JP2006184251A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 出力安定性に優れるガスセンサを提供すること。
【解決手段】 本実施形態に係るガスセンサは、基板12上に、検知極14及び対極16を備えている。検知極14は、集電層14a及びガス検知層14bから構成され、対極16は、集電層16a及び保護層16bから構成されている。そして、ガス検知層14bは、金属酸化物、炭素質材料及び金属炭酸塩を含むものである。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、ガスセンサ、特に、固体電解質型のガスセンサに関する。
環境中の特定のガスを化学的に検知するガスセンサとしては、固体電解質型ガスセンサや、半導体型ガスセンサ等が知られている。なかでも、固体電解質型ガスセンサは、取り扱いが簡便であり、また小型化が容易であるといった優れた特徴を有していることから、近年、種々の研究が行われている。
固体電解質型のガスセンサは、固体電解質を含む基板上に検知極及び対極が設けられた構造を有しており、被検ガスと検知極との接触前後における検知極−対極間の起電力の変化等に基づいてガスを検知する。
ところで、上記構造を有する固体電解質型のガスセンサにおいては、被検ガスに対する感度を向上させるために、検知極に、被検ガスとの間で解離平衡を生じる金属塩を含む層を設けることが一般的に行われている。
しかしながら、このような構造の検知極を有するガスセンサは、個体間における初期感度や経時的な感度変化のばらつきが大きく、このため、均質な特性を有するガスセンサを大量に製造するのが困難な傾向にあった。
そこで、このような個体間のばらつきを低減することを目的として、上述したような金属塩を含む層に対し、電子伝導物質を添加した固体電解質型ガスセンサが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3246618号公報
しかしながら、上記従来技術による固体電解質型ガスセンサは、個体間の特性のばらつきを低減することは可能であったが、繰り返しの使用によるセンサの起電力(出力)の低下が著しく、長期にわたって使用する場合の信頼性(出力安定性)が未だ不十分な傾向にあった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、出力安定性に優れるガスセンサを提供することを目的とする。
本発明者らが上記従来の固体電解質型ガスセンサについて詳細に検討を行った結果、上述した出力の低下は、個体間の特性ばらつきを低減するために添加した電子伝導物質に起因して生じていることを見出した。
すなわち、上記従来の固体電解質型のガスセンサにおいては、検知極に含まれる電子伝導物質が、ガスセンサ使用時の温度条件において、雰囲気中の酸素によって酸化され易い傾向にあった。そのため、繰り返しの使用によって、検知極中の電子伝導物質が徐々に酸化され、その表面に酸化皮膜が形成されることが確認された。そして、このように電子伝導物質に酸化皮膜が形成されることによって、検知極の導電性が低下してしまい、その結果、ガスセンサの出力低下が生じていることが判明した。
そこで、本発明者らはこのような知見に基づいて更に鋭意研究を進めた結果、上述した電子伝導物質に代えて、ガスセンサの使用時の温度条件では酸化され難い物質を用いることで、ガスセンサの出力安定性を向上し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のガスセンサは、固体電解質を含む基板と、基板上に設けられた炭素質材料を含む検知極と、基板上に設けられた対極とを備えることを特徴とする。
上記構成を有するガスセンサは、検知極に炭素質材料を含有している。かかる炭素質材料は十分な導電性を有していることから、上記従来技術における電子伝導物質と同様に、ガスセンサ個体間の特性ばらつきを十分に低減することができる。また、この炭素質材料は、ガスセンサの動作温度域では極めて酸化され難いことから、繰り返しの使用による検知極の導電性低下を抑制でき、ガスセンサの経時的な出力低下を十分に防止することができる。
本発明のガスセンサにおいては、炭素質材料は多孔質性を有する材料であると好ましい。従来、ガスセンサの検知極を構成する材料は、雰囲気中の水分の影響を受けやすい傾向もあり、非動作時に雰囲気中の水分が結露してガス検知部表面に付着すると、起動後、安定してガス検知動作が行えるようになるまでの時間(以下、「立ち上がり時間」という)に長時間を要する場合が多かった。これに対し、上述のように検知極に含まれる炭素質材料を多孔質性とすることで、検知極自身の吸湿性を向上することができ、その結果、非動作時の結露等を低減して立ち上がり時間を十分に短縮することが可能となる。
また、このように炭素質材料を多孔質性のものとすることで、かかる炭素質材料の表面積を増大させることができる。このため、検知極が疎密化し、検知極内でのガスの拡散能が向上することとなり、その結果、被検ガスに対するガスセンサの応答速度も向上する結果となる。
さらに、上記本発明のガスセンサにおいては、炭素質材料が、活性炭であるとより好ましい。活性炭は、優れた導電性を有するとともに、特に大きい表面積を有していることから、上述したような出力安定性の向上、立ち上がり時間の短縮、及び、応答速度の向上といった効果が更に良好に得られるようになる。
本発明によれば、出力安定性に優れるとともに、立ち上がり時間が短縮され、かつ、応答速度が向上したガスセンサを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスセンサの断面構造を模式的に示す図である。図1に示すように、ガスセンサ10は、基板12上に、当該基板12に接するように、検知極14及び対極16を備えている。検知極14は、基板12側から集電層14a及びガス検知層14bがこの順に積層された構成を有している。また、対極16は、基板12側から集電層16a及び保護層16bがこの順に積層された構成を有している。
かかる構成を有するガスセンサ10は、いわゆる固体電解質型ガスセンサであり、各構成の材料を適宜変更することにより、二酸化炭素ガスセンサ、水素ガスセンサ、窒素酸化物ガスセンサ、一酸化炭素ガスセンサ等として適用可能である。ここでは、ガスセンサの一例として、二酸化炭素(CO)ガスセンサを例に挙げて説明することとする。
(基板12)
基板12は、固体電解質を含むいわゆる固体電解質基板である。かかる基板12は、固体状のイオン導電体である。このイオン導電体としては、例えば、Na1+xZrSi3−x12(x=0〜3)で表されるNASICON、ジルコニア(ZrO)をイットリア(Y)で安定化したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、希土類元素を含むバリウムセリウム系酸化物等の金属イオン導電体が挙げられる。なかでも、イオン導電体としては、NASICONが好ましい。
基板12は、1μm〜1mm程度の厚さを有していると好ましく、主面(検知極14及び対極16が設けられる面)の面積が、1μm〜200mm程度であるとより好ましい。このような基板12は、固相法、ゾルゲル法、共沈法等により形成することができ、なかでも、共沈法が好ましい。
(検知極14)
検知極14は、上述の如く、集電層14a及びガス検知層14bからなるものである。かかる検知極14において、ガス検知層14bは、集電層14aを覆うとともに、当該集電層14aを覆う領域以外の部位において基板12に直接接触した状態となっている。
検知極14において、集電層14aは、基板12(固体電解質)との間で電子の授受を行う機能を有している。かかる集電層14aは、集電体として機能し得る程度の導電性を有する材料から構成される。集電層14aの構成材料としては、例えば、金属材料が挙げられ、具体的には、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、ルビジウム(Rb)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、クロム(Cr)やこれらの合金等が例示できる。
この集電層14aの厚さは、0.01〜10μm程度であると好ましく、主面(基板12に接する面)の面積は、0.1μm〜200mm程度とすることができる。かかる集電層14aは、検知極14内での被検ガスの均一な分散を可能とするために、多孔質性を有しているとより好ましい。上記構成を有する集電層14aは、例えば、金属材料の粉末をペースト状にしてスクリーン印刷等により塗布する方法や、スパッタリング法等により形成することができる。
検知極14におけるガス検知層14bは、被検ガスとの接触により解離平衡を生じ、これにより被検ガスの検知を行う。ガス検知層14bは、主として金属酸化物を含み、副成分として炭素質材料を含むガス検知材料から構成されるものであると好ましい。
ガス検知層14bに含まれる金属酸化物としては、電子導電性を有する金属酸化物が挙げられる。具体的には、酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化コバルト(Co)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉛(PbO)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe、FeO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化クロム(Cr)、酸化カドミウム(CdO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化マンガン(MnO、Mn)、酸化イットリウム(Y)、酸化アンチモン(Sb)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化銀(AgO)、酸化リチウム(LiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化ルビジウム(RbO)、酸化セシウム(CsO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)等が例示できる。なかでも、酸化インジウム、酸化スズ、酸化コバルト、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化カドミウム又は酸化ビスマスが好ましく、特に、酸化インジウム、酸化スズ、酸化銅又は酸化亜鉛が好ましく、酸化インジウムが最も好ましい。なお、これらは化学量論組成から多少偏倚していてもよい。
また、ガス検知層14bに含まれる炭素質材料としては、活性炭や黒鉛類似の炭素骨格構造を有する材料が挙げられ、例えば、活性炭、黒鉛、活性チャー、コークス、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が例示できる。このような炭素質材料としては、比表面積が大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が、500mm/g以上のものが好ましく、1000mm/g以上のものがより好ましく、1500mm/g以上のものが更に好ましい。
上述したなかでも、入手が容易である上、後述する効果が良好に得られることから、炭素質材料としては活性炭が好ましい。活性炭としては、木質系のヤシガラ活性炭、石油系活性炭、フェノール系活性炭等が挙げられ、なかでも、ヤシガラ活性炭が、上述した比表面積の観点から特に好ましい。
ガス検知層14bにおける炭素質材料の含有量は、0.01〜50質量%であると好ましく、0.01〜30質量%であるとより好ましく、0.01〜15質量%であると更に好ましい。炭素質材料の含有量が、0.01質量%未満であると、0.01質量%以上である場合に比して、後述するような炭素質材料の添加効果が十分に得られ難くなる傾向にある。一方、50質量%を超えると、ガスセンサ10の感度が低下する傾向にある。
このように、検知極14を構成するガス検知層14bは炭素質材料を含むものである。かかる炭素質材料は優れた導電性を有していることから、炭素質材料を含まない場合に比べてガス検知層14bの抵抗が低くなり、その結果、かかるガス検知層14bの導電性が向上する。これにより、ガスセンサ10における検知極14の導電性を均質にすることが可能となる。その結果、複数のガスセンサ10を製造した場合であっても、個体間の特性ばらつきが極めて小さくなる。
また、このように検知極14の導電性が良好となるため、ガスセンサ10は、炭素質材料を含有しない場合に比して周辺環境のノイズを取り込み難いものとなる。その結果、ガスセンサ10は、優れた出力安定性を有するものとなるほか、アンプ等の増幅装置に接続してガス検知システムとして用いる場合に、ノイズの影響を除去し得る高価なアンプを用いる必要がなくなる。その結果、このようなガス検知システムを安価に提供することが可能となる。
さらに、炭素質材料は、上述したような抵抗値を下げる特性のほか、ガスセンサ10の動作温度では極めて酸化され難いという特性をも有するものである。このため、ガスセンサ10を何度も繰り返し使用したとしても、炭素質材料表面に酸化皮膜が形成されることは極めて少ない。このため、従来のように酸化され易い金属材料等を添加した場合に比して、検知極14の経時的な導電性の低下が極めて生じ難くなる。その結果、ガスセンサ10は、より優れた出力安定性を有するものとなる。
また、上述のように、炭素質材料として、比表面積が大きい多孔質性のもの、なかでも活性炭を用いた場合は、かかる活性炭を含むガス検知層14bは、水分(湿気)を取り込む特性に優れるものとなる。この場合、ガスセンサ10の非動作時に雰囲気中の水分が結露して検知極14に付着した場合であっても、ガス検知層14bが、かかる結露を十分に除去し得る。よって、ガスセンサは、周囲の湿気等による影響を受け難くなり、安定動作が可能となるほか、起動時の立ち上がり時間も短いものとなる。
ガス検知層14bは、上述した金属酸化物及び炭素質材料に加えて金属炭酸塩を更に含むことが好ましい。このように金属炭酸塩を含むことで、ガス検知層14bにおけるCOの検出に必要な炭酸水素イオンの生成が促進され、その結果、ガスセンサ10の感度、応答速度等が更に向上する。
金属炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸ルビジウム(RbCO)、炭酸セシウム(CsCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マンガン(Mn(CO、Mn(CO)、炭酸鉄(Fe(CO、FeCO)、炭酸ニッケル(NiCO)、炭酸銅(CuCO)、炭酸コバルト(Co(CO)、炭酸クロム(Cr(CO)、炭酸亜鉛(ZnCO)、炭酸銀(AgCO)、炭酸カドミウム(CdCO)、炭酸インジウム(In(CO)、炭酸イットリウム(Y(CO)、炭酸鉛(PbCO)、炭酸ビスマス(Bi(CO)、炭酸ランタン(La(CO)、炭酸セリウム(Ce(CO)、炭酸プラセオジム(Pr(CO11)、炭酸ネオジム(Nd(CO)、炭酸ジスプロシウム(Dy(CO)等が挙げられる。かかる金属炭酸塩は1種を用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムが好ましい。ガス検知層14bにおいて、このような金属炭酸塩は、上述した金属酸化物に対して1〜99質量%含まれていると好ましく、5〜50質量%含まれているとより好ましい。
このような構成を有するガス検知層14bは、例えば、以下に示すようにして形成することができる。すなわち、ます、上述した金属酸化物、炭素質材料、金属炭酸塩等を所定の溶媒に分散させてペーストとする。次いで、このペーストを、基板12上に設けられた集電層14aを覆うとともに、その周辺部が基板に接するように塗布する。その後、このペースト層を加熱する等して溶媒を除去し、これによりガス検知層14bを形成する。
かかる方法において用いる溶媒としては、金属酸化物、炭素質材料、金属炭酸塩等を溶解したり、またはこれらと反応したりしないものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールのアセテート、脂肪族アルコールのプロピオネート、テルペン油等が好適である。また、炭素質材料の形状を良好に維持して消耗を防ぐ観点からは、比較的低い温度で容易に除去できるものが好ましく、具体的には、沸点が300℃未満である溶媒が好ましく、250℃未満である溶媒がより好ましい。
(対極16)
対極16は、基板12上において上記検知極14と離間して設けられており、上述の如く、集電層16a及び保護層16bから構成されている。具体的には、保護層16bは、集電層16aを覆うように設けられている。なお、保護層16bは、必ずしも集電層16aの全面を覆っている必要はない。このような対極16の厚さは、集電層16aと保護層16bとをあわせて、0.01μm〜1mm程度とすることができる。
対極16における集電層16aは、導電性を有する材料から構成されるものであれば特に制限されず、例えば、金属材料から構成されるものが挙げられる。具体的には、上述した検知極14における集電層14aと同様の材料から構成されるものが好ましい。かかる集電層16aの厚さは、上述した集電層14aの厚さと同等であることが好ましい。
保護層16bは、集電層16aを大気中の湿気等から保護するために設けられている。かかる保護層16bとしては、フッ素系の樹脂、セラミックス、コバルト酸塩等により形成されたものが挙げられる。なお、対極16は、必ずしもこのような保護層16bを有していなくてもよい。
以上、本発明の一実施形態に係るガスセンサについて説明したが、本発明のガスセンサは、必ずしも上述した構成に限定されず、適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、基板に対して同じ側に検知極及び対極を有する構造のガスセンサを例示したが、これに限られず、図2に示すように、基板の片側に検知極を備え、且つ、その反対側に対極を有する構造のものであってもよい。
図2は、本発明の他の実施形態に係るガスセンサの断面構造を示す図である。図2に示されるように、基板22と、基板22の片面に設けられた検知極24と、基板22における検知極24に対して反対側の面に設けられた対極26とを備えている。
検知極24は、上述した検知極14と同様、基板22に接して設けられた集電体24aと、この集電層24aを覆うように設けられ、且つ、当該集電体24を覆っていない領域が基板22に接しているガス検知層24bから構成されている。また、対極26は、基板22に接して設けられた集電層26aと、この集電層26aの基板に対して反対側に設けられた保護層26bとから構成されている。これらの各構成は、上述したガスセンサ10の各構成と同様の材料により形成することができる。
また、本発明のガスセンサは、検知極を、その安定動作が可能な温度まで加熱するヒータ部を更に有していてもよい。かかるヒータ部は、例えば、ガスセンサ10においては、基板12における、検知極14及び対極16が形成されているのと反対側の面に設けることができる。また、ガスセンサ20においては、基板22における検知極24や対極26が形成されていない側部にヒータ部を設けることができる。
さらに、本発明のガスセンサは、検知極と対極との間の起電力を測定するための外部回路や、上述したヒータ部に通電するための外部回路を更に備えていてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[COガスセンサの製造]
(実施例1)
まず、固体電解質基板として、矩形の主面(4mm×4mm)を有する厚さ0.5mmのNASICON基板を用意した。このNASICON基板上に、Auからなる厚さ0.1μmの集電層及び対極をスパッタリング法により形成した。次に、炭酸バリウム及び炭酸リチウムの複合塩と、酸化インジウムと、活性炭(比表面積:約1500m/g)とを含むガス検知材料からなる厚さ20μmのガス検知部を、上記集電層を覆うように形成した。なお、活性炭の含有量は、複合塩、酸化インジウム及び活性炭の合計質量に対して10質量%とした。
その後、NASICON基板のガス検知部と反対側の面上に、加熱部としてPtの薄膜をスパッタリングにより形成してガスセンサ素子を得た。
(実施例2)
活性炭を、1000m/gの比表面積を有するものに代えたこと以外は、実施例1と同様にしてCOガスセンサを得た。
(比較例1)
活性炭に代えて、貴金属(Ag)を、ガス検知材料の総量に対して5質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にしてCOガスセンサを得た。
(比較例2)
活性炭に代えて、ゼオライト4Aを、ガス検知材料の総量に対して5質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にしてCOガスセンサを得た。
(比較例3)
活性炭に代えて、アルミナ(Al)の粉末(粒径約5μm、非多孔質性のアルミナ)を、ガス検知材料の総量に対して5質量%添加したこと以外は、実施例1と同様にしてCOガスセンサを得た。
(比較例4)
活性炭を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてCOガスセンサを得た。
[特性評価]
実施例1〜2及び比較例1〜4のCOガスセンサを用い、以下に示す方法により各ガスセンサにおける検知極材料の抵抗値、出力変動、出力ばらつき及び湿度変動について測定した。得られた結果をまとめて表1に示す。表1中の値は、一般的なCOガスセンサである比較例4のCOガスセンサで得られた抵抗値又は起電力変化の値を100%とした場合の、各COガスセンサで得られた値の相対値(%)で示した。つまり、この数値が小さいものほど、従来よりも優れた特性を有していることを意味する。
(検知極材料の抵抗値)
各実施例及び比較例のガスセンサにおける検知極材料の抵抗値は、それぞれのガス検知材料をペレットに成形して両端に電極を設けた後、これを用いて電圧降下法を行うことにより測定した。すなわち、各ペレットに成形して両端に電極を設け、ペレットと参照抵抗とを直列に接続した後、定電圧電源で一定の電圧をかけ、参照抵抗の電圧降下を測定することにより抵抗値を測定した。
(出力変動)
まず、製造直後の各COガスセンサについて、CO濃度が500ppmであり、湿度が30%RHである条件下での起電力(出力)を測定した。そして、各ガスセンサを同じ条件で動作させて1000時間経過した後の起電力を同様に測定した。そして、1000時間経過前後における起電力の差を算出し、得られた値を出力変動の値とした。
(出力ばらつき)
まず、各実施例及び比較例に該当するCOガスセンサを10個作製した。次いで、得られた各COガスセンサの起電力(出力)をそれぞれ測定した。そして、各実施例又は比較例に該当するCOガスセンサでそれぞれ得られた最大の起電力と最小の起電力との差の値を、出力ばらつきの値とした。
(湿度変動)
まず、各実施例及び比較例のCOガスセンサについて、CO濃度が500ppmであり、湿度が30%RHである条件下での起電力(出力)を測定した。その後、湿度条件を70%RHに変えて、同様に起電力を測定した。そして、湿度を変更する前後の起電力の差を、湿度変動の値とした。

Figure 2006184251
表1より、検知極(ガス検知層)に炭素質材料である活性炭を含む実施例1及び2のCOガスセンサは、炭素質材料を含まない比較例1〜4のCOガスセンサに比して、素子抵抗、出力変動、出力ばらつき、湿度変動のすべてが十分に低減されていることが確認された。
本発明の一実施形態に係るガスセンサの断面構造を模式的に示す図である。 本発明の他の実施形態に係るガスセンサの断面構造を模式的に示す図である。
符号の説明
10…ガスセンサ、12…基板、14…検知極、14a…集電層、14b…ガス検知層、16…対極、16a…集電層、16b…保護層、20…ガスセンサ、22…基板、24…検知極、24a…集電層、24b…ガス検知層、26…対極、26a…集電層、26b…保護層。

Claims (3)

  1. 固体電解質を含む基板と、
    前記基板上に設けられた炭素質材料を含む検知極と、
    前記基板上に設けられた対極と、
    を備えるガスセンサ。
  2. 前記炭素質材料は、多孔質性を有するものである、請求項1記載のガスセンサ。
  3. 前記炭素質材料は、活性炭である、請求項1又は2記載のガスセンサ。
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