JP2006124661A - 冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法及びこれにより得られる冷水溶解性高分子粉粒物 - Google Patents

冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法及びこれにより得られる冷水溶解性高分子粉粒物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 水溶性高分子粉粒物を流動させながら、湿潤剤を含む液体又は湿潤剤粉体を滴下、噴霧又は混合処理し、この処理粉粒物に対し強制乾燥及び粉砕を行わないことを特徴とする冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
【効果】 本発明により、粉又は粒状の水溶性高分子類から水湿潤性に優れ、継粉(ままこ)を形成せずに速やかに溶解する冷水溶解性高分子粉体又は粒状品を強制乾燥操作を伴うことなく合理的に製造し、得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水湿潤性に優れ、継粉(ままこ)を形成せずに速やかに溶解する冷水溶解性高分子粉粒物及びその製造方法に関するものである。
従来から、水溶性高分子は、化粧用、あるいはセメント類を使用する建材用等、各種用途に用いられている。水溶性の高分子として特に有用な水溶性セルロースエーテルは、パルプ等を原料とし、アルカリ性溶液によるアルセル化反応の後、エーテル化反応を行い、熱水又は水を含む有機溶剤中で洗浄した後、脱液濾過して得られた精製済の水溶性セルロースエーテルを熱風乾燥して粉砕することにより製造される。
しかしながら、上記工程により得られる水溶性セルロースエーテル等の水溶性高分子粉粒物は、下記に示す問題を有している。
得られた水溶性セルロースエーテル等の水溶性高分子は、溶解時に水溶性高分子粉粒物の表面部分が水でいち早く溶解し、粘着性の強い被膜を形成し、水溶性高分子粉粒物同士が溶解時の撹拌において互いに付着し合って大きな継粉状の粒子を形成することにより、溶解性が悪く、溶解に長時間を要する。このため、水溶性高分子の一種であるメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等では、90℃以上の熱水中では溶解しないという性質を利用して、予め用意した熱水中に上記セルロースエーテルを分散させた後、ゆっくり冷却して溶解する等の煩雑な方法を採っていた。その他のポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ等の水溶性高分子では、とりわけ高速の撹拌装置内で水中で継粉にならないように分散してから撹拌により溶解する等、煩雑な方法が採られていた。
上記のような問題を有するために、特公昭48−6622号公報(特許文献1)には、冷水中での継粉の発生を防止する方法として、水溶性高分子の一種である水溶性セルロースエーテル粉に0.01〜15質量部のエーテル系、エステル系及びアミン系の可塑剤から選ばれる少なくとも一種の可塑剤を添加し、均一に混和し、乾燥後にこれを粗粒状に粉砕する方法が提案されている。しかしながら、この方法で得られる粗粒では、可塑剤が湿潤剤と混和されて、粒状乃至塊状になったものを乾燥した後に粉砕するため、混和及び乾燥工程でせっかく混和して緻密化していたものが粉砕によって再び繊維状部分を有する粗粒や表面に繊維質を有する細粉体乃至顆粒体になり、冷水中で継粉になってしまう。これを防ぐために可塑剤を添加して粉体を混和する時に多量の水を入れ、見かけの嵩密度を高めてから乾燥した後に粉砕することが行われるが、得られた顆粒の嵩密度が高くなりすぎて、溶解に時間がかかるという問題が発生する場合があった。
特開平6−166026号公報(特許文献2)には、特定の造粒装置を用いて造粒した粒子を乾燥することで、繊維状のものが少なく、ほとんど均一で真球に近く、粒度もほとんど一定している球状頼粒体を製造できる造粒方法が提示されているが、冷水での継粉の発生を防止できる顆粒を調製することはできない。これは、水溶性セルロースエーテルの濡れ性が悪く、調製された顆粒内への水の浸透が不充分となるからである。
一方、水溶性のセルロースエーテルの場合、その粉体表面にジアルデヒド等の架橋剤を作用させて冷水中でも継粉が生じないようにして、粉体を分散した後、架橋構造をアルカリ成分の添加で破壊して溶解性を早める工夫が特公昭42−6674号公報(特許文献3)に提示されており、また特開2000−63565号公報(特許文献4)では、水溶性のセルロースエーテルに架橋剤、酸、湿潤剤を添加して30メッシュの篩の通過量が30質量%以下、200メッシュの篩い上の残量が30質量%以下である粒状物を得ることで、粉立ちがなく、水湿潤性に優れ、冷水中で継粉が生成せず、短い時間で溶解できることが提案されている。しかし、ホルムアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリセリンアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール、アセトアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のジアルデヒド等には変異原性が示されており、この変異原性による環境衛生上の問題が懸念されている。一方、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類等の高価なケイ素化合物の架橋剤が添加されると相溶性が悪くなることがあり、化粧料や懸濁重合剤用には使えない等の問題があった。
特公昭48−6622号公報 特開平6−166026号公報 特公昭42−6674号公報 特開2000−63565号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、継粉の発生が防げる冷水溶解性の改善された水溶性セルロースエーテル等の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法及びこれにより得られる冷水溶解性高分子造粒物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、水溶性セルロースエーテル等の水溶性高分子粉粒物を流動させながら、湿潤剤の溶液又は粉体を滴下、噴霧又は混合処理した後、この処理品を強制乾燥並びに粉砕することなく、そのまま使用に供した場合、冷水に対する速溶性に優れた冷水溶解性高分子粉粒物が得られることを見出し、本発明を完成した。
なお、本発明者らは、先に特開2004−315713号公報において、非イオン性セルロースエーテルの粉体を流動させながら、湿潤剤を含む粉体結合液を滴下又は噴霧して造粒した後に乾燥して、粉砕することなく造粒物を得ることを特徴とする非イオン性セルロースエーテルの製造方法を提案したが、この方法では、混合と乾燥の両方の過程で粒子を適正粒径にする必要があり、とりわけ乾燥工程が必須の製造方法のため乾燥にかかる製造段階での設備、ユーティリティのコストがかかる場合があったが、本発明はかかる点を改良したものである。
従って、本発明は、下記の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法及びこれにより得られる冷水溶解性高分子粉粒物を提供する。
請求項1:
水溶性高分子粉粒物を流動させながら、湿潤剤を含む液体又は湿潤剤粉体を滴下、噴霧又は混合処理し、この処理粉粒物に対し強制乾燥及び粉砕を行わないことを特徴とする冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項2:
湿潤剤が、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤から選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項3:
原料粉粒物及び目的粉粒物が、それぞれ第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%以上の粉体である請求項1又は2記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項4:
原料粉粒物及び目的粉粒物が、それぞれ第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%未満であって、同篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が10質量%以下の粉状品である請求項1又は2記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項5
水溶性高分子が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項6:
水溶性高分子粉粒物を流動させる撹拌機の撹拌翼の回転軸が1本以上水平に設置され、少なくとも1本の回転軸を毎分1,500回転以上回転させて水溶性高分子粉粒物を流動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
請求項7:
請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法によって得られる冷水溶解性高分子粉粒物。
本発明により、粉又は粒状の水溶性高分子類から水湿潤性に優れ、継粉(ままこ)を形成せずに速やかに溶解する冷水溶解性高分子粉体又は粒状品を強制乾燥操作を伴うことなく合理的に製造し、得ることができる。
本発明の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法は、水溶性高分子粉粒物を流動させながら、湿潤剤を含む液体又は粉体を滴下又は噴霧あるいは混合処理するものである。
本発明で用いられる水溶性高分子粉粒物としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテルや、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキシド及びその誘導体、ポリビニルアルコール等の粉体が挙げられる。
本発明において湿潤剤は、水溶性高分子粉粒物の表面に付着することによって薄い皮膜となって広がる。これにより冷水中に投入された際に水溶性高分子粉粒物の表面が水によっていち早く溶解して、粘着性の皮膜を作るのを防ぎ、水溶性高分子粉粒物同士が溶解時の撹拌において付着し合うのを防ぐ。
かかる湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等も使用できるが、水を浸透しやすくする性質を有する界面活性剤類が好ましく、この性質を満たす界面活性剤は特に限定されないが、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤から選ばれる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンの高級脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンの高級脂肪酸エステル、ソルビタンステアレート等のソルビタンの脂肪酸エステル、モノラウリル酸デカグリセリル等のグリセリン又はポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート等のポリオキシエチレンソルビタンエーテルの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合体等が挙げられる。特に、ソルビタンカプリル酸エステルやソルビタンカプロン酸エステル等のHLB=10以上の界面活性剤が優れた湿潤性を示し、好ましい。
アニオン系界面活性剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル又はその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪酸硫酸エステル塩等が挙げられる。特に、スルホコハク酸エステル又はその塩が好ましく、中でもスルホコハク酸ジオクチルナトリウムは、水溶性セルロースエーテル中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの湿潤効果を高める性能に優れており、溶解後の水溶液の透明性も優れている。
カチオン系界面活性剤としては、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
特に、湿潤剤は、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムの30〜80質量%水溶液、ソルビタン脂肪酸カプリル酸エステル、ソルビタンカプロン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合体の1種又は2種以上から選ばれるものが好ましい。
湿潤剤の添加量は、水溶性高分子100質量部に対して0.1〜3質量部、特に0.5〜1質量部が好ましい。0.1質量部未満では水に対しての濡れ性が改善されず、3質量部を超えるとそれ以上湿潤剤を添加しただけの効果が発揮されない場合がある。
本発明で使用する水溶性高分子は、通常の工業的製法で製造される。特に、セルロースエーテルの粉体は、例えば公知の方法により調製される。即ち、パルプを原料に用いてアルセル化反応及びエーテル化反応を経由して、熱水又は水含有の有機溶剤での洗浄と必要に応じて中和処理を行い、脱液濾過、乾燥することによって、水溶性セルロースエーテルが得られる。その後、水溶性セルロースエーテルを例えば衝撃型の粉砕装置によって粉砕して最終的に水溶性セルロースエーテルの粉粒物が得られる。なお、この粉粒物の粒度(原料水溶性高分子粉粒物の粒度)は、後述の湿潤剤を含む液体又は湿潤剤粉体を滴下、噴霧又は混合処理した後の粒度(処理された目的冷水溶解性高分子粉粒物の粒度)と同等である。
得られた水溶性セルロースエーテルの粉末は、2質量%の水溶液として、20℃での粘度を回転式粘度計又は毛細管型粘度計にて測定して調製される。この時点での粘度管理により、本発明による界面活性剤処理後の粘度も管理できるという利便性がある。
以上のような方法で得られる水溶性セルロースエーテルの粉粒物は、信越化学工業(株)製の商品名メトローズ、ダウケミカル社製の商品名メトセル、アクアロン社製の商品名ベネセル及びナトロゾール、SE−TYLOSE社製の商品名チローゼ、ウォルフ社の商品名ワロセル、日本曹達(株)製の商品名日曹HPC等として販売されている。
次に、得られた水溶性高分子粉粒物と界面活性剤等の湿潤剤あるいはその溶液を添加する方法としては、水溶性高分子粉粒物を粉砕することなく、これを流動可能な撹拌装置又は流動層装置に入れ、該粉粒物を流動しながら必要な水及び湿潤剤を均一に粉粒物に付与する目的でスプレー等で滴下あるいは噴霧し、又は添加、混合し、所望の冷水溶解性の改善された粉粒物を得る。この場合、得られた目的の冷水溶解性高分子粉粒物は、その後乾燥(強制乾燥)及び粉砕を行うことなく、そのまま使用する。ここで、乾燥を行わないとは、加温したり減圧したり等して粉粒物を強制的に乾燥しないことを意味し、粉砕物が室温下に放置されて自然乾燥された場合は除かれる。即ち、上記得られた目的粉粒物はこれを室温下に放置しておくこと、これによって粉粒物中の水分が蒸発して水分が減少した状態になることは許容される。
添加する水量は、混合時に界面活性剤等の湿潤剤が滴下乃至は噴霧できる程度の低い粘性に調整するのに必要最低量とすることが好ましく、滴下、噴霧、又は混合後に自然乾燥してかかる水溶性高分子粉粒物同士が付着しない程度にする必要がある。そのための水の添加量としては、水溶性高分子100質量部に対して0〜40質量部が好ましく、特に0〜30質量部とするのが好ましい。これ以上に水が添加されると、乾燥しないと粒子同士が付着して、保存中に粒子が塊状となってしまうおそれがある。
湿潤剤水溶液(粉体結合液)の供給速度は、1〜500g/min、特に2〜20g/minとすることが好ましく、供給速度が遅すぎると、目的物を得るのに時間がかかり、生産性が悪くなるおそれがある。一方、早すぎると、均一に湿潤剤が水溶性高分子の粉体に付着せず、水に対する濡れ性の改善が図れないおそれがある。
ここで、本発明の実施例に好適な撹拌装置としては、図1に示す如き装置が例示される。この装置1は処理槽2を有し、この処理槽2の一側部の高さ方向ほぼ中央部より第1回転軸3が水平方向に沿って処理槽2の内部に回転可能に挿入されており、この第1回転軸3の外周部には多数の撹拌回転翼4が突設され、図示していないモーター等の駆動装置によって第1回転軸3が回転し、これと一体に撹拌回転翼4が同方向に回転するようになっている。また、上記第1回転軸3の処理槽内突出方向と対向する処理槽2の他側部には、同様にモーター等の駆動装置(図示せず)によって上記第1回転軸3と反対方向に回転する第2回転軸5が配設され、この第2回転軸5の処理槽2内への突出先部には、上記処理槽2の他側部内壁及び上部内壁、底部内壁に沿うようにリボン状又はカゴ状の撹拌翼6が取り付けられ、第2回転軸5が回転すると、これと一体に上記第1回転軸3の撹拌回転翼4の回転方向と反対方向に回転するようになっているものである。なお、図中7は、湿潤剤を含む液体又は湿潤剤粉体を供給する流体ノズルである。また、水溶性高分子粉粒物は処理槽2上部に形成された投入口8より供給される。
この場合、上記粉粒物の流動速度は、例えば、図1に示したようなダルトン(株)のスパルタンリューザーの如く、1本の撹拌回転翼が処理槽の中心部分に水平に設置され、直径250mmの2L容器中に水溶性セルロースエーテル等の水溶性高分子粉粒物を0.5kg入れた場合の回転翼の速度にして、1,500〜10,000rpmが好ましく、特に2,000〜7,000rpmが好ましい。この速度が遅すぎると、湿潤剤が均一に付着しないおそれがある。一方、早すぎると、回転翼の摩耗が激しく、装置の損傷が懸念される。
図1に示すように、撹拌回転翼に対して反対に回るリボン状又はカゴ型の撹拌翼が撹拌回転翼の外部に水平に設置され、回転する機構を有する構造の撹拌装置を使用するのが望ましい。即ち、高速で撹拌する回転翼により発生する粉粒物の流動に対して、反対方向の流れを作ることで、流体が撹拌槽内で対流することなく、均一に撹拌させるために、この撹拌回転翼に対して反対に回るリボン状又はカゴ型の撹拌翼を設置することが好ましい。この撹拌翼の回転速度としては、10〜1,000rpm、特に20〜100rpmが好ましい。この速度を遅くしすぎるとこの粉粒物の停滞が抑制されない場合があり、早すぎると粉粒物同士の衝突が早すぎて、粉砕作用が発生してしまうので好ましくない場合がある。
粉粒物に対して湿潤剤液を供給する場合の温度は、5〜50℃が好ましく、低すぎると湿潤剤の粘性が高くなり、均一に付着できないおそれがあり、高すぎると湿潤剤を含む水溶液が蒸発して、均一に付着できないおそれがある。
得られた冷水溶解性高分子の粉粒物の粒度は、冷水に投入して継粉が形成されにくく、溶解が進む程度であれば特に限定されないが、粉体の場合は第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、粒状品の場合は第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%未満であって、同篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が10質量%以下である。
本発明で得られる冷水溶解性セルロースエーテル等の冷水溶解性高分子の粉粒物は、従来の粉粒物のように冷水中で継粉になって溶解に長時間を要してしまうことなく、冷水中で溶解できるものである。即ち、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等の粉粒物は、従来、熱水に不溶であるため、予め用意した熱水中にかかるセルロースエーテル粉を分散させてからゆっくり冷却して溶解する等の方法で溶解させていたが、本発明の冷水溶解性高分子粉粒物は、かかる煩雑な方法を採らなくても、0℃を超えて室温以下の冷水又は5〜70℃の水温にて迅速に溶解することができる。
具体的には、水溶性高分子粉粒物の2質量%の水溶液を作成するべく、水溶性高分子粉粒物を0〜25℃の水中に投入し、毎分700回転で撹拌した場合に60分以内、好ましくは30分以内で溶解が完了するものが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示したような、撹拌槽の中心部に水平回転する第1回転軸につけられた撹拌回転翼とその回転翼の周囲に反対方向に回転するリボン型の撹拌翼が設置されたダルトン(株)製、RMO−2H(有効容積2L)スパルタンリューザー混合造粒装置(撹拌装置)に信越化学工業(株)製のヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ60SH−10000)の粉体(第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が0%、篩い番号140(目開き106μm)の篩い通過量が82質量%で、平均粒径64μm)を0.5kg投入し、毎分4,700回転で回転翼を回転させ、この回転翼の周囲をリボン型撹拌翼を毎分25回転で逆方向に回転させ、粉体を流動させた。日本油脂(株)製のスルホコハク酸ジオクチルナトリウム(商品名:ラピゾールA−80)を湿潤剤として2.5g計り取り、水20gに分散し、0.03MPaにて装置に挿入しつつ、空気圧力0.15MPaにて2流体ノズルで0.5分間噴霧添加した後、1分間流動撹拌した。
得られたヒドロキシプロピルメチルセルロース粉体は、第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩い通過量が77質量%で、平均粒径が70μmであった。
25℃の純水245mLを毎分700回転している撹拌翼のある300mLのトールビーカー中に入れた後、得られたヒドロキシプロピルメチルセルロース粉5gを入れ、30分撹拌したところ、継粉がない均一な粘稠な溶液が得られた。
[実施例2]
実施例1のヒドロキシプロピルメチルセルロースの粉体を日本曹達(株)製ヒドロキシプロピルセルロースMとし、湿潤剤を日本油脂(株)製ソルビタンモノカプリル酸エステル(商品名:セラミゾールC08)0.25gとし、これを分散する水10gとした以外は実施例1と同様にして冷水溶解性改善処理を実施した。
更に、実施例1と同様の篩い分けを行い、第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が66質量%で、平均粒径72μmの水溶性高分子粉を得た。得られた粉体について、溶解に要する時間を実施例1と同様な方法で測定したところ、30分以内で溶解することが確認できた。
[実施例3]
粉状のヒドロキシプロピルメチルセルロースを信越化学工業(株)製の粒状ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−10000G(第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が9.8質量%、篩い番号140(目開き106μm)の篩い通過量が12質量%で、平均粒径が190μm)、湿潤剤を日本油脂(株)製のソルビタンモノカプリル酸エステル(商品名:セラミゾールC08)を0.25gとし、これを分散する水10gとした以外は実施例1と同様にして冷水溶解性改善処理を実施した。更に、実施例1と同様の篩い分けを行い、第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が9.8質量%で、篩い番号140(目開き106μm)の篩い通過量12質量%、平均粒径185μmのヒドロキシプロピルメチルセルロース粒子を得た。得られた粒子について溶解に要する時間を実施例1と同様な方法で測定したところ、60分以内で溶解することが確認できた。
[比較例1]
実施例1で使用したヒドロキシプロピルメチルセルロースをダルトン(株)製、RMO−2H(有効容積2L)スパルタンリューザー混合造粒装置による処理を行わずに、実施例1と同様にして溶解性を評価したところ、水中に継粉が発生し、15時間経過しても継粉状物がなくなることはなかった。
[比較例2]
実施例2で使用したヒドロキシプロピルセルロースをダルトン(株)製、RMO−2H(有効容積2L)スパルタンリューザー混合造粒装置による処理を行わずに、実施例1と同様にして溶解性を評価したところ、水中に継粉が発生し、15時間経過しても継粉状物がなくなることはなかった。
[比較例3]
実施例3で使用したヒドロキシプロピルメチルセルロースをダルトン(株)製、RMO−2H(有効容積2L)スパルタンリューザー混合造粒装置による処理を行わずに、実施例1と同様にして溶解性を評価したところ、水中に継粉が発生し、15時間経過しても継粉状物がなくなることはなかった。
本発明の実施に用いる撹拌装置の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 撹拌装置
2 処理槽
3 第1回転軸
4 撹拌回転翼
5 第2回転軸
6 撹拌翼
7 流体ノズル
8 投入口

Claims (7)

  1. 水溶性高分子粉粒物を流動させながら、湿潤剤を含む液体又は湿潤剤粉体を滴下、噴霧又は混合処理し、この処理粉粒物に対し強制乾燥及び粉砕を行わないことを特徴とする冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  2. 湿潤剤が、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤から選ばれるものであることを特徴とする請求項1記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  3. 原料粉粒物及び目的粉粒物が、それぞれ第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%以上の粉体である請求項1又は2記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  4. 原料粉粒物及び目的粉粒物が、それぞれ第14改正日本薬局方B−1061記載の篩い番号140(目開き106μm)の篩いの通過量が30質量%未満であって、同篩い番号30(目開き500μm)の篩い上の残量が10質量%以下の粉状品である請求項1又は2記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  5. 水溶性高分子が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  6. 水溶性高分子粉粒物を流動させる撹拌機の撹拌翼の回転軸が1本以上水平に設置され、少なくとも1本の回転軸を毎分1,500回転以上回転させて水溶性高分子粉粒物を流動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の冷水溶解性高分子粉粒物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法によって得られる冷水溶解性高分子粉粒物。
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