JP2006123720A - エアバッグドア - Google Patents

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Abstract

【課題】ドア破断予定部に沿った表皮の適切な破断を促進すると共に、発泡体の適切な発泡成形がなされるようにする。
【解決手段】表皮破断尖端部46を備えた表皮破断促進部材40を、基材12と表皮14との間に介在させた発泡体16の内部へ埋設して、この表皮破断尖端部46を表皮14の裏面において、ドアパネル30の外縁ラインに沿設したドア破断予定部32に沿って延在させる。これにより膨張するエアバッグ64の押圧力が、ドアパネル30および表皮破断促進部材40の表皮破断尖端部46を介して表皮14に加わることで、ドア破断予定部32に沿った該表皮14の破断が促進される。表皮破断促進部材40は、ドアパネル30に整合する略台形枠体状の骨格構造をなし、発泡体16の発泡成形に支障を来たさないよう考慮されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアバッグドアに関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、該ドアパネルの外側を被覆する表皮と、これら基材と表皮との間に発泡成形により介在させた発泡体とからなり、エアバッグ装置のエアバッグが前記ドアパネルをその裏側から押圧した際に、該ドアパネルの外縁ラインに沿設したドア破断予定部が破断すると共に、前記発泡体および表皮が該ドア破断予定部に沿って夫々破断して、前記ドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアに関するものである。
近年生産される殆どの乗用車には、対向車との正面衝突事故の発生時に乗員保護を図るため、運転席エアバッグ装置および助手席エアバッグ装置が標準的に装備されている。例えば図10および図11に例示するように、助手席の乗員を保護するためのエアバッグ装置60は、乗員室内前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネル10の内部に、乗員席から見えないよう格納した状態で搭載されている。このため、インストルメントパネル10を構成する合成樹脂製の基材12には、エアバッグ装置60のインフレータケース62に対応する位置にエアバッグドアAD1が設けられており、エアバッグ装置60の作動により膨張を開始したエアバッグ64の押圧力を受けた際に、当該エアバッグドアAD1が開放するようになっている。
ここで、現在実施に供されているエアバッグドアは、(a)前述した基材12に一体的に形成された基材一体タイプ、(b)基材12とは別体に形成された基材別体タイプ、があり、図10および図11に例示のエアバッグドアAD1は、前述した(b)の基材別体タイプとなっている。すなわちエアバッグドアAD1は、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPO)等の柔軟性に富んだ樹脂素材から成形され、基材12に開設したドア設置部18に対して組み付ける構造となっている。なお、図10および図11に例示したエアバッグドアAD1は、4枚のドアパネル30(30A,30B,30C,30D)からなる四方開きタイプであり、各ドアパネル30の外縁ライン(境界ライン)に沿って両Y字形のドア破断予定部32が沿設されていると共に、その裏面側に角筒状の支持枠部34が一体的に形成されており、この支持枠部34がエアバッグ装置60のインフレータケース62に連結されるようになっている。
ところで、図10に例示したインストルメントパネル10は、所要形状にインジェクション成形された合成樹脂製の基材12と、該基材12の外側を被覆する表皮14と、これら基材12と表皮14との間で発泡成形して介在させた発泡体16とから構成された3層構造となっている。従ってエアバッグドアAD1は、図11に例示したように、各ドアパネル30の外面に所要厚で被着される発泡体16と、該発泡体16を被覆する表皮14とで被覆された構造となっている。このため、エアバッグ装置60の作動時に各ドアパネル30が対応のヒンジ部36を中心として開放するためには、ドア破断予定部32が破断するだけでなく、該ドア破断予定部32に沿って発泡体16および表皮14が夫々破断する必要がある。なお、このような構成のエアバッグドアは、例えば特許文献1および特許文献2に開示されている。
特開2003−191815号公報 特開平09−315251号公報
特許文献1は、例えば図12に例示するように、基材12(エアバッグドアAD1)と表皮14との間で発泡体16を発泡成形した後に、レーザー加工機を使用したレーザー加工技術に基づいてエアバッグドアAD1の裏側からドア破断予定部32に沿ってスリットSを形成することで、発泡体16および表皮14の破断を発現し易くしたものである。しかしながら、このようなエアバッグドアAD1では、(a)レーザー加工機の価格が極めて高価であるため設備費が嵩み、これが成形コストに反映されてしまう、(b)発泡体16の厚みにばらつきがあるため、表皮14の裏側まで到達するようにスリットSを正確に成形することがかなり困難である、等の課題を内在していた。殊に、スリットSが表皮14の裏面に到達していない場合には、ドアパネル30の開放に際して該表皮14の破断が発現され難くなり、該表皮14の破断のためにエアバッグ64の膨張エネルギーが多く消費される不都合が発生してしまう。
特許文献2は、前述した(a),(b)の課題を解決可能な提案であって、図13に例示するように、ドアパネル30の外縁部を表皮14の裏側方向へ屈曲させた形状として、その端縁部が表皮14の裏面に直接的に接触する構造となっている(図13では、表皮14を平坦形状で例示してある)。このようなエアバッグドアAD1では、エアバッグ64の押圧力がドアパネル30に加わると、その押圧力がドア破断予定部32に対応した表皮14の部位へ直接的に加わるようになるため、ドア破断予定部32に沿った表皮14の破断が促進されるようになる利点はある。
しかしながら、前述した四方開きタイプのエアバッグドアAD1の場合には、図14に例示するように、ドアパネル30と表皮14との間に両Y字形の隔壁が形成された状態となるため、例えば発泡体16の成形に際して発泡途中の該発泡体16(発泡原料)が図の左側から右側へ流動する場合に矢印に示したような流動態様となるため、斜線で表示した各々の領域Wにボイドや欠肉が発生し易くなって発泡体16の成形不良が発生する虞れがあった。また、ドア破断予定部32に沿ってドアパネル30が表皮14の裏面に直接的に接触しているため、この部位の弾力性が疎外されて触感低下を招来する不都合もあった。
従って本発明は、エアバッグ装置の作動によるドアパネルの開放時に、ドア破断予定部に沿った表皮の適切な破断を促進させ得るようにすると共に、発泡体の適切な発泡成形がなされるようにしたエアバッグドアを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、該ドアパネルの外側を被覆する表皮と、これら基材と表皮との間に発泡成形により介在させた発泡体とからなり、エアバッグ装置のエアバッグが前記ドアパネルをその裏側から押圧した際に、該ドアパネルの外縁ラインに沿設したドア破断予定部が破断すると共に、前記発泡体および表皮が該ドア破断予定部に沿って夫々破断して、前記ドアパネルの開放が許容されるエアバッグドアにおいて、
表皮破断部を備えた表皮破断促進部材を前記発泡体の内部へ埋設して、該表皮破断部を前記表皮の裏面において前記ドア破断予定部に沿って延在させ、
前記エアバッグの押圧力が、前記ドアパネルおよび前記表皮破断促進部材の表皮破断部を介して前記表皮に加わることで、前記ドア破断予定部に沿った該表皮の破断が促進されるよう構成したことを特徴とする。
本発明に係るエアバッグドアによれば、ドアパネルに対応した発泡体に表皮破断促進部材を埋設した構成としたため、エアバッグの押圧力が、該ドアパネルおよび表皮破断促進部材の表皮破断部を介して表皮に加わることで、ドア破断予定部に沿った該表皮の破断が促進される利点がある。従って、ドア破断予定部の破断と同時に、表皮では該ドア破断予定部に沿った破断が促進されるため、エアバッグの膨張エネルギーが有効に使用されて小さなエネルギーで表皮の破断を進行させ得る有益な効果を奏する。
また、発泡空間内で発泡体を成形するに先立ち、骨格構造をなす表皮破断促進部材を、基材、ドアパネルおよび表皮の間に適宜の間隙を確保した状態で該発泡空間内にセットしておくことにより、発泡途中の発泡体の流動が規制されないので該発泡体の成形を適切に行なうことが可能となる等の効果も奏する。
次に、本発明に係るエアバッグドアにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお後述する実施例では、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプのエアバッグドアを例示し、よって図10〜図14を引用して説明した従来技術の項における既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
図1は、本実施例に係るエアバッグドアを実施したインストルメントパネルを、該エアバッグドアの構成を例示するために段階的に破断した部分平面図であり、図2は、図1のII−II線断面図である。本実施例に係るエアバッグドアADは、車両内装部材であるインストルメントパネル10を構成する基材12に設けた4枚のドアパネル30(30A,30B,30C,30D)と、基材12の外側および各ドアパネル30の外側を被覆する表皮14と、これら基材12およびドアパネル30と表皮14との間で発泡成形して介在させた発泡体16とから構成されている。そして図6に例示するように、エアバッグ装置60の作動により膨張するエアバッグ64が各ドアパネル30をその裏側から押圧した際に、夫々のドアパネル30の外縁ライン(境界ライン)に沿設したドア破断予定部32が破断すると共に、発泡体16および表皮14が該ドア破断予定部32に沿って夫々破断することで、各ドアパネル30の開放が許容されるようになっている。すなわちエアバッグドアADは、エアバッグ装置60の作動前はインストルメントパネル10の外面に露出する表皮14により被覆され、該インストルメントパネル10の外方からは全く視認されないインビジブルタイプとなっている。
基材12は、例えばポリプロピレン(PP)やASG等に強化剤を添加した合成樹脂素材を材質とする比較的硬質のインジェクション成形部材であって、内側に配設されるエアバッグ装置60のインフレータケース62に対応する部位に、別部材として形成されるエアバッグドアADを組み付けるためのドア設置部18が開設されている。このドア設置部18は、図2に例示したように、エアバッグドアADの板厚と略同程度の段差状に凹設されており、該エアバッグドアADの裏面に一体的に形成された角筒状の支持枠部34の挿通を許容するサイズに形成された挿通口20と、この挿通口20の外側に形成されてエアバッグドアADの外縁部(ドア取付部31)を支持する取付支持部22とからなっている。
表皮14は、インストルメントパネル10の質感向上を図るために配設されるもので、(a)樹脂シート材から真空成形されたもの、(b)樹脂粉末からパウダースラッシュ成形されたもの、(c)ウレタン原料からスプレー成形されたもの、(d)ウレタン原料から反応射出成形されたもの等が好適に使用され、インストルメントパネル10の外部意匠面形状を前提として厚さが1mm程度に予備成形されたものである。この表皮14は、例えば表面全体に本革に似せたシボ模様等が再現されている。
発泡体16は、例えばウレタン原料を発泡させて形成されるウレタンフォームであって、後述すると共に図4および図5に例示するように発泡成形型50を利用して成形され、エアバッグドアADをセットした基材12と表皮14との間に画成される発泡空間24でウレタン原料を発泡・硬化させることで、これら基材12と表皮14との間に介在させたものである。この発泡体16は、部分的に厚みに多少の差異があるものの5〜10mmの厚さに設定されていて、適度の弾力性を発現し得るようになっている。従って、表皮14の適宜部位を指先等で押圧すると該押圧部位が陥凹的に変形するようになり、インストルメントパネル10の触感向上に寄与するようになっている。また万一、衝突事故時に前方へ投げ出された乗員がインストルメントパネル10の外面に衝突した場合には、その衝撃を吸収して傷害程度の軽減を図ることにも寄与する。
本実施例のエアバッグドアADは、例えばTPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマ)等の柔軟性および靭性等に優れた合成樹脂材料を材質としたインジェクション成形部材であり、前述したドア設置部18の内周端縁形状に合致する略矩形状の外部輪郭形状に形成されている。そして、ドア設置部18の開口領域に整合するよう配置される4枚のドアパネル30(30A,30B,30C,30D)と、これらドアパネル30の外周縁に形成され、前述の取付支持部22に密着的に固定されるドア取付部31とに分かたれている。ここで各ドアパネル30は、平面視で両Y字形に延設されたドア破断予定部32により区分され、エアバッグ装置60の作動時に膨張するエアバッグ64の押圧力によりドア破断予定部32が破断すると、台形形状をなすドアパネル30(30A,30B)はインストルメントパネル10の前側および後側へ開放し、三角形状をなすドアパネル30(30C,30D)は左側および右側へ開放するようになる。なおドア破断予定部32は、ドアパネル30(30A,30B)の境界ラインに沿設された中央破断予定部32Aと、この中央破断予定部32Aの両端部からV字形に延在する斜延破断予定部32Bとからなっており、エアバッグ64の押圧力により先ず中央破断予定部32Aで破断が惹起され、次いでその破断が夫々の斜延破断予定部32B,32Bへ一気に進行するようになる。
また、各ドアパネル30を囲繞する角筒状の支持枠部34は、エアバッグドアADをドア設置部18へ取付けた際に前述した挿通口20を介して基材12の裏側へ延出して、エアバッグ装置60のインフレータケース62に連結され、ヒンジ部36を中心として開放変位する各ドアパネル30をエアバッグ装置60で支持させるよう機能する。なお、支持枠部34の外側壁面には、基材12の挿通口20の端縁に係止される複数個の係止突部38が突設されている。
そして、本実施例に係るエアバッグドアADでは、図1〜図3に例示したように、表皮破断尖端部(表皮破断部)46を備えた表皮破断促進部材40を発泡体16の内部へ埋設して、該表皮破断尖端部46を表皮14の裏面においてドア破断予定部32に沿って延在させたことを特徴としている。これにより、エアバッグ64の押圧力が、各ドアパネル30および表皮破断促進部材40の表皮破断尖端部46を介して表皮14に加わることで、ドア破断予定部32に沿った該表皮14の破断を促進し得るようになっている。
本実施例では、前述した台形形状をなす夫々のドアパネル30(30A,30B)に対し、個別に対応する2つの表皮破断促進部材40,40を配設した場合を例示している。これら表皮破断促進部材40は、ドア破断予定部32に沿って延在して表皮破断尖端部46を設けた押圧作用部42と、この押圧作用部42に一体的に形成されて基材12に固定される取付支持部44とからなっている。すなわち、本実施例の表皮破断促進部材40は、対応のドアパネル30に対応したサイズの略台形枠体状をなし、押圧作用部42がドア破断予定部32(ドアパネル30の外縁ライン)に全体的に沿う骨格構造を呈している。このような表皮破断促進部材40は、例えばTPO等の柔軟性を有する熱可塑性エラストマから成形された一体成形部材であって、押圧作用部42は厚みが1mm前後、幅が5〜10mm程度に設定されているため、撓曲的または折曲的な変形が容易に発現され得るようになっている。但し、押圧作用部42および取付支持部44は、夫々個別に成形した後に連結する分割タイプとしてもよい。
表皮破断尖端部46は、前述した押圧作用部42における上面(表皮14の裏面を指向した面)の端縁において、ドア破断予定部32の中央破断予定部32Aおよび斜延破断予定部32Bに沿うよう突設されており、短手方向に破断した際の縦断面形状が逆V字状を呈している。これにより、エアバッグ64の押圧力がドアパネル30(30A,30B)を介して押圧作用部42に加わると、上方へ押し上げられる表皮破断尖端部46が表皮14の裏側に食い込むようになるため、ドア破断予定部32に沿った該表皮14の破断が促進されるようになる。
一方、取付支持部44は、厚みが1〜1.5mm程度、幅が10〜15mm程度に設定されており、前述した押圧作用部42よりは強度アップが図られている。そして、その長手方向に沿って合計3個の係止孔48が穿設されており、基材12の外面に突設した各係止ピン26を対応的に突入させることで、押圧作用部42を対応のドアパネル30の上方に臨ませた状態で基材12に対する表皮破断促進部材40の取り付けが図られる。
なお、前述した各々の係止ピン26には台座28が形成されており、これら係止ピン26に係止された取付支持部44は、台座28に当接して基材12の外面に対して適宜の間隙H1を以て取り付けられる。これにより表皮破断促進部材40は、図2に例示したように、基材12およびドアパネル30に対して非接触状態で発泡体16に埋設されている。また表皮14に対しても、表皮破断尖端部46の先端だけが該表皮14の裏面に接触する程度に近接しているものの、この表皮破断尖端部46以外の部分は該表皮14に対して非接触状態で発泡体16に埋設されている。
図4および図5は、発泡成形型50の第1成形型52および第2成形型54に夫々セットした表皮14および基材12の間に画成された発泡空間24内で、発泡体16を発泡成形している状態を示した説明図である(但し、図4は、発泡成形型および表皮を省略して示し、また図5は発泡成形型50を上下逆向きで表示している)。本実施例のエアバッグドアADは、前述した発泡体16の発泡成形に先立ち、基材12にセットした表皮破断促進部材40を発泡空間24内へ予めセットしておくことで、該発泡空間24内で発泡成形された該発泡体16の内部に表皮破断促進部材40を埋設するようになっている。この際に表皮破断促進部材40は、略台形枠体状の骨格構造であると共に、基材12、ドアパネル30および表皮14との間に適宜の間隙H1〜H4を確保した状態で発泡空間24内へセットされるため、発泡途中の発泡体16は、これら間隙H1〜H4を介して自由な方向への膨張が許容されて流動が殆ど規制されない。すなわち膨張途中の発泡体16は、取付支持部44と基材12との間隙H1、ドアパネル30と押圧作用部42との間隙H2、取付支持部44と表皮14との間隙H3および押圧作用部42と表皮14との間隙H4を、自在に通過することが許容される。
従って、発泡空間24内に前述した骨格構造をなす表皮破断促進部材40がセットされていたとしても、発泡体16の発泡に支障を来たすことは殆どないため、該表皮破断促進部材40の近傍にボイドや欠肉が形成されることはない。そして、基材12およびドアパネル30と表皮破断促進部材40との各間隙H1,H2には発泡体16が介在するようになると共に、表皮14と該表皮破断促進部材40との間隙H3,H4にも発泡体16が介在された状態となり、インストルメントパネル10の外面からは当該表皮破断促進部材40の存在は全く視認されない。しかも、表皮破断促進部材40が埋設された周辺を外方から押圧した場合、発泡体16の圧縮変形に伴って該表皮破断促進部材40の対応部位が適度に弾性変形するため、底付き感を伴った触感低下も殆ど発生しない。
そして、ドアパネル30に対応した発泡体16の部位に表皮破断促進部材40を埋設した構成の本実施例のエアバッグドアADは、図6に例示するように、エアバッグ64の押圧力が、各ドアパネル30および表皮破断促進部材40の表皮破断尖端部46を介して表皮14に加わることで、ドア破断予定部32に沿った該表皮14の破断が促進される。すなわち、ドア破断予定部32の破断と同時に、表皮14では該ドア破断予定部32に沿った破断が促進されるため、エアバッグ64の膨張エネルギーが有効に使用されて小さなエネルギーで表皮14の破断を進行させ得る。
なお前述した実施例では、夫々のドアパネル30(30A,30B)に対応する表皮破断促進部材40を個別に形成する場合を例示したが、これら表皮破断促進部材40を一体的に形成するようにしてもよい。すなわち、夫々の表皮破断促進部材40の表皮破断先端部46,46の先端同士を薄肉に連結した状態で一体成形することで、一体成形部材として構成することが可能である。
また前述した実施例では、各々の表皮破断促進部材40を基材12の外面に取り付ける形態を例示したが、図7に例示するように、これら表皮破断促進部材40はエアバッグドアADに取り付けるようにしてもよい。なお図7では、エアバッグドアADのドア取付部31に、表皮破断促進部材40の取付支持部44を固定する場合を例示したが、ドアパネル30のヒンジ部36に隣接した部位に固定するようにしてもよい。
更に前述した実施例では、ドア破断予定部32の中央破断予定部32Aおよび斜延破断予定部32Bの全長に亘って表皮破断尖端部46を沿設するようにした略台形枠体状の骨格構造をなす表皮破断促進部材40を例示したが、図8に例示するように、押圧作用部42がドア破断予定部32に部分的に沿う略H字状の骨格構造をなす表皮破断促進部材40として、中央破断予定部32Aにだけ対応するよう表皮破断尖端部46を形成してもよい。すなわち、(a)エアバッグ64の押圧力が加わった場合に先ず中央破断予定部32Aの破断が惹起されること、(b)表皮14は部分的に破断が発生すると、それ以降は軽い力で一気に破断が進行する特性があること等を鑑み、この中央破断予定部32Aに対応した表皮14の部位だけを積極的に破断させるようにすれば、斜延破断予定部32Bに対応した部位は軽い力で破断を進行させることができる。なお、中央破断予定部32Aに対応した部位だけに表皮破断尖端部46を形成する場合には、図示例示したように、押圧作用部42の形状は対応のドアパネル30と同一とする必要はない。
そして前述した実施例では、4枚のドアパネル30からなる四方開きタイプのエアバッグドアADを例示したが、本願発明は、2枚のドアパネルからなる両開きタイプ、1枚のドアパネルからなる片開きタイプのエアバッグドアにも好適に実施可能である。例えば図9は、2枚のドアパネル30からなる両開きタイプのエアバッグドアADを例示したもので、ドア破断予定部32が略H字形に延設されていることに伴い、夫々の表皮破断促進部材40も矩形枠状に形成してある。このような両開きタイプのエアバッグドアADにおいても、発泡体16に埋設された表皮破断促進部材40の存在によりドア破断予定部32に沿って表皮14を積極的に破断することが可能となると共に、該表皮破断促進部材40が発泡体16の発泡成形に支障を来たすことは殆どなく、前述した四方開きタイプのエアバッグドアADと同等の作用効果が得られる。また図示省略するが、1枚のドアパネルから構成される片開きタイプのエアバッグドアにおいても、前述した四方開きタイプのエアバッグドアADと同等の作用効果が得られる。
また前述した実施例では、車両内装部材としてインストルメントパネル10を例示したが、本願のエアバッグドアが実施可能な車両内装部材はこれに限定されるものではなく、これ以外にドアパネル、ピラーガーニッシュ等も対象とされる。
本発明に係るエアバッグドアは、車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、該ドアパネルの外側を被覆する表皮と、これら基材と表皮との間に発泡成形により介在させた発泡体とからなり、エアバッグ装置のエアバッグが前記ドアパネルをその裏側から押圧した際に、該ドアパネルの外縁ラインに沿設したドア破断予定部が破断すると共に、前記発泡体および表皮が該ドア破断予定部に沿って夫々破断して、前記ドアパネルの開放が許容されるものである。従って、エアバッグ装置を搭載した種々自動車等に好適に実施可能である。
本実施例に係るエアバッグドアを実施したインストルメントパネルを、該エアバッグドアの構成を例示するために段階的に破断した部分平面図である。 図1のII−II線断面図である。 基材に設けたドアパネルと、ドアパネルの上方へ臨むよう基材に配設される表皮破断促進部材と、表皮とを示した説明斜視図である。 発泡成形型にセットした基材およびドアパネルと表皮との間に画成された発泡空間で発泡体の成形を行なっている状態を示した説明図であって、ドアパネルと表皮破断促進部材との間隙および該表皮破断促進部材と表皮との間隙を発泡体が流動することを示している。 図4のV−V線断面図である。 エアバッグ装置の作動により膨張するエアバッグの押圧力が、ドアパネルおよび表皮破断促進部材の表皮破断尖端部を介して表皮に加わることで、ドア破断予定部に沿った該表皮の破断が促進されることを示した説明断面図である。 変更例に係るエアバッグドアを示した説明断面図であって、表皮破断促進部材がドア取付部に配設された構成となっている。 別の変更例に係るエアバッグドアを示した説明斜視図であって、表皮破断促進部材に設けた表皮破断尖端が、ドア破断予定部の中央破断予定部にだけ対応するよう形成されたものである。 両開きタイプのエアバッグドアに実施した場合を例示した説明斜視図であって、基材に設けたドアパネルと、ドアパネルの上方へ臨むよう基材に配設される表皮破断促進部材と、表皮とを示している。 エアバッグドアを設けたインストルメントパネルを、一部破断して示した部分斜視図である。 図10のXI−XI線断面図である。 レーザー加工技術に基づき、発泡体から表皮の裏面に至る深さのスリットを設けたエアバッグドアの部分断面図である。 ドアパネルの外縁部を表皮の裏面に当接するようにしたエアバッグドアの部分断面図である。 図13に例示した形態のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルにおいて、基材およびドアパネルと表皮との間で発泡体を成形するに際し、該発泡体の流動が疎外されてボイドや欠肉が生ずる不都合を示した説明図である。
符号の説明
12 基材
14 表皮
16 発泡体
24 発泡空間
30 ドアパネル
32 ドア破断予定部
40 表皮破断促進部材
42 押圧作用部
44 取付支持部
46 表皮破断尖端部(表皮破断部)
64 エアバッグ
H1,H2,H3,H4 間隙

Claims (4)

  1. 車両内装部材を構成する基材(12)に設けたドアパネル(30)と、該ドアパネル(30)の外側を被覆する表皮(14)と、これら基材(12)と表皮(14)との間に発泡成形により介在させた発泡体(16)とからなり、エアバッグ装置のエアバッグ(64)が前記ドアパネル(30)をその裏側から押圧した際に、該ドアパネル(30)の外縁ラインに沿設したドア破断予定部(32)が破断すると共に、前記発泡体(16)および表皮(14)が該ドア破断予定部(32)に沿って夫々破断して、前記ドアパネル(30)の開放が許容されるエアバッグドアにおいて、
    表皮破断部(46)を備えた表皮破断促進部材(40)を前記発泡体(16)の内部へ埋設して、該表皮破断部(46)を前記表皮(14)の裏面において前記ドア破断予定部(32)に沿って延在させ、
    前記エアバッグ(64)の押圧力が、前記ドアパネル(30)および前記表皮破断促進部材(40)の表皮破断部(46)を介して前記表皮(14)に加わることで、前記ドア破断予定部(32)に沿った該表皮(14)の破断が促進されるよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドア。
  2. 前記表皮破断促進部材(40)は、前記ドア破断予定部(32)に沿って延在して前記表皮破断部(46)を設けた押圧作用部(42)と、この押圧作用部(42)に一体的に形成されて前記基材(12)またはドアパネル(30)に固定される取付支持部(44)とからなる請求項1記載のエアバッグドア。
  3. 前記表皮破断促進部材(40)は、前記押圧作用部(42)が前記ドア破断予定部(32)に部分的または全体的に沿う骨格構造をなす請求項2記載のエアバッグドア。
  4. 前記表皮破断促進部材(40)は、前記発泡体(16)の発泡成形に先立ち、前記基材(12)、ドアパネル(30)および表皮(14)との間の発泡空間(24)内に、これらと適宜の間隙(H1,H2,H3,H4)を確保した状態でセットされる請求項1〜3の何れかに記載のエアバッグドア。
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