JP2006126058A - 二酸化炭素センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 経時的な出力変動が十分に抑制された二酸化炭素センサを提供すること。
【解決手段】 二酸化炭素センサは、固体電解質を含む基板と、基板上に設けられた検知極と、基板上に固体電解質と接して設けられた参照極とを備え、基板の全表面のうち少なくとも一部に疎水性の樹脂層を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二酸化炭素センサに関する。
二酸化炭素センサは、一般に、基板上に検知極及び参照極を有しているものが知られている。通常、基板は、固体電解質で構成されている。また、検知極は、ガス検知材料としての金属化合物で形成される検知層と、集電体としての金属層とから構成され、参照極は、集電体としての金属層から構成されている。そして、それぞれの金属層は固体電解質に接して設けられている。この種の二酸化炭素センサにおいては、検知層が二酸化炭素と接触したときに、検知層の金属化合物と二酸化炭素との化学平衡反応が起こり、基板において検知極と参照極との間で導電イオンの濃度差が生じる。この濃度差に基づく起電力の変化を検出することによって、二酸化炭素濃度が測定される。
ところで、上記のような二酸化炭素センサは、センサが置かれる環境によって、起電力が時間とともに低下するなど、センサ応答の出力が経時的に変動することがある(以下、このような経時による出力変動を「ドリフト」という場合もある)。このようなドリフトが生じると、二酸化炭素濃度を的確に測定することができなくなってしまう。
そこで、上記のドリフト低減を目的とした、二酸化炭素センサが提案されている(特許文献1)。この二酸化炭素センサでは、ガラス等の素材膜によって基準電極(参照極)が気密に密閉されている。
特表平10−503022号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の二酸化炭素センサであっても、上記のようなドリフトを十分に抑制するには更なる改善の必要があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、経時的な出力変動が十分に抑制された二酸化炭素センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、従来の二酸化炭素センサについて詳細に検討した結果、上記のドリフトの大きな原因はセンサが置かれる雰囲気中の湿気にあり、この湿気による影響の度合いは二酸化炭素センサの部位によって異なることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の二酸化炭素センサは、固体電解質を含む基板と、基板上に設けられた検知極と、基板上に設けられた参照極とを備え、基板の全表面のうち少なくとも一部に疎水性の樹脂層を有することを特徴とする。
本発明の二酸化炭素センサによれば、基板の全表面のうち少なくとも一部に疎水性の樹脂層を有していることにより、経時的な出力変動が十分に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となる。
経時的な出力変動が十分に抑制されていることの理由については必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下の通り推察する。すなわち、基板の全表面のうち少なくとも一部に疎水性の樹脂層が存在することにより、固体電解質の経時的な出力変動の要因となる部分が水分の影響から効果的に保護されるためと考えられる。
また、上記樹脂層は、基板の全表面のうち少なくとも基板の検知極及び参照極が設けられている表面以外の表面に設けられていることが好ましい。このように、疎水性の樹脂層が、基板の表面の一部のみならず、基板の外気に露出する表面がなくなるように設けられることにより、経時的な出力変動をさらに低減することができる。
また、上記樹脂層が、参照極を被覆して設けられていることが好ましい。このように樹脂層が設けられていることにより、参照極が多孔質の場合であっても経時的な出力変動が十分に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となる。
更に、本発明の二酸化炭素センサにおいて、上記樹脂層が、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。これにより、二酸化炭素センサがより高い湿度雰囲気下にあっても、経時的な出力変動をより確実に抑制することが可能となる。この理由は、上記の樹脂を含有することにより樹脂層がより高い疎水性を有するとともに適度なモビリティを有するので、固体電解質の経時的な出力変動の要因となる部分を水分の影響からより効果的に保護できるためと考えられる。
また、上記の樹脂は、所定の有機溶剤に溶解又は分散させて塗布し、続いて溶剤を除去することにより、基板により密着した樹脂層を容易に形成することができる。この場合、二酸化炭素センサの経時的な出力変動をより確実に抑制することが可能となる。
また、上記樹脂層が、非晶性フッ素樹脂を含有することが好ましい。これにより、樹脂層がより高い疎水性を有し、二酸化炭素センサの経時的な出力変動をより確実に抑制できる。また、非晶性フッ素樹脂を含有する樹脂層は溶剤を用いる塗布法により形成することが可能であるので、結晶性フッ素樹脂を樹脂層に含有させる場合と比較して、より優れた生産性を有する二酸化炭素センサとなる。
さらに、上記樹脂層が、溶剤可溶性のフッ素樹脂を含有することが好ましい。このようなフッ素樹脂を用いると、より疎水性の強い樹脂層を固体電解質表面により密着して形成することが可能となる。これにより、二酸化炭素センサの経時的な出力変動をより確実に抑制することが可能となる。
また、上記樹脂層が、下記一般式(1)で表されるフッ素樹脂を含有することが好ましい。
Figure 2006126058
式(1)中、n及びmは、正の整数を示す。
樹脂層が上記の樹脂を含有することにより、二酸化炭素センサの経時的な出力変動をより確実に抑制することが可能となる。
本発明によれば、経時的な出力変動が十分に抑制された二酸化炭素センサを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
図1は、本発明の二酸化炭素センサの第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示す二酸化炭素センサ1は、固体電解質を含んで構成される基板10を備えている。基板10は、第1の主面12と、第2の主面14と、これら第1の主面12及び第2の主面14を接続する側面16とを有している。そして、この基板10の第1の主面12上の、接合面19に検出極20が、接合面18に参照極30が設けられている。さらに、基板10の全表面のうち接合面18及び接合面19以外の表面と参照極30とを被覆して樹脂層40が設けられている。
検知極20は、基板10に接する集電体としての金属層21と、金属層21に接しこれを被覆するように設けられた検知層22とで構成されている。なお、図1に示す二酸化炭素センサ1は、基板10の同一面(第1の主面12)上に検出極20及び参照極30を備えている、いわゆる非分離型の二酸化炭素センサである。
また、基板10上には、さらに、検知極20の金属層21に重なるように形成され電気的に接続されている電極パッド(図示せず)と、参照極30に重なるように形成され電気的に接続されている電極パッド(図示せず)とが設けられている。そして、それぞれの電極パッドには、外部にある電位差計(図示せず)の一対のリード線が接続されている。
基板10を構成する固体電解質としては、固体状の金属イオン導電体が挙げられる。金属イオン導電体としては、例えば、アルカリ金属イオン導電体、アルカリ土類金属イオン導電体等が挙げられるが、好ましくはナトリウムイオン導電体が用いられる。
金属イオン導電体の具体例としては、例えば、Na1+xZrSi3−X12(x=0〜3)で表されるNASICON、Na−β″アルミナ、Na−βアルミナ、Na−βGa、Na−Fe、NaZrPSi12、Li−βアルミナ、Li14Zn(CeO)、LiAlO、Li1.4Ti1.6In0.412、K−βアルミナ、K1.6Al0.8Ti7.216、KMgTi16、CaS等が挙げられ、これらは化学量論組成から多少偏倚していてもよい。これらの中でもNASICONが好ましく、NASICONの中でも、NaZrSiPO12で表されるものが特に好ましい。
基板10は、このような固体電解質の他に、イオン導電性を妨げない程度の補強剤として、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、酸化鉄(Fe)等を、好ましくは50質量%以下程度含んでいてもよい。
基板10は、通常、その厚さが1μm〜1mm程度であり、主面の面積が1μm〜200mm程度である。また、主面の形状については、矩形、円形、その他用途に応じて適宜設定することができる。このような基板10は、固相法、ゾルゲル法、共沈法等の通常用いられている方法で作製すればよく、好ましくは固相法で作製される。
検知極20を構成する金属層21は、集電体として機能し得る程度の導電性を有する金属材料で形成されている。金属層21を形成する金属材料としては、例えば、金、白金、銀、ルビジウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ニッケル、銅、クロムやこれらの合金等を好適に用いることができる。
金属層21は、通常、その厚みが0.01〜10μm程度であり、主面の面積が0.1μm〜200mm程度である。また、金属層21は、検知極20内で二酸化炭素ガスを効率よく分散させるため、多孔質であることが好ましい。このような金属層21は、例えば、金属粉末をペースト状にした混合液をスクリーン印刷等により塗布する方法や、スパッタリング等により形成することができる。なお、検知極20において、検知層自体が十分な導電性を有している場合等には、検知極が金属層を有することは必ずしも必要ではなく、検知層のみで検知極が構成されていてもよい。
検知層22は、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物等の金属化合物を含有するガス検知材料で形成されている。検知層22は、層内でのガスの拡散効率を高くするため、粒子状の金属化合物で形成される多孔質体からなることが好ましい。検知層22が金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物等の金属化合物の粒子で構成される場合、その平均粒径は0.1〜100μmであることが好ましい。
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸ルビジウム(RbCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マンガン(Mn(CO、Mn(CO)、炭酸鉄(Fe(CO、FeCO)、炭酸ニッケル(NiCO)、炭酸銅(CuCO)、炭酸コバルト(Co(CO)、炭酸クロム(Cr(CO)、炭酸亜鉛(ZnCO)、炭酸銀(AgCO)、炭酸カドミウム(CdCO)、炭酸インジウム(In(CO)、炭酸イットリウム(Y(CO)、炭酸鉛(PbCO)、炭酸ビスマス(Bi(CO)、炭酸ランタン(La(CO)、炭酸セリウム(Ce(CO)、炭酸プラセオジム(Pr(CO11)、炭酸ネオジム(Nd(CO)、炭酸ジスプロシウム(Dy(CO)等が挙げられる。金属炭酸塩は1種を用いても2種以上を併用してもよい。中でも、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることが好ましい。
また、金属炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素ルビジウム(RbHCO)及び炭酸水素セシウム(CsHCO)等のアルカリ金属の炭酸水素塩等が挙げられる。これらは1種を用いても2種以上を併用してもかまわない。中でも、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、特に炭酸水素ナトリウムを用いることが好ましい。
また、金属酸化物としては、酸化スズ(SnO,SnO)、酸化インジウム(In)、酸化コバルト(Co)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe,FeO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化クロム(Cr)、酸化カドミウム(CdO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化マンガン(MnO,Mn)、酸化イットリウム(Y)、酸化アンチモン(Sb)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化銀(AgO)、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化ルビジウム(RbO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化バリウム(BaO)からなる群のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。これらの中でも、金属酸化物としては、低温でのガス検知をより安定して行える点で、酸化スズ、酸化インジウム、酸化コバルト、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化カドミウム及び酸化ビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化タングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。なお、これらも化学量論組成から多少偏倚していてもよい。
検知層22の厚みは通常0.1μm〜100μm程度であり、例えば、金属化合物の粒子を溶剤に分散したペーストを金属層21に接するように塗布してペースト層形成し、このペースト層を加熱して溶剤を除去するペースト法など、従来公知の方法を採用して形成することができる。
参照極30は、通常、0.1μm〜100μm程度の厚みを有し、0.1μm〜200mm程度の面積とすることができ、金属層21について上述したのと同様の金属材料、方法を採用して形成することができる。また、参照極30には貫通孔が形成されていてもよく、多孔質でもよく、貫通孔や空孔のない平板でもよい。参照極30が多孔質の場合には、図1に示す二酸化炭素センサ1のように、樹脂層40が参照極30を被覆していることが好ましく、これにより経時的な出力変動をより確実に抑制することが可能となる。
また、上述した電極パッドの材質についても、金属層21の材質と同じであることが好ましい。
樹脂層40は、疎水性の樹脂層であればよく、このような疎水性の樹脂層を形成する樹脂としては、樹脂から形成した膜において、水との接触角が90度以上となるものが好ましく、90度〜130度であることがより好ましい。具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー、シリコーン系ポリマー等が好適に使用される。なお、各ポリマーの水に対する接触角としては、ポリエチレン:90〜95度、ポリプロピレン:95度、フッ素系ポリマー:100〜115度、シリコーン系ポリマー:90〜100度のように例示される。
樹脂層40は、上記の樹脂を含む樹脂組成物を所定の溶媒に溶解又は分散させた塗工液を、基板10の全表面のうち接合面18及び接合面19以外の表面及び参照極30の露出面に塗布して乾燥させることにより形成することができる。
本実施形態の二酸化炭素センサにおいては、樹脂層40が上記した樹脂のうちフッ素樹脂を含有することが好ましい。これにより、二酸化炭素センサ1は、より高い湿度雰囲気下であってもドリフトがより確実に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となる。これは、疎水性の樹脂層40の表面にさらに撥水性が付与されることにより、固体電解質のドリフトの要因となる部分への水分の影響をより効果的に低減できるためと考えられる。
さらに、上記フッ素樹脂が、非晶性フッ素樹脂であることが好ましい。非晶性フッ素樹脂とは、明確な融点を示さず、ガラス転移点を有するものをいう。樹脂層40は、非晶性フッ素樹脂を含有することによって疎水性がより高いものとなるとともに、非晶性フッ素樹脂は結晶性フッ素樹脂と比較して溶剤可溶性に優れているので、塗布法により容易に形成することが可能となる。これにより、二酸化炭素センサ1は、より高い湿度雰囲気下であってもドリフトがより確実に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となるとともに、結晶性フッ素樹脂を用いる場合に比べて生産性が向上する。
また、上記フッ素樹脂が、溶剤可溶性のフッ素樹脂であることが好ましい。溶剤としては、例えば、フッ素系不活性液体(商品名:フロリナート)等の飽和炭化フッ素が挙げられる。樹脂層40が溶剤可溶性のフッ素樹脂を含有することによって、二酸化炭素センサ1は、より高い湿度雰囲気下であってもドリフトがより確実に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となる。これは、上述のように塗工液を用いて樹脂層40を形成する場合に、樹脂層40と基板10とをより密着させることが可能となり、これにより、固体電解質のドリフトの要因となる部分への水分の影響をより効果的に低減できるためと考えられる。
また、樹脂層40が、下記一般式(1)で表されるフッ素樹脂を含有することが好ましい。
Figure 2006126058
式(1)中、n及びmは、正の整数を示す。
ここで、上記一般式(1)におけるn及びmが、下記一般式(2)を満たすことが好ましい。
0.6≦[m/(n+m)]≦0.9 …(2)
樹脂層40が、このようなフッ素樹脂を含有することにより、二酸化炭素センサ1は、より高い湿度雰囲気下であってもドリフトがより確実に抑制され、二酸化炭素濃度を的確に測定することが可能となる。特に、上記一般式(2)を満たす上記一般式(1)で表されるフッ素樹脂は、上述した非晶性フッ素樹脂及び溶剤可溶性フッ素樹脂を用いる場合に得られる効果をより確実に発揮できるので好適に使用できる。
樹脂層40の厚みについては、特に限定されないが、0.1μm以上であることが好ましい。樹脂層40の厚みが、0.1μm未満であると、ドリフトを十分に抑制できなくなる傾向にある。
また、図1に示す非分離型の二酸化炭素センサ1は、金属層21及び参照極30などの集電体の形成やリードの取り出しをプロセス上簡便にできるので、生産効率が高くなるという利点を有する。
次に、本発明の二酸化炭素センサの第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の二酸化炭素センサの第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示す二酸化炭素センサ2は、参照極30が第2の主面上に設けられている点で相違すること以外は、二酸化炭素センサ1と同様である。なお、図2に示す二酸化炭素センサ2は、基板10の異なる面上に検出極20及び参照極30を備えている、いわゆる分離型の二酸化炭素センサである。
二酸化炭素センサ2の基板10、金属層21、検知層22、参照極30及び樹脂層40を構成する材料及び形成方法については、それぞれ、上述した図1の二酸化炭素センサ1と同様のものとすることができる。
図2に示す二酸化炭素センサ2のように分離型の構造を有する場合であっても、樹脂層40を備えていることにより、経時的な出力変動が十分に抑制される。
また、本発明の二酸化炭素センサは、上記した実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。図1の二酸化炭素センサ1のように非分離型の二酸化炭素センサにおいては、例えば、図3に示す二酸化炭素センサ3のように樹脂層40が、参照極30の一部が露出して設けられていてもよい。樹脂層40が参照極30を被覆していない構造であっても、経時的な出力変動を十分に抑制することが可能である。また、参照極30が緻密な金属層で構成されている場合には、図3に示す二酸化炭素センサ3は、経時的な出力変動がより確実に抑制される。
また、図4に示す二酸化炭素センサ4のように樹脂層40が、基板10の全表面のうち少なくとも参照極30の周囲の基板10の表面上に設けられていてもよい。すなわち、二酸化炭素センサ3における、基板10の側面16及び基板10の第2の主面上に樹脂層40が設けられていない形態であってもよい。二酸化炭素センサ4は、経時的な出力変動が十分に抑制されているとともに、金属層21及び参照極30などの集電体の形成やリードの取り出しに加えて樹脂層40の形成においてもプロセス上簡便にできるので、生産効率がさらに高くなるという利点を有する。
また、図2の二酸化炭素センサ2のように分離型の二酸化炭素センサにおいては、例えば、図5に示す二酸化炭素センサ5のように樹脂層40が、参照極30、及び、参照極30の周囲の基板10の表面、すなわち、第2の主面14の接合面18以外の表面を被覆して設けられていてもよい。このような二酸化炭素センサ5は、経時的な出力変動が十分に抑制されているとともに、樹脂層40の形成において参照極30が設けられている以外の面に樹脂層を形成する工程を省略することができ生産効率を大きく損なわないという利点を有する。
また、本発明の二酸化炭素センサは、作動温度領域が0〜100℃に設定されたものであることが好ましい。これにより、経時的な出力変動がより長期にわたって十分抑制されている二酸化炭素センサを得ることが可能となる。このような二酸化炭素センサは、例えば、上記検知層22を構成する材料として、上記した、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属酸化物等の金属化合物を用いることにより得ることができる。検知層22は、これらの金属化合物の混合物からなるものであってもよく、或いは、金属層21上に金属炭酸塩からなる層及び金属酸化物からなる層をこの順に積層する2層構成としてもよい。金属炭酸塩としては炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いることが好ましく、金属炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを用いることが好ましく、金属酸化物としては酸化スズ、酸化インジウム、酸化コバルト、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化カドミウム、酸化ビスマスを用いることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ゾルゲル法によりNASICON(具体的にはNaZrSiPO12)粉末を調製し、このNASICON粉末を用いて、幅2mm、長さ2mm、厚み0.5mmの固体電解質基板を形成した。
続いて、形成した固体電解質基板の片面に、金ワイヤを配置するとともに金ペーストを塗布し乾燥した。続いて、固体電解質基板の反対側の面にも金ワイヤを配置するとともに金ペーストを塗布し乾燥した。そして、これを空気中、850℃で30分間加熱し、検知極の集電層となる金属層及び参照極となる金属層を形成した。
次に、炭酸リチウム粉末と炭酸バリウム粉末とをモル比1:2で混合した混合物を、750℃で溶解することにより複合炭酸塩を調製した。続いて、得られた複合炭酸塩を粉砕して粉末とした。そして、この複合炭酸塩粉末と、エチルセルロース5質量%を含有するα−テルピネオール溶液とを、同質量混合してペーストを調製した。得られたペーストを、集電層が形成された固体電解質基板の片面上に塗布し、これを120℃で10時間加熱して溶剤を除去し、金属炭酸塩層を形成した。
次に、酸化インジウム粉末と、エチルセルロース5質量%を含有するα−テルピネオール溶液とを、同質量混合してペーストを調製した。続いて、得られたペーストを金属炭酸塩層上に塗布した。次に、これを空気中、600℃で1時間加熱して溶剤を除去し、検知層を形成した。これにより、集電層及び検知層からなる検知極が固体電解質基板の片面上に形成された。
次に、固体電解質基板の検知極と反対側、すなわち、参照極が形成されている側に、以下のようにして樹脂層を形成した。まず、非晶性フッ素樹脂(商品名「テフロンAF2400」、デュポン社製)を飽和炭化フッ素(商品名「フリナートFC43」、住友3M社製)に溶解し、フッ素樹脂の濃度が1.3質量%の非晶性フッ素樹脂溶液を調製した。続いて、得られた非晶性フッ素樹脂溶液を、固体電解質基板の検知極と反対側の面に塗布し、70〜80℃で5分間加熱することにより溶剤を除去して樹脂層を形成した。
(実施例2)
非晶性フッ素樹脂溶液を、検知極以外の露出面全てに塗布した、すなわち、固体電解質基板の検知極側の露出面、固体電解質基板の側面、及び、固体電解質基板の参照極側上に塗布したこと以外は実施例1と同様にして二酸化炭素センサを作製した。
(比較例1)
非晶性フッ素樹脂溶液を塗布せず、樹脂層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素センサを作製した。
(二酸化炭素センサの評価)
<二酸化炭素センサの感度>
実施例1及び2並びに比較例1で得られた二酸化炭素センサについて、二酸化炭素濃度1000ppm、室温、30%RHの雰囲気下においたときの出力値(起電力)をベース値Eとし、この値と、雰囲気を二酸化炭素濃度10000ppmに変化させたときの出力値Eとの差(E−E)をその雰囲気条件での感度(mV/decade)とした。同様にして、湿度が70%RHの雰囲気下とした場合の感度も求めた。得られた結果は表1に示した。
<二酸化炭素センサのドリフト>
実施例1及び2並びに比較例1で得られた二酸化炭素センサについて、二酸化炭素濃度1000ppm、室温、30%RHの雰囲気下においたときの出力値(起電力)の20分間の変化量(最大値−最小値)をその雰囲気条件でのドリフトの値(mV/20分)とした。同様にして、室温、30%RH、二酸化炭素濃度が5000ppm及び10000ppmの雰囲気下におけるドリフトの値を求めた。さらに、高湿度雰囲気として、室温、70%RH、二酸化炭素濃度1000ppm、5000ppm及び10000ppmの雰囲気下におけるドリフトの値を求めた。これらの結果は表1に示した。
Figure 2006126058
表1に示すように、実施例1及び2の二酸化炭素センサは、十分な感度を有するとともに、比較例1に比べて、各湿度及び各二酸化炭素濃度雰囲気下において十分に経時的な出力変動が抑制されていることがわかった。また、検知極以外の表面が樹脂層である実施例2の二酸化炭素センサは、経時的な出力変動がより低減されていることがわかった。
図1は、本発明の二酸化炭素センサの第1実施形態を示す模式断面図である。 図2は、本発明の二酸化炭素センサの第2実施形態を示す模式断面図である。 図3は、本発明の二酸化炭素センサの第3実施形態を示す模式断面図である。 図4は、本発明の二酸化炭素センサの第4実施形態を示す模式断面図である。 図5は、本発明の二酸化炭素センサの第5実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1,2,3,4,5…二酸化炭素センサ、10…基板、20…検出極、21…金属層、22…検出層、30…参照極、40…樹脂層。

Claims (5)

  1. 固体電解質を含む基板と、
    前記基板上に設けられた検知極と、
    前記基板上に設けられた参照極と、を備え、
    前記基板の全表面のうち少なくとも一部に疎水性の樹脂層を有する二酸化炭素センサ。
  2. 前記樹脂層が、前記基板の全表面のうち少なくとも基板の前記検知極及び前記参照極が設けられている表面以外の表面に設けられている、請求項1に記載の二酸化炭素センサ。
  3. 前記樹脂層が、前記参照極を被覆して設けられている、請求項1又は2に記載の二酸化炭素センサ。
  4. 前記樹脂層が、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂及びシリコーン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二酸化炭素センサ。
  5. 前記樹脂層が、非晶性フッ素樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二酸化炭素センサ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100780924B1 (ko) 2006-12-20 2007-11-30 박진성 센서 소자 및 그 제조 방법
JP2010515498A (ja) * 2007-01-12 2010-05-13 ジェリコウ,ウルリッヒ ガス組成の監視、制御および/または調節のための装置

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