JP4296036B2 - 液体の交流電気分解方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体、例えば、湖沼、河川もしくは工業廃水等の汚水、またはミネラル水もしくは飲料水等の液体を交流で電気分解し、酸化還元電位の低い液体にすることに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、湖沼、河川もしくは工業廃水等の汚水、または飲料水等の液体を改質する場合には、一般的に、各種の還元剤等の薬品を用いて化学反応を起こさせて改質していた。
【0003】
また、還元剤等の薬品等を使用しないで液体の改質をする方法としては、例えば、第1、第2の電極には酸化還元電位を低下させる金属からなる電極を用い、第3の電極を接地し、前記第1、第2の電極間に交流を印加して水を電気分解することによって、水の酸化還元電位を下げるようにした技術がある(特許文献1参照)。
【0004】
更に、一対の印加電極と、該印加電極に近接した接地電極を配置し、該接地電極にはステンレスを使用し、前記印加電極には電解性の高い金属からなる電極を用い、一対の印加電極に交流を印加して水の酸化還元電位を下げる水処理を行う際に、前記交流の周波数を制御する信号発生器を使用した技術がある(特許文献2参照)。
【0005】
前記特許文献1、特許文献2においては、いずれも同一出願人によるものであり、一対の印加電極間に交流を印加し、該一対の印加電極に近接させて接地電極を配設する点において、共通するものである。
【0006】
【特許文献1】
特許第2623204号公報(請求項1)
【特許文献2】
特許第3337422号公報(請求項1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術の還元剤等の薬品等を用いて化学反応を起こさせる方法を行う場合には、液体の改質を行う度に還元剤等の薬品等を用意する必要があり、コストが高くなるという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献1の公知技術においては、水を電気分解する際に、電極に液体中に含有されていたスケール等が吸着し、このようにスケール等が吸着した状態のままで、水の電気分解を行った場合には、水の酸化還元電位を下げる効果が低くなってしまうという問題を有する。
【0009】
前記特許文献2の公知技術においても、同様に、水を電気分解する際に、接地電極にスケール等が吸着し、このようにスケール等が吸着した状態のままで、水の電気分解を行った場合には、水の酸化還元電位を下げる効果が低くなってしまうという問題を有する。
【0010】
従って、従来の技術においては、還元剤等の薬品等を必要とせず、水を電気分解する際、電極、特に接地する電極にスケール等を吸着しづらくすることによって、水の酸化還元電位を下げる効果、即ち、水素を発生させる効果が低くなることを防ぐということに解決しなければならない課題を有している。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した従来例の課題を解決する具体的手段として本発明に係る第1の発明として、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを配設し、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げることを特徴とする液体の交流電気分解方法を提供するものである。
【0012】
この第1の発明において、前記第1の接地する電極に印加する交流は、一対の交流電極に印加される交流のいずれか一方と同期させること;前記第1の接地する電極に印加する交流は、接地される時間に対して、1/10〜1/1000の時間付与されること;前記第1の接地する電極は、略矩形状を呈する網目状に形成すること;前記一対の交流電極と第1の接地する電極との周囲には、略箱形状を呈する網目状の第2の接地する電極を配設すること;前記一対の交流電極は、チタン材に白金を蒸着またはメッキすること;一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること;を付加的な要件として含むものである。
【0013】
また、第2の発明として、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを備え、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げる構成にしたことを特徴とする液体の交流電気分解装置を提供するものである。
【0014】
この第2の発明において、前記第1の接地する電極に印加する交流は、一対の交流電極に印加される交流のいずれか一方と同期させること;前記第1の接地する電極に印加する交流は、接地される時間に対して、1/10〜1/1000の時間付与されること;前記第1の接地する電極は、略矩形状を呈する網目状に形成すること;前記一対の交流電極と第1の接地する電極との周囲には、略箱形状を呈する網目状の第2の接地する電極を配設すること;前記一対の交流電極は、チタン材に白金を蒸着またはメッキすること;一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること;を付加的な要件として含むものである。
【0015】
本発明に係る交流電気分解方法においては、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを配設し、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げること、また、交流電気分解装置においては、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを備え、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げる構成にしたことにより、還元剤等の薬品等を必要とせず、接地する電極を周期的に交流を印加することにより、液体の改質、即ち、水素(活性水素)を発生させて該液体の酸化還元電位を低下させる作業を長時間行った場合であっても接地電極にスケール等の付着物が吸着することはほとんどなく、長時間に亘って安定した液体の電気分解をすることが可能になって、水等の液体の酸化還元電位を極めて低くする、即ち、該液体中に水素をより多く発生させることができると共に、電極の清掃等のメンテナンスを容易にし、その回数も削減できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
水槽1に収容された図示していない液体中に第1の接地電極2と、一対の印加電極3a、3bとを配設した交流電気分解の第1の実施例を回路図と共に図1に示し、第1の接地電極2を拡大した略示的な平面図を図2に示す。尚、本発明に係る交流電気分解方法は、同一出願人による特許第2615308号の交流による水の改質方法を基本の発明としたものであるが、本発明においては、配設させた電極にスケール等を吸着しづらくすることによって、水の酸化還元電位を下げる効果、即ち、水素(活性水素)を発生させる効果が低くなることを防ぐことを目的としたものである。
【0017】
水槽1には処理対象となる液体が収容されている。また、前記略矩形状の第1の接地電極2としては、例えば、ステンレスまたは鉄等の金属からなる板材等を使用しても良いが、網目状に形成したチタン材に白金を蒸着またはメッキしたものを使用することが好ましい。この場合の網目状は、菱目及び角目を含むものである。
【0018】
また、印加電極3a、3bとしては、例えば、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、鉄、ニッケルもしくはステンレス等の溶解性の高い金属、または、チタン、白金もしくは白金をメッキしたチタン等の溶解性のない安定した金属等からなる酸化還元電位を低下させる金属を用いることができ、特に、網目状に形成したチタン材に白金を蒸着またはメッキしたものを使用することが好ましい。
【0019】
印加電極3a、3bと直流電源4との間には、可変抵抗5を介して、直流電源4からの直流電流を高周波の交流に変換して印加電極3a、3bに印加する高周波スイッチ6a、6bが接続されている。これら高周波スイッチ6a、6bは、トランジスタ7a、8aと、7b、8bとでそれぞれ構成されている。印加電極3a、3bには、コンデンサ9を介して接続されており、一対の印加電極3a、3bの電極間に交流を印加する。直流電源4は処理水等の液体の用途に応じて10〜50Vの範囲で選択調整しつつ用いることができる。
【0020】
高周波スイッチ6a、6bには、抵抗10a、10bをそれぞれ介して高周波スイッチ6a、6bに高周波の切換指令を与えるフリップフロップ回路よりなる高周波切換指令回路11が接続され、この高周波切換指令回路11には制御信号に応動して発振周波数が変化する電圧制御発振器(VCO)からなる高周波発振回路12が接続されている。この高周波発振回路12にはランダム電圧発生器を内蔵した制御回路13が接続されている。
【0021】
高周波発振回路12は可変周波数形の発振回路であって、電圧制御発振器(VCO)に与えられる制御信号の電圧値によってその発振周波数を制御できる。この時の周波数の変動幅は、例えば、中心周波数(略30KHz)の上下に略3〜5KHz程度である。
【0022】
制御回路13は高周波発振回路12にその発振周波数を制御するための制御電圧を供給するものである。この制御回路13はランダム信号発生器を内蔵していて、それが発生するランダム信号に応じて電圧値の変化する制御信号を出力する。シフトレジスタ14(SFR)は16ステージ構成のものであり、その蓄積情報は端子Q0〜Q15より並列に読み取ることができるように構成されている。このシフトレジスタ14(SFR)のシフト動作はシフトレジスタ14(SFR)の端子CKにパルス発生器15(PG)より供給されるシフトパルスによって制御される。また、フリップフロップ16はパルス発生器15のパルスにより反転動作を行ない、反転する毎に図3の"I"部分の急激な周波数変動を行なっている。
【0023】
ゲート(GT)は両入力端子に入力される信号が同一であれば「1」、相違すれば「0」の信号を出力する。所謂排他的論理和の動作を行なうゲートであり、一致検出回路として作用する。このゲート(GT)の入力端子の一方にはシフトレジスタ14(SFR)の偶数ステージ、例えば、第6ステージの端子Q6より出力される信号が、また、他方には奇数ステージ、例えば、第9ステージの端子Q9より出力される信号が夫々入力される。このゲート(GT)による一致検出の結果はシフトレジスタ14(SFR)の端子Dより最下位の第0ステージへ入力される。この情報を逐次上位へシフトしてゆくことによってシフトレジスタ14(SFR)内に乱数情報が蓄えられる。
【0024】
このシフトレジスタ14(SFR)内に蓄えられた乱数情報は適当に選択された約半数のステージから抵抗器rによって取り出される。本実施例においては、第1、第3、第8、第10、第12〜15の各ステージから信号を取り出している。抵抗器rはこれら各ステージの端子Q1、Q3、Q8、Q10、Q12〜Q15を共通の接続点Aに接続している。この接続点Aは高周波発振回路12を構成する電圧制御発振器(VCO)に接続されている。また一方、電圧制御発振器(VCO)はパルス発生器15に接続されたフリップフロップ回路16にも接続されている。
【0025】
従って、これら各ステージに蓄積された乱数情報のパターンが変化すると、高レベルと低レベルとに接続される抵抗器rの合成値が夫々変化するため、接続点Aの電圧がこれに応じて変動してランダム信号が作成される。この動作はCPUにより再現できる。
【0026】
パルス発生器15は、例えば5Hzを中心周波数とする連続パルスを送出し、電圧制御発振器(VCO)に入力される信号の電圧値に従ってパルスの繰返し周期が変化するように構成されている。この周波数の変動範囲は中心周波数の上下に夫々数ヘルツ程度のものとなっている。このパルス発生器15の端子には、接続点Aの電圧が抵抗器r2を介して与えられる。従って、このパルス発生器15は、シフトレジスタ14(SFR)によるランダム信号に応じてそのパルスの繰返し周期が変動することになる。シフトレジスタ14(SFR)はこのパルス発生器15の出力をシフトパルスとして用いている。従って、電圧制御発振器(VCO)に出力される制御信号はその電圧値、変動周期共に全くランダムに変化することになるとともに、フリップフロップ回路16により、図3に示す急変化I部分を作りだしている。
【0027】
ここで、この制御回路13においては、制御信号をシフトレジスタ14(SFR)の約半数のステージに蓄積された乱数情報のパターンを利用して作成しており、その採用ステージにも偏りがあり、さらに前述のようにシフトレジスタ14(SFR)の入力情報として、偶数、奇数の各々から1ステージずつ選ばれた情報の一致検出結果を用いているため、電圧値が急上昇して急降下するような極めて変動の激しい部分が頻繁に現われ、また、短期間で同一の変化パターンを繰返すようなことはない。
【0028】
前述のように構成された交流電気分解装置の直流電源4のスイッチがオンされると、制御回路13が前述のように動作してランダム信号に対応した制御信号が高周波発振回路12に送出され、発振周波数が制御されてランダムに変化する。そして高周波発振回路12から高周波切換指令回路11にランダムに変化する高周波信号が与えられる。高周波切換指令回路11にランダムな高周波信号が与えられると、高周波切換指令回路11から高周波の切換指令が出され、高周波スイッチ6a、6bに交互に与えられ、これら高周波スイッチ6a、6bが高周期でオン、オフされてランダムに変化する高周波交流が形成され、水槽1の液体中に配置された一対の印加電極3a、3bに交互に印加される。
【0029】
ここで、高周波発振回路12から送出される発振周波数は、図3のようにその電圧値及びその電圧値の持続時間が全くランダムに変化するとともに、電圧値が急上昇してから急降下する極めて激しく変動する部分を頻繁に含んでいる。
【0030】
特許第3337422号公報のように、このように発信周波数を変化させた場合には、電極表面への白い付着物が発信周波数を変化させない場合よりも顕著に少ないことが肉眼で確認され、更に、一対の印加電極3a、3bによって発生する酸素及び水素等の気泡が細分化されるようになり、酸化還元電位、即ち、発生した水素が長時間に亘って安定するため、処理した液体の長期間の保存ができるようになる。
【0031】
要するに、電極表面への白い付着物を少なくできるため、長時間使用した場合であっても水の酸化還元電位を低下させる効果が低くなることを防止できる、即ち、長期間安定して水素を発生させ、該発生する水素の量を多くすることができる。従って、単に、交流を印加させても良いが、特許第3337422号公報と同様にして、発信周波数を変化させる方が良い。
【0032】
本発明に係る発信周波数を変化させる方法としては、前述の方法に限定されるものではなく、例えば、コンピューター等によって発信周波数を制御して変化させても良い。
【0033】
このように一対の印加電極3a、3b間に交流を印加し、第1の接地電極2を接地して液体を交流で電気分解することにより、印加電極3a、3b間で
【化1】
2HO+2e=2OH+H
の化学変化がおき、液体の酸化還元電位を下げることができるのである。
【0034】
この際、本発明の液体の交流電気分解装置においては、第1の接地電極2には略矩形状を呈するチタン材を網目状に形成して白金を蒸着またはメッキしたものを使用することが好ましいが、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、鉄、ニッケルもしくはステンレス等の溶解性の高い金属、または、チタンもしくは白金等の溶解性のない安定した金属を用いることも可能である。
【0035】
チタン及び白金は、溶解性のない安定した金属であるため液体に溶け込むことがなく、更に、チタンにおいては、耐蝕性及び耐久性に優れており、白金はその表面に酸化した被膜が形成されないため、長期間にわたって安定した交流電気分解をできるのである。
【0036】
また、第1の接地電極2を網目状に形成することによって、蒸着またはメッキに使用される白金の量を削減できると共に、液体の酸化還元電位を下げる、即ち、水素の発生量を多くする交流電気分解の効率が高くなり、該交流電気分解に要する時間が短くなるのである。これについて、詳しいメカニズムは解明していないが、第1の接地電極2を網状体に形成した場合、第1の接地電極2が網状であるため、板状に形成した場合よりも電子の移動がスムーズに行われるためと推察される。
【0037】
また、網目の大きさは交流周波数に関係しており、略30KHz〜60KHzの高い周波数にした場合、網目の大きさを略10×20mm角程度にすることができ、第1の接地電極2を板状に形成した場合と比較して、その材料を略1/20程度にすることができ、コストを削減できる。
【0038】
第1の接地電極2はパルス信号によるタイマー回路17に接続されている。該タイマー回路17は直流電源4の接地されている電極、及び、交流を印加できる回路に接続させる。
【0039】
この交流を印加できる回路としては、図示していない交流発信器等の交流を印加できる回路であればいずれのものを使用しても良いが、図1においては、回路構成を簡略化するために、一対の印加電極3a、3bと同一の交流を印加できる回路、例えば、該一対の印加電極3a、3bのいずれか一方の回路に接続して同期させており、タイマー回路17のパルス信号によって接地されている電極と、前記一対の印加電極3a、3bと同一の交流を印加する電極とに切り換え、第1の接地電極2の電位は周期的に接地の電位から該一対の印加電極3a、3bと同一の交流の電位になるようにしている。
【0040】
このように、第1の接地電極2の電位を、例えば、一時的に該一対の印加電極3a、3bと同一の交流の電位にする等の交流を印加することによって、第1の接地電極2に吸着したスケール等を除去してクリーニングできるため、該第1の接地電極2から発生する水素の量が低下することなく、該水素の発生量を多くできるのである。
【0041】
この第1の接地電極2を周期的に接地の電位から交流を印加する時間は、該接地されてている時間と比べて短くて良く、該交流を印加する時間は接地の状態である時間に対して、略1/10〜1/1000程度の時間、例えば、接地の状態が略20分程度である場合に交流を印加する時間が略10秒程度であれば十分である。このように第1の接地電極2をクリーニングすることによって、スケール等の付着をより防ぐことができると共に、交流電気分解の効率をより高く持続できるのである。
【0042】
つまり、第1の接地電極2をクリーニングしている時間、即ち、該第1の接地電極2に交流を印加している間は、液体の電気分解が微少になるが、前記第1の接地電極2がクリーニングされることによって、該クリーニング後の電気分解の効率を高くできるので、液体を改質する時間を短くできるのである。
【0043】
更に、第1の接地電極2に交流を印加することにより、該第1の接地電極2が溶解することがなくなるため、該第1の接地電極2として、チタンまたは白金等の溶解性のない金属ばかりでなく、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、鉄、ニッケルまたはステンレス等の溶解性の高い金属を使用した場合であっても、前記第1の接地電極2が溶解するという問題が生じないのである。
【0044】
略箱形状の第2の接地電極18を使用した第2の実施例を図4に示す。なお、この第2の実施例においては、水槽1内の第1の接地電極2と、一対の印加電極3a、3bとの周囲に第2の接地電極18を配設させると共に、前記第1の実施例の周波数を制御する回路を省略し、換わりに交流の発信器19(OSC)を接続させたものであり、その他の回路構成については、前記第1の実施例と同様であり、説明が重複するため、その説明については省略する。そのため、この第2の実施例において、発信器19の換わりに、前記第1の実施例の周波数を制御する回路を使用しても良いことは勿論である。
【0045】
この第2の接地電極18は略箱形状に形成したものであり、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、ステンレス、チタンまたは白金等の金属を使用でき、好ましくは、チタン材を網目状に形成して白金を蒸着またはメッキしたものを使用するものであり、この場合の網目状は、菱目及び角目を含むものである。
【0046】
この第2の実施例に示したように、一対の交流電極3a、3b間には交流を印加できれば良いのであるから、該交流を印加するための回路として、発信器19等を使用しても良く、第1の実施例のように、周波数を制御する回路を使用した場合には、液体の酸化還元電位を低下させる効果を高くすることができるようになるのである。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の発明に係る交流電気分解方法は、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを配設し、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げることにより、液体の改質を行う際に還元剤等の薬品等を必要とせず、液体の改質、即ち、液体を交流電気分解して水素を発生させて該液体の酸化還元電位を下げる際に、電極、特に接地電極にスケール等が吸着することを減少させ、水の酸化還元電位を下げる効果、即ち、水素が発生する効果が低くなることを防ぐことができ、更に、第1の接地電極として溶解性の高い金属を使用した場合であっても、該第1の接地電極が溶解しないようにできるという優れた効果を奏する。
【0048】
また、本発明の第2の発明に係る交流電気分解装置は、液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを備え、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げる構成にしたことにより、液体の改質を行う際に還元剤等の薬品等を必要とせず、液体の改質、即ち、液体を交流電気分解して水素を発生させて該液体の酸化還元電位を下げる際に、接地電極にスケール等が吸着することを減少させるばかりでなく、印加電極においてもスケール等が吸着することを減少でき、水の酸化還元電位を下げる効果、即ち、水素が発生する効果が低くなることを防ぐことができ、更に、第1の接地電極として溶解性の高い金属を使用した場合であっても、該第1の接地電極が溶解しないようにできるという優れた効果を奏する。
【0049】
従って、本発明に係る液体の交流電気分解方法または装置のいずれの発明を用いても、液体の改質を行う際に還元剤等の薬品等を必要とせず、液体の改質、即ち、液体を交流電気分解して水素を発生させて該液体の酸化還元電位を下げる際に、接地電極を周期的に接地の電位から交流を印加することにより、長時間の使用をした場合であっても接地電極にスケール等の付着物が吸着することを防ぐことができ、長時間に亘って安定した液体の電気分解をすることが可能になり、液体の酸化還元電位を極めて低くする、即ち、水素の発生量を多くすることができると共に、交流電気分解の効率が高くなるため電気分解に要する時間が短くなり、更に、電極の清掃等のメンテナンスによる負担を軽減でき、第1の接地する電極が溶解することを防ぐことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る略矩形状の接地電極を使用した交流電気分解装置を回路図と共に示した図である。
【図2】同略矩形状の接地電極を拡大した略示的な平面図である。
【図3】同実施の形態における制御回路から送出される制御周波数の変動を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る略箱形状の接地電極を使用した交流電気分解装置を回路図と共に示した図である。
【符号の説明】
1 水槽
2 第1の接地電極
3a、3b 印加電極
4 直流電源
5 可変抵抗
6a、6b 高周波スイッチ
7a、7b、8a、8b トランジスタ
9 コンデンサ
10a、10b 抵抗
11 高周波切換指令回路
12 高周波発振回路
13 制御回路
14 シフトレジスタ
15 パルス発生器
16 フリップフロップ回路
17 タイマー回路
18 第2の接地電極
19 発信器

Claims (14)

  1. 液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを配設し、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げること
    を特徴とする液体の交流電気分解方法。
  2. 前記第1の接地する電極に印加する交流は、
    一対の交流電極に印加される交流のいずれか一方と同期させること
    を特徴とする請求項1に記載の液体の交流電気分解方法。
  3. 前記第1の接地する電極に印加する交流は、
    接地される時間に対して、1/10〜1/1000の時間付与されること
    を特徴とする請求項1または2に記載の液体の交流電気分解方法。
  4. 前記第1の接地する電極は、
    略矩形状を呈する網目状に形成すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体の交流電気分解方法。
  5. 前記一対の交流電極と第1の接地する電極との周囲には、
    略箱形状を呈する網目状の第2の接地する電極を配設すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体の交流電気分解方法。
  6. 前記一対の交流電極は、
    チタン材に白金を蒸着またはメッキすること
    を特徴とする請求項1または5に記載の液体の交流電気分解方法。
  7. 一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の液体の交流電気分解方法。
  8. 液体中に酸化還元電位を低下させる金属からなる一対の交流電極と、少なくとも1つの第1の接地する電極とを備え、前記一対の交流電極間には交流を印加し、且つ前記第1の接地する電極を周期的に接地の電位から交流を印加するように制御して液体の酸化還元電位を下げる構成にしたこと
    を特徴とする液体の交流電気分解装置。
  9. 前記第1の接地する電極に印加する交流は、
    一対の交流電極に印加される交流のいずれか一方と同期させること
    を特徴とする請求項8に記載の液体の交流電気分解装置。
  10. 前記第1の接地する電極に印加する交流は、
    接地される時間に対して、1/10〜1/1000の時間付与されること
    を特徴とする請求項8または9に記載の液体の交流電気分解装置。
  11. 前記第1の接地する電極は、
    略矩形状を呈する網目状に形成すること
    を特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の液体の交流電気分解装置。
  12. 前記一対の交流電極と第1の接地する電極との周囲には、
    略箱形状を呈する網目状の第2の接地する電極を配設すること
    を特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の液体の交流電気分解装置。
  13. 前記一対の交流電極は、
    チタン材に白金を蒸着またはメッキすること
    を特徴とする請求項8または12に記載の液体の交流電気分解装置。
  14. 一対の交流電極に印加する交流の周波数を制御すること
    を特徴とする請求項8に記載の液体の交流電気分解装置。
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