JP2006121034A - リードピン付き配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多孔質絶縁膜を形成した半導体素子を搭載し、低熱膨張係数のガラスセラミックからなる絶縁基体を有する配線基板に取着したリードピンに斜め方向の外力が生じても、リードピンと絶縁基体との接合強度を確保できる高信頼性のリードピン付き配線基板を提供する。
【解決手段】 40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体5表面に配線導体6が形成され、絶縁基体5表面の配線導体6に、リードピン1のヘッド部1aが、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材から成る接続パッド2を介して接続されて成るリードピン付き配線基板3において、接続パッド2は、外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、メニスカスは、絶縁基体5表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージや回路基板、電子回路モジュール等に使用される、入出力端子用のリードピンが立設された、所謂ピングリッドアレイ(PGA)用のリードピン付き配線基板に関する。
従来から、IC,LSI等の半導体集積回路素子等の半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージや、高周波回路や電力回路等を構成する回路基板あるいは電子回路モジュール等には、セラミックスから成る絶縁基体の表面および内部の少なくとも一方に配線導体を有する配線基板が使用されている。この配線基板には、一般的に、リードピン、ボール端子等の端子部材や放熱板、放熱フィン等の放熱部材、あるいは配線基板と蓋体とから成る容器の内部に半導体素子を気密に収容するために、金属製の蓋体を取着するためのシールリング等のシール部材といった金属部材が、配線基板表面のメタライズ層から成る配線導体にろう材を介して接合されている。
上記の配線基板においては、高周波信号を高速で伝送する上で、配線導体を形成する導体の抵抗が低いことが要求され、絶縁基体にもより低い誘電率が要求されている。例えば、誘電率が低く高周波用の絶縁基体として好適であるガラスセラミックスを絶縁基体に用い、Cu,Ag,Au等の低抵抗金属のメタライズ層を配線導体として形成した配線基板が多用されている。
しかしながら、このような高周波用の配線基板においては、低誘電率のガラスセラミックスはガラス成分を多量に含有することから、その磁器強度は従来のアルミナセラミックス等に比べて低く、また、低抵抗金属は融点が低いことから低温で焼成する必要があるため、メタライズ層から成る配線導体のガラスセラミックスへの接合強度も低いものとなっている。
このため、このような配線基板のメタライズ層から成る電極パッドにろう材を介してリードピンを接合しピングリッドアレイ型のリードピン付き配線基板とした場合、外部電気回路に配線基板を装着するためにリードピンを外部電気回路のソケットに差し込んだり、外部電気回路に配線基板を装着後に故障や交換等のメンテナンス等が必要となりリードピンを引き抜いたりした際に、リードピンに垂直方向や斜め方向からの外力が働くと、絶縁基体であるガラスセラミックスと電極パッドとの界面に破壊応力が発生する。そして、電極パッドに剥がれが生じたり、ガラスセラミックス自体がその破壊応力に屈して破壊したりして、接合信頼性が低下するという問題点があった。
そこで、磁器強度の弱いガラスセラミックス等の絶縁基体と電極パッドとの界面における破壊を回避する手法として、活性金属としてTi,ZrおよびHfの少なくとも一種を含有するAg−Cu合金ろう材を用いて、リードピン接合用の電極パッドを配線基板に形成せずに、配線基板の内部から下面に導出された配線導体としての貫通導体(ビア導体)が絶縁基体の表面に露出した部位を含む領域にリードピンを直接接合する構成が提案されている。
この構成では、電極パッドを介さずに、配線導体の一部である貫通導体の絶縁基体の表面に露出した部位とリードピンとを、Ti,ZrまたはHfのうちの少なくとも一種を含有するAg−Cu合金ろう材から成る接続パッド(以下、ろう材パッドともいう)を介して直接接続することによって電気的接続を行なうことができる。また、貫通導体の露出部は通常直径が約100μm以下と小さいことから、リードピンは実質的には絶縁基体とろう材パッドを介して接合されるため、電極パッドと絶縁基体との接合強度に依存することなくリードピンを接合することができ、絶縁基体と電極パッドとの間の界面における破壊を回避することができる。
一方、上記の高周波用の配線基板に搭載される半導体素子においては、近年の更なる高集積化や高速化に伴い、半導体素子の配線容量を低減させ信号伝達速度を高くするために、半導体素子に使用する絶縁膜を低誘電率化することが検討されている。
例えば、10GHz程度の高周波信号を伝達し、かつ、半導体素子の設計基準(MPUゲート長)が130nm程度に微細配線化された半導体素子の絶縁膜として要求されている比誘電率は2.5以下であり、これを実現するために、スピンコート法によりシルセスキオキサン系の無機オリゴマー(低分子量のポリマー)やポリ芳香族エーテル系等の有機オリゴマーの熱重合による絶縁膜に、比誘電率1の空気を内包させた多孔質絶縁膜が開発された。
特開平8−162563号公報 特開平8−298381号公報 特開平9−18144号公報
しかしながら、上記のような半導体素子に形成された多孔質絶縁膜は、その空孔率の増加に伴い強度が低くなるため、上述の配線基板に実装する際や半導体素子動作時などの熱的負荷が加わると、半導体素子と配線基板の熱膨張係数の差に起因して発生する熱応力によって多孔質絶縁膜自身が破壊されるという不具合が、一般的な絶縁膜に比べて顕著に発生するという問題点があった。
そこで、発生する熱応力を低減するために、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃のガラスセラミックスを絶縁基体に用いて、配線基板の熱膨張係数をSi(シリコン)等からなる半導体素子の40乃至400℃での熱膨張係数である2×10−6/℃〜4×10−6/℃に可能な限り近づけるという構成が考えられる。
しかしながら、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃と低熱膨張係数のガラスセラミックスを絶縁基体として用いた場合、配線導体の一部である貫通導体の絶縁基体表面に露出した部位とリードピンとを、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含有するAg−Cu合金ろう材パッドを介して直接接続する方法では、低熱膨張係数のガラスセラミックスとろう材パッドとの熱膨張係数の差が大きく、この熱膨張係数の差に起因する熱応力がろう付け後に大きな残留応力としてろう材パッドと絶縁基体の界面に内在する。
その結果、リードピンへの斜め方向の外力としてガラスセラミックスの磁器強度以上の応力がガラスセラミックスから成る絶縁基体とろう材パッドとの接合面の外周端に集中して作用した場合、この応力と残留応力とが相俟って大きな破壊応力が発生し、この部分を起点として絶縁基体内部にクラック等が進行して接合信頼性の低下を引き起こしたり、配線基板からリードピンが脱離するという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解決するために完成されたものであり、その目的は、例えば多孔質絶縁膜を形成した半導体素子を搭載し、低熱膨張係数のガラスセラミックスからなる絶縁基体を有する配線基板に取着したリードピンに斜め方向の外力が生じても、リードピンと絶縁基体との接合強度を確保できる高信頼性のリードピン付き配線基板を提供することにある。
本発明のリードピン付き配線基板は、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体の表面および内部のうち少なくとも表面に配線導体が形成されるとともに、前記絶縁基体の表面の前記配線導体の露出した部位を含む領域に、リードピンのヘッド部が、Ti、ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材から成る接続パッドを介して接続されて成るリードピン付き配線基板において、前記接続パッドは、外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、前記メニスカスは、前記絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と前記傾斜角度が小さい下部とから成ることを特徴する。
本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記メニスカスは、上部の前記傾斜角度と下部の前記傾斜角度との差が16°乃至50°であることを特徴とする。
また、本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記メニスカスは、上部の前記傾斜角度が30°乃至70°であり、下部の前記傾斜角度が6°乃至25°であることを特徴とする。
また、本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記絶縁基体と前記接続パッドとの間にTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種と前記ガラスセラミックスの成分とを含む厚み0.2μm乃至1μmの反応層が介在されていることを特徴とする。
また、本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記リードピンのヘッド部の直径は、直径が0.4mm以上で厚みが0.05mm乃至0.2mmであることを特徴とする。
また、本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記ヘッド部は、該ヘッド部の最大径よりも小さな径を有した小径部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のリードピン付き配線基板は好ましくは、前記小径部は、前記ヘッド部の外周に沿って設けられた溝の底部であることを特徴とする。
本発明のリードピン付き配線基板は、接続パッドは、外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、メニスカスは、絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成ることから、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体にリードピンをTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材を介して接続しても、リードピンが接続された際の絶縁基体とリードピンとの接合部のろう材から成る接続パッドの外周端部に生じる初期的な残留応力は、それが集中する場所が、接続パッドの外周端部から傾斜角度が大きいメニスカス上部の傾斜方向と絶縁基体表面との交点(以下、交点Pとする)の側に移動し、その結果応力を分散することが可能になる。
本発明において好ましくは、メニスカスは、上部の傾斜角度と下部の傾斜角度との差が16°乃至50°であることから、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体にリードピンをTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材を介して接続しても、初期的な残留応力は、接続パッドの外周端部からその外周端部と交点Pとの間に有効に分散される。これにより、接続パッドの外周端部、または交点Pよりも接続パッド側に応力が集中することなく、安定してリードピンを接合することが可能となる。
また本発明において好ましくは、メニスカスは、上部の傾斜角度が30°乃至70°であり、下部の傾斜角度が6°乃至25°であることから、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体にリードピンをTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材を介して接続しても、リードピンが接合された際に接続パッドの外周端部に生じる初期的な残留応力を小さく抑えるとともに、初期的な残留応力は、接続パッドの外周端部と交点Pの間に有効に分散される。これにより、接続パッドの外周端部または交点Pに応力が集中することなく安定してリードピンを接合することが可能となる。
その結果、リードピンに斜め方向の外力が加わって、応力が接続パッドの外周端部およびその下方の絶縁基体に集中した場合、応力全体(初期的な残留応力および外力による応力)はガラスセラミックスの磁器強度以上に成ることがなく、絶縁基体にクラック等の破壊が発生するのを大きく抑制することができ、また配線基板からリードピンが脱離することなく、より高い接合強度を有するものとなる。
また本発明において好ましくは、絶縁基体と接続パッドとの間に形成される、ガラスセラミックスの成分とTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種とを含む反応層の厚みが0.2μm乃至1μmであることから、ガラスセラミックスの成分と活性金属成分であるTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種を含む反応層を一様にむらなく形成することができる。そのため、ガラスセラミックスと活性金属との反応層の形成が不十分なことによる接続不良の発生を防止することができる。また、ガラスセラミックスと活性金属との反応層は脆弱であるが、その厚みを1μm以下とすることにより、反応層がガラスセラミックスとろう材との熱膨張差による初期的な残留応力により破壊されることなく強固に接合できる。
また本発明において好ましくは、リードピンのヘッド部の直径が0.4mm以上であることから、リードピンと接続パッドとの接合面積が十分に確保され接合強度も高くなるため、リードピンに斜め方向の外力が加わっても、リードピンとろう材との界面で剥離が生じることを抑制できる。また好ましくは、リードピンのヘッド部の厚みが0.05mm乃至0.2mmであることから、リードピンに斜め方向の外力が加わっても、ガラスセラミックスと接続パッドとの破壊の起点となる、接続パッドと絶縁基体との接合面の外周端への応力の集中を低減できる。
ま、本発明において好ましくは、リードピンのヘッド部に、ヘッド部の最大径よりも小さな径を有した小径部が形成されていることから、ヘッド部の最大径部から小径部になる部分の段差や角度差により、ろう材はヘッド部の小径部と最大径部の境界以上の高さに這い上がりにくくなり、メニスカスを絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状にすることが容易に可能となり、より安定したリードピンの接合が可能となる。
また、本発明において好ましくは、リードピンのヘッド部の小径部は、ヘッド部の外周に沿って設けられた溝の底部としたことから、この溝による段差によってろう材はヘッド部の小径部を底辺とした溝以上の高さに這い上がりにくくなり、メニスカスは絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状にすることが容易に可能となり、より安定したリードピンの接合が可能となる。また、ヘッド部の小径部を底辺とした溝にろう材が入り込むことでろう材とリードピンとの接触面積を増やすことができるので、より強固にリードピンを接合することが可能となる。
本発明のリードピン付き配線基板(以下、配線基板ともいう)について以下に詳細に説明する。図2は、IC,LSI等の半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージに本発明の配線基板を適用した場合の実施の形態の一例を示す断面図である。図2において、1はリードピン、2は活性金属としてTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含有するAg−Cu合金ろう材から成る接続パッド(以下、ろう材パッドともいう)、3は配線基板、4は半導体素子である。
配線基板3のガラスセラミックスから成る絶縁基体5は、上面の中央部に半導体素子4を搭載するための搭載部7を有している。また、絶縁基体5は、ガラスセラミックスの焼結体から成る例えば四角形状の板状体であり、その表面および内部の少なくとも一方に配線導体6を有している。この配線基板3は、例えば以下のようにして製作される。
まず、セラミック粉末,有機バインダ,溶融成分に溶剤(有機溶剤,水等)、必要に応じて硬度や強度を調整するための所定量の可塑剤,分散剤を加えてスラリーを得、これをPETフィルムや紙等の支持体上にドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等のシート成型方法によりガラスセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。
40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体5を得るためのセラミック粉末としては、例えばSiO−Al−MgO−ZnO−B,SiO−B−Al−NaO, SiO−B−KO−Al−NaO等の硼珪酸ガラスのような低熱膨張係数のガラス粉末と、アルミナ,コーディエライト,石英ガラス,ムライトのようなフィラー粉末とを混合したものを用いればよく、要求される特性に合わせてその種類や組合せ、含有量は適宜調整される。
より具体的には、30〜55質量%のSiO、15〜40質量%のAl、3〜25質量%のMgO、2〜15質量のZnO、2〜15質量%のBを含有するガラス粉末64.5〜98.5質量%と、コーディエライト粉末0.5〜20質量%と、ムライト,アノーサイト,スラウソナイト,セルジアン,石英ガラスの群から選ばれる少なくとも1種のフィラー粉末1〜35質量%とを含有するものがある。このガラス粉末に1050℃以下の熱処理を施すことにより、少なくともコーディエライトを結晶相として析出させ、さらにコーディエライトとともに、ガーナイト,スピネル,ムライトの群から選ばれる少なくとも1種を結晶相として析出させることによって、絶縁基体5の低熱膨張係数化、低誘電率化、低ヤング率化を図ることができる。低熱膨張係数化と低ヤング率化により、半導体素子4リードピン付き配線基板との1次実装とリードピン付き配線基板とマザーボードとの2次実装の信頼性の向上が達成されるのでより好ましいものとなる。
次に、このグリーンシートに、導体材料の粉末をペースト化した導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、または所定パターン形状の金属箔を転写する方法等の方法を用いて、配線導体6を形成する。導体ペーストの導体材料としては、ガラスセラミックス焼結体に対しては、Cu,Ag,Ag−Pt,Ag−Pd,Au等が用いられる。
なお、この配線導体6には、絶縁基体5の上下面にそれぞれ配置された配線導体6同士を絶縁基体5の内部で接続するためのビア導体やスルーホール導体等といった貫通導体の部分も含まれる。この貫通導体は、例えば、パンチング加工等によりグリーンシートに形成した貫通孔に導体ペーストを充填することによって形成される。
次に、配線導体6を形成したグリーンシートを複数枚積層し、所定の温度(ガラスセラミックスの場合であれば約900℃)で焼成することによって、配線基板3が製作される。
そして、配線基板3の下面の、配線導体6としての貫通導体が絶縁基体5の表面に露出した部位を含む領域に、活性金属としてTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも1種を含有するAg−Cu系ろう材をペースト化したろう材ペーストを、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷し、ネイルヘッド型のリードピン1と、配線基板3の配線導体6および絶縁基体5とを、Ag−Cu合金ろう材2を介してろう付けする。
このAg−Cu合金ろう材は、BAg−8(JIS Z−3261:72質量%Ag−28質量%Cu)ろう材を始めとして、Agが60〜80質量%でCuが20〜40質量%の組成から成るAg−Cu合金ろう材に、活性金属であるTi,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を、金属または水素化物の状態で外添加で2〜10質量%添加したものが用いられる。
このろう材を介してリードピン1を絶縁基体5に接合するには、例えば、ろう材の粉末に有機溶剤、樹脂バインダおよび溶剤(有機溶剤、水等)を合わせて5〜15質量%を外添加で混合して得たろう材ペーストを、配線導体6が露出した部位、例えば貫通導体の露出した端面を含む絶縁基体5の表面に、スクリーン印刷法等によりリードピン1を立設する部位に対応した所定パターンで印刷し、これにリードピン1のヘッド1aを載置して、真空中または中性雰囲気中もしくは還元雰囲気中でろう材の溶融温度に合わせた所定温度(例えば約800℃)で加熱処理し、ろう材を溶融させて、配線導体6および絶縁基体5とリードピン1とをろう付けする。
このとき、ろう材の融点およびろう付け後の接合部の外観や反応層および合金層の厚み等を考慮して、ろう材における活性金属の含有量、ボリューム(体積)、ブレージング最高到達温度、ろう材の融点以上の温度の保持時間等を決める必要がある。その一例として、72質量%Ag−28質量%Cu(所謂BAg−8)のろう材に活性金属としてTiHを3質量%添加したろう材を用いて、絶縁基体5の表面にろう付け後に直径0.90mmの接続パッド2を形成する場合、ピン径が0.20mm、ヘッド部1aの厚みが0.15mm、ヘッド部1aの直径が0.45mmのリードピン1を絶縁基体5の所定部位に当接させた状態で、真空炉中で最高温度795℃乃至850℃で5分乃至1時間保持すれば、高い接合強度を有する良好な接合状態が得られる。
ここで、本発明においては、絶縁基体5が40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスであり、接続パッド2の外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、メニスカスは、絶縁基体5の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る。
なお、図1に示すように、メニスカス上部の傾斜角度(角度A)及びメニスカス下部の傾斜角度(角度B)は、メニスカスの形状によって測定の定義を決めた。図1(a)に示すように、角度Aは、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が大きい上部の絶縁基体5表面に対する傾斜角度であり、角度Bは、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が小さい下部の絶縁基体5表面に対する傾斜角度である。また、図1(b)に示すように、リードピン1のヘッド部1a側面にろう材の盛り上りが形成されたメニスカス形状の場合、角度Aは、図1(a)の場合と同様に、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が大きい上部の絶縁基体5表面に対する傾斜角度であり、角度Bは、図1(a)と同様に、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が小さい下部の絶縁基体5表面に対する傾斜角度である。
ここで、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材に、例えば鉄,ニッケルおよびコバルトの少なくとも一種を含有するリードピン1を接続した場合、リードピン1の周囲を囲むように、鉄,ニッケルおよびコバルトの少なくとも一種とTi,ZrおよびHfの少なくとも一種との合金層(活性金属合金層)が生じる。この活性金属合金層の外周部(メニスカス下部)にはAg−Cu合金層が形成される。活性金属合金層は、Ag−Cu合金層に比べて融点が高いために、ブレージングの冷却時に先に固体になる。この活性金属合金層とAg−Cu合金層の融点の差により、メニスカスは、裾野状の形状となるとともに、絶縁基体5表面に対する傾斜角度が大きい上部(活性金属合金層)と傾斜角度が小さい下部(Ag−Cu合金層)とから成ることとなる。
ろう材のメニスカス形状を上記の構成とする手法としては、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材のTi,Zr,Hf,Ag,Cuのいずれかの分量を変化させることでろう材の融点を変化させることで達成できる。好ましくは、72質量%Ag−28質量%Cuのろう材(所謂共晶組成のBAg−8)を用いると、ろう材の融点は低くなり、残留応力を下げる点でも好適である。
また本発明において、メニスカス上部の傾斜角度(角度A)とメニスカス下部の傾斜角度(角度B)との差が16°乃至50°であることが好ましい。角度Aと角度Bとの差が16°未満の場合、接続パッド2の外周端部、即ち角度Bをなすメニスカス下部の絶縁基体5の部分に残留応力が集中し、この部分を起点として絶縁基体5内部にクラック等が進行しやすくなる。また、50°を超えると、メニスカス上部の傾斜方向と絶縁基体5表面との交点Pの部分に残留応力が集中し、これらの部分を起点として絶縁基体5内部にクラック等が進行し易くなる。
また本発明において、メニスカス上部の傾斜角度(角度A)が30°乃至70°であり、メニスカス下部の傾斜角度(角度B)が6°乃至25°であることが好ましい。角度A,Bが上記範囲から外れた場合、接続パッド2の外周端部、即ち角度Bをなすメニスカス下部の絶縁基体5の部分、または上記交点P、即ち角度Aを成すメニスカス下部の下方の絶縁基体5の部分に残留応力が集中し、これらの部分を起点として絶縁基体5内部にクラック等が進行し易くなる。
角度A,Bを上記範囲とするには、ろう材の印刷ボリューム、真空炉でのろう付け中のリードピン1に掛ける荷重の値などの調整によって可能である。例えば、72質量%Ag−28質量%Cu(BAg−8)のろう材に活性金属としてTiHを3質量%添加したろう材を用いて、絶縁基体5表面にろう付け後に接続パッド2が直径0.90mmとなるようにボリューム0.18mgで形成し、ピン径が0.20mm、ヘッド部1aの厚みが0.15mm、ヘッド部1aの直径が0.45mmのリードピン1を、絶縁基体5の所定部位に当接させた状態で、リードピン1本あたり1.5×10−6Nの加重をかけて真空炉中で最高温度795℃乃至850℃で5分乃至1時間保持すれば、角度Aが12°、角度Bが43°の高い強度を有する良好な接合状態が得られる。
また、絶縁基体5と接続パッドとの間に形成される、ガラスセラミックスの成分とTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種とを含む反応層の厚みが0.2μm乃至1μmである。ガラスセラミックスと活性金属成分であるTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種とを含む反応層の厚みが0.2μm未満であると、反応層を絶縁基体5上に一様に形成することが困難である。その結果、まだら模様状に反応層が形成され、接合強度が弱くなる。また、反応層の厚みが1μmを超えると、脆弱な反応層がガラスセラミックスと接続パッドとの熱膨張差による初期的な残留応力により破壊されやすくなる。
なお、反応層の厚みは、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材中の活性金属成分である、Ti,ZrおよびHfの含有量を調節することや、真空炉中で最高温度や最高温度での保持時間を変えることで変化させることできる。
また、反応層の厚みは、その断面を波長分散型X線マイクロアナライザ(EPMA)や走査電子顕微鏡(SEM)で観察することで測定できる。
また、リードピン1は、ヘッド部1aの直径が0.4mm以上で厚みが0.05mm乃至0.2mmである。ヘッド部1aの直径が0.4mm未満であると、ろう材2とリードピン1との絶対的な接合面積が不足する。その結果、リードピン1に斜め方向の外力が加わった際に、リードピン1と接続パッドとの界面で剥離やクラックが生じやすくなる。なお、ヘッド部1aの直径の上限は、絶縁基体5の外形寸法や、リードピン1の設置間隔、リードピン1の配列方法等に応じて設定できる。例えば、本発明の配線基板3を半導体素子4搭載用の半導体素子収納用パッケージに適用する場合、ヘッド部1aの直径は0.4〜1mm程度のものが良く、接続パッド2の外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、メニスカスは、絶縁基体5の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成るメニスカスを形成しやすく好ましい。
また、ヘッド部1aの厚みが0.05mm未満であると、ろう材2がヘッド部1aの上部、即ちリードピン1の付け根付近まで這い上がりやすくなる。その結果、接続パッドのメニスカスの形状が不安定になり、リードピン1に斜め方向の外力が加わって、接続パッドと絶縁基体5との接合面の外周端に応力の集中が起こった際に、絶縁基体5にクラック等の破壊が発生しやすくなる。また、ヘッド部1aの厚みが0.2mmを超えると、ろう材2がヘッド部1aの厚さの分だけ這い上がった際に、メニスカスの角度が大きくなりやすい。その結果、リードピン1が接合された際に、絶縁基体5とリードピン1との接合部に生じる初期的な残留応力が大きくなり、リードピン1に斜め方向の外力が加わって応力が絶縁基体5とろう材2との接合面の外周端に集中して作用した場合、応力全体(初期的な残留応力と外力による応力の和)が絶縁基体5の磁器強度以上になり、絶縁基体5にクラック等の破壊が発生し、配線基板3からリードピン1が脱離を起こす場合がある。
また、リードピンのヘッド部1aに、ヘッド部の最大径部1a−1よりも小さな径を有した小径部1a−2を設けると、ヘッド部の最大径部1a−1から小径部1a−2になる部分の段差や角度差により、ろう材はヘッド部の小径部と最大径部の境界以上の高さに這い上がりにくくなり、絶縁基体5の表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成るメニスカスを容易に形成しやすくなり、より安定してリードピンの接続が可能となり好ましい。なお、小径部1a−2の上面視した際の断面形状は円形に限らず、多角形、楕円等のあらゆる形状を含み、その場合、外接円の直径を径とする。
小径部1a−2は、例えば、図3に示すようなヘッド部1aの外周に沿って小径部1a−2を底部とする溝を設けた形状や、図4に示すような小径部1a−2がヘッド部の先端に突出する形状や、図5に示すような小径部1a−2の径がヘッド部の先端側に向かって漸次小さくなっている形状がある。
特に、図3に示すようなヘッド部1aの外周に沿って小径部1a−2を底部とする溝を設けた形状の場合、ろう材とリードピンとの接合面積を増やすことができ、更に強固にリードピンを接合することが可能となると共に、リードピンに対する垂直引っ張り方向の外力に対して、リードピンが抜けにくくなる効果がある。また、望ましくは、小径部1a−2を底部とする溝の大きさは、例えばリードピンのヘッド径が0.4mm乃至1mmで、ヘッドの厚みが0.15mm乃至0.3mm程度の場合、その幅が0.05mmで、深さが0.05mm程度であると、溝による段差によって這い上がりにくくなる効果が顕著となり、ろう材のボリュームを厳密にコントロールすることなく容易に傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とからなるメニスカス形状を形成でき好ましい。
なお、小径部1a−2を底部とする溝の側面視した際の断面形状はどのような形状でもよく、半円形、V字形、多角形等のあらゆる形状を含む。また、溝はヘッド部1aの外周に連続して一周形成されていることが好ましく、溝の数は複数本ある方がより効果的である。
また、図4(b)に示すような小径部1a−2がヘッド部の先端に突出する形状や、図5に示すような小径部1a−2がヘッド部の先端側に向かって漸次小さくなっている形状であると、リードピン1に斜め方向の外力が加わった場合、この外力による応力は接続パッド2と絶縁基体5との接合界面の中央部側に集中することとなり、リードピン組み立て時に発生するリードピン1および接続パッド2と絶縁基体5との熱膨張係数差による熱応力が残留応力として存在する位置、つまり接続パッド2と絶縁基体5との接合面の外周端に、外力による応力が集中することがないので、リードピンの接合はより大きな外力に耐えうるものとなり好ましい。特に、小径部1a−2がヘッド部の先端側に向かって漸次小さくなっている形状において、小径部が円錐状もしくは半球状の場合、この外力による応力の集中する位置が接続パッド2と絶縁基体5との接合界面のより中央に近くになるため、残留応力の存在する接続パッド2と絶縁基体5との接合面の外周端からいっそう離すことができるので好ましい。
また、望ましくは小径部1a−2の位置はヘッド部の中央にあると、傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とからなるメニスカスの形状が接続パッドの全周にわたり均一になるので、加えられた外力の方向がいずれの方向であっても、ろう材から成る接続パッド2の外周部にかかる応力に方向による差がなくなるため好ましい。
なお、図4(a)に示すように、小径部1a−2がヘッド部の先端に突出する形状の場合、角度Aは、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が突起部にそって変化する部分の絶縁基体5表面に対する傾斜角度であり、角度Bは、接続パッド2の外周端部に形成された裾野状のメニスカスの傾斜角度が小さい下部の絶縁基体5表面に対する傾斜角度である。
なお、小径部1a−2がヘッド部の先端に突出する形状や、ヘッド部の先端側に向かって漸次小さくなっている形状は、図4、図5に示される形状に限定されるものでなく、側面視した際の形状は、矩形、台形、三角形、半円形、半円形の一部を切り落とした形、またそれらを組み合わせたいかなる形であっても良い。
例えば、半導体素子収納用パッケージに適用するリードピン1であれば、Fe−Ni−Co合金やCu合金製のものが使用され、ピン部の長さとしては1〜6mm程度の範囲のものが使用される。
なお、本発明の配線基板3に用いられるリードピン1は、従来間周知のプレス加工法等により容易に成形可能である。
以上のようにして、リードピン1と絶縁基体5とを接合することにより、斜め方向からリードピン1に外力が加わっても、絶縁基体5とリードピン1とのろう材を介した接合部において高い接合強度を確保することができ、良好なろう付け状態でリードピン1が接合された配線基板3を得ることが可能となる。
なお、本発明の配線基板3においては、絶縁基体5表面に形成される配線導体6のリードピン1が接合されない部位の表面、および貫通導体の露出する表面のリードピン1が接合されない部位には、絶縁基体5とリードピン1との接合前あるいは接合後に、耐蝕性に優れ、かつAg−Cu合金ろう材との濡れ性が良好なNiやAu等の金属層が1〜20μmの厚みでめっき法等により被着されていてもよい。
Niめっき層は、例えばPを4〜12質量%程度含有する無電解Ni−Pめっき層から成る。このようなNiめっき層は、まず、配線導体6が形成された絶縁基体5を界面活性剤と塩酸水溶液とから成る温度が25〜50℃の酸性の洗浄液に1〜5分間浸漬して、配線導体6の露出した表面を清浄とし、次にこれを純水で洗浄した後、塩化パラジウム,水酸化カリウム,エチレンジアミンテトラアセティクアシッドから成る温度が25〜40℃のパラジウム活性液中に1〜5分間程度浸漬して、配線導体6表面にパラジウム触媒を付着させ、次に、これを純水で洗浄した後、硫酸ニッケル,クエン酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,次亜リン酸ナトリウム,塩化アンモニウムから成る温度が50〜90℃の無電解Niめっき液中に、2〜60分間浸漬することによって、配線導体6の露出表面にNiめっき層が被着される。
なお、Niめっき層は、その厚みが1μm未満では、絶縁基体5表面に形成された配線導体6表面、図2の例では半導体素子4の電極が接続される電極パッド8となる部位の表面を良好に被覆することができず、配線導体6の露出表面に酸化や変色をきたす傾向にある。他方、20μmを超えると、Niめっき層の内部応力によりNiめっき層にクラックや剥がれが発生しやすい。従って、Niめっき層の厚みは1〜20μmが好ましい。
また、Niめっき層を上述のように無電解Ni−Pめっきにより形成する場合、Niめっき層中のPの含有量が4質量%未満であると、配線導体6の露出表面にNiめっき層を被着させる際にNiめっきの析出速度が遅くなり、所定厚みのNiめっき層を得るために長時間を要することとなるので生産性が極めて悪くなる。他方、12質量%を超えると、Niめっき層上に被着させるAuめっき層との反応性が悪くなり、Niめっき層をAuめっき層で良好に被覆することが困難となる。従って、Niめっき層中のPの含有量は4〜12質量%が好ましい。
特に、絶縁基体5とリードピン1との接合後に無電解めっき法によりNi−Pめっきを施すときには、接続パッド2の周りの絶縁基体5上にNiめっきが析出し、隣接する配線導体6同士が短絡する場合がある。これを防止するには、ろう材ペースト中の樹脂バインダ量を少なくして、絶縁基体5表面における炭素の残留を減らして絶縁基体5表面にNiめっきが被着する要因を減らすか、めっきの前処理の段階で絶縁基体5表面をエッチングすることにより、接続パッド2の周りの絶縁基体5表面に付着したAgやCuといったろう材成分を、ろう付け時に溶融、気化させて除去するといった対策を施せばよい。
ここで、ろう材ペースト中の樹脂バインダ量としては、以上のような理由および印刷性の観点から、8〜12質量%の割合で外添加するのがよい。さらに、無電解めっきによるめっき層の耐熱性および変色性の低下を改善するためには、めっき後に400℃以上で加熱処理することにより、めっき層を緻密化させることが効果的である。
そして、本発明の配線基板3は、半導体素子4の搭載部7上にエポキシ樹脂やAg含有エポキシ樹脂等を用いて半導体素子4を搭載し、半導体素子4上の電極と、絶縁基体5の搭載部7の近傍に配線導体6の一部として形成された電極パッド8とを、Au,Cu,Al等の金属細線(ボンディングワイヤ)で電気的に接続した後、CuやAl等から成る金属製または酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック製の蓋体9を、エポキシ樹脂等の樹脂やAu−Sn合金,Au−Ge合金といったろう材等による接着、または溶接によって取着し封止することによって、半導体装置となる。
本発明の配線基板の実施例について以下に説明する。
まず、44質量%のSiO、28質量%のAl、11質量%のMgO、5質量%のZnO、5質量%のB、6質量%のCaO、1質量%のBaOを含有するガラス粉末85質量%と、フィラー粉末としてのコーディエライト粉末5質量%と、ムライト粉末10質量%とを混合し、有機バインダ、有機溶剤、可塑剤、分散剤を加えてスラリーを得、これをPETフィルムの支持体上にドクターブレード法によりグリーンシートを作製した。
次に、このグリーンシートにパンチング加工により貫通孔を形成し、導体ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
次に、Cu粉末をペースト化した導体ペーストをスクリーン印刷法より印刷して配線導体(配線導体となる導体ペースト層)を形成した。
次に、これらのビア導体と配線導体を形成したグリーンシートを複数枚積層し、950℃の温度で焼成することによって40乃至400℃での熱膨張係数が3.2×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を製作した。
また、フィラー粉末のムライト粉末に代えてアノーサイト粉末を用いて、40乃至400℃での熱膨張係数が4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を作製した。
また、同様にして、44質量%のSiO、29質量%のAl、11質量%のMgO、7質量%のZnO、9質量%のBを含有するガラス粉末72.5質量%と、フィラー粉末としてのコーディエライト粉末2.5質量%と、石英ガラス粉末25質量%とを混合したものを用い、950℃の温度で焼成することによって、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を作製した。
また、同様にして、28質量%のSiO、10質量%のAl、16質量%のZnO、16質量%のB、23質量%のBaO、2質量%のZrOを含有するガラス粉末90質量%と、フィラー粉末としての石英ガラス粉末10質量%とを混合したものを用い、950℃の温度で焼成することによって、40乃至400℃での熱膨張係数が8.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を作製した。
次に、メニスカスの形状が裾野状であり、メニスカスは、絶縁基体表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状である構成にするためにAg72質量%とCu28質量%とから成るAg−Cu合金ろう材(BAg−8)に活性金属としてのTiHを3質量%及び有機バインダを10質量%の割合で外添加した活性金属ろう材ペースト(ろう材ペースト1とする)と、Ag82質量%とCu18質量%とから成るAg−Cu合金ろう材に活性金属としてのTiHを3質量%及び有機バインダを10質量%の割合で外添加した活性金属ろう材ペースト(ろう材ペースト2とする)とをそれぞれ作製した。
上記の各種の絶縁基体の表面に、ろう材ペースト1,2を用いて、リードピンと絶縁基体との接合用のろう材としてそれぞれスクリーン印刷し、ろう付け後の直径が0.90mmとなる接続パッドを形成した。このとき、接続パッドの1パッドあたりの印刷ボリュームを、乾燥後の重量が0.24mgとなるようにして形成した。
次に、この接続パッドを介して、ピン部の直径が0.20mm、ヘッド部の厚みが0.20mm、ヘッド部の直径が0.45mmであるFe−Ni−Co合金製のリードピンを、加重1.5×10−6Nをかけて真空炉中で最高温度800℃を15分保持することにより接合した。
その後、作製したリードピン付配線基板のサンプルを2群に半分けし、一方の群は、メニスカスの断面形状を観察するためのサンプルとし、マイクロスコープにてメニスカスの角度を測定した。なお、角度Aと角度Bとの差が10°未満のものは、角度A,Bに差がないとみなした(表1中の角度差の欄に「無」と示す)。また、他方の群では、リードピンの接合強度(45°引っ張り強度)を、45°上方に10mm/分の速度でリードピンを引っ張る引っ張り試験をリードピン50ピンについて行なうことによって測定し、破壊強度と破壊モードを評価した。
なお、リードピンについて、45°引っ張り強度(破壊強度)が15N以上であればリードピンは折り曲げに耐えうるが、45°引っ張り強度が15N未満の場合、リードピンに外力が加わった際にリードピンが折れ曲がる前に絶縁基体が破壊される場合があるため、ソケット挿入時にリードピンが取れてしまうといった不具合が発生しやすい。また、10N未満であると完全に絶縁基体が破壊される。これより、接合強度の判断基準として、45°引っ張り強度が15N以上であり、破壊モードは、絶縁基体の破壊の起点となるろう材と絶縁基体との接合面の外周端部ではなく、ピン部での破壊の割合(ピン切れ率)が100%であれば問題ないとした(表1中に○印で示す)。また、破壊強度が10N乃至15Nであり、破壊モードのピン切れ率が50%以上であれば実用上問題ないとした(表1中に△印で示す)。また、破壊強度が15N未満で、破壊モードのピン切れ率が50%未満であれば実使用に耐え得ないとした(表1中に×印で示す)。その結果を表1に示す。
Figure 2006121034
表1より、絶縁基体を成すガラスセラミックスの40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であり、メニスカス形状が裾野状であり、メニスカスは、絶縁基体表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状である構成(メニスカスの傾斜角度に差を有する構成)である本発明の配線基板は、リードピンの45°引っ張り強度が最小値でも15N以上であり、十分な接合強度であった。また、破壊モードもピン切れ率が100%であり十分な接合状態であった。
一方、メニスカスが、絶縁基体表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状ではない試料は、リードピンの45°引っ張り強度の平均値が15N未満であり、破壊モードもピン切れ率が50%未満であった。
実施例1と同様にして、44質量%のSiO、28質量%のAl、11質量%のMgO、5質量%のZnO、5質量%のB、6質量%のCaO、1質量%のBaOを含有するガラス粉末85質量%と、フィラー粉末としてのコーディエライト粉末5質量%と、ムライト粉末10質量%とを混合し、有機バインダ、有機溶剤、可塑剤、分散剤を加えてスラリーを得、これを用いてPETフィルムの支持体上にドクターブレード法によりグリーンシートを作製した。
次に、このグリーンシートにパンチング加工により貫通孔を形成し、導体ペーストを充填することによってビア導体を形成した。
次に、Cu粉末をペースト化した導体ペーストをスクリーン印刷法より印刷して配線導体(配線導体となる導体ペースト層)を形成した。
次に、これらのビア導体と配線導体を形成したグリーンシートを複数枚積層し、950℃の温度で焼成することによって、40乃至400℃での熱膨張係数が3.2×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を製作した。
また、フィラー粉末のムライト粉末に代えてアノーサイト粉末を用いて、40乃至400℃での熱膨張係数が4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を作製した。
また、同様にして、44質量%のSiO、29質量%のAl、11質量%のMgO、7質量%のZnO、9質量%のBを含有するガラス粉末72.5質量%と、フィラー粉末としてのコーディエライト粉末2.5質量%と、石英ガラス粉末25質量%とを混合したものを用い、950℃の温度で焼成することによって、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を作製した。
次に、これら各種の絶縁基体のそれぞれの表面に、Ag72質量%とCu28質量%とから成るAg−Cu合金ろう材(BAg−8)に活性金属としてのTiHを3質量%及び有機バインダを10質量%の割合で外添加した活性金属ろう材ペーストを、リードピンと絶縁基体との接合用のろう材としてスクリーン印刷した。このとき、ろう付け後の直径が0.90mmとなる接続パッドを形成した。なお、接続パッドのメニスカスの角度を変化させるために、スクリーン印刷の製版のメッシュサイズと乳剤の厚さを変えることで、接続パッドの1パッドあたりの印刷ボリュームを乾燥後の重量で0.12mg、0.18mg、0.24mg、0.30mg、0.36mgとして種々変化させた。
次に、この接続パッドを介して、ピン部の直径が0.20mm、ヘッド部の厚みが0.20mm、ヘッド部の直径が0.45mmであるFe−Ni−Co合金製のリードピンを、真空炉中で最高温度800℃を15分保持することにより接合した。なお、ここでもメニスカスの角度を変化させるために、1ピンあたり0.5×10−6N、1.5×10−6N、2.9×10−6Nの種々の加重をかけた。
その後、作製したリードピン付き配線基板のサンプルを2群に半分けし、一方の群は、メニスカスの断面形状を観察するためのサンプルとし、マイクロスコープでメニスカスの角度を測定した。また、他方の群は、リードピンの接合強度(45°引っ張り強度)を、45°上方に10mm/分の速度でリードピンを引っ張る引っ張り試験によりリードピン50ピンを引張ることによって測定し、破壊強度と破壊モードを評価した。
なお、リードピンについて、45°引っ張り強度(破壊強度)が15N以上であればリードピンは折り曲げに耐えうるが、45°引っ張り強度が15N未満の場合、リードピンに外力が加わった際にリードピンが折れ曲がる前に絶縁基体が破壊される場合があるため、ソケット挿入時にリードピンが取れるといった不具合が発生しやすい。また、10N未満であると完全に絶縁基体が破壊される。これより、接合強度の判断基準として、45°引っ張り強度が15N以上であり、破壊モードのピン切れ率が100%であれば問題ないとした(表中に○印で示す)。また、破壊強度が10N乃至15Nであり、破壊モードのピン切れ率が50%以上であれば実用上問題ないとした(表中に△印で示す)。また、破壊強度が15N未満で破壊モードのピン切れ率が50%未満であれば実使用に耐え得ないとした(表中に×印で示す)。その結果を表2に示す。
Figure 2006121034
表2より、絶縁基体を成すガラスセラミックスの40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であり、メニスカス形状が裾野状であり、メニスカスは、絶縁基体表面に対する傾斜角度が大きい上部(角度A)と傾斜角度が小さい下部(角度B)とから成る形状であり、角度Aと角度Bとの差が16°乃至50°であり、角度Aが15°乃至70°であり、角度Bが6°乃至35°である本発明の配線基板は、リードピンの45°引っ張り強度が最小値でも15N以上であり、破壊モードもピン切れ率が100%であり、十分な接合状態であった。
一方、角度Aと角度Bとの差が16°未満の試料、角度Aと角度Bとの差が50°を超えた試料、角度Aが30°未満の試料、角度Aが70°を超えた試料、角度Bが6°未満の試料、及び角度Bが25°を超えた試料は、リードピンの45°引っ張り強度の平均値が15N未満であり、破壊モードはピン切れ率が50%以上であった(表中に△印で示す)。
一方、メニスカス形状が、絶縁基体表面に対する傾斜角度が大きい上部と傾斜角度が小さい下部とから成る形状ではない試料は、リードピンの45°引っ張り強度の平均値が15N未満であり、破壊モードもピン切れ率が50%未満であった(表中に×印で示す)。
なお、本発明は上記の実施の形態の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何ら差し支えない。例えば、上記の実施の形態では、配線基板を半導体素子収納用パッケージに適用した例を示したが、混成集積回路基板等の他の用途に適用してもよい。
実施例1と同様にして、組成の異なるセラミックグリーンシートを用い、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃、3.2×10−6/℃、4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を製作した。
次に、これら絶縁基体の表面にAg72質量%とCu28質量%とから成るAg−Cu合金ろう材(BAg−8)に、活性金属としてのTiHを1質量%、1.5質量%、3質量%およびバインダを10質量%の割合で外添加した活性金属ろう材ペーストを、リードピンと絶縁基体との接合用の接続パッドとしてスクリーン印刷し、ろう付け後の直径が0.90mmとなる接続パッドを形成した。
次に、このろう材を介して、ピン部の直径が0.20mmで、ヘッド部の厚みが0.20mm、ヘッド部の直径が0.45mmであるFe−Ni−Co合金製のリードピンを、真空炉中で最高温度800℃を15分保持することにより接合した。
その後、作製したリードピン付配線基板のサンプルを2群に半分けし、一方の群は、メニスカスの断面形状が絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と前記傾斜角度が小さい下部とから成っていることを確認すると同時に反応層の厚みを観察するためのサンプルとし、EPMAにてTi元素を調べることで反応層の厚みを測定した。また、他方の群では、リードピンの接合強度(45°引っ張り強度)を、45°上方に10mm/分の速度でリードピンを引っ張る引っ張り試験をリードピン50ピンについて行なうことによって測定し、破壊強度と破壊モードを評価した。
なお、リードピンについて、45°引っ張り強度(破壊強度)が15N以上であればリードピンは折り曲げに耐え得るが、45°引っ張り強度が15N未満の場合、リードピンに外力が加わった際にリードピンが折れ曲がる前に絶縁基体が破壊される場合があるため、ソケット挿入時にリードピンが取れるといった不具合が発生し易い。また、10N未満であると、完全に絶縁基体が破壊される。
これより、接合強度の判断基準として、45°引っ張り強度が15N以上であり、破壊モードは、絶縁基体の破壊の起点となる接続パッドと絶縁基体との接合面の外周端部ではなく、ピン部での破壊の割合(ピン切れ率)が100%であれば問題ないとした(表3中に○印で示す)。
また、引っ張り強度が10N乃至15Nであり、破壊モードのピン切れ率が50%以上であれば実用上問題ないとした(表1中に△印で示す)。
また、引っ張り強度が15N未満で、破壊モードのピン切れ率が50%未満であれば実使用に耐え得ないとした(表3中に×印で示す)。その結果を表3に示す。なお、表3中の引っ張り強度は最小強度を示す。
Figure 2006121034
表3より、絶縁基体を成すガラスセラミックスの40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であり、絶縁基体と接続パッドとの間に形成される、ガラスセラミックスの成分とTiを含む反応層の厚みが0.2μm乃至1μmである本発明のリードピン付き配線基板は、リードピンの45°引っ張り強度が最小値でも15N以上であり、破壊モードもピン切れ率が100%であり、十分な接合状態であった(表3中に○印で示す)。
一方、絶縁基体と接続パッドとの間に形成される、ガラスセラミックスの成分とTiを含む反応層の厚みが0.1μm未満または1μmを超えた試料は、リードピンの45°引っ張り強度の平均値が15N未満であり、破壊モードはピン切れ率が50%以上であった(表中に△印で示す)。
実施例1と同様にして、組成の異なるセラミックグリーンシートを用い、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃、3.2×10−6/℃、4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を製作した。
次に、これら絶縁基体の表面に、Ag72質量%とCu28質量%とから成るAg−Cu合金ろう材(BAg−8)に活性金属としてのTiHを3質量%割合で外添加した活性金属ろう材ペーストを、リードピンと絶縁基体との接合用の接続パッドとしてスクリーン印刷し、ろう付け後の直径が0.90mmとなる接続パッドを形成した。
次に、このろう材を介して、ピン部の直径が0.20mmで、ヘッド部の直径が0.3mm、0.4mm、0.5mmで、ヘッド部の厚みが0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.20mm、0.25mmであるFe−Ni−Co合金製のリードピンを、真空炉中で最高温度800℃を15分保持することにより接合した。
その後、作製したリードピン付配線基板のサンプルを2群に半分けし、一方の群は、メニスカスの断面形状が絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と前記傾斜角度が小さい下部とから成っていることを確認した。また、他方の群では、リードピンの接合強度(45°引っ張り強度)を、45°上方に10mm/分の速度でリードピンを引っ張る引っ張り試験をリードピン50ピンについて行なうことによって測定し、破壊強度と破壊モードを評価した。
なお、リードピンについて、45°引っ張り強度(破壊強度)が15N以上であればリードピンは折り曲げに耐え得るが、45°引っ張り強度が15N未満の場合、リードピンに外力が加わった際にリードピンが折れ曲がる前に絶縁基体が破壊される場合があるため、ソケット挿入時にリードピンが取れるといった不具合が発生し易い。また、10N未満であると完全に絶縁基体が破壊される。
これより、接合強度の判断基準として、45°引っ張り強度が15N以上であり、破壊モードは、絶縁基体の破壊の起点となる接続パッドと絶縁基体との接合面の外周端部ではなく、ピン部での破壊の割合(ピン切れ率)が100%であれば問題ないとした(表4中に○印で示す)。
また、引っ張り強度が10N乃至15Nであり、破壊モードのピン切れ率が50%以上であれば実用上問題ないとした(表4中に△印で示す)。
また、引っ張り強度が15N未満で、破壊モードのピン切れ率が50%未満であれば実使用に耐え得ないとした(表4中に×印で示す)。その結果を表4に示す。なお、表4中の引っ張り強度は最小強度を示す。
Figure 2006121034
表4より、絶縁基体を成すガラスセラミックスの40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であり、リードピンのヘッド部の直径が0.4mm以上で厚みが0.05mm乃至0.2mmである本発明のリードピン付き配線基板は、リードピンの45°引っ張り強度が最小値でも15N以上であり、破壊モードもピン切れ率が100%であり、十分な接合状態であった(表4中に○印で示す)。
一方、リードピンのヘッド部の直径が0.4mm未満または厚みが0.2mmを超えた試料は、リードピンの45°引っ張り強度の平均値が15N未満であり、破壊モードはピン切れ率が50%以上であった(表4中に△印で示す)。
以上より、本発明の構成のリードピン付き配線基板を用いることで、実用上問題ない接合強度を得ることができ、リードピンに斜め方向に外力が加わった際にも高い接合信頼性を有する配線基板を得ることができた。
実施例1と同様にして、組成の異なるセラミックグリーンシートを用い、40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃、3.2×10−6/℃、4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体を製作した。
次に、これら絶縁基体の表面に、Ag72質量%とCu28質量%とから成るAg−Cu合金ろう材(BAg−8)に活性金属としてのTiHを3質量%割合で外添加した活性金属ろう材ペーストを、リードピンと絶縁基体との接合用の接続パッドとしてスクリーン印刷し、ろう付け後の直径が0.90mmとなる接続パッドを形成した。
次に、このろう材を介して、ピン部の直径が0.20mmで、リードピンのヘッド部に、ヘッド部の最大径よりも小さな径を有した小径部が形成されているリードピンとして、図3に示すような形状のヘッド部の直径が0.5mmで、ヘッド部の厚みが0.3mm、ヘッド部中央0.15mmの高さの側面に全周にわたって溝を有したFe−Ni−Co合金製のリードピンと、図4(b)に示すようなヘッド部の直径が0.5mmで、ヘッド部の厚みが0.1mm、ヘッド部の小径部の高さが0.05mm、ヘッド部の小径部の直径が0.2mmのFe−Ni−Co合金製のリードピンと、図5(c)に示すような形状のヘッド部が直径0.5mmで、ヘッド部大軽部の厚みが0.1mm、ヘッド部の小径部が半球状であり高さが0.2mmのリードピンを真空炉中で最高温度800℃を15分保持することにより接合した。
その後、作製したリードピン付配線基板のサンプルを2群に半分けし、一方の群は、メニスカスの断面形状が絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と前記傾斜角度が小さい下部とから成っていることを確認した。また、他方の群では、リードピンの接合強度(45°引っ張り強度)を、45°上方に10mm/分の速度でリードピンを引っ張る引っ張り試験をリードピン50ピンについて行なうことによって測定し、破壊強度と破壊モードを評価し、全て15N以上の強度でピン部で破壊することが確認できた。
本発明の構成のリードピン付き配線基板を用いることで、十分な接合強度と十分な接合状態を得ることができ、リードピンに斜め方向に外力が加わった際にも高い接合信頼性を有する配線基板を得ることができた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことは何ら差し支えない。例えば、上記の実施の形態の例では、本発明の配線基板を半導体素子収納用パッケージに適用した例を示したが、混成集積回路基板等の他の用途に適用してもよい。
(a),(b)はそれぞれ、本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、リードピンの接合部を部分的に拡大した要部拡大断面図である。 本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示す断面図である。 本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、リードピンを部分的に拡大した要部拡大断面図である。 本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、(a)はリードピンの接合部を部分的に拡大した要部拡大断面図であり(b)はリードピンを部分的に拡大した要部拡大断面図である。 (a)〜(c)本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、リードピンを部分的に拡大した要部拡大断面図である。 (d)〜(f)本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、リードピンを部分的に拡大した要部拡大断面図である。 (g)〜(i)本発明のリードピン付き配線基板の実施の形態の例を示し、リードピンを部分的に拡大した要部拡大断面図である。
符号の説明
1・・・リードピン
1a・・・ヘッド部
1a−1・・・ヘッド部の最大径部
1a−2・・・ヘッド部の小径部
2・・・接続パッド
3・・・リードピン付き配線基板
5・・・絶縁基体
6・・・配線導体

Claims (7)

  1. 40乃至400℃での熱膨張係数が2.3×10−6/℃〜4.5×10−6/℃であるガラスセラミックスから成る絶縁基体の表面に配線導体が形成されるとともに、前記絶縁基体表面の前記配線導体に、リードピンのヘッド部が、Ti,ZrおよびHfのうちの少なくとも一種を含むAg−Cu合金ろう材から成る接続パッドを介して接続されて成るリードピン付き配線基板において、前記接続パッドは、外周端部に裾野状のメニスカスが形成されているとともに、前記メニスカスは、前記絶縁基体の表面に対する傾斜角度が大きい上部と前記傾斜角度が小さい下部とから成ることを特徴とするリードピン付き配線基板。
  2. 前記メニスカスは、上部の前記傾斜角度と下部の前記傾斜角度との差が16°乃至50°であることを特徴とする請求項1記載のリードピン付き配線基板。
  3. 前記メニスカスは、上部の前記傾斜角度が30°乃至70°であり、下部の前記傾斜角度が6°乃至25°であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリードピン付き配線基板。
  4. 前記絶縁基体と前記接続パッドとの間にTi,ZrおよびHfのうち少なくとも一種と前記ガラスセラミックスの成分とを含む厚み0.2μm乃至1μmの反応層が介在されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のリードピン付き配線基板。
  5. 前記リードピンのヘッド部の直径が0.4mm以上で、厚みが0.05mm乃至0.2mmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリードピン付き配線基板。
  6. 前記ヘッド部は、該ヘッド部の最大径よりも小さな径を有した小径部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のリードピン付き配線基板。
  7. 前記小径部は、前記ヘッド部の外周に沿って設けられた溝の底部であることを特徴とする請求項6に記載のリードピン付き配線基板。
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