JP2005103351A - 水処理方法およびその水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波振動を利用して処理水を効率よく電気分解する水処理方法およびその装置を提供する。
【解決手段】 所定の距離を隔て配置された電極11(陽極)、電極12(陰極)を備える電解反応槽10と、電解反応槽10内の処理水または電極に超音波振動を与える超音波素子13とを備えている。電解貯槽20中の処理水は、電極11、12により電気分解される。このとき、超音波素子13によって処理水に超音波振動が与えられ、処理水中の有機化合物の低分子化反応が促進されて有機化合物が効率よく電気分解される。また、電極に超音波振動を与える場合は、極表面で発生する気泡の泡切れが良くなり、有効電極表面積が増加する。また電極表面での処理水が急速に攪拌されて電極表面への物質移動速度が速くなり電気分解の効率を大幅に向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気分解による水処理に関し、特に、超音波振動を利用して処理水を効率よく電気分解する水処理方法とその装置に関するものである。
電気分解技術は、陽極となる電極と陰極となる電極とを処理水中に浸漬し通電するものであり、電解水の製造、酸素・水素の製造、脱色、有機化合物の分解など各種の電解酸化・還元反応プロセスに利用されている。この電気分解技術を利用した水処理方法は、汚泥などの産業廃棄物を生成することなく処理水中のCODを低減することができ、活性汚泥法などの生物分解処理やオゾン酸化法と比較して装置がコンパクトで操作が容易であるという利点がある。
また最近、電気分解用の電極材料として白金などの従来の電極材料に替わり導電性ダイヤモンド電極が注目されている。導電性ダイヤモンド電極は、電流密度を高くできることと、ヒドロキシラジカルの発生を利用した強力な酸化分解力を持っており、多種多様な有機化合物の分解処理が可能であるという特長を有している(例えば特許文献1、2)。
特開平7−299467号公報 米国特許第5399247号明細書
しかし、導電性ダイヤモンド電極を用いる場合でも、処理水中の多種多様な炭素鎖の長い有機化合物を電極で分解処理する際に、炭素鎖の結合を分断しつつ低分子化して、その後に、二酸化炭素、水に分解するという過程をたどるため、中間生成物を形成する段階の反応速度が遅いという問題がある。さらに、この中間生成物を形成する段階で電極の消耗が大きく、この段階をなるべく早く進行させる手段が必要とされている。
また、電気分解に伴って電極の表面に気泡が発生し、該気泡部分では通電ができないため、有効に使われる電極表面積が減少して電気分解の効率が低下するという問題がある。
さらに、電極表面では電解反応が急激に起こるが、その一方、バルク系から電極表面への物質移動が遅いため、電解反応が効率よく起こらないという問題がある。このような問題に対しては、従来、大容量のポンプを用い電極表面での通液線速度を増加させて電極表面への物質移動速度を増加させる方法が採られている。しかしながら、ポンプを大容量にすると設備費用や運転費用が大幅に増大し、メンテナンスも容易ではなく、大型ポンプシステムの設置スペースも大きくなり、処理水量によっては現実的でない大容量のポンプが必要になるなどの問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、超音波振動を利用して処理水を効率よく電気分解する水処理方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため本発明の水処理方法のうち請求項1記載の発明は、処理水を電気分解して処理水中の含有物質の分解を行う水処理方法において、前記処理水の一部または全部に超音波振動を与えて前記電気分解を行うことを特徴とする。
請求項2記載の水処理方法の発明は、処理水を陽極となる電極と陰極となる電極とを用いて電気分解する水処理方法において、前記電極の一方または両方に超音波振動を与えて前記電気分解を行うことを特徴とする。
請求項3記載の水処理方法の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記電気分解は、超音波振動を付与後、または、超音波振動を連続的、断続的または一時的に付与しつつ行うことを特徴とする。
請求項4記載の水処理方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記電気分解と超音波振動の付与とは、同時期に、または、時期を異にして行うことを特徴とする。
請求項5記載の水処理方法の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記超音波の周波数が20kHz以上10MHz以下であることを特徴とする。
請求項6記載の水処理装置の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記処理水に電解質を添加して前記電気分解を行うことを特徴とする。
請求項7記載の水処理装置の発明は、処理水を電気分解する陽極となる電極と陰極となる電極を備えた電解反応槽と、前記処理水に超音波振動を与える超音波振動発生手段とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の水処理装置の発明は、処理水を電気分解する陽極となる電極と陰極となる電極とを備えた電解反応槽と、前記電極の一方または両方に超音波振動を与える超音波振動発生手段とを備えることを特徴とする。
請求項9記載の水処理装置の発明は、請求項8記載の発明において、前記超音波振動発生手段は、前記電極に内蔵または連結されていることを特徴とする。
請求項10記載の水処理装置の発明は、請求項7〜9のいずれかに記載の発明において、前記電極の一方または両方がダイヤモンド電極であることを特徴とする。
本発明によれば、有機化合物を含む処理水を電気分解する際に、処理水の一部または全部に超音波振動を与えて電気分解を行うので、処理水中の有機化合物の低分子化反応を促進し、該有機化合物を効率よく電気分解することができる。
また、本発明によれば、陽極となる電極と陰極となる電極の一方または両方に超音波振動を与えて電気分解を行うので、電極表面で発生する気泡の泡切れが良くなり、有効に使われる電極表面積が増加し、かつ電極表面での処理水が急速に攪拌されて電極表面への物質移動速度が速くなり電気分解の効率を大幅に向上できる。さらに、上記超音波振動が処理水中に伝播することで、上記発明と同様に処理水中の有機化合物の低分子化反応を促進する。
なお、電極に超音波振動を与えて電気分解を行う本発明の水処理方法は、電解水製造、酸素・水素の製造、排水の脱色、排水中の有機化合物の分解など、各種の電解酸化・還元反応プロセスに適用できるものである。
前記電気分解は、超音波振動を与えた後に行うか、または、超音波振動を連続的、断続的または一時的に与えつつ行うことができる。
処理水中の有機化合物の低分子化反応を促進する目的の場合は、予め処理水に超音波振動を与えて有機化合物を低分子化した後、電気分解を行ってもよく、また、電気分解に際し超音波振動を与えても良い。この場合、処理水に超音波振動を連続的または断続的に与えてもよく、さらには所定時間のみ一時的に与えるようにしてもよい。
また、超音波振動と電気分解とは、超音波振動を断続的または一時的に行う場合も含めて、同時期に行う他、両者を同時に行うことなく時期を異にして行うようにしても良い。これらを組み合わせることも可能である。
また、電極の一方または両方に超音波振動を与えて電気分解を行う場合は、通常、超音波振動を連続的、断続的または一時的に与えつつ電気分解を行う。
上記超音波振動の付与は、電気分解の効率や超音波振動の付与に要する消費電力量などを勘案して超音波振動付与条件(連続的、断続的等の振動付与の方法、振動の大きさなど)を決定することにより運転費用の削減が可能となる。
使用する超音波の周波数としては、前記20kHz以上10MHz以下が望ましい。
なお、上記範囲が望ましいとしたのは、20kHz未満では低分子分解作用、気泡の泡切れ、電極表面での処理水の急速攪拌が不十分となり、一方、10MHzを超えると使用電力量が増大する。特に、有機化合物の低分子化反応の促進を重視するときには、下限を28kHz以上、上限を45kHz以下とするのが望ましく、また、電極に超音波振動を与える場合を重視するときには、25kHz以上5MHz以下が望ましい。
また、処理水の電気分解の際には、電解反応を促進するために電解質を添加してもよい。該電解質としては硫酸イオンを含んだ化合物が望ましく、電解質濃度としては、6,000mg/L以上30,000mg/L以下が望ましい。該範囲としたのは、6,000mg/L未満では、目的とする電解反応促進効果が十分に得られず、また、30,000mg/Lを超えると電解反応促進効果が飽和し、電解質添加費用のみが増加する結果となるからである。
超音波振動発生手段は、処理水に超音波振動を与える場合には、処理対象となる処理水に振動を与えられるものであればよく、電解槽の内部の他、処理水を貯水する貯槽や処理水を移動させる移動路で超音波振動を与えても良い。例えば電解槽では、電極の周囲や電解槽の壁部などに設置することができる。
また、電極に超音波振動を与える場合は、超音波振動発生手段は、電極に内蔵するか、該電極に直接連結するか、超音波振動を伝達する超音波振動伝達手段によって連結することができる。また、陰極となる電極と陽極となる電極の両方に超音波振動を与える場合、超音波振動発生手段は、陽極、陰極それぞれに用意してもよく、また、共通する超音波振動発生手段によって陰極、陽極にそれぞれ超音波振動を与えるようにしてもよい。
なお、本発明で使用する電極としては、従来の白金電極などを用いることもでき、また、好適には導電性ダイヤモンド電極を用いることができる。その場合、陰極、陽極の一方または両方に導電性ダイヤモンド電極を用いることができる。なお、電極は、陽極、陰極において、それぞれ単数または複数で構成することができる。
前記導電性ダイヤモンド電極としては、Nb、Ta、Ti、Mo、W、Zr等の導電性金属材料を基盤とし、これらの基盤の表面に導電性ダイヤモンド薄膜を析出させたものや、シリコンウエハ等の半導体材料を基盤とし、このウエハ表面に導電性ダイヤモンド薄膜を合成させたもの、さらに、基盤を用いない条件で板状に析出合成した導電性多結晶ダイヤモンドを挙げることができる。
なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の合成の際にボロンまたは窒素の所定量をドープして導電性を付与したものであり、通常はボロンドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜10,000ppmの範囲のものが適している。
本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものも使用できる。また、炭素粉末などにダイヤモンドをコーティングした粉末を電解液によって流動させて、流動床を構成することもできる。さらに、三次元構造の基質にダイヤモンド粉末を担持させ、高表面積を有する固定床を構成し、反応速度を大きくすることもできる。
導電性ダイヤモンド電極は、従来の白金等の金属電極に比べると、電位窓が極めて広く水の電気分解による水素発生や酸素発生を抑えつつ目的の有機化合物のみを選択的に電気分解できる。従来の白金などの貴金属電極によれば、処理水中に含まれる有機性SSについては、電気分解が不可能であったが、導電性ダイヤモンド電極では、有機性SSについても電気分解が可能である。
この導電性ダイヤモンド電極を用いて行う電気分解は、導電性ダイヤモンド電極表面の電流密度を10〜100,000A/mとし、処理水を導電性ダイヤモンド電極面と平行に、通液線速度10〜10,000m/hで接触させることが望ましい。また、電解反応槽内の液温は通常10〜95℃で処理することが望ましい。
以上説明したように、本発明の水処理方法によれば、有機化合物を含有する処理水に超音波振動を与えて、前記有機化合物の低分子化反応を促進し電気分解を行うので、中間生成物を形成する段階の反応速度を速くすることができ、有機化合物を効率よく電気分解できる。また、これに伴い電極の消耗も抑えることができ、経済的効果も得られる。
さらに、本発明の水処理方法によれば、電極に超音波振動を与えて処理水の電気分解を行うので、電極に付着する気泡を除去でき、かつ電極まわりの処理水の撹拌効果が得られることから電気分解の効率が大幅に向上する。
また、本発明の水処理装置によれば、上記水処理方法を容易かつ確実に実行して上記効果を得ることができる。なお、該水処理装置では、処理水を貯槽と電解槽との間で送液しつつ循環させることができる。
以下、本発明の水処理装置の一実施形態を図1に基づいて説明する。
本発明の水処理装置は、電解反応槽10と、電解貯槽20と、該電解貯槽20と前記電解反応槽10間で処理水を循環させる循環路40および送液ポンプ45を有している。電解貯槽20には、開閉弁51を有する供給路50が接続され、電解貯槽20内には、攪拌装置21が設けられている。また、電解貯槽20には、電解貯槽20内の処理水に、電解質を供給する電解質供給手段22が備えられている。さらに、電解貯槽20には、電解貯槽20内の処理水を送液するために前記循環路40の往路が接続されており、該循環路40の往路の他端は、送液ポンプ30を介して前記電解反応槽10の一端(入液側)に接続されている。また、前記電解反応槽10の他端(排液側)と電解貯槽20の間には、電解反応槽10で処理された処理水が戻る循環路40の復路が接続されている。
電解反応槽10は、循環路40から送液される処理水を電気分解する装置であり、該電解反応槽10内には、所定の距離を隔てて対向する導電性ダイヤモンド電極11(陽極)と導電性ダイヤモンド電極12(陰極)とがそれぞれ対向する内壁面に設置されている。該導電性ダイヤモンド電極11、12には、図示しない電源が接続されている。
さらに、電解反応槽10は、該電解反応槽10内を流れる処理水に超音波振動を与える超音波振動発生手段である超音波素子13を備えている。該超音波素子13は、ダイヤモンド電極11、12が配置された前記両内壁面と交差する方向の内壁面に設置されている。該超音波素子13は、端子13aを介して超音波発生用信号を出力する発信器(図示しない)に接続されている。該超音波素子13は単数または複数設置することができる。
また、電解反応槽10の排液側には、前記したように循環路40の復路が接続されており、該循環路40の復路には、三方弁41を介して前記したように電解貯槽20に接続され、三方弁41の他ポートには排出路60が接続されている。
次に、上記水処理装置の動作について以下に説明する。
まず、供給路50に備わる開閉弁51を開き、有機化合物を含む原水を電解貯槽20に導入する。また、電解貯槽20では、所望により、電解質供給手段22から硫酸ナトリウムなどの電解質を添加してもよい。この電解質の添加によって、電導度の低い処理水を処理する場合でも、効率のよい電気分解を可能にする。なお、電解貯槽20では、攪拌装置21によって攪拌処理がなされる。電解貯槽20中の処理水は、送液ポンプ30により、循環路40の往路、電解反応槽10、循環路40の復路を経て電解貯槽20に還流されるように圧送される。
送液ポンプ30により電解反応槽10の入液側に圧送された処理水は、図示しない電源により給電される導電性ダイヤモンド電極11、12により電気分解される。この時、超音波素子13から超音波振動が処理水に与えられ、処理水中の有機化合物の低分子化反応が促進されて電気分解が効率的に行われる。電解反応槽10で電気分解された処理水は、循環路40の復路を介して前記電解貯槽20に返送される。上記動作を繰り返し行うことにより有機化合物を含む処理水を循環させつつ継続して電気分解することができる。該循環処理は、処理水中の有機化合物の量が許容されるレベルに低減するまで継続され、有機化合物の量が許容レベルに達した後に、必要に応じて三方弁41を切り替えて排出路60より処理水を系外に排出する。
なお、本実施形態では、陽極、陰極ともに導電性ダイヤモンド電極で構成したが、本発明としては、これを限定するものではなく、一方または両方が白金電極など従来の他の電極材料であってもよい。また、本実施形態では、電解反応槽10内を流れる処理水に超音波振動を与えるように超音波素子13を配置しているが、該超音波素子13を循環路40の往路に配置したり、電解貯槽20に配置したりして、循環路40を通過する処理水や電解貯槽20内に収容された処理水に超音波振動を与えて処理水中の有機化合物を低分子化してもよい。すなわち超音波素子13の設置位置は、超音波振動による有機化合物の低分子化を電気分解前か、電気分解に際し行うことができる位置であればよい。また、超音波振動の付与は、連続的、断続的、一時的のいずれであってもよく、電解分解と同時期の他、電気分解とは異なる時期に行うようにしても良い。
次に、本発明の水処理装置の他の実施形態を図2に基づいて説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
本発明の水処理装置は、電解反応槽70に所定の距離を隔て配置された電極71(陽極)と電極72(陰極)内に、それぞれ絶縁材74を介し電気的に絶縁した状態で超音波素子73を組み込んだものである。なお、導電性ダイヤモンド電極71、72には、図示しない電源が接続され、超音波素子73は、端子73aを介して超音波発生用信号を出力する発信器(図示しない)に接続されている。
この実施形態によれば、超音波素子73、73によって電極71、72に超音波振動を与えることができる。これら電極71、72に超音波振動を与えつつ処理水を電気分解することにより、電極71、72に付着する気泡を除去でき、かつ電極まわりの撹拌効果が得られることから電気分解の効率が大幅に向上する。なお、超音波素子73の電極への組み込みは、どちらか一方の電極に組み込むものとしても良い。
次に、本発明の水処理装置のさらに他の実施形態を図3、4に基づいて説明する。なお、上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
本発明の水処理装置は、電解反応槽80内に所定の距離を隔て配置されたそれぞれ複数の電極81(陽極)と電極82(陰極)とを、超音波振動を伝達する超音波振動伝達手段である振動伝達材84を用いて超音波素子83と連結したものである。電極81、82はそれぞれ端子81a、82aによって図示しない電源に接続されている。なお、図3では、電極81、82は簡略化してそれぞれ一つが示されている。
上記実施形態では、超音波素子83で発生した超音波振動は振動伝達材84を通して上記各電極81、82に与えることができる。該電極に超音波振動を与えつつ処理水を電気分解することにより、図2に示した上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、本実施形態では両電極に超音波振動を与えているが、必ずしも両電極に与える必要はなく、どちらか一方の電極でもよい。また、本実施形態では、超音波素子83から振動伝達材84を通して両電極81、82に超音波振動を与えているが、図5に示すように陽極81、陰極82用に、それぞれ超音波素子85、87を用意し、個々に超音波伝達材86、88を介して電極81、82に超音波を付与するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態では、処理水を電解貯槽と電解槽との間で循環させて処理するものとしたが、本発明としては、必ずしも処理水の循環を必要とするものではない。
さらに、本発明は、本発明の範囲を逸脱しない範囲において上記各実施形態に限定されるものではなく、さらに変更した構成とすることが可能である。
以下、本発明の一実施例を図6に基づいて説明する。本実施例の水処理装置は、処理水を収容して電気分解を行う電解反応槽90と、該電解反応槽90内に所定の距離を隔て配置された電極91(陽極)、電極92(陰極)と、電解反応槽90の底部に設置された処理水を撹拌する攪拌装置94と、電解反応槽90の側壁に設置された超音波素子93、93とを有している。前記電極91、92には図示しない電源が接続され、また前記超音波素子93、93には図示しない超音波信号発生用の発信器が接続されている。使用する超音波の周波数は、本実施例では45kHzを用いた。電極には、ボロンドープ法を用いて気相析出合成した積層状多結晶導電性ダイヤモンド電極(寸法5cm×5cm×0.05cm)2枚を用い、電極間距離1cmに設定した。ボロンドープ量は、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、5,000ppmとした。また、電極への投入電気量は、電流密度が0.2A/cm(2000A/m)となるように設定した。
処理水としてジエチレングリコールモノブチルエーテル含有処理水(COD:2,400mg/L)1Lを電解反応槽90内に入れ、これに電解反応を促進するための電解質として硫酸ナトリウムを14,200mg/L添加した。また、電解反応槽90内の液温は、60℃とした。
上記条件で超音波素子93から処理水に超音波振動を連続的に与えつつ電気分解を3時間継続して行い、1時間毎に電解反応槽10内の処理水を採取してCODの分析を行った。また、比較例として、超音波振動を与えない以外は上記条件と同一の条件で電気分解試験を行った。
図6に上記試験結果(実施例)を示しており、縦軸にCODを示し、横軸に積算投入電気量を示している。比較のために超音波振動を与えずに電気分解のみを行った結果(比較例)も併記している。超音波振動を与えて電気分解を行った実施例の場合は、超音波振動を与えずに電気分解のみを行った場合と比較し、5Ah/L投入時までの有機化合物の低分子化過程の反応速度が促進され、含有有機化合物を効率よく電気分解することができた。
なお、本実施例では処理水に超音波振動を連続的に3時間与えつつ電気分解を行ったが、有機化合物の低分子化反応の促進効果は初期の1時間(5Ah/L投入時)に現れており、本実施例のような場合、初期の所定時間(本実施例の場合、1時間程度)のみ一時的に超音波振動を与えつつ電気分解を行うことにより、運転費用を削減することもできる。
次に、本発明の他の実施例を図7に基づいて説明する。本実施例の水処理装置は、処理水を入れ電気分解を行う電解反応槽95と、該電解反応槽95内に所定の距離を隔て配置された電極96(陽極)、電極97(陰極)と、電解反応槽95の底部に設置された処理水を撹拌する攪拌装置94とから構成されている。該電極96、97には図示しない電源が接続されている。電極96、97は白金電極(電極面積15cm)からなり、その内部には超音波発生手段である超音波素子98が絶縁材99を介してそれぞれ組み込まれている。超音波素子98には図示しない超音波信号発生用の発信器が接続されている。使用する超音波の周波数は、本実施例では45kHzを用いた。また、電極間距離は2cmに設定し、電極への投入電気量は、電流密度が0.05A/cm(500A/m)となるように設定した。
脱色試験のための模擬処理水として、インジゴカルミン20mg/Lと、電解質として硫酸ナトリウム8,000mg/Lを超純水に溶解し、そのうちの200mLを電解反応槽95に入れ処理水とした。また、電解反応槽95内の液温は、60℃とした。
上記条件で電極96、97に超音波振動を連続的に与えつつ処理水の電気分解を行い、一定時間毎に処理水をサンプリングして色度を測定し、脱色効果を調べた。また、比較例として上記条件において電極に超音波振動を与えない試験も行った。
図7に上記試験結果(実施例)を示しており、縦軸に色度を示し、横軸に処理時間を示している。また比較のために電極に超音波振動を与えない以外は上記と同一の条件で電気分解を行った結果(比較例)も併記している。電極96、97に超音波振動を与えて電気分解を行った実施例では、45分後に色度が0となり、超音波振動を与えずに電気分解を行った比較例では、90分後に色度が0となった。以上のことから、電極に超音波振動を与えて電気分解を行うことにより電気分解の効率が大幅に向上した。
本発明の水処理装置の一実施形態を示す全体概略図である。 同じく他の実施形態を示す全体概略図である。 同じくさらに他の実施形態を示す全体概略図である。 同じく当該実施形態の電極の配置状態を示す図である。 同じくさらに他の実施形態の電極の配置状態を示す説明図である。 同じく一実施例に用いる電解装置の構成図および該装置による試験結果を示す図である。 同じく他の実施例に用いる電解装置の構成図および該装置による試験結果を示す図である。
符号の説明
10、70、80、90、95 電解反応槽
11、71、81、91、96 電極(陽極)
12、72、82、92、97 電極(陰極)
13、73、83、93、98 超音波素子
20 電解貯槽
22 電解質供給手段
40 循環路
45 送液ポンプ
74 絶縁材
84 振動伝達材

Claims (10)

  1. 処理水を電気分解して処理水中の含有物質の分解を行う水処理方法において、前記処理水の一部または全部に超音波振動を与えて前記電気分解を行うことを特徴とする水処理方法。
  2. 処理水を陽極となる電極と陰極となる電極とを用いて電気分解する水処理方法において、前記電極の一方または両方に超音波振動を与えて前記電気分解を行うことを特徴とする水処理方法。
  3. 前記電気分解は、超音波振動を付与後、または、超音波振動を連続的、断続的または一時的に付与しつつ行うことを特徴とする請求項1または2記載の水処理方法。
  4. 前記電気分解と超音波振動の付与とは、同時期に、または、時期を異にして行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水処理方法。
  5. 前記超音波の周波数が20kHz以上10MHz以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水処理方法。
  6. 前記処理水に電解質を添加して前記電気分解を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水処理方法。
  7. 処理水を電気分解する陽極となる電極と陰極となる電極を備えた電解反応槽と、前記処理水に超音波振動を与える超音波振動発生手段とを備えることを特徴とする水処理装置。
  8. 処理水を電気分解する陽極となる電極と陰極となる電極とを備えた電解反応槽と、前記電極の一方または両方に超音波振動を与える超音波振動発生手段とを備えることを特徴とする水処理装置。
  9. 前記超音波振動発生手段は、前記電極に内蔵または連結されていることを特徴とする請求項8記載の水処理装置。
  10. 前記電極の一方または両方がダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の水処理装置。
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