JP2006124826A - 金属コロイド粒子及び金属コロイド並びに該金属コロイドの用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属光沢を有し、膜強度の大きな塗膜を形成することができる、金属コロイド粒子及び金属コロイド並びにその用途を提供する。
【解決手段】金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に窒素を含む炭素骨格を有し、かつ窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基を分子構造に含み、金属粒子がAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成される。
【選択図】なし

Description

本発明は様々な基材上に容易にゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属光沢領域を形成できる金属コロイド粒子及び金属コロイド並びに該金属コロイドの用途に関する。
金属コロイドはその粒子径や金属種に応じた特有の発色を有するので、これを光学フィルターとして利用した光学分析用測定チップが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この測定チップに用いられている金属コロイドは、予め金属コロイドを製造し、このコロイド分散液にシランカップリング剤を混合してコロイド表面にアミノ基を官能基として導入したものである。ところが、このように、予め金属コロイドを形成し、その後に表面保護剤をコロイド表面に導入する場合、既に金属コロイド表面に存在している付着物によって保護剤の導入が不十分になる場合がある。また、金属コロイド等を水系で合成しているので表面保護剤が加水分解等の影響を受け、コロイドの安定性が低下する。さらに、この金属コロイドに導入されるアミノ基はタンパク質や酵素などに対する官能基として用いられており、従って、アミノ基は外側に位置し、保護剤のシロキサン結合側がコロイド表面に位置している。このため、コロイド粒子の表面性状によっては保護剤とコロイド粒子表面との密着性が不十分になり、金属コロイド膜が不安定である。
この他に、導電性インクや導電性被膜の材料として用いられる金属コロイドとして、有機成分を含む高導電性の金属コロイド水溶液が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この金属コロイドも水系反応によって生成されるものであり、また、金属コロイドを形成した後に有機成分を混合したものであり、上記と同様の問題がある。
また、金属コロイドを塗料組成物やガラスの着色剤として利用することも従来から知られている。例えば、高分子量顔料分散剤の存在下で金属化合物を還元して金属コロイドを製造することが知られている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、この方法もその主な具体例は水系反応によって金属コロイドを生成させるものであり、上記と同様の問題がある。さらに、共存する高分子保護コロイドは顔料分散剤であり、シランカップリング剤からなる保護剤をコロイド粒子表面に結合させるものではない。
さらに、塩化金酸と保護高分子とを混合して金コロイドを生成させる方法において、金属粒子表面とは逆側の末端ないし側鎖部にアミノ基を有する保護高分子を用いる製造方法が知られているが(例えば、特許文献4参照。)、この方法は一般に用いられる水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を使用せずに金コロイドを生成させることを意図しており、保護高分子の還元作用を利用している。しかし、この場合には保護剤が高分子であるため有機鎖が多く、耐熱性が不十分である。
また、従来より金粉と称して販売及び使用されてきた金インキは、偏平状黄金分粉末(銅−亜鉛合金粉)の表面に炭素数16〜22の飽和脂肪酸で処理され、平版印刷に使用されてきた。しかし、平版印刷用インキは高粘度であるため、グラビア印刷に用いる低粘度には適していない問題があった。そこで平版印刷においてもグラビア印刷のような鏡面光沢感が得られ、表面が平滑ではない紙においても、平滑な紙と同様の効果が発揮できる方策として、平均粒径10μm以下の片状黄銅金属粉100重量部に対し、0.1〜2重量部の炭素数14〜22の飽和脂肪酸と、0.1〜2重量部の炭素数14〜22の脂肪酸アミドが混合、被覆された金インキ用金粉が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。この特許文献5では、機械粉砕法等で製造した平均粒径10μm以下の金粉に飽和脂肪酸と脂肪酸アミドを上記所定量混合した金インキを印刷用インキとして使用すると、金属間の強い優れた鏡面光沢膜が得られる。
また、アミノ基含有アルコキシシランを使用し、熱処理によってシリカ膜を有する金属コロイドを製造する方法も知られている(例えば、非特許文献1及び2参照。)。
しかし、この方法で用いるアミノ基含有シランは原料の塩化金酸からのコロイド生成を促進させるために用いられており、保護剤として用いているわけではない。また、この方法は熱処理によってコロイド化させるために、温度によって生成するコロイドの性状が異なり、安定した透過吸収性能を得ることができず、しかも、アルコキシド中に原料から混入する酸等によってゾルゲル液の加水分解が早まり液の寿命が短くなる傾向があり、さらに液が不安定である。
特開平10−160737号公報 特開2001−325831号公報 特開平11−80647号公報 特開2000−160210号公報 特開2001−19872号公報 Extended Abstracts of 66th Fall Meeting of the Chemical Society of Japan、322頁 Proc SPIE Sol-gel Optics III、vol2288、130頁-139頁
更に、ナノサイズの金粒子を分子量の小さい保護剤により保護した金コロイドは、室温乾燥において黄金色の金属光沢が発現することが知られている。この場合の保護剤としては、炭素数1〜8のクエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸等の脂肪酸、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、イソプロピルアミン、モノブチルアミン、セカンダリーブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、モノペンチルアミン、モノヘキシルアミン等のアミン等が挙げられる。しかし、上記保護剤を用いた金コロイドの場合、コロイド液に含有するメタル濃度は5重量%程度が上限であり、それ以上の濃度では凝集化やゲル化が起こり、安定性が極めて悪いため高濃度化ができない問題があった。例えば、金属に金を用いた金属コロイドを塗布及び自然乾燥して黄金光沢を出すには、紙のような繊維性の基材に対しては少なくとも金メタル含有濃度が20重量%以上必要である。低分子量の保護剤で保護した金属コロイドを安定性を無視して高濃度化した場合、塗布面に金属光沢は発現するものの、金の黄金光沢にはほど遠く、しかも密着性が極めて悪いため触れると簡単に剥がれてしまう問題がある。
この問題を改善するために、金属コロイドに高分子バインダ等を添加した場合は、ナノサイズの金属粒子が表面プラズマ共鳴によるプラズモン発色(SPR:Surface Plasma Resonance)を生じ、赤から赤紫色に着色されてしまうため、黄金光沢は発現しない。
また、宝飾品において使用されているようなゴールドを基調とした、ピンクゴールドやグリーンゴールドといったカラーゴールドの色調を発現するような金属コロイドは従来存在していなかった。
一方、本発明者らは、金属コロイドの付加価値を高めるために経時安定性の追求を行ってきた。鋭意研究を重ねた結果、窒素を含む保護剤を用いることにより、より経時安定性に優れ、ゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属光沢領域を形成できる金属コロイドを提供することができることを見出した。また、このことによって金属コロイド塗料を塗布した際の膜の金属光沢には何ら影響を及ぼさない。
本発明の目的は、様々な基材上に容易にゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属光沢領域を形成できる、金属コロイド粒子及び金属コロイド並びに該金属コロイドの用途を提供することにある。
請求項1に係る発明は、水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させて金属コロイドを形成する金属コロイド粒子の改良である。その特徴ある構成は、金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に窒素を含む炭素骨格を有し、かつ窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基を分子構造に含み、金属粒子がAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成されたところにある。
金属コロイド粒子を形成する保護剤が窒素原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に対して強固に結合しているため、高い安定性が得られる。また保護剤の分子構造中に含まれるアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基は反応性が高く、あらゆる基材に対して化学結合をする。また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、請求項1に係る金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布や吹付けることで形成された塗膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられる。
また、金属コロイド粒子を形成する金属粒子をAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成することで、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、Au単体が本来有する金属色とは異なる色調の金属色を呈する。この副成分を構成する金属の種類、またその割合をそれぞれ変化させることで、ゴールドを基調とした様々な色調を呈することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属粒子を構成する副成分がAg成分及びCu成分の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が40〜60重量%である金属コロイド粒子である。
請求項2に係る発明では、金属粒子を上記構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、イエローゴールドの色調を呈する。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が65重量%以上である金属コロイド粒子である。
請求項3に係る発明では、金属粒子を上記構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、グリーンゴールドの色調を呈する。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下である金属コロイド粒子である。
請求項4に係る発明では、金属粒子を上記構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、レッドゴールドの色調を呈する。
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属粒子を構成する副成分がAg粒子、Cu粒子及びPd粒子を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下である金属コロイド粒子である。
請求項5に係る発明では、金属粒子を上記構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、ピンクゴールドの色調を呈する。
請求項6に係る発明は、請求項1に係る発明であって、金属粒子を構成する副成分がPd粒子を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%である金属コロイド粒子である。
請求項6に係る発明では、金属粒子を上記構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、ホワイトゴールドの色調を呈する。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれか1項に係る発明であって、非水系において、アミノ基を含むアルコキシシランと金属化合物とを混合し、還元剤の存在下で金属化合物を還元することによって、窒素原子団をアンカーとしてアルコキシシランからなる保護剤を金属粒子表面に結合した金属コロイド粒子である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれか1項に係る発明であって、窒素を含む原子団がアミノ基、アミド原子団及びイミド原子団からなる群より選ばれた少なくとも1種である金属コロイド粒子である。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれか1項に係る発明であって、保護剤に含まれるアルコキシシリル基又はハイドロキシアルキル基のいずれか一方又は双方がキレート剤によってキレート配位している金属コロイド粒子である。
請求項10に係る発明は、請求項1ないし9いずれか1項に係る発明であって、金属コロイド粒子の平均粒子径が1〜100nmの範囲にある金属コロイド粒子である。
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10いずれか1項に係る発明であって、金属コロイド粒子の平均粒子径が1〜60nmの範囲である金属コロイド粒子である。
請求項12に係る発明は、請求項1ないし11いずれか1項に係る発明であって、金属コロイド粒子の形状が球状、多角状、アメーバ状を有する粒状粒子である金属コロイド粒子である。
請求項13に係る発明は、請求項1ないし12いずれか1項に記載の金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で分散させたことを特徴とする金属コロイドである。
請求項13に係る発明では、金属コロイド粒子を形成する保護剤が窒素原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に強固に結合しているので、コロイド溶液が極めて安定であり、高濃度の金属コロイドを得ることができ、また粘度変化及び色調の変化が少ない。さらに膜強度の大きな薄膜を形成することができる。
請求項14に係る発明は、請求項13記載の金属コロイドを用いて成膜したことを特徴とする金属コロイド薄膜である。
請求項14に係る発明では、本発明の金属コロイドを用いて成膜した金属コロイド含有塗膜は、ゴールドを基調とした様々な色調を呈する。
請求項15に係る発明は、請求項13記載の金属コロイドを基材表面に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成したことを特徴とする金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項15に係る発明では、本発明の金属コロイドを基材表面に塗布等した後、分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜は、ゴールドを基調とした様々な色調を呈する。
請求項16に係る発明は、請求項15に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項16に係る発明では、塗膜中又は塗膜表面に上記金属粉末等を含むことで装飾性が高まる。
請求項17に係る発明は、請求項16に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項17に係る発明では、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属としてAuを用いることで、高い審美性が得られる。
請求項18に係る発明は、請求項15に係る発明であって、基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項19に係る発明は、請求項15に係る発明であって、基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項20に係る発明は、請求項19に係る発明であって、宝飾品が貴金属粘土から作製された宝飾品である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項21に係る発明は、表面又は裏面のいずれか一方又はその双方が剥離処理された転写基板に請求項13記載の金属コロイドを塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜を有することを特徴とする転写シートである。
請求項21に係る発明では、本発明の金属コロイドを用いて形成した金属コロイド含有塗膜を有する転写シートは、ゴールドを基調とした様々な色調を呈する転写膜を形成することができる。
請求項22に係る発明は、請求項21に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を金属コロイド含有塗膜中に含む転写シートである。
請求項22に係る発明では、塗膜中に上記金属粉末等を含むことで装飾性が高まる。
請求項23に係る発明は、請求項22に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである転写シートである。
請求項23に係る発明では、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属としてAuを用いることで、高い審美性が得られる。
請求項24に係る発明は、基材表面に請求項22又は23記載の転写シートから転写された転写膜を有する金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項24に係る発明では、表面に転写シートから転写された転写膜を有する金属コロイド含有塗膜形成物はゴールドを基調とした様々な色調を呈する。
請求項25に係る発明は、請求項24に係る発明であって、転写を施す基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項26に係る発明は、請求項24に係る発明であって、転写を施す基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項27に係る発明は、請求項26に係る発明であって、宝飾品が貴金属粘土から作製された宝飾品である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項28に係る発明は、請求項13記載の金属コロイドをインクとして充填したペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルである。
請求項29に係る発明は、請求項13記載の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台及び印鑑台である。
請求項30に係る発明は、請求項29記載のスタンプ台又は印鑑台を用いて金属コロイドを描画することで、任意の模様からなる金属コロイド含有塗膜を形成したことが特徴である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項31に係る発明は、請求項13記載の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画することで、任意の模様からなる金属コロイド含有塗膜を形成したことが特徴である金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項32に係る発明は、請求項30又は31に係る発明であって、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む金属コロイド含有塗膜形成物である。
請求項33に係る発明は、請求項32に係る発明であって、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである金属コロイド含有塗膜形成物である。
本発明の金属コロイド粒子は、金属コロイド粒子を形成する保護剤が窒素原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に対して強固に結合しているため、高い安定性が得られる。また保護剤の分子構造中に含まれるアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基は反応性が高く、あらゆる基材に対して化学結合をする。また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、本発明の金属コロイド粒子を用いた金属コロイドを基材表面に塗布や吹付けることで形成された塗膜は強度が高く、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられる。また、金属コロイド粒子を形成する金属粒子をAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成することで、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した塗膜は、Au単体が本来有する金属色とは異なる色調の金属色を呈する。この副成分を構成する金属の種類、またその割合をそれぞれ変化させることで、ゴールドを基調とした様々な色調を呈することができる。
本発明の金属コロイドは、上記金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させたことを特徴とする。金属コロイド粒子を形成する保護剤が窒素原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に強固に結合しているので、コロイド溶液が極めて安定であり、高濃度の金属コロイドを得ることができ、また粘度変化及び色調の変化が少ない。さらに膜強度の大きな薄膜を形成することができる。また、本発明の金属コロイドを用いて形成した金属コロイド含有塗膜を有する転写シートはゴールドを基調とした様々な色調を呈する転写膜を形成することができる。更に、本発明の金属コロイドをインクとして含むペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルや、本発明の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台や印鑑台、本発明の金属コロイドをインクとしたインクジェットプリントとして好適である。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の金属コロイド粒子は、水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させ金属コロイドを形成する金属コロイド粒子の改良である。その特徴ある構成は、金属コロイド粒子が金属粒子と粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、保護剤が分子中に窒素を含む炭素骨格を有し、かつ窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、保護剤がアルコキシシリル基、シラノール基、ハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基を分子構造に含み、更に、金属粒子がAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成されたところにある。
このように、塗膜を形成する金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤が分子中に窒素を含む炭素骨格を有し、かつ窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に強固に配位修飾した構造を有しているので、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドは極めて高い安定性が得られる。この結果、高濃度の金属コロイドとすることができ、粘度変化及び色調の変化も少ない。また保護剤の分子構造中に含まれるアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基は反応性が高いため、あらゆる基材に対して化学結合をする。また、金属粒子同士は自発的に自己組織化して最密充填を行い、反応性の官能基との間で縮合反応する。従って、このような特性を有する金属コロイドを用いて作製した本発明の金属コロイド含有塗膜は、粒子間で有機−無機ハイブリッドバルク化するものと考えられるため、反応しない保護剤からなる金属コロイド、もしくは反応性の低い保護剤からなる金属コロイドを用いて作製した金属コロイド含有塗膜に比べると比較的膜強度が高い。
保護剤の一端が保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子表面に結合することによって、金属粒子表面に対しては保護剤が強固に結合されるため、金属コロイド自体の安定性が得られ、また保護剤の他端に位置する保護剤末端部位がコロイド最表面となり、この保護剤末端部位を反応性の高いアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基としたため、基材との密着性に優れる。保護剤が保護剤配位修飾部位をアンカーとして金属粒子表面に結合していることは、例えばNMR、GPC、TG−DTA、FT−IR、XPS、TOF−SIMS、X線小角散乱分析(Small Angle X-ray Scattering;SAXS)、可視紫外分光、ラマン分光(Surface Enhanced Raman Scattering;SERS)、X線吸収分光(X-ray Absorption Fine Structure;XAFS)等の分析手段などによって確認することができる。上記分析手段により、保護剤がどのような元素又はどのような原子団によってアンカーされているかも確認することができる。
本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子がAu成分を主成分とし、Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成することで、この金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、Au単体が本来有する金属色とは異なる色調の金属色を呈する。この副成分を構成する金属の種類、またその割合をそれぞれ変化させることで、ゴールドを基調とした様々な色調を呈することができる。このゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属コロイド粒子では、(1) Auを主成分とし、Ag及びCuをそれぞれ副成分として含む合金を金属粒子としてもよいし、(2) Au粒子を主成分とし、Au粒子以外にAg粒子及びCu粒子をそれぞれ副成分として混合したものを金属粒子としてもよいし、更に、(3) 上記(1)と上記(2)を適宜組合わせて金属粒子を形成してもよい。
本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子を構成する副成分がAg成分及びCu成分の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が40〜60重量%とすることが好ましい。このような構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、イエローゴールドの色調を呈する。
上記色調の識別はCIE 1976 L***色空間(測定用光源C:色温度6774K)によって識別可能であり、上記構成で呈するイエローゴールドの色調は、CIE 1976 L***色空間における明度指数L*値が25〜99であり、クロマティクネス指数a*値及びb*値がそれぞれ+0.1〜+10及び+20〜+60である。なお、CIE 1976 L***色空間とは、国際照明委員会(CIE)が1976年にCIE XYZ表色系を変換し、表色系内の一定距離がどの色の領域でもほぼ知覚的に等歩度の差をもつように定めた色空間である。また明度指数L*値,クロマティクネス指数a*値及びb*値は、CIE 1976 L***色空間内の直交座標系で定められる量であり、次の式(1)〜(3)で表される。
*=116(Y/Y01/3−16 …(1)
*=500[(X/X01/3−(Y/Y01/3] …(2)
*=200[(Y/Y01/3−(Z/Z01/3] …(3)
但し、X/X0,Y/Y0,Z/Z0>0.008856であり、X,Y,Zは物体色の三刺激値であり、X0,Y0,Z0は物体色を照明する光源の三刺激値でY0=100に基準化されている。
また、本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が65重量%以上とすることが好ましい。このような構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、グリーンゴールドの色調を呈する。上記構成で呈するグリーンゴールドの色調は、CIE 1976 L***色空間における明度指数L*値が25〜99であり、クロマティクネス指数a*値及びb*値がそれぞれ−0.1〜−40及び+0.1〜+60である。
また、本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下とすることが好ましい。このような構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、レッドゴールドの色調を呈する。上記構成で呈するレッドゴールドの色調は、CIE 1976 L***色空間における明度指数L*値が25〜99であり、クロマティクネス指数a*値及びb*値がそれぞれ+25〜+50及び+0.1〜+60である。
また、本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子を構成する副成分がAg粒子、Cu粒子及びPd粒子を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下とすることが好ましい。このような構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、ピンクゴールドの色調を呈する。上記構成で呈するピンクゴールドの色調は、CIE 1976 L***色空間における明度指数L*値が25〜99であり、クロマティクネス指数a*値及びb*値がそれぞれ+10〜+25及び+0.1〜+60である。
更に、本発明の金属コロイド粒子では、金属粒子を構成する副成分がPd粒子を少なくとも含み、金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%とすることが好ましい。このような構成とした金属コロイド粒子を分散媒に分散させた金属コロイドを用いて形成した塗膜は、ホワイトゴールドの色調を呈する。上記構成で呈するホワイトゴールドの色調は、CIE 1976 L***色空間における明度指数L*値が25〜99であり、クロマティクネス指数a*値及びb*値がそれぞれ+0.1〜+10及び+0.1〜+20である。
本発明の金属コロイド粒子の製造方法は限定されない。金属コロイド粒子に対する上記結合構造が得られる製造方法であれば良い。具体的な製法の一例としては、非水系において、アミノ基を含むアルコキシシランと金属化合物とを混合し、還元剤の存在下で金属化合物を還元することによって、アルコキシシランが有する窒素原子団をアンカーとして上記アルコキシシランからなる保護剤が金属粒子表面に結合した金属コロイド粒子を得ることができる。非水系とは金属化合物の水溶液中で金属還元を行わずに、アミノ基含有アルコキシシランやアルコールなどの有機溶液中で金属化合物の金属還元を行うことを云う。従来の製造方法のように、水溶液中の還元反応によって金属コロイド粒子を生成させた後にアミノ基含有アルコキシシランを結合させる方法では、水中にアルコキシシランが曝されるため、加水分解の影響によって置換反応が進まない場合や、たとえ置換反応が進んでも、その後の加水分解によって安定性が損なわれ、本発明の金属コロイド粒子を得るのは難しい。本発明の金属コロイド粒子を構成する保護剤中の窒素を含む原子団としては、アミノ基、アミド原子団及びイミド原子団からなる群より選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
βジケトンなどのキレート剤を用いて、アルコキシシリル基がキレート剤によってキレート配位させた金属コロイド粒子は、加水分解反応を遅延させる効果があるため、更に安定性が増す。アルコキシシランは、1個又は2個のアミノ基を含有し、かつnが1以上〜3以下の有機鎖(−CH2−)nを有するものが好ましい。3個以上のアミノ基を有するアルコキシシランは有機鎖が長くなり、その結果、焼成後の色安定性に問題が発生するだけでなく、一般に合成が困難であり、高価である。また、有機鎖のnが3以上の場合にも有機鎖が長くなり熱安定性が減少する。具体的には、本発明で用いるアミノ基を有するアルコキシシランとしては、例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらの保護剤(アミノ基含有アルコキシシラン)の量は金属量に対してモル比で2倍から40倍であればよい。
金属コロイド粒子を構成する金属粒子の金属種としては、主成分がAu、副成分はAg、Pt、Cu、Pd、Ni、Zn、Ru、Rh及びIrからなる群より選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。これらの金属粒子を生成させる金属化合物としては、塩化金酸、シアン化金カリウム、塩化銀、硝酸銀、硫酸銀、シアン化銀、塩化白金酸、テトラクロロヘキサアミン白金、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸銅、塩化亜鉛などの金属塩を用いることができる。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、トリメチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、ターシャリーブチルアミンボラン、2級アミン、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、3級アミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール、メチルジエタノールアミン、3級アミン次亜リン酸塩、グリセリン、アルコール、過酸化水素、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、ホルムアルデヒド水溶液、酒石酸塩、ブドウ糖、N-N-ジエチルグリシンナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ガス、硫酸第1鉄などを用いることができる。
金属コロイド粒子の平均粒子径は1〜100nmの範囲内、好ましくは1〜80nmの範囲内である。また、金属コロイド粒子の平均粒子径は1〜60nmの範囲内が特に好ましい。また、金属コロイド粒子の形状は球状、多角状又はアメーバ状を有する粒状粒子である。特に、本発明の金属コロイド粒子は、粒子径が例えば0.1nm以上〜60nm以下であるものは安定性に優れる。粒子径が60nmより大きいと自重によって自然沈降する現象が見られる。また粒子径が0.1nm未満では発色効果が小さくなる。
本発明の金属コロイドは、前述した本発明の金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で分散させたことを特徴とする。溶媒は水系でも非水系でもよく、混合割合も任意に調整できる。本発明の金属コロイドは、金属コロイド粒子を形成する保護剤が窒素原子又は原子団をアンカーとして金属粒子表面に強固に結合しているので、コロイド溶液が極めて安定であり、高濃度の金属コロイドとすることができる。従来の方法によって得られる金属コロイド濃度は概ね1重量%以下であるが、本発明の金属コロイドは濃度10重量%以上の高濃度にすることができる。しかも、このような高濃度の金属コロイドにおいてもコロイド液が安定であり、前述したように粘度変化が小さい。更に膜強度の大きな薄膜を形成することができる。
本発明の金属コロイド薄膜は、上記金属コロイドを用いて成膜することで形成することができるが、その成膜方法は特に限定されない。例えば、上記金属コロイド粒子を有機溶媒に分散した金属コロイド溶液を基材表面に塗布して乾燥し、あるいは塗布乾燥後に焼成して薄膜を形成してもよい。本発明の金属コロイドを基材表面に塗布して形成させることでゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属コロイド含有塗膜を得ることができる。
本発明の金属コロイドを基材表面に塗布等した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜形成物には、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含むことが好ましい。塗膜中又は塗膜表面に上記金属粉末等を含むことで装飾性が高まる。このうち、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属としてAuを用いることで、高い審美性が得られる。基材表面に金属コロイドを塗布等する方法としては、平版印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、カルトン印刷、金属印刷、フォーム印刷、両面印刷、オーバープリント、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スリットコート法、ディスペンサー法、スピンコート法、スプレイ法、ディッピング法、エアブラシ法等の方法が挙げられるが、上記方法に限られるものではなく、従来より知られている全ての方法を使用することができる。
本発明の金属コロイド含有塗膜形成物に使用される基材としては、ガラスやプラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙、皮革などの材質が挙げられる。具体的に基材を例示すれば、人工爪や天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、お守り袋や印鑑ケースなどの用途が挙げられる小物袋、名刺や記念カード、招待カード、グリーティングカードなどの用途が挙げられるカード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物、額縁などの材質が挙げられる。なお、神仏像とは、世界中に存在するあらゆる宗教に関わる像のことを指し、何ら宗教の宗派に限定されるものではない。また基材が宝飾品であるとき、この宝飾品は貴金属粘土から作製されたものでもよい。
次に、本発明の転写シートについて説明する。
本発明の転写シートは、前述した本発明の金属コロイドを表面又は裏面のいずれか一方又はその双方が剥離処理された転写基板に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、金属コロイドから分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜を有することを特徴とする。転写基材表面に金属コロイドを塗布等する方法としては、平版印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、カルトン印刷、金属印刷、フォーム印刷、両面印刷、オーバープリント、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スリットコート法、ディスペンサー法、スピンコート法、スプレイ法、ディッピング法、エアブラシ法等の方法が挙げられるが、上記方法に限られるものではなく、従来より知られている全ての方法を使用することができる。なお、転写基板と金属コロイド含有塗膜との間にアクリル樹脂等の表面保護層を更に含むことにより、転写した際の転写膜表面に表面保護層が形成される。また、金属コロイド含有塗膜表面にホットメルト型樹脂の接着剤層を更に含むことにより、転写した際の転写膜と基材表面との密着性が更に向上する。本発明の転写シートには、前述した本発明の金属コロイド含有塗膜形成物に使用した金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を金属コロイド含有塗膜中に含むことが好ましい。塗膜に上記金属粉末等を含むことで装飾性が高まる。このうち、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属としてAuを用いることで、高い審美性が得られる。
本発明の転写シートの金属コロイド含有塗膜を基材表面に転写させることで、表面に転写膜を有する金属コロイド含有塗膜形成物を得ることができる。転写を施す基材としては、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質が挙げられる。具体的に基材を例示すれば、人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、お守り袋や印鑑ケースなどの用途が挙げられる小物袋、名刺や記念カードなどの用途が挙げられるカード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質が挙げられる。なお、本発明における神仏像とは、世界中に存在するあらゆる宗教に関わる像のことを指し、何ら宗教の宗派に限定されるものではない。また基材が宝飾品であるとき、この宝飾品は貴金属粘土から作製されたものでもよい。また転写を施す基材には、金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含むことが好ましい。基材に上記金属粉末等を含ませることで装飾性が高まる。このうち、金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属としてAuを用いることで、高い審美性が得られる。
次に、本発明のペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルについて説明する。
本発明のペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルは、前述した本発明の金属コロイドをインクとして充填したことを特徴とするペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルである。本発明に使用する金属コロイド中の金属コロイド粒子は、保護剤が窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に結合しているので金属コロイド液が安定であり、初期粘度に対する粘度変化が低いため、品質保持性に優れたペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプルとすることができる。また、ペン等に充填した金属コロイドを形成する金属粒子の構成によって、ゴールドを基調とした様々な色調を呈する文字や模様を描くことができる。また、金属コロイドをインクとして充填したペンは、インクを容器に移したりする手間がいらず、手軽に金属コロイドからなる文字や模様を描くのに非常に便利である。水性ボールペンや油性ボールペン、筆ペンとして使用することができる。なお、上記ペンの形式及び形態は限定されない。
本発明のペン用カートリッジ及びこのペン用カートリッジを接続したペンの一例について説明する。
図4(a)に示すように、ペン用カートリッジ10は、下部が密閉された筒体11と、この筒体11上部に接合され、中心に球状の連通孔が設けられた蓋部13及び蓋部13の連通孔内部に、この連通孔の形状よりも小さく、かつ連通孔から抜け落ちない程度の直径を有する球状の栓14が嵌め込まれて構成され、この筒体11内部に本発明の金属コロイド12が充填される。筒体11及び蓋部13は合成樹脂製が好ましく、球状の栓14は金属製が好ましい。ペン用カートリッジ10は、蓋部13が下方又は斜め下方に向いた状態で、連通孔内部に嵌め込まれた球状の栓14がカートリッジの内部に押し上げられることで、蓋部13と球状の栓14との間に隙間が生じ、この隙間から金属コロイドが重力によって流れ出るようになっている。
また図4(b)に示すように、このペン用カートリッジ10を組込んだペン20は、筒状の上部軸胴21と、上端が上部軸胴21の下端と接続可能な筒状の下部軸胴22と、下部軸胴22の下端に接続される穂先26から構成される。下部軸胴22の内壁には接続部23が設けられ、その中心位置にはペン用カートリッジ10を嵌め込んだ際に、蓋部13と接触して球状の栓14をペン用カートリッジ10内部に押上げる凸部23aが設けられる。接続部23の内部には、ペン用カートリッジ10が接続部23に接続され、この接続部23により球状の栓14が押上げられた際に、重力によりカートリッジ10内部から流れ出る金属コロイドを含浸する芯部24が下部軸胴22の他端を突出して設けられる。下部軸胴22の他端に接続された穂先26は、芯部24に含浸した金属コロイドを先端から吐出するように構成される。上部軸胴21、下部軸胴22及び接続部23は合成樹脂製が好ましい。また芯部24は金属コロイドが含浸可能な細孔が形成された構造を有する合成樹脂が好ましい。
ペン20へのペン用カートリッジ10の接続は、カートリッジの蓋部13を接続部23にあて、この接続部23と栓14をペン用カートリッジ10内部に押込むことで接続される。その際に、カートリッジ10内部に充填された金属コロイド12は、蓋部13と球状の栓14との隙間から流れ出て芯部24に含浸され、この芯部24を通じて穂先26へと供給される。このように構成されたペン用カートリッジ10を接続したペンは、非常に描きやすく、なめらかに描画することができる。このペンは所望の基材に所望の文字を書いたり、模様を描いたりするのにも非常に便利であり、またペンを用いて描画した文字や模様はゴールドを基調とした様々な色調を発現し、光輝性に優れる。なお、上記ペン用カートリッジの形式及び形態は限定されない。
ディスポーザブルアンプルとは、本発明の金属コロイドを充填し、容器上部を熱圧着することで、金属コロイドを封入している合成樹脂からなる使い捨て容器のことであり、充填された金属コロイドは蓋の部分を横方向に回転させることで容易に開封することができ、任意の容器に移して金属コロイドからなるインクとして使用可能である。このディスポーザブルアンプルを用いて小分けに金属コロイドを保管することで、使用する際には必要な分だけを開封すればよいので、高価な金属コロイドを無駄に劣化させることが少ないという点において非常に有効である。
ディスポーザブルアンプルの一例について説明する。
図5に示すように、ディスポーザブルアンプル30は、下部が密閉された筒体31とこの筒体31上部に接合された切断部33と蓋部32とから構成される。切断部33は手動で切断可能なように筒体31及び蓋部32よりも幅が広くないように設けられる。筒体31、蓋部32及び切断部33は合成樹脂製が好ましい。ディスポーザブルアンプル30は、筒体31内部に金属コロイド34を充填した後に、切断部33及び蓋部32を熱圧着することで金属コロイド34が封入された構造を有する。
このように構成されたディスポーザブルアンプル30では、蓋部32を横方向に回転させることにより、蓋部32はテコの原理で切断部33から容易に切断することができ、この切断面が筒体31内部と連通する。この連通部から筒体31内部に充填された金属コロイドを取出して使用することができる。なお、上記ディスポーザブルアンプルの形式及び形態は限定されない。
次に、本発明のスタンプ台及び印鑑台について説明する。
本発明のスタンプ台及び印鑑台は、前述した本発明の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台及び印鑑台である。所定の濃度に調製した金属コロイドを十分に染み込ませることでスタンプ台及び印鑑台として使用することができる。本発明の金属コロイドからなるスタンプ台又は印鑑台を用いて作製した模様には、金属コロイドを形成する金属粒子の構成によって、ゴールドを基調とした様々な色調と金属光沢が現れる。更に、これらのスタンプ台又は印鑑台に含浸したインクを用いて任意の模様が描画された描画体としても利用することができる。
更に、本発明のインクジェットプリンタを用いた金属コロイド含有塗膜形成物について説明する。
本発明のインクジェットプリンタを用いた金属コロイド含有塗膜形成物は、前述した本発明の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画されたことを特徴とする金属コロイド含有塗膜形成物である。本発明の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画された金属コロイド含有塗膜形成物は、金属コロイドを形成する金属粒子の構成によって、ゴールドを基調とした様々な色調と金属光沢が現れる。具体的には、先ず、印鑑やスタンプを用いて市販品の黒色インクにて表面に模様が施された紙、黒色ペンにて表面に文字及び模様が描画された色紙及び黒色インクを用いて手形及び足形をつけた色紙を用意する。次いで、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピュータ内に画像データとして取込む。次に、本発明の金属コロイドをインクとするインクジェットプリンタを使用して、取込んだ画像データを基に紙及び色紙に画像データを印刷する。本発明で使用する金属コロイドを用いて紙及び色紙に印刷した文字及び模様は、黒色で描画等された文字及び模様と同様の形状が得られ、更にゴールドを基調とした様々な色調を発現し、光輝性に優れる。
なお、この実施の形態では、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピュータ内に画像データとして取込んでからインクジェットプリンタを用いて印刷したが、それぞれの紙及び色紙のような原紙だけではなく、これらの原紙が写されている写真、これらの模様や文字等が掲載された印刷物や刊行物を画像走査装置(スキャナ)を用いて走査して、コンピュータ内に画像データとして取込んだり、画像データとなっているものを直接インクジェットプリンタで印刷することで金属コロイド含有塗膜形成物としてもよい。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<合成1>
金属粒子の主成分となる金属塩として塩化金酸を、副成分となる金属塩として硝酸銀及び酢酸銅を、保護剤前駆体としてγ-アミノプロピルトリエトキシシランを、還元剤としてジメチルアミンボランをそれぞれ用意した。先ず、金属濃度が4.0重量%になるように、またその金属濃度における金属重量比がAu:Ag:Cu=6:2:1になるように塩化金酸、硝酸銀及び酢酸銅をメタノールに溶解した。次いで、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン8.00gとアセチルアセトン12.00gに、先に金属塩を溶解したメタノール溶液を徐々に投入して混合溶液を調製した。次に、この混合溶液に還元剤であるジメチルアミンボランを適量添加した。還元は混合溶液の温度を60℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで攪拌しながら行った。還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を適宜添加して濃度を調整することにより、水を分散媒とした50重量%濃度金属コロイド液を得た。
得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子についてTOF−SIMS分析を行った。TOF−SIMS分析によりAuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出された。更に、NMR(C,H)の分析結果を併せることにより、保護剤分子は窒素によって金属粒子表面に配位修飾していることが判った。また、金属粒子中の副成分含有量を調べたところ30重量%であった。更に、この副成分中の銀含有量を調べたところ60重量%であった。
<合成2>
金属粒子の主成分となる金属塩として塩化金酸を、副成分となる金属塩として硝酸銀、酢酸銅及び硝酸パラジウムを、保護剤前駆体として3-アミノプロパノールを、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムをそれぞれ用意した。先ず、金属濃度が4.0重量%になるように、またその金属濃度における金属重量比がAu:Ag:Cu:Pd=8:1:2:1になるように塩化金酸、硝酸銀、酢酸銅、硝酸パラジウムをメタノールに溶解した。次いで、3-アミノプロパノール9.00gに、先に金属塩を溶解したメタノール溶液を徐々に投入して混合溶液を調製した。次に、この混合溶液に還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを適量添加した。還元は混合溶液の温度を50℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで撹拌しながら行った。還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を適宜添加して濃度を調整することにより、水を分散媒とした50重量%濃度金属コロイド液を得た。
得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子についてTOF−SIMS分析を行った。TOF−SIMS分析によりAuとCNからなるクラスターイオンが優勢に検出された。更に、NMR(C,H)の分析結果を併せることにより、保護剤分子は窒素によって金属粒子表面に配位修飾していることが判った。また、金属粒子中の副成分含有量を調べたところ35重量%であった。更に、この副成分中の銀含有量を調べたところ30重量%であった。
<合成3〜17>
金属塩、保護剤前駆体、還元剤及び分散媒の種類を次の表1及び表2に示す化合物にそれぞれ変更した以外は、合成1又は合成2の反応と同様にして各種金属コロイドを得た。なお、表1及び表2中の保護剤前駆体の種類欄において、記号(A)〜(I)で示される化合物を表3に示す。また合成3〜17でそれぞれ得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子の構造についても、NMR、TOF−SIMS、FT−IR、SAXS、可視紫外分光、SERS、XAFSなどを組合せて解析することで確認した。
<実施例1>
合成1〜17でそれぞれ得られた50重量%濃度の金属コロイドを用意し、この50重量%濃度の金属コロイドを用いて5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%にそれぞれ希釈した金属コロイド希釈液をそれぞれ調製した。次に、5重量%〜50重量%濃度にそれぞれ調製した金属コロイド希釈液を用い、墨汁用の筆を用いて和紙に所望の文字を書き、自然乾燥を施した。合成1で得られた金属コロイドを30重量%まで希釈した希釈液を用いた場合、書いた文字にはイエローゴールドの色調を呈する金属色と金属光沢が現れ、光輝性及びデザイン性に優れていた。また、文字表面を布で擦っても文字が剥離することはなかった。同様に、合成6、合成10、合成12及び合成15で得られた金属コロイドを30重量%まで希釈した希釈液を用いてそれぞれ和紙に文字を書き、自然乾燥を施したところ、書いた文字はそれぞれグリーンゴールド(合成6)、レッドゴールド(合成10)、ピンクゴールド(合成12)及びホワイトゴールド(合成15)の色調を呈し、金属光沢が現れ、光輝性及びデザイン性に優れていた。また、同様に文字表面を布で擦っても文字が剥離することはなかった。
濃度が20重量%以下の金属コロイド希釈液を用いた場合は、和紙に書いた文字には金属光沢が現れたが、色調が若干ずれてくる感覚を受けた。但し、金属コロイドが染み込まない表面処理を施した和紙、若しくは金属コロイドが染み込まない基材に文字を書いた場合では、濃度が20重量%以下の金属コロイドであっても、濃度が20重量%を越える金属コロイドを用いた場合と同様の金属光沢や色調が現れた。上記金属コロイド希釈液を3週間室温に保存し、保存した金属コロイドを用いて再度和紙に文字を書いてみたが、保存前と同様に書いた文字には同様の固有の色調を呈する金属色と金属光沢とが現れ、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<比較例1>
金属粒子の主成分となる金属塩として塩化金酸を、副成分となる金属塩として硝酸銀及び酢酸銅を、保護剤前駆体としてγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びアセチルアセトンを、還元剤としてジメチルアミンボランをそれぞれ用意した。先ず、金属濃度が4.0重量%になるように、またその金属濃度における金属重量比がAu:Ag:Cu=6:2:1になるように塩化金酸、硝酸銀及び酢酸銅をメタノールに溶解した。次いで、γ-メルカプトトリメトキシシラン3.00gとアセチルアセトン12.00gを混合し、この混合液にジメチルアミンボランを適量添加した。また、先に金属塩を溶解したメタノール溶液を徐々に投入して混合溶液を調製した。この混合溶液の調製は60℃に保温し、混合溶液をマグネチックスターラーで攪拌しながら行い、金属コロイド粒子を生成して赤色を呈するまで還元反応させた。次に、還元反応を終えた混合溶液を室温にまで冷却し、冷却後、混合溶液を限外濾過法により脱塩を行い、水を適宜添加して濃度を調整することにより、濃度50重量%の水を分散媒とする金属コロイドを得た。
得られた金属コロイド中の金属コロイド粒子を構成する保護剤分子についてTOF−SIMS分析を行った。TOF−SIMS分析及びNMR分析により、保護剤分子は硫黄及び酸素によって金属粒子表面に配位修飾していることが判った。
<比較評価>
比較例1の金属コロイドを用い、墨汁用の筆を用いて和紙に所望の文字を書き、自然乾燥を施した。書いた文字にはイエローゴールドの色調を呈する金属色と金属光沢が現れた。比較例1の金属コロイドを用いて得られた文字と、実施例1における合成1、合成6、合成10、合成例12及び合成15の金属コロイドを用いて得られた文字とを、色調、剥がれ易さ及び光輝性において目視評価を行った。なお、剥がれ易さは、上記実施例1で行った文字表面を布で擦る方法により確認した。得られた結果を表4に示す。
表4より明らかなように、実施例1及び比較例1の金属コロイドを用いて書いた文字は、ゴールドを基調とした様々な色調を呈していた。剥がれ易さではどの金属コロイドを用いて書いた文字についても剥離することはなかったが、光輝性では実施例1の金属コロイドを用いて書いた文字の方が比較例1の金属コロイドを用いて書いた文字より優れているという結果になった。
<実施例2>
先ず、ガラスコップ及び陶磁器、磁器製コーヒーカップ及びポリカーボネート製プラスチック板をそれぞれ用意した。次いで、実施例1で調製した金属コロイド希釈液を用い、ガラスコップ及び陶磁器にそれぞれ所望の模様を描いた。また、磁器製のコーヒーカップ側面及びポリカーボネート製のプラスチック板表面にそれぞれ所望の文字を書いた。書いた文字はそれぞれ実施例1と同様にイエローゴールド、グリーンゴールド、レッドゴールド、ピンクゴールド及びホワイトゴールド等のゴールドを基調とした様々な色調を呈する金属色と金属光沢が現れ、光輝性及びデザイン性に優れていた。また、表面を布で擦っても文字や模様が剥離することはなかった。
<実施例3>
実施例1で調製した金属コロイド希釈液を、人工毛、人工まつ毛、プラスチックモデル、お守り袋、印鑑ケース、記念カード、招待カード、グリーティングカード、人形、仏像、位牌、額縁、衣服及び織物に塗布した。具体的には、人工毛にはエアブラシにて吹付ける方法により塗布し、人工まつ毛、プラスチックモデル、人形及び仏像には筆で全体を塗布した。また、位牌には筆で所望の文字を書き、額縁はフレーム部分のみを筆で塗布し、記念カード、招待カード、グリーティングカード、お守り袋、印鑑ケース、衣服及び織物には筆で所望の文字又は模様を描画した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。それぞれの金属コロイド含有塗膜は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例4>
先ず、実施例1で調製した金属コロイド希釈液を以下の宝飾品に塗布した。指輪、銀粘土から作られた指輪、ピアス、イヤリング、ブレスレッド、ネックレス、キーホルダー及びかんざしには筆を用いて金属コロイド希釈液を塗布し、また、時計、髪留め、ブローチ及びネクタイピンにはエアブラシにて吹付ける方法より塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。宝飾品表面にそれぞれ形成した金属コロイド含有塗膜は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れた宝飾品となった。
<実施例5>
実施例1で調製した金属コロイド希釈液と、天然爪及び人工爪をそれぞれ用意した。図1に示すようなマニキュア用筆を用いて金属コロイドを塗布する方法により、天然爪及び人工爪表面に金属コロイドを塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて爪表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。天然爪表面及び人工爪表面にそれぞれ形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例6>
図2に示すようにマニキュア用エアブラシを用いて金属コロイドを吹付ける方法により、天然爪表面及び人工爪表面に実施例1で調製した金属コロイド希釈液を吹付けた。吹付け後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて爪表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。天然爪表面及び人工爪表面にそれぞれ形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。また前述した実施例5のマニキュア用筆で塗布して形成した塗膜とは異なり、艶消し(matte)された光沢を有し、かつ平滑性に優れた塗膜が得られていた。
<実施例7>
先ず、実施例5と同様にマニキュア用筆を用いて天然爪表面及び人工爪表面に実施例1で調製した金属コロイド希釈液を塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて爪表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。次に、形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布して重ね塗りすることにより、トップコーティングして金属コロイド含有塗膜を剥がれ難くした。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例5と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例8>
先ず人工爪表面にアンダーコート剤を塗布乾燥してアンダーコート層を形成した。次に実施例5と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例1で調製した金属コロイド希釈液を塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させてアンダーコート層上に金属コロイド含有塗膜を形成した。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例5及び7で得られた塗膜と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例9>
先ず、人工爪表面にアンダーコート剤を塗布乾燥してアンダーコート層を形成した。次に実施例5と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例1で調製した金属コロイド希釈液を塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させてアンダーコート層上に金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布して重ね塗りすることにより、トップコーティングして金属コロイド含有塗膜を剥がれ難くした。人工爪表面に形成した金属コロイド含有塗膜は、実施例5、7及び8で得られた塗膜と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れ、また平滑性にも優れていた。
<実施例10>
金属コロイド希釈液を塗布する際に、エアブラシを用いて爪の先だけに塗布した以外は実施例9と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。また、金属コロイド希釈液を塗布する際に、マニキュア用筆で爪表面に所望の模様を描いた以外は実施例9と同様にして金属コロイド含有塗膜を人工爪表面に形成した。爪の先だけにエアブラシを用いて塗布した人工爪及びマニキュア用筆で爪表面に所望の模様を描いた人工爪は実施例5〜9と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例11>
先ず、人工爪表面にアンダーコート剤を塗布乾燥してアンダーコート層を形成した。次いで、実施例5と同様にマニキュア用筆を用いてアンダーコート層表面に実施例1で調製した金属コロイド希釈液を塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させてアンダーコート層上に金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材としてラメ剤を振りかけ、更にダイヤモンド天然石及びピンクサファイヤ天然石を散りばめ、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより、素材の固定化を強固にした。人工爪に形成した金属コロイド含有塗膜とラメ剤、天然宝石であるダイヤモンドやピンクサファイヤを組合せることで、光輝性及びデザイン性が向上することが判った。
<実施例12>
マニキュア用筆を用いて人工爪の先だけに実施例1で調製した金属コロイド希釈液を塗布した。塗布後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材としてルビー、ダイヤモンド及びサファイヤを並べて、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより、素材の固定化を強固にした。人工爪の先だけに形成した金属コロイド含有塗膜と天然石であるルビー、ダイヤモンド及びサファイヤを組合せることで、光輝性及びデザイン性が向上した。
<実施例13>
マニキュア用筆を用いて実施例1で調製した金属コロイド希釈液で、爪表面に所望の模様を描いた。描画後はドライヤーの風を当てて金属コロイド希釈液に含まれる分散媒を充分に除去することにより乾燥させて爪表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。次に形成した金属コロイド含有塗膜の上からトップコート剤を塗布し、トップコート剤が完全に乾燥する前に、所望の箇所に素材として金箔粉末、ダイヤモンド天然石及びピンクサファイヤ天然石を散りばめ、上から押し付けるようにして定着させ、ドライヤーの風をあててトップコート剤を乾燥させることでそれら素材を固定化した。更にトップコート剤を塗布することにより、素材の固定化を強固にした。人工爪に形成した金属コロイド含有塗膜と金箔粉末とダイヤモンド及びピンクサファイヤ等の天然宝石を組合せることで、光輝性及びデザイン性が向上した。
<実施例14>
先ず、図3に示すように、離形性合成紙からなる基材2の片面にアクリル樹脂からなるコーティング液を塗布し、表面保護層4を形成した。次に、この表面保護層4の上に実施例1で調製した金コロイド希釈液を塗布し、金属コロイド含有塗膜層5を形成した。更に、金属コロイド含有塗膜層5の上にホットメルト型樹脂からなるコーティング液を塗布することにより接着剤層6を形成し、基材2上に、表面保護層4、金属コロイド含有塗膜層5及び接着剤層6からなる転写層3が形成された転写シート1を作製した。
<実施例15>
転写シートの作製において、金属コロイド含有塗膜層5を形成する際、インクジェットプリンタにより文字や模様を描画して金属コロイド含有塗膜層5を形成した以外は実施例14と同様にして転写シートを作製した。
<実施例16>
実施例14及び実施例15でそれぞれ作製した転写シートを用いて紙、衣類、皮革及びガラスに熱圧転写することにより、これら表面に金属コロイド含有塗膜を形成した。この金属コロイド含有塗膜は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れ、また指で擦っても転写膜である金属コロイド含有塗膜が剥離することはなかった。なお、熱圧転写方法は従来より公知の方法により行うことが可能である。
<実施例17>
図4(a)に示すように、下部が密閉された筒体11と、この筒体11上部に接合され、中心に球状の連通孔が設けられた蓋部13及び蓋部13の連通孔内部に、この連通孔の形状よりも小さく、かつ連通孔から抜け落ちない程度の直径を有する球状の栓14が嵌め込まれて構成され、この筒体11内部に実施例1で調製した金属コロイド希釈液12が充填されたペン用カートリッジ10を用意した。
また図4(b)に示すように、このペン用カートリッジ10を組込むペン20を用意した。このペン20は、筒状の上部軸胴21と、上端が上部軸胴21の下端と接続可能な筒状の下部軸胴22と、下部軸胴22の下端に接続される穂先26から構成され、下部軸胴22の内壁にはペン用カートリッジ10嵌め込んだ際に、蓋部13と接触して球状の栓14をペン用カートリッジ10内部に押し上げる接続部23が設けられている。また接続部23の内部には、ペン用カートリッジ10が接続部23に接続され、この接続部23により球状の栓14が押し上げられた際に、重力によりカートリッジ10内部から流れ出る金属コロイド希釈液を含浸する芯部24が下部軸胴22の他端を突出して設けられている。更に下部軸胴22の他端に接続された穂先26は、芯部24に含浸した金属コロイド希釈液を先端から吐出するように構成されている。
ペン20へのペン用カートリッジ10の接続は、カートリッジの蓋部13を接続部23にあて、この接続部23と栓14をペン用カートリッジ10内部に押込むことにより接続した。その際に、カートリッジ10内部に充填された金属コロイド希釈液12は、蓋部13と球状の栓14との隙間から流れ出て芯部24に含浸され、この芯部24を通じて穂先26へと供給された。このように構成されたペン用カートリッジ10を接続したペンは、非常に描きやすく、なめらかに描画することができた。このペンは所望の基材に所望の文字を書いたり、模様を描いたりするのにも非常に便利であり、またペンを用いて描画した文字や模様は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性に優れていた。
<実施例18>
図5に示すように、下部が密閉された筒体31とこの筒体31上部に接合された切断部33と蓋部32とから構成され、切断部33は手動で切断可能なように筒体31及び蓋部32よりも幅が広くないように設けられ、筒体31内部に実施例1で調製した金属コロイド希釈液34を充填した後に、切断部33及び蓋部32を熱圧着することで金属コロイド希釈液34が封入された構造を有するディスポーザブルアンプル30を用意した。
このように構成されたディスポーザブルアンプル30では、蓋部32を横方向に回転させることにより、蓋部32はテコの原理で切断部33から容易に切断することができ、この切断面が筒体31内部と連通した。この連通部から筒体31内部に充填された金属コロイドを取出して使用することができた。
<実施例19>
実施例1で調製した30重量%濃度の金属コロイド希釈液を十分染み込ませることでスタンプ台及び印鑑台を作製した。また、それらを用いて皮革に金属コロイド含有塗膜模様を施すことによって財布やキーホルダーに模様付けをしたり、紙に金属コロイド含有塗膜模様を施すことによって、記念カードを作成した。金属コロイド希釈液からなるスタンプ台又は印鑑台を用いて作製した模様は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例20>
実施例1で調製した金属コロイド希釈液を用いてインクジェットプリンタ装置にて描画試験を行った。基材としては紙、皮革及び木材を用い、紙に描画することで名刺及びグリーティングカードや記念カードを作成し、皮革としては革の財布に描画し、更に木材としては位牌に所望の文字を描画した。金属コロイド希釈液を用いてインクジェット装置により描画した模様は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例21>
実施例1で調製した金コロイド希釈液をインクとして、筆で色紙に文字と模様を描画した。その文字と模様は、実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。なお、文字や模様を描画する際は、前述した実施例17で示した金属コロイド希釈液をインクとして充填したペンを用いても良い。
<実施例22>
実施例1で調製した金コロイド希釈液をインクとして、色紙に手形及び足型をとった。その手形及び足型は実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性及びデザイン性に優れていた。
<実施例23>
先ず、印鑑やスタンプを用いて市販品の黒色インクにて表面に模様が施された紙、黒色ペンにて表面に文字及び模様が描画された色紙及び黒色インクを用いて手形及び足形をつけた色紙を用意した。次いで、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んだ。次に、実施例1で調製した金属コロイド希釈液をインクとするインクジェットプリンタを使用して、取り込んだ画像データを基に紙及び色紙に画像データを印刷した。本発明の金属コロイド希釈液を用いて紙及び色紙に印刷した文字及び模様は、黒色で描画等された文字及び模様と同様の形状が得られており、更に実施例1で書いた文字と同様にゴールドを基調とした様々な色調の金属色及び金属光沢を発現し、光輝性に優れていた。
なお、この実施例23では、画像走査装置(スキャナ)を用いてそれぞれの紙及び色紙表面を走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んでからインクジェットプリンタを用いて印刷したが、それぞれの紙及び色紙のような原紙だけではなく、これらの原紙が写されている写真、これらの模様や文字等が掲載された印刷物や刊行物を画像走査装置(スキャナ)を用いて走査して、コンピューター内に画像データとして取り込んだり、画像データとなっているものを直接インクジェットプリンタで印刷してもよい。
実施例5のマニキュア用筆を用いた金属コロイドの塗布方法を示す写真図。 実施例6のマニキュア用エアブラシを用いた金属コロイドの吹付け方法を示す写真図。 実施例14の転写シートの断面図。 実施例17の金属コロイドをインクとして充填したペン用カートリッジの断面図。 実施例17のペン用カートリッジを接続したペンの断面図。 実施例18のディスポーザブルアンプルの断面図。

Claims (33)

  1. 水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で混合して分散させて金属コロイドを形成する金属コロイド粒子において、
    前記金属コロイド粒子が金属粒子と前記粒子表面に配位修飾した保護剤とにより構成され、前記保護剤が分子中に窒素を含む炭素骨格を有し、かつ前記窒素又は窒素を含む原子団をアンカーとして金属粒子表面に配位修飾した構造を有し、
    前記保護剤がアルコキシシリル基、シラノール基及びハイドロキシアルキル基からなる群より選ばれた1種又は2種以上の官能基を分子構造に含み、
    前記金属粒子がAu成分を主成分とし、前記Au成分とは異なる1又は2以上の金属成分を副成分として構成されたことを特徴とする金属コロイド粒子。
  2. 金属粒子を構成する副成分がAg成分及びCu成分の双方を少なくとも含み、
    前記金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、前記副成分中に含まれるAg成分含有量が40〜60重量%である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  3. 金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、
    前記金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、前記副成分中に含まれるAg成分含有量が65重量%以上である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  4. 金属粒子を構成する副成分がAg粒子及びCu粒子の双方を少なくとも含み、
    前記金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、前記副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  5. 金属粒子を構成する副成分がAg粒子、Cu粒子及びPd粒子を少なくとも含み、
    前記金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%であり、前記副成分中に含まれるAg成分含有量が30重量%以下である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  6. 金属粒子を構成する副成分がPd粒子を少なくとも含み、
    前記金属粒子中に含まれる副成分含有量が5〜40重量%である請求項1記載の金属コロイド粒子。
  7. 非水系において、アミノ基を含むアルコキシシランと金属化合物とを混合し、還元剤の存在下で金属化合物を還元することによって、窒素原子団をアンカーとして前記アルコキシシランからなる保護剤を金属粒子表面に結合した請求項1ないし6いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  8. 窒素を含む原子団がアミノ基、アミド原子団及びイミド原子団からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし7いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  9. 保護剤に含まれるアルコキシシリル基又はハイドロキシアルキル基のいずれか一方又は双方がキレート剤によってキレート配位している請求項1ないし8いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  10. 金属コロイド粒子の平均粒子径が1〜100nmの範囲にある請求項1ないし9いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  11. 金属コロイド粒子の平均粒子径が1〜60nmの範囲である請求項1ないし10いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  12. 金属コロイド粒子の形状が球状、多角状、アメーバ状を有する粒状粒子である請求項1ないし11いずれか1項に記載の金属コロイド粒子。
  13. 請求項1ないし12いずれか1項に記載の金属コロイド粒子を水系又は非水系のいずれか一方の分散媒又はその双方を混合した分散媒に所定の割合で分散させたことを特徴とする金属コロイド。
  14. 請求項13記載の金属コロイドを用いて成膜したことを特徴とする金属コロイド薄膜。
  15. 請求項13記載の金属コロイドを基材表面に塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成したことを特徴とする金属コロイド含有塗膜形成物。
  16. 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む請求項15記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  17. 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項16記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  18. 基材がガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である請求項15記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  19. 基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である請求項15記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  20. 宝飾品が貴金属粘土から作製された宝飾品である請求項19記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  21. 表面又は裏面のいずれか一方又はその双方が剥離処理された転写基板に請求項13記載の金属コロイドを塗布、吹付け、印刷、吐出又は転写した後、前記金属コロイドから分散媒を除去して形成した金属コロイド含有塗膜を有することを特徴とする転写シート。
  22. 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を金属コロイド含有塗膜中に含む請求項21記載の転写シート。
  23. 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項22記載の転写シート。
  24. 基材表面に請求項22又は23記載の転写シートから転写された転写膜を有する金属コロイド含有塗膜形成物。
  25. 転写を施す基材が、ガラス、プラスチック、金属、木材、タイルを含むセラミック、セメント、コンクリート、石、繊維、紙及び皮革からなる材料群から選ばれた材質である請求項24記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  26. 転写を施す基材が人工爪、天然毛、人工毛、宝飾品、プラスチックモデル、小物袋、カード、色紙、人形、神仏像、位牌、衣服、織物及び額縁からなる群より選ばれた材質である請求項24記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  27. 宝飾品が貴金属粘土から作製された宝飾品である請求項26記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  28. 請求項13記載の金属コロイドをインクとして充填したペン、筆ペン、ペン用カートリッジ及びディスポーザブルアンプル。
  29. 請求項13記載の金属コロイドをインクとして含浸したスタンプ台及び印鑑台。
  30. 請求項29記載のスタンプ台又は印鑑台を用いて金属コロイドを描画することで、任意の模様からなる金属コロイド含有塗膜を形成したことが特徴である金属コロイド含有塗膜形成物。
  31. 請求項13記載の金属コロイドをインクとしてインクジェットプリンタを用いて描画することで、任意の模様からなる金属コロイド含有塗膜を形成したことが特徴である金属コロイド含有塗膜形成物。
  32. 金属粉末、金属箔、金属微粒子、光沢剤、ラメ剤、色紙片、天然宝石及び人工宝石からなる群より選ばれた1種又は2種以上を更に含む請求項30又は31記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
  33. 金属粉末、金属箔又は金属微粒子に用いられる金属がAuである請求項32記載の金属コロイド含有塗膜形成物。
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