洗浄を3回行った。 フィルターを空気中で乾燥し、オートラジオグラフィーで測定した。 6個の独立したハイブリダイズしているクローンを選び、プラークを精製して制限酵素による分析を行った。
これらクローンの内、4つのクローンについて、ハイブリダイゼーションのパターンが、V31をコードしている配列のプローブを用いたゲノムサザンブロットのパターンと一致した。
これらファージの一つからハイブリダイズしている1.9KbのPstI断片を単離し、Bluescript SK+プラスミド(Stratagene社)のPstI部位にサブクローニングした。
得られたプラスミドについてDNA配列分析を行ったところ、全てのV31の配列が含まれていることがわかった。 ATG開始コドンと思われるコドンが、翻訳開始を意味するKozakのコンセンサス配列[Kozak, Nucl. Acids Res., 12: 857−872 (1984)] と一致する配列の直前に位置していた。 V31ゲノムクローン(ATCC 75327)のDNAおよびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:6および7に示した。
V31クローンの配列は、7TMレセプター超科の他のレセプター(例えば、ロドプシン、アドレナリンレセプターまたは臭覚レセプター)よりも、IL8R1(31%)およびAT2R(27%)の方が高い相同性を示している。
実施例3
ヒトV31cDNAの単離
7TMレセプターV31をコードするヒトcDNAを単離した。 最初に、標準的な方法で作成したベクターpCDM8 [Invitrogen社、サンジエゴ、カリフォルニア州] でのヒト扁桃腺cDNAライブラリーから、PCRによってcDNAの一部を増幅した。 PCR反応に用いたプライマーは、以下の通りである。
Figure 2006129879
プライマーV31-G+は、配列番号:6のヌクレオチド418-437に対応しており、EcoRI部位(下線の配列)を含み、クローニングができるように5'末端に3つのヌクレオチドが付加されている。
プライマーCDM8-Downは、ベクターpCDM8のポリリンカーとアニールした。 得られたPCR生成物を、ニトロセルロース膜にブロットし、放射性標識V31-特異性プローブと反応させた。 放射性標識プローブを、2つのオリゴヌクレオチドをアニールし、32P標識ヌクレオリドでアニールされたオリゴヌクレオチドの末端を満たして作成した。 このオリゴヌクレオチドの配列は、配列番号:10および11に記載した。 ハイブリダイズしているバンドをゲルから単離し、Bluescript(SK-)(Stratagene社)にクローニングした。 得られたクローンは、pV31-5'endと命名され、そのDNA配列を配列番号:12に示した。 pV31-5'endのヌクレオチド58-117は、配列番号:6に示した元のゲノムクローンとは異なる配列を含んでいるが、ヌクレオチド118-232は、配列番号:6のヌクレオチド322-437と一致している。
末梢血単核細胞cDNAライブラリーから全長cDNAクローンを単離した。 V31-特異性オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行い、V31クローンを含むライブラリーの画分を同定した。 使用したプライマーは、以下の通りである。
Figure 2006129879
プライマーV31-B1は、配列番号:12のヌクレオチド18-36に対応している。
V31に陽性を示す各画分をプレートに移し、上述した放射性標識V31-特異性プローブと反応させてV31-5'末端クローンを単離した。 単離したクローンPBMC75はポリAを含んでいるが、配列番号:12に記載されている扁桃腺cDNAの一部よりも5'末端側が5ヌクレオチドだけ短い。 クローンPBMC75に挿入されたV31 cDNAは、V31 7TMレセプターをコードするすべての配列を含んでおり、cDNA V31-Bと命名した。
5'-Amplifinder RACEキット(Clonetech社)を用いてRACE PCRを行い、V31 cDNAの5'末端側を増幅してクローニングした。 プライマーV31-F(配列番号:52)およびV31-G+(配列番号:8)を、キットに添付されているプライマーと共に反応させ、V31-B cDNAの上流にコードされていない17個のヌクレオチド(この内の5個は元の扁桃腺クローンで同定された5個のヌクレオチドと同一であった)を含むcDNAをクローニングした。 17個のヌクレオチドとV31-B cDNAを含む合成配列は、配列番号:14に記載されており、それから推測されるアミノ酸配列は、配列番号:15に記載されている。 V31 7TMレセプターの予想される7つのトランスメンブラン領域(A-B、C-D、E-F、G-H、I-J、K-LおよびM-Nの領域を模式的に図1に示した)は、配列番号:15のアミノ酸残基58-86、96-119、131-152、171-196、219-247、264-285および306-331に対応している。
ヒトV31ゲノムクローンの再特徴付け
V31-Bから推測されるアミノ酸配列と実施例2に記載のV31ゲノムクローンから推測されるアミノ酸配列の比較から、アミノ末端側に2つの異なる配列があることが明らかになった。 ゲノムクローン(配列番号:7の残基1-52)から推測される最初の52個のアミノ酸は、V31-B cDNAから推測されるアミノ酸配列には存在せず、20個の別のアミノ酸(配列番号:15の残基1-20)に置き変わっていた。 この結果から、ゲノムクローンの5'末端側には、イントロンが含まれているものと思われる。
従って、V31-B cDNAを用いて、実施例2のヒトV31ゲノムクローンでの3つのエキソンを同定した。 V31ゲノムクローンのエキソン1および3(一部イントロンの配列を伴う)のDNAおよび推測されるアミノ酸配列は、配列番号:16および17、18および19にそれぞれ記載されている。 配列番号:16(エキソン1)のヌクレオチド151-156には、TATAボックスが含まれていると考えられるが、ヌクレオチド180は転写開始部位であり、243-245は翻訳開始コドンと考えられる。 もう1つのプロモーター領域は、CAATボックスを含み、RNAポリメラーゼIIにより転写を制御していると思われる [Benoist et al., Nuc. Acids. Res.,8: 127−142 (1980)]が、コンセンサス配列GG(C/T)CAATCT(配列番号:21)があった。 同様の配列は、配列番号:16のヌクレオチド104-113にも見られる。 V31の2番目のエキソンのDNAと推測されるアミノ酸配列は、cDNA V31-Bからも推測されるが、それぞれ配列番号:21および22に記載されている。 配列番号:22(エキソン2)のアミノ酸6-15は、セロトニンレセプターの相当領域[Ruat et al., Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 90: 8547−8551 (1993)]よりも若干短い疎水性領域を含んでいるが、それは、別のトランスメンブラン領域である可能性もあるし、またシグナルペプチドの切断領域である可能性もある。 配列番号:18(エキソン3)に記載のイントロンの配列は、alu反復をコードしている一連のヌクレオチドを含んでいる。
実施例4
V31遺伝子の染色体位置をヒト-マウス体細胞ハイブリッドのサザンブロット分析[Naylor et al., J. Exp. Med., 57: 1020-1027 (1983)]および中期染色体のin situハイブリダイゼーション[Cherif et al., Hum. Genet., 81: 358-362 (1989) and Fan et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 6223-6227 (1990)]によって決定した。
ヒト-マウス体細胞ハイブリッドよりDNAを単離し、EcoRIで分解した後、プローブとしてヒトV31遺伝子(実施例2に記載した1.9Kb PstI断片)を用いて、サザンブロット上でハイブリダイゼーションした。 V31遺伝子のハイブリダイゼーションは、常にヒト第17染色体を分離した。 さらに、V31遺伝子の位置を特定するために、蛍光標識V31遺伝子プローブを用いて(さらに、実施例2に記載した1.9Kb PstI断片も用いた)ヒト中期染色体上でin situハイブリダイゼーションを行った。 中期染色体への蛍光in situハイブリダイゼーションを用いて第17染色体のq12-q21.2領域内のV31ゲノムクローンの位置を決定した。 5-ブロモデオキシウリジンリンパ球同調培地より中期染色体を調製した。 プローブをビオチン化し、染色体とハイブリダイズさせて蛍光標識アビジン(Vector Labs社)で検出した。 スライドを、Nikon社製蛍光顕微鏡で評価した。 45個の中期染色体調製物を試験した。 Q-(DAPI 対比染色)およびRヨウ化プロピディウム対比染色)バンドを用いて染色体の同定を確認した。 45個の細胞の内の18個において、第17染色体の両クロマチド上17q12-q21.2の位置で、蛍光シグナルが検出された。 これは、同染色体の遺伝性家族性乳癌の位置と一致している[Hall et al., Science, 250: 1684-1689 (1990)] 。
実施例5
マウス細胞C6VLから1.9Kb V31遺伝子をプローブとした標準的な方法によって作成したマウスゲノムライブラリーから、V31ゲノムクローンを単離した。 ライブラリーを、緩やかな条件 (30%ホルムアミド、42℃)でプローブと反応させた。 単離されたマウスV31ゲノムクローンのDNAおよび推測されるアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:23および24に示した。
実施例6
実施例1で単離されたPCR断片であって、7TMレセプターV28をコードする断片を用いて、V28に特異的な合成オリゴヌクレオチドをデザインした。 重複箇所が二箇所あるオリゴヌクレオチドを、下記の通り合成した。 中央の9bpの重複によって、断片のコード鎖および非コード鎖を示した。
Figure 2006129879
二つの合成DNAをアニールし、そして、(次の反応にて114bpの長さになる)得られたV28特異性プローブに、32P放射標識したヌクレオチドを組み込むために、クレノウポリメラーゼを適用した。 反応液は、V28オリゴヌクレオチド、1×クレノウ緩衝液、0.015mM dATP、0.015mM dGTPそれぞれの0.76μg、10μl 32P-dCTP(Amersham社)、10μl 32P-dTTP(Amersham社)、および1.5μlのクレノウポリメラーゼを含んでいた。 反応液を、室温にて、15分間インキュベートし、そして、クイック−スピンG25カラムで使用するために、組み込まれていない計測分を除去した。
V28プローブ(46×106cpm)を、2分間煮沸して変性させ、ヒト胎盤ゲノミックライブラリー(Stratagene社) にハイブリダイズさせた。 このライブラリーは、12個のニトロセルロースフィルターに360,000個のファージを含んでおり、30%のホルムアミドを含む上述のハイブリダイゼーション用溶液にて、42℃にて、一晩かけてハイブリダイゼーションを行った。 フィルターを、32℃で、2×SSCで繰り返し洗浄し、そして、3日間暴露させた。 いくつかの強力なハイブリダイゼーションのシグナルが観察され、そして、プラークが単離された。 V28プローブは、ファージDNAおよびヒトゲノミックDNAのサザーンブロットでの単一の制限エンドヌクレアーゼ断片とハイブリダイズした。
HindIII(約2kbp)とPstI(約 3.5kbp)断片の双方が単離され、pBluescriptにサブクローニングされ、そして、配列決定された。 V28ゲノミッククローン(ATCC 75330)の全長のDNAおよび推定アミノ酸配列を、配列番号:27および28に示した。 その遺伝子は、PCRによって単離された正確なV28配列を含んでいた。
コードされたアミノ酸配列は、典型的な7TMR構造と一致する構造を予期させるものである。 すなわち、親水性領域によって分離された七つの疎水性領域があり、また、高度に保存された残基が、これら典型的な位置にて認められた。 V28 7TMレセプターの予想される七つのトランスメンブラン領域は、配列番号:28の、26〜56、68〜92、107〜125、146〜167、197〜219、232〜253および273〜297のアミノ酸残基に対応している。 V28コード配列は、IL8R1と29%の相同性を示し、AT2Rに対しては27%の相同性を示した。
実施例7
標準的な方法によってベクターpRc/CMV(Stratagene社)内で調製した末梢血単核細胞ライブラリーから、ヒトV28 cDNAを単離した。 V28-特異性オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行い、V28クローンを含むライブラリーの画分を同定した。 使用したプライマーは、以下の通りである。
Figure 2006129879
プライマーV28Fは、配列番号:27のヌクレオチド852-871に対応し、プライマーV28Xは、配列番号:27のヌクレオチド2047-2064の相補鎖に対応している。 PCR反応によって、ランダムプライマーにより32Pで標識された1.2Kb DNA生成物を調製し、次に、これをプローブとして用いて個々のV28クローンを同定した。 ハイブリダイゼーションと洗浄の条件は、実施例2のストリージェントなハイブリダイゼーションの方法でのそれと同様であった。
V28 cDNAクローンのDNAおよび推測されるアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:31および32に記載した。 V28のゲノムおよびcDNAクローンの比較から、V28遺伝子の5個の非翻訳領域にイントロンがあることが示された。 V28遺伝子の切り出し接合部は、配列番号:31のヌクレオチド84または85に存在すると考えられる。
実施例8
標準的な方法によってベクターpRc/CMV(Stratagene社)内で調製したマクロファージcDNAライブラリーから、実施例1に示したV112ゲノム断片に対応するヒトV112 cDNAを単離した。 V112-特異性オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行い、V112クローンを含むライブラリーの画分を同定した。 使用したプライマーは、以下の通りである。
Figure 2006129879
プライマーV112-Fは、配列番号:3のヌクレオチド1-19に対応し、プライマーV112-Rは、配列番号:3のヌクレオチド101-120の相補鎖に対応している。 PCR反応によってランダムプライマーを用いて32Pで標識された123bpのDNA生成物を調製し、次に、これをプローブとして用いて個々のV112クローンを同定した。 ハイブリダイゼーションと洗浄の条件は、実施例2に示したストリージェントなハイブリダイゼーションの方法でのそれと同様であった。
約850bpのV112 cDNAクローンの一部DNAおよび推測されるアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:35および36に示した。 配列番号:35の一部配列は、V112の5'側の非翻訳領域を含み、V112のアミノ末端部分から第4トランスメンブラン領域までをコードしている。 V112 7TMレセプターにて予想される7-トランスメンブラン1-3は、配列番号:36のアミノ酸残基36-58、70-90および108-127に対応している。
実施例9
実施例1の記載に従ってPCR単離したR20を用いて、全遺伝子に対するゲノムライブラリーのスクリーニングを行った。 下記した特異的プライマーの配列と32P-標識ヌクレオチドを用いたPCRによって、R20の一部の配列を増幅することで、R20に特異的なプローブを調製した。 下記のプライマーは、R20-61がコード鎖の最初の21塩基に相当し、R20-153RCが非コード鎖の最初の20塩基に対応している。
Figure 2006129879
PCR反応は、0.07μg R20標的配列 (pBluescript SK-にクローニングしたR20プラスミドから単離したHindIII-Bam断片)、0.25mM dATP、0.25mM dGTP、0.25mM dTTP、1μM dCTP、4μl 32P-dCTP(Amersham)、0.01mg/ml R20特異的プライマー、1×PCR緩衝液および0.5μl Taqポリメラーゼを含む40μlにて行った。 PCRは、次の条件に従って行った。 最初の4分間は、94℃にて反応させ、続いて(1) 30秒間、93℃で変性、(2) 30秒間、50℃でアニーリング、および(3) 1分間、72℃で伸長し、この(1)-(3)を12サイクル行った。 なお、取り込まれなかった標識物は、Quick-Spin G25カラムで除去した。
プローブを2分間煮沸して変性せしめ、次に、ヒト胎盤ゲノムDNAライブラリー(Stratagene社)をスクリーニングするために用いた。 フィルターを40%ホルムアミドを含んだハイブリダイゼーション溶液中で、42℃で、一夜ハイブリダイゼーションした後、42℃、0.2×SSCで洗浄し、一夜暴露させた。 4つの強いシグナルが得られたプラークを精製し、サブクローニングして塩基配列を調べた。 PCRで同定したR20は、単離した遺伝子の中に存在していた。 この遺伝子は、他の7TMレセプターに似た構造を持つタンパクをコードする。 全長ゲノムR20クローン(ATCC 75328)のDNAおよび予想されるアミノ酸配列をそれぞれ、配列番号:39および40に示した。 R20 7TMレセプターの予想される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:40の28-54、66-90、107-125、146-167、208-232、246-267および285-312のアミノ酸残基に対応する。 R20遺伝子生成物は、IL8R1と28%の相同性を示し、AT2Rとは29%の相同性を示した。
実施例10
R20遺伝子を単離する間に、2つの弱いハイブリダイゼーションを示す配列が単離されたが、他の7TMレセプターに対して有意な相同性を示した。 実施例9の方法に従い、R20特異性プローブ(実施例9)を用いて、ヒトゲノム胎児肝臓DNAライブラリー(ATCC 37333)をスクリーニングした。 このライブラリーでは、R20遺伝子を同定することはできなかったが、いくつかの弱いハイブリダイゼーションを示すクローンが認められたため、プラークを精製し、サブクローニングして塩基配列を調べた。 得られた二つのクローンを、R2(ATCC 75329)およびR12(ATCC75331)と命名した。 R2およびR12(それぞれ、配列番号:41と42、43と44に存在している)の全長DNAと予測されるアミノ酸配列は、他の7TMレセプターに対して相同性を示した。 R2 7TMレセプターの予測される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:42のアミノ酸残基41-69、77-104、120-138、161-186、207-226、247-270および294-318に対応しており、R12 7TMレセプターの予測される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:44のアミノ酸残基33-57、68-90、106-127、145-168、193-217、233-251および290-312に対応している。 R2は、IL8R1と25%の相同性を示し、AT2Rとは24%の相同性を示した。 また、R12はIL8R1と26%の相同性を示し、AT2Rとは19%の相同性を示した。
実施例11
もう一つの新規の7TMレセプターが、実施例1と同様の方法で同定された。
二つの変性したプライマープール(それぞれ、配列番号:1と2を含む)を、プラスミドpRc/CMV(Stratagene社)でのヒトマクロファージcDNAライブラリーを利用したPCR反応に用いた。 反応混合液には、その合計40μlの中に、1×PCR緩衝液、0.25mM dGTP、0.25mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dTTP、0.01μg/μlプライマープール1、0.01μg/μlプライマープール2、0.2μgヒトマクロファージcDNAライブラリーおよび2.5μl Taqポリメラーゼが含まれていた。 PCR生成物に対してアガロースゲル電気泳動を行ったところ、少量の180-200bpのバンドが観察された。 クローニングを容易にするため、このDNAをゲルから溶出し、同条件のPCRで再び増幅した。 2回目のPCRで実質的により多くのDNAが単離された。
実施例1の記載と同様にして、再び増幅された物質をBamHIおよびHindIIIで分解し、プラスミドBluescript SK-にクローニングした。 塩基配列を調べた16個のクローンの内、14個はR20に対応し、2つは別の配列を示し、RM3と命名された。
RM3クローンの一部に対して特異的なプライマーを用い、実施例2に記載のPCR法により全長RM3 cDNAクローンを同定した。 RM3 cDNAのDNAおよび予測されるアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:45および46に示されている。 RM3 7TMレセプターの予測される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:46のアミノ酸残基48-69、82-100、115-136、159-179、198-220、246-274および287-311に対応している。 RM3の一部のクローン(ATCC 75340)の配列は、配列番号:45に示されており、ヌクレオチド438-551に対応する。 RM3の予想されるアミノ酸はIL-8Rと34%一致し、AT2Rと32%一致する。
実施例12
実施例1〜11で示した7つの新規の7TMレセプターの内の5つのレセプター間のアミノ酸の一致数と、既に同定されている7TMレセプターとの比較を、以下の表1に示す。 表中、fMLPは、N-ホルミルペプチドレセプター、ThrRは、トロンビンレセプターを示す。
既に同定されている7TMレセプターのアミノ酸配列は、下記の論文に報告されている。
すなわち、IL8R1は、Holmes et al., 前出、IL8R2レセプターは、Murphy et al., Science, 253: 1280-1283 (1991)、AT2Rは、Sasaki et al.,前出、C5aRは、Gerard and Gerard, 前出、fMLPRは、Boulay, BBRC, 168:1103-1109 (1990)、ThrRは、Vu et al., Cell, 64: 1057-1068 (1991)、そして、PAFRは、Honda et al.,前出、に報告されている。
Figure 2006129879
実施例13
V31ゲノムDNAを、CHO/DHFR-細胞(ATCC CRL9096)および293細胞(ATCC CRL1573)に形質導入し、その細胞をノーザンブロットで分析してV31の発現を調べた。
哺乳動物細胞に於けるV31の発現のためのベクター構築
1.9kbのPstI断片で、実施例2に記載されている全長ラムダゲノムクローン(λS-V31-3)からV31をコードする配列を切り出し、PstIで切断した市販のプラスミドBluescript SK+ (Stratagene社)に組み込み、中間構築物質pV31-Pstを調製した。 次に、HindIIIおよびXbalによる分解によって、プラスミドpV31-Pstから全V31断片と60bpのポリリンカーを切り出し、HindIIIおよびXbalで切断した市販の哺乳類発現プラスミドpRc/CMV(Invitrogen社、サンジエゴ、カリフォルニア州)に組み込んだ。
CHOおよび293細胞の形質変換
V31発現構築物、pV31XPを市販の形質変換用試薬DOTAP(Boehringer Mannheim社、インディアナポリス、インディアナ州)を用いたリポ変換によって、CHOおよび293細胞に形質導入した。 G418耐性株の選抜に続いて、各V31形質変換株のサブクローニングを行った。
ノーザンブロット分析
トランスフェクションした細胞のV31mRNAの特異的な発現について、32P-標識V31プローブを用いたノーザンブロットハイブリダイゼーションにより分析を行った。 形質変換した細胞を対数増殖期まで培養し、次に、遠心分離してPBSで1回洗浄した。 市販のMicro-Fast Track mRNA isolation kit (Invitrogen社)を用いて、細胞からmRNAを単離した。
mRNA試料を、2.2Mホルムアルデヒドを添加した1%アガロースルゲル電気泳動によって分離した。 試料を、まず50%ホルムアミドおよび2.2Mホルムアルデヒドによって、65℃で、15分間インキュベートして変性させ、次に、ゲルに乗せる前にブロムフェノールブルーおよびエチジウムブロマイドを加えた。 mRNAを、50Vで、約4時間電気泳動した。
紫外線トランスイルミネーターでゲルを見ながら写真撮影をした後、毛管現象により一夜、20×SSCにてゲル中のmRNAをニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell、キーイン、ニューハンプシャー州)に転写した。 プローブでハイブリダイゼーションする前に、ブロットしたニトロセルロース膜を、80℃真空中で、1〜2時間乾燥した。
放射性標識V31プローブを作成するために、鋳型DNA(全V31をコードする配列を含む1.9kb HimdIII-XbaI断片)を煮沸して変性させ、次に、ランダムヘキサマープライマーの混合物とアニーリングさせた。 クレノウ酵素と32P-dCTP、32P-dTTP、dATPおよびdGTPの混合物を使って、室温で、30分間プライマーを伸長した。 取り込まれなかったヌクレオチドを、G-25 Sephadex Quick Spin Column (Boehringer Mannheim社)に反応混合物を通して除去した。 32Pの取り込みは、チェレンコブカウントにより定量した。 プローブを煮沸して変性させ、次に、ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、5×SSC、5×デンハード溶液、50mM NaPO4、10μg/ml変性サケDNA)にて、mRNAブロットと共に、42℃で、一夜インキュベートした。 ブロット膜を、2×SSC、0.1% SDSで、室温で、10分間、2回洗浄し、次に、0.1×SSCで、50℃で、10分間、3〜4回洗浄した。 ブロット膜を空気中で乾燥し、次に、X線フィルムに時間を変えて暴露をした。
トランスフェクションした12個のCHOクローンの内、唯一、1個だけがV31 mRNAを発現していることが、ハイブリダイゼーションにより認められた。 この細胞系は、CH0-V31-10と命名された。 この細胞系のシグナルは8時間観察されたが、他の細胞からは有意な量のシグナルは認められなかった。
形質変換した9つの239細胞の内、2個(293-V31-1と293-V31-6)は、高いレベルでV31 mRNAを発現し、3個(293-V31-5、293-V31-7および293-V31-7)は、中程度の量を発現し、そして、4個については有意な量の発現が認められなかった。
V31 mRNAを発現する形質変換した293細胞の表現型
V31 mRNAを発現する形質変換した293細胞の表現型は、親の293細胞との比較によって変化する。 親の293細胞は、細胞表面にタンパクを突き出す特徴を有している。 このような突出(「スパイク」)は、形質変換された多くの細胞に共通の特徴である。 このような細胞は、プラスチックプレート上で偏平にならないが、接着性に大きな(スパイクの)特徴を示し、滑らかな被覆組織を形成しない。 反対に、高いレベルのV31 mRNAを発現する形質変換された293細胞(293-V31-1と293-V31-6)は偏平になり、培養中も滑らかな組織を形成する。 この細胞は、細胞同士が接近して連続的に互いに接触し、石を敷き詰めたように滑らかな被覆組織を形成する。 V31で形質変換した293細胞も、親の293細胞系と比べると、細胞の増殖率がきわめて低くなる。 このような形態学的な違いと増殖率の差は、V31の遺伝子発現に対して「あまり形質転換をしていない」表現型とも一致する。
これらの結果は、他の7TMレセプターを形質変換した細胞の場合とは著しく異なる。 例えば、セロトニンレセプターは、哺乳動物の細胞に形質導入すると強い形質転換体となる[Julius et al., Science, 244: 1057 (1989)]。
哺乳動物細胞でのV31 cDNAの発現
V31-B cDNAについても上述の方法と同様の方法で、pRc/CMV内で哺乳動物の細胞で発現するように操作した。 得られた発現プラスミドを、pRcV31-Bとした。 V31-B mRNAを発現する発現プラスミドで形質変換した293細胞は、V31ゲノムDNA構築物を形質導入した293細胞よりも、親の293細胞に近い表現型を示す。
実施例14
様々なヒト組織および造血系細胞における新規の7TMレセプターV31、V28およびR20のmRNAの発現を、放射性標識プローブを使って、ノーザンブロット分析およびin situハイブリダイゼーションにより分析した。
In situでのヒト組織へのV31プローブのハイブリダイゼーション
様々なヒト組織の凍結切片を、V31由来の放射性標識一本鎖RNAプローブを使って、in situハイブリダイゼーションを行った。
リンパ節、脾臓、胸腺および扁桃腺より得られた組織試料を、OTCブロック中で凍結し、−70℃で保存した。 クリオスタット2800M(Leica社)を使って、ブロックを6ミクロンの切片に切断し、Vectabond (Vector Laboratories社、バーリンゲーム、カリフォルニア州)でコートしたスライド状に加工した。 スライドを、室温で、一夜空気乾燥させ、−70℃で保存した。 使用前に、スライドを70℃環境から取り出し、5分間55℃に置いた。 次に、切片を4%パラホルムアルデヒド中で、4℃で、20分間固定し、PBSで3回洗浄し、脱水し(70-95-100%エタノール、1分、それぞれ室温で)、そして、30分間乾燥した。 切片を、70%ホルムアミド、2×SSCで、70℃で、2分間変性処理し、そして、2×SSCで洗浄し、脱水および30分間空気乾燥した。 切片を前ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、0.3M NaCl、20mM Tris pH8.0、10%硫酸デキストラン、1×デンハード溶液、100mM DTTおよび5mM EDTA)で、42℃で、2時間インキュベートし、次いで、放射性標識プローブを、その前ハイブリダイゼーション溶液(6×105cpm/切片)に加え、そして、切片を、50℃で、12〜16時間ハイブリダイゼーションした。
センスおよびアンチセンスV31プローブを作成するために、T7およびT3 RNAポリメラーゼを用いてゲルから精製した直鎖状のV31の727bp HincII断片を含むプラスミドから、35S-標識転写物を合成した。
ハイブリダイゼーションした後、切片を、4×SSC、10mM DTTで1時間室温で洗浄し、次に、50%ホルムアミド、1×SSC、10mM DTTで40分間、60℃で洗浄し、最後に2×SSCと0.1×SSCで、30分づつ、それぞれ室温で洗浄した。 アルコール脱水した後、空気乾燥したスライドを、Kodak NTB2 Nuclear Emulsion(42℃まで加熱したもの)に浸し、2時間室温で空気乾燥し、展開するときまで遮光した。 スライドを、Kodak D19 developerに4分間、4℃に置き、4回酸反応停止液(1ml 氷酢酸/500ml蒸留水)に浸し、Kodak fixerに4分間、4℃に置いた。 このスライドを3回水道水で洗浄し、ヘマトキシリン/エオシンで対比染色した。
V31アンチセンスプローブは、4種のヒト組織試料(リンパ節、脾臓、胸腺、扁桃腺)のそれぞれと強くハイブリダイズする。 反対に、V31センス鎖から調製した対照プローブは、これら組織と有意にハイブリダイズしなかった。
ヒト組織におけるV31発現ノーザンブロット分析
正常ヒト組織でのV31 mRNAの特異的発現も、ノーザンブロットハイブリダイゼーションによって分析した。 常法〔例えば、Chirgwin et al., Biochemistry, 18; 5294-5299 (1979)を参照〕によって、ヒト組織からRNAを調製し、そして、mRNAを多くするために、オリゴ-dTセルロースにて分画した。 mRNA試料を、ホルムアルデヒド−アガロースゲル上で分離し、ニトロセルロース膜に転写して実施例13に示した32P-標識V31プローブとハイブリダイズさせた。 V31プローブは明らかに、ヒトリンパ組織、扁桃腺、リンパ節および脾臓とハイブリダイズする。 副腎、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓または精巣でのハイブリダイゼーションは認められなかった。 小腸については少量のハイブリダイゼーションが認められ、これは、この組織でのリンパ突起を示すものであろう。
造血細胞系に於けるV31発現のノーザンブロット分析
いくつかの造血細胞系から単離した細胞を、対数増殖期まで培養し、遠心分離して回収し、150mM NaClで2回洗浄し、ペレットを−70℃で保存した。 RNAを抽出するために、細胞をグアニジウム-イソチオシアネート緩衝液(GIT)に懸濁し、ポリトロンミキサーで20秒間粉砕した。 RNA/GIT混合物を、塩化セシウムの上層に乗せ、35,000rpm(179,000×g)で、21時間遠心した。 RNAペレットを水に懸濁し、エタノールで沈澱させ、プロテイナーゼKで処理をして混在しているRNaseを除去した。 フェノール/クロロホルム抽出後、RNAを再沈澱し、水に再懸濁して分光光度計で定量した。
各RNA試料の10μgをノーザンブロット分析に用いた。 試料を変性し、ホルムアルデヒド/アガロースゲル上で電気泳動し、ニトロセルロース膜に転写して実施例13で示した32P-標識V31プローブとハイブリダイズさせた。
V31プローブは、T細胞系Hut 78、およびB細胞系RajiおよびJijoyeと強くハイブリダイズした。 T細胞系CEMも、V31とハイブリダイズするが、それほど強くはなかった。 反対に、T細胞系SKW3およびMolt4は、V31とハイブリダイズせず、また脊髄細胞系KG1、K562、HL-60およびU937も、V31とハイブリダイズしなかった。 ここで、ヒト組織におけるノーザンブロットおよびin situハイブリダイゼーションの結果を確認した。 すなわち、V31は、特異的にリンパ系細胞および組織で発現される。 他の造血細胞系におけるV31 mRNAの発現に対するノーザンブロット分析の結果を、以下の表2に示す。
Figure 2006129879
ヒト組織および細胞系でのV28発現のノーザンブロット分析
様々なヒト組織におけるV28 mRNAの発現を、32P-標識V28プローブを用いてノーザンブロット分析によって分析した。
具体的には、凍結組織試料を乳鉢と乳棒を使って液体窒素中で粉砕し、RNAを、ChomczynskiとSacchiのAPGCプロトコール[Analytical Biochemistry, 162: 156-159 (1986)]に従って単離した。 すなわち、試料を、4Mグアニジウムチオシアネート緩衝液中で均質化し、酸フェノール抽出処理とイソプロパノール沈澱処理を何度か繰り返した。 RNA試料を、RNaseを含まないDNase(Stratagene Cloning System社、ラヨラ、カリフォルニア州) で、30分間、37℃で処理し、混在しているDNAを除去し、フェノール/クロロホルム処理を2回行い、そして、エタノール沈澱、DEPC処理水に再溶解して、次に使用するまで−70℃で保存した。 細胞系からのRNAは、上述のV31の分析方法で述べた方法によって調製した。
各RNA試料の10〜30μgを、50%ホルムアミドおよび3.5Mホルムアルデヒドで、10分間、60℃でインキュベートして変性させ、電気泳動の前に、臭化フェノールブルーと臭化エチジウムを添加した。 試料を、2%ホルムアルデヒドを含んだ1.2%アガロースゲル上にて、90ボルトで、4時間電気泳動をした。 紫外線トランスイルミネーターで観察しながら写真撮影し、毛管現象により、一夜、20×SSCで、RNAをゲルからニトロセルロース膜(Schlelcher and Schuell社)に移した。 ブロットしたニトロセルロース膜を、ハイブリダイゼーションする前に、1〜2時間、真空中で、80℃で乾燥させた。
放射性標識V28プローブを作成するための鋳型として、全V28をコードする配列を含む1.5kb EcoRI断片を使用した。 標識付け、ハイブリダイゼーションおよび洗浄方法の詳細は、実施例2に記載の方法に従った。 ノーザンブロット分析の結果を、以下の表3に示した。
Figure 2006129879
ヒト組織におけるR20のノーザンブロット分析
様々なヒト組織におけるR20の発現を、ノーザンブロット分析によって検定した。 様々なヒト組織からPoly-A mRNAを単離し、変性アガロールゲル電気泳動によって分画し、ニトロセルロース膜上にブロットした。
R20の1.5kb HidIII-PstI断片からのプローブの調製は、次のようにして行った。
ゲルから精製した断片を50ngを取り、1μgのランダムヘキサマーとアニールさせた。
試料を、Klenow緩衝液(実施例2参照)、dATP、dGTP、32P-dCTPおよび32P-dTTPの存在下で、クレノウ酵素で処理し、室温で、75分間反応させた。
G-25 Quikspin column (Boehringer Mannheim社) に通過させることで、標識断片と、取り込まれなかったヌクレオチドとを分離し、煮沸して変性した後、氷上で冷却した。 このプローブは、5×SSC、50mM NaPO4、5×デンハード溶液および10μg/mlサケ精子DNAを含む溶液中で、42℃で、16時間、フィルターとハイブリダイズさせた。 続いて、このフィルターを、0.1×SSC、50℃で洗浄した。 ハイブリダイゼーションは、オートラジオグラフィーによって視覚化した。
組織分析の結果によれば、胎盤RNAに最も強いシグナルが認められた。 同じ見かけの分子量で観察したリンパ節、腎臓および胸腺のRNAの場合では、より弱いシグナルが得られた。 肝臓、卵巣または精巣RNAでは、ハイブリダイゼーションは認められなかった。
実施例15
V31をコードしている配列(およびその断片)とグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST) [Smith et al., Gene, 67: 31-40 (1988)]との融合タンパクとして大腸菌で発現させるために、遺伝子操作を行った。 GSTとの融合タンパクは、一般に大量に発現され、グルタチオン-アガロース−ビーズ上で容易に精製することができる。 これらの融合タンパクは、生化学の研究において多くの材料を提供し、抗体調製の際の免疫源として有用である。
V31をコードしている全配列を遺伝子操作により処理し、アミノ末端がGST、カルボキシル末端がV31であるような融合タンパクを発現するプラスミドpGEX-2Tを調製した。 プラスミドpGEX-2Tには、GSTの発現を促進するlacプロモーターが含まれている。 GST遺伝子の3'末端側には、BamHIとEcoRIの切断部位が含まれており、またトロンビンの切断部位もコードしている。 V31の5'末端のBamHI部位とPCR直接突然変異処理を施した3'末端のEcoRI部位を導入して、V31遺伝子を、BamHIとEcoRIで分解処理したpGEX-2Tにクローニングした。 5'オリゴヌクレオチド(V31-A、配列番号:47)は、pGEX-2Tの225と226番目の残基をコードするBamHI部位とメチオニン開始コドン(ATG)から開始しているV31遺伝子の17塩基を含んでいる。 下流のアンチセンスオリゴヌクレオチド(V31-B、配列番号:48) は、EcoRI部位と天然の停止コドンを含むV31コード配列の3'端側の17塩基を含んでいる。 PCRは、Perkin Elmer Cetusの機器にて、次の温度サイクルに従って行った。 最初の4分間は、94℃にて反応せしめ、続いて、(1) 30秒間、94℃で変性、(2) 30秒間、60℃でアニーリング、および(3) 30秒間、72℃で伸長し、この(1)〜(3)を25サイクル行った。 反応混合液には、合計50μlの中に、1×PCR緩衝液、0.25mM dGTP、0.25mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dTTP、0.01μg/μlの各プライマー、3×10-7mgの鋳型DNAおよび2.5単位のTaqポリメラーゼが含まれている。 PCRに続いて、反応液をフェノールおよびクロロホルムで処理し、エタノール沈澱を行った。
次に、DNAを、37℃にて、BamHIおよびEcoRIで分解し、1%アガロース/2%ナシーブアガロースゲル上で電気泳動した。 PCR主生成物に関して、電気泳動の移動度と予測された1241bpの大きさとが一致していた。 このDNAを電気泳動で溶出して、BamHIとEcoRIで処理して、電気泳動によって単離したpGEX-2T DNA断片と結合させた。 得られたDNAをコンピテント大腸菌に形質導入し、新しく作成されたプラスミドpGEX-V31-F4を含んだクローンを選び出し、分析した。
V31融合タンパクをコードしている挿入DNAを、ジデオキシ末端法によって配列決定した。 V31の最初の90個のアミノ酸(第1細胞外領域と思われる)だけを含んでいる短い融合タンパクも、GSTで調製した。 上述した実施例と同様にして、V31をコードする配列をPCR直接突然変異処理し、BamHIとEcoRIの切断部位を導入した。
5'オリゴヌクレオチド(V31-A)は、最初のGST融合タンパクの調製に使用したものと同一で、GST遺伝子のBamHI部位とV31遺伝子の17塩基を含んでいる。 下流のアンチセンスオリゴヌクレオチド(V31-C、配列番号:49)は、V31遺伝子の18塩基を含み(V31の90番目のアミノ酸の後に)、停止コドンが導入され、その後にEcoRI部位が続いている。 PCRの条件は、最初のGST融合タンパクの調製の時と全く同様に行った。 PCR生成物は、フェノール/クロロホルム抽出を行い、BamHIとEcoRIで分解した。 このDNAを、1%アガロース/2%ナシーブアガロースゲル上で電気泳動したところ、予想したサイズの281bpの移動度が観察された。 このDNAを電気泳動で溶出し、pGEX-2Tと結合させた。 得られたプラスミドの挿入部分、pGEX-V31-N1、を塩基配列分析で確認した。
4つの細胞外領域全体と融合したGSTを含む第3の融合タンパクを調製した。
V31のアミノ酸配列の領域は、親水性に基づいた領域として定義され、各領域の末端には1〜5の疎水性残基が含まれる(トラスメンブランセグメントを形成する)。 この分子のデザインによって領域間を分割するため、融合タンパクは、全体的な親水性の性質に変化はない。 PCR反応を4つに分けて行い、各領域をコードしているDNAを増幅した。 領域をコードしている配列を融合するために用いた方法は、Erlich, Ed., pp.61-70 in PCR Technology, Stocken Press, New York,(1989)に概要がまとめられている。 使用したたいていの5'オリゴヌクレオチド(V31-A)は、前項の2つのV31融合タンパクで使用したものと同一であり、GST遺伝子配列に連結するためのBamHI部位を含んでいた。 3'オリゴヌクレオチド(V31-J、配列番号:56)は、V31遺伝子の17塩基を含み、V31の343位のアミノ酸の後に停止コドンが導入され、その後に、EcoRI部位が続いている。
オリゴヌクレオチドV31-D(配列番号:50)は、上流のV31-Aと対を形成して第1細胞外領域をコードする249bpの断片を増幅する。 V31-Aオリゴヌクレオチドも、第2細胞外領域オリゴヌクレオチド(V31-E、配列番号:51) に相同性を示す12個の塩基を含んでいる。 第二細胞外領域を、オリゴヌクレオチドV31-EとV31-F(配列番号:52)で増幅した。 オリゴヌクレオチドV31-Eは、第1細胞外領域の12塩基を含み、その後に第2細胞外領域の17塩基が続いている。 つまり、第1細胞外領域3'末端のPCR生成物は、第2細胞外領域5'末端のPCR生成物と比較すると、24個の同一のアミノ酸を含んでおり、このため2つのPCR生成物が一緒にアニーリングされ、(オリゴヌクレオチドV31-AやオリゴヌクレオチドV31-Fを使ってPCRにより)融合したDNA断片と同様に再び増幅される。 この増幅方法は、第3および第4細胞外領域にも応用した。 第3細胞外領域は、オリゴV31-G(配列番号:53)とV31-H(配列番号:54)を使って増幅し、また、第4細胞外領域は、オリゴV31-I(配列番号:55)とV31-Jを使って増幅し、得られたPCR断片をアニールし、オリゴV31-GおよびV31-Jを使って再び増幅した。 最後に、第1/第2と第3/第4細胞外領域を含んでいる2つのDNA断片を、断片をアニーリングしてオリゴヌクレオチドV31-AとV31-Jを使った3回目のPCR反応によって増幅することで融合した。 PCRの条件とBamHIとEcoRIによる分解は、最初の2つのV31融合タンパクと同様に行った。 最初の4つのPCR反応の生成物を、1%アガロース/2%ナシーブアガロース上で電気泳動したところ、各反応物は、予想通りのサイズの断片であった(1〜4細胞外領域それぞれ294bp、75bp、105bpおよび111bp)。
2回目の増幅反応も同様のPCRの条件で行われたが、目的とする配列は、電気泳動ゲルに直接マイクロピペットのチップを突き刺して抜き出した。 取り出したアガロース(体積にして2〜3μl)は、そのまま2回目のPCR反応に使用した。
これらの反応物は、予想通りのDNA断片のサイズ、すなわち、345bp (第1/第2細胞外領域)および192bp(第3/第4細胞外領域)を示した。 これら1度アニーリングしたDNA断片を、同様に鋳型DNAとして用い、オリゴV31-AおよびV31-Jを使った最後のPCR反応に使用した。 最終のPCR生成物を、BamHIおよびEcoRIで分解したところ、予測された513bpに一致した移動度を示した。 このDNAを、電気泳動溶出し、pGEX-2Tと結合させた。 得られたプラスミドを、pGEX-V31-XI0とし、予想通りのDNA塩基配列であることを確認した。
増幅した配列とGST遺伝子との接合部の塩基配列を調べて、全部で3つのデザインした遺伝子が適当に構築されているかどうかを調べた。 3つのGST/V31融合遺伝子を大腸菌中で培養し、これらの合成物をIPTGで誘導した。 培養は、後期指数増殖期まで行い、遠心により集菌した。 細胞をPBSに懸濁し、超音波で粉砕した。 細胞破壊物を遠心して除き、上清にグルタチオン-アガロースビーズ(Sigma社)を混合した。 次に、このビーズをPBSでよく洗浄した。 ビーズに結合したタンパクは、還元型グルタチオン(Sigma社)を加えて溶出した。 精製過程の各段階から一部試料を取り、SDSポリアルリルアミドゲル電気泳動により、タンパクの分析を行った。 GSTは、この方法で容易に精製され、グルタチオン-アガロースから主要タンパクとして(90%以上)溶出される。 全長V31をコードする配列を含むGST融合タンパクは、全長の融合タンパクより分子量の小さいいくつかのタンパクのバンドを示した(GSTより1000、2500および4000ダルトン大きい)。 これらの生成物は、グルタチオン-アガロースビーズから溶出されたが、GSTよりも低いレベルで発現されていた。 これらのタンパクは、タンパク分解を受けたのかもしれない(下記参照)。 全長V31-GST融合タンパクの分子量に相当するバンドは認められなかった。
第1細胞外領域(pGEX-V31-N1)を含むGST融合タンパクは、グルタチオンアガロースでの精製後にいくつかのバンドを示した。 予想されたサイズに近い(GSTより10,000ダルトン大きい)バンドの一つと、それより小さい3つのバンドは、全長のV31を含むGST融合タンパクと同一の移動度を示した。
4つ全ての細胞外領域を含むGST融合タンパク(pGEX-V31-X10)の精製も試みた。
極小量のタンパクが、グルタチオン-アガロースビーズから溶出されたが、pGEX-V31-F4のバンド、および、さらに小さいpGEX-V31-X10のバンドと同様の移動度を示した。 しかし、大量のタンパクが細胞ペレットに結合しており、これらは予想された融合タンパクのサイズに一致した移動度を示した。 電気泳動的に精製した材料でアミノ末端のアミノ酸配列の決定を行ったところ、その配列は、GSTのアミノ末端の配列であった。 このタンパクは、4つのV31細胞外領域を有するGST融合タンパクで、タンパク合成中に封入体を形成したと思われる。 従って、不溶化して細胞ペレットに結合したのかも知れない。
V31がプロテアーゼを認識することは、何度か観察されている。 V31の構造は、トロンビンレセプターの構造に極めてよく似ている。 V31は、トロンビンレセプターに対して30%の相同性を示し、両分子とも通常長い第1細胞外領域を有する(V31は89残基、トロンビンは100残基)。 トロンビンレセプターは、第1細胞外領域内にトロンビン切断部位を持ち、このレセプターは、タンパク分解後活性型となる。 V31は、主なタンパク分解認識配列をもち、そこに連続した5個のリシン(第18〜第22位のアミノ酸)が含まれている。
この配列は、塩基残基に特異性を示すプロテアーゼにとって良好な標的となるはずである(このようなプロテアーゼはいくつか存在する、例えば、トリプシン)。 さらに、GST-V31融合タンパクの実験的観察から、第1細胞外領域は、明らかに大腸菌のプロテアーゼの標的になっている。 3つの融合タンパクをそれぞれ単離する間、前項で述べたように、ある種の材料は、一部が分解されていることがわっかた。 第1細胞外領域は、3つの融合タンパクに共通する唯一の配列であることから、タンパク分解を受けるのはおそらくこの部位である。 分解生成物の内、少なくとも一つの大きさ(GSTより2500ダルトン大きい)は、連続したリシンの位置もしくはその近傍で分解を受けたことと一致する。 この結果から、第1細胞外領域は、大腸菌のプロテアーゼの分解を受けることが示唆されるが、ヒトのプロテアーゼでも分解され、in vivoでV31のシグナル形質導入が展開されると考えられる。
実施例16
R20配列の細胞外領域も、GSTとの融合タンパクが大腸菌で発現するように遺伝子操作を施した。 V31領域に関して実施例15に記載したようにして、R20領域はその親水性によって選択した。 4つの独立したPCR反応を行い、それぞれの領域を増幅した。
5'オリゴヌクレオチド(R20-X1、配列番号:57)は、GST遺伝子との結合用にBamHI部位をコードし、続いて(メチオニン開始コドンで始まる)R20遺伝子の15ヌクレオチドが続く。
たいていの3'オリゴヌクレオチド (R20-Y4、配列番号:64) は、R20遺伝子(第4細胞外コード部分)の18残基を含み、R20の289番目のアミノ酸の後に停止コドンが導入されており、続いてEcoRI部位が導入されている。 第1細胞外領域をコードする配列は、実施例15に記載された条件を用い、オリゴヌクレオチドR20-X1およびR20-Y1(配列番号:58)でPCRを行って、調製した。 同様にして、第2、第3、第4細胞外領域をコードする配列を、それぞれR20-X2(配列番号:59)とR20-Y2(配列番号:60)、R20-X3(配列番号:61)とR20-Y3(配列番号:62)、および、R20-X4(配列番号:63)とR20-Y4のプライマー対を用いて増幅した。 実施例15と同様にして、第1および第2細胞外領域をコードする配列を、2回目のPCR反応で融合した。 (プライマーR20-Y1とR20-X2は、30個のヌクレオチドが重複しており、2つのPCR生成物のアニーリングを許容する融合したDNAを増幅するために、このPCR反応には、1回目の2つのPCR生成物とプライマーR20-X1とR20-Y2が含まれている。) 第3および第4細胞外領域をコードする配列も、同様にプライマーR20-X3とR20-Y4を用いて、PCR反応で融合した。 最後に2回目の反応から得られたPCR生成物をアニーリングさせて、プライマーR20-X1とR20-Y4を用いた3回目のPCR反応で増幅した。 この反応によって、第4細胞外領域をコードするDNAが得られた。 次に、実施例15に従って、このDNAをBamHIとEcoRIで分解し、pGEX-2Tと結合させた。 得られたプラスミドをpGEX-RDF6と命名し、挿入部をDNA塩基配列分析で確認した。
実施例15に従って、プラスミドを持つ大腸菌を培養し、GST-R20領域融合タンパクの生産を分析した。 適当な移動度を示すタンパクのバンドが、SDS-PAGEグルタチオン-アガロース精製物質上で観察された。 より低分子量(約1,000ダルトン小さい)の試料もいくつか観察され、タンパク分解物があるものと思われた。 これらの全てのバンドはトロンビンで分解され、GSTと同時に泳動するバンドが得られた。 この結果から、大腸菌の培養により、R20細胞外領域配列とのGST融合タンパクが産生されることが示唆された。 下記の実施例18に記載されている通り、グルタチオン-アガロース上で精製した物質で直接マウスを免疫し、抗体を調製した。
実施例17
実施例15および16と同様の方法で、V31-BとV28をコードする配列を操作して、GST融合タンパクを発現させた。
挿入部でコードされている配列(実施例3のV31-B cDNAまたは実施例7のV28 cDNA)を、pGEX-2TのBamHIおよびEcoRI部位にクローニングした。 このプラスミドを持つ1個の細菌コロニーを、50mlのL培地/カルベニシリンに植菌し、37℃で一夜培養した。 一夜培養した培地を、L培地/カルベニシリンで10倍に希釈して500mlとし、37℃で1.5時間培養した。 IPTGを1mMになるように加え、37℃で3.5時間培養した。 細菌をペレットにし、15mlのPBS/1% Triton X-100に溶解し、氷中で45秒間超音波処理して細胞破砕した。 この均質物を取り、マイクロ遠心機で、最高速度で、5分間遠心した。 細胞を、3mlのPBS/1% Triton X-100に懸濁した。 試料の半分量に、3.5mlの水、4.5mlの2×試料緩衝液、および0.5mlの2M DTTを加えて全量を10mlとした。 試料を3分間煮沸し、2つの10%アクリルアミドSDS調製用ゲルに乗せる前に遠心した。 ゲルは、30mAでおよそ15時間泳動し、氷冷0.4M塩化カリウム中でインキュベートしてタンパクのバンドを視覚化した。 誘導したバンドを切り出し、透析チューブ中で、約10mlのTris-グリシン緩衝液(SDS含まず)で、4時間、50Aで電気泳動溶出した。 必要な場合は、溶出した融合タンパクを、30kd分子量分離基準のAmiconミクロ濃縮機で濃縮した。
実施例18
V31融合タンパク質に対する抗体の調製
実施例15で述べたGST-V31融合タンパクV31-N1およびV31-X10を、グルタチオン-アガロース上で精製し、同量のフロインドアジュバンド(初回注入は完全アジュバンド、それ以降は不完全アジュバンド)で乳化した。 2匹のBalb/cマウスを初回免疫し、続いて約200μlで免疫した。 次の免疫は2週間毎に行い、3回後に後眼点より採血して屠殺せしめた。
免疫学的反応性を、ウエスタンブロット分析で検定した。 約25μgの免疫タンパクまたはGSTを、10%ポリアクリルアミドゲルに溶解し、ニトロセルロース膜に転写した。 フィルターを、5%脱脂乾燥ミルクおよび1%BSAを含むPBS 中で、2〜15時間、4℃でブロックした。 (前免疫または免疫処置した)血清を、ブロッキング緩衝液で1:50に希釈し、最終体積を2mlとした。 フィルター細片を用いて、4℃で、1時間インキュベートし、50mlのPBSで、3回洗浄した。 セイヨウワサビペルオキシダーゼを結合したヒツジ抗マウスIg抗体(Amersham社)を、PBSで1:500に希釈し、各フィルターと共に、1時間、4℃でインキュベートした。 フィルターを、100mlのPBSで、3回洗浄し、5mlの3,3'ジアミノベンジジン(10mM Tris-HCl;0.6% NiCl2;0.06% H2O2中にて0.6mg/ml)の中に置いた。 V31融合タンパクに対する免疫反応性が、V31-N1およびV31-X10で免疫処置したマウスの血清から観察された。 さらに、免疫反応性は、スロンビンで分解したV31-N1生成物(GSTおよびV31アミノ末端領域双方)に対しても観察された。
V31ペプチドに対する抗体の産生
V31ペプチドは、V31特異性抗体を生成するものを使用する。
例えば、以下のペプチドである。
Figure 2006129879
12番目のアミノ酸残基(システイン)をペプチドに加えて、免疫源運搬体のためのペプチドの接合体を作成した。 他のペプチドとして、例えば、以下のペプチドがある。
Figure 2006129879
ペプチドECDN-Bは、V31の第1細胞外領域のアミノ末端に相当し、ペプチドECD2は、V31の第2細胞外領域の領域に相当する。
実施例19
本発明の7TMレセプターに対する細胞外および細胞内リガンドの同定には、様々な方法がある。
例えば、7TMレセプターは、Gタンパクと結合して、生物学的反応に影響を与えることから、Gタンパクによって利用される二次シグナル伝達 [Linder et al., Sci. Am., 267: 56-65,(1992)] を利用して、組換え体7TMレセプターの機能を検定できる。 Gタンパクエフェクター分子(例えば、アデニルシクラーゼ、ホスホリパーゼC、イオンチャンネルおよびホスホジエステラーゼ)の活性の検定については既に報告されている。 例えば、サイクリックAMPの濃度が、市販のラジオイムノアッセイで測定できることや、ホスホイノシタイド生成物が容易に観察できること[Downes et al., Biochem. J. 198: 133-140 (1981)]、それに、細胞内カルシウムイオンの一次的放出が、分光蛍光法で観察できることが報告されている。 これらの検定は、本発明の7TMレセプターを発現する哺乳動物細胞で行うことができ、7TMレセプターの潜在的リガンドの同定または精製のための試験化合物の存在および非存在下で可能である。 また、7TMレセプターの作用薬または拮抗薬の同定または精製に、利用できると考えられる。
他の例として、カルシウム流動検定法が、本発明の7TMレセプターに対するリガンドを含む溶液または細胞抽出物の同定に利用できる。 特に、本発明の7TMレセプターをコードするDNA配列で形質変換した293細胞を、10cmプレート上のMEM+10%血清中で、約90%の細胞密度に達するまで培養する。 細胞を、CMF-PBSで洗浄し、4ml MEM+10%血清+1μM Fura-2 AM(分子プローブ、1mM濃度を、DMSOに溶解保存し、分割して冷凍保存したもの)中で、30分間、室温でインキュベートして、Fura-2を添加する。 細胞を再び洗浄し、ヴェルシーンを用いてプレートから除去する。 細胞をペレットにし、D-PBS(1mM Ca++を含む)で洗浄し、約500μlのD-PBSで懸濁し、濃度が約107/mlになるようにした。 Hitachi F-4010蛍光分光光度計で、蛍光の変化を測定する。 約106個の細胞を、合計1.8mlのD-PBSで懸濁し、37℃の温度を保ちながらキュベットを攪拌した。 励起波長を、340nmから380nmの間で、4秒間隔で変化させ、510nmにて蛍光をモニターする。 試験化合物を注入部から添加する。 実験の終了時にイノマイシンを加えてCa++の最高流動を測定する。
一次的なCa++の流動は、試験溶液中に存在する7TMレセプターのリガンドの存在の指標になる。
健康体および病疾患体に於ける免疫過程に関する7TMレセプターに対して様々な臨床応用の可能性があること、また、一般に、かなり多くのタンパクが、免疫過程に関与していると考えられている。 よって、このような過程に関与しているその他の7TMレセプターを単離する技術、特に、アミノ酸配列決定を目的としたこれらタンパクの同定および性質に関する情報が求められている。 新規の7TMレセプターをコードするDNAの単離によっても、健康体および病疾患体に於けるレセプターの役割を決定するための基本的な情報が得られる。
このレセプターを使った治療薬および/または診断薬を開発するための基本的情報を得るためには、このタンパクをコードしているDNAを単離する必要がある。 このDNAを単離すると、例えば、7TMタンパクの大量生産が可能になり、7TMタンパクを産生する細胞を同定することができる。 また、特定の7TMレセプター(または、レセプター群)と特異的に反応し、レセプターの生理活性を調節できる抗体および/または(天然のリガンド、作用薬および拮抗薬などの)他の新規物質の精製/同定が可能になる。
V31 7TMレセプターにおける7つのトランスメンブラン領域を示す模式図である。
配列表のフリーテキスト
<210> 2(配列番号:2)
<222> 12
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。

<210> 2(配列番号:2)
<222> 15
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。

<210> 2(配列番号:2)
<222> 18
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。

<210> 2(配列番号:2)
<222> 21
<223> この位置でのヌクレオチドも、イノシンであると思われる。

<210> 2(配列番号:2)
<222> 27
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。

Claims (7)

  1. 配列番号:14に記載の塩基配列からなるDNA。
  2. ATCC受託番号第75327号が付与されたプラスミド。
  3. 配列番号:15に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  4. 配列番号:35に記載の塩基配列からなるDNA。
  5. 配列番号:39に記載の塩基配列からなるDNA。
  6. 配列番号:43に記載の塩基配列からなるDNA。
  7. 配列番号:45に記載の塩基配列からなるDNA。
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