JP3330937B2 - ヒト結腸直腸癌におけるapc遺伝子の遺伝的および体細胞的突然変異 - Google Patents

ヒト結腸直腸癌におけるapc遺伝子の遺伝的および体細胞的突然変異

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は癌の診断学および治療学の分野に関する。さ
らに具体的には、野生型APC遺伝子の生殖細胞および体
細胞における変異の検出に関する。さらに、APC遺伝子
産物の機能を回復するための治療方法に関する。
背景技術 Kundsonの腫瘍形成モデル(Cancer Research,Vol.45,
p.1482,1985)によると、すべての細胞には癌抑制遺伝
子が存在するが、これらの遺伝子が突然変異によって機
能しなくなると腫瘍の形成が起こる。網膜芽腫および結
腸直腸癌の原因についてこのモデルの正しさを示す証拠
が得られている。これらの癌に影響を与える抑制遺伝
子、RB、p53、DCCおよびMCCは研究された癌の多くのケ
ースで欠損したり変異したりしていることがわかった
(Hansen and Cavenee,Cancer Research,Vol.47,pp.551
8−5527(1987);Baker et al.,Science,Vol.244,p.217
(1989);Fearon et al.,Science,Vol.247,p.49(199
0);Kinzler et al.Science Vol.251,p.1366(199
1))。
癌の原因を完全に解明するために、発癌過程に機能す
る他の抑制遺伝子を同定することが必要である。これら
の抑制遺伝子のうちで顕著なものは、おそらく5q21に位
置すると予想される単一または複数の遺伝子である。細
胞遺伝学的研究(Herrera et al.,Am J.Med.Genet.,Vo
l.25,p.473(1986))及び遺伝子連鎖の研究(Leppert
et al.,Science,Vol.238,p,1411(1987);Bodmer et a
l.,Nature,Vol.328,P.614(1987))によって、この染
色体領域には家族性腺腫ポリポシス(FAP)およびガー
ドナー症候群(GS)の原因となる遺伝子が存在すること
が示された。FAPは常染色体優性遺伝病で、この病気に
冒された患者には数百から数千もの腺腫ポリープがで
き、そのうちのいくつかは悪性になる。GSはFAPの変形
で、結腸および直腸の多数の腺腫と共に、数腱腫、骨腫
および他の軟組織の腫瘍が生じる。2−40個の少ないポ
リープしか生じないもっと軽い症状のポリポシスも見つ
かっている。このポリポシスも家族性で、FAPおよびGS
と同じ染色体マーカーに連結している(Leppert et a
l.,New England Journal of Medicine,Vol.322,pp.904
−908,1990.)。さらに、FAPを有しない(散発性癌)患
者の腺腫(Vogelstein et al.,N.Engl.J.Med.,Vol.319,
P.525(1988))および癌腫(Vogelstein et al.,N.Eng
l.J.Med.,Vol.319,P.525(1988);Solomon et al.,Natu
re,Vol.328,p.616(1987);Sasaki et al.,Cancer Rese
arch,Vol.49,P.4402(1989);Delattre et al.,Lancet,
Vol.2,P.353(1989);and Ashton−Rickardt et al.,On
cogene,Vol.4,p.1169(1989))からも、この染色体領
域がしばしば欠失している。よって、染色体5q21の予想
される抑制遺伝子は、散発性と家族性の双方の癌の結腸
直腸腫瘍形成の初期段階に機能していると考えられる。
MCC遺伝子は抑制遺伝子の候補として5q21上に同定さ
れたが、FAPおよびGS患者においても変更していないよ
うである。よって、この染色体領域を研究して遺伝子を
同定し、それらの遺伝子のうちFAP及び/またはGS、お
よび発癌過程に関連するものがあるかどうかを決定する
ことが当該技術分野において必要である。
発明の概要 本発明の目的は、ヒトの癌細胞を診断し予知する方法
を提供することである。
本発明の別の目的は、遺伝的に癌になりやすい素因を
検出する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、野生型APC遺伝子の機能を失っ
た細胞に該機能を与える方法を提供することである。
本発明のまた別の目的は、複製連鎖反応(PCR)によ
ってAPC対立遺伝子の塩基配列を決定するためのキット
を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、ヒトAPC遺伝子の突然変
異を検出するための核酸プローブを提供することであ
る。
本発明のさらに別の目的は、APC遺伝子産物をコード
するcDNA分子を提供することである。
本発明のまた別の目的は、ヒトAPC蛋白質調製品を提
供することである。
本発明の別の目的は、遺伝的に癌になるやすい素因を
スクリーニングする方法を提供することである。
本発明の目的は、治療剤の腫瘍抑制能をテストする方
法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、突然変異APC対立遺伝子
を有する動物を提供することである。
本発明のこれらのまた他の目的は、下記に記載される
1つまたは複数の態様によって達成される。本発明の態
様の1つによれば、散発性結腸直腸癌組織中の野生型AP
C遺伝子またはその発現産物における組織の新生物形成
に示唆する体細胞変異を検出する:工程から成るヒト新
生物形成組織の診断および予知方法が提供される。
また別の態様によれば、血液および胎児組織からなる
グループから選択されたヒトの試料を単離し;試料中の
野生型APC遺伝子のコード配列またはその発現産物にお
ける遺伝的に癌になりやすい傾向を示唆する体細胞変異
を検出する:工程から成る、家族性腺腫ポリポシス(FA
P)およびガードナー症候群(GS)含むヒトの癌に遺伝
的に成りやすい素因を検出する方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、野生型APC遺伝子を該遺
伝子の機能を喪失した細胞に導入し、該野生型APC遺伝
子を細胞内で発現させる:工程からなる、APC遺伝子の
突然変異によって該遺伝子の機能を喪失した細胞に野生
型APC遺伝子の機能を与える方法が提供される。
別の態様によれば、野生型APC遺伝子の一部分を該遺
伝子の機能を喪失した細胞に導入し、該細胞の非新生物
的な増殖に必要なAPC蛋白質の一部分をコードする該遺
伝子部分を細胞内で発現させる:工程からなる、野生型
APC遺伝子の機能を細胞に与える方法を提供する。さら
に突然変異APC遺伝子を治療すために、APC蛋白質を細胞
に適用したり動物に導入したりすることができる。合成
ペプチド又は薬剤を用いてAPC発現が変異した細胞内でA
PCの機能を模倣することもできる。
また別の態様によれば、複製連鎖反応(PCR)によっ
てAPC遺伝子の塩基配列を決定するための一対の一本鎖
プライマーが提供される。該一対の一本鎖DNAプライマ
ーの配列は染色体5qバンド21に由来し、このプライマー
はAPC遺伝子コード配列の合成を可能にする。
本発明のさらに別の態様によれば、ヒト野生型APC遺
伝子コード配列と相補的な核酸プローブが提供される。
このプローブは突然変異APC遺伝子とミスマッチを形成
することができ、該ミスマッチは酵素的若しくは化学的
切断、または電気泳動の移動度のシフトによって検出す
ることができる。
本発明の別の態様によれば、ヒトの新生物組織の存在
を検出する方法が提供される。この方法は、ヒトから体
の組織の試料を単離し;野生型APC遺伝子配列または野
生型APC発現産物に、ヒトの新生物組織の存在を示唆す
る変異を検出する工程からなる。
さらに別の態様によれば、APC遺伝子のコード配列か
ら成るcDNA配列が提供される。
また別の態様によれば、実質的にヒトの他の蛋白質を
含んでいないヒトAPC蛋白質の調製品が提供される。こ
の蛋白質のアミノ酸配列は図3および7に示されてい
る。
本発明のまた別の態様によれば、家族性腺腫ポリポシ
ス(FAP)およびガードナー症候群(GS)含むヒトの癌
に遺伝的に成りやすい素因をスクリーニングする方法が
提供される。この方法は、遺伝的に関係している血族関
係のなかで、、癌に遺伝的に成りやすい素因を示唆する
ような、癌に遺伝的に成りやすい素因を有する個体中で
突然変異APC対立遺伝子と連鎖しているDNA多型性の存在
を検出する工程からなる。
本発明の別の態様によれば、治療剤が、悪性腫瘍化し
た表現型を抑制する能力をテストする方法が提供され
る。この方法は、APC対立遺伝子に突然変異を有する培
養上皮細胞に、テストする物質を適用し;そして、該テ
スト物質が、細胞の悪性腫瘍化した表現型を抑制するか
否かを判断する工程からなる。
本発明の別の態様によれば、治療剤が、悪性腫瘍化し
た表現型を抑制する能力をテストする方法が提供され
る。この方法は、突然変異APC対立遺伝子を有する動物
にテスト物質を投与し;そして、該テスト物質が、腫瘍
の増殖を抑制するか否かを判断する工程からなる。
本発明のさらに別の態様によれば、トランスジェニッ
ク動物が提供される。この動物は、第二の動物種由来の
突然変異APC対立遺伝子を有するか、あるいはAPC遺伝子
を破壊する挿入突然変異を有するように遺伝子工学的に
操作されている。
本発明は、今まで未知の遺伝子であったAPC遺伝子
が、実際に、染色体5q21上の突然変異の標的であるこ
と、および、これらの変異は腫瘍形成過程に関与してい
るという情報を当該分野に提供する。この情報によっ
て、特定の組織の新生物状態、または、個体中の癌に遺
伝的に成りやすい素因を評価するための非常に特異的な
分析が可能となる。本発明は、上記に記載した、あまり
重病でない家族性ポリポシスだけでなく、家族性腺腫ポ
リポシス、散発性結腸直腸癌およびガードナー症候群に
も適用することができる。
図面の簡単な説明 図1Aは、酵母人工染色体(YAC)コンティーグ(conti
g)の概略図を示す。選択されたRFLPマーカーとコンテ
ィーグ(contig)内の遺伝学的距離は、センチモルガン
(centiMorgans)で示す。
図1Bは、3つの主要なコンティーグの詳細な遺伝子地
図を示す。FAP領域で同定された6つの遺伝子の位置が
示されている;これらの遺伝子の転写産物の5'および3'
末端はまだ一般に単離されておらず、遺伝子の位置を示
すバーを囲む点線で示されている。選択された制限酵素
の認識部位が示してある。B:BssH2;S:Sst II;M:Mlu I;
N:Nrur多I 図2は、TB1およびTB2遺伝子の配列を示す。TB1遺伝
子のcDNA配列はテキストに記載されたように正常な結腸
および肝臓に由来した11個のcDNAクローンの分析から決
定された。オーバーラップしたcDNAクローン中に総計23
14塩基対が含まれており、ヌクレオチド1から始まる42
4アミノ酸残基のORFをコードしていた。ORFから予想さ
れるアミノ酸配列のみを示す。ORFのカルボキシ末端は
明らかに同定されたが、TB1転写産物の5'末端はまだ正
確には決定されていない。
TB2遺伝子の塩基配列は、テキストに記載されたよう
に得られたYS−39クローンから決定された。このクロー
ンは2300塩基対からなり、ヌクレオチド1から始まる18
5アミノ酸残基のORFをコードしていた。予想されるアミ
ノ酸配列のみを示す。ORFのカルボキシ末端は明らかに
同定されたが、TB2転写産物の5'末端はまだ正確には決
定されていない。
図3は、APC遺伝子産物の配列を示す。cDNA配列は健
常者の結腸、肝臓及び脳に由来した87個のcDNAクローン
から決定された。オーバーラップしたcDNAクローン中に
総計8973塩基対が含まれており、2842アミノ酸残基のOR
Fをコードしていた。テキストに記載したように、このO
RFの周囲にはインフレームの終止コドンが存在し、APC
遺伝子産物全体が示したORF中に含まれていることを示
唆している。
図4は、ヒトAPCの酵母のral2との部分的な相同性を
示している。APC、MCCおよびm3ムスカリンアセチルコリ
ン受容体(mAChR)の部分的な相同性を示している。mAC
hRの示した領域は、受容体とG蛋白質との結合に関与す
る領域に相当する。棒線は一致するアミノ酸残基を示
し;点線は類似するアミノ酸残基を示す。
図5は、FAP遺伝子座の1200kbのNot I断片の遺伝子地
図を示す。Not I断片は太線で示してある。患者3214お
よび3824由来の欠損した染色体の対応する部分が点刻線
で示してある。Not I断片、欠損染色体およびサブクロ
ーンを得た3つのYACの特性を知るために用いたプロー
ブを制限酵素地図の下に示した。YAC183H12のキメラ末
端を点線で示した。MCCの方向とおよその位置を地図の
上側に示した。
図6は、DP1(TB2)のDNA配列と予想されるアミノ酸
配列を示している。ヌクレオチド番号は単離されたヌク
レオチドの最も5'側から始まっている。予想される開始
メチオニン(塩基77)は太字で示してある。完全なコー
ド配列が表されている。
図7は、DP2.5(APC)のcDNAと予想されるアミノ酸配
列を示している。ヌクレオチド番号は、予想される開始
メチオニンから始まっている。選択的にスプライシング
されたエクソン(エクソン9;ヌクレオチド934−1236)
のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は小文字で示し
てある。3'末端においては、9530にポリA付加シグナル
があり、cDNAクローンの1つは9563にポリAがある。し
かし、他方のcDNAクローンは9563の先まで続いており、
それらの共通配列をここに示した。
図8は、DP2.5(APC)におけるエクソンの配列を示し
ている。(A)エクソン9はヌクレオチド933−1312に
相当する;エクソン9aはヌクレオチド1236−1312に相当
する。cDNA中の終止コドンがヌクレオチド8535にある。
(B)各エクソンの周りのイントロンの部分配列を示し
ている。
発明の詳細な説明 本発明で、染色体5q上の今まで未知の遺伝子におい
て、腫瘍形成に関連する変異が生じることが発見され
た。ここでは、この遺伝子をAPC(Adenomatous Polypos
is Coli:腺腫結腸ポリポシス)遺伝子と名付けた。ある
種の癌では染色体5q上の対立遺伝子がしばしば欠失して
いることは以前から知られていたが、これらの欠失の標
的遺伝子がAPC遺伝子であることは知られていなかっ
た。さらに、APC遺伝子における別のタイプの突然変異
が癌と関連していることも知られていなかった。APC遺
伝子の突然変異には、挿入や欠失などの大きな再配列も
含むことがある。点突然変異も観察されている。
本発明の診断学的および予防学的方法によると、野生
型APC遺伝子の変更を検出することができる。本発明の
“野生型遺伝子の変更”は、欠失を含むあらゆる形の変
異を意味する。変更の原因としては、挿入、逆位及び欠
失、または点突然変異など、どのような再配列でもよ
い。欠失は、遺伝子全体または一部分であってもよい。
体細胞変異は、例えば、癌組織などのある組織にのみお
こる変異で、生殖細胞系には遺伝しない。生殖細胞系変
異は、体のあらゆる組織中で見つかる。対立遺伝子の片
方のみが体細胞変異をおこした場合、新生物状態の初期
であることが示唆される。しかし、対立遺伝子が両方と
も変異した場合は、新生物状態の後期であろうと考えら
れる。それ故、APC遺伝子の突然変異の発見は診断学的
および予防学的情報の双方を提供する。APC対立遺伝子
が欠失していないもの(例えば、姉妹染色体上のAPC遺
伝子が、APC欠損を有する染色体に転座したもの)は、
挿入、小さな欠失および点突然変異などの他の変異に基
づいてスクリーニングすることができる。癌組織に見ら
れる多くの突然変異は、APC遺伝子産物の発現を減少さ
せるものであろうと信じられている。しかし、機能を失
った遺伝子産物を生成させるような変異もやはり癌状態
を導くと思われる。遺伝子のプロモーターのような制御
領域で点突然変異が起こると、mRNAの発現が消失する
か、または、減少する。点突然変異はまた、適切なRNA
プロセッシングを阻害してAPC遺伝子産物の発現を損な
う。
組織中の野生型APC遺伝子の変更を検出するために
は、周囲の正常な組織を含まない組織を単離することが
有効である。組織の調製品の癌細胞の濃度を高める方法
は当該技術分野において知られている。例えば、組織は
パラフィンまたはクリオスタットセクションを用いて単
離できる。癌細胞はまたフローサイトメトリーを用いて
正常細胞から分離できる。癌細胞を正常な細胞から分離
するためのこれらの、および他の技術は当該分野におい
てよく知られている。癌組織に正常細胞がたくさん混ざ
っていると、突然変異の検出がより難しくなる。
点突然変異の検出は、APC対立遺伝子(alleleまたはa
lleles)を分子的にクローニングし、当該分野でよく知
られている技術を用いてその対立遺伝子の塩基配列を決
定することによって達成される。または、複製連鎖反応
(PCR)を用いて、癌組織のゲノムDNA調製品から直接遺
伝子配列を増幅することもできる。そして、増幅された
配列のDNA配列を決定することができる。複製連鎖反応
自体は当該分野でよく知られている。例えば、Saiki et
al.,Science,Vol.239,p.487,1988;米国特許4,683,203
号;および米国特許4,683,195号を参照していただきた
い。この遺伝子を増幅させるための具体的なプライマー
については、先でもっと詳しく論ずる。同様に当該分野
で知られているライゲース連鎖反応を用いてAPC配列を
増幅することもできる。Wu et al.,Genomics,Vol.4,pp.
560−569(1989)を参照していただきたい。さらに、対
立遺伝子に特異的なPCRとして知られている技術を用い
ることができる。(Ruano and Kidd,Nucleic Acids Res
earch,Vol.17,p.8392,1989.)この方法によると、特定
のAPC突然変異体に3'末端でハイブリダイズするプライ
マーが用いられる。もし、特定のAPC突然変異が存在し
なければ、増幅産物は観察されない。増幅不応突然変異
システム(ARMS)(ヨーロッパ特許出願公開No.0332435
およびNewton et al.,Nucleic Acids Research,Vol.17,
P.7,1989)を用いることもできる。遺伝子の挿入および
欠失は、クローニング、シークエンシングおよび増幅に
よって検出することもできる。さらに、遺伝子または周
囲のマーカー遺伝子の制限断片長多型(RFLP)プローブ
を利用して、対立遺伝子の変更または多型断片中の挿入
の数を評価するのに用いることができる。このような方
法は、特に、APC突然変異を持つ患者と血族関係にある
人々の中で該APC突然変異が存在する者をスクリーニン
グするのに有用である。SSCP(Single stranded confor
mation polymorphism)分析を用いて、対立遺伝子の塩
基変異体を検出することもできる(Orita et al.,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA Vol.86,pp.2766−2770,1989,and Ge
nomics,Vol.5,pp.874−879,1989)。当該分野で知られ
ている挿入および欠失を検出するための他の方法を用い
ることもできる。
野生型遺伝子の変更は、遺伝子の野生型発現産物の変
更に基づいて検出することもできる。このような発現産
物は、APC蛋白質産物だけでなくAPCmRNAも含む。これら
の産物の配列を図3および7に示す。mRNAを増幅し塩基
配列を決定するか、または、mRNAから作成されたcDNAの
分子的クローニングによって、点突然変異を検出するこ
とができる。クローンcDNAの配列は当該分野でよく知ら
れているDNAシークエンス技術を用いて決定することが
できる。cDNAの配列決定は、下記により詳細に論ずる複
製連鎖反応(PCR)を用いて行うこともできる。
本発明においてミスマッチとは、100%相同ではない
がハイブリダイズした核酸二重鎖をいう。そのような不
完全な相同性は、欠失、挿入、逆位、置換またはフレー
ムシフト突然変異による。ミスマッチの検出は、遺伝子
またはそのmRNA産物における点突然変異を検出するため
に用いることができる。これらの技術はシークエンシン
グよりも感度は劣るが、簡単でより多数の癌サンプルに
対して行うことができる。ミスマッチ切断技術の例とし
て、RNaseプロテクション法があるが、これについて
は、Winter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.82,P.
7575,1985及びMeyers et al.,Science,Vol.230,p.1242,
1985に詳細に記載されている。本発明においてこの方法
を実際に行う場合には、ヒト野生型APC遺伝子コード配
列と相補的な、ラベルしたリボプローブを用いる。リボ
プローブと癌細胞から単離されたmRNA若しくはDNAを共
にアニール(ハイブリダイズ)し、次に、RNA二重鎖構
造中で、ミスマッチを検出することができる酵素RNase
Aで消化する。RNase Aによってミスマッチが検出される
と、RNase Aはミスマッチの部位を切断する。よって、
電気泳動マトリックス上でアニールさせたRNA調製品を
分離した時に、ミスマッチが検出されRNase Aによって
切断されていると、リボプローブとmRNA若しくはDNAの
完全な長さの二重鎖RNAよりも小さいRNA産物が観察され
る。リボプローブはAPC mRNA若しくは遺伝子の全長を有
する必要はなく、これらの一部分であってもよい。リボ
プローブがAPC mRNA若しくは遺伝子の一部分しか含んで
いない場合は、mRNA配列全体のミスマッチをスクリーニ
ングするためにこのようなプローブを多数用いることが
望ましいであろう。
同様に、酵素的若しくは化学的切断によってミスマッ
チを検出するのにDNAプローブを用いることもできる。
例えば、Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.8
5,4397,1988;およびShenk et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA,Vol.72,P.989,1975を参照していただきたい。ま
た、マッチした二重鎖とミスマッチ二重鎖の電気泳動度
の相違によってミスマッチを検出することもできる。例
えば、Cariello,Human Genetics,Vol.42,p.726,1988を
参照していただきたい。リボプローブの場合でもDNAの
場合でも、突然変異を有するかもしれない細胞性mRNA若
しくはDNAをPCR(下記参照)を用いてハイブリダイゼー
ションの前に増幅させることができる。特に、変異が欠
失や挿入のような大きな再配列の場合、APC遺伝子のDNA
の変異をサザンハイブリダイゼーション法を用いて検出
することもできる。
複製連鎖反応を用いて増幅されたAPC遺伝子のDNA配列
は対立遺伝子特異的プローブを用いてスクリーニングす
ることもできる。これらのプローブは核酸オリゴマー
で、それぞれ既知の突然変異を有するAPC遺伝子配列の
領域を含んでいる。例えば、あるオリゴマーは長さが30
ヌクレオチドで、APC遺伝子配列の一部分に相当してい
る。このような一群の対立遺伝子特異的プローブを用い
て、PCR増幅産物をスクリーニングし、APC遺伝子におい
て既に知られている突然変異が存在するか否かを同定す
ることができる。対立遺伝子特異的プローブの増幅され
たAPC配列とのハイブリダイゼーションは、例えばナイ
ロンフィルター上で行うことができる。強いハイブリダ
イゼーション条件下で特定のプローブとハイブリダイズ
することは、その癌組織中に、用いた対立遺伝子特異的
プローブと同様の突然変異が存在することを示唆してい
る。
APC mRNA発現の変更は、当該技術分野で知られている
どのような技術を用いて行うこともできる。これらに
は、ノザンブロット分析、PCR増幅及びRNase保護法など
が含まれる。mRNAの発現が減少することは、野生型APC
遺伝子の変更を示唆している。
野生型APC遺伝子の変更は、野生型APC蛋白質の変更の
スクリーニングによっても検出することができる。例え
ば、APCと免疫反応性のモノクローナル抗体を用いて組
織をスクリーニングすることができる。用いた抗体と反
応する抗原が存在しないことは、APCの変異を示唆して
いると思われる。突然変異対立遺伝子の産物に特異的な
抗体を用いて突然変異APC遺伝子産物を検出することも
できる。このような免疫学的分析は、当該技術分野で知
られている適当な方法を用いて行うことができる。これ
らには、ウエスタンブロット、免疫組織化学的分析およ
びELISA分析などが含まれる。変更したAPC蛋白質を検出
するための任意の方法を用いて、野生型APC遺伝子の変
異を検出することができる。蛋白質結合決定法などの機
能的な分析法を用いることもできる。例えば、APC蛋白
質は、自身、また/あるいは、MCC蛋白質とオリゴマー
を形成し、または、G蛋白質に結合すると信じられてい
る。よって、野生型APC若しくはMCC蛋白質、または、G
蛋白質との結合能の分析が適用できる。さらに、APCの
生化学的機能を検出する分析を用いることもできる。AP
Cはリン脂質代謝に関与していると信じられている。よ
って、リン脂質代謝過程に関与する酵素的産物を分析す
ることによってAPCの活性を決定することができる。突
然変異APC遺伝子産物の存在は野生型APC遺伝子の変更を
示唆している。
突然変異APC遺伝子および遺伝子産物は、上述した以
外のヒトボディーサンプル、例えば、血清、大便、尿お
よび唾液などにおいても検出することができる。上記に
記載した、組織中の突然変異APC遺伝子および遺伝子産
物ための技術と同様の技術を、そのようなヒトボディー
サンプルに対しても適用することができる。癌細胞は腫
瘍からはがれ落ち、このようなボディーサンプル中に現
れる。さらに、癌細胞が存在しなくても、APC遺伝子産
物自身が細胞外空間に分泌され、これらのボディーサン
プルに現れるかもしれない。このようなボディーサンプ
ルをスクリーニングすることによって、多くの種類の癌
に対して簡単な初期的診断を行うことが可能となる。さ
らに、突然変異APC遺伝子および遺伝子産物について、
このようなボディーサンプルをテストすることによっ
て、化学療法または放射線治療の経過をもっと簡単にモ
ニターすることができる。
本発明の診断方法はAPC遺伝子が腫瘍形成に関与して
いるあらゆる癌に対して適用することができる。染色体
アーム5qの欠失は、白血病およびリンパ腫の他に、肺、
乳房、結腸、直腸、膀胱、肝臓、肉腫、胃および前立腺
の癌においても観察される。よって、これらの癌にはAP
Cが関与していると思われる。本発明の診断方法は、臨
床医が適切な治療方法を決定するのに有用である。例え
ば、APC対立遺伝子の双方が変更している腫瘍に対して
は、片方のみが変更している腫瘍に対するよりもより厳
しい治療を施す必要がある。
本発明のプライマーの対は、複製連鎖反応を用いた特
定のAPC対立遺伝子の塩基配列を決定するのに有用であ
る。一対の一本鎖DNAプライマーは、染色体5q上のAPC遺
伝子内またはその周囲の配列とアニールし、APC遺伝子
自身のDNA合成の増幅を引き起こすことができる。これ
らのプライマーの完全なセットによって、APC遺伝子コ
ード配列、すなわち、エクソンのすべてのヌクレオチド
の合成を行うことができる。プライマーのセットは、イ
ントロンおよびエクソン双方の配列の合成できることが
望ましい。対立遺伝子特異的プライマーを用いることも
できる。対立遺伝子特異的プライマーは、特定のAPC突
然変異対立遺伝子にしかアニールしないので、鋳型にそ
の突然変異対立遺伝子が存在する場合にのみ産物を増幅
する。
増幅された配列のクローニングを容易にするために、
プライマーの5'末端に制限酵素部位配列を含ませること
もできる。よって、プライマーのヌクレオチドは、制限
酵素部位配列を形成するのに必要な数ヌクレオチド以外
はすべてAPC配列若しくはAPCに隣接する配列に由来す
る。このような酵素と部位は当該分野でよく知られてい
る。プライマー自身は、当該分野でよく知られている技
術を用いて合成することができる。一般的には、市販さ
れているオリゴヌクレオチド合成装置を用いてプライマ
ーを作成する。図7に示されたAPCオープンリーディン
グフレームに基づいて特定のプライマーをデザインする
ことは、当業者にとって十分できることである。
本発明によって提供される核酸プローブは様々の目的
に有用である。これらのプローブは、既に記載した点突
然変異のゲノムDNAに対するサザンハイブリダイゼーシ
ョンおよびRNase保護法に用いることができる。PCR増幅
産物を検出するのに用いることもできる。さらに、他に
技術を用いた場合のAPC遺伝子またはmRNAのミスマッチ
の検出に用いることもできる。ミスマッチの検出には、
酵素(例えばS1ヌクレアーゼ)、若しくは化学物質(ヒ
ドロキシルアミンまたはオスミウム テトロキシドおよ
びピペリジン)のどちらを用いてよく、または、ミスマ
ッチハイブリドと完全にマッチしたハイブリドとの電気
泳動度の相違を利用することもできる。これらの技術は
当該分野において知られている。Cotton,supra,Shenk,s
upra,Myers,supra,Winter,supra,およびNovack et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol,83.p.586,1986を参照して
いただきたい。一般的に、プローブはAPC遺伝子コード
配列と相補的であるが、特定のイントロンに対するプロ
ーブも考えられる。核酸プローブの完全な組を用いて、
野生型APC遺伝子の変更を検出するためのキットを構成
することができる。このキットによってAPC遺伝子全体
とハイブリダイズすることができる。これらのプローブ
は互いにオーバーラップするか、隣接している。
mRNAとのミスマッチを検出するのにリボプローブを用
いる場合、該プローブはヒト野生型APC遺伝子のmRNAと
相補的である。よって、リボプローブはセンス鎖と反対
方向なのでAPC遺伝子をコードしていないアンチセンス
プローブである。リボプローブは通常、当該分野におい
て知られている方法によって放射活性物質、呈色物質、
若しくは蛍光物質でラベルされる。DNAとのミスマッチ
を検出するのにリボプローブを用いる場合は、プローブ
の方向はセンスでもアンチセンスでもよい。同様に、DN
Aプローブを用いてミスマッチを検出することもでき
る。
核酸プローブはAPC遺伝子の対立遺伝子に相補的であ
ってもよい。これらはミスマッチよりもハイブリダイゼ
ーションに基づいて、他の患者に存在する同様の突然変
異を検出するのに有用である。これらについては既に論
じ、対立遺伝子特異的プローブとして述べてある。既に
述べたように、APCプローブをゲノムDNAに対するサザン
ハイブリダイゼーションに用いて欠失や挿入のように大
きな染色体変異を検出することができる。このプローブ
は、癌組織および正常組織からAPC遺伝子のcDNAクロー
ンを選択するのにも用いることができる。さらに、この
プローブを用いて組織中のAPC mRNAを検出し、野生型AP
C遺伝子の変更によって発現が減少しているかどうかを
判断することもできる。図7(SEQ ID NO:1)に示さ
れたAPCコード配列に基づいて特定のプライマーをデザ
インすることは、当業者にとって十分できることであ
る。
本発明によれば、突然変異APC対立遺伝子を有する細
胞に野生型APCの機能与える方法が提供される。そのよ
うな機能を与えると、受容細胞の新生物増殖を抑制す
る。野生型APC遺伝子若しくはその一部分は、遺伝子が
染色体外に停まるようなベクターの形で導入される。こ
のような状態では、遺伝子は染色体外の位置から細胞に
よって発現されるであろう。遺伝子の一部分が突然変異
APC対立遺伝子を有する細胞に導入され、発現される場
合、該導入遺伝子の部分は、APC蛋白質の細胞の非新生
物的増殖に必要な部分をコードしている必要がある。さ
らに、野生型APC遺伝子若しくはその一部分が、細胞内
に存在する内在性の突然変異APC遺伝子と組み換えを起
こすように、突然変異細胞に導入されることが望まし
い。そのような組み換えは、二重組み換え事象を要求
し、これによってAPC遺伝子突然変異の修復が行われ
る。遺伝子組み換え用のベクターも染色体外保持用のベ
クターも当該分野において知られており、適切なベクタ
ーが用いられる。DNAを細胞に導入するための方法、例
えば、電気穿孔法、リン酸カルシウム共沈法およびウイ
ルス形質導入法などは当該分野において知られており、
どのような方法を選択するかは日常的作業の範囲であ
る。野生型APC遺伝子で形質転換された細胞は、癌の鎮
静およびそのような鎮静を促進する薬剤治療を研究する
ためのモデル系として利用することができる。
同様に、突然変異APC対立遺伝子を有する細胞及び動
物も、治療剤としての可能性を秘めた物質を研究および
テストするためのモデル系として利用することができ
る。一般的に用いる細胞は、培養上皮細胞である。これ
らの細胞はAPC突然変異を有する個体の体細胞または生
殖細胞から単離することができる。または、APC対立遺
伝子に突然変異を持つような細胞系を遺伝子工学的に作
成することもできる。細胞にテスト物質を適用した後、
細胞の新生物的に形質転換した表現型が判断される。非
付着性増殖、ヌードマウスにおける腫瘍形成、細胞の侵
襲性および増殖因子依存性等を含む、新生物的に形質転
換した細胞の有する任意の特徴により評価される。これ
らの特徴の各々の分析法は当該分野において知られてい
る。
治療剤をテストするための動物の選択は、全ての動物
の突然変異誘発、または、生殖細胞若しくは配偶子の処
理を行った後に行われる。このような処理は、相同遺伝
子を破壊することだけでなく、通常別の第二の動物種由
来の突然変異APC遺伝子を挿入することを含む。また
は、挿入若しくは欠失突然変異によってその動物内在性
のAPC遺伝子を破壊する方法もある。動物にテスト物質
を投与した後、腫瘍の増殖の状態を評価しなければなら
ない。テスト物質が腫瘍の増殖を阻害しまたは抑制する
場合、その物質は、FAPおよび/または散発性癌を治療
するための治療剤の候補となる。
APC活性を有するポリペプチドを、APC遺伝子が突然変
異を起こしたか、または失われてしまった細胞に適用す
ることができる。APC蛋白質の配列は図3または7(SEQ
ID NO:7または1)に記載されている。これらの配列
は少しだけ異なっており、APC蛋白質に2つの異なるタ
イプが存在することを示唆している。蛋白質は、例えば
既知の発現ベクターを用いてcDNA配列を細菌中で発現さ
せることによって生産される。または、脳細胞のように
APCを生産する哺乳動物細胞からAPCを抽出することもで
きる。さらに、合成化学の技術を適用してAPC蛋白質を
合成することもできる。このような方法のうちいずれの
方法を用いても、本発明のAPC蛋白質を含む調製品を提
供することができる。この調製品は、実質的に他のヒト
蛋白質を含まない。これは、微生物中で、またはin vit
roで合成することによって最も容易に達成される。
マイクロインジェクション若しくはリポソームなどを
利用することによって活性のAPC分子を細胞に導入する
ことができる。または、そのような活性分子を能動的に
若しくは拡散によって細胞に取り込ませることもでき
る。APC遺伝子産物を細胞外に適用するだけで、癌の増
殖に影響を与えるのに十分であるかもしれない。APC活
性を有する分子を適用すると、新生物状態が部分的に改
善される。APC活性を有する他の分子、例えば、ペプチ
ド、薬剤または有機化合物などもそのような改善効果を
与えるために用いることができるであろう。
本発明はさらにヒトAPC蛋白質と免疫反応性の抗体の
調製品を提供する。抗体はポリクローナル抗体またはモ
ノクローナル抗体で、天然APC蛋白質、APC融合蛋白質、
または突然変異APC蛋白質に対して作成することができ
る。抗体はAPCエピトープと免疫反応性でなければなら
ず、エピトープは他のヒト蛋白質に存在しないものが望
ましい。本発明の望ましい態様では、抗体は溶液中のAP
C蛋白質を免疫沈降させ、かつ、ポリアクリルアミドゲ
ルのウエスタン若しくはイミノブロットのAPC蛋白質と
も反応する。別の望ましい態様では、抗体は免疫細胞化
学的技術を用い、パラフィン若しくは冷凍組織切片中の
APC蛋白質を検出することができるであろう。抗体を作
成し、精製する技術は当該技術分野においてよく知られ
ており、本発明の抗体調製品を得るには、そのような技
術のうちどの技術を用いてもよい。
癌になりやすい素因の確認は、FAPおよびGSなどの場
合と同様に、ヒトの任意の組織におけるAPC遺伝子の突
然変異をテストすることによっても行うことができる。
例えば、生殖細胞にAPC突然変異を受け継いだ人は、癌
を形成しやすい傾向があるであろう。これは、ヒトの体
のどの組織由来のDNAをテストしても判断することがで
きる。最も簡単には、採血をして血液の細胞からDNAを
抽出することができる。さらに、胎児の細胞、胎盤の細
胞若しくは羊水におけるAPC遺伝子の突然変異をテスト
することによって、胎児診断を行うことができる。野生
型APC対立遺伝子の変更は、例えば、点突然変異による
ものでも欠失によるものでも、上記に記載したどのよう
な方法を用いても検出することができる。
本発明のcDNA分子は、イントロン非介在性のAPC遺伝
子コード分子である。これらの分子は、APC mRNAを鋳型
として用い、逆転写酵素によって作成される。これらの
分子は、当該技術分野で知られているようにベクターを
用いて細胞系中で増殖させることができる。このような
分子は、SEQ ID NO:7に示された配列を持つ。本明細
書に記載された配列に基づいて、合成化学の技術を用い
てcDNAを作成することもできる。
APCとヒトm3ムスカリンアセチルコリン受容体(mACh
R)の間で相同性を有する短い領域が同定された。この
相同領域はおおよそ29残基に制限され、その中の7個の
アミノ酸残基のうち6残基が一致している(EL(GorA)
GLQA)(図4参照)。他にも多くの蛋白質が広い領域に
わたるもっと高レベルの相同性を示すので(もっとも、
続いた7個のアミノ酸のうち6個が一致するものはほと
んど無い)、初めはこの相同性が重要なものであるかど
うかはわからなかった。しかし、mAChRサブタイプによ
るG蛋白質の活性の制御に関与する配列要素の研究によ
って(Lechleiter et al.,EMBO J.,P.4381(1990))、
m3 mAChRの21アミノ酸残基領域をm2 mAChRの対応する領
域の21アミノ酸残基と置換すると、G蛋白質の特異性を
完全に媒介することが示された。これらの21残基は、AP
Cとm3 mAChRとの相同領域と19残基重なっている。
このAPCとmAChRのG蛋白質活性化領域との結び付き
は、従来のG蛋白質の癌との関係の研究に照らして興味
深い。例えば、結腸直腸がんにおいてしばしば突然変異
を起こしているRASオンコジーンは(Vogelstein,et a
l.,N.Engl.J.Med.,Vol.319,p.525(1988);Bos et al.,
Nature Vol.327,p.293(1987))、in vitro形質転換抑
制因子(Noda et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.86,
p.162(1989))としてのG蛋白質ファミリー(Bourne,
et al.,Nature,Vol.348,p.125(1990))のメンバーで
あり、ホルモンによって形成される腫瘍で突然変異を起
こす遺伝子である(Candis et al.,Nature,Vol.340,p.6
92(1989);Lyons et al.,Science,Vol.249,p.655(199
0))。また、神経繊維芽細胞腫に関与する遺伝子(お
そらく癌抑制遺伝子)がRASのGTPase活性を活性化する
ことが示されている(Xu et al.,Cell,Vol.63,p.835(1
990);Martin et al.,Cell,Vol.63,p.843(1990);Ball
ester et al.,Cell,Vol.63,p.851(1990))。G蛋白質
と結腸癌の別の興味深い結び付きは、薬剤スリンダクを
含む。この薬剤はFAP患者の良性結腸癌の増殖を抑制す
ることが示されているが、これはおそらくシクロオキシ
ゲナーゼ阻害剤としての活性によると思われる(Waddel
l et al.,J.Surg.Oncology 24(1),83(1983);Wadel
l,et al.,Am.J.Surg.,157(1),175(1989);Charneau
et al.,Gastroenterologie Clinique at Biologique 1
4(2),153(1990))。シクロオキシゲナーゼは、ア
ラキドン酸をプロスタグランジンおよび他の生物学的に
活性な分子に変換するのに必要とされる。G蛋白質はホ
スホリパーゼA2の活性を制御することが知られており、
ホスホリパーゼA2はリン脂質からアラキドン酸を生成す
る(Role et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,Vol.84,p.36
23(1987);Kurachi et al.,Nature,Vol.337,12 555(1
989))。よって、我々は、野生型APC蛋白質はG蛋白質
と相互作用することによって機能し、リン脂質代謝に関
与していると考えている。
下記に示す実施例は例示であって、上記に広く記載さ
れた本発明の範囲を制限するものではない。
実施例 実施例1 この実施例は、FAP遺伝子座と連鎖しているヒトDNA5.
5Mb領域の単離を示す。この領域で6個の遺伝子が同定
され、全てが正常な結腸細胞、および結腸直腸癌、肺癌
および膀胱癌中で発現していた。
コスミドマーカーYN5.64およびYN5.48を用いて、FAP
遺伝子座を含む8cM領域の限界が定められたことは既に
報告されている(Nakamura et al.,Am.J.Hum.Genet.Vo
l.43,p.638(1988))。さらに、別のマーカーを用いて
行った連鎖分析およびパルスフィールドゲル電気泳動
(PFGE)によって、FAP遺伝子座はコスミドEF5.44およ
びL5.99によって定められた4cM領域内に含まれることが
分かった。この領域の実質的な部分を有するクローンを
単離するために、酵母人工染色体(YAC)ライブラリー
を種々の5q21マーカーを用いてスクリーニングした。6
個のコンティーグに配置され、YN5.64およびYN5.48の間
の領域からの5Mbを含む21個のYACクローンが得られた
(図1A)。
およそ4Mbにわたる3個のコンティーグはこの領域の
中心部分の中に含まれる。これらのコンティーグを構成
するYACは、YACクローンの単離および方向決定に用いた
マーカーとともに図1に示した。これらのYACコンティ
ーグは以下に示すようにして得られた。各コンティーグ
を開始するために、染色体5q21からクローニングされた
ゲノムマーカーの配列を決定し、PCRのためのプライマ
ーをデザインするのに用いた。次に、既に記載されたよ
うにマイクロタイタートレイ上に配置されたYACクロー
ンのプールを用いてPCRを行った(An and et al.,Nucle
ic Acids Research,Vol.18,p.1951(1980))。さらな
るPCRまたはハイブリダイゼーションを基礎とする分析
によって陽性プールから各YACクローンを同定し、PFGE
によってYACのサイズを決定した。
元のYACクローンによってカバーされる領域を広げる
ために、“染色体歩行”が行われた。この目的のため
に、PCRに基づいた方法によってYACの末端が単離され、
シークエンスされた(Riley et al.,Nucleic Acids Res
earch,Vol.18,p.2887(1990))。これらの配列に基づ
いたPCRプライマーを用いて、YACライブラリーの再スク
リーニングが行われた。例えば、FER遺伝子(Hao et a
l.,Mol.Cell.Biol.,Vol.9,P.1587(1989))のイントロ
ン由来の配列が、28EC1および5EH8 YACクローンを単離
するためのPCRプライマーをデザインするのに用いられ
た。28EC1 YACの末端の配列が決定され、各末端の配列
からそれぞれマーカーRHE28およびLHE28が得られた。こ
れらの2つのマーカーの配列を用いて、YACクローン15C
H12(RHE28から)、および40CF1と29EF1(LHE28から)
を単離した。これらの5つのYACは1200kbにわたるコン
ティーグを形成した(コンティーグ1、図1B)。
同様にコンティーグ2はコスミドN5.66の配列を用い
て、そしてコンティーグ3はMCC遺伝子とコスミドEF5.4
4双方の配列を用いてそれぞれ開始された。YAC14FH1か
らのテロメア方向への歩行、及びYAC39GG3からの反対方
向への歩行によって、YAC37HG4を介して開始コンティー
グ3クローンがつながった(図1B)。
コンティーグを決定するのに用いた種々のマーカーに
よるマルチポイント連鎖分析とPFGE分析により、コンテ
ィーグ1および2は、コンティーグ3の動原体側にある
ことを示した。これらのコンティーグを、FAPに関与す
る遺伝子の方向決定および同定を行うための道具として
用いた。以下に示すようにYACのこのクラスター中に6
つの遺伝子が存在した。
コンティーグ#1:FER−FER遺伝子はウイルス癌遺伝子
ABLとの相同性から発見された(Hao et al.,supra)。
これは、内在性のチロシンキナーゼ活性を有しており、
FERプローブによるin situ hybridizationはこの遺伝子
が5q11−23に位置していることを示した(Morris et a
l.,Cytogenet.Cell.Genet.,Vol.53,p.4(1990))。こ
の癌関連遺伝子は腫瘍形成に潜在的な機能を有している
と考えられているので、FAP遺伝子座に関してさらに詳
細に調べてみることにした。FERからヒトゲノムクロー
ン(MF2.3)を単離し、これを用いて制限断片長多型(R
FLP)を決定し、さらにRFLPを用いて3世代家系パネル
による連鎖分析によってFERの位置を決定した。これよ
り、FERは既に定められているFAP遺伝子座の多型マーカ
ーと非常に強く連鎖していることが示された。FERの遺
伝子マッピングはFER配列由来のYACクローンを用いた物
理的なマッピングによって達成された(図1B)。YACコ
ンティーグ1の分析によって、FERは、ヒトゲノムDNAの
PFGEよると1.5MbのコスミドL5.99内に位置するコスミド
マーカーM5.28の600kb内に存在することが明らかになっ
た。よって、YACのマッピングはFER連鎖データおよびPF
GE分析の結果と一致した。
コンティーグ2:TB1−TB1はクロスハイブリダイゼーシ
ョン法によって同定された。遺伝子のエクソンは進化の
過程においてもしばしば保存されるが、イントロンや挿
入領域はエクソンよりも保存されにくい。よって、ヒト
のプローブが非霊長類由来のDNAに強くハイブリダイズ
するなら、それはエクソンを含んでいる可能性が高い。
図1に示されたコスミドのサブクローンは、齧歯動物DN
A標本を含むサザンブロットをスクリーニングするのに
用いられた。コスミドN5.66(p.5.66−4)のサブクロ
ーンは齧歯動物DNAに強くハイブリダイズすることが示
されたので、このクローンを用いて正常な成人結腸およ
び胎児肝臓由来のライブラリーがスクリーニングされ
た。このスクリーニングで得られた最初のcDNAクローン
の末端をcDNA配列を伸ばすのに用いられた。結果として
2314bpをカバーする11個のcDNAクローンが得られた。こ
れらのクローンによって発見された遺伝子をTB1と名付
けた。オーバーラップするクローンの配列分析によっ
て、得られた配列データの5'末端から始まる1302bpのオ
ープンリーディングフレームが明らかにされた(図2
A)。このオープンリーディングフレーム全体が翻訳さ
れる場合、434アミノ酸残基をコードすることになる。
この遺伝子の産物と広く相同性を示す配列は現在のデー
タバンクにはなかったが、ADP,ATP担体/輸送体蛋白質
ファミリーおよび酵母から哺乳動物まで広く存在するミ
トコンドリア褐色脂肪体分離蛋白質と部分的に著しい相
同性を示した。TB1のこれらの保存領域(図2Aの下線部
分)はこの配列を有するファミリーの予想されるモチー
フを決定しているかもしれない。さらに、TB1はシグナ
ルペプチド(ミトコンドリア標的配列)と少なくとも7
個の細胞膜貫通領域を含んでいるようである。
コンティーグ3:MCC、TB2、SRPおよびAPC−MCC遺伝子
もクロスハイブリダイゼーション法によって発見され報
告された(Kinzler et al.,Science Vol.251,p.1366(1
991))。MCC遺伝子はFAP感受性および散発性結腸直腸
癌中の体細胞突然変異と強い遺伝的に強い関連性を有す
ることから、FAPの原因の候補と考えられてきた。しか
し、マッピングの実験によって、MCCのコード領域は、F
AP患者に発見された200kb欠失から動原体側におよそ50k
b先であることが示唆された。MCC cDNAプローブを用い
たノザンブロット分析によって10kbのmRNA転写物が検出
され、そのうち完全なオープンリーディングフレームを
含む4151bpがクローニングされた。3'非翻訳領域または
MCCから選択的にスプライシングされる領域が上記欠失
領域まで伸びている可能性はあるが、この欠失はMCC遺
伝子産物に影響を与えない可能性がある。よって、我々
は、MCC配列を用いてYACコンティーグを開始し、続いて
YACクローンを用いて、MCCから50−250kb離れた欠失中
に含まれると思われる遺伝子を同定した。
まず始めの取り組みとして、YAC24ED6(図1B)由来の
インサートを放射能標識し、正常な結腸由来のcDNAライ
ブラリーにハイブリダイズさせた。このようにして同定
されたcDNAクローンの1つ(YS39)をプローブに用いて
ノザンブロットハイブリダイゼーションを行うと、3.1k
bのmRNA転写産物を検出した。YS39クローンの塩基配列
分析により、このクローンは2283のヌクレオチドからな
り、得られたシーケンスデータの5'末端から555bpのORF
を含んでいた。このORF全体が翻訳される場合、185アミ
ノ酸残基をコードすることになる(図2B)。YS39によっ
て検出された遺伝子はTB2と名付けられた。ヌクレオチ
ドおよび蛋白質のデータベースを検索したが、TB2遺伝
子は既知の配列との一致も著しい類似もまったくなかっ
た。
YAC24ED6のスクリーニングによって同定された別のク
ローン(YS11)は2つの別々の遺伝子の部分を含んでい
るようであった。YS11の片側の端からの配列は少なくと
も180bpはシグナル認識粒子蛋白質SRP19と同一であった
(Lingelbach et al.,Nucleic Acids Research,Vol.16
p.9431(1988))。クローンYS11の反対側の端からの第
二のORFは、第二のYACベースアプローチによって独立し
て同定された新規な遺伝子と78bp一致した。この第二の
アプローチに関して説明すると、YAC14FH1(図1B)を有
する酵母細胞由来のDNAをEcoR Iで消化し、プラスミド
ベクターにサブクローニングした。ヒトDNA断片を有す
るプラスミドはヒト全DNAをプローブに用いたコロニー
ハイブリダイゼーションによって選択された。これらの
クローンを用いて、TB1について上述したようにクロス
ハイブリダイズする配列の検索を行い、さらにクロスハ
イブリダイズしたクローンを用いてcDNAライブラリーを
スクリーニングした。このようにして発見されたcDNAク
ローンの1つ(FH38)は,長いORFを含んでおり(2496b
p)、そのうち78bpはYS11中の既に述べた配列と同一で
あった。FH38 cDNAクローンの末端を用いて、配列を伸
ばすためにcDNA歩行を行った。その結果、正常な結腸、
脳および肝臓のcDNAライブラリーから85のcDNAクローン
が単離され、8973ヌクレオチドのつながった転写産物が
発見された。この転写産物に対応する遺伝子はAPCと名
付けられた。APC cDNAクローンをノザンブロット分析の
プローブとして用いると、約9.5kbの単一の転写産物と
ハイブリダイズしたので、この遺伝子産物の大部分が得
られたcDNAクローン中に含まれていると考えられた。AP
C遺伝子の5'末端からの配列はYAC 37HG4の配列中には見
つかったが、YAC 14FH1の配列中には見つからなかっ
た。しかし、APC遺伝子の3'末端の配列は、YAC 37HG4の
配列中だけでなくYAC 14FH1の配列中にも見つかった。Y
AC 37HG4と名付けられた本発明の酵母人工染色体は、本
特許出願前にNational Collection of Industrial and
Marine Bacteria(NCIMB),P.O.Box 31,135 Abbey Roa
d,Aberdeen AB9 8DG,Scotlandに寄託されている。YACク
ローンYAC 37HG4のNCIMB寄託番号は40353である。同様
に、MCCコード領域の5'末端は、YACクローン19AA9およ
び26GC3には見つかるが24ED6および14FH1には見つから
ず、3'末端はその逆のパターンを示した。よって、MCC
とAPCの転写産物は反対の方向を示した。すなわち、転
写の方向は、MCCの場合は動原体側から末端側へ、APCの
場合は末端側から動原体側の方向へ向いている。種々の
制限酵素で消化したYAC DNAのPFGE分析によって、TB2お
よびSRPはMCCとAPCの間に存在し、MCCとAPCのコード領
域の3'末端は約150kb離れていることが分かった(図1
B)。
APC cDNAクローンの塩基配列分析によって、8535ヌク
レオチドのオープンリーディングフレームが明らかにさ
れた。ORFの5'末端は、9bp上流にインフレームの終止コ
ドンを有するメチオニンコドン(コドン1)を含み、3'
末端には数個のインフレームの終止コドンが続いてい
る。開始のコドン1に続く蛋白質は2842個のアミノ酸を
含む。APC遺伝子産物のデータベース検索の結果は、部
分的に片寄ったアミノ酸構成を持つ複数の大きなセグメ
ントが存在するため非常に複雑であった。しかし、大ま
かに2つの領域に分けることができた。蛋白質のN末端
25%はロイシン残基に富み(12%)、ミオシン、種々の
中間繊維蛋白質(例えば、デスミン、ビメンチン、神経
繊維)およびショウジョウバエ アルマジロ(armadill
o)/ヒト プラコグロビンに部分的に相同な配列を示
した。最後に挙げた蛋白質は、上皮細胞を結合する結合
組織(デスモソーム)の構成要素である(Franke et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,Vol.86,p.4027(198
9);Perfer et al.,Cell,Vol.63,p.1167(1990))。AP
CのC末端75%(残基731−2832)の組成は17%がセリン
でセリン残基は大体均一に散らばって存在している。こ
の大きな領域はさらに、電荷を持った残基(ほとんどは
酸性)およびプロリン残基が部分的に集中した領域を有
する。APCにはシグナルペプチド、細胞膜貫通領域、若
しくは核酸標的配列と思われるものは見当たらないの
で、細胞内に存在すると思われる。
APCと短い領域の相同性を示すものを検索するため
に、PAM−40マトリックス(Altschul.,J.Mol.Biol.,Vo
l.219,p.555(1991))を用いてデータベース検索を行
った。いくつかの蛋白質と興味深い相同性が発見され
た。それらの中で最も示唆に富むものの1つは、rasの
活性制御に関連している酵母のral2遺伝子産物である
(Fukul et al.,Mol.Cell.Biol.,Vol.9,P.5617(198
9))。ral2がrasとどのように相互作用するかについて
はほとんど知られていないが、この領域の正電荷を帯び
た性質を、rasの負電荷を帯びたGAPとの相互作用領域と
の関連から注目してみると興味深い。rasとGAP関連蛋白
質との特異的な電気的相互作用について提唱されてい
る。
MCCとAPC遺伝子が近接していることおよび双方とも結
腸直腸癌に関与しているという事実から、2種の予想さ
れる蛋白質の間の類似性について調べてみた。Bourneは
MCCはα−ヘリックスコイルドコイルを形成している可
能性があると指摘している(Nature,Vol.351,p.188(19
91))。Lupasらは最近一次配列データからコイルドコ
イルの可能性を予測するためのプログラムを開発したの
で(Science,Vol.252,p.1162(1991))、我々は彼らの
プログラムを用いてMCCとAPCの双方を分析した、MCCの
分析の結果は、コイルドコイル領域が予想される“ヒン
ジ”や“スペーサー”領域によって分離された非継続的
なパターンを示したが、これはラミニンや他の中間繊維
蛋白質に見られるものと類似している。APC配列の分析
の結果は、N末端領域にコイルドコイルを形成する可能
性が高い2つの領域を明らかにしたが、これは、データ
ベース検索でミオシンやIF蛋白質と部分的な類似性を示
した領域に相当している。さらに、別の予想されるコイ
ルドコイル領域がAPCの中心領域中に同定された。APCと
MCCの双方がコイルドコイルを形成する可能性を示すこ
とは、このような構造はしばしばホモ−およびヘテロ−
オリゴマー形成を仲介する点で興味深い。
最後に、MCCはm3ムスカリンアセチルコリン受容体(m
AChR)のG蛋白質との結合の特異性を制御している領域
として知られている領域と短い相同性を示すことが以前
から指摘されていた。APC遺伝子もm3AChRと部分的に相
同性を示したが、m3AChRのこの領域はMCCとの相同領域
とオーバーラップする(図4B)。ral2(図4A)およびm3
mAChR(図4B)との相同性は統計学的に有意ではなかっ
たが、G蛋白質の腫瘍形成との関連が視察されている点
から興味深い。
上述した6つの遺伝子はいずれも、結腸のcDNAライブ
ラリーから見つかることから示されるように、正常な結
腸粘膜で発現していた。新生物的な結腸直腸上皮細胞中
でのこれらの遺伝子の発現を研究するために、我々は逆
転写−複製連鎖反応(PCR)を適用した。FER、TB1、TB
2、MCC、およびAPCの配列に基づいたプライマーをそれ
ぞれ用いてcDNAを鋳型にしたPCRのためのプライマーを
デザインした。これらの遺伝子はすべて、正常な結腸、
結腸直腸癌由来の10種の細胞系、および肺癌および膀胱
癌由来の癌細胞系のいずれにおいても発現していた。結
腸直腸癌細胞系のうち8つは散発性CRCを持つ患者由来
のもので、2つはFAP持つ患者由来のものであった。
実施例2 この実施例は、FER遺伝子のFAPおよび散発性結腸直腸
癌における機能の遺伝学的分析を示すものである。
FERは、物理的および遺伝学的特徴から判断してFAP遺
伝子座に隣接していること(実施例1参照)、および、
発癌性を潜在する既知のチロシンキナーゼと相同性を示
すことから、我々はFERをFAP等の原因の候補と考えた。
FAP患者由来の2種の結腸直腸癌細胞系のRNAからFERの
完全なコード配列をPCR増幅するためのプライマーがデ
ザインされた。RNAからcDNAを作成し、PCRの鋳型として
用いた。用いたプライマーは、5'−AGAAGGATCCCTTGTGCA
GTGTGGA−3'および5'−GACAGGATCCTGAAGCTGAGTTTG−3'
である。下線を引いたヌクレオチドはBamH I部位を作る
ために実際のFER配列から変えた。用いた細胞系はJWお
よびDifiで、双方ともFAP患者の結腸直腸癌に由来した
(C.Paraskeva,B.G.Buckle,D.Sheer,C.B.Wigley,Int.J.
Cancer 34,49(1984);M.E.Gross et al.,Cancer Res.5
1,1452(1991))。得られた2554塩基対の断片をクロー
ン化し、その全塩基配列を決定した。PCR産物をBluescr
ipt SK(Stratagene)のBamH I部位にクローン化し、Ni
gro et al.,Nature 342,705(1989)に記載されたよう
にT7ポリメラーゼを用いて、少なくとも50のクローンを
いっぺんにシークエンシングした。
ただ1つの共通的アミノ酸変化(GTG−>CTG、コドン
439のValがLeuに置換される)が観察された。そこで、F
APを有しない個体由来のDNAからこのコドンの周辺領域
を増幅したところ、この置換はしばしば見られるポリモ
ルフィズム(多型)で、特にFAPと関連したものではな
かった。このような結果から見て、我々はFER遺伝子がF
APの原因である可能性は小さい(完全に否定することは
できないが)と判断した。とコドン439の周辺領域を増
幅するのに用いたプライマーは、5'−TCAGAAAGTGCTGAAG
AG−3'および5'−GGAATAATTAGGTCTCCAA−3'である。PCR
産物をPst Iで消化すると、コドン439がロイシンなら50
bpの単一の断片を生じ、バリンなら26bpと24bpの断片を
生じた。塩基配列決定に用いたプライマーは、Hao et a
l.,supra示されたFER cDNA配列から選択された。
実施例3 この実施例は、FAPおよび散発性結腸直腸癌におけるM
CC、TB2、SRPおよびAPCの遺伝学的分析を示す。これら
の遺伝子はそれぞれつながってコンティーグ3に含まれ
ている(図1参照)。
いくつかの証拠から、このコンティーグはとても興味
深いと考えられている。第一に、このコンティーグ中の
4つの遺伝子のうち少なくとも3つは、二人のFAP患者
で同定された欠失領域中に含まれていた(下記の実施例
5参照)。第二に、散発性癌における染色体5q21上の対
立遺伝子欠失の中心はこの領域に相当するようである
(Ashton−Rickardt et al.,Oncogene,in press;および
Miki et al.,Japn.J.Cancer Res.,in press)。ある癌
では隣接するいくつかのRFLPマーカーの欠失を伴ったが
(MCCの5'末端まで、そしておそらく5'末端を含んだ欠
失)、MCCよりも遠く離れたマーカーはどれも失われな
かった。他の癌では、MCCから離れているマーカーを、
おそらくMCCの3'末端を含んで欠失していたが、MCCに隣
接する配列は欠失しなかった。このことは、MCCの両末
端がこのような場合すべて欠失によって影響を受ける
か、または、2つの遺伝子(1つはMCCの手前のもので
おそらくMCCを含んでおり、もう1つはMCCから離れてい
る)は欠失の別々の標的であるかどちらかであることを
示唆した。第三に、6つのFAP領域遺伝子のそれぞれに
由来するクローンをプローブとして用いて、散発性CRC
を有する患者由来の癌DNAのサザンブロットを行った。
実験を行った200以上の癌のうち2つの試料にのみ体細
胞変化が観察された:動原体末端がMCC遺伝子内に存在
する再配列/欠失(Kinzler et al.,supra)およびAPC
遺伝子のヌクレオチド4424と5584の間の800bpの挿入。
第四に、MCCの点突然変異が2種類の癌(Kinzler et a
l.,supra)で生じたことは、MCCは少なくともある種の
散発性結腸直腸癌の突然変異の標的であることを強く示
唆している。
これらの結果に基づいて、我々はFAPを有する患者の
コンティーグ3遺伝子の潜行性の変更を検索することに
した。上述したようにMCCおよびAPCは体細胞突然変異を
伴うので、TB2またはSRPではなく、MCCとAPCについて調
べることにした。潜行性の変更の同定を進めるために、
MCCとAPCエクソンのゲノム配列を決定した(表1参
照)。これらの配列を、FAP患者の構造DNAのPCR分析の
ためのプライマーをデザインするのに用いた。
初めに、90の異なるFAP血族出身の患者中のMCC遺伝子
の8つのエクソンおよびその周囲のイントロンを増幅し
た。PCR産物をリボヌクレアーゼ(RNase)蛋白質分析に
よって分析した。簡単に述べると、PCR産物を正常なゲ
ノム配列を示すin vitro転写RNAプローブとハイブリダ
イズさせた。DNA−RNAハイブリド中の1つの塩基対ミス
マッチでも認識して切断することができるRNaseAでハイ
ブリドを消化し、続いて切断産物を変性ゲル電気泳動で
可視化した。各エクソンについて、1つはセンス鎖、も
う1つはアンチセンス鎖による2つの別々のRNase保護
分析が行われた。このような条件では、ミスマッチ全体
の約40%を検出することができる。FAP患者にはMCCのア
ミノ酸変更がいくつか観察されたが、このような変更は
すべて正常な個体においても小さい比率で見つかった。
よって、これらの変更はFAPの遺伝とは関係がないであ
ろうと考えられた。
次に、APC遺伝子の3つのエクソンについて調べた。
調べた3つのエクソンは、nt 882−930、931−1309、お
よび最も遠いエクソンの最初の300nt(nt 1956−2256)
を含むものであった。表1で下線を引いたプライマーを
用い、Kinzler et al.,supraに記載されたようにPCRお
よびRNase保護分析を行った。nt 1956−2256に対するプ
ライマーは5'−GCAAATCCTAAGAGAGAACAA−3'および、5'
−GATGGCAAGCTTGAGCCAG−3'である。
90の血族についてRNase保護法を用いて突然変異のス
クリーニングを行い、さらに新たな13の血族についてRN
ase保護法では検出できない突然変異を検索するため
に、PCR産物をクローン化し塩基配列を決定した。T.A.H
olton and M.W.Graham,Nucleic Acids Res.19,1156(19
91)に記載されたように修飾されたBluescript vector
にPCR産物をクローニングした。最小限の100クローンを
プールし、塩基配列の決定を行った。分析した103の血
族の中から、5つの変異体が検出された。患者p21のPCR
産物のクローニングおよびシークエンシングの結果は、
コドン413中のCからTへの転移、すなわち、アルギニ
ンからシステインへの変化を示した。このアミノ酸変異
はFAPを有しない個体に由来する200のDNA試料からは全
く観察されなかった。同一の異常なRNase保護パターン
を示す、患者p24およびp34のPCR産物のクローニングお
よびシークエンシングの結果は、コドン301中のCから
Tへの転位、すなわち、アルギニン(CGA)から終止コ
ドン(TGA)への変化を示した。この変化はFAPを有しな
い200の個体には全く存在しなかった。この点突然変異
が起こると、酵素Taq Iの認識部位が失われると予想さ
れるので、適当なPCR産物をTaq Iで消化して突然変異を
検出することができた。これによって、p24のファミリ
ーのメンバーにおけるこの終止コドンが病気の表現型と
共に正常者のものと区別されると決定することができ
た。この家系の患者にこの変化が遺伝していることは、
この突然変異の重要性の新たな証拠を提供する。
FAP患者p93由来のPCR産物をクローニングし塩基配列
を決定したところ、コドン279のCからGへの転位して
おり、この場合も終止コドンへの変化(TCAからTGAへの
変化)を示した。この変化はFAPを有しない200の個体に
は全く存在しなかった。最後に、FAPを有する1患者
(患者p60)からコドン712においてセリン(TCA)から
終止コドン(TGA)への突然変異が検出された。
同定された生殖細胞系の突然変異のうち5つについて
は表II Aにまとめてあり、他の4つの突然変異について
は実施例9で説明する。これらの生殖細胞系の突然変異
の他に、散発性CRCにおけるMCCおよびAPCの体細胞変更
をいくつか同定した。90の散発性結腸直腸癌中の17のMC
CエクソンについてRNase保護分析によって調べた。異常
なRNase保護パターンが観察された各場合について、対
応するPCR産物をクローン化し塩基配列を決定した。こ
れによって6つの点突然変異が同定されたが(2つは既
に記載したもの)(Kinzler et al.,supra)、どの変異
もこれらの患者の生殖細胞系には見つからなかった(表
II B)。これらの突然変異のうち4つはアミノ酸の置換
をもたらし、2つはスプライシング部位共通配列の変更
をもたらした。他の遺伝子における同様なスプライシン
グ部位の突然変異は、in vivoおよびin vitroでのRNAプ
ロセッシングを変化をもたらすことが示されている。
散発性癌におけるAPCの3つのエクソンについても評
価が行われた。RNase保護法によって60の腫瘍がスクリ
ーニングされ、さらに別の98の腫瘍についてシークエン
シングによる検討を行った。調べたエクソンはnt 822−
930、931−1309および1406−1545(表1)を含んでい
た。計3つの突然変異が同定され、どれも体細胞性の変
異であることが証明された。癌T27は、コドン33におい
てCGA(アルギニン)からTGA(終止コドン)への体細胞
突然変異を含んでいた。癌T135は、スプライシング受容
部位にGTからGCの変化を含んでいた。癌34は、5bpの挿
入(コドン288とコドン289の間にCAGCC)を含む結果、
フレームシフトによってコドン291で終了していた。
我々は思いがけず、結腸直腸癌にさらに新たな体細胞
突然変異を発見した。結腸直腸上皮細胞中のMCCおよびA
PC遺伝子産物の塩基配列およびスプライスパターンを決
定する試みの際に、結腸直腸癌細胞系SW480からcDNAを
クローニングした。SW480由来のMCC遺伝子のアミノ酸配
列は、ヒト脳から既に発見されていたクローンの配列と
同一であった。しかし、SW480細胞のAPCの配列は、コド
ン1338の転位の結果、グルタミン(CAG)から終止コド
ン(TAG)に変換している点で著しく異なっていた。こ
の突然変異が体細胞性か否かを決定するために、28年前
にこの癌細胞系を分離した時の原外科用試料(T201)の
保存パラフィンブロックからDNAを回収した。
S.E.Goelz,S.R.Hamilton,and B.Volgelstein.Bioche
m.Biophys.Res.Comm.130,118(1985)に記載されたよう
にパラフィン切片からDNAを精製した。プライマーとし
て5'−GTTCCAGCAGTGTCACAG−3'および5'−GGGAGATTTCGC
TCCTGA−3'を用いて参考文献24に記載されたようにPCR
を行った。試料DNAからコドン1388を含むPCR産物が増幅
され、体細胞突然変異が示す終止コドンは元の原発性
癌、並びにこの原発性癌および転位癌部位に由来する各
細胞系には存在するが、同じ患者の正常細胞には存在し
ないことを示すのに用いられた。
散発性のCRCにおいて、現在までに発見されたMCCおよ
びAPC遺伝子の10個の点突然変異について表II Bにまと
めてある。これらの腫瘍のそれぞれから得られた多数の
突然変異PCRクローンおよび野生型PCRクローンの分析
は、10個のうち8個の場合、野生型の配列が突然変異と
はぼ同じ割合で存在した。これは、染色体5qの周辺のマ
ーカーを用いたRFLP分析によって確認され、10個の癌の
うち2個(T135およびT201)のみが染色体5q上に対立遺
伝子の欠失を示した。これらの結果は、20−40%の散発
性結腸直腸癌が染色体5q上に対立遺伝子の欠失を示すと
いう以前からの観察と一致した。さらに、これらのデー
タは、5q21上の遺伝子の突然変異は対立遺伝子の欠失を
含むこれらの結腸直腸癌に限られないことを示唆した。
実施例4 この実施例により、二人の無関係なFAP患者由来のDNA
における小さな巣状の欠失を特徴づけられる。
40のFAP患者からコスミドを用いてAPC遺伝子座の近傍
に位置するDNAをスクリーニングし、小さな欠失若しく
は再配列を同定した。これらのコスミドの2つ、L5.71
およびL5.79がスクリーニングされた大半のFAP患者に由
来するDNAの1200kb Not I断片とハイブリダイズした。
FAP患者の一人3214のDNAは、期待される1200kb断片で
はなく、940kbのNot I断片のみを示した。この患者の直
系家族の他の四人のメンバーのDNAの分析を行った。;94
0kb断片は、やはり患者である彼女の母親(4711)には
存在したが、健常者である家族の他のメンバーには存在
しなかった。この母親は正常な1200kb Not I断片も持っ
ており、健常者である彼女の二人の子供はこの断片を受
け継いでいた。これらの観察結果は、突然変更ポリポシ
ス対立遺伝子は940kb Not I断片と同じ染色体上に存在
することを示唆した。簡単な解釈としては、APC患者321
4および4711は、APC遺伝子座の中にそれぞれ260kbの欠
失を持っていると考えられた。
もし欠失があるなら、他の酵素で消化した場合も移動
度の異なる断片を生じると期待される。L5.79を双方の
患者由来のNru I消化DNAにハイブリダイズさせると、正
常な1200kb Nru I断片の他に新たに1300kb Nru I断片が
確認された。さらに、患者3214および4711のMlu I断片
もサイズが大きくなり、Mlu I部位が欠損したことと一
致した。3214患者の染色体5の二本の相同染色体は、体
細胞ハイブリド系で分離していた;HHW1155(欠失ハイブ
リド)は異常な相同染色体を、HHW1159(正常ハイブリ
ド)は正常な相同染色体を持っていた。
患者3214は940kb Not I断片しか示さなかったので健
常者である父親の1200kb断片を受け継いでいなかった。
このことから、父親は異種接合体で、L5.79プローブ領
域を欠いているか若しくはゲルで分離できないほど大き
な変異体Not I断片を伝達したに違いないと考えられ
た。予想されたとおり、父親側の相同染色体を持ってい
るハイブリド細胞系HHW1159では、L5.79プローブによっ
て現れる分離Not I断片はなかった。ところが、HHW1159
DNAをL5.79でプローブしたものを他の制限酵素で消化
すると、制限酵素断片が現れてプローブに相同なDNAが
存在することを示した。よって、この父親は、Not I部
位多型について異種接合体で、染色体5のうち1つは12
00kb Not I断片を持っており、もう1つはゲルで一定し
て分離することができないほど大きな断片を持っている
と解釈された。後者が患者3214に伝達された。
二重消化を行って1200kb Not I断片の内側の制限酵素
部位の順序を探ると、L5.71もL5.79も550kb Not I−Nru
I断片内に、すなわち1200kb Not I断片中のNru I部位
に対して同じ側に見いだされた。1200kb Not I断片全体
を含むゲノム配列を表すものを得るために、この断片に
由来する配列を多く含む短い挿入断片のライブラリーを
作成した。染色体5の約40%を含む、体細胞ハイブリド
HHW141由来のDNAをNot Iで消化し、パルスフィールドゲ
ル(PFG)で電気泳動を行った;このゲルの1200kb領域
からEcoR I断片をファージベクターにクローニングし
た。プローブMap30はこのライブラリーから単離され
た。正常な個体ではプローブMap30は1200kb Not I断片
と200kb Nru I断片にハイブリダイズする。このNru I断
片にハイブリダイズすることから、Map30の位置はL5.71
およびL5.79から見て、550kb Not I−Nru I断片のNru I
部位よりも遠く離れた場所にある。
Map30は患者3214の異常な1300kb Nru I断片とハイブ
リダイズしたので、Map30によって決定される位置は予
想された欠失の外側に位置した。さらに、正常な染色体
ではMap30は200kb Nru I断片を同定し、L5.79は1200kb
Nru I断片を同定した;よって、予想される欠失は1つ
若しくは複数のNru I部位を取り除き、Map30とL5.79の
間で起こるに違いなく、そしてこれらの2つのプローブ
は予想される欠失を挟んで存在するに違いないと考えら
れた。これらのプローブの位置を示すゲノム領域の制限
酵素地図は図5に示されている。
他のFAP患者3824由来のDNAのNot I消化物をL5.79でプ
ローブした。1200kbの正常なNot I断片に加えておよそ1
100kbの断片が観察されたが、これは片方の染色体5上
において100kbの欠失が存在することと一致していた。
しかし、この場合Nru IおよびMlu Iによる消化は異常な
バンドを示さなかったので、欠失が存在する場合でもそ
れはL5.79によって認識されるNru IおよびMlu I部位か
ら離れたところに位置するに違いないと考えられた。こ
の予想と一致して、患者3824由来のDNAに体するMap30の
ハイブリダイゼーションにより、期待される860kb断片
の他に760kb Mlu Iが同定され、この患者に100kb欠失が
存在するという解釈を支持した。3824患者の染色体5の
二本の相同染色体は、体細胞ハイブリド系で分離してい
た;HHW1291は異常な相同染色体を、HHW1290は正常な相
同染色体のみを持っていた。
Map30によって同定された860kbのMlu I断片が、既にL
5.79によって同定された830kbのMlu I断片とは異なるこ
とは、患者3214の非欠失染色体5相同染色体を含むハイ
ブリド細胞(HHW1159)由来のDNAのNot I−Mlu I二重消
化物にMap30およびL5.79をハイブリダイズさせることに
よって示された。既に述べたように、このハイブリドは
1200kb断片を定めるNot I部位の1つが欠失したものと
解釈された。620kb Not I−Mlu I断片がプローブL5.79
によって検出され、860kb Mlu I断片がMap30によって検
出された。よって、、L5.79によって認識される830kb M
lu I断片は、HHW1159 DNA中のNot I部位を含んでいるに
違いないと考えられた;なぜなら、860kb Mlu I断片は
無傷で残っていて、Not I部位を持たず、それゆえ830kb
Mlu I断片とは異なると考えられたからである。
実施例5 この実施例は、実施例4で明らかにされた、二人の関
連性の無いFAP患者において欠失された領域にわたるヒ
トの塩基配列の単離を示すものである。
患者3214および3824に欠失があるという強い仮説は、
正常な染色体5相同染色体には存在するいくつかの配列
が、仮説の欠失相同染色体から失われているということ
である。よって、この欠失を確認するゲノムプローブを
作成するため、およびこの領域の遺伝子を同定するため
に、コスミドL5.79に基づくコンティーグ由来のYACクロ
ーンを、予想される欠失に関する7つの一倍体ヒトゲノ
ム相当物を含むライブラリー(Albertsen et al.,Proc.
Natl.Acad.Sci.U.S.A.,Vol.87,pp.4256−4260(199
0))から突き止めた。3つのクローンYAC 57B8、310D
8、および183H12が欠失領域にオーバーラップしている
ことがわかった。
重要なこととして、YAC 57B8(クローンAT57)の一方
の末端は患者3214欠失の内部に存在することがわかっ
た。逆複製連鎖反応(PCR)によってYAC 57B8挿入物の
末端配列が決定された。これらの末端配列の一方に基づ
いたPCRプライマーを用いてPCRを行ったところ、患者32
14の欠失相同染色体を有する体細胞ハイブリド(HHW115
5)由来のDNAは何回行っても増幅されなかったが、正常
な染色体5相同染色体を有する体細胞ハイブリド(HHW1
159)由来のDNAからは予想される大きさの産物が増幅さ
れた。この結果は、患者3214のDNA中に検出される異常
な制限酵素断片は欠失のために生じるという解釈を支持
した。
さらに、患者3214のDNAには欠失があるという仮説を
支持したのは、問題の領域を含むYAC 183H12のサブクロ
ーン化された断片である。YAC 183H12からクローン化さ
れたEcoR I断片、すなわちY11は、患者4711の正常な120
0kb Not I断片にはハイブリダイズしたが、同じ患者471
1の異常な940kb Not I断片および欠失細胞系HHW1155由
来のDNAにはハイブリダイズしなかった。この結果によ
って患者3214は欠失を持つことが確認された。
YAC 183H12に由来する、別の2つのEcoR I断片である
Y10およびY14が、HHW1155由来のDNAにハイブリダイズし
ないことから、患者3214の欠失の内部に位置することが
わかった。プローブY10は正常な染色体5相同染色体中
の150kb Nru I断片にハイブリダイズする。欠失を挟むL
5.79およびMap30プローブによって見られたように、321
4の欠失は1300kb Nru I断片を生じるので、これらのNru
I部位およびその間の150kb Nru I断片が患者3214では
欠失しているに違いない。さらに、正常なDNAにおいて
プローブL5.79によって検出されたものと同じ620kb Not
I−Mlu I断片にY10がハイブリダイズすることは、それ
が、欠失したMlu I部位に対してL5.79側に位置すること
を示し、Mlu I部位とL5.79側のNru I部位の間に配置さ
せる。よって、Mlu I部位は150kb Nru I断片を定める2
つのNru I部位の間になければならない(図5参照)。
プローブY11も正常な染色体5相同染色体中の150kb N
ru I断片にハイブリダイズしたが、620kb Not I−Mlu I
断片にはハイブリダイズしなかったので、Mlu I部位に
対してL5.79と反対側で、二番目のNru I部位の側の位置
すると考えられた。Map30と同一の(860kb)Mlu I断片
にハイブリダイズすることから、Y11はMlu I部位に対し
てL5.79と反対側に位置することが確認された。
プローブY14は、Map30と同じ正常な染色体5の200kb
Nru I断片にハイブリダイズすることから、欠失された
2つのNru I部位の双方に対してL5.79の反対側に位置す
ることが示された。よって、YAC 183H12に由来し、患者
3214では欠失しているEcoR I断片中のL5.79およびMap30
に関する順序は、L5.79−Y10−Y11−Y14−Map30であ
る。
患者3824のDNAにはプローブY11とハイブリダイズする
異常な制限酵素断片が存在せず、プローブY10、および
/またはY14とはハイブリダイズすることから、このDNA
には100kbの欠失が存在することが確認された。Y10およ
びY14はそれぞれ、患者3824由来の1100kb Not I断片に
も正常な1200kb Not I断片にもハイブリダイズしたが、
Y11は1200kb断片にしかハイブリダイズしなかった。Mlu
I消化物に対し、プローブY14は患者3824のDNAの860kb
および760kb断片にハイブリダイズしたが、プローブ11
は860kb断片にしかハイブリダイズしなかった。我々
は、患者3824由来のDNAにおける断片のサイズの変化は
実際に欠失に基づくと結論する。さらに、プローブY10
およびY14は欠失3214染色体からは失われているが欠失3
824染色体には存在し、かつプローブY11の両側に隣接す
ることが示されているので、患者3824における欠失は患
者3214の欠失の内部に収まっているに違いない。
プローブY10、Y11、Y14、およびMsp30はそれぞれYAC
310D8にハイブリダイズし、このYACは、患者3824の欠失
部分、そして少なくとも、3214の欠失部分の大部分にわ
たっていることが示された。よって、YACの特性により
患者にある欠失の存在が確認され、欠失領域の物理的な
表示が提供された。
実施例6 この実施例は、MCCコード配列は、実施例4において
特徴付けた二人のFAP患者における欠失領域の外側に位
置することを示している。
興味深いFAP候補遺伝子、MCCが近年コスミドL5.71に
よって確認され結腸癌において突然変異を起こしている
ことが示された(Kinzler et al.,supra)。よって、AP
C患者の欠失に関してこの遺伝子の位置を決定すること
は興味が持たれた。MCCプローブを、L5.71から両方向に
広がったYACクローンのオーバーラップシリーズとハイ
ブリダイズさせると、MCCの3'末端は2つのAPC欠失の領
域の方向を向いているに違いないことが示された。
よって、MCCからの2つの3'cDNAクローン:クローン1
CI(bp 2378−4181)およびクローン7(bp 2890−356
0)が欠失との関連で位置が定められた。クローン1CIは
ヌクレオチド2708で終了するオープンリーディングフレ
ームのC末端、および3'非翻訳配列を含んでいる。クロ
ーン7はオープンリーディングフレームに対して完全に
3'側の配列を含んでいる。これらのcDNAクローン中の3'
非翻訳配列は全体として、単一の2.5kbエクソンを構成
していたことが重要な点である。これらの2つのクロー
ンとFAP領域にわたるYAC由来のDNAとのハイブリダイゼ
ーションが行われた。クローン7は、YAC 310D8にはハ
イブリダイズしなかったが、YAC 183H12および57B8には
ハイブリダイズした;クローン1CIについても同様の結
果が得られた。さらに、これらのプローブは双方のハイ
ブリド細胞系(HHW1159およびHHW1155)および患者3214
由来のリンパ芽球細胞系のDNAともハイブリダイズし、
これらが欠失の外側に位置することを確認した。さらに
別のマッピング実験によって、MCC cDNAクローンコンテ
ィーグの3'末端は患者3214の欠失から45kb以上離れた位
置、すなわち患者3824の欠失から100kb以上離れた位置
に存するらしいことが示唆された。
実施例7 この実施例では、実施例4おいて特徴付けた二人の無
関係なFAP患者における染色体5の欠失領域内の3つの
遺伝子を同定する。ゲノムクローンを用い、cDNAライブ
ラリーのスクリーニングを独立して3回行った。1回の
スクリーニングは患者3214の260kb欠失領域にわたるこ
とがわかっているYAC 310D8に由来するファージクロー
ンを用いて行われた。このYACから大きな挿入断片を持
つファージライブラリーが作成された;Y11を用いたスク
リーニングによって、両欠失領域の内部に位置するλ20
5が同定された。クローンλ205を用いて、ランダムプラ
イム−+オリゴ(dT)プライム−の胎児脳cDNAライブラ
リー(約300,000ファージ)をプローブすると、6個のc
DNAクローンが単離され、各クローンは完全に両欠失領
域の内部に位置した。これらの6個のクローンの塩基配
列を決定すると単一のcDNAコンティーグを形成したが、
つながったオープンリーディングフレームは現れなかっ
た。これらの6つのcDNAクローンのうちの1つを用いて
さらに別のcDNAクローンを単離したところ、この患者の
両染色体に対するハイブリダイゼーションによって示さ
れたように、それらのクローンのいくつかは3824欠失領
域のL5.71側のブレークポイントを横切っていた。これ
らのクローンはオープンリーディングも含んでおり、転
写の方向はL5.71に近い側から遠い側へ向いていた。こ
の遺伝子はDP1と名付けられた(deleted in poliposis
1)。この遺伝子は既に記載されたTB2と同一のものであ
る。
cDNA歩行によって3.0−3.5kbのcDNAコンティーグが得
られ、末端ポリ(A)配列を含む2つのクローンを含ん
だ。この大きさはノザン分析によって検出された3.5kb
のバンドに相当する。このcDNAコンティーグの始めの31
63bpのシークエンシングによって、第一番目の塩基から
ヌクレオチド631まで続くオープンリーディングが明ら
かになり、その後に2.5kbの3'非翻訳領域が続く。塩基7
7のメチオニンコドンの周囲の配列には開始メチオニン
のコザック配列(Kozak,1984)が確認された。さらに歩
行を進めようとする試みは失敗し、かつ単離されたcDNA
とmRNAの長さがほとんど同じであったことから、DP1タ
ンパク質のN末端に到達したことが示唆された。種々の
酵素で切断したゲノムDNAおよびYAC DNAの混合物に対す
るハイブリダイゼーションにより、DP1の遺伝子切断は
約30kbであることが示唆された。
この遺伝子座に対する2つの別のプローブ、すなわち
L5.71に隣接するMCC配列によって同定された独立したYA
Cプローブを用いたcDNAライブラリーのスクリーニング
によって確認されたYS−11およびYS−39は、欠失した領
域に配置された。YS−39はDP1と同一の配列を有するcDN
Aであることが示された。YS−11の部分的な塩基配列の
決定によって、片端200bpのDNA配列はリボソームシグナ
ル認識粒子の19kd蛋白質、SRP19(Lingelbach et al.,s
upra)をコードする配列と同一であることが示された。
ハイブリダイゼーション実験によってYS−11は両欠失の
内部に位置された。しかし、このクローンの配列は複雑
であることがわかった。YS−11の1032bpの配列のうち45
4bpは、GenBankに登録されているSRP19遺伝子の配列と
同一であったが、SPR19の5'側に伸びている578bpは、伸
びたオープンリーディングフレームを有しない未報告の
配列から成ることが発見された。この事実は、YS−11は
2つの独立した挿入部分を有するキメラクローンである
か、あるいは、プロセッシングが不完全であるか若しく
は異常な遺伝情報を有するクローンであることを示唆し
た。もし、YS−11が型通りのキメラクローンであるなら
ば、独立した部分が同一の物理的領域に位置することは
ないと考えられた。しかし、連続的な転写産物の異常な
プロセッシングの結果生じる断片は単一の染色体領域に
配置されることはありうる。
YS−11の両末端、SRP19末端および未同定領域に特異
的なプライマーを用いた逆PCRによって、両配列はYAC 3
10D8の内部に位置することが証明された;よって、YS−
11は未成熟若しくは異常なmRNA種のクローンである可能
性が高い。続いて、両末端は患者3824の欠失領域と共に
存することが示され、YS−11を用いてさらに新たなcDNA
クローンがスクリーニングされた。
胎児脳ライブラリーから選択された14個のcDNAクロー
ンのうちの1つ、V5は、YS−11配列の5'末端の始めの78
塩基と同一性を持つ短い領域を含んではいたが、全体に
わたるオープンリーディングを有することから特に興味
深い。同一性配列の78塩基に続き、2つのcDNA配列はAG
から異なっている。さらに、これらの78bpの後にゲノム
配列との相違が見られることは、スプライス部位の存在
を示唆し、YS−11は異常な遺伝情報を表してるという考
えを支持した。
V5から始まり、続いて5'側および3'側への歩行が行わ
れた;得られたcDNAコンティーグは100以上のクローン
から成り、新たな転写産物DP2を定めた。5'方向の歩行
によるクローンは、L5.71から最も離れた3824の欠失切
断部位を横切った;この3'末端は5'末端よりもこのコス
ミドに対して近いので、DP2の転写方向はMCCおよびDP2
の転写方向と反対である。
第3回目のスクリーニングはYAC 57B8由来の120kb Ml
u I断片とのハイブリダイゼーションに基づいて行われ
た。この断片はプローブY11とハイブリダイズし、患者3
824中の100kb欠失を完全にまたいでいた。この断片を2
つの精製PFG上で精製し、ラベルし、胎児脳cDNAライブ
ラリーをスクリーニングするのに用いた。DP1およびDP2
コンティーグを作成する際に既に同定された多数のcDNA
クローンが再確認された。しかし、19個の新しいクロー
ンが患者3824欠失の内部に配置された。分析によって、
これらの19個は大きなオープンリーディングフレームを
含む新しいコンティーグ、DP3を形成することが示され
た。
この新しいcDNAコンティーグの5'末端由来のクローン
はDP2の3'末端と同一のEcoR I断片にハイブリダイズし
た。続いて、DP2とDP3のコンティーグは、DP3からの1
回の5'歩行ステップによって結ばれ、1つのコンティー
グ2.5を形成した。DP2.5の完全なヌクレオチド配列は図
9に示してある。
DP2.5の共通配列から、DP2.5のコード配列全体が得ら
れ、それは長さが8532bpであることが示唆される。5'最
末端のATGコドンは、インフレーム終止コドンから2コ
ドンのところにあり、コザック(Kozak)の開始共通配
列(Kozak,Nucl.Acids.Res.,Vol.12,p.857−872,1984)
を形成した。3'オープンリーディングフレームは、全て
のフレームで多数の終止コドンを生じて最後の1.8kbで
終わっている。クローンの1つでは、ポリ(A)配列が
3'非翻訳領域に約1kbに渡って見いだされ、その33bp上
流(位置9530)にはポリアデニル化シグナルがある。オ
ープンリーディングフレームは、上述のAPCで同定され
たものとほぼ同一である。
DP2.5転写物のヌクレオチド934で選択的にスプライシ
ングされるエクソンは興味深い可能性を秘めている。こ
れは初め、2クラスのcDNAが単離されたことに注目する
ことによって発見された。豊富な方のcDNAは、他方には
含まれない303bpのエクソンを有する。2つの転写産物
がin vivoで存在することはエクソン結合実験によって
証明された。選択的にスプライシングされるエクソンの
側のプライマーを用いて、種々の成体組織から調製され
たcDNAをPCRによって増幅した。長さが約300bp異なる2
つのPCR産物がテストされた全ての組織から増幅され
た;大きな方の産物は、小さい方よりも常に豊富であっ
た。
実施例8 この実施例では、DP1、SRP19およびDP25におけるとら
えにくい突然変異を同定するために用いられたプライマ
ーを示す。
遺伝子DP1、DP2.5およびSRP19のエクソンに隣接するD
NA配列を得るために、欠失領域にまたがる2つのYAC、3
10D8および183H12に由来するDNAの逆PCR増幅によってシ
ークエンシングの基質を得た。低濃度におけるライゲー
ションによって、制限酵素消化されたYAC DNAが環状化
された。cDNAに沿ったところどころの箇所について、反
対方向にデザインされ、シークエンイング末端を有する
オリゴヌクレオチドを用いて、上記環状鋳型からPCR増
幅を開始した。これらのDNA配列をcDNA配列と比較する
と、エクソンの境界は分岐点にあることがわかった。SR
P19及びDP1はそれぞれ5つのエクソンから成ることが示
された。DP2.5は15個のエクソンから構成される。これ
らの遺伝子のそれぞれのエクソンをPCR増幅するための
プライマーを提供するために合成されたオリゴヌクレオ
チドの配列は表3に挙げてある。DP2.5のエクソン1、
3、4、9および15(下記参照)を除くと、プライマー
配列はエクソンに隣接するイントロン配列中に配置され
た。エクソン1の5'プライマーはcDNA配列に相補的だ
が、ちょうどメチオニン開始のための5'コザック共通配
列まで伸びており、翻訳配列の探究を可能にした。エク
ソン3の5'プライマーは、3つの別々のイントロンプラ
イマーでは増幅しないようなので、実際にはこのエクソ
ンの5'コード配列内の配列を用いている。エクソン4の
5'プライマーはこのエクソンの5'末端とオーバーラップ
するため、このエクソンの5'最末端の19塩基を調べるこ
とができない。エクソン9については、おのおの片端が
エクソン内に存するような2組の重複するプライマーの
セットが用いられた。エクソン15、すなわちDP2.5の大
きな3'エクソンに関しては、エクソンの長さに沿ってオ
ーバーラップするプライマーの対が配置され、各プライ
マーは250−400塩基の産物を増幅した。
実施例9 この実施例は、Orita et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.,Vol.86,pp.2766−70(1989)およびGenomics,Vol.
5,pp.874−879(1989)に記載されている一本鎖高次構
造多型(SSCP)分析をDP1、SRP19およびDP2.5に適用し
て用いた場合を示すものである。
SSCP分析は、長さ400塩基までのDNA断片におけるたい
ていの1塩基変化若しくは多塩基変化を同定する。塩基
配列変更は、一本鎖DNAを非変性アクリルアミドゲルで
電気泳動したときの移動度の相違で検出することができ
る;DNA断片の2本の相補的な鎖は通常、異なる移動度の
2つのSSCPコンホーマーとして分離される。しかし、試
料が増幅断片内の塩基対変異体のヘテロ接合の個体に由
来する場合、しばしば3本若しくはもっと多くのバンド
が見られる。ホモ接合の個体に由来する試料でも複数バ
ンドが検出される場合もある。塩基対変化変異体は、試
料セットののDNA間におけるパターンの相違によって同
定される。
61人の無関係なFAP患者および12人の正常な個体の対
照群のDNAから、候補遺伝子のエクソンがPCRによって増
幅された。DP1由来の5つのエクソンはFAP患者に特有の
コンホーマーを示さず、患者および対照群双方のいくつ
かの個体中のエクソン2および3に共通のコンホーマー
が観察されたことは、DNA配列の多型の存在を示した。
同様に、SRP19の5つのエクソンはどれも、テストパネ
ル中のFAP患者由来のDNAに特異的なコンホーマーを示さ
なかった。
しかし、DP2.5遺伝子のエクソン1から14まで、およ
びエクソン15のプライマーのセットAからNまでテスト
を行ったところ、エクソン7、8、10、11および15にお
いてFAP患者に特異的な変異体コンホーマーが示され
た。これらの変異体は無関係な患者3746、3460、3827、
3712および3751にそれぞれ存在した。これら、5人の患
者中の、および拡張された48の正常な対照群中のこれら
のエクソンのそれぞれについてPCR−SSCP工程を繰り返
した。FAP患者では変異体バンドが再現的に検出された
が、対照DNA試料ではどれにも検出されなかった。DP2.5
の遺伝子のエクソン11および15のさらに別のコンホーマ
ーも見られた;しかし、これらはそれぞれ患者および対
照群DNAの双方で検出された。FAP患者に特異的な5つの
コンホーマーの塩基配列を決め、移動度の変化の原因と
なったヌクレオチド変化を決定した。宿主個体由来の正
常なコンホーマーの塩基配列も決定された。乾燥アクリ
ルアミドゲルからバンドが切り出され、DNAが抽出され
た。これらのDNAをPCR増幅することによってシークエン
シングのための鋳型が提供された。
DP2.5のエクソン7、8、10および11に由来する特異
的なコンホーマーの塩基配列はDP遺伝子中の劇的な突然
変異を示した。患者3746においてエクソン7コンホーマ
ーを生成する新たな突然変異の配列は、cDNA配列(図
7)中の730および731の位置の隣り合った2つのヌクレ
オチドの欠失を含むことが示された。このスプライス部
位の正常な配列はCAGGGTCA(イントロン配列を下線で示
す。)であり、AGの2回繰り返しの間にイントロンーエ
クソン境界がある。この患者の突然変異対立遺伝子の配
列はCAGGTCAである。この変化は5'スプライス部位であ
るが、既知のスプライス部位の共通配列と比較してみる
と、機能を有するスプライス部位が保持されていること
が示唆される。この新しいスプライス部位が機能しうる
場合、この突然変異によってフレームシフトが起こり15
ヌクレオチド下流に終止コドンが生じることになる。こ
の新しいスプライス部位が機能しない場合、メッセンジ
ャーのプロセシングは著しく変更されることになる。
2塩基欠失を確認するために、FAP患者3746のPCR産物
およびコントロールDNAを、シークエンシング反応産物
と共にアクリルアミド−尿素 変性ゲル上を電気泳動し
た。患者3746由来の試料は大きさが2ヌクレオチド異な
る2本のバンドを示したが、このうちの大きい方のバン
ドはコントロール試料と泳動度が同じであった;この結
果から、患者3746は2塩基欠失のヘテロ接合体であるこ
とが再び確認された。
患者3460のエクソン8に見られた特異的なコンホーマ
ーは、DP2.5のcDNA配列中の位置904においてC−T転位
を有しており、この転位によって正常なCGAがTGAに置換
される。この点突然変異をフレームで読んでみると正常
なアルギニンコドンが終止コドンに置換される。この1
塩基変化は突然変異の潜在的な多発点であるCGダイマー
の影響で起こっていた(Barker et al.,1984)。
患者3827のエクソン10に見られた特異的なコンホーマ
ーは、SSCPゲルのもう片方のバンドに見られる正常な配
列と比較して1ヌクレオチドの欠失(1367、1368または
1369)を含んでいる。この欠失は、3つ続くTの中で起
り、配列をCTTTCAからCTTCAに変える;この1塩基フレ
ームシフトによって下流30塩基以内に終止コドンを生じ
る。この患者のDNAから増幅させたPCR産物も、コントロ
ールDNAからのPCR産物およびシークエンシング反応産物
と共にアクリルアミド−尿素 変性ゲル上を電気泳動し
た。患者のPCR産物は長さが1塩基異なる二本のバンド
を示したが、このうちの大きい方のバンドは正常なDNA
由来のPCR産物と移動度が同じであった;この結果から
患者3827には1塩基欠失が存在することが確認された。
患者3712のエクソン11の変異体コンホーマーの塩基配
列分析は、位置1500でTがGによって置換され、正常な
チロシンが終止コドンに変化していることを示した。
FAP患者3751のDP2.5遺伝子のエクソン15中に観察され
る一対のコンホーマーの塩基配列が決定された。これら
のコンホーマーは、位置5253、すなわちバリンの第三塩
基においてCからGのヌクレオチド置換を有することが
発見された。この置換ではアミノ酸変化は起こらず、こ
のコンホーマーは遺伝学的に表に現れない多型を反映し
ている。
4人の無関係な患者のDP2.5遺伝子において異なる不
活性化突然変異が観察されたことは、DP2.5がFAPに関与
する遺伝子であることを強く示唆した。これらの突然変
異については表II Aにまとめてある。
実施例10 この実施例は、DP2.5(APC)遺伝子内で同定された突
然変異はFAP表現型と分離することを示している。
患者3746は、フレームシフト突然変異を起こしたAPC
対立遺伝子を有するものとして上述したが、正常な二人
の両親から生まれた患者である。結腸鏡検査を行った
が、どちらの親にも患者の三人の兄弟にもポリープは検
出されなかった。
両親、患者の妻および彼らの三人の子供のDNA試料を
検査した。患者の両親由来のDNAのSSCP分析はエクソン
7について正常なコンホーマーのパターンを示し、患者
の妻および子供の一人のDNAも同様であった。しかし、
他の子供二人は患者である父親と同じ新しいコンホーマ
ーを示した。患者および両親の高度の多型VNTR(variab
le number of tandem repeat)マーカーを用いたテスト
は、両親が彼の生物学的親であることは99.98%で確か
であることを示した。
これらの観察結果は、DP2.5遺伝子における2bq欠失突
然変異を反映していることがわかったこの新しいコンホ
ーマーは、この家系にFAPとともに偶発的に生じ、患者
の子供のうち二人に伝達されたことを確証した。
実施例11 この実施例は、APC遺伝子の多型で病気(FAP)とは関
連しないと思われるものを示すものである。
対照群およびFAP患者に見られる変異体コンホーマー
の配列を決定すると、APC遺伝子において次のような多
型が明らかにされた。:第一に、エクソン11の位置1458
において、TがCに置換されRsa I制限酵素認識部位を
生じるがアミノ酸変化は起こらない;第二に、エクソン
15の位置5037および5271において、それぞれAからG、
GからTへの置換が起こるが、どちらもアミノ酸変化は
起こらない。APC遺伝子配列中のこれらのヌクレオチド
多型は診断過程に有用である可能性がある。
実施例12 この実施例は、APC遺伝子の構造を示す。
APC遺伝子の構造を、隣接するイントロン配列と共に
図8に模式図的に示している。
DP2.5中の非常に大きな(6.5kb)3'最末端のエクソン
の連続性を二通りの方法で示した。第一に、このエクソ
ンの全体にわたるプライマーの組を用いた逆PCRでは、c
DNA配列はゲノム配列と何も相違を示さなかった。第二
に、エクソン上にとびとびに配置される収束プライマー
を用いたPCR増幅では、元の単離されたcDNA、種々の組
織に由来するcDNA、若しくはゲノム鋳型のどれから増幅
しても同じ大きさの産物を生じた。エクソン9の2つの
型がDP2.5に発見された:1つは完全なエクソンで;もう
1つの標識されたエクソン9Aは、mRNAの塩基934から123
6まで欠失し、予想される蛋白質(図7)から101アミノ
酸取り除かれたエクソンの内部までスプライシングされ
た結果である。
実施例13 この実施例は、APCエクソンに対するFAP欠失のマッピ
ングを示したものである。
100kb(HHW1291)および260kb(HHW1155)欠失患者由
来の分離した染色体5を有する体細胞ハイブリドを用い
て、この欠失を横切るAPC遺伝子エクソンの配置を決定
した。これらの細胞系のDNAを正常なコントロール由来
のゲノムDNAと共に鋳型として用い、PCRに基づきAPCエ
クソンの増幅を行った。
患者3214の260kb欠失由来のハイブリドのPCR分析によ
って、エクソン1以外の全てのAPCエクソンがこの欠失
によって取り除かれることが示された。患者3824由来の
100kb欠失を伴う染色体5相同染色体を有する体細胞ハ
イブリドHHW1291のPCR分析は、エクソン1から9までは
存在するが、エクソン10から15までが失われていること
を示した。この結果から欠失切断部位はエクソン9と10
の間若しくはエクソン10の内部に位置すると考えられ
た。
実施例14 この実施例は、選択的にスプライシングされたAPCメ
ッセンジャーの正常組織および癌細胞系における表現を
示す。
APC遺伝子を発現する組織は、隣接するAPCエクソン内
に位置するプライマーを用いてmRNAから作成されたcDNA
をPCR増幅することによって同定された。さらに、両方
のスプライス型の発現パターンが調べられるように、選
択的にスプライシングされるエクソン9に隣接するPCR
プライマーが選択された。テストした全てのタイプの組
織(脳、肺、大動脈、脾臓、心臓、腎臓、肝臓、胃、胎
盤および結腸粘膜)および培養細胞系(リンパ芽球、HL
60、および絢毛癌)はAPC遺伝子の両方のスプライス型
を発現していた。しかし、通常結腸を含むいくつかの組
織に存するリンパ芽球による発現は、発現の明確な検査
結果を妨げた。完全長のエクソン9を含む大きなmRNAの
方が、エクソン9Aのみを含むmRNAよりも豊富に存在して
いるようである。
リンパ芽球由来のポリ(A)−選択RNAのノザン分析
によって約10kbの単一のバンドが検出されたが、これは
塩基配列を決定したcDNAの大きさと一致した。
実施例15 この実施例では、配列から予想されるAPC蛋白質の構
造的な特徴について示す。
APCのcDNA共通配列から、長い方の豊富な型のメッセ
ンジャーは大きさ311.8kdで2842または2844アミノ酸の
ペプチドをコードすると予想された。この予想されるAP
Cペプチドを、IntelligeneticsおよびGCGソフトウェア
パッケージの双方を用いて最新の蛋白質およびDNA配列
データベースと比較した。高いアミノ酸配列相同性を持
つ遺伝子は見つからなかった。配列の相同性を示す短い
領域(約20アミノ酸)は沢山見つかったが、どれも機能
的な相同性を表していると考えられるほど十分に強いも
のではなかった。興味深いことに、ミオシンおよびケラ
チンとの相同性が複数見られた。APC遺伝子に関し、既
に機能が知られている配列モチーフについても調べた;
グリコシル化部位、リン酸化部位、およびミリスチン化
部位が複数見つかったが、それらの重要性についてはよ
くわからない。
APCペプチド配列の分析によって、潜在的な蛋白質構
造を考える上で重要な特徴が同定された。ヒドロパシー
プロット(Kyte and Doolittle,J.Mol.Biol.Vol.157,p
p.105−132(1982))はAPC蛋白質は相当に親水性であ
ることを示す。シグナルペプチド若しくは膜貫通領域を
示唆する疎水性領域は全く見つからなかった。最初の10
00残基の分析は、α−ヘリックスロッドの形成される可
能性を示した(Cohen and Parry,Trends Biochem,Sci.V
ol.77,pp.245−248(1986));プロリン残基が少な
く、7残基の繰り返し(非極性−X−X−非極性−X−
X−X)を持つ領域が多数存在する。興味深いことにエ
クソン9A、すなわちエクソン9の欠失型では、2個の7
残基繰り返しが正常な7残基繰り返しフレームの中で再
結合し、間のペプチド領域が欠失している。最初の1000
残基の後は、ペプチドの残基中プロリンの割合が高く、
ロッド状の構造ではなく折り畳まれた構造が示唆され
る。
第二の1000残基の最も著しい特徴は、20アミノ酸残基
の繰り返しが半正則の間隔で7回繰り返していることで
ある(表4)。7回の繰り返し領域の間の配列はそれぞ
れ114、116、151、205、107および58のアミノ酸を含ん
でいる。最後に、残基2200−2400は200アミノ酸塩基性
領域を含んでいる。
配列表 (2)SEQ ID NO:1の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:9600塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:DP2.5(APC) (ix) 配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:34..8562 (xi) 配列:SEQ ID NO:1: (2)SEQ ID NO:2の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:2843アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:タンパク質 (xi) 配列:SEQ ID NO:2: (2)SEQ ID NO:3の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:3172塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:DP1(TB2) (ix) 配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:1..630 (xi) 配列:SEQ ID NO:3: (2)SEQ ID NO:4の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:210アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:タンパク質 (xi) 配列:SEQ ID NO:4: (2)SEQ ID NO:5の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:434アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:タンパク質 (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:TB1 (xi) 配列:SEQ ID NO:5: (2)SEQ ID NO:6の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:185アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:タンパク質 (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:YS−39(TB2) (xi) 配列:SEQ ID NO:6: (2)SEQ ID NO:7の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:2842アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:タンパク質 (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:APC (xi) 配列:SEQ ID NO:7: (2)SEQ ID NO:8の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:31アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:ペプチド (vii)直接の起源: (B)クローン名:ra12(酵母) (xi) 配列:SEQ ID NO:8: (2)SEQ ID NO:9の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:29アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:ペプチド (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:m3(mAChR) (xi) 配列:SEQ ID NO:9: (2)SEQ ID NO:10の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:29アミノ酸 (B)配列の型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:ペプチド (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (vii)直接の起源: (B)クローン名:MCC (xi) 配列:SEQ ID NO:10: (2)SEQ ID NO:11の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:11: (2)SEQ ID NO:12の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:12: (2)SEQ ID NO:13の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:13: (2)SEQ ID NO:14の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:14: (2)SEQ ID NO:15の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:15: (2)SEQ ID NO:16の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:16: (2)SEQ ID NO:17の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:17: (2)SEQ ID NO:18の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:18: (2)SEQ ID NO:19の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:19: (2)SEQ ID NO:20の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:20: (2)SEQ ID NO:21の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:21: (2)SEQ ID NO:22の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:22: (2)SEQ ID NO:23の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:23: (2)SEQ ID NO:24の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:64塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:24: (2)SEQ ID NO:25の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:52塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:25: (2)SEQ ID NO:26の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:46塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:26: (2)SEQ ID NO:27の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:40塩基対 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(B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:48: (2)SEQ ID NO:49の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:19塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:49: (2)SEQ ID NO:50の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:50: (2)SEQ ID NO:51の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:21塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:51: (2)SEQ ID NO:52の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:52: (2)SEQ ID NO:53の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:53: (2)SEQ ID NO:54の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:54: (2)SEQ ID NO:55の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:55: (2)SEQ ID NO:56の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:56: (2)SEQ ID NO:57の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:57: (2)SEQ ID NO:58の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:58: (2)SEQ ID NO:59の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:59: (2)SEQ ID NO:60の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:60: (2)SEQ ID NO:61の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:61: (2)SEQ ID NO:62の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:62: (2)SEQ ID NO:63の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:63: (2)SEQ ID NO:64の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:64: (2)SEQ ID NO:65の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:65: (2)SEQ ID NO:66の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:66: (2)SEQ ID NO:67の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:25塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:67: (2)SEQ ID NO:68の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:27塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:68: (2)SEQ ID NO:69の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:69: (2)SEQ ID NO:70の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:70: (2)SEQ ID NO:71の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:71: (2)SEQ ID NO:72の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:72: (2)SEQ ID NO:73の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:73: (2)SEQ ID NO:74の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:20塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:74: (2)SEQ ID NO:75の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:75: (2)SEQ ID NO:76の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:21塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:76: (2)SEQ ID NO:77の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:77: (2)SEQ ID NO:78の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:78: (2)SEQ ID NO:79の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:79: (2)SEQ ID NO:80の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:80: (2)SEQ ID NO:81の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:81: (2)SEQ ID NO:82の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:82: (2)SEQ ID NO:83の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:25塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:83: (2)SEQ ID NO:84の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:84: (2)SEQ ID NO:85の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:85: (2)SEQ ID NO:86の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:86: (2)SEQ ID NO:87の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:87: (2)SEQ ID NO:88の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:88: (2)SEQ ID NO:89の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:89: (2)SEQ ID NO:90の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:23塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:90: (2)SEQ ID NO:91の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:21塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:91: (2)SEQ ID NO:92の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:21塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:92: (2)SEQ ID NO:93の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:22塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:93: (2)SEQ ID NO:94の情報 (i) 配列の特定: (A)配列の長さ:24塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直線状 (ii) 配列の種類:cDNA (vi) 起源: (A)生物名:ホモサピエンス (xi) 配列:SEQ ID NO:94: スプライス部位の変異については、変異に最も近いコ
ドンを示す。
下線を付したヌクレオチドが変異しており、小文字は
イントロンを、そして大文字はエクソンを表す。
全てのプライマーは5'から3'方向に示す。各対の最初
のプライマーは増幅するエクソンの5'側に位置し、第二
のプライマーは増幅するエクソンの3'に位置する。エク
ソン内部に位置するプライマーにはアステリクスを付し
た。UPは−21M13ユニバーサルプライマー配列を示し、R
PはM13リバースプライマー配列を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/574 C12N 15/00 ZNAA (73)特許権者 501476018 ザ・ユニバーシティ・オブ・ユタ アメリカ合衆国ユタ州84108,ソルト・ レイク・シティ,ワカラ・ウェイ 421, スイート 170 (73)特許権者 000173588 財団法人癌研究会 東京都豊島区上池袋1丁目37番1号 (72)発明者 キンズラー,ケネス・ダブリュー アメリカ合衆国メリーランド州21234, ボルティモア,ハルスティード・ロード 1348 (72)発明者 ヴォーゲルスタイン,バート アメリカ合衆国メリーランド州21208, ボルティモア,ブレトン・ウェイ 3700 (72)発明者 アナンド,ラケッシュ イギリス国チェシャー シーダブリュー 11・9イーエス,サンドバック,グラン ジ・ウェイ 62 (72)発明者 ヘッジ,フィリップ・ジョン イギリス国チェシャー シーダブリュー 7・3イーエイ,ウィンズフォード,ル ーカリー・ライズ 7 (72)発明者 マークハム,アレグザンダー・フレッド イギリス国チェシャー,クルー,グース トレイ,ブース・ベッド・レーン 25 (72)発明者 アルバートセン,ハンス アメリカ合衆国ユタ州84103,ソルト・ レイク・シティ,ノース・エム・ストリ ート 152 (72)発明者 カールソン,メアリー・エル アメリカ合衆国ユタ州84103,ソルト・ レイク・シティ,イースト・サニーサイ ド・アベニュー 2074 (72)発明者 グローデン,ジョアンナ・エル アメリカ合衆国ユタ州84103,ソルト・ レイク・シティ,ナインス・アベニュー 629 (72)発明者 ジョスリン,ジェフ アメリカ合衆国ユタ州84103,ソルト・ レイク・シティ,セヴンス・アベニュー 426 (72)発明者 スリヴェリス,アンドリュー アメリカ合衆国ユタ州84109,ソルト・ レイク・シティ,サウス 2140 イース ト 3704 (72)発明者 ホワイト,レイモンド・エル アメリカ合衆国ユタ州84103,ソルト・ レイク・シティ,エイティーンス・アベ ニュー 711 (72)発明者 中村 祐輔 東京都清瀬市松山1―43―3 審査官 鵜飼 健

Claims (64)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトから単離された腫瘍組織において、 SEQ ID NO:1に示される野生型APC遺伝子コード配列若し
    くはその発現産物の体細胞での変更を検出し、該変更が
    その組織の新生物化の指標である; ことからなる、ヒトから単離された組織中で新生物組織
    を検出する方法。
  2. 【請求項2】発現産物がmRNA分子である、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】前記野生型APC mRNAの変更が、該組織由来
    のmRNAとAPC遺伝子プローブとのハイブリダイゼーショ
    ンによって検出される、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    が、非変性ポリアクリルアミドゲル上での一本鎖DNAの
    電気泳動度の変化を観察することによって検出される、
    請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    が、APC遺伝子コード配列プローブと該組織から単離さ
    れたゲノムDNAとのハイブリダイゼーションによって検
    出される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】ヒトの非新生物組織から単離したゲノムDN
    Aに対して、APC遺伝子コード配列プローブを用いてサザ
    ンハイブリダイゼーションを行い;そして 該腫瘍組織と非新生物組織に対するAPC遺伝子プローブ
    のハイブリダイゼーションを比較する; ことをさらに含む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】APC遺伝子プローブが制限酵素断片長多型
    性(restriction fragment length polymorphism)を検
    出する、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】該組織中のAPC遺伝子の全体若しくは部分
    の塩基配列をポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定するこ
    とにより、野生型APC遺伝子コード配列の変更を検出
    し、決定されたAPC配列がSEQ ID No:1に示された配列か
    ら変異していることが新生物化の指標である、請求項1
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】分子(1)該組織から単離されたAPC遺伝
    子若しくはAPC mRNA、と分子(2)前記ヒト野生型APC
    遺伝子コード配列に相補的な核酸プローブ、を互いにハ
    イブリダイズさせて二本鎖を形成させたときのミスマッ
    チを同定することによって、前記野生型APC遺伝子コー
    ド配列の変更を検出する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】APC遺伝子プローブが、SEQ ID NO:1に示
    される遺伝子の予想される翻訳開始部位から数えて
    (1)ヌクレオチド822−930(SEQ ID NO:1のヌクレオ
    チド868−966に相当する);および(2)ヌクレオチド
    931−1309(SEQ ID NO:1のヌクレオチド967−1345に相
    当する);(3)ヌクレオチド1406−1545(SEQ ID NO:
    1のヌクレオチド1442−1581に相当する);および
    (4)ヌクレオチド1956−2256(SEQ ID NO:1のヌクレ
    オチド1992−2296に相当する)から成るグループから選
    択されるエクソンとハイブリダイズする、請求項5に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】該組織中のAPC遺伝子配列を増幅し、増
    幅されたAPC配列のAPC配列を含む核酸プローブに対する
    ハイブリダイゼーションによって、前記野生型APC遺伝
    子コード配列の変更を検出する、請求項1に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】該組織中のAPC遺伝子の分子クローニン
    グを行い、クローン化されたAPC遺伝子の全体若しくは
    部分を配列決定することによって、前記野生型APC遺伝
    子コード配列の変更を検出する、請求項1に記載の方
    法。
  13. 【請求項13】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、欠失突然変異のスクリーニングを含む、請求
    項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、点突然変異のスクリーニングを含む、請求項
    1に記載の方法。
  15. 【請求項15】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、挿入突然変異のスクリーニングを含む、請求
    項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】腫瘍組織が結腸直腸組織である、請求項
    1に記載の方法。
  17. 【請求項17】ヒトから単離される非新生物組織が結腸
    粘膜に由来する、請求項6に記載の方法。
  18. 【請求項18】発現産物がタンパク質分子である、請求
    項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】SEQ ID NO:1に示される野生型APCタンパ
    ク質の変更がイムノブロティングによって検出される、
    請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】SEQ ID NO:1に示される野生型APCタンパ
    ク質の変更が免疫細胞化学によって検出される、請求項
    18に記載の方法。
  21. 【請求項21】野生型APC遺伝子の機能を失った細胞
    に、野生型APC遺伝子が細胞内で発現するようにin vitr
    oでSEQ ID NO:1に示される野生型APC遺伝子を導入す
    る: ことから成る、APC遺伝子の突然変異によって野生型APC
    遺伝子機能を失った細胞に、in vitroで該機能を供給す
    る方法。
  22. 【請求項22】APC遺伝子突然変異を修復するための二
    重組み換え事象によって、導入された前記野生型APC遺
    伝子が細胞内に存在する内在性突然変異APC遺伝子とin
    vitroで組み換えを起こす、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】APC遺伝子の機能を失った細胞に、SEQ I
    D NO:1に示される野生型APC遺伝子の部分であって該細
    胞の非新生物性増殖に必要なAPCタンパク質の一部をコ
    ードする部分が細胞内で発現するようにin vitroで導入
    する: ことから成る、APC遺伝子の突然変異によって前記野生
    型APC遺伝子機能が変更された細胞に、in vitroで該機
    能を供給する方法。
  24. 【請求項24】野生型APC機能を失った細胞にSEQ ID N
    O:1に示されるヒト野生型APCタンパク質をin vitroで適
    用する: ことから成る、APC遺伝子の突然変異によって野生型APC
    遺伝子機能が変更された細胞に、in vitroで該機能を供
    給する方法。
  25. 【請求項25】野生型APCタンパク質の機能を模倣する
    分子をAPC遺伝子の突然変異によってSEQ ID NO:1に示さ
    れる野生型APC遺伝子機能が変更された細胞にin vitro
    で導入する: ことから成る、in vitroで該細胞に該機能を供給する方
    法。
  26. 【請求項26】ポリメラーゼ連鎖反応によってSEQ ID N
    O:1に示されるAPC遺伝子のヌクレオチド配列を決定する
    ために用いる、一対の一本鎖DNAプライマーであって、
    該プライマーの配列は染色体5qのバンド21に由来し、該
    プライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行うことに
    よってSEQ ID NO:1に示される配列の全体若しくは一部
    分を有するDNAが合成される、上記一対の一本鎖DNAプラ
    イマー。
  27. 【請求項27】ポリメラーゼ連鎖反応によってSEQ ID N
    O:1に示されるAPC遺伝子のヌクレオチド配列を決定する
    ために用いる、一対の一本鎖DNAプライマーであって、S
    EQ ID NO:11〜94からなる群から選択される、上記一対
    の一本鎖DNAプライマー。
  28. 【請求項28】各5'末端に制限酵素部位を有する、請求
    項26または27に記載のプライマー。
  29. 【請求項29】APCイントロンに対応する配列を有す
    る、請求項26または27に記載の一対のプライマー。
  30. 【請求項30】SEQ ID NO:1に示されるヒト野生型APC遺
    伝子コード配列に相補的な核酸プローブ。
  31. 【請求項31】SEQ ID NO:1に示される遺伝子の予想さ
    れる翻訳開始部位から数えて(1)ヌクレオチド822−9
    30(SEQ ID NO:1のヌクレオチド868−966に相当す
    る);および(2)ヌクレオチド931−1309(SEQ ID N
    O:1のヌクレオチド967−1345に相当する);(3)ヌク
    レオチド1406−1545(SEQ ID NO:1のヌクレオチド1442
    −1581に相当する);および(4)ヌクレオチド1956−
    2256(SEQ ID NO:1のヌクレオチド1992−2296に相当す
    る)から成るグループから選択されるエクソンとハイブ
    リダイズする、請求項30に記載の核酸プローブ。
  32. 【請求項32】SEQ ID NO:1に示されるAPC遺伝子コード
    配列の全てのヌクレオチドと全体としてハイブリダイズ
    する一群の核酸プローブから構成される、前記野生型AP
    C遺伝子の変更を検出するためのキット。
  33. 【請求項33】ヒトから単離した体のサンプルにおけ
    る、ヒトにおける新生物組織の存在を示すような、SEQ
    ID NO:1に示される野生型APC遺伝子コード配列若しくは
    野生型APC発現産物の変更を検出する方法。
  34. 【請求項34】該体のサンプルが、血清、大便、尿およ
    び唾液から成るグループから選択される、請求項33に記
    載の方法。
  35. 【請求項35】血液および胎児組織から成るグループか
    ら選択されるヒトの試料中の、SEQ ID NO:1に示される
    野生型APC遺伝子コード配列若しくはその発現産物の、
    癌になりやすい素因を示唆するような生殖細胞の変更を
    検出する方法。
  36. 【請求項36】発現産物がmRNA分子である、請求項35に
    記載の方法。
  37. 【請求項37】前記野生型APC mRNAの変更が、該組織由
    来のmRNAとAPC遺伝子プローブとのハイブリダイゼーシ
    ョンによって検出される、請求項36に記載の方法。
  38. 【請求項38】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    が、非変性ポリアクリルアミドゲル上での一本鎖DNAの
    電気泳動度の変化を観察することによって検出される、
    請求項35に記載の方法。
  39. 【請求項39】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    が、APC遺伝子コード配列プローブと該組織から単離さ
    れたゲノムDNAとのハイブリダイゼーションよって検出
    される、請求項35に記載の方法。
  40. 【請求項40】APC遺伝子コード配列プローブが制限酵
    素断片長多型性を検出する、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】該組織中のAPC遺伝子の全体若しくは部
    分的な配列をポリメラーゼ連鎖反応を用いて決定し、決
    定されたAPC配列がSEQ ID NO:1に示された配列から変異
    していることを癌になりやすい素因の指標として、野生
    型APC遺伝子コード配列の変更を検出する、請求項35に
    記載の方法。
  42. 【請求項42】分子(1)該組織から単離されたAPC遺
    伝子若しくはAPC mRNA、と分子(2)SEQ ID NO:1に示
    されるヒト野生型APC遺伝子コード配列に相補的な核酸
    プローブ、を互いにハイブリダイズさせて二本鎖を形成
    させた時の両分子間のミスマッチを同定することによっ
    て、前記野生型APC遺伝子コード配列の変更を検出す
    る、請求項35に記載の方法。
  43. 【請求項43】APC遺伝子プローブが、SEQ ID NO:1に示
    される遺伝子の予想される翻訳開始部位から数えて
    (1)ヌクレオチド822−930(SEQ ID NO:1のヌクレオ
    チド868−966に相当する);および(2)ヌクレオチド
    931−1309(SEQ ID NO:1のヌクレオチド967−1345に相
    当する);(3)ヌクレオチド1406−1545(SEQ ID NO:
    1のヌクレオチド1442−1581に相当する);および
    (4)ヌクレオチド1956−2256(SEQ ID NO:1のヌクレ
    オチド1992−2296に相当する)から成るグループから選
    択されるエクソンとハイブリダイズする、請求項39に記
    載の方法。
  44. 【請求項44】該組織中のAPC遺伝子配列を増幅し、増
    幅されたAPC配列とAPC遺伝子コード配列から成る核酸プ
    ローブとのハイブリダイゼーションによって、SEQ ID N
    O:1に示される野生型APC遺伝子コード配列の変更を検出
    する、請求項35に記載の方法。
  45. 【請求項45】該組織中のAPC遺伝子の分子クローニン
    グを行い、クローン化されたAPC遺伝子の全体若しくは
    部分的な塩基配列を決定することによって、SEQ ID NO:
    1に示される野生型APC遺伝子コード配列の変更を検出す
    る、請求項35に記載の方法。
  46. 【請求項46】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、欠失突然変異のスクリーニングを含む、請求
    項35に記載の方法。
  47. 【請求項47】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、点突然変異のスクリーニングを含む、請求項
    35に記載の方法。
  48. 【請求項48】前記野生型APC遺伝子コード配列の変更
    の検出が、挿入突然変異のスクリーニングを含む、請求
    項35に記載の方法。
  49. 【請求項49】発現産物がタンパク質分子である、請求
    項35に記載の方法。
  50. 【請求項50】SEQ ID NO:1に示される野生型APCタンパ
    ク質の変更がイムノブロティングによって検出される、
    請求項49に記載の方法。
  51. 【請求項51】前記野生型APCタンパク質の変更が免疫
    細胞化学によって検出される、請求項49に記載の方法。
  52. 【請求項52】前記野生型APCタンパク質の変更が、該
    組織から単離されたAPCタンパク質と第二の細胞タンパ
    ク質の結合相互作用の分析によって検出される、請求項
    49に記載の方法。
  53. 【請求項53】第二の細胞タンパク質がMCCタンパク
    質、野生型APCタンパク質およびGタンパク質から成る
    グループから選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 【請求項54】遺伝的に癌になりやすい素因を有する個
    体と遺伝学的に関係している血族関係の中で、その存在
    が癌になりやすい素因の指標であるようなSEQ ID NO:1
    に示される遺伝子の配列との比較でその個体中の突然変
    異APC対立遺伝子に関連するDNA多型性の存在を検出する
    方法。
  55. 【請求項55】SEQ ID No:1またはSEQ ID NO:7のいずれ
    かに示された配列に対応するアミノ酸配列を有し、実質
    的に他のヒトタンパク質を含まないヒトAPCタンパク質
    の調製品。
  56. 【請求項56】SEQ ID NO:1に示されるヒトAPCタンパク
    質と免疫反応性で、他のヒトタンパク質とは実質的に免
    疫反応性でない抗体の調製品。
  57. 【請求項57】SEQ ID NO:1に示されるAPC対立遺伝子に
    突然変異を有する培養上皮細胞に、テストする物質を適
    用し; 該テスト物質が、細胞の新生物化するように形質転換し
    た表現型を抑制するか否かを判断する; ことからなる、治療剤が新生物化するように形質転換し
    た表現型を抑制する能力をテストする方法。
  58. 【請求項58】培養上皮細胞が遺伝子工学的に操作を施
    され、前記APC対立遺伝子に突然変異を有する、請求項5
    7に記載の方法。
  59. 【請求項59】ゲノム中のSEQ ID NO:1に示されるAPC対
    立遺伝子において突然変異を有する非ヒト動物にテスト
    物質を投与し; 該テスト物質が、腫瘍の増殖を妨げるかまたは抑制する
    かを判断する: ことからなる、治療剤が新生物の増殖を抑制する能力を
    テストする方法。
  60. 【請求項60】ゲノム中のSEQ ID NO:1に示されるAPC対
    立遺伝子において第二の動物種に由来する突然変異を有
    する非ヒトトランスジェニック動物。
  61. 【請求項61】ゲノム中のSEQ ID NO:1に示されるAPC対
    立遺伝子を破壊する挿入突然変異を有するように遺伝子
    工学的に操作を施された、非ヒト動物。
  62. 【請求項62】SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:1のいずれ
    かに示されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    するcDNA分子。
  63. 【請求項63】SEQ ID NO:7またはSEQ ID NO:1のいずれ
    かに示されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
    する単離されたDNA分子。
  64. 【請求項64】37HG4として知られている酵母人工染色
    体(寄託番号:NCIMB40353)。
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