JP2006124329A - プロパノン誘導体、その製法およびそれを含有する香料組成物 - Google Patents

プロパノン誘導体、その製法およびそれを含有する香料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来にないユニークな香気特性を有する香料化合物及び該香料化合物を含有する香料組成物を提供すること。
【解決手段】 下記式(1)
Figure 2006124329

[式中、点線は単結合または二重結合を示す]で表されるプロパノン誘導体およびそれを含有する香料組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規なプロパノン誘導体とその製法ならびにそれを含有する香料組成物に関する。
本発明の前記式(1)で表される化合物である、1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(以下、β体と記載する。)、1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(以下、α体と記載する。)、及び1−(2,5,6,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン(以下、水素化体と記載する。)は、これまで単離または合成されたという報告はなく、ましてやその香気香味特性については全く知られていなかった。また、前記式(2)で表される1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン(以下、γ体と記載する。)は非特許文献1において、既に合成されている公知の化合物であるが、これまでこの化合物の香気香味特性に関する報告は無く、従って香料として利用価値があることは全く知られていなかった。
一方、本発明化合物と同様の骨格を有する化合物としては、1−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンが特許文献1に記載されており、フローラル様、フルーティー様、ウッディー様、イリス様、バイオレット様の香気香味特性を有し有用であると記載されている。また、1−(6,6−ジメチル−2−メチレンシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンが、特許文献2に記載されており、フレッシュなパインニードルトーンでハーバル様、グリーン様、フローラル様、フルーティー様、ウッディー様、イリス様、バイオレット様の香気香味特性を有し有用であると記載されている。
特開平10−195014号公報 特開平10−226664号公報 Julia,S.,Julia,M.,Linares,H.,and Blondel,J.C.,Bull.Soc.Chim.France,1952−1959(1962).
近年、消費者の嗜好性は多様化し、それに伴って各種各様の香気を有する食品及び香粧品が製造されている。これらの多様化に対して、従来公知の香料化合物だけでは各種各様の香気を有する食品用香料及び香粧品用香料の需要には対応しきれず、従来にない新しいタイプのユニークな香料素材の開発が強く求められている。
そこで本発明者らは、上述の課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、本発明の新規な前記式(1)で表される化合物及び前記式(2)で表される化合物は、上述の要求課題を解決できる従来にないユニークな香気香味特性を有し、香料化合物として極めて有用であることを見いだし本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、下記式(1)
Figure 2006124329
[式中、点線は単結合または二重結合を示す]
で表されるプロパノン誘導体を提供するものである。
また本発明は、下記式(1a)
Figure 2006124329
で表されるシス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン及び/又は下記式(1b)
Figure 2006124329
で表されるトランス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンを提供することができる。
さらに本発明は、下記式(2)
Figure 2006124329
[式中、点線は単結合または二重結合を示す]
で表されるプロパノン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする香料組成物を提供することができる。
また本発明は、前記したシス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(1a)及び/又はトランス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(1b)を有効成分として含有することを特徴とする香料組成物を提供することができる。
さらに本発明は下記式(3)
Figure 2006124329
で表される1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンを酸の存在下で異性化することを特徴とする下記式(4)
Figure 2006124329
[式中、点線は二重結合を示す]
で表されるプロパノン誘導体の製造方法を提供するものである。
本発明により提供される前記式(1)及び前記式(2)で表されるプロパノン誘導体は、それぞれ特徴的な香気香味特性を有しており、これらの1種または2種以上を好適に食品用香料ないしは香粧品香料に使用することにより、従来にない好ましい天然感が付与された特徴的な香料組成物を提供することができる。
本発明の前記式(3)で表されるγ体は、3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセンメタノールとイソプロペニルメチルエーテルより合成されるアリルビニルエーテル型化合物をクライゼン転位反応させることにより、シス/トランスが約1/9の幾何異性体混合物として合成することができる。ここで用いる3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセンメタノールは、市場において入手可能な2,3−ジメチルフェノールを原料として、文献(Kawanobe.T.,Kogami.K.,Hayashi.K.,Matsui.M.,Agric.Biol.Chem.,51,791(1987))記載の手法により調製することができる。
また、前記式(3)で表されるγ体を酸の存在下で異性化すると、前記式(4)で表されるプロパノン誘導体を得ることができる。ここで、用いる酸としては、特に限定されないが、例えば、りん酸、硫酸、塩酸のような無機酸類;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸類;塩化アルミニウム、トリフルオロボランエーテル錯体、塩化亜鉛などのルイス酸;酸性イオン交換樹脂などが挙げられる。酸の使用量としては、原料であるγ体に対し0.001〜20モル%が良く、0.1〜10モル%がより好ましい。また、この反応は、溶媒を用いても用いなくても良いが、溶媒を用いる場合には、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、ハロゲン化合物などを溶媒として用いることができ、その使用量としては、原料に対し0.5〜10重量倍が好ましく、1〜5重量倍が特に好ましい。また、前述の酸を溶媒として用いることもでき、この際の使用量としては、原料に対し0.5〜10重量倍が好ましく、1〜5重量倍が特に好ましい。また、この反応を行う際の温度は、特に限定されないが、低温下では進行が遅く、高温下では重合等の副反応が進行することを考慮すると、−20〜60℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。このようにして得られるプロパノン誘導体は、シクロヘキサン環内1位に二重結合を有するβ体とシクロヘキサン環内2位に二重結合を有するα体の混合物である。また、使用した原料γ体が幾何異性体混合物の場合には、得られてくるα体も幾何異性体の混合物として得られる。得られる異性体混合物を所望によりカラムクロマトグラフィー、分取ガスクロマトグラフィー等の方法で処理することにより、異性体をそれぞれ単離することができる。また、上述のα体、β体、γ体の1種または2種以上を原料として用い、接触水素化反応を行うことで、水素化体を得ることができる。
このようにして調製できるα体、β体、γ体、水素化体は、反応後そのままの状態で使用することもできるが、所望により蒸留、カラムクロマトグラフィー等の方法で精製後使用することもできる。また、これらの化合物は単独で用いることもできるが、混合物として使用することもできる。
本発明品のα体、β体、γ体、水素化体の香気特性を示せば下記表の様である。
Figure 2006124329
本発明化合物はそれ自体で特有の香気を有するものであるが、公知の芳香成分よりなる香料組成物に本発明化合物を添加することにより、該香料組成物との調和を保ちながらも、香気の改善および増強に極めて優れた効果を発揮する。
本発明の香料組成物に使用される前記式(1)及び前記式(2)で表されるα体、β体、γ体及び水素化体の1種または2種以上の混合物の配合量としては、目的とする香気、調合香料の用途などにより異なるが、一般的には香料組成物中に0.01〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%配合する。
また、本発明の香料組成物に使用されるα体及びγ体それぞれについての幾何異性体の比率としては、目的とする香気、調合香料の用途などにより異なるが、シス/トランス=0/100〜50/50が好ましく、シス/トランス=0/100〜20/80が特に好ましい。
本発明化合物を用いて香料組成物を調製する際に、他に使用される香料化合物としては、例えば、香料化学総覧,1,2,3[奥田治著 廣川書店出版]、Perfume and flavor Chemicals,1,2[Steffen Arctander著]、合成香料[印藤元一著 化学工業日報社出版]などに記載の香料化合物を挙げることができる。
本発明の香料組成物は、飲食品類に用いることで、その特徴的な香気特性を商品に付与し、多様化する消費者のニーズを満足できる、ユニークな商品を提供できる。飲食品類としては、例えば、飲料類、冷菓類、デザート類、菓子類、調味料類等が挙げられる。本発明の香料組成物は、香粧品類に用いることで、その特徴的な香気特性を商品に付与し、多様化する消費者のニーズを満足できる、ユニークな商品を提供できる。香粧品類としては、例えば、香水、オーデコロン、化粧水、染毛剤、石鹸、ボディーソープ、シャンプー、リンス、トリートメント、シェービングクリーム、洗剤、漂白剤、芳香剤、香油、線香等が挙げられる。
以下に、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
参考例1:1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンの合成
1Lの耐圧容器中で、3,3,4−トリメチル−1−シクロヘキセンメタノール(46.2g,0.30mol)、イソプロペニルメチルエーテル(216.0g,3.0mol)、ピバリン酸(6.1g,0.06mol)を窒素雰囲気下に180℃で5時間反応する。反応液をエバポレーターで濃縮し、得られた粗製物(88.0g)を減圧下に蒸留することにより、1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン(38.5g)を得た。収率66%。
得られた化合物は、分析の結果シス/トランス=10/90の幾何異性体混合物であった。
(物性データ)
1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン
香気:ウッディー、カンファー様でフレッシュ感のある香り
NMR(H,400MHz,CDCl):0.81(s,3H);0.82(d,3H,J=6.8Hz);0.88(s,3H);1.20−1.27(m,1H);1.50−1.58(m,2H);2.10(s,3H);2.10−2.21(m,2H);2.42−2.60(m,3H);4.58(s,1H);4.69(s,1H) δppm
NMR(13C,100MHz,CDCl):15.59;21.46;26.40;30.23;30.84;31.61;35.29;36.64;43.01;51.12;109.96;148.42;208.89 δppm
MS:194(M,1),179(17),161(6),151(13),136(66),121(89),109(39),95(57),83(54),77(13),67(24),55(44),43(100),27(6).
*スペクトルデータは主要な異性体のものについて記載した。
実施例1:1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンと1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン混合物の合成
30mL反応フラスコに、85%りん酸(9.7g)を仕込み、氷水冷下撹拌する。ここに、参考例1で得られた1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン(9.7g,50.0mmol)を10±5℃/0.5hrで滴下し6hr撹拌する。加水後エーテル抽出、重曹水洗、ブライン洗を行い、乾燥後、濃縮し残渣(9.7g)を得る。これを、蒸留し得られた留分(6.8g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、目的とする異性体混合物(4.7g)を得た。収率48%。
得られた混合物は分析の結果、1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンが39%、1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンが56%の混合物であり、1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンについては、シス/トランス=12/88の幾何異性体混合物であった。
得られた混合物を更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画することにより、位置異性体である1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンと1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンを単離した。更に、1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンを分取ガスクロマトグラフィーにて分画することにより、幾何異性体であるシス体とトランス体を単離した。
(物性データ)
トランス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン
香気:ダマスコン様のフルーティ、フローラルでフレッシュ感のある香り
NMR(H,400MHz,CDCl):0.76(s,3H);0.79(s,3H);0.82(d,3H,J=6.8Hz);1.42−1.56(m,1H);1.59(d,3H,J=1.5Hz);1.56−1.66(m,1H);1.92−2.02(m,1H);2.17(s,3H);2.23(dd,J=17.7,4.0Hz,1H);2.32−2.34(m,1H);2.62(dd,J=17.7,6.5Hz,1H);5.27(brs,1H) δppm
NMR(13C,100MHz,CDCl):15.31;20.94;22.87;25.23;30.30;31.90;32.48;34.91;45.63;45.82;121.20;136.34;208.82 δppm
MS:194(M,2),136(63),121(100),109(10),95(9),81(23),70(10),55(13),43(54).
シス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン
香気:わずかにオゾンノートを有するメチルイオノン様香気
NMR(H,400MHz,CDCl):0.62(s,3H);0.85(d,3H,J=6.6Hz)0.88(s,3H);1.47−1.48(m,3H);1.49−1.58(m,1H);1.58−1.65(m,1H);1.84−1.93(m,1H);2.21(s,3H);2.45(d,J=6.0Hz,2H);2.59−2.65(m,1H);5.36(brs,1H) δppm
NMR(13C,100MHz,CDCl):14.62;15.92;22.19;26.11;30.14;31.84;35.12;38.17;43.27;44.68;122.26;134.73;208.93 δppm
MS:194(M,2),136(70),121(72),109(21),95(16),81(39),70(18),55(25),43(100).
1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン
香気:カンファー、ボルネオール様でハーバル感のある香り
NMR(H,400MHz,CDCl):0.79(s,3H);0.90(d,3H,J=6.8Hz);0.92(s,3H);1.35−1.45(m,1H);1.45−1.60(m,2H);1.52(s,3H);1.90−2.00(m,1H);2.05−2.25(m,1H);2.15(s,3H);3.12(s,2H) δppm
NMR(13C,100MHz,CDCl):16.65;20.67;21.53;26.54;27.15;29.23;31.61;37.86;39.00;44.37;130.74;131.40;207.87 δppm
MS:194(M,14),179(18),161(5),151(15),137(29),121(100),109(49),95(47),81(18),67(17),55(14),43(50).。
実施例2:1−(2,5,6,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンの合成
50mL耐圧容器中に参考例1で得られた1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン(2.9g,15.0mmol)、95%エタノール(15mL)及び5%Pd−C(0.3g)を仕込み、窒素置換後、0.5MPaの水素圧下、100℃で反応を行い、触媒ろ過後濃縮し減圧蒸留することで、水素化物が約85%含有される留分(2.6g)を得た。収率87%。
(物性データ)
1−(2,5,6,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン
香気:ウッディー、カンファー様でアンバー、アニマリックなアンダートーンを持つ香り
NMR(H,400MHz,CDCl):0.52〜1.00(m,12H);1.20〜1.65(m,6H);1.55〜2.02(m,1H);2.02〜2.50(m,2H);2.16(s,3H) δppm
NMR(13C,100MHz,CDCl):14.86;20.90;23.33;27.90;28.77;29.85;30.04;34.60;35.78;39.97;40.80;44.72;121.03 δppm
MS:196(M,5),138(59),123(92),111(30),95(23),83(22),69(27),55(47),43(100),29(6).
*スペクトルデータは主要な異性体のものについて記載した。
実施例3:フレッシュシトラスタイプ香料の調製
実施例1で製造した1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンを用いて、下記に記載の処方でフレッシュシトラスタイプの香料組成物を調製した。同様に比較例1として1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オンの代わりにα−ダマスコンを使用した香料組成物を調製した。
Figure 2006124329
実施例3と比較例1について10名の専門パネラーによる香気評価を行った。なお、評価方法は次のとおりである。
(評価方法)
強さを、(5) 強い、(4) やや強い、(3) どちらでもない、(2) やや弱い、(1) 弱いの5段階、拡散性を、(5) 良い、(4) やや良い、(3) 一般的、(2) やや悪い、(1) 悪いの5段階にて評価し、各パネラーの評点の相加平均を総合評点とし、評価結果を表3に示す。
Figure 2006124329
以上のように本発明品を使用した実施例3の方が拡散性に富んだ、フレッシュなシトラス様香気が増強され好ましいという評価結果が得られた。
実施例4,5,6:ハーバル・フローラルタイプ香料の調製
参考例1で製造した1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オン、実施例1で製造した1−(2,5,6,6−テトラメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン及び実施例2で製造した1−(2,5,6,6−テトラメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンをそれぞれ用いて、下記に記載の処方でハーバル・フローラルタイプの香料組成物を調製した。同様に比較例2として実施例4,5,6で使用した本発明品の代わりにカンファーを使用した香料組成物を調製した。
Figure 2006124329
実施例4、5、6と比較例2について10名の専門パネラーよって前期と同様な方法で香気評価を行い、評価結果を表5に示す。
Figure 2006124329
以上のように本発明品を使用した実施例4,5,6のいずれも比較例2よりも拡散性に富んだ、フレッシュなハーバル・フローラル様香気が増強され好ましいという評価結果が得られた。
実施例7:シャンプーへの賦香例
実施例3,4,5,6及び比較例1,2の各香料組成物を下記処方のシャンプーベースにそれぞれ0.3%ずつ賦香し、シャンプー組成物を調製した。
Figure 2006124329
得られたそれぞれのシャンプー組成物について10名の専門パネラーによる香気評価を行い、実施例3および比較例1の香料組成物を使用したシャンプーの香気評価を表7に示し、実施例4、5、6および比較例2の香料組成物を使用したシャンプーの香気評価を表8に示す。なお、評価方法は次のとおりである。
(評価方法)
強さを、(5) 強い、(4) やや強い、(3) どちらでもない、(2) やや弱い、(1) 弱いの5段階、嗜好性を、(5) 良い、(4) やや良い、(3) 一般的、(2) やや悪い、(1) 悪いの5段階にて評価し、各パネラーの評点の相加平均を総合評点とした。
Figure 2006124329
以上のように本発明品を使用した実施例3の方がより嗜好性の高い、フレッシュなシトラス様香気が増強され好ましいという評価結果が得られた。
Figure 2006124329
以上のように本発明品を使用した実施例4,5,6のいずれも比較例2よりも嗜好性の高い、フレッシュなハーバル・フローラル様香気が増強され好ましいという評価結果が得られた。

Claims (5)

  1. 下記式(1)
    Figure 2006124329
    [式中、点線は単結合または二重結合を示す]
    で表されるプロパノン誘導体。
  2. 下記式(1a)
    Figure 2006124329
    で表されるシス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン及び/又は下記式(1b)
    Figure 2006124329
    で表されるトランス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン。
  3. 下記式(2)
    Figure 2006124329
    [式中、点線は単結合または二重結合を示す]
    で表されるプロパノン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする香料組成物。
  4. 請求項2記載のシス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(1a)及び/又はトランス−1−(2,5,6,6−テトラメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)プロパン−2−オン(1b)を有効成分として含有することを特徴とする香料組成物。
  5. 下記式(3)
    Figure 2006124329
    で表される1−(6−メチレン−2,2,3−トリメチルシクロヘキサン−1−イル)プロパン−2−オンを酸の存在下で異性化することを特徴とする下記式(4)
    Figure 2006124329
    [式中、点線は二重結合を示す]
    で表されるプロパノン誘導体の製造方法。
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