JP2006129879A - 新規の7−トランスメンブランレセプター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 7-トランスメンブランレセプターをコードする新規のポリヌクレオチドと、これらの1つと特異的に結合もしくは免疫反応性を示す、少なくとも1つのリガンド/レセプターを有するポリペプチド類。
【選択図】 なし
Description
新種の7TMレセプター超科の同定法として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を採用した。
最初に、8つの異なる変性オリゴヌクレオチドプライマープールを、血小板活性化因子レセプターのアミノ酸配列を基にデザインした。 8つのプライマープールによるPCRでは、新種の7TMレセプターは全く増幅されず、いくつかの血小板活性化因子レセプターのクローンが増幅されただけであった。
オリゴヌクレオチドプライマープール1と2を用いて、BlinとStaffordの方法 [Nucl. Acids Res., 3, 2303-2308 (1976)]によって、白血球細胞から精製したヒトゲノムDNAを増幅した。 PCRは、Perkin-Elmer-Cetusの機器を使い、次の温度サイクルに従って操作した。 最初の4分間は94℃にて反応せしめ、続いて、(1) 30秒間、94℃で変性、(2) 45秒間、50℃でアニーリング、および(3)2分間、72℃で伸長せしめ、この(1)〜(3)を、25サイクル行った。 反応混合液には、合計40μlの中に、1×PCR緩衝液、0.25mM dGTP、0.25mM dATP、0.25mM dCTP、0.25mM dTTP、0.01μg/μlプライマープール1、0.01μg/μlプライマープール2、0.125mg/mlヒトゲノムDNA、および2.5単位のTaqポリメラーゼが含まれている。 PCRで認められた主生成物は、1.2%アガロースゲル電気泳動によって、192塩基対の大きさが測定された。
下記に示した特異的プライマーを用いて、PCRによって、V31ゲノムクローンを単離した。
ヒトV31cDNAの単離
7TMレセプターV31をコードするヒトcDNAを単離した。 最初に、標準的な方法で作成したベクターpCDM8 [Invitrogen社、サンジエゴ、カリフォルニア州] でのヒト扁桃腺cDNAライブラリーから、PCRによってcDNAの一部を増幅した。 PCR反応に用いたプライマーは、以下の通りである。
V31-Bから推測されるアミノ酸配列と実施例2に記載のV31ゲノムクローンから推測されるアミノ酸配列の比較から、アミノ末端側に2つの異なる配列があることが明らかになった。 ゲノムクローン(配列番号:7の残基1-52)から推測される最初の52個のアミノ酸は、V31-B cDNAから推測されるアミノ酸配列には存在せず、20個の別のアミノ酸(配列番号:15の残基1-20)に置き変わっていた。 この結果から、ゲノムクローンの5'末端側には、イントロンが含まれているものと思われる。
V31遺伝子の染色体位置をヒト-マウス体細胞ハイブリッドのサザンブロット分析[Naylor et al., J. Exp. Med., 57: 1020-1027 (1983)]および中期染色体のin situハイブリダイゼーション[Cherif et al., Hum. Genet., 81: 358-362 (1989) and Fan et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 6223-6227 (1990)]によって決定した。
マウス細胞C6VLから1.9Kb V31遺伝子をプローブとした標準的な方法によって作成したマウスゲノムライブラリーから、V31ゲノムクローンを単離した。 ライブラリーを、緩やかな条件 (30%ホルムアミド、42℃)でプローブと反応させた。 単離されたマウスV31ゲノムクローンのDNAおよび推測されるアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:23および24に示した。
実施例1で単離されたPCR断片であって、7TMレセプターV28をコードする断片を用いて、V28に特異的な合成オリゴヌクレオチドをデザインした。 重複箇所が二箇所あるオリゴヌクレオチドを、下記の通り合成した。 中央の9bpの重複によって、断片のコード鎖および非コード鎖を示した。
標準的な方法によってベクターpRc/CMV(Stratagene社)内で調製した末梢血単核細胞ライブラリーから、ヒトV28 cDNAを単離した。 V28-特異性オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行い、V28クローンを含むライブラリーの画分を同定した。 使用したプライマーは、以下の通りである。
標準的な方法によってベクターpRc/CMV(Stratagene社)内で調製したマクロファージcDNAライブラリーから、実施例1に示したV112ゲノム断片に対応するヒトV112 cDNAを単離した。 V112-特異性オリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRを行い、V112クローンを含むライブラリーの画分を同定した。 使用したプライマーは、以下の通りである。
実施例1の記載に従ってPCR単離したR20を用いて、全遺伝子に対するゲノムライブラリーのスクリーニングを行った。 下記した特異的プライマーの配列と32P-標識ヌクレオチドを用いたPCRによって、R20の一部の配列を増幅することで、R20に特異的なプローブを調製した。 下記のプライマーは、R20-61がコード鎖の最初の21塩基に相当し、R20-153RCが非コード鎖の最初の20塩基に対応している。
R20遺伝子を単離する間に、2つの弱いハイブリダイゼーションを示す配列が単離されたが、他の7TMレセプターに対して有意な相同性を示した。 実施例9の方法に従い、R20特異性プローブ(実施例9)を用いて、ヒトゲノム胎児肝臓DNAライブラリー(ATCC 37333)をスクリーニングした。 このライブラリーでは、R20遺伝子を同定することはできなかったが、いくつかの弱いハイブリダイゼーションを示すクローンが認められたため、プラークを精製し、サブクローニングして塩基配列を調べた。 得られた二つのクローンを、R2(ATCC 75329)およびR12(ATCC75331)と命名した。 R2およびR12(それぞれ、配列番号:41と42、43と44に存在している)の全長DNAと予測されるアミノ酸配列は、他の7TMレセプターに対して相同性を示した。 R2 7TMレセプターの予測される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:42のアミノ酸残基41-69、77-104、120-138、161-186、207-226、247-270および294-318に対応しており、R12 7TMレセプターの予測される7-トランスメンブラン領域は、配列番号:44のアミノ酸残基33-57、68-90、106-127、145-168、193-217、233-251および290-312に対応している。 R2は、IL8R1と25%の相同性を示し、AT2Rとは24%の相同性を示した。 また、R12はIL8R1と26%の相同性を示し、AT2Rとは19%の相同性を示した。
もう一つの新規の7TMレセプターが、実施例1と同様の方法で同定された。
実施例1〜11で示した7つの新規の7TMレセプターの内の5つのレセプター間のアミノ酸の一致数と、既に同定されている7TMレセプターとの比較を、以下の表1に示す。 表中、fMLPは、N-ホルミルペプチドレセプター、ThrRは、トロンビンレセプターを示す。
V31ゲノムDNAを、CHO/DHFR-細胞(ATCC CRL9096)および293細胞(ATCC CRL1573)に形質導入し、その細胞をノーザンブロットで分析してV31の発現を調べた。
1.9kbのPstI断片で、実施例2に記載されている全長ラムダゲノムクローン(λS-V31-3)からV31をコードする配列を切り出し、PstIで切断した市販のプラスミドBluescript SK+ (Stratagene社)に組み込み、中間構築物質pV31-Pstを調製した。 次に、HindIIIおよびXbalによる分解によって、プラスミドpV31-Pstから全V31断片と60bpのポリリンカーを切り出し、HindIIIおよびXbalで切断した市販の哺乳類発現プラスミドpRc/CMV(Invitrogen社、サンジエゴ、カリフォルニア州)に組み込んだ。
V31発現構築物、pV31XPを市販の形質変換用試薬DOTAP(Boehringer Mannheim社、インディアナポリス、インディアナ州)を用いたリポ変換によって、CHOおよび293細胞に形質導入した。 G418耐性株の選抜に続いて、各V31形質変換株のサブクローニングを行った。
トランスフェクションした細胞のV31mRNAの特異的な発現について、32P-標識V31プローブを用いたノーザンブロットハイブリダイゼーションにより分析を行った。 形質変換した細胞を対数増殖期まで培養し、次に、遠心分離してPBSで1回洗浄した。 市販のMicro-Fast Track mRNA isolation kit (Invitrogen社)を用いて、細胞からmRNAを単離した。
V31 mRNAを発現する形質変換した293細胞の表現型は、親の293細胞との比較によって変化する。 親の293細胞は、細胞表面にタンパクを突き出す特徴を有している。 このような突出(「スパイク」)は、形質変換された多くの細胞に共通の特徴である。 このような細胞は、プラスチックプレート上で偏平にならないが、接着性に大きな(スパイクの)特徴を示し、滑らかな被覆組織を形成しない。 反対に、高いレベルのV31 mRNAを発現する形質変換された293細胞(293-V31-1と293-V31-6)は偏平になり、培養中も滑らかな組織を形成する。 この細胞は、細胞同士が接近して連続的に互いに接触し、石を敷き詰めたように滑らかな被覆組織を形成する。 V31で形質変換した293細胞も、親の293細胞系と比べると、細胞の増殖率がきわめて低くなる。 このような形態学的な違いと増殖率の差は、V31の遺伝子発現に対して「あまり形質転換をしていない」表現型とも一致する。
V31-B cDNAについても上述の方法と同様の方法で、pRc/CMV内で哺乳動物の細胞で発現するように操作した。 得られた発現プラスミドを、pRcV31-Bとした。 V31-B mRNAを発現する発現プラスミドで形質変換した293細胞は、V31ゲノムDNA構築物を形質導入した293細胞よりも、親の293細胞に近い表現型を示す。
様々なヒト組織および造血系細胞における新規の7TMレセプターV31、V28およびR20のmRNAの発現を、放射性標識プローブを使って、ノーザンブロット分析およびin situハイブリダイゼーションにより分析した。
様々なヒト組織の凍結切片を、V31由来の放射性標識一本鎖RNAプローブを使って、in situハイブリダイゼーションを行った。
正常ヒト組織でのV31 mRNAの特異的発現も、ノーザンブロットハイブリダイゼーションによって分析した。 常法〔例えば、Chirgwin et al., Biochemistry, 18; 5294-5299 (1979)を参照〕によって、ヒト組織からRNAを調製し、そして、mRNAを多くするために、オリゴ-dTセルロースにて分画した。 mRNA試料を、ホルムアルデヒド−アガロースゲル上で分離し、ニトロセルロース膜に転写して実施例13に示した32P-標識V31プローブとハイブリダイズさせた。 V31プローブは明らかに、ヒトリンパ組織、扁桃腺、リンパ節および脾臓とハイブリダイズする。 副腎、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、膵臓または精巣でのハイブリダイゼーションは認められなかった。 小腸については少量のハイブリダイゼーションが認められ、これは、この組織でのリンパ突起を示すものであろう。
いくつかの造血細胞系から単離した細胞を、対数増殖期まで培養し、遠心分離して回収し、150mM NaClで2回洗浄し、ペレットを−70℃で保存した。 RNAを抽出するために、細胞をグアニジウム-イソチオシアネート緩衝液(GIT)に懸濁し、ポリトロンミキサーで20秒間粉砕した。 RNA/GIT混合物を、塩化セシウムの上層に乗せ、35,000rpm(179,000×g)で、21時間遠心した。 RNAペレットを水に懸濁し、エタノールで沈澱させ、プロテイナーゼKで処理をして混在しているRNaseを除去した。 フェノール/クロロホルム抽出後、RNAを再沈澱し、水に再懸濁して分光光度計で定量した。
様々なヒト組織におけるR20の発現を、ノーザンブロット分析によって検定した。 様々なヒト組織からPoly-A mRNAを単離し、変性アガロールゲル電気泳動によって分画し、ニトロセルロース膜上にブロットした。
V31をコードしている配列(およびその断片)とグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST) [Smith et al., Gene, 67: 31-40 (1988)]との融合タンパクとして大腸菌で発現させるために、遺伝子操作を行った。 GSTとの融合タンパクは、一般に大量に発現され、グルタチオン-アガロース−ビーズ上で容易に精製することができる。 これらの融合タンパクは、生化学の研究において多くの材料を提供し、抗体調製の際の免疫源として有用である。
2回目の増幅反応も同様のPCRの条件で行われたが、目的とする配列は、電気泳動ゲルに直接マイクロピペットのチップを突き刺して抜き出した。 取り出したアガロース(体積にして2〜3μl)は、そのまま2回目のPCR反応に使用した。
R20配列の細胞外領域も、GSTとの融合タンパクが大腸菌で発現するように遺伝子操作を施した。 V31領域に関して実施例15に記載したようにして、R20領域はその親水性によって選択した。 4つの独立したPCR反応を行い、それぞれの領域を増幅した。
実施例15および16と同様の方法で、V31-BとV28をコードする配列を操作して、GST融合タンパクを発現させた。
V31融合タンパク質に対する抗体の調製
実施例15で述べたGST-V31融合タンパクV31-N1およびV31-X10を、グルタチオン-アガロース上で精製し、同量のフロインドアジュバンド(初回注入は完全アジュバンド、それ以降は不完全アジュバンド)で乳化した。 2匹のBalb/cマウスを初回免疫し、続いて約200μlで免疫した。 次の免疫は2週間毎に行い、3回後に後眼点より採血して屠殺せしめた。
V31ペプチドは、V31特異性抗体を生成するものを使用する。
本発明の7TMレセプターに対する細胞外および細胞内リガンドの同定には、様々な方法がある。
<222> 12
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。
<210> 2(配列番号:2)
<222> 15
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。
<210> 2(配列番号:2)
<222> 18
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。
<210> 2(配列番号:2)
<222> 21
<223> この位置でのヌクレオチドも、イノシンであると思われる。
<210> 2(配列番号:2)
<222> 27
<223> この位置での修飾塩基は、イノシンである。
Claims (7)
- 配列番号:14に記載の塩基配列からなるDNA。
- ATCC受託番号第75327号が付与されたプラスミド。
- 配列番号:15に記載のアミノ酸配列からなるポリペプチド。
- 配列番号:35に記載の塩基配列からなるDNA。
- 配列番号:39に記載の塩基配列からなるDNA。
- 配列番号:43に記載の塩基配列からなるDNA。
- 配列番号:45に記載の塩基配列からなるDNA。
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