JP2005212695A - エアバッグドアの開放構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアパネルの円滑かつ確実な開放を実現して、エアバッグの乗員保護機能が確実に発揮されるようにする。
【解決手段】ヒンジ部38に対応した発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定する。従ってドアパネル36の開放時には、薄肉となっているヒンジ対応部分20において発泡体14が容易に折曲し得るので、ドアパネル36の円滑な開放が実現する。なお、ヒンジ対応部分20とヒンジ部38との間に、発泡体14より軟らかい材質の変形部材26が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアバッグドアの開放構造に関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、このドアパネルの一側端縁に沿って設けたヒンジ部と、これら基材、ヒンジ部およびドアパネルの外面に亘って存在する所要厚の発泡体とからなり、ドアパネルがエアバッグ装置の作動によりヒンジ部を中心として開放するに際し、発泡体がヒンジ部の外側に位置するヒンジ対応部分で折曲するようにしたエアバッグドアの開放構造に関するものである。
近年生産される殆どの乗用車には、対向車との衝突事故の発生時における乗員保護を図る装置の一つとして、運転席用のエアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。例えば図10および図11に例示するように、助手席用のエアバッグ装置50は、乗員室内の前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネル10の内部に、乗員席から見えないよう格納した状態で搭載されている。このため、インストルメントパネル10を構成する所要形状の合成樹脂製の基材12には、エアバッグ装置50のインフレータケース52に対応する位置に、このエアバッグ装置50の作動時に開放するエアバッグドア30が設けられている。
前述したエアバッグドア30は、(a)基材に一体的に形成されて常には該基材12の一部として構成されるタイプ(基材一体タイプ)と、(b)基材12と別体に形成されて該基材12に組付けられるタイプ(基材別体タイプ)とに大別され、図11に例示のエアバッグドア30は前述した(b)のタイプである。このような基材別体タイプのエアバッグドア30は、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPO)等の柔軟性に富んだ樹脂素材からなるドア成形部材32に形成され、基材12に開設した開口設置部12Aに対してドア成形部材32を組付けることで、基材12の一部として構成されるようになっている。図示例示のエアバッグドア30は、ドア成形部材32に両Y字形のドア破断予定部34を延設することで4枚のドアパネル36に分割される四方開きタイプであって、エアバッグ54の押圧力を受けた各々のドアパネル36は、ドア破断予定部34の破断により分割された後に、各々の一側端縁に沿って設けたヒンジ部38を中心として開放するようになっている(図12)。なお、ドア成形部材32の背面側には矩形状の筒体部40が一体的に形成されており、ドア成形部材32はこの筒体部40を介してエアバッグ装置50のインフレータケース52に連結支持されている。
またインストルメントパネル10は、質感および触感等の向上を図るために、その全体または上部半分の部位が、所要形状にインジェクション成形された前述の基材12と、この基材12の外面における所要領域に形成された所要厚の発泡体14と、この発泡体14の外面に被着されて該発泡体14を被覆する表皮材16とから構成された3層構造となっているものがある。このような3層構造をなす部位にエアバッグドア30が設けられる場合は、図11に例示したように、基材12からドア成形部材32の外面に亘って所要厚の発泡体14が被着されるようになるため、各ドアパネル36およびその一側端縁に沿って設けたヒンジ部38の外面にも該発泡体14が存在することとなり、インストルメントパネル10の外側からは開放前のエアバッグドア30の存在が認識されないようになっている。なお、このようなインビジブルタイプのエアバッグドアは、例えば特許文献1に開示されている。
特開平11−198751号公報
ところで、3層構造をなすインストルメントパネル10に設けたエアバッグドア30では、エアバッグ装置50の作動により各々のドアパネル36にエアバッグ54の押圧力が加わった際に、ドア破断予定部34の破断と共に、発泡体14の破断および表皮材16の破断が起こることで、各ドアパネル36の開放が許容されるようになっている。このようなエアバッグドア30の開放構造では、図12に例示したように、ドアパネル36がヒンジ部38を中心として開放するに際し、ドアパネル36の外面に存在する発泡体14のドア対応部分22がドアパネル36の開放と共に押上げられるため、発泡体14はヒンジ部38の外側に位置するヒンジ対応部分20で折曲するようになる。しかしながら発泡体14は、密度が0.15〜0.25g/cm程度の比較的高い反発特性を有する高密度ウレタンフォームからなり、ヒンジ部38に対応するヒンジ対応部分20およびこのヒンジ部38に隣接して位置するヒンジ周辺部分(ドア周辺部分18およびドア対応部分22)の厚みは何れも10mm程度と略均一に形成されているため、殊にウレタンが硬くなる低温時にはヒンジ対応部分20での折曲が起こり難くなっていた。
このためドアパネル36が、(1)全開位置まで開放するのに要する時間が長くなる、(2)全開位置まで開放せずに途中で停止する、(3)全開位置まで開放した後に発泡体14の弾力性で閉成方向へ跳ね返る等、エアバッグドア30の開放不良が発生し易くなっていた。すなわち従来のエアバッグドアの開放構造では、エアバッグドア30の開放不良に伴い、エアバッグ54がドアパネル36の端部に引掛かってその膨張展開に支障を来たすようになり、エアバッグ54の乗員保護機能の低下を招来する虞れがあった。更には、膨張するエアバッグ54が開放し難くなっているドアパネル36へ強く接触した場合、図12に例示したようにドアパネル36と発泡体14との剥離が起こる場合もあり、剥離した発泡体14にエアバッグ54が接触するとこの発泡体14の一部が引き千切られ、発泡破片となって乗員側へ飛散して二次災害を引き起こす虞れ等もあった。
従って本発明は、ヒンジ部の外面に位置する発泡体におけるヒンジ対応部分の薄肉化を図り、ドアパネルの開放時に薄肉となっているヒンジ対応部分において発泡体が容易に折曲し得るようにすることで、ドアパネルの円滑かつ確実な開放を実現すると共に、エアバッグの乗員保護機能が確実に発揮されるようにしたエアバッグドアの開放構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、このドアパネルの一側端縁に沿って設けたヒンジ部と、これら基材、ヒンジ部およびドアパネルの外面に亘って存在する所要厚の発泡体とからなり、前記ドアパネルがエアバッグ装置の作動により前記ヒンジ部を中心として開放するに際し、前記発泡体がヒンジ部の外側に位置するヒンジ対応部分で折曲するようにしたエアバッグドアの開放構造において、
前記発泡体におけるヒンジ対応部分の厚みを、このヒンジ対応部分に隣接して位置するヒンジ周辺部分の厚みより小さく設定し、
前記ドアパネルの開放時に、前記発泡体が薄肉となっている前記ヒンジ対応部分において容易に折曲し得るよう構成したことを特徴とする。
本発明に係るエアバッグドアの開放構造によれば、発泡体におけるヒンジ対応部分の厚みを、このヒンジ対応部分に隣接して位置するヒンジ周辺部分の厚みより小さく設定したことにより、エアバッグに押圧されヒンジ部を中心としてドアパネルが開放する際には、薄肉となっているヒンジ対応部分において発泡体が容易に折曲するため、当該ドアパネルの円滑な開放を許容する利点がある。従って、エアバッグ装置の作動時にドアパネルが円滑かつ確実に全開位置まで開放するようになるから、エアバッグドアの開放不良を原因としたエアバッグの膨張不良が発生せず、エアバッグが適切に膨張展開して所要の乗員保護機能が好適に発揮される有益な効果を奏する。更には、ドアパネルと発泡体との剥離も発生しないため、発泡体から引き千切られた発泡破片の飛散による二次災害が発生しない等の利点もある。
なお、ヒンジ対応部分とヒンジ部との間に軟質発泡体等からなる変形部材を介在させたことにより、ヒンジ対応部分の薄肉化に伴う弾力性の低下が最小限に抑えられる。また、ヒンジ部を発泡体の側へ突出した形状に形成すれば、このヒンジ部によりヒンジ対応部分の薄肉化を図り得る。
次に、本発明に係るエアバッグドアの開放構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、基材12、発泡体14および表皮材16からなる3層構造をなす車両内装部材に設けられるエアバッグドアが前提とされる。また、本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、1枚のドアパネルからなる片開きタイプ、2枚のドアパネルからなる両開きタイプ、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプ等、種々タイプのエアバッグドアに実施可能である。そこで後述する各実施例では、車両内装部材として3層構造をなすインストルメントパネルを例示し、このインストルメントパネルに対して4枚のドアパネルからなる四方開きタイプのエアバッグドアを設けた場合につき説明する。従って、図10〜図12を引用して説明した従来技術の項における既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
(第1実施例)
図1は、第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を、一部破断して示したインストルメントパネルの部分平面図であり、図2は図1のII−II線断面図である。第1実施例のエアバッグドアの開放構造は、車両内装部材であるインストルメントパネル10を構成する基材12に設けたドアパネル36と、このドアパネル36の一側端縁に沿って設けたヒンジ部38と、これら基材12、ヒンジ部38およびドアパネル36の外面に亘って存在する所要厚の発泡体14とからなり、ドアパネル36がエアバッグ装置50の作動によりヒンジ部38を中心として開放するに際し、発泡体14がヒンジ部38の外側に位置するヒンジ対応部分20で折曲する形態のものに実施される。なお、基材12、表皮材16、各ドアパネル36を形成したドア成形部材32は、図11等に例示した従来のものと基本的に同一であるから、ここではこれらの詳細な説明は省略する。
基材12は、図10に例示したように、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等に適宜強化剤を添加したオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しないインジェクション成形型を利用したインジェクション成形技術に基づいて形成した大型の合成樹脂成形部材である。そして、基材12の外部表面における上面から前面に至る上半分の領域が、発泡体14および表皮材16が配設される3層構造部分となっている。この3層構造部分において、エアバッグ装置50のインフレータケース52に対応した部位には、エアバッグドア30を形成したドア成形部材32を組付けるための開口設置部12Aが略矩形状に開設されている。
エアバッグドア30は、ドア成形部材32に延設した両Y字形のドア破断予定部34が破断することで分割される4枚のドアパネル36から構成され、インストルメントパネル10の前後方向(乗員席側およびフロントウィンドウ側)へ開放するドアパネル36,36は略台形状を呈し、インストルメントパネル10の左右方向へ開放するドアパネル36,36は略三角形状を呈している。ドア破断予定部34は、各ドアパネル36の境界ラインに沿って横断面V字状の溝を延設した結果としてドアパネル36の厚みよりも薄くなった薄肉脆弱部位であり、エアバッグ54の押圧力が各ドアパネル36の裏面に加わった際には、これによる応力が集中的に付与されることで破断が惹起される。
そして各々のドアパネル36には、その一側端縁、すなわちドア破断予定部34に臨んでいない残りの一側端縁に沿ってヒンジ部38が形成されている。このヒンジ部38は、ドアパネル36の厚みの1/2程度の厚みに設定した所要幅の薄肉帯状部分であって、ドアパネル36の裏面にエアバッグ54の押圧力が加わっても破断しないと共に、膨張するエアバッグ54に押されてドアパネル36が押上げられる際に撓曲的または屈曲的に変形して、開放変位するドアパネル36を支持するようになっている。
表皮材16は、厚みが1mm程度の柔軟性に富んだ薄肉シート状材であって、インストルメントパネル10の外面に露出する表面(意匠面)には、シボ模様や幾何学模様等が再現されている。このような表皮材16は、(1)樹脂シート材から真空成形技術に基づいて予備成形されたもの、(2)樹脂粉末からパウダースラッシュ成形技術に基づいて予備成形されたもの、(3)ウレタン原料からスプレー成形技術に基づいて予備成形されたもの、(4)ウレタン原料から反応射出成形(RIM)技術に基づいて成形されたもの、等が選択的に実施可能である。なお、エアバッグドア30の配設部位を被覆する部分の裏面には、ドア破断予定部34と同一の両Y字形の表皮破断予定部24が形成されており、ドアパネル36の開放に際してこの表皮破断予定部24が破断することで、ドアパネル36の開放を許容するようになっている。
発泡体14は、図11に例示した従来のものと同一のウレタン原料から発泡成形されたもので、密度が0.15〜0.25g/cm程度の比較的高い反発特性を有する高密度ウレタンフォームから形成されている。このような発泡体14は、ドア成形部材32を開口設置部12Aに予め組付けた基材12と予備成形した表皮材16とをセットした発泡成形型(図示せず)において、これら基材12および表皮材16の間でウレタン原料を発泡させることで両者間に介在させたものである。なお、ヒンジ対応部分20に隣接して位置するヒンジ周辺部分(ドア周辺部分18およびドア対応部分22)の厚みT1は、図11に例示した従来と同じく5〜10mm程度に設定されており、適度の弾力性を発現し得るようになっている。従って、表皮材16を介してドア周辺部分18またはドア対応部分22を指先等で押圧すると、この押圧部位が陥凹的に圧縮変形するようになり、インストルメントパネル10の触感向上に寄与するようになっている。また万一、衝突事故時に前方へ投げ出された乗員がインストルメントパネル10の3層構造部分の外面に衝突した場合には、その衝撃を吸収して傷害軽減にも寄与するようになっている。
そして、第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造では、発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定して、ドアパネル36の開放時には、薄肉となっているヒンジ対応部分20において発泡体14が容易に折曲し得るよう構成したことを特徴としている。具体的には、ヒンジ対応部分20の厚みT2は、ドア周辺部分18およびドア対応部分22の厚みT1の1/5〜2/5程度とされる1〜4mmに設定されており、比較的高い反発特性を有する高密度ウレタンフォームであっても、ドアパネル36の開放時は容易に折曲変形し得るようになっている。なおヒンジ対応部分20は、図1および図2に例示するように、ヒンジ部38と略同一の長さでかつ該ヒンジ部38よりも幅広(3倍程度)に設定されている。
更に、ヒンジ対応部分20とヒンジ部38との間には、発泡体14よりも軟らかく、かつドアパネル36の開放時に適宜に圧縮変形し得る適宜の変形部材26が配設されている。この変形部材26は、例えば密度が0.01〜0.1g/cm程度の比較的低い反発特性を有する低密度ウレタンフォーム(軟質発泡体)等であって、ヒンジ対応部分20の薄肉化に伴って画成された隙間を埋め得る平面台形状に形成されている。なお変形部材26の厚みは、ドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1とヒンジ対応部分20の厚みT2との差(T1−T2)に相当する。従って、発泡体14におけるヒンジ対応部分20では、前述した柔軟性のある変形部材26の存在により薄肉化に伴う弾力性の低下が抑えられており、表皮材16を介して指先等で押圧しても触感は殆ど異なっていない。しかも、エアバッグ装置50の作動により各ドアパネル36が開放する際には、図3および図4に例示するように、ヒンジ対応部分20が折曲するに伴って変形部材26が適宜に圧縮変形するようになるので、この変形部材26がドアパネル36の開放変位に支障を来たすことはない。
但し変形部材26は、前述した所要の形状・サイズに予備成形した後に、発泡体14の発泡成形に先立ち、ドア成形部材32に対してヒンジ部38を被覆するように装着(接着、貼着等)する。すなわち発泡体14は、ドア成形部材32へ変形部材26を装着したもとで発泡成形されるため、この変形部材26の存在により薄肉のヒンジ対応部分20がヒンジ部38に対応して形成される。従って、ヒンジ対応部分20の厚みT2の設定は、予備成形される変形部材26の厚み寸法の設定に基づいて適宜に調整可能である。なお変形部材26は、成形される発泡体14の発泡圧が加わった際に押し潰されて変形しないことが望ましいので、この発泡圧に耐え得る硬さのものを選択する必要がある。
このように構成された第1実施例のエアバッグドアの開放構造では、発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定したことにより、エアバッグ54に押圧されてヒンジ部38を中心としてドアパネル36が開放する際には、薄肉となっているヒンジ対応部分20において発泡体14が容易に折曲するため、当該ドアパネル36の円滑な開放を許容するようになる。また、ヒンジ対応部分20とヒンジ部38との間に変形部材26を介在させたことにより、ヒンジ対応部分20の薄肉化に伴う弾力性の低下が最小限に抑えられる。なお変形部材26は、ドアパネル36の開放に際して適宜に圧縮変形するため、このドアパネル36の開放に支障を来たすことはない。従って、エアバッグ装置50の作動時に各ドアパネル36が円滑かつ確実に全開位置まで開放するようになるから、エアバッグドア30の開放不良を原因としたエアバッグ54の膨張不良が発生せず、エアバッグ54が適切に膨張展開して所要の乗員保護機能が好適に発揮される。更には、ドアパネル36と発泡体14との剥離も発生しないため、発泡体14から引き千切られた発泡破片の飛散による二次災害が発生することもない。
なお変形部材26は、前述した軟質発泡体から形成されたものに限定されるものではなく、ドアパネル36の開放に支障を来たさないことを保証し得るものであれば、例えば発泡体14よりも硬く、ドアパネル36の開放時に適宜に圧潰変形可能な硬質または半硬質発泡体から形成されたものでもよい。このような硬質または半硬質発泡体としては、発泡スチロールやウレタン等が挙げられる。また発泡体に限らず、合成樹脂製の中空体や合成樹脂製のリブ構造体等であってもよい。
図5は、第1実施例の変更例に係るエアバッグドアの開放構造を例示したインストルメントパネルの部分側断面図である。この変更例のエアバッグドアの開放構造は、所要の形状・サイズに予備成形した変形部材26を、発泡体14の発泡成形に先立ち、表皮材16の裏側においてヒンジ部38に対応する位置に装着(接着、貼着等)したもとで、発泡体14の発泡成形を行なって得られたものである。従って、表皮材16の裏側に密着するよう変形部材26を装着したことにより、薄肉のヒンジ対応部分20がヒンジ部38に密着した状態に形成されるようになる。このような変更例の開放構造においても、開放状態の図示は省略するものの、発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定したことにより、エアバッグ54に押圧されてヒンジ部38を中心としてドアパネル36が開放する際には、薄肉となっているヒンジ対応部分20において発泡体14が容易に折曲して当該ドアパネル36の円滑な開放を許容するようになり、前述した第1実施例と同様の効果が得られる。
(第2実施例)
図6は、第2実施例に係るエアバッグドアの開放構造を例示したインストルメントパネルの部分側断面図である。第2実施例のエアバッグドアの開放構造は、前述した各ドアパネル36の一側端縁に沿って設けたヒンジ部38を、発泡体14の側へ突出した形状に形成することで、これに伴って発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定して薄肉化を図るようにしたものである。具体的には、ドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1の3/5〜4/5程度の突出高さとなるよう横断面形状が逆V字形とし、これをドアパネル36の一側端縁に沿って突設することにより、発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、厚みT1の1/5〜2/5程度である1〜4mmとしている。なお、ヒンジ部38の突出形状は、前述した逆V字形に限定されるものではなく、これ以外に逆U字形、半円弧形、倒伏コ字形等としてもよい。
なお第2実施例の開放構造の場合には、ヒンジ部38を発泡体14側へ突出した形状として該発泡体14のヒンジ対応部分20の薄肉化を図っているため、このヒンジ対応部分20では若干の弾力性低下が起こることもあり得る。しかしながら、第1実施例の開放構造と比較すると、ヒンジ対応部分20とヒンジ部38との間に配設される変形部材26を不要としながらヒンジ対応部分20の薄肉化を図り得る。
このように構成された第2実施例のエアバッグドアの開放構造では、発泡体14におけるヒンジ対応部分20の厚みT2を、このヒンジ対応部分20に隣接して位置するドア周辺部分18およびドア対応部分22(ヒンジ周辺部分)の厚みT1より小さく設定したことにより、エアバッグ54に押圧されてヒンジ部38を中心としてドアパネル36が開放する際には、図7に例示するように、薄肉となっているヒンジ対応部分20において発泡体14が容易に折曲するため、当該ドアパネル36の円滑な開放を許容するようになる。従って、エアバッグ装置50の作動時に各ドアパネル36が円滑かつ確実に全開位置まで開放するようになるから、エアバッグドア30の開放不良を原因としたエアバッグ54の膨張不良が発生せず、エアバッグ54が適切に膨張展開して所要の乗員保護機能が好適に発揮される。更には、ドアパネル36と発泡体14との剥離も発生しないため、発泡体14から引き千切られた発泡破片の飛散による二次災害が発生することもない。また、ヒンジ対応部分20の薄肉化がヒンジ部38によってなされるため、前述した変形部材26を別途準備する必要がない。
なお、前述した第1実施例、第1実施例の変更例および第2実施例では、4枚のドアパネル36からなる四方開きタイプのエアバッグドア30において、図1に例示したように、全てのドアパネル36のヒンジ部38に対応する発泡体14のヒンジ対応部分20の薄肉化を図るようにした場合を例示した。しかしながら、膨張時のエアバッグ54の展開方向や形状等を考慮して、このエアバッグ54に接触する可能性が高いドアパネル36のヒンジ部38に対応するヒンジ対応部分20のみを薄肉化するようにしてもよい。すなわちエアバッグ54は、図4等に例示したように乗員席側へ大きく膨出するものの、フロントウィンドウ側や左右方向へはあまり膨出しない。従って、例えば図8(a)に例示するように、乗員席側へ開放するドアパネル36およびフロントウィンドウ側へ開放するドアパネル36に対応するヒンジ対応部分20,20のみを薄肉化するようにしてもよいし、また図8(b)に例示するように、乗員席側へ開放するドアパネル36に対応するヒンジ対応部分20のみを薄肉化するようにしてもよい。
また、本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、前述した4枚のドアパネル36から構成される四方開きタイプのエアバッグドア30のみならず、2枚のドアパネル36からなる両開きタイプのエアバッグドア30(図9(a))や、1枚のドアパネル36からなる片開きタイプのエアバッグドア(図9(b))にも好適に実施可能である。
更に、本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、基材別体タイプのエアバッグドアに限らず、前述した基材一体タイプのエアバッグドアにも好適に実施可能である。
更にまた、本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、インストルメントパネルに設けたものに限定されるものではなく、これ以外にドアパネル等に設けたサイドエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドアや、ピラーガーニッシュおよびルーフサイドパネル(ルーフパネル)等に設けたカーテンエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドア等にも実施可能である。
本発明に係るエアバッグドアの開放構造は、車両内装部材を構成する基材に設けたドアパネルと、このドアパネルの一側端縁に沿って設けたヒンジ部と、これら基材、ヒンジ部およびドアパネルの外面に亘って存在する所要厚の発泡体とからなり、ドアパネルがエアバッグ装置の作動により前記ヒンジ部を中心として開放するに際し、発泡体がヒンジ部の外側に位置するヒンジ対応部分で折曲するようにしたエアバッグドアが対象とされ、エアバッグ装置を搭載した種々自動車等に好適に実施可能である。
第1実施例に係るエアバッグドアの開放構造を、一部破断して示したインストルメントパネルの部分平面図である。 図1のII−II線断面図である。 エアバッグドアの開放途中状態の説明断面図であって、発泡体が薄肉化されたヒンジ対応部分で折曲し始めることを示している。 エアバッグドアの開放完了状態の説明断面図であって、発泡体が薄肉化されたヒンジ対応部分で二つ折り状に折曲するため、ドアパネルが全開位置まで開放し得ることを示している。 第1実施例の変更例に係るエアバッグドアの開放構造を示した側断面図である。 第2実施例に係るエアバッグドアの開放構造を、一部破断して示したインストルメントパネルの側断面図である。 第2実施例におけるエアバッグドアの開放完了状態の説明断面図であって、発泡体が薄肉化されたヒンジ対応部分で二つ折り状に折曲するため、ドアパネルが全開位置まで開放し得ることを示している。 (a)は、フロントウィンドウ側および乗員席側に開放するドアパネルのヒンジ部に対応するヒンジ対応部分だけを薄肉化する場合を例示した説明図であり、(b)は、乗員席側に開放するドアパネルのヒンジ部に対応するヒンジ対応部分だけを薄肉化する場合を例示した説明図である。 (a)は、両開きタイプのエアバッグドアにおいて、ドアパネルのヒンジ部に対応するヒンジ対応部分を薄肉化する場合を例示した説明図であり、(b)は、片開きタイプのエアバッグドアにおいて、ドアパネルのヒンジ部に対応するヒンジ対応部分を薄肉化する場合を例示した説明図である。 エアバッグドアを設けた部位を一部破断して示したインストルメントパネルの部分斜視図である。 図10のX−X線断面図である。 従来のエアバッグドアの開放構造に内在する問題を示した説明断面図である。
符号の説明
12 基材
14 発泡体
18 ドア周辺部分(ヒンジ周辺部分)
20 ヒンジ対応部分
22 ドア対応部分(ヒンジ周辺部分)
26 変形部材
36 ドアパネル
38 ヒンジ部
T1 厚み(ドア周辺部分18およびドア対応部分22の)
T2 厚み(ヒンジ対応部分20の)

Claims (5)

  1. 車両内装部材を構成する基材(12)に設けたドアパネル(36)と、このドアパネル(36)の一側端縁に沿って設けたヒンジ部(38)と、これら基材(12)、ヒンジ部(38)およびドアパネル(36)の外面に亘って存在する所要厚の発泡体(14)とからなり、前記ドアパネル(36)がエアバッグ装置の作動により前記ヒンジ部(38)を中心として開放するに際し、前記発泡体(14)がヒンジ部(38)の外側に位置するヒンジ対応部分(20)で折曲するようにしたエアバッグドアの開放構造において、
    前記発泡体(14)におけるヒンジ対応部分(20)の厚み(T2)を、このヒンジ対応部分(20)に隣接して位置するヒンジ周辺部分(18,22)の厚み(T1)より小さく設定し、
    前記ドアパネル(36)の開放時に、前記発泡体(14)が薄肉となっている前記ヒンジ対応部分(20)において容易に折曲し得るよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドアの開放構造。
  2. 前記ヒンジ対応部分(20)と前記ヒンジ部(38)との間に変形部材(26)を設け、
    前記ドアパネル(36)の開放に伴って前記ヒンジ対応部分(20)が折曲するに際し、前記変形部材(26)が適宜変形するようになっている請求項1記載のエアバッグドアの開放構造。
  3. 前記変形部材(26)は、前記発泡体(14)よりも軟らかく、ドアパネル(36)の開放時に適宜に圧縮変形し得る軟質発泡体である請求項2記載のエアバッグドアの開放構造。
  4. 前記変形部材(26)は、前記発泡体(14)よりも硬く、ドアパネル(36)の開放時に適宜に圧潰変形し得る硬質または半硬質発泡体である請求項2記載のエアバッグドアの開放構造。
  5. 前記ヒンジ部(38)は、前記発泡体(14)の側へ突出した形状に形成され、これに伴って前記ヒンジ対応部分(20)の薄肉化が図られる請求項1記載のエアバッグドアの開放構造。
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