JP2006124461A - 油改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の油改質装置より更に強力かつ効果的に食用油または石油等の油を還元して油の酸化を防止できるようにすること。
【解決手段】 油中に少なくとも1つの一対の交流電極と、それぞれの交流電極間に配設した接地電極とを備え、該接地電極と前記交流電極との間隙を4mm以下にし、前記一対の交流電極間に交流を印加して前記油中に含まれる水分を電気分解し水素を発生させて、油を還元させる構成にしたため、従来の油改質装置より更に強力かつ効果的に食用油または石油等の油を還元して油の酸化を防止できるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、食用油または石油等の油中に含まれる水分を交流で電気分解し還元して油の酸化を防止し、また酸化して悪化した油を還元して改善する油改質装置に関するものである。
かかる油を改質する装置としては、例えば、食用油中に浸漬自在に突出せしめた一対の棒状の印加電極と、当該印加電極間に並列配置した棒状の接地電極と、直流電源と、当該直流電源に可変抵抗を介してそれぞれ接続されていて、直流電源からの直流電圧を高周波の交流に変換して印加電極に交互に与える第1、第2の高周波スイッチと、これらの高周波スイッチに抵抗を介して高周波の切換指令を与えるフリップフロップ回路からなる高周波切換指令回路と、当該高周波切換指令回路に高周波信号を与える高周波発振器と、この高周波発振器に接続された制御回路とを備え、該制御回路は変動信号発生器を内蔵し、変動信号発生器からの出力制御信号を高周波発振器に与えて発振周波数を制御して変化させるとともに、該高周波切換指令回路が高周波発振器からの切換指令を第1、第2高周波スイッチに与え、これら第1、第2の高周波スイッチがオン、オフされて交流を形成して、上記一対の印加電極間に交流電圧を印加するようにしてなるフライ調理具がある。(特許文献1参照)
この特許文献1の公知技術は、同一出願人によりなされたものであり、より強力かつ効果的に食用油の酸化防止が可能なフライ調理方法及びその装置を提供することを目的とし、特に、発振周波数を制御して変化させ、且つ波形をパルス状にしてピーク電圧を高くして一対の印加電極間に交流電圧を印加することに特徴を有したものである。
特開2001−252026号公報
しかしながら、前記特許文献1の公知技術により、相当の還元力の改善がなされたが、本発明者による鋭意研究の結果、更に還元力の向上を図ることができるということが見出された。
従って、更により強力かつ効果的に食用油または石油等の油を還元して油の酸化を防止できるようにするということに解決しなければならない課題を有している。
上記した従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、油中に少なくとも1つの一対の交流電極と、それぞれの交流電極間に配設した接地電極とを備え、該接地電極と前記交流電極との間隙を4mm以下にし、前記一対の交流電極間に交流を印加して前記油中に含まれる水分を電気分解し水素を発生させて、油を還元させる構成であることを最も主要な特徴とする。
この発明において、一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること;前記交流は、周波数が1〜60kHzの範囲のパルス状波形であること;前記交流は、一対の交流電極に印加する電圧が100V以上であること;一対の交流電極と、接地電極とは、リング状の接地電極の内側と外側とのそれぞれに該接地電極と同心でリング状の一対の交流電極を配設させたこと;前記油は、接地された状態の容器に貯留されること;を付加的な要件として含むものである。
本発明の油改質装置は、油中に少なくとも1つの一対の交流電極と、それぞれの交流電極間に配設した接地電極とを備え、該接地電極と前記交流電極との間隙を4mm以下にし、前記一対の交流電極間に交流を印加して前記油中に含まれる水分を電気分解し水素を発生させて、油を還元させる構成にしたことにより、更により強力かつ効果的に食用油または石油等の油を還元して油の酸化を防止することができるという優れた効果を奏する。
油中に少なくとも1つの一対の交流電極と、それぞれの交流電極間に配設した接地電極とを備え、該接地電極と前記交流電極との間隙を4mm以下にし、前記一対の交流電極間に電圧が100V以上で周波数が1〜60kHzの範囲のパルス状波形の交流を印加すると共に、該交流の周波数を制御し、前記油中に含まれる水分を電気分解し水素を発生させて、油を還元させる構成であることにより実現した。
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明の実施の形態に係る実施例1の油改質装置を図1乃至図3を用いて説明する。図1には、油改質装置1を略示的に示した平面図を示してある。油改質装置1には、コントロールボックス2と、電極3とが備えられている。
このコントロールボックス2には、例えば、電源をオン/オフできる電源切換スイッチ4と、電源のオン/オフを確認できるパイロットランプ5と、時間の設定ができる時間設定ダイヤル6と、電圧値を確認できる電圧計7等が配設されており、図示はしていないが、例えば、ACアダプタ等によって電源が供給されている。
コントロールボックス2と電極3とは、ケーブル8を介して電気的に接続されており、前記コントロールボックス2によって制御され出力された電圧は、ケーブル8を介して、該に固定して配設された電極3に供給される。
ケーブル8の外周面は、断熱性、耐熱性及び絶縁性を有する合成樹脂材等によって形成することが好ましく、また、ケーブル8には、図示はしていないが、油温を測定する油温計等を配設させても良い。
電極3は、リング状の接地電極3aと、該接地電極3aに沿ってその内側と外側とのそれぞれに該接地電極3aと同心で配設されたリング状の一対の交流電極3b、3cとから構成されている。前記電極3は、例えば、金属製のパイプ等を折り曲げて円形状に形成するだけであっても良く、前記金属としては、スズもしくはステンレス等の溶解性の高い金属またはチタン、白金もしくは白金をメッキしたチタン等の溶解性のない安定した金属により形成することができる。
つまり、電極3は、一対の交流電極3b、3cと、それぞれの交流電極3b、3cの間に配設された接地電極3aとから構成されており、該接地電極3aと前記交流電極3b、3cとの間隙は、4mm以下、即ち、内側の交流電極3bと接地電極3aとの間隙及び接地電極3aと外側の交流電極3cとの間隙(ギャップ)をそれぞれ4mm以下の近接させた状態にしてある。
これら接地電極3aと、一対の交流電極3b、3cとからなる電極3は、例えば、デルリン等の樹脂材等により形成された保持部材10により、前記接地電極3aと前記交流電極3b、3cとの間隙が4mm以下にされた状態に保持されている。
図2には、油改質装置1のコントロールボックス2の内部に形成された回路の一例と、該回路に接続すると共に油中に配設された一対の交流電極3b、3c及び接地電極3aからなる電極3とを示してある。この油とは、例えば、植物油、石油またはエンジンオイル等を含むものである。
コントロールボックス2には、直流電源11が供給されている。この直流電源11としては、例えば、図示していない前記ACアダプタ等によって供給されるものであり、10〜50Vの範囲で選択調整して用いることができる。
一対の交流電極3b、3cと直流電源11との間には、可変抵抗12を介して、前記直流電源11からの直流電流を高周波の交流に変換して一対の交流電極3b、3cに交互に印加する第1、第2の高周波スイッチ13a、13bが接続されている。
これら第1、第2の高周波スイッチ13a、13bは、トランジスタ14a、15aと、14b、15bとでそれぞれ構成されている。これら第1、第2の高周波スイッチ13a、13bの間には、コンデンサ16が接続されており、前記一対の交流電極3b、3cの電極間に交流を印加する。
前記一対の交流電極3b、3cは、トランスジューサ17を介して前記第1、第2の高周波スイッチ13a、13bに接続されており、第1、第2高周波スイッチ13a、13bからの高周波交流は前記トランスジューサ17を経ることによって100V以上の電圧に昇圧される。
第1、第2の高周波スイッチ13a、13bには、抵抗18a、18bをそれぞれ介して前記第1、第2の高周波スイッチ13a、13bに高周波の切換指令を与えるフリップフロップ回路よりなる高周波切換指令回路19が接続され、該高周波切換指令回路19には制御信号に応動して発振周波数が変化する電圧制御発振器(VCO)からなる高周波発振回路20が接続されている。この高周波発振回路20にはランダム電圧発生器を内蔵した制御回路21が接続されている。
高周波発振回路20は可変周波数形の発振回路であって、電圧制御発振器(VCO)に与えられる制御信号の電圧値によってその発振周波数を制御できる。この交流の周波数の変動幅は、例えば、略1〜60kHzの範囲であり、その波形は、パルス状の波形を使用するものである。
制御回路21は、前記発振回路19にその発振周波数を制御するための制御電圧を供給するものである。この制御回路21は、ランダム信号発生器を内蔵していて、それが発生するランダム信号に応じて電圧値の変化する制御信号を出力する。
シフトレジスタ22(SFR)は、例えば、16ステージ構成のものであり、その蓄積情報は、端子Q0〜Q15より並列に読みとることができるように構成されている。このシフトレジスタ22のシフト動作は、シフトレジスタ22の端子CKにパルス発生器23(PG)より供給されるシフトパルスによって制御される。
また、フリップフロップ24(FF)は、パルス発生器23のパルスにより反転動作を行ない、反転する毎に図3の"I"部分の急激な周波数変動を行なっている。
ゲート25(GT)は、両入力端子に入力される信号が同一であれば「1」、相違すれば「0」の信号を出力するという、所謂排他的論理和の動作を行なうゲートであり、一致検出回路として作用するものである。
このゲート25の入力端子の一方には、前記シフトレジスタ22の偶数ステージ、例えば、第6ステージの端子Q6より出力される信号が、また、他方には奇数ステージ、例えば、第9ステージの端子Q9より出力される信号が夫々入力される。
このゲート25によって一致を検出した結果は、シフトレジスタ22の端子Dより最下位の第0ステージへ入力される。この情報を逐次上位へシフトしてゆくことによってシフトレジスタ22内に乱数情報が蓄えられるようになる。
このシフトレジスタ22内に蓄えられた乱数情報は、適当に選択された約半数のステージから抵抗器rによって取り出される。この実施例1においては、第1、第3、第8、第10、第12〜15の各ステージから信号を取り出しているが、これに限定されるものではない。
前記抵抗器rは、これら各ステージの端子Q1、Q3、Q8、Q10、Q12〜Q15を共通の接続点Aに接続されている。この接続点Aは、高周波発振回路20を構成する電圧制御発振器(VCO)に接続されている。また一方、電圧制御発振器(VCO)はパルス発生器23に接続されたフリップフロップ回路24にも接続されている。
従って、これら各ステージに蓄積された乱数情報のパターンが変化すると、高レベルと低レベルとに接続される抵抗器rの合成値が夫々変化するため、接続点Aの電圧がこれに応じて変動してランダム信号が作成される。この動作は、例えば、コンピュータ等を使用して再現しても良い。
パルス発生器23は、例えば、5Hzを中心周波数とした連続パルスを送出するパルス発生器であって、電圧制御発振器(VCO)に入力される信号の電圧値に従ってパルスの繰返し周期が変化するように構成されたものである。
この周波数の変動範囲は、中心周波数の上下に夫々数ヘルツ程度のものとなっている。このパルス発生器23の端子には、前記接続点Aの電圧が抵抗器r2を介して与えられている。
従って、このパルス発生器23は、シフトレジスタ22によるランダム信号に応じてそのパルスの繰返し周期が変動することになる。前記シフトレジスタ22は、このパルス発生器23の出力をシフトパルスとして用いている。従って、電圧制御発振器(VCO)に出力される制御信号は、その電圧値、変動周期共に全くランダムに変化することになるとともに、フリップフロップ回路24によっても、図4に示す急変化I部分を作りだしている。
ここで、この制御回路21においては、制御信号をシフトレジスタ22の約半数のステージに蓄積された乱数情報のパターンを利用して作成しており、その採用ステージにも偏りがあり、さらに前述のようにシフトレジスタ22の入力情報として、偶数、奇数の各々から1ステージずつ選ばれた情報の一致検出結果を用いているため、電圧値が急上昇して急降下するような極めて変動の激しい部分が頻繁に現われ、また、短期間で同一の変化パターンを繰返すようなことはない。
上述のように構成された油改質装置の直流電源11のスイッチがオンされると、制御回路21が上述のように動作してランダム信号に対応した制御信号が高周波発振回路20に送出され、発振周波数が制御されてランダムに変化する。
そして、高周波発振回路20から高周波切換指令回路19にランダムに変化する高周波信号が与えられる。高周波切換指令回路19にランダムな高周波信号が与えられると、該高周波切換指令回路19から高周波の切換指令が出され、第1、第2の高周波スイッチ13a、13bに交互に与えられ、これら第1、第2の高周波スイッチ13a、13bが高周期でオン/オフされてランダムに変化する高周波交流が形成されるとともに、トランスジューサ17によって100V以上に昇圧されて油中に配置された一対の交流電極3b、3cに交互に印加される。
ここで、高周波発振回路20から送出される発振周波数は、図4のように、その電圧値及びその電圧値の持続時間が全くランダムに変化するとともに、電圧値が急上昇してから急降下するという極めて激しく変動する部分を頻繁に含んだものになる。
このように構成された油改質装置1を用いる場合には、例えば、調理用鍋に収容された食用油を熱しながら、油改質装置1のフック10を調理用鍋の縁に引っ掛けて電極3の部分を前記食用油中に沈めてコントロールボックス2の電源をオンにし、適温に達した後に通常通り調理をすればよい。
なお、油改質装置1の電源は、時間設定ダイヤル6を操作して、所定時間経過後に自動的に電源がオフになるよう設定することもできる。また、必ずしも調理中、常時オン状態にしておく必要はなく、所定時間チャージした後は調理時間長さに応じて適宜オン・オフを繰り返すようにしてもよい。
油改質装置1の電極3を植物油、石油またはエンジンオイル等の油中に入れ、油改質装置1を動作させた場合には、該油自体は、電気的な抵抗値が高いために殆ど変化しないが、前記油中に略3〜5%程度含まれる少量の水分を交流で電気分解して原子状の水素及び水素分子(以下、単に水素という)を発生させることができる。
そして、油中で発生した前記水素が、該油を使用して酸化されたことにより該油に結合した酸素と反応すると、該油が還元され、該油の粘度が低下すると共に、該油が消臭され、恰も新しい油のようになるのである。
この油とは、使用し酸化されて劣化した油に限定されるものではなく、例えば、新しい油等も含むものであり、該新しい油に油改質装置1を使用した場合には、該油を使用する前に、該油中に予め水素を含有させておくことができるため、該油の悪化、即ち酸化を防止できるようになるのである。
また、油として、特に、食用油を使用した場合には、該食用油によって調理した各食材の旨味が添加される、即ち、肉を調理した後に油改質装置1を使用することにより、該肉の匂いが消臭されると共に、前記食用油が改質されるが、該食用油中には、前記肉の旨味成分は残ることになるので、その食用油を油改質装置1を使用して還元しつつ、繰り返し使用することによって、様々な食材の旨味成分を添加させることができ、その際に、前記食用油の粘土が上昇することはないので、扱い難くなることはないのである。
この実施例1で示したように、油を交流で電気分解をした場合には、一対の交流電極3b、3c間で前記油に含まれる水の分子が激しく揺さぶられ、該水の分子が細分化されるため、該交流電気分解により発生する水素の発生量は、直流電気分解により発生する水素の発生量よりも多く、また、電力効率が良いため、直流で電気分解する場合よりも、少ない消費電力で交流電気分解することができるのである。
また、一対の交流電極3b、3cには、ダイオード26a、26bのカソード側が接続されており、該ダイオード26a、26bのアノード側は、接地電極3aに接続されている。そして、タイマー回路27は、直流電源11の接地されている電極と、交流を印加できる回路とに接続されている。
この交流を印加できる回路としては、交流を印加できる回路であればいずれのもの、例えば、図示していない交流発信器等であっても良く、図3においては、回路構成を簡略化するために、一対の交流電極3b、3cと同一の交流を印加できる回路、例えば、該一対の印加電極3b、3cのいずれか一方の回路に接続して同期させたものであり、タイマー回路27のパルス信号によって接地されている電極と、前記一対の交流電極3b、3cと同一の交流を印加する電極とに切り換え、接地電極3aの電位は周期的に接地の電位から該一対の交流電極3b、3cと同一の交流の電位になるようにしている。
このように、接地電極3aの電位を、例えば、一時的に該一対の交流電極3b、3cと同一の交流の電位にする等の交流を印加することによって、接地電極3aに吸着したスケール等を除去してクリーニングできるため、該接地電極3aから発生する水素の量が低下することなく、該水素の発生量を多くできるのである。
この接地電極3aを周期的に接地の電位から交流を印加する時間は、該接地されてている時間と比べて短くて良く、該交流を印加する時間は接地の状態である時間に対して、略1/10〜1/1000程度の時間、例えば、接地の状態が略20分程度である場合に交流を印加する時間が略10秒程度であれば十分である。このように接地電極3aをクリーニングすることによって、スケール等の付着をより防ぐことができると共に、交流電気分解の効率をより高く持続できるのである。
つまり、接地電極3aをクリーニングしている時間、即ち、該接地電極3aに交流を印加している間は、油に含まれる水分の電気分解が微少になるが、前記接地電極3aがクリーニングされることによって、該クリーニング後の電気分解の効率を高くできるので、前記油を改質する時間を短くできるのである。
なお、接地電極3aは、必ずしもタイマー回路27に接続することを要するものではなく、例えば、単に接地されるようにするだけであっても良い。
(試験例1)
以下に、試験例1として、実施例1の油改質装置1を使用して油を交流電気分解して還元した際における油脂のAV値のデータを表1に示す。この表1においては、実施例1の油改質装置1を用いたAV値のデータの他、接地電極と前記交流電極との間隙(ギャップ)を8mmにしてそれ以外は前記実施例1と同様にしたものを比較例1とし、また、全く電気分解を行わない油のデータを比較例2として示してある。なお、前記油脂のAV値とは、油脂1g中に含まれている遊離脂肪酸を中和するに要するKOHのmg数を表しているものである。
Figure 2006124461
この表1から明らかなように、接地電極と交流電極との間隙(ギャップ)を8mmにした比較例1及び全く電気分解を行わない比較例2と比較して、本発明に係る実施例1の接地電極と交流電極との間隙(ギャップ)を4mm以下のときに油脂のAV値を低くできることが理解できる。なお、表には示していないが、この実施例1の油改質装置1を用いて電極電界強度を測定したところ、電極電界強度は接地電極と交流電極との間隙が狭いほど電極の内側に強くなり、該接地電極と交流電極との間隙が4mm以下のときに特に強くなることが確認できた。
(試験例2)
以下に、試験例2として、実施例1の油改質装置1を使用して油を交流電気分解して還元した際における油の酸化値を測定した結果を表2に示す。この表2においては、実施例1の油改質装置1を用いた油の酸化値測定結果の他、接地電極と前記交流電極との間隙(ギャップ)を8mmにしてそれ以外は前記実施例1と同様にしたものを比較例1とし、また、全く電気分解を行わない油のデータを比較例2として示してある。なお、測定に使用した油としては、サラダ油(味の素社製)3リットル、コーン油(味の素社製)2.4リットル、ごま油(日清社製)600ミリリットル及びキャノーラ油(日清社製)500ミリリットルを混合した油を用い、該油を180℃に加熱させ、1時間毎に50ccの水を噴霧し、前記油加熱後における2時間、4時間及び6時間経過後の酸化値を測定したものである。
Figure 2006124461
この表2から明らかなように、接地電極と交流電極との間隙(ギャップ)を8mmにした比較例1及び全く電気分解を行わない比較例2と比較して、本発明に係る実施例1の接地電極と交流電極との間隙(ギャップ)を4mm以下のときに油の酸化値を低く抑えることができることが理解できる。
本発明の実施の形態に係る実施例2の油改質装置1について、油中に配設した電極34と前記コントロールボックス2の内部に形成された回路の一例とを図4に示す。なお、この実施例2においては、タイマー回路27を直流電源11の正極側と、負極側、即ち、接地電位側とに接続させ、一対の交流電極34b、34cに印加する交流の周波数を制御する回路の換わりに、交流発信器31(OSC)を接続させたものであり、その他の回路構成については、前記実施例1と同様であり、説明が重複するため、同一の構成のものには、同一の符号を付し、その説明については省略する。
この実施例2においては、接地電極34aはパルス信号によるタイマー回路27に接続されており、該タイマー回路27は、直流電源11の負極側、即ち接地されている電極と、正極側、即ち電源電極とに接続されており、タイマー回路27のパルス信号によって前記接地されている電極と電源電極とを切り換え、接地電極34aの電位は周期的に接地の電位からプラスの電位になる。
このように、接地電極34aの電位を一時的に接地の電位からプラスの電位にすることによっても、前記接地電極34aに付着したスケール等を除去してクリーニングすることができるのである。
また、図4に示したように、油中に配設した電極34は、一対の交流電極34b、33cを複数配設し、該交流電極34b、33c間にそれぞれ接地電極34aを配設させても良く、この場合も、それぞれの電極間、即ち、交流電極34bと接地電極34aとの間隙及び接地電極34aと交流電極33cとの間隙をそれぞれ4mm以下にさせるのである。
つまり、油中に少なくとも1つの一対の交流電極34b、33cと、それぞれの交流電極34b、33c間に配設した接地電極34aとを配設し、該接地電極34aと前記交流電極34b、33cとの間隙を4mm以下にすることにより、その間隙が4mmを越える場合と比較して、更により強力かつ効果的に油を還元して該油の酸化を防止することができるのであり、一対の交流電極34b、33cを複数配設させる場合には、該交流電極34b、33c間にそれぞれ接地電極34aを配設させることによって、その効果をより一層高くすることができるのである。
これら接地電極34aと、交流電極34b、33cとの電極34としては、例えば、丸状または角状等の形状であっても良い。
なお、一対の交流電極34b、33c間に交流を印加できれば良いのであるから、該交流を印加するための回路としては、前記実施例1の周波数を制御する回路に限られるものではなく、例えば、所定周波数の交流を発信する交流発信器31(OSC)等を使用しても良い。
本発明の実施の形態に係る実施例3の油改質装置1について、油中に配設した電極34と前記コントロールボックス2の内部に形成された回路の一例とを図5に示す。なお、この実施例3においては、接地された状態の容器35に油を貯留させて、該油を改質するものであり、その他の構成については、前記実施例1及び実施例2と同様であり、説明が重複するため、同一の構成のものには、同一の符号を付し、その説明については省略する。
この実施例3においては、油を接地された状態の容器35(例えば、接地させたフライヤー鍋等)に貯留させて、該油中に電極34を配設させたものである。このように、油を貯留させる容器35を接地の状態にすることにより、該容器35が接地電位であるため前記油を使用等して酸化・汚れた油が該容器の底部に固形状となって析出されると共に、酸化値の上昇が略10%程度低減されて、前記油の変色も減少した。
そのため、長期にわたって改質した状態に油を維持させることができ、また、容器35の底部に汚れた油が析出されるため、該容器35の清掃を容易にすることができる。
なお、この接地された状態の容器35は、電極34との組み合わせだけでなく、前記実施例1の接地電極3aと、一対の交流電極3b、3cとからなる電極3との組み合わせで使用することもできることは勿論である。
本発明の実施例1に係る油改質装置を略示的に示した平面図である。 同油改質装置のコントロールボックスの内部に形成された回路構成の一例と、該回路に接続する電極とを略示的に示した回路図である。 同油改質装置の波形図である。 本発明の実施例2に係る油改質装置のコントロールボックスの内部に形成された回路構成の一例と、該回路に接続する電極とを略示的に示した回路図である。 本発明の実施例3に係る油改質装置のコントロールボックスの内部に形成された回路構成の一例と、該回路に接続する電極とを略示的に示した回路図である。
符号の説明
1 油改質装置
2 コントロールボックス
3、34 電極
3b、3c、34b、34c 一対の交流電極
3a、34a 接地電極
4 電源切換スイッチ
5 パイロットランプ
6 時間設定ダイヤル
7 電圧計
8 ケーブル
10 保持部材
11 直流電源
12 可変抵抗
13a 第1の高周波スイッチ
13b 第2の高周波スイッチ
14a、15a トランジスタ
16 コンデンサ
17 トランスジューサ
18a、18b 抵抗
19 高周波切換指令回路
20 高周波発振回路
21 制御回路
22 シフトレジスタ
23 パルス発生器(PG)
24 フリップフロップ(FF)
25 ゲート(GT)
26a、26b ダイオード
27 タイマー回路
35 接地された状態の容器

Claims (6)

  1. 油中に少なくとも1つの一対の交流電極と、それぞれの交流電極間に配設した接地電極とを備え、
    該接地電極と前記交流電極との間隙を4mm以下にし、
    前記一対の交流電極間に交流を印加して前記油中に含まれる水分を電気分解し水素を発生させて、油を還元させる構成であること
    を特徴とする油改質装置。
  2. 一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の油改質装置。
  3. 前記交流は、
    周波数が1〜60kHzの範囲のパルス状波形であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の油改質装置。
  4. 前記交流は、
    一対の交流電極に印加する電圧が100V以上であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の油改質装置。
  5. 一対の交流電極と、接地電極とは、
    リング状の接地電極の内側と外側とのそれぞれに該接地電極と同心でリング状の一対の交流電極を配設させたこと
    を特徴とする請求項1に記載の油改質装置。
  6. 前記油は、
    接地された状態の容器に貯留されること
    を特徴とする請求項1に記載の油改質装置。
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