JP2006124384A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】う蝕原因菌に対する強力な共凝集抑制作用を有し、歯垢の形成を防止し、かつ口腔内で酸を生成しない成分を含有する口腔用組成物を安価に提供する。
【解決手段】式(A)

(式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す
。)で表される化合物を含有する口腔用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、むし歯予防効果に優れる口腔用組成物及びフソバクテリウム属細菌とう蝕原因菌との共凝集抑制剤に関する。
う蝕は、病原性細菌の歯面への付着、定着により発症へと向かう口腔内感染症としての一面を有する。口腔細菌の歯面への定着機構は、先ず、唾液の薄膜(ペリクル)によって覆われたエナメル質表面に、ストレプトコッカス オラリス、ストレプトコッカス サンガイス、ストレプトコッカス ゴードニィ、アクチノマイセス ナエスランディ等の初期定着細菌が吸着する。そして、これら初期定着細菌は増殖に伴って互いに共凝集(co−aggregation)を起こし、歯垢(プラーク)の形成を開始する。次いで、プラークの成熟化に伴い、微生物菌叢が通性嫌気性菌から偏性嫌気性菌へと遷移し、フソバクテリウム ヌクレアタムに代表される偏性嫌気性菌が初期定着細菌に共凝集する。そして、当該フソバクテリウム ヌクレアタムにアクチノバシルス アクノマイセテムコミタンス、ポルフィロモナス ジンジバリス、プレボテラ インターメディア等の歯周病関連細菌がさらに共凝集し、定着すると考えられている。さらに、Takemotoらは、う蝕関連細菌であるストレプトコッカス ミュータンス、ストレプトコッカス ソブリナス等もフソバクテリウム ヌクレアタムと共凝集することから、同様の定着機序を有することを示唆した(非特許文献1)。
斯かる共凝集は、細菌同士のレクチン・レセプター型相互作用、非特異的静電気的相互作用や粘着性多糖合成による付着作用、非特異性疎水的相互作用によって引き起こされるものである。プラークを形成する口腔細菌は、腸内細菌や皮膚常在細菌と異なり口腔特有の菌叢からなることから、病原性細菌の歯面への定着においては、レクチン・レセプター型相互作用が特に重要な役割を果たしていると考えられている。このレクチン・レセプター型相互作用とは、通常細菌表層結合タンパク質であるアドヘシンと他の細菌表層上のレセプター構造との立体特異的な相互作用であり、その多くは炭化水素特異的結合を呈する。
歯垢を形成する細菌の最も一般的なレクチンはラクトース感受性アドヘシンであり、ラクトース中のβ−ガラクトシドを特異的に認識する。ラクトース感受性アドヘシンは広汎な口腔細菌に存在し、アクチノマイセス属、ストレプトコッカス属、ポルフィロモナス属、プレヴォテラ属、フソバクテリウム属、ヘモフィリス属、カプノサイトファーガ属、ヴェイロネラ属、ナイセリア属、セレノモナス属などの共凝集に関与している(非特許文献2)。
そして口腔内感染症の予防手段としては、病原性細菌の歯面への定着を阻害することが有力であると考えられており、例えばガラクトースやラクトースを用いて歯垢の歯牙付着抑制効果を図ること(特許文献1)、抗菌性を有する炭素数10〜16の脂肪酸の少なくとも1種とフルクトース又はガラクトースとがエステル結合した脂肪酸糖エステルを用いること(特許文献2)等が報告されている。
特公昭58−11924号公報 特開2000−159675号公報 Journal of Periodontal Research、Vol.30、p252−257 Infection and Immunity,Vol.57,p3194−3203
特許文献1に記載のガラクトースやラクトースは口内で口腔細菌によりう蝕の原因となる酸を生成する点で好ましくなく、特許文献2に記載の脂肪酸糖エステルも、口腔用組成物の配合成分や口腔内において加水分解を受けると、フルクトースやガラクトースを生成するため、同様の問題があった。
従って、本発明は、う蝕原因菌に対する強力な共凝集抑制作用を有し、歯垢の形成を防止し、かつ口腔内で酸を生成しない成分を含有する口腔用組成物を安価に提供することにある。
そこで本発明者は、種々の成分について、フソバクテリウム属細菌とう蝕原因菌の共凝集の抑制や口腔内での酸の生成について検討したところ、式(A)で表される化合物が強力な共凝集抑制作用を有し、かつ口腔内で酸を生成しないことから、これを配合すればう蝕予防に有用な口腔用組成物が得られることを見出した。
本発明は、式(A)
(式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、Eは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す。)で表される化合物を含有する口腔用組成物を提供するものである。
また、本発明は、式(C)
(式中、Rは置換されてもよい平均炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、Eは水素原子又はメチル基を示し、xは0〜200の数を示し、yは1〜30の数を示す。)で表される化合物を含有する口腔用組成物を提供するものである。
本発明の組成物を用いれば、酸の生成を最小限に抑え歯垢中のう蝕原因菌を共凝集抑制作用により低減させた結果、歯垢が脆弱化し、プラークコントロールが容易となるため、むし歯等の予防が可能となる。
本発明に用いられる式(A)で表される化合物は、炭素数6〜18のアルキル基に直接又は1つ以上のオキシエチレン基若しくはオキシプロピレン基を介して、1つ以上のガラクトース残基がα−配置もしくはβ−配置でエーテル結合した化合物である。当該アルキル基としては、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよく、具体的にはn−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、イソステアリル基(イソオクタデシル基)、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。香味、口腔内での滞留性、起泡性の面から、炭素数8〜16のアルキル基が好ましく、炭素数10〜14がより好ましく、ラウリル基が特に好ましい。また、アルキル基の1個以上の水素原子は、置換基で置換されてもよく、当該置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のハロアルコキシ基が挙げられる。また、本発明で用いられる式(A)で表される化合物のガラクトースは、ピラノース型、フラノース型又はそれらの混合物のいずれも含まれる。mは、0〜200の整数を示すが、共凝集抑制作用の面から0〜12が好ましく、0〜3がより好ましい。ガラクトースの縮合度を示すnは、1〜30の整数であるが、起泡性の面から1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、本発明に用いられる化合物は、式(A)においてEが水素原子である、式(B)
(式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す。)で表される化合物が好ましい。
また、本発明で用いられる化合物は、2種類以上化合物を含む混合物であってもよい。かかる混合物である式(C)において、Rの置換されてもよいアルキル基は平均炭素数6〜18のアルキル基であるが、香味、口腔内での滞留性、起泡性の面から平均炭素数8〜16が好ましく、より好ましくは平均炭素数10〜14である。平均重合度xは0〜200の数であるが、0〜12の数が好ましく、0〜3の数がより好ましい。ガラクトースの平均縮合度yは1〜30の数であるが、共凝集抑制作用の面から1〜6の数が好ましく、1〜3の数がより好ましい。尚、ガラクトースの平均縮合度yは、ゲル浸透クロマトグラフィーなどの分析法から得られる各縮合度の成分の組成をもとに算出することができる。例えば、ガラクトースの縮合度1〜zのアルキルガラクトシド混合物の場合、縮合度zのガラクトシドのモル比がaz(a1+a2+a3+・・・+az=1)であるとすると、ガラクトースの平均縮合度はy=a1×1+a2×2+・・・+az×z=Σ(az×z)で表される。
また、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均重合度xやRで表されるアルキル基の平均炭素数も同様にして算出することができる。
式(A)〜(C)で表される化合物は、堀らの方法(薬学雑誌,Vol.79,No.1,p80−83)や後述する参考例1〜3により製造することができる。
式(A)〜(C)で表される化合物は、常在菌であるフソバクテリウム属細菌とう蝕原因菌との共凝集を強力に抑制する。ここで、フソバクテリウム属細菌としては、フソバクテリウム ヌクレアタム、フソバクテリウム ルージー等が挙げられる。また、う蝕原因菌としては、ストレプトコッカス ミュータンス、ストレプトコッカス ソブリナス等が挙げられる。
従来既知の脂肪酸糖エステルは口腔内で分解してう蝕の原因となる酸を生成するが、本発明で用いられる式(A)〜(C)で表される化合物は、後記実施例3に示すように、口腔内で分解されず、う蝕の原因となる酸を生成しない。
式(A)〜(C)で表される化合物の本発明口腔用組成物全体中の含有量は0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.2〜5質量%である。
また、本発明者の検討によれば、炭素数4〜12の糖アルコールは、フソバクテリウム属細菌とう蝕原因菌との結合を遅延させる作用を有し、かつ口腔内で酸を生成しない。すなわち、これらの糖アルコールも、共凝集抑制剤として有用である。従って、本発明の口腔用組成物は、共凝集抑制効果の面から炭素数4〜12の糖アルコールを含有することが好ましい。炭素数4〜12の糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール等を挙げることができる。炭素数4〜12の糖アルコールの本発明口腔用組成物全体中の含有量は4〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは10〜50質量%である。
式(A)〜(C)で表される化合物と炭素数4〜12の糖アルコールとの併用は香味の面からも有用である。炭素数4〜12の糖アルコールは、化合物(A)〜(C)1質量部に対して1〜500質量部含有することが好ましく、特に練歯磨剤では5〜400質量部、洗口剤では10〜200質量部含有することが好ましい。
本発明の口腔用組成物には、前記必須成分のほか、その形態に応じて種々の成分を配合することができる。配合可能な成分として、例えば湿潤剤、粘結剤、歯質強化剤、殺菌剤、pH調整剤、酵素類、抗炎症剤、血行促進剤、甘味剤、防腐剤、着色剤、色素類、香料等を適宜使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限り、式(A)〜(C)で表される化合物以外の界面活性剤を配合することもできる。
本発明の口腔用組成物は、式(A)〜(C)で表される化合物を配合し、常法により製造することができ、粉歯磨、液状歯磨、練歯磨、潤製歯磨、口腔パスタ等のペースト状洗浄剤、洗口液、マウスウォッシュ等の液状洗浄剤、うがい用錠剤、歯肉マッサージクリーム、チューインガム、トローチ、キャンディ等の食品等の形態とすることができる。
参考例1 α,β−ラウリルガラクトシドの製造
D−ガラクトースとラウリルアルコールを触媒量のパラトルエンスルホン酸1水和物存在下、加熱、減圧条件で脱水しながら反応させた。得られた混合物をシリカゲルカラムにより精製し、ガラクトース縮合度1〜3のラウリルガラクトシドを得た。ゲル浸透クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、1H−NMRによる分析の結果、得られたラウリルガラクトシドのガラクトースの平均縮合度は1.48であり、成分中のラウリルモノガラクトシドの組成はピラノシド/フラノシド=83/17、そのうちピラノシドのα/β比は75/25であった。これをα,β−ラウリルガラクトシドとして実施例1〜6の試験物質として用いた。
参考例2 β−トリオキシエチレンラウリルガラクトシドの製造
ペンタアセチル−D−ガラクトースとトリオキシエチレンモノラウリルエーテルを三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体存在下、ジクロロメタン中、室温で反応させた。溶媒を減圧下で留去した後、シリカゲルカラムで精製することによりβ−トリオキシエチレンラウリル−2,3,4,6−テトラアセチルガラクトシドを得た。これをナトリウムメトキシドにより脱アセチル化して、β−トリオキシエチレンラウリルガラクトシドを得た。1H−NMR(400MHz,CDCl3)0.88(t,3H),1.2−1.35(m,18H),1.57(m,2H),3.35−3.8(overlapped,13H),3.84(t,2H),3.97−4.07(overlapped,3H),4.17(d,1H),4.29(d,J=7.6Hz,1H),4.41(d,1H)。これをβ−トリオキシエチレンラウリルガラクトシド(ガラクトース縮合度は1)として実施例1の試験物質として用いた。
参考例3 α−及びβ−オクチルガラクトシドの製造
参考例2と同様にオクチルアルコールを原料として製造したα,β−オクチルガラクトシドをカラムにより精製し、α−オクチルガラクトシド及びβ−オクチルガラクトシドを得た。α体:0.78(t,3H),1.1−1.3(m,10H),1.47(m,2H),3.45−3.70(overlapped,7H),4.63(d,J=2.8Hz,1H)、β体:0.86(t,3H),1.2−1.35(m,10H),1.51(m,2H),3.25−3.75(overlapped,7H),4.09(d,J=7.6Hz,1H)。これらをそれぞれα−オクチルガラクトシド、β−オクチルガラクトシド(いずれもガラクトース縮合度は1)として実施例1〜7の試験物質として用いた。
実施例1(共凝集抑制効果)
(1)使用菌株
う蝕原因菌としてストレプトコッカス ソブリナス B13株を用い、フソバクテリウム属細菌としてフソバクテリウム ヌクレアタム ポリモルヒュムATCC10953株を用いた。
(2)共凝集測定法
ストレプトコッカス ソブリナスは、ブレインハートインフュージョン液体培地に植菌後37℃の嫌気条件下にて24時間培養した。フソバクテリウム ヌクレアタム ポリモルヒュムは、GAMブイヨン液体培地に植菌後37℃の嫌気条件下で48時間培養した。培養終了後、遠心分離にて集菌し、共凝集用緩衝液(1mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、0.1mM 塩化カルシウム、0.1mM 塩化マグネシウム、0.15M 塩化ナトリウム)で2回洗浄した。洗浄後、フソバクテリウム ヌクレアタム及びストレプトコッカス ソブリナスは600nmの波長における濁度(OD:UV-1600、UV-Visible spectrophotometer(島津製作所))が2.0になるよう共凝集用緩衝液で調整し菌懸濁液を得た。式(A)で表される化合物など試験物質は2%(wt/vol%)になるように共凝集用緩衝液で予め調整した。ガラクトースラウレートは公知の方法で合成した(特許文献2:特開2000−159675)。それ以外の試験物質は、ラクトース、ガラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース(以上和光純薬製)、β−ラウリルグルコシド、β−ラウリルマルトシド、スクロースモノラウレート(以上同仁製薬製)を用いた。共凝集試験は、No.2のRIAチューブ(旭テクノグラス社製)を用い、フソバクテリウム ヌクレアタム菌懸濁液400μL、ストレプトコッカス ソブリナス菌懸濁液200μL及び2%(wt/vol%)試験物質溶液200μLを順次混和した。共凝集抑制活性の有無は、混和後、室温にて30分静置後、菌塊の沈殿が認められなかったものについて共凝集抑制活性有り(+)、認められなかったものを共凝集抑制活性無し(−)とした。
(3)結果
表1に示すように、対照群(無添加群)やスクロース、グルコース、フルクトース、β−ラウリルグルコシド、β−ラウリルマルトシド、スクロースモノラウレートでは共凝集による明確な沈殿が認められたが、α−オクチルガラクトシド、β−オクチルガラクトシド、α,β−ラウリルガラクトシド、β−トリオキシエチレンラウリルガラクトシドはラクトースやガラクトース、ガラクトースラウレート同様に共凝集による沈殿が認められず、共凝集抑制活性を有することが明らかであった。
実施例2(共凝集抑制効果)
(1)使用菌株
う蝕原因菌としてストレプトコッカス ソブリナス B13株を用い、フソバクテリウム属細菌としてフソバクテリウム ヌクレアタム ポリモルヒュムATCC10953株を用いた。
(2)培養及び洗浄
う蝕原因菌は、ブレインハートインフュージョンブロス(ベクトンディッキンソン社製)、フソバクテリウム属細菌はGAMブイヨン(日水製薬株式会社)で37℃、10%CO2,10%H2,80%N2の条件下で対数増殖期から定常期まで培養し、5,000rpm、5分遠心分離を行い集菌した。その後、共凝集用緩衝液(1mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、0.1mM 塩化カルシウム、0.1mM 塩化マグネシウム、0.15M 塩化ナトリウム)で3回遠心洗浄後(5,000rpm、5分)、OD600nmで2.0に調製した。
(3)共凝集測定法
96穴マイクロプレートにマンニトール、パラチニット、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ラクチトール(以上和光純薬製)を最終濃度10%(wt/vol%)になるよう60μL添加後、フゾバクテリア属細菌を30μL分注攪拌し、う蝕原因菌を30μL添加した。その後、マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製)を用い1分間隔で30分間濁度(OD600nm)を測定し、濁度の変化率Vmax(mOD/min)を計算し、試験物質の代わりに共凝集用緩衝液を添加したもののVmaxをコントロール(100%)とし、相対共凝集率を算出することにより共凝集反応を測定した。
(4)結果
相対共凝集率は、マンニトールでは16%、パラチニットでは71%、エリスリトールでは35%、キシリトールでは20%、ソルビトールでは62%、ラクチトールでは0%となり、う蝕原因菌とフソバクテリウム属細菌の共凝集抑制効果がみられた。
実施例3
採取した歯垢に対して各種の共凝集抑制剤を適用した後のpH変化を測定することにより、これらの成分が口腔内で分解されて酸を生成するか否かを判定した。すなわち、1週間に亘り歯磨き等全ての口腔衛生習慣を停止した後、デンタルスケーラーを用いて歯面に付着したプラークを物理的に採取した。採取した歯垢はただちに生理食塩水で5質量%に希釈後分散し、歯垢懸濁液を調製した。歯垢懸濁液0.5mLに各種共凝集抑制剤を0.9%(wt/vol%)になるよう添加し希塩酸もしくは希水酸化ナトリウム液でpHを7に調整後、37℃でのpHの変動を追跡した。pHは堀場製作所製のTWIN−B212型pHメーターを用いて測定した。
その結果、図1に示すように、ラクトース、ガラクトース及びガラクトースモノラウレートは、pHが低下したことから、分解されて酸を生成することがわかる。一方、β−オクチルガラクトシド及びα,β−ラウリルガラクトシドの式(A)又は(C)で表される化合物は、添加後pHがほとんど変化せず、口腔細菌により口内で分解せず、酸を生成しないことがわかる。
実施例4
表2に記載の口腔パスタを調製し、得られた歯磨剤による歯垢中のむし歯菌低減効果を測定した。すなわち、う窩が無く、かつう蝕菌比率が0.2〜0.5%の30代男性3名が、1日3回の割合で口腔パスタ1gを用いて通常の歯磨きを行い、1ヶ月後歯垢中のむし歯菌の比率の変化を調べた。歯垢中のむし歯菌比率の測定は、12時間歯磨き停止後、5分間採唾用ガム(株式会社BML製)を噛ませながら唾液を採取した。この唾液サンプルには歯面から剥離した歯垢が混入している。う蝕菌比率は、採取唾液中のう蝕原因菌数の総レンサ球菌数に対する割合を求めた。う蝕菌数はpH7.4の0.1Mリン酸緩衝液化生理食塩水(PBS)で採取唾液を100倍希釈し、スパイラル装置(IUL Instruments社製)を用いて50μLを改良MSB寒天培地(特開2002−027975)に塗抹した。総レンサ球菌数は、PBSで10000倍に希釈し、同様にMS寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン社製)に塗抹した。塗抹した寒天培地は、アネロパック嫌気培養システム(三菱ガス化学社製)を用いて37℃、48時間嫌気培養を行った。培養後、各々適当な領域内のコロニーを計測して、総レンサ球菌に対するう蝕菌の比率を算出した。
その結果、図2に示すように、比較例のラウリルグルコシド含有口腔パスタ及びラウリル硫酸ナトリウム含有口腔パスタは、歯垢中のむし歯菌を減少させなかったが、実施例5のα,β−ラウリルガラクトシド含有口腔パスタは歯垢中のむし歯菌を顕著に減少させた。
実施例5
本発明の練歯磨の処方は、以下の通りである。
ソルビトール 35 質量%
無水ケイ酸 20 質量%
濃グリセリン 5 質量%
α,β−ラウリルガラクトシド 5 質量%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1 質量%
歯磨き用香料 1 質量%
フッ化ナトリウム 0.2質量%
サッカリンナトリウム 0.2質量%
精製水 残部
計 100 質量%
実施例6
本発明の練歯磨の処方は、以下の通りである。
ソルビトール 28 質量%
無水ケイ酸 20 質量%
濃グリセリン 8 質量%
エリスリトール 5 質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2質量%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1 質量%
歯磨き用香料 1 質量%
α,β−ラウリルガラクトシド 0.5質量%
フッ化ナトリウム 0.2質量%
サッカリンナトリウム 0.2質量%
精製水 残部
計 100 質量%
実施例7
本発明のマウスウォッシュの処方は、以下の通りである。
エタノール 15 質量%
キシリトール 7 質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2 質量%
サッカリンナトリウム 0.5質量%
β−オクチルガラクトシド 0.2質量%
洗口剤用香料 0.2質量%
安息香酸ナトリウム 0.1質量%
精製水 残部
計 100 質量%
洗口剤適用後の口腔内pH変化を示す図である。 歯垢中に含まれるむし歯菌の割合を示す図である。

Claims (5)

  1. 式(A)
    (式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、Eは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す。)で表される化合物を含有する口腔用組成物。
  2. 式(B)
    (式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す。)で表される化合物を含有する口腔用組成物。
  3. 式(C)
    (式中、Rは置換されてもよい平均炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、Eは水素原子又はメチル基を示し、xは0〜200の数を示し、yは1〜30の数を示す。)で表される化合物を含有する口腔用組成物。
  4. さらに炭素数4〜12の糖アルコールを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
  5. 式(A)
    (式中、Rは置換されてもよい炭素数6〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、Gはガラクトース残基を示し、Eは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜200の整数を示し、nは1〜30の整数を示す。)で表される化合物を有効成分とするフソバクテリウム属細菌とう蝕原因菌との共凝集抑制剤。
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