JP2003301227A - 装飾用金合金 - Google Patents
装飾用金合金Info
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Abstract
上問題ない装飾用金合金を提供する。 【解決手段】 Auが83〜92重量%で、残部がA
g、Cu、および不可避的不純物からなるAu−Ag−
Cu三元系の装飾用金合金であって、Ag重量%/Cu
重量%が1.4〜1.6であり、JISに準拠した拡散
照明8°(d/8°)受光(正反射光を含む)方式の測
色方法に基づいて、光D65照明、10゜視野で測色し
た場合の色相角が79.6゜〜80.6゜であることを
特徴とする。このことにより、色あいは金と同じとなっ
て見た目は金に極めて近いものとなると同時に、添加元
素により鋳造状態或いは加工後の機械的性質が実用上問
題のないレベルとなる。
Description
ス、ブローチ、ネクタイピン等の装飾具に用いられるA
u−Ag−Cu三元系の装飾用金合金に関する。
金色は装飾品の色として好まれてきたが、純金そのもの
は柔らかいため、他元素を添加して実用上問題のない硬
さとなるように改善した金合金(例えば、18K)を使
用している。このような金合金として、Au−Ag−C
u三元系の金合金が知られている。かかるAu−Ag−
Cu三元系の金合金は、Ag、Cuの添加量により硬さ
を調整でき、且つNiを含まないことにより金属アレル
ギーの問題がないため、金合金として広く用いられてい
る。
Ag−Cu三元系の金合金の場合、Ag、Cuの添加量
を増やせば増やすほど硬さは向上するが、純金の黄金色
とは離れた色となり、見た目の品質が低下するという問
題があった。
であって、Au−Ag−Cu三元系の金合金において、
純金に近い色調をもち、且つ硬さも実用上問題ない装飾
用金合金を提供することを目的とする。
め、本発明者は、まず、金属の色の測色を客観的に定量
化する方法を確立し、次いで、確立した測色方法によ
り、金に種々の元素を添加した金合金の測色および硬さ
の調査を鋭意行った結果、純金の色に近く、且つ硬さも
実用上問題ない装飾用金合金を開発するに至った。即
ち、従来、再現性が低く、定量化が困難であった金属の
測色を極めて高精度に定量化する測色方法を確立し、か
かる測色方法をもって初めてなし得た発明である。
〜92重量%で、残部がAg、Cu、および不可避的不
純物からなるAu−Ag−Cu三元系の装飾用金合金で
あって、Ag重量%/Cu重量%が1.4〜1.6であ
り、反射物体の測色方法に基づいて、光D65照明、1
0゜視野で測色した場合の色相角が79.6゜〜80.
6゜であることを特徴とする。ここで、反射物体の測色
方法とは、JISに準拠した拡散照明8°(d/8°)
受光(正反射光を含む)方式による測色方法である。
飾用金合金において、前記Auが87.2〜87.8重
量%であることを特徴とする。請求項3記載の発明は、
請求項1または2に記載の装飾用金合金において、反射
物体の測色方法に基づいて、光D65照明、10゜視野
で測色した場合の彩度が28以上であることを特徴とす
る。ここで、彩度は、L*C*h表色系の彩度C*により
評価した値である。
いて説明する。金の含有量を83〜92重量%としたの
は、上限を超えると装飾品として実用的な硬さが得られ
ないからであり、下限に満たないと彩度が26を下回っ
て純金の彩度の70%以下となるので、表面品質が劣り
金装飾品としての表面品質が得られないからである。こ
こで、実用的な硬さとは、Hv80以上あることを要す
る。即ち、現在実用化されている装飾用地金合金の中で
最も硬さの低いPt900の焼鈍材のHv70〜75よ
りも硬ければよいと考えるからである。
量%であることがより好ましいとしたのは、金含有量が
87.5重量%程度の金合金の場合、鋳造品の硬さがH
v80以上あり、且つ彩度も28以上となるため、表面
が純金色により近く、且つ鋳造品および加工品の硬さが
実用的な硬さとなるので、表面品質と硬さのバランスが
極めて良好な金合金と言えるからである。より具体的に
は、金の含有量がこれ以上増えると、鋳造ままの状態で
はHv80を下回るため柔らかすぎて使えないので、加
工品以外には使用できなくなり、使い勝手が悪くなるか
らである。なお、かかる金の含有量は、大蔵省造幣局国
家検定には無い21Kの組成ではあるが、金合金の一般
的検定公差の±0.3%を採用して、87.2〜87.
8重量%とした。
uという)を1.4〜1.6としたのは、この範囲を外
れると、色相角の範囲、即ち、純金の色相角を得ること
ができないからである。
は、純金の色相角がかかる範囲にあるからであり、かか
る範囲に限定することにより、純金に近い色あいを持つ
金合金を製造することができる。
よれば、厳密には80.1゜あたりであるが、色相角の
許容範囲は、彩度に依存し、彩度が大きくなればなるほ
ど、単位角度あたりの色差ΔE*abが大きくなる。ここ
で、純金の彩度は37.02あたりであるから、円周上
の1゜に相当するΔE*abは、約0.6程度である。ΔE*
ab=0.6レベルは、色彩ハンドブックによれば、1級
(厳格色差)に相当する。従って、各種の誤差要因を考
慮した場合の実用的な許容差の限界として1゜の範囲、
即ち79.6゜〜80.6゜を色相角の範囲とした。よ
って本来的には、色相角は、80.1゜により近い方が
好ましい。
は、純金に比べて約75%以上の彩度があれば、見た目
には純金により近似した色となるからである。
とほぼ同等となるので、色あいは金と同じとなって見た
目は金に極めて近いものとなる。同時に、添加元素によ
り鋳造状態或いは加工後の硬さが実用上問題のないレベ
ルとなる。特に、金の含有量が87.2〜87.8重量
%の場合には、表面が純金色の色に近く、且つ鋳造品お
よび加工品の硬さが実用的な硬さとなるので、表面品質
と硬さのバランスが極めて良好な金合金となる。
参照して説明する。なお、本実施例における色の数値化
には、JIS Z 8729 に準拠したL*a*b*表色系およびL
*C*h表色系を用いるものとする。
について説明する。一般的に、色を感じるには、視覚
・光源・物体の3要素が必要である。
は困難なため、視覚部分をセンサーに置き換えて、数値
化する装置として分光測色計を用いる。測色方法は、J
ISにより数種類提案されており、試料に適した測色方
法(照明受光光学系:geometry)を選ぶ事がで
きる。
光路(角度等)、視野、正反射光の扱い、等測色条件を
特定する事により、最適化することができる。は、
分光測色計に依存し、測定機、測色条件を最適化するこ
とによって解決できる。具体的には、測色方法(Geomet
ry)、測色機の絶対値精度、機器誤差等が、重要となっ
てくる。
測色計(CM-3600d)を用い、Geometry(ジオメトリ
ー);拡散照明8°(d/8°)受光(正反射光を含
む)方式、測定条件;10°視野、D65光源とした。絶対
値精度は、測定機のもつ固有の性能であり、今回使用し
たCM3600d(ミノルタ製)は、本装置のメーカが公表し
ている絶対値精度は、NPL(National Physical Labor
atory:イギリス)で値付けされたカラータイル各色2
2色における色差ΔE*abが、平均0.33、Max0.94(正反
射光を含む場合)である。また機差は、ΔE*ab 0.15以
内となっている。従って、測定物に揺らぎがなく、測定
環境が一定であれば、CM-3600dの絶対値精度は、平均
でΔE*ab<0.48、最大でΔE*ab<1.09と考えることがで
きる。
ば、その組成によって分光反射特性が一義的に決まると
考えられる。しかし、測色条件を決定しても、試料の表
面状態によって、測色結果、視覚による見え方、のいず
れも異なってくるため、金属がもつ本来の色を測色定量
化する場合、測色再現性のため表面状態を同一条件にす
る事が重要である。試料の表面状態は、見る角度、測色
角度の影響を排除する為、表面が拡散反射するように荒
らされた粗面の方が鏡面よりも視覚安定性がよいが、数
値定量化する場合、表面を再現性良く荒らすのは困難で
あるため、面粗さを可能な限り排除し、高精度な鏡面
で、且つ最適化した測色条件で測色する事によって、数
値再現性の高い測色が出来るようした。測定鏡面のレヘ゛ル
は、平均面粗さ30nm前後で、なるべく新生面生成後
60min以内に測色することにより安定した結果を得
られるようにした。
に示す。
(C*値)が高い金属である。金属測色面を30nmレヘ゛ル
の鏡面に仕上げた場合、組織が均一であれば、金、銅レヘ
゛ル以上悪い標準偏差は示さない。30nmレヘ゛ルの鏡面で
測色することにより、金属の持つ色を再現性良く測色す
る事が出来ようになった。
差の色差ΔE*abで評価すると絶対値誤差は、平均で
0.63、最大で1.34である。色彩ハンドブックによれば、
0.6〜1.1レヘ゛ルは,一級(厳格色差)で、各種誤差を考え
た場合の実用的な許容差の限界と規定されている。従っ
て、上記測定誤差は、実用色差として問題にならないレヘ
゛ルと考えることができる。このように測色条件、測色環
境をそろえる事により、誰でもいつでも金属の色を上記
に示す統計誤差の示す精度で安定して測色する事ができ
る。
例を挙げ、本発明の特徴とするところを明らかとする。
の測色ならびに硬さの定量化を行った。具体的には、高
周波溶解炉内に純度99.99%以上のAuを入れて溶
解し、鋳込んだのち、50%、70%の圧延加工を施
し、最終焼鈍(700℃×20分保持して水冷)して、
測色面径φ6mmの試料を作成した。次いで、試料表面
粗さが30nm程度になるまで鏡面仕上げを行った。次
いで、鏡面加工した試料表面の測色を行った。測色に
は、前述したとおり、ミノルタ社製の分光測色計(CM-3600
d)を用い、Geometry(ジオメトリー);拡散照明8°
(d/8°)受光(正反射光を含む)方式、測定条件;1
0°視野、D65光源を用いた。また、鋳造ままの試料、5
0%加工した試料、70%加工した試料に対して硬さ測
定を行った。硬さ測定には、ビッカース硬度計を用い、
試験荷重200g(1.96N)、保持時間15秒の条
件で測定した。以上により、表2、表3に示す通り、彩
度(C*)=37.22、色相角(H°)=80.1、
鋳造まま材の硬さ(Hv)=25、50%加工材の硬さ
(Hv)=68、70%加工材の硬さ(Hv)=77と
いう結果が得られた。
u、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.50と
する22K(Au91.67重量%)のAu−Ag−C
u三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、および
最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成した。次
いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程度にな
るまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料表面の
測色を上記方法により行った。また、上記と同様の条件
で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、表3に
示す通り、彩度(C*)=30.51、色相角(H°)
=79.9、鋳造まま材の硬さ(Hv)=63、50%
加工材の硬さ(Hv)=138、70%加工材の硬さ
(Hv)=146という結果が得られた。純金に比べる
と、彩度(C*)は約−20%であるが、見た目は純金
色に近く表面品質は良好である。硬さは、加工材であれ
ば問題ないが、しかし、鋳造まま材の硬さがHv80よ
りも低いので、鋳造まま材では使用が難しい。
溶解炉内にAu、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cu
を各々1.42、1.50、1.58とする21K(A
u87.50重量%)のAu−Ag−Cu三元系金合金
を鋳込んだのち、上記圧延加工、および最終焼鈍して、
測色面径φ6mmの試料を作成した。次いで、上記と同
様に、試料表面粗さが30nm程度になるまで鏡面仕上
げを行った後、鏡面加工した試料表面の測色を上記方法
により行った。また、上記と同様の条件で、試料の硬さ
を測定した。以上により、表2、表3に示す通り、彩度
(C*)=28.12〜28.38、色相角(H°)=
79.7〜80.5、鋳造まま材の硬さ(Hv)=81
〜82、50%加工材の硬さ(Hv)=167〜17
3、70%加工材の硬さ(Hv)=176〜177とい
う結果が得られた。純金に比べると、彩度(C*)は約
−25%である。22Kよりはあざやかさが劣るが見た
目には純金色に近く表面品質は良好である。また、鋳造
まま材の硬さがHv80よりも高いので、鋳造まま材で
も使用可能である。
u、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.50と
する20K(Au83.34重量%)のAu−Ag−C
u三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、および
最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成した。次
いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程度にな
るまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料表面の
測色を上記方法により行った。また、上記と同様の条件
で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、表3に
示す通り、彩度(C*)=26.04、色相角(H°)
=79.6、鋳造まま材の硬さ(Hv)=102、50
%加工材の硬さ(Hv)=192、70%加工材の硬さ
(Hv)=203という結果が得られた。純金に比べる
と、彩度(C*)は約−30%である。純金に比べてく
すんで見えるため表面品質は限界レベルである。硬さ
は、鋳造まま材でもHv102あるため、実用上問題な
い。
u、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.22と
する22K(Au91.67重量%)のAu−Ag−C
u三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、および
最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成した。次
いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程度にな
るまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料表面の
測色を上記方法により行った。また、上記と同様の条件
で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、表3に
示す通り、彩度(C*)=29.95、色相角(H°)
=78.6、鋳造まま材の硬さ(Hv)=67、50%
加工材の硬さ(Hv)=146、70%加工材の硬さ
(Hv)=152という結果が得られた。実施例1と比
較すると、色相角(H°)が純金の80.1°から大き
くずれるため、見た目が劣る。
にAu、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.8
6とする21K(Au87.50重量%)のAu−Ag
−Cu三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、お
よび最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成し
た。次いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程
度になるまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料
表面の測色を上記方法により行った。また、上記と同様
の条件で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、
表3に示す通り、彩度(C*)=28.99、色相角
(H°)=82.1、鋳造まま材の硬さ(Hv)=7
5、50%加工材の硬さ(Hv)=164、70%加工
材の硬さ(Hv)=168という結果が得られた。実施
例2−1〜2−3と比較すると、色相角(H°)が純金
の80.1°から大きくずれるため、見た目が劣る。ま
た、鋳造まま材の硬さがHv80よりも低くなるため、
鋳造まま材での実用上の問題が生じる。
にAu、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.3
5とする21K(Au87.50重量%)のAu−Ag
−Cu三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、お
よび最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成し
た。次いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程
度になるまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料
表面の測色を上記方法により行った。また、上記と同様
の条件で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、
表3に示す通り、彩度(C*)=27.50、色相角
(H°)=78.7、鋳造まま材の硬さ(Hv)=8
8、50%加工材の硬さ(Hv)=177、70%加工
材の硬さ(Hv)=182という結果が得られた。実施
例2−1〜2−3と比較すると、色相角(H°)が純金
の80.1°から大きくずれるため、見た目が劣る。
にAu、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを2.3
4とする20K(Au83.34重量%)のAu−Ag
−Cu三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、お
よび最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成し
た。次いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程
度になるまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料
表面の測色を上記方法により行った。また、上記と同様
の条件で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、
表3に示す通り、彩度(C*)=27.93、色相角
(H°)=85.0、鋳造まま材の硬さ(Hv)=8
9、50%加工材の硬さ(Hv)=180、70%加工
材の硬さ(Hv)=186という結果が得られた。実施
例2−1〜2−3、及び実施例3−1と比較すると、彩
度(C*)は実施例2−1〜2−3とほぼ同等の値とな
るが、色相角(H°)が純金の80.1°から大きくず
れるため、見た目が劣る。
にAu、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.0
0とする20K(Au83.34重量%)のAu−Ag
−Cu三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、お
よび最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成し
た。次いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程
度になるまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料
表面の測色を上記方法により行った。また、上記と同様
の条件で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、
表3に示す通り、彩度(C*)=25.03、色相角
(H°)=76.1、鋳造まま材の硬さ(Hv)=12
0、50%加工材の硬さ(Hv)=211、70%加工
材の硬さ(Hv)=221という結果が得られた。実施
例2−1〜2−3、及び実施例3−1と比較すると、彩
度(C*)が実施例2−1〜2−3よりも劣り純金の約
−33%であり、見た目にもくすんで見える。また、色
相角(H°)が純金の80.1°から大きくずれるた
め、見た目が実施例3−1に比べて大きく劣る。
u、Ag、Cuを入れ溶解し、Ag/Cuを1.50と
する18K(Au75.00重量%)のAu−Ag−C
u三元系金合金を鋳込んだのち、上記圧延加工、および
最終焼鈍して、測色面径φ6mmの試料を作成した。次
いで、上記と同様に、試料表面粗さが30nm程度にな
るまで鏡面仕上げを行った後、鏡面加工した試料表面の
測色を上記方法により行った。また、上記と同様の条件
で、試料の硬さを測定した。以上により、表2、表3に
示す通り、彩度(C*)=23.80、色相角(H°)
=81.1、鋳造まま材の硬さ(Hv)=134、50
%加工材の硬さ(Hv)=224、70%加工材の硬さ
(Hv)=239という結果が得られた。純金と比較す
ると、彩度(C*)が純金の約−36%であり、もはや
純金の色とはほど遠く表面品質が劣る。
(赤方向)と色度+b*(黄方向)のL*a*b*表色系の
色度図である。3つの線のうち、中央の線は、純金の色
相角である80.1°の色相角線であり、上下の線は、
80.1°から色相角が±0.5°ずれた色相角線、即
ち、79.6゜および80.6゜の色相角線である。図
1から分かる通り、彩度が大きくなればなるほど、単位
角度あたりの色差ΔE*abが大きくなる。純金の彩度は3
7.02であるから、円周上の1゜に相当するΔE*ab
は、約0.6程度である。ΔE*ab=0.6レベルは、色
彩ハンドブックによれば、1級(厳格色差)に相当す
る。従って、各種の誤差要因を考慮した場合の実用的な
許容差の限界として1゜の範囲、即ち79.6゜〜8
0.6゜を色相角の範囲とした。
uと色相角の関係を示す図であって、横軸にAg/C
u、縦軸に色相角を示す。なお、図2に示す色相角のデ
ータは、上記した方法により20K〜22Kの間で、A
g/Cu比を変えた試料を作成し、上記した測色方法に
より測色したものである。図2に示すように、Ag/C
uと色相角との間には相関が見られ、Ag/Cuが大き
くなるほど色相角も大きくなる。ここで、前述した色相
角の許容範囲79.6゜〜80.6゜に入る範囲を決定
する。20K〜22Kに関しては、Ag/Cuが1.4
〜1.6の範囲であれば、色相角の許容範囲に入ること
が分かった。
元系の金合金において、純金と近似する色あいが得ら
れ、高級感のある素材を得ることができる。しかも、硬
さが変形、キズ、摩耗等の問題が起こらないレベルにあ
り、硬さも良好である。加えて、Au−Ag−Cuの三
元系の金合金であるため、金属アレルギーの問題も発生
することなく、汎用性が高い。
L*a*b*表色系の色度図である。
Claims (3)
- 【請求項1】Auが83〜92重量%で、残部がAg、
Cu、および不可避的不純物からなるAu−Ag−Cu
三元系の装飾用金合金であって、 Ag重量%/Cu重量%が1.4〜1.6であり、 反射物体の測色方法に基づいて、光D65照明、10゜
視野で測色した場合の色相角が79.6゜〜80.6゜
であることを特徴とする装飾用金合金。 - 【請求項2】 請求項1記載の装飾用金合金において、 前記Auが87.2〜87.8重量%であることを特徴
とする装飾用金合金。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の装飾用金合金
において、 反射物体の測色方法に基づいて、光D65照明、10゜
視野で測色した場合の彩度が28以上であることを特徴
とする装飾用金合金。
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JP2006124826A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-05-18 | Mitsubishi Materials Corp | 金属コロイド粒子及び金属コロイド並びに該金属コロイドの用途 |
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JP2006124826A (ja) * | 2004-09-29 | 2006-05-18 | Mitsubishi Materials Corp | 金属コロイド粒子及び金属コロイド並びに該金属コロイドの用途 |
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