JP2005263103A - エアバッグドア - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの膨張展開時に、発泡破片の飛散による二次災害の発生を回避する。
【解決手段】ドアパネル36の所要部位に、ヒンジ部38の延在方向と略同一方向へ延在し、かつ該ヒンジ部38の延在方向と交差する方向へ伸張的に変形可能な可変伸長部42を設ける。これにより、ドアパネル36がヒンジ部38を中心として開放するに際しては、発泡体14のドア被覆部分24から剥離した該ドアパネル36が、エアバッグ60の接触による可変伸長部42の変形により、その開放端部36A側へ拡幅的に変形してドア被覆部分24を覆うようになり、該エアバッグ60が該ドア被覆部分24へ接触するのを防止し得る。
【選択図】図5

Description

本発明は、エアバッグドアに関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材に設けられ、その側端縁に延設したヒンジ部を有するドアパネルと、これら基材およびドアパネルを被覆する所要厚の発泡体とからなり、前記ドアパネルがエアバッグの押圧力により前記ヒンジ部を中心として開放するに際し、ドア被覆部分とドアパネルとの間に剥離が生ずるエアバッグドアに関するものである。
近年生産される殆どの乗用車には、対向車との衝突事故の発生時における乗員保護を図る装置の一つとして、運転席用のエアバッグ装置および助手席用のエアバッグ装置が標準的に装備されている。例えば図6および図7に例示するように、助手席用のエアバッグ装置56は、乗員室内の前方に組付けた車両内装部材であるインストルメントパネル10の内部に、乗員席から見えないよう格納した状態で搭載されている。このため、インストルメントパネル10を構成する所要形状の合成樹脂製の基材12には、エアバッグ装置56のインフレータケース58に対応する位置に、このエアバッグ装置56の作動時に開放するエアバッグドア30が設けられている。
前述したエアバッグドア30は、(a)基材に一体的に形成されて常には該基材12の一部として構成されるタイプ(基材一体タイプ)と、(b)基材12と別体に形成されて該基材12に組付けられるタイプ(基材別体タイプ)とに大別され、図7に例示したエアバッグドア30は前述した(b)のタイプとなっている。このような基材別体タイプのエアバッグドア30は、例えばオレフィン系の熱可塑性エラストマ(TPO)等の柔軟性に富んだ樹脂素材からなるドア成形部材32に形成され、基材12に開設した開口設置部18に対してドア成形部材32を組付けることで、基材12の一部として構成されるようになっている。図示例示のエアバッグドア30は、ドア成形部材32に両Y字形のドア破断予定部34を延設することで4枚のドアパネル36に分割される四方開きタイプであって、エアバッグ60の押圧力を受けた各々のドアパネル36は、ドア破断予定部34の破断により相互に分割された後に、各々の一側端縁に沿って設けたヒンジ部38を中心として開放するようになっている(図8)。なお、ドア成形部材32の背面側には矩形状の筒体部39が一体的に形成されており、ドア成形部材32はこの筒体部39を介してエアバッグ装置56のインフレータケース58へ連結支持されている。
またインストルメントパネル10は、質感および触感等の向上を図るために、その全体または上部半分の部位が、所要形状にインジェクション成形された前述の基材12と、この基材12の外面における所要領域に形成された所要厚の発泡体14と、この発泡体14の外面に被着されて該発泡体14を被覆する表皮材16とから構成された3層構造となっているものがある。このような3層構造をなす部位にエアバッグドア30が設けられる場合は、図7に例示したように、基材12からドア成形部材32の外面に亘って所要厚の発泡体14が被着されるようになるため、各ドアパネル36およびその一側端縁に沿って設けたヒンジ部38の外面にも該発泡体14が存在することとなり、インストルメントパネル10の外側からは開放前のエアバッグドア30の存在が全く認識されないようになっている。なお、このようなインビジブルタイプのエアバッグドアは、例えば特許文献1に開示されている。
特開平11−198751号公報
ところで、3層構造をなすインストルメントパネル10に設けたエアバッグドア30では、エアバッグ装置56の作動により各ドアパネル36に対してエアバッグ60の押圧力が加わった際に、ドア破断予定部34の破断と共に発泡体14の破断および表皮材16の破断が略同時に起こることで、各ドアパネル36の開放が許容されるようになっている。ここで図8に例示したように、ドアパネル36がヒンジ部38を中心とした開放ポイントP1で開放するに際し、このドアパネル36の外側に存在する発泡体14のドア被覆部分24は、ドアパネル36の開放と共に押上げられてヒンジ部38の外側に位置するヒンジ被覆部分22を中心とした折曲ポイントP2で折曲するようになる。すなわち、ドアパネル36の開放ポイントP1とドア被覆部分24の折曲ポイントP2とが一致していないため、ドアパネル36と基材12とで挟まれるように折曲する発泡体14は、折曲ポイントP2に対応したヒンジ被覆部分22が強く圧縮されるようになる。
しかしながら発泡体14は、密度が0.15〜0.25g/cm程度の比較的高い反発特性を有する高密度ウレタンフォームからなり、基材12に対応した基材被覆部分20と、前述したヒンジ被覆部分22およびドア被覆部分24は何れの部位等でも厚みが5〜10mm程度となっているため、殊にウレタンが硬くなる低温時にはヒンジ被覆部分22での圧縮変形が起こり難くなる。このためドアパネル36が、(1)全開位置まで開放するのに要する時間が長くなる、(2)全開位置まで開放せずに途中で停止する、(3)全開位置まで開放した後に発泡体14の弾力性で閉成方向へ跳ね返る等、エアバッグドア30の開放不良が発生し易くなっていた。しかも、開放途中で停止して開放が規制されている状態のドアパネル36へエアバッグ60が接触すると、エアバッグ60の膨張展開に支障を来たすようになり、該エアバッグ60の乗員保護機能の低下を招来する虞れがあった。
更に、膨張途中のエアバッグ60が開放規制されているドアパネル36へ強く接触すると、図8に例示したように、ドアパネル36と発泡体14との間に剥離が起こるようになり、折曲ポイントP2近傍に対して加わった外力が解放され、かつ該折曲ポイントP2の位置が側方へ移動してしまうため、ドアパネル36の開放変位に伴ってドア被覆部分24の端縁部24Aが該ドアパネル36の開放端部36Aよりも突出してしまう。従って、このドア被覆部分24に対してエアバッグ60が直接的に接触するようになり、このドア被覆部分24の一部が引き千切られて発泡破片となって乗員側へ飛散すると、二次災害を引き起こす虞れ等もあった。
従って本発明は、発泡体のドア被覆部分から剥離したドアパネルが開放端部の側へ伸長的に変形して該ドア被覆部分を覆うようにすることで、エアバッグがドア被覆部分へ接触することを防止し得るようにして、発泡破片の飛散による二次災害の発生を防止するようにしたエアバッグドアを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、
車両内装部材を構成する基材に設けられ、その側端縁に延設したヒンジ部を有するドアパネルと、これら基材およびドアパネルを被覆する所要厚の発泡体とからなり、前記ドアパネルがエアバッグの押圧力により前記ヒンジ部を中心として開放するに際し、ドアパネルの外面に位置する前記発泡体のドア被覆部分と該ドアパネルとの間に剥離が生ずるエアバッグドアにおいて、
前記ドアパネルの所要部位に、前記ヒンジ部の延在方向と略同一方向へ延在し、かつ該ヒンジ部の延在方向と交差する方向へ伸長的に変形可能な可変伸長部を設け、
前記ドア被覆部分から剥離した前記ドアパネルが、前記エアバッグとの接触による前記可変伸長部の変形により、その開放端部側へ拡幅的に変形して前記ドア被覆部分を覆うことで、該エアバッグが該ドア被覆部分へ接触するのを防止し得るよう構成したことを特徴とする。
本発明に係るエアバッグドアによれば、エアバッグ装置の作動によりエアバッグが膨張展開するに際し、発泡体のドア被覆部分から剥離したドアパネルが、可変伸長部の伸長的な変形により幅方向へ拡幅的に変形するため、開放途中から開放完了まで常に剥離したドア被覆部分へエアバッグが接触しないように機能する。すなわちドアパネルの開放時に、該ドアパネルの開放端部がドア被覆部分の端縁部より突出しているため(ドア被覆部分の端縁部がドアパネルの開放端部から突出しないため)、このドア被覆部分に対してエアバッグが直接的に接触することが回避され、このドア被覆部分の一部が引き千切られて発泡破片となって乗員側へ飛散することによる二次災害の発生を好適に防止できる有益な効果を奏する。
また、エアバッグドアの開放に際しては、フィルム状部材により発泡体のドア被覆部分と対応のドアパネルとの間で剥離が惹起され、ドアパネルの全開位置までの円滑な開放変位が実現するようになるから、エアバッグドアの開放不良を原因としたエアバッグの膨張不良が発生することがなく、よってエアバッグが適切に膨張展開して所要の乗員保護機能が好適に発揮される等の利点もある。
次に、本発明に係るエアバッグドアの開放構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
本発明に係るエアバッグドアは、基材12、発泡体14および表皮材16からなる3層構造をなす車両内装部材に設けられるエアバッグドアが前提とされる。そして、1枚のドアパネルからなる片開きタイプ、2枚のドアパネルからなる両開きタイプ、4枚のドアパネルからなる四方開きタイプ等、種々タイプのエアバッグドアが対象とされる。そこで後述する実施例では、車両内装部材として3層構造をなすインストルメントパネルを例示し、このインストルメントパネルに対して4枚のドアパネルからなる四方開きタイプのエアバッグドアを設けた場合につき説明する。従って、図6〜図8を引用して説明した従来技術の項における既出の部材・部位と同一の部材・部位については、同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係るエアバッグドアの構造を示すために、図2のI−I線で破断したインストルメントパネルの部分側断面図であり、図2は、エアバッグドアを被覆する発泡体および表皮材を一部破断して示したインストルメントパネルの部分平面図である。本実施例のエアバッグドア40は、車両内装部材であるインストルメントパネル10を構成する基材12に設けられ、その側端縁に延設したヒンジ部38を有するドアパネル36と、これら基材12およびドアパネル36を被覆する所要厚の発泡体14とからなり、ドアパネル36がエアバッグ60の押圧力によりヒンジ部38を中心として開放するに際し、ドアパネル36の外面に位置する発泡体14のドア被覆部分24と該ドアパネル36との間に剥離が生ずる形態のものが前提とされる。なお、基材12、表皮材16、各ドアパネル36を形成したドア成形部材32の基本構成は、図7等に例示した従来のものと同一であるから、ここではこれらの詳細な説明は省略する。
基材12は、図6に例示したように、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等に適宜強化剤を添加したオレフィン系樹脂素材を、例えば図示しないインジェクション成形型を利用したインジェクション成形技術に基づいて形成した大型の合成樹脂成形部材である。そして、インストルメントパネル10の外部表面における上面から前面に至る上半分の領域が、発泡体14および表皮材16が配設される3層構造部分となっている。この3層構造部分において、エアバッグ装置56のインフレータケース58に対応した部位には、エアバッグドア40を形成したドア成形部材32を組付けるための開口設置部18が略矩形状に開設されている。
エアバッグドア40は、ドア成形部材32に延設した両Y字形のドア破断予定部34が破断することで分割される4枚のドアパネル36から構成され、インストルメントパネル10の前後方向(乗員席側およびフロントウィンドウ側)へ開放するドアパネル36,36は略台形状を呈し、インストルメントパネル10の左右方向へ開放するドアパネル36,36は略三角形状を呈している。ドア破断予定部34は、各ドアパネル36の境界ラインに沿って横断面V字状の溝を延設した結果としてドアパネル36の厚みTよりも薄くなった薄肉脆弱部位であり、エアバッグ60の押圧力が各ドアパネル36の裏面に加わった際には、これによる応力が集中的に付与されることで破断が惹起される。
そして各々のドアパネル36には、その一側端縁、すなわちドア破断予定部34に臨んでいない残りの側端縁に沿ってヒンジ部38が形成されている。このヒンジ部38は、ドアパネル36の厚みTの1/2程度の厚みに設定した所要幅の薄肉帯状部分であって、ドアパネル36の裏面にエアバッグ60の押圧力が加わっても破断しないと共に、膨張するエアバッグ60に押されてドアパネル36が押上げられる際に撓曲的または屈曲的に変形して、開放ポイントP1を中心としたドアパネル36の開放変位を許容し、この開放変位するドアパネル36を支持するようになっている。
表皮材16は、厚みが1mm程度の柔軟性に富んだ薄肉シート状材であって、インストルメントパネル10の外面に露出する表面(意匠面)には、シボ模様や幾何学模様等が再現されている。このような表皮材16は、(1)樹脂シート材から真空成形技術に基づいて予備成形されたもの、(2)樹脂粉末からパウダースラッシュ成形技術に基づいて予備成形されたもの、(3)ウレタン原料からスプレー成形技術に基づいて予備成形されたもの、(4)ウレタン原料から反応射出成形(RIM)技術に基づいて成形されたもの、等が選択的に実施可能である。なお、エアバッグドア40の配設部位を被覆する部分の裏面には、ドア破断予定部34と同一の両Y字形の表皮破断予定部26が形成されており、ドアパネル36の開放に際してこの表皮破断予定部26が破断することで、ドアパネル36の開放を許容するようになる。
発泡体14は、図7に例示した従来のものと同一のウレタン原料から発泡成形されたもので、密度が0.15〜0.25g/cm程度の比較的高い反発特性を有する高密度ウレタンフォームから形成されている。このような発泡体14は、ドア成形部材32を開口設置部18に予め組付けた基材12と予備成形した表皮材16とをセットした発泡成形型(図示せず)において、これら基材12および表皮材16の間でウレタン原料を発泡させることで両者間に介在させたものである。なお発泡体14は、前述したように、基材12を被覆した基材被覆部分20、ヒンジ部38に対応したヒンジ被覆部分22、ドアパネル36を被覆するドア被覆部分24に便宜上区分され、各々の部分20,22,24の厚みSは、図7に例示した従来と同じく5〜10mm程度に設定されており、適度の弾力性を発現し得るようになっている。従って、発泡体14が存在する部位では、インストルメントパネル10の外面の適宜部位を指先等で押圧すると、この押圧部位が陥凹的に圧縮変形するようになり、インストルメントパネル10の触感向上に寄与するようになっている。また万一、衝突事故時に前方へ投げ出された乗員がインストルメントパネル10の3層構造部分の外面に衝突した場合には、その衝撃を吸収して傷害軽減にも寄与するようになる。
そして、本実施例に係るエアバッグドアでは、図1および図2に例示したように、前述したドアパネル36の所要部位に、前記ヒンジ部38の延在方向(長さ方向)と略同一方向へ延在し、かつ該ヒンジ部38の延在方向と交差する方向(幅方向)へ伸長的(延伸的)に変形可能な可変伸長部42を設けたことを特徴としている。すなわち、発泡体14のドア被覆部分24から剥離したドアパネル36は、エアバッグ60との接触による可変伸長部42の変形により、その開放端部36A側へ拡幅的に変形して該ドア被覆部分24を覆うことで、エアバッグ60がドア被覆部分24へ接触するのを防止し得る構造となっている。
具体的に可変伸長部42は、各々のドアパネル36における幅方向の中間部位または開放端部36Aの側へ適宜変位した部位において、当該ドアパネル36の長さ方向の略全長に亘って延設されている。従って各々のドアパネル36は、ヒンジ部38に隣接した第1パネル部分44と、この第1パネル部分44に対し可変伸長部42を介して連設され、開放端部36Aに隣接した第2パネル部分46とに便宜上区分されており、この可変伸長部42が伸長的に変形することで第2パネル部分46が第1パネル部分44から離間移動して、ヒンジ端部と開放端部36Aとの幅寸法Lが拡大(拡幅的に変形)するようになる。
可変伸長部42は、例えば第1パネル部分44から第2パネル部分46に向けて略U字形に弛んだ撓曲形状に形成され、当該のドアパネル36の裏面側(エアバッグ60が当接する側)へ所要量だけ突出している。そして可変伸長部42の厚みWが、第1パネル部分44および第2パネル部分46の厚みTの1/3〜1/2程度に設定されており、略U字形から略I字形への伸長的(伸延的)な変形が起こり易くなっている。これにより例えば、当該のドアパネル36が発泡体14のドア被覆部分24から剥離した状態において、膨張展開するエアバッグ60の押圧力が可変伸長部42の頂部48および/または第2パネル部分46の裏面に作用した場合、前述したようなドアパネル36の拡幅的な変形が起こるようになる。
なお可変伸長部42は、第1パネル部分44から第2パネル部分46に向けて略V字形に弛んだ折曲形状に形成しても、当該のドアパネル36が発泡体14のドア被覆部分24から剥離した状態において、膨張展開するエアバッグ60の押圧力が可変伸長部42の頂部および/または第2パネル部分46の裏面に作用した場合、前述したようなドアパネル36の拡幅的な変形が起こるようになる。
一方、前述した形態の可変伸長部42を設定したことにより、各々のドアパネル36における発泡体14へ臨む表面側には、この可変伸長部42を該発泡体14から被覆するフィルム状部材50が配設されている。このフィルム状部材50は、基材12と表皮材16との間で発泡体14を発泡成形するに際し、前述した形態の可変伸長部42を設定することで画成される隙間52へ発泡原料が侵入して硬化することを防止することを目的として実施されるものである。またフィルム状部材50を、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタレート(PET)等の前述の発泡体14とは強力に接着しない材質、すなわち基材12または発泡体14から剥離し易い素材から材質とすれば、エアバッグ装置56の作動によるドアパネル36の開放時に、発泡体14のドア被覆部分24と該ドアパネル36との剥離を惹起する機能が発揮されるようになる。すなわちフィルム状部材50は、発泡体14の発泡成形時における発泡原料の侵入防止機能および/またはエアバッグドア40の開放時におけるドアパネル36とドア被覆部分24との剥離惹起機能を有している。なお、フィルム状部材50のサイズは、前述した発泡原料の侵入防止機能だけを発現させる場合では、少なくとも前述した可変伸長部42の隙間52を覆蓋し得るサイズに設定すればよいが、ドアパネル36とドア被覆部分24との剥離惹起機能を発現させる場合では、ドアパネル36の形状・サイズと略同一の形状・サイズとすることが望ましい。
次に、前述のように構成された本実施例のエアバッグドア40の開放態様につき、図1および図3〜図5を引用して説明する。
前述したエアバッグ装置56の作動によりエアバッグ60が膨張を開始して(図1)、このエアバッグ60の押圧力が各ドアパネル36の裏面に加わると、その押圧力による応力がドア破断予定部34へ集中的に付与されるようになり、適時にこのドア破断予定部34が破断して各ドアパネル36が分割される。これに伴い、発泡体14もドア破断予定部34に沿って両Y字形に裂断する一方、表皮材16も表皮破断予定部26に沿って破断するようになり、図3に例示するように、各々のドアパネル36は対応のヒンジ部38における開放ポイントP1を中心として開放を開始するようになる。一方、発泡体14のドア被覆部分24は、開放ポイントP1を中心に開放するドアパネル36に押し上げられ、ヒンジ被覆部分22に位置する折曲ポイントP2を中心として折曲を開始するようになる。
そして、ドアパネル36が垂直程度まで開放した開放途中段階においては、発泡体14のヒンジ被覆部分22が圧縮され難いことに起因して、ドアパネル36とドア被覆部分24との間に剥離が徐々に生ずるようになる。しかも、前述したフィルム状部材50がドアパネル36とドア被覆部分24との間に介在されているため、このフィルム状部材50とドアパネル36との剥離、あるいはこのフィルム状部材50とドア被覆部分24との剥離により、ドアパネル36とドア被覆部分24との間で剥離が一気に進行するようになる。
従って、図4に例示したように、少なくともドアパネル36の第2パネル部分46がドア被覆部分24から完全に剥離すると、頂部48にエアバッグ60の押圧力を受けた可変伸長部42は略U字形から徐々に押し潰され、その結果として第2パネル部分46を第1パネル部分44から離間するように移動し、ドアパネル36が拡幅的に変形して幅寸法がL1となる。これにより図4から明らかなように、拡幅的に変形したドアパネル36の開放端部36Aがドア被覆部分24の端縁部24Aよりも上方へ延出して所謂シャッターとして機能するようになり、膨張途中のエアバッグ60がドア被覆部分24へ接触するのを防止するようになる。
更に、ドアパネル36が全開まで開放した開放完了段階においては、図5に例示するように、ドアパネル36の第1パネル部分44とドア被覆部分24との間でも剥離が生ずるようになり、該ドアパネル36とドア被覆部分24とが剥離するに至る。この結果として、内側に位置しているドア被覆部分24は、折曲ポイントP2が図5の右方向へ徐々に移動することに伴い、端縁部24A側への延出長が大きくなるようになる。しかしながらドアパネル36は、エアバッグ60に押された可変伸長部42が更に押し潰されて伸長的に変形するため更に拡幅的に変形して幅寸法がL2となり、この結果としてその開放端部36Aがドア被覆部分24の端縁部24Aよりも更に延出して所謂シャッターとして機能するようになり、膨張途中のエアバッグ60がドア被覆部分24へ接触するのを防止するようになる。
すなわち本実施例のエアバッグドア40では、エアバッグ装置56の作動によりエアバッグ60が膨張展開するに際し、発泡体14のドア被覆部分24から剥離したドアパネル36が、可変伸長部42の伸長的な変形により幅方向へ拡幅的に変形するため、開放途中から開放完了まで常に剥離したドア被覆部分24へエアバッグ60が接触しないように機能する。すなわちドアパネル36の開放時に、該ドアパネル36の開放端部36Aがドア被覆部分24の端縁部24Aより突出しているため(ドア被覆部分24の端縁部24Aがドアパネル36の開放端部36Aから突出しないため)、このドア被覆部分24に対してエアバッグ60が直接的に接触することが回避され、このドア被覆部分24の一部が引き千切られて発泡破片となって乗員側へ飛散することによる二次災害の発生を好適に防止できる。
また、エアバッグドア40の開放に際しては、前述したフィルム状部材50により発泡体14のドア被覆部分24と対応のドアパネル36との間で剥離が惹起され、ドアパネル36の全開位置までの円滑な開放変位が実現する。従って、エアバッグドア40の開放不良を原因としたエアバッグ60の膨張不良が発生することがなく、よってエアバッグ60が適切に膨張展開して所要の乗員保護機能が好適に発揮される。
なお前述した実施例では、4枚のドアパネル36からなる四方開きタイプのエアバッグドア40において、図2に例示したように、全てのドアパネル36に対して可変伸長部42を設けた場合を例示した。しかしながら、膨張時のエアバッグ60の展開方向や展開形状等を考慮して、このエアバッグ60が接触する可能性が高いドア被覆部分24に対応したドアパネル36にのみ可変伸長部42を設けるようにしてもよい。すなわちエアバッグ60は、図5に例示したように乗員席側へ大きく膨出するものの、フロントウィンドウ側や左右方向へはあまり膨出しないので、乗員席側へ開放するドアパネル36およびフロントウィンドウ側へ開放するドアパネル36にのみ可変伸長部42を設けるようにしてもよいし、また乗員席側へ開放するドアパネル36にのみ可変伸長部42を設けるようにしてもよい。
なお、本発明に係るエアバッグドアは、前述した4枚のドアパネル36から構成される四方開きタイプのものだけでなく、2枚のドアパネル36からなる両開きタイプや、1枚のドアパネル36からなる片開きタイプにも好適に実施可能である。
更に、本発明に係るエアバッグドアは、基材別体タイプのものに限らず、前述した基材一体タイプのものも対象とされる。
更にまた、本発明に係るエアバッグドアは、インストルメントパネルに設けたものに限定されるものではなく、これ以外にドアパネル等に設けたサイドエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドアや、ピラーガーニッシュおよびルーフサイドパネル(ルーフパネル)等に設けたカーテンエアバッグ装置に付帯されるエアバッグドア等も対象とされる。
本発明に係るエアバッグドアは、車両内装部材を構成する基材に設けられ、その側端縁に延設したヒンジ部を有するドアパネルと、これら基材およびドアパネルを被覆する所要厚の発泡体とからなり、ドアパネルがエアバッグの押圧力によりヒンジ部を中心として開放するに際し、このドアパネルの外面に位置する発泡体のドア被覆部分と該ドアパネルとの間に剥離が生ずるエアバッグドアが対象とされ、エアバッグ装置を搭載した種々自動車等に好適に実施可能である。
好適実施例に係るエアバッグドアの構造を示すために、図2のI-I線で破断したインストルメントパネルの部分側断面図である。 エアバッグドアを被覆する発泡体および表皮材を一部破断して示したインストルメントパネルの部分平面図である。 エアバッグドアの開放初期状態を示した説明断面図である。 エアバッグドアの開放途中状態を示した説明断面図である。 エアバッグドアの開放完了状態を示した説明断面図である。 エアバッグドアを設けた部位を一部破断して示したインストルメントパネルの部分斜視図である。 図6のVII−VII線断面図である。 従来のエアバッグドアを開放状態で示した説明断面図である。
符号の説明
12 基材
14 発泡体
24 ドア被覆部分
36 ドアパネル
36A 開放端部
38 ヒンジ部
42 可変伸長部
44 第1パネル部分
46 第2パネル部分
50 フィルム状部材
60 エアバッグ

Claims (5)

  1. 車両内装部材を構成する基材(12)に設けられ、その側端縁に延設したヒンジ部(38)を有するドアパネル(36)と、これら基材(12)およびドアパネル(36)を被覆する所要厚の発泡体(14)とからなり、前記ドアパネル(36)がエアバッグ(60)の押圧力により前記ヒンジ部(38)を中心として開放するに際し、ドアパネル(36)の外面に位置する前記発泡体(14)のドア被覆部分(24)と該ドアパネル(36)との間に剥離が生ずるエアバッグドアにおいて、
    前記ドアパネル(36)の所要部位に、前記ヒンジ部(38)の延在方向と略同一方向へ延在し、かつ該ヒンジ部(38)の延在方向と交差する方向へ伸張的に変形可能な可変伸長部(42)を設け、
    前記ドア被覆部分(24)から剥離した前記ドアパネル(36)が、前記エアバッグ(60)との接触による前記可変伸長部(42)の変形により、その開放端部(36A)側へ拡幅的に変形して前記ドア被覆部分(24)を覆うことで、該エアバッグ(60)が該ドア被覆部分(24)へ接触するのを防止し得るよう構成した
    ことを特徴とするエアバッグドア。
  2. 前記ドアパネル(36)は、前記ヒンジ部(38)に隣接した第1パネル部分(44)と、この第1パネル部分(44)に対し前記可変伸長部(42)を介して連設され、前記開放端部(36A)に隣接した第2パネル部分(46)とからなり、前記可変伸長部(42)が伸長的に変形することで第2パネル部分(46)が第1パネル部分(44)から離間するようになる請求項1記載のエアバッグドア。
  3. 前記可変伸長部(42)は、前記第1パネル部分(44)から第2パネル部分(46)に向けて略U字形または略V字形に弛んだ形状に形成され、ドアパネル(36)の裏面側へ突出している請求項2記載のエアバッグドア。
  4. 前記ドアパネル(36)の前記発泡体(14)へ臨む表面側に、前記可変伸長部(42)を該発泡体(14)から被覆するフィルム状部材(50)が配設されている請求項1〜3の何れかに記載のエアバッグドア。
  5. 前記フィルム状部材(50)は、前記ドアパネル(36)および/または前記発泡体(14)から剥離し易い材質とされる請求項4記載のエアバッグドア。
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