JPH07101793A - スラリー状緩効性窒素肥料 - Google Patents

スラリー状緩効性窒素肥料

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JPH07101793A
JPH07101793A JP6184712A JP18471294A JPH07101793A JP H07101793 A JPH07101793 A JP H07101793A JP 6184712 A JP6184712 A JP 6184712A JP 18471294 A JP18471294 A JP 18471294A JP H07101793 A JPH07101793 A JP H07101793A
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百合男 日高
Takashi Nomura
隆 野村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】散布施用の労力を低減させることができるスラ
リー状緩効性窒素肥料を提供することである。 【構成】スラリー状緩効性窒素肥料は、平均粒径が0.
1〜100μmの緩効性窒素肥料粉末を80〜100重
量部、水溶性粘質多糖を0.005〜10重量部、溶媒
を2〜20重量部の割合で混合し、該緩効性窒素肥料粉
末を粉砕・攪拌しながら凝集・凝結を防止することによ
って緩効性窒素肥料粉末を水溶性粘質多糖で被覆し、こ
れを水溶液中に分散させてスラリー状にすることによっ
て製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性粘質多糖で被覆
した緩効性窒素肥料粉末を含有するスラリー状緩効性窒
素肥料に関するものである。
【0002】
【従来技術の説明】各種植物、特に芝生の葉色の良さを
維持管理するための施肥方法では、多量施肥による濃度
障害を起こさないように、化成肥料やその液体肥料を多
数回に分けて少量づつ長期間にわたって計画的に散布施
用するのが一般的であることから、散布施用に多くの労
力を要する。そこで、施肥回数を減らすために緩効性肥
料を使用する方法が考えられるが、例えば、芝生の育成
で粒状のものを施肥した場合には、均一な散布ができず
に肥効が偏り不揃いの芝丈になる傾向があり、また、刈
り取った芝の中に肥料粒が入り込んで肥料が無駄になる
傾向も見受けられる。他方、粉状のものを使用する場合
には、取り扱う際に飛散・吸引して健康を害する恐れが
あり、また、散布後でも風で飛散する恐れがある。
【0003】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、散布施用の
労力を低減させることができるスラリー状緩効性窒素肥
料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、水
に難溶性の窒素肥料粉末を水溶性粘質多糖で被覆してス
ラリー化することによって達成される。以下、本発明を
詳細に説明する。本発明の水溶性粘質多糖で被覆した緩
効性窒素肥料粉末は、平均粒径が0.1〜100μmの
緩効性窒素肥料粉末を80〜100重量部、水溶性粘質
多糖を0.005〜10重量部、水を2〜20重量部の
割合で混合し、該緩効性窒素肥料粉末を粉砕・攪拌しな
がら凝集・凝結を防止することによって製造することが
できる。水溶性粘質多糖による緩効性窒素肥料粉末の被
覆は、次の又はに示すようにして行うことができ
る。
【0005】緩効性窒素肥料粉末と水溶性粘質多糖と
を高速回転で十分に混合し、水を添加しながら低速回転
で混合展着することによって水溶性粘質多糖で緩効性窒
素肥料粉末表面を被覆し、次いで高速回転で粉砕・攪拌
しながら該緩効性窒素肥料粉末の凝集・凝結を防止する
ことによって行う。 緩効性窒素肥料粉末を必要に応じて高速回転で攪拌
し、これに展着に必要な量の水に溶解した水溶性粘質多
糖を添加しながら低速回転で混合展着することによって
水溶性粘質多糖で緩効性窒素肥料粉末表面を被覆し、次
いで高速回転で粉砕・攪拌しながら該緩効性窒素肥料粉
末の凝集・凝結を防止することによって行う。
【0006】本発明のスラリー状緩効性窒素肥料は、前
記の水溶性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉末を
溶媒中に0.05〜10%で均一に分散させることによ
って製造することができる。
【0007】緩効性窒素肥料粉末としては、例えば、オ
キサミド,イソブチリデンジウレア(IBDU),クロ
チリデンジウレア(CDU),ウレアホルム(UF),
それらを適当に組み合わせた混合物などの粉末を挙げる
ことができるが;好ましくはオキサミド粉末がよい。緩
効性窒素肥料粉末の平均粒径は、0.1〜100μmで
あるが、好ましくは0.5〜20μmであり、さらに好
ましくは5〜15μmがよい。その理由は、緩効性窒素
肥料粉末の平均粒径が0.1μmよりも小さいと、飛散
し易いために製造作業が困難であり;他方、100μm
よりも大きいと水中における保持率が低下するからであ
る。これらの緩効性窒素肥料粉末は、市販品として入手
したものを、そのまま又はは必要に応じて粉砕,篩分け
などによって、希望の平均粒径のものにして使用するこ
とができる。
【0008】水溶性粘質多糖としては、本発明の目的を
達成できる限り特に限定されないが、カルボキシメチル
セルロース,糖脂肪酸エステル,林原商事製のトリグリ
コ−A,それらの混合物などを挙げることができるが;
好ましくはカルボキシメチルセルロース,糖脂肪酸エス
テル,それらの混合物である。混合物の使用では、単独
の水溶性粘質多糖を使用した場合と同様の水中保持効果
を得ることができるが;カルボキシメチルセルロースと
トリグリコ−A及び/又は糖脂肪酸エステルとを併用す
るのが好ましい。
【0009】その併用でトリグリコ−A及び/又は糖脂
肪酸エステルの割合は、水溶性粘質多糖の5〜50%と
するのが好ましく、さらには10〜30%とするのが好
ましい。その理由は、この水溶性粘質多糖で被覆された
緩効性窒素肥料粉末を長期間保存しても、トリグリコ−
A及び/又は糖脂肪酸エステルが圧密による凝集・凝結
を防止する効果を高めることができることによって、こ
の粉末のスラリー化を容易に行えるからである。糖脂肪
酸エステルとしては、第一工業製薬製のショ糖脂肪酸エ
ステルであるDKエステル−SSなどを挙げることがで
きる。
【0010】カルボキシメチルセルロースとしては、低
粘度のものから高粘度のものまで使用することができる
が;被覆溶液の調製及び被覆操作の容易性から、25℃
におけるB型粘度計による2%の溶液で、130cp以
下のものであり;好ましくは、20cp以下のものであ
り;さらに好ましくは、5cp以下のものである。前記
の130cp以下のものとしては、例えば、第一工業製
薬株式会社製の5cp以下のもの(セロゲン5Aな
ど),6〜20cpのもの(セロゲン6A,セロゲン7
Aなど),70〜130cpのもの(セロゲンPRな
ど)などを挙げることができる。
【0011】水溶性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥
料粉末の組成物の混合割合は、次の通りである。前記
の場合には、緩効性窒素肥料粉末は80〜100重量部
であり;水溶性粘質多糖は0.005〜10重量部であ
り;水は2〜20重量部、好ましくは5〜15重量部、
さらに好ましくは6〜12重量部である。前記の場合
には、水溶性粘質多糖の0.25〜10%,好ましくは
4〜6%溶液を調製して、製品中の水の量が前記の場
合の水の量の割合となるようにして使用することができ
る。
【0012】緩効性窒素肥料粉末を水溶性粘質多糖で被
覆する製造工程における粉砕・攪拌は、その工程におけ
る緩効性窒素肥料粉末の凝集・凝結を防止できる粉砕性
と攪拌性との両機能を備えた装置で攪拌する限り特に限
定されない。そして、そのような装置としては、市販の
装置(例えば、スパルタンリューザー,ヘンシルミキサ
ーなど)を用いることができる。そして、前記の被覆工
程において、緩効性窒素肥料粉末と水溶性粘質多糖との
混合は、周速度(U:m/分)が1,400U以上で5
分間以上、好ましくは1,600U以上で5分間以上で
あり;低速回転による混合展着では、周速度は特に限定
されないが、好ましくは添加中の水の飛散防止のために
600〜1,000Uで1分間以上、さらに好ましくは
600〜1,000Uで2分間以上であり;高速回転に
よる粉砕・攪拌では、1,400U以上で5分間以上、
好ましくは1,600U以上で5分間以上、さらに好ま
しくは1,600U以上で20分間以上である。
【0013】このようにして得られた本発明の水溶性粘
質多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉末は、緩効性窒素
肥料粉末が水溶性粘質多糖で被覆されていることを特徴
とするものであり、平均粒径が0.1〜100μmの緩
効性窒素肥料粉末を80〜100重量部、水溶性粘質多
糖を0.005〜10重量部含む粉末肥料であるが;好
ましくは、平均粒径が0.5〜20μmの緩効性窒素肥
料粉末を92〜100重量部、水溶性粘質多糖を0.0
5〜8重量部含む粉末肥料であり;さらに好ましくは、
平均粒径が5〜15μmの緩効性窒素肥料粉末を92〜
約100重量部、水溶性粘質多糖を0.1〜4重量部含
む粉末肥料である。
【0014】本発明のスラリー状緩効性窒素肥料におけ
る水溶性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉末の施
肥時の濃度は、該粉末が殆ど沈降せずに水溶液中で均一
に分散している限り特に限定されないが;0.05〜1
0%に調製して使用するのがよく;好ましくは0.1〜
4%であり、さらに好ましくは0.4〜3%である。そ
の理由は、該粉末の濃度が0.05%よりも低い場合に
は、必要な施肥量に達するためには大量散布する必要が
あることから施肥環境の悪化(植物の水浸、土壌,肥料
の流亡など)を招き;10%よりも高い場合には、分散
液の流動性が低下することによって市販の機械による均
一な散布が難しくなり、また葉への付着量が増加するこ
とによって刈り取りで廃棄される肥料の量が増大するか
らである。
【0015】本発明のスラリー状緩効性窒素肥料は、長
時間の保存で沈降した場合でも、バブリング,攪拌棒な
どで攪拌することによって、容易に均一に分散すること
ができるが;施肥直前に、本発明の水溶性粘質多糖で被
覆された緩効性窒素肥料粉末を水に均一に分散させるこ
とによって調製するのが好ましい。このようにして製造
したスラリー状緩効性窒素肥料において、本発明の水溶
性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉末の水中にお
ける保持率は、80%以上,好ましくは90%以上,さ
らに好ましくは95%以上である。
【0016】なお、この水中における保持率は、0.5
%の緩効性窒素肥料粉末の濃度の水溶液を1L容メスシ
リンダーに1L入れて30分間静置し、その静置前後の
溶液の最上部から下方に向かって採取した100ml中
に含有される緩効性窒素肥料粉末の量の割合(W/W
%)から求めたものである。本発明の水溶性粘質多糖で
被覆された緩効性窒素肥料粉末は、施肥する対象作物
〔例えば、普通作物(例えば、稲,麦など)、野菜、花
卉、果樹、茶樹、芝など〕の栽培方法に応じて、そのま
ま又は均一に散布し易いように水溶液(例えば、水,後
述の使用状況に応じて本肥料に混合することができる各
成分を予め溶解した溶液などを挙げることができる。)
で適当に希釈することによってスラリー化して使用する
ことができる。
【0017】このようにして得られた本発明の水溶性粘
質多糖で被覆した緩効性窒素肥料又はスラリー状緩効性
窒素肥料は、単独で使用することもできるが、他の肥料
成分〔例えば、窒素成分,リン成分,カリ成分,微量金
属成分,天然物由来の肥料成分(例えば、パームアッシ
ュの水抽出物など,アミノ酸もしくはそれを含有する醗
酵廃液,イタコン酸などの有機酸もしくはそれを含有す
る有機酸醗酵廃液,米糠の酸性溶液での抽出物)〕、農
薬(例えば、殺虫剤,殺ダニ剤,殺菌剤,殺線虫剤な
ど)、植物成長調節剤などを使用状況に応じて混合する
こともできる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。 実施例1〔水溶性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥料
粉末の製造と水中保持率〕 (1) 水溶性粘質多糖の被覆割合が0.7%の場合 オキサミド粉末(宇部興産株式会社製:平均粒径が約1
0μmの白色針状結晶、真比重が1.68、嵩比重が
0.44〜0.48、pHが7.0、窒素含有率が3
1.8%、20℃の水への溶解度が0.016%のもの
を1,000g)、カルボキシメチルセルロース(第一
工業製薬株式会社製のセロゲン5A)(5g)及びトリ
グリコ−A(林原商事製)(2g)を混合機〔有効容量
5Lのスパルタンリューザー(不二パウダル株式会社
製、型式RMO−2H)〕を用いて混合し〔5,500
rpm(1,730U)、5分間〕、その後、水(80
g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔3,00
0rpm(940U)、2分間〕することによって展着
し、次に高速回転で混合〔5,500rpm(1,73
0U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防止
し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,0
60g)を得た。
【0019】得られた本被覆オキサミド粉末の分散性
は、次の通りであった。得られた本被覆オキサミド粉末
を水でオキサミド濃度が0.5%になるように希釈した
後、この液(1L)を1L容メスシリンダーに入れ、3
0分間静置後にオキサミド粉末の沈降状況を観察した
が、沈降は認められなかった。なお、本被覆オキサミド
粉末の水中における保持率は、0.5%のオキザミド濃
度の水溶液を1L容メスシリンダーに1L入れて30分
間静置し、その静置前後の溶液の最上部から下方に向か
って採取した100ml中に含有されるオキザミド量の
割合(W/W%)から求めたものである。その結果、静
置直前の100mlに相当する溶液中のオキサミド量に
対する採取液中に含まれるオキサミド量の割合(w/w
%)は、96%であった。なお、溶液中に含まれるオキ
ザミドの量は、前記の採取液中の窒素量を定量すること
によって求めた。
【0020】(2) 水溶性粘質多糖の被覆割合が1.2%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株
式会社製のセロゲン5A)(10g)及びトリグリコ−
A(林原商事製)(2g)を混合機(前記の有効容量5
Lのスパルタンリューザー)を用いて混合し〔5,50
0rpm(1,730U)、5分間〕、その後、水(8
0g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔3,0
00rpm(940U)、2分間〕することによって展
着し、次に高速回転で混合〔5,500rpm(1,7
30U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防
止し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,
060g)を得た。得られた本被覆オキサミド粉末の分
散性は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記
の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆
オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果、
沈降は認められなかった。また、得られた本被覆オキサ
ミド粉末の水中における保持率は、前記の(1) に記載し
たのと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキサ
ミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いて求め
た結果、96%以上であった。
【0021】(3) 水溶性粘質多糖の被覆割合が1.7%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株
式会社製のセロゲン5A)(15g)及びトリグリコ−
A(林原商事製)(2g)を混合機(前記の有効容量5
Lのスパルタンリューザー)を用いて混合し〔5,50
0rpm(1,730U)、5分間〕、その後、水(8
0g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔3,0
00rpm(940U)、2分間〕することによって展
着し、次に高速回転で混合〔5,500rpm(1,7
30U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防
止し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,
060g)を得た。得られた本被覆オキサミド粉末の分
散性は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記
の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆
オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果、
沈降は認められなかった。また、得られた本被覆オキサ
ミド粉末の水中における保持率は、前記の(1) に記載し
たのと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキサ
ミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いて求め
た結果、96%以上であった。
【0022】(4) 水溶性粘質多糖の被覆割合が0.7%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株
式会社製のセロゲン5A)(7g)を混合機(前記の有
効容量5Lのスパルタンリューザー)を用いて混合し
〔5,500rpm(1,730U)、5分間〕、その
後、水(80g)をスプレー添加しながら低速回転で混
合〔3,000rpm(940U)、2分間〕すること
によって展着し、次に高速回転で混合〔5,500rp
m(1,730U)、20分間〕することによって凝集
・凝結を防止し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド
粉末(1,060g)を得た。得られた本被覆オキサミ
ド粉末の分散性は、前記の(1) に記載したのと同様の方
法で、前記の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わ
りに本被覆オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察
した結果、沈降は認められなかった。また、得られた本
被覆オキサミド粉末の水中における保持率は、前記の
(1) に記載したのと同様の方法で、前記の(1) に記載し
た被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末
を用いて求めた結果、96%以上であった。
【0023】(5) 水溶性粘質多糖の被覆割合が0.7%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕、DKエステル−SS(第一工業製薬株式会社製
のショ糖脂肪酸エステル)(7g)を混合機(前記の有
効容量5Lのスパルタンリューザー)を用いて混合し
〔5,500rpm(1,730U)、5分間〕、その
後、水(80g)をスプレー添加しながら低速回転で混
合〔3,000rpm(940U)、2分間〕すること
によって展着し、次に高速回転で混合〔5,500rp
m(1,730U)、20分間〕することによって凝集
・凝結を防止し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド
粉末(1,060g)を得た。得られた本被覆オキサミ
ド粉末の分散性は、前記の(1) に記載したのと同様の方
法で、前記の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わ
りに本被覆オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察
した結果、沈降は認められなかった。また、得られた本
被覆オキサミド粉末の水中における保持率は、前記の
(1) に記載したのと同様の方法で、前記の(1) に記載し
た被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末
を用いて求めた結果、80%以上であった。
【0024】(6) 水溶性粘質多糖の被覆割合が1.2%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタンリュ
ーザー)を用いて混合し〔5,500rpm(1,73
0U)、5分間〕、その後、カルボキシメチルセルロー
ス(第一工業製薬株式会社製のセロゲン5A)(10
g)及びトリグリコ−A(林原商事製)(2g)を水
(80g)に溶解させたものをスプレー添加しながら低
速回転で混合〔3,000rpm(940U)、2分
間〕することによって展着し、次に高速回転で混合
〔5,500rpm(1,730U)、20分間〕する
ことによって凝集・凝結を防止し、水溶性粘質多糖で被
覆したオキサミド粉末(1,060g)を得た。得られ
た本被覆オキサミド粉末の分散性は、前記の(1) に記載
したのと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキ
サミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いてそ
の沈降状況を観察した結果、沈降は認められなかった。
また、得られた本被覆オキサミド粉末の水中における保
持率は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記
の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆
オキサミド粉末を用いて求めた結果、96%以上であっ
た。
【0025】(7) 水溶性粘質多糖の被覆割合が1.2%
の場合 オキサミド粉末〔前記の(1) で使用したものを1,00
0g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株
式会社製のセロゲン5A)(10g)及びトリグリコ−
A(林原商事製)(2g)を混合機〔有効容量20Lの
ヘンシルミキサー(三井三池化工機株式会社製、型式V
NMH−37VLA)〕を用いて混合し〔2,000r
pm(1,880U)、5分間〕、その後、水(80
g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔1,00
0rpm(940U)、2分間〕することによって展着
し、次に高速回転で混合〔2,000rpm(1,88
0U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防止
し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,0
60g)を得た。得られた本被覆オキサミド粉末の分散
性は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記の
(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆オ
キサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果、沈
降は認められなかった。また、得られた本被覆オキサミ
ド粉末の水中における保持率は、前記の(1) に記載した
のと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキサミ
ド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いて求めた
結果、96%以上であった。
【0026】実施例2〔スラリー状緩効性窒素肥料の効
果〕 (1) 0.5%スラリー状緩効性窒素肥料による栽培 実施例1の(4) で得た水溶性粘質多糖で被覆したオキサ
ミド粉末に水を加えながら攪拌し、沈降物が認められな
いスラリー状緩効性窒素肥料(水溶性粘質多糖で被覆し
たオキサミド粉末の0.5%溶液)を調製した。このス
ラリー状緩効性窒素肥料を、農薬散布や灌水のときに使
用する動力噴霧器を用いて芝生の試験圃場に散布した
(窒素施用量は、1区面積100m2 当たり150g
N)。約1ヵ月後の芝生の生育及び葉色の程度は、良好
でほとんどバラツキがなかった。
【0027】(2) 2%スラリー状緩効性窒素肥料による
栽培 実施例1の(4) で得た水溶性粘質多糖で被覆したオキサ
ミド粉末に水を加えながら攪拌し、沈降物が認められな
いスラリー状緩効性窒素肥料(水溶性粘質多糖で被覆し
たオキサミド粉末の2%溶液)を調製した。このスラリ
ー状緩効性窒素肥料を、前記の動力噴霧器を用いて芝生
の試験圃場に散布した(窒素施用量は、1区面積100
2 当たり150gN)。約1ヵ月後の芝生の生育及び
葉色の程度は、良好でほとんどバラツキがなかった。
【0028】(3) スラリー状緩効性窒素肥料を用いた施
肥回数 実施例1の(4) で得た水溶性粘質多糖で被覆したオキサ
ミド粉末に水を加えながら攪拌し、これにイタコン酸を
1.13%添加したスラリー状緩効性窒素肥料(オキサ
ミド1.4%)を用いて、ゴルフ場のグリーンの芝を育
成した。前記の肥料の施肥は、グリーンの芝の3区画
(500〜620m2 /区画)に、動力噴霧器(ハッタ
株式会社製)を用いて施肥し、芝の品質を維持した。そ
の施肥は、初回が3.00Ng/m2 、2回目が約40
日後に4.00Ng/m2 、3回目がそれから約45日
後に4.00Ng/m2 である(施肥量の合計は、1
1.00gN/m2 )。
【0029】対照の肥料(通常使用されている液肥)と
しては、液肥(N:P2O5:K2O:MgO:MnO:B2O3:Fe=25:6:12:
3:0.1:0.1:0.3)及び液肥(N:P2O5:K2O:MgO:MnO:B2O3:F
e=7:10:26:5.6:0.1:0.1:0.3)を用いて、グリーンの芝の
18区画(500〜620m 2 /区画)に、動力噴霧器
(ハッタ株式会社製)を用いて施肥し、芝の品質を維持
した。その施肥は、初回が液肥を1.00Ng/
2 、2回目が約20日後に液肥を1.00Ng/m
2 、3回目がそれから約10日後に液肥を1.25N
g/m2 、4回目がそれから約15日後に液肥を1.
50Ng/m2 、5回目がそれから約10日後に液肥
を1.25Ng/m2 、6回目がそれから約20日後に
液肥を1.50Ng/m2 、7回目がそれから約10
日後に液肥を1.50Ng/m2 、8回目がそれから
約15日後に液肥を1.25Ng/m2 、9回目がそ
れから約15日後に液肥を0.75Ng/m2 である
(施肥量の合計は、11.00gN/m2 )。従って、
ゴルフ場のグリーンの芝を良好に維持管理するために
は、本発明のスラリー状緩効性窒素肥料を用いることに
よって、従来の施肥回数を1/3にすることできる。
【0030】比較例1〔緩効性窒素肥料粉末の水中にお
ける保持率〕 (1) 水溶性粘質多糖が存在しない水中における緩効性窒
素肥料粉末の保持率 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタン
リューザー)を用いて攪拌した〔5,500rpm
(1,730U)、5分間〕。得られた本オキサミド粉
末の分散性は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方
法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の
代わりに本オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察
した結果、沈降が認められた。また、得られた本オキサ
ミド粉末の水中における保持率は、実施例1の(1) に記
載したのと同様の方法で、実施例1の(1) に記載した被
覆オキサミド粉末の代わりに本オキサミド粉末を用いて
求めた結果、4%であった。
【0031】(2) 0.0035%の水溶性粘質多糖水溶
液中における緩効性窒素肥料粉末の保持率 オキサミド
粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,000g〕
を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタンリューザ
ー)を用いて攪拌した〔5,500rpm(1,730
U)、5分間〕。得られた本オキサミド粉末の分散性
は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方法で、実施
例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本
オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果
〔ただし、1L容メスシリンダー中の1L溶液中に、カ
ルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株式会社製の
セロゲン5A)(0.035g)を溶解。〕、沈降が認
められた。また、得られた本オキサミド粉末の水中にお
ける保持率は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方
法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の
代わりに本オキサミド粉末を用いて求めた結果、40%
であった。
【0032】(3) 0.0035%の水溶性粘質多糖水溶
液中における緩効性窒素肥料粉末の保持率 オキサミド
粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,000g〕
を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタンリューザ
ー)を用いて攪拌した〔5,500rpm(1,730
U)、5分間〕。得られた本オキサミド粉末の分散性
は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方法で、実施
例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本
オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果
〔ただし、1L容メスシリンダー中の1L溶液中に、D
Kエステル−SS(第一工業製薬株式会社製のショ糖脂
肪酸エステル)(0.035g)を溶解。〕、沈降が認
められた。また、得られた本オキサミド粉末の水中にお
ける保持率は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方
法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の
代わりに本オキサミド粉末を用いて求めた結果、60%
であった。
【0033】(4) 水溶性粘質多糖の被覆割合が0.7%
の場合 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕、ポバール217 SS(クラレ製ポリビニ
ルアルコール)(7g)を混合機(前記の有効容量5L
のスパルタンリューザー)を用いて混合し〔5,500
rpm(1,730U)、5分間〕、その後、水(80
g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔3,00
0rpm(940U)、2分間〕することによって展着
し、次に高速回転で混合〔5,500rpm(1,73
0U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防止
し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,0
60g)を得た。得られた本被覆オキサミド粉末の分散
性は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記の
(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆オ
キサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果、沈
降は認められなかった。また、得られた本被覆オキサミ
ド粉末の水中における保持率は、前記の(1) に記載した
のと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキサミ
ド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いて求めた
結果、30%であった。
【0034】(5) 水溶性粘質多糖の被覆割合が1.7%
の場合 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕、ポバール217 SS(クラレ製ポリビニ
ルアルコール)(17g)を混合機(前記の有効容量5
Lのスパルタンリューザー)を用いて混合し〔5,50
0rpm(1,730U)、5分間〕、その後、水(8
0g)をスプレー添加しながら低速回転で混合〔3,0
00rpm(940U)、2分間〕することによって展
着し、次に高速回転で混合〔5,500rpm(1,7
30U)、20分間〕することによって凝集・凝結を防
止し、水溶性粘質多糖で被覆したオキサミド粉末(1,
060g)を得た。得られた本被覆オキサミド粉末の分
散性は、前記の(1) に記載したのと同様の方法で、前記
の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本被覆
オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察した結果、
沈降は認められなかった。また、得られた本被覆オキサ
ミド粉末の水中における保持率は、前記の(1) に記載し
たのと同様の方法で、前記の(1) に記載した被覆オキサ
ミド粉末の代わりに本被覆オキサミド粉末を用いて求め
た結果、50%であった。
【0035】(6) 水溶性粘質多糖と緩効性窒素肥料粉末
とを混合した時の緩効性窒素肥料粉末の水 中における
保持率 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製
薬株式会社製のセロゲン5A)(5g)及びトリグリコ
−A(林原商事製)(2g)を混合機(前記の有効容量
5Lのスパルタンリューザー)を用いて混合した〔5,
500rpm(1,730U)、5分間〕。得られた本
オキサミド粉末の分散性は、実施例1の(1) に記載した
のと同様の方法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキ
サミド粉末の代わりに本オキサミド粉末を用いてその沈
降状況を観察した結果、沈降が認められた。また、得ら
れた本オキサミド粉末の水中における保持率は、実施例
1の(1) に記載したのと同様の方法で、実施例1の(1)
に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本オキサミド
粉末を用いて求めた結果、14%であった。
【0036】(7) 水溶性粘質多糖と緩効性窒素肥料粉末
とを混合した時の緩効性窒素肥料粉末の水 中における
保持率 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕、カルボキシメチルセルロース(第一工業製
薬株式会社製のセロゲン5A)(20g)及びトリグリ
コ−A(林原商事製)(8g)を混合機(前記の有効容
量5Lのスパルタンリューザー)を用いて混合した
〔5,500rpm(1,730U)、5分間〕。得ら
れた本オキサミド粉末の分散性は、実施例1の(1) に記
載したのと同様の方法で、実施例1の(1) に記載した被
覆オキサミド粉末の代わりに本オキサミド粉末を用いて
その沈降状況を観察した結果、沈降が認められた。ま
た、得られた本オキサミド粉末の水中における保持率
は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方法で、実施
例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の代わりに本
オキサミド粉末を用いて求めた結果、30%であった。
【0037】(8) 0.007%の水溶性粘質多糖水溶液
中における緩効性窒素肥料粉末の保持率 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタン
リューザーを使用)を用いて攪拌した〔5,500rp
m(1,730U)、5分間〕。得られた本オキサミド
粉末の分散性は、実施例1の(1) に記載したのと同様の
方法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末
の代わりに本オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観
察した結果〔ただし、1L容メスシリンダー中の1L溶
液中に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株
式会社製のセロゲン5A)(0.05g)及びトリグリ
コ−A(林原商事製)(0.02g)を溶解。〕、沈降
が認められた。また、得られた本オキサミド粉末の水中
における保持率は、実施例1の(1) に記載したのと同様
の方法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉
末の代わりに本オキサミド粉末を用いて求めた結果、5
5%であった。
【0038】(9) 0.014%の水溶性粘質多糖水溶液
中における緩効性窒素肥料粉末の保持率 オキサミド粉末〔実施例1の(1) で使用したものを1,
000g〕を混合機(前記の有効容量5Lのスパルタン
リューザー)を用いて攪拌した〔5,500rpm
(1,730U)、5分間〕。得られた本オキサミド粉
末の分散性は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方
法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の
代わりに本オキサミド粉末を用いてその沈降状況を観察
した結果〔ただし、1L容メスシリンダー中の1L溶液
中に、カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬株式
会社製のセロゲン5A)(0.1g)及びトリグリコ−
A(林原商事製)(0.04g)を溶解。〕、沈降が認
められた。また、得られた本オキサミド粉末の水中にお
ける保持率は、実施例1の(1) に記載したのと同様の方
法で、実施例1の(1) に記載した被覆オキサミド粉末の
代わりに本オキサミド粉末を用いて求めた結果、74%
であった。
【0039】比較例2〔緩効性窒素肥料粉末懸濁液によ
る栽培〕 (1) 0.5%の緩効性窒素肥料粉末懸濁液による栽培 実施例2の(1) において、水溶性粘質多糖で被覆したオ
キサミド粉末の代わりに比較例1の(1) で得たオキサミ
ド粉末を用いてオキサミド粉末の懸濁液を調製した(オ
キサミド粉末の0.5%溶液)。この懸濁液を、動力噴
霧器を用いて芝生の試験圃場に散布し、約10日後の芝
生の生育及び葉色の程度を観察すると、良い部分と悪い
部分が目立つなどのバラツキが認められた。
【0040】(2) 2%の緩効性窒素肥料粉末懸濁液によ
る栽培 実施例2の(1) において、水溶性粘質多糖で被覆したオ
キサミド粉末の代わりに比較例1の(1) で得たオキサミ
ド粉末を用いてオキサミド粉末の懸濁液を調製した(オ
キサミド粉末の2%溶液)。この懸濁液を、動力噴霧器
を用いて芝生の試験圃場に散布し、約10日後の芝生の
生育及び葉色の程度を観察すると、良い部分と悪い部分
が目立つなどのバラツキが認められた。
【0041】(3) 0.5%の緩効性窒素肥料粉末懸濁液
による栽培 実施例2の(1) において、水溶性粘質多糖で被覆したオ
キサミド粉末の代わりに比較例1の(2) で得たオキサミ
ド粉末と水溶性粘質多糖との混合物を用いてオキサミド
粉末の懸濁液を調製した(オキサミド粉末の0.5%溶
液とした。)。この懸濁液を、動力噴霧器を用いて芝生
の試験圃場に散布し、約10日後の芝生の生育及び葉色
の程度を観察すると、良い部分と悪い部分が目立つなど
のバラツキが認められた。
【0042】(4) 2%の緩効性窒素肥料粉末懸濁液によ
る栽培 実施例2の(1) において、水溶性粘質多糖で被覆したオ
キサミド粉末の代わりに比較例1の(2) で得たオキサミ
ド粉末と水溶性粘質多糖との混合物を用いてオキサミド
粉末の懸濁液を調製した(オキサミド粉末の2%溶液と
した。)。この懸濁液を、動力噴霧器を用いて芝生の試
験圃場に散布し、約10日後の芝生の生育及び葉色の程
度を観察すると、良い部分と悪い部分が目立つなどのバ
ラツキが認められた。
【0043】
【発明の効果】本発明のスラリー状緩効性窒素肥料は、
次のような効果を有するものである。 (1) 粉状のものと比べて、散布のときに風で飛散しにく
い。 (2) 粒状のものと比べて、刈り取った芝と共に捨てられ
る割合が少ない。 (3) 粉状,粒状のものと比べて、必要な微量肥料成分を
容易にブレンドして使用することができる。 (4) 化成肥料と比べて、濃度障害を起こさないように施
肥を多数回に分ける必要がないので、散布施用の労力を
低減させることができる。 (5) 粒状のものと比べて、植物の根元まで均一に散布施
肥できる。 (6) 窒素肥料粉末を水溶性粘質多糖溶解液に分散させる
場合と比べて、高価な界面活 性剤の使用量が非常に
少なくてよく、また分散効果も非常によい。 (7) 保存中における圧密による凝集・凝結を起こしにく
いので、スラリー状肥料の調製が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 隆 山口県宇部市大字沖宇部字狩又104の1 宇部興産株式会社宇部研究所常盤分室内 (72)発明者 中村 昌平 山口県宇部市相生町8−1 宇部興産ビル 宇部興産株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中における保持率が80%以上であ
    り、平均粒径が0.1〜100μmである、水溶性粘質
    多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉末。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.1〜100μmの緩効性
    窒素肥料粉末を80〜100重量部、水溶性粘質多糖を
    0.005〜10重量部、水を2〜20重量部の割合で
    混合し、該緩効性窒素肥料粉末を粉砕・攪拌しながら凝
    集・凝結を防止することによって、該緩効性窒素肥料粉
    末を水溶性粘質多糖で被覆することを特徴とする請求項
    1記載の水溶性粘質多糖で被覆された緩効性窒素肥料粉
    末の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した水溶性粘質多糖で被
    覆された緩効性窒素肥料粉末を水溶液中に0.05〜1
    0%分散させることを特徴とするスラリー状緩効性窒素
    肥料。
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