JP2006120826A - 薄膜トランジスタの製造方法、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板加熱温度の制限範囲を逸脱することなく製造コストの低減を実現できる薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に形成された半導体層と電極部材とを具備した薄膜トランジスタの製造方法であって、前記基板上に前記半導体層を形成した後に行われる前記電極部材を形成する工程が、液相法を用いて金属材料からなる前記電極部材を形成する工程であり、当該工程における前記電極部材の焼成温度が250℃以下であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、薄膜トランジスタの製造方法、電気光学装置、及び電子機器に関するものである。
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置では、各画素毎にスイッチング素子が設けられ、そのスイッチング素子を介して各画素のスイッチング動作が行われるようになっている。このスイッチング素子としては、例えばTFT(薄膜トランジスタ)が用いられている。アモルファスシリコンを半導体層に用いたTFTの構造としては、種々のものが知られているが、半導体層と基板との間にゲート電極が設けられたボトムゲート構造(逆スタガ型構造)がよく用いられており、例えば特許文献1には、ボトムゲート構造のTFTを、静電破壊から保護しつつ効率的に製造する方法が開示されている。係る特許文献1に記載のTFTの製造方法では、まず、基板上にゲート電極をパターン形成した後、このゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成し、係るゲート絶縁膜上にアモルファスシリコン層とN型シリコン層とを積層形成する。その後、前記N型シリコン層を部分的に除去することでアモルファスシリコン層上に互いに離間された2つのN型シリコン層を形成し、これらのN型シリコン層に対してそれぞれ電気的に接続されたソース電極とドレイン電極とを形成するようになっている。
特許第3261699号公報
上記従来技術文献に記載の技術によれば、少ない工数で高い信頼性を具備したTFTを製造できるという利点が得られる。しかしながら、係る製造方法を用いる場合、半導体層(アモルファスシリコン層及びN型シリコン層)の成膜後に300℃に達するような加熱工程を行うことができないという制限があり、例えば電極配線や画素電極(透光性導電膜)を形成する手段を容易に変更することができず、さらなる低コスト化を図る上での障害となっている。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、基板加熱温度の制限範囲を逸脱することなく製造コストの低減を実現できる薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、基板上に形成された半導体層と電極部材とを具備した薄膜トランジスタの製造方法であって、前記基板上に前記半導体層を形成した後に行われる前記電極部材を形成する工程が、液相法を用いて金属材料からなる前記電極部材を形成する工程であり、当該工程における前記電極部材の焼成温度が250℃以下であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
この製造方法によれば、薄膜トランジスタを構成する電極部材を液相法を用いて形成するので、フォトリソグラフィ技術を用いて電極部材を形成する場合に比して材料の使用効率を高めることができ、薄膜トランジスタの製造コストを低減することができる。そして、半導体層形成後に液相法を用いて形成される電極部材の焼成温度を250℃以下としているので、半導体層において水素脱離が生じるのを効果的に防止することができ、前記水素脱離に起因するON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下を防止できることから、動作信頼性に優れた薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記基板上に前記電極部材を形成する工程が、前記電極部材の形成領域を取り囲むバンクを液相法により形成する工程を含んでおり、当該工程における前記バンクの硬化温度が250℃以下であることが好ましい。前記電極部材を液相法を用いて形成する場合、電極部材を形成するための液体材料を基板上の所定位置に留めるためのバンクを形成することが好ましいが、このバンクを硬化する際に基板を過度に熱すると半導体層での水素脱離が生じるおそれがある。そこで、本製造方法のように、バンクの硬化温度を250℃以下とすることで、半導体層での水素脱離を防止でき、動作信頼性に優れた薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記電極部材を形成する工程が、前記基板上に、液相法を用いて金属材料からなるバリア層を形成する工程と、該バリア層上に液相法を用いて金属材料からなる基体層を形成する工程とを含んでおり、前記バリア層を、Ni,Ti,W,Mnから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することが好ましい。
この製造方法によれば、前記電極部部材のうち下層に形成されたバリア層によって、基体層を構成する材料が、薄膜トランジスタの積層構造中の隣接層に対して拡散するのを防止することができ、薄膜トランジスタの性能低下や特性変化が生じるのを防止することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記電極部材を形成する工程が、前記基板上に、液相法を用いて金属材料からなる基体層を形成する工程と、該基体層上に液相法を用いて金属材料からなる被覆層を形成する工程とを含んでおり、前記被覆層を、Ni,Ti,W,Mnから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することが好ましい。
この製造方法によれば、前記電極部材のうち上層に形成された被覆層によって、基体層を構成する材料が、薄膜トランジスタの積層構造中の隣接層に対して拡散するのを防止することができる。これにより、当該薄膜トランジスタとともに電子デバイスに実装される他の半導体素子等の誤動作や特性シフトを防止することができ、動作信頼性に優れた電子デバイスを構成し得る薄膜トランジスタを製造できるようになる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記基体層を、Ag,Cu,Alから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することが好ましい。これらの材料を用いることで、250℃以下の焼成温度であっても良好な導電性を具備した電極部材を容易に形成することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記バリア層と基体層との積層構造を形成することで、当該薄膜トランジスタのソース電極及び/又はドレイン電極を形成することが好ましい。この製造方法によれば、前記ソース電極ないしドレイン電極においても基体層の構成元素が隣接層へ拡散するのを防止することができる薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記基板上にゲート電極を形成する工程と、該ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上に前記半導体層を形成する工程とを含み、前記ゲート電極を形成する工程が、前記基体層と被覆層との積層構造を形成する工程であることが好ましい。この構成によれば、ゲート電極の半導体層側に前記被覆層が配置されるので、ゲート電極を構成する基体層の構成元素が、半導体層ないし半導体層との間に設けられるゲート絶縁膜に拡散するのを防止することができる薄膜トランジスタを製造することができ、動作信頼性に優れた薄膜トランジスタを得ることができる。
本発明の薄膜トランジスタの製造方法では、前記基体層と被覆層との積層構造を形成することで、当該薄膜トランジスタのソース電極及び/又はドレイン電極を形成することが好ましい。この製造方法によれば、前記ソース電極ないしドレイン電極においても基体層の構成元素が隣接層へ拡散するのを防止することができる薄膜トランジスタを製造することができる。
本発明の電気光学装置は、先に記載の本発明の製造方法により得られた薄膜トランジスタを具備したことを特徴とする。この構成によれば、動作信頼性に優れたスイッチング素子を具備し、また安価に製造可能な電気光学装置が提供される。
本発明の電子機器は、先に記載の本発明の電気光学装置を具備したことを特徴とする。この構成によれば、優れた信頼性を具備し、かつ安価に提供可能な電子機器が得られる。
(液晶表示装置)
図1は、本発明の電気光学装置の一実施の形態である液晶表示装置100を示す等価回路図である。本実施の形態の液晶表示装置において、画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数のドットには、画素電極19と当該画素電極19を制御するためのスイッチング素子であるTFT60とがそれぞれ形成されており、画像信号が供給されるデータ線(電極配線)16が当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線16に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線16に対してグループ毎に供給される。また、走査線(電極配線)18aがTFT60のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線18aに対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印加される。また、画素電極19はTFT60のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT60を一定期間だけオンすることにより、データ線16から供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極19を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する共通電極との間で一定期間保持される。そして、この印加される電圧レベルに応じて液晶の分子集合の配向や秩序が変化するのを利用して光を変調し、任意の階調表示を可能にしている。また各ドットには、液晶に書き込まれた画像信号がリークするのを防止するために、画素電極19と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。符号18bはこの蓄積容量70の一側の電極に接続された容量線である。
次に、図2は、液晶表示装置100の全体構成図である。液晶表示装置100は、TFTアレイ基板10と、対向基板25とが、平面視略矩形枠状のシール材52を介して貼り合わされた構成を備えており、前記両基板10,25の間に挟持された液晶が、シール材52によって前記基板間に封入されたものとなっている。なお、図2では、対向基板25の外周端が、シール材52の外周端に平面視で一致するように表示している。
シール材52の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)53が矩形枠状に形成されている。シール材52の外側の周辺回路領域には、データ線駆動回路201と実装端子202とがTFTアレイ基板10の一辺に沿って配設されており、この一辺と隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路104,104が設けられている。TFTアレイ基板10の残る一辺には、前記走査線駆動回路104,104間を接続する複数の配線105が形成されている。また、対向基板25の角部には、TFTアレイ基板10と対向基板25との間で電気的導通をとるための複数の基板間導通材106が配設されている。
次に、図3は、液晶表示装置100の画素構成を示す平面構成図である。図3に示すように、液晶表示装置100の表示領域には、複数の走査線18aが図示左右方向に延在しており、これらの走査線に交差する方向に複数のデータ線16が延在している。図3において、走査線18aとデータ線16とに囲まれた平面視矩形状の領域がドット領域である。1つのドット領域に対応して3原色のうち1色のカラーフィルタが形成され、図示した3つのドット領域で3色の着色部22R,22G,22Bを有する1つの画素領域を形成している。これらの着色部22R,22G,22Bは、液晶表示装置100の表示領域内に周期的に配列されている。
図3に示す各ドット領域内には、ITO(インジウム錫酸化物)等の透光性の導電膜からなる平面視略矩形状の画素電極19が設けられており、画素電極19と、走査線18a、データ線16との間に、TFT60が介挿されている。TFT60は、半導体層33と、半導体層33の下層側(基板側)に設けられたゲート電極80aと、半導体層33の上層側に設けられたソース電極34と、ドレイン電極35とを備えて構成されている。半導体層33とゲート電極80aとが対向する領域には、TFT30のチャネル領域が形成されており、その両側の半導体層には、ソース領域、及びドレイン領域が形成されている。
ゲート電極80aは、走査線18aの一部をデータ線16の延在方向に分岐して形成されており、その先端部において、半導体層33と図示略の絶縁膜(ゲート絶縁膜)を介して紙面垂直方向に対向している。ソース電極34は、データ線16の一部を走査線18aの延在方向に分岐して形成されており、半導体層33(ソース領域)と電気的に接続されている。ドレイン電極35の一端(図示左端)側は、前記半導体層33(ドレイン領域)と電気的に接続されており、ドレイン電極35の他端(図示右端)側は画素電極19と電気的に接続されている。
上記構成のもとTFT60は、走査線18aを介して入力されるゲート信号により所定期間だけオン状態とされることで、データ線16を介して供給される画像信号を、所定のタイミングで液晶に対して書き込むスイッチング素子として機能するようになっている。
図4は、図3のB−B’線に沿うTFTアレイ基板10の断面構成図である。同図に示す断面構造をみると、TFTアレイ基板10は、ガラス基板Pの内面側(図示上面側)に形成されたTFT60と、画素電極19とを主体として構成されている。ガラス基板P上に、一部が開口されたバンク30が形成され、このバンク30の開口部にゲート電極80aが埋設されている。ゲート電極80aは、ガラス基板P上に、Ag,Cu,Al等の金属材料からなる第1電極層(基体層)81と、Ni,Ti,W,Mn等の金属材料からなる第2電極層(被覆層)82とを積層してなる構成を備えている。
バンク30上のゲート電極80aを含む領域に、酸化シリコンや窒化シリコン等からなるゲート絶縁膜83が形成されており、このゲート絶縁膜83上であってゲート電極80aと平面的に重なる位置に半導体層33が形成されている。半導体層33は、アモルファスシリコン層84と、このアモルファスシリコン層84上に積層されたNシリコン層85とからなる。Nシリコン層85は、アモルファスシリコン層84上で平面的に離間された2つの部位に分割されており、一方(図示左側)のNシリコン層85は、ゲート絶縁膜83上と当該Nシリコン層85上とに跨って形成されたソース電極34と電気的に接続され、他方のNシリコン層85は、ゲート絶縁膜83上と当該Nシリコン層85とに跨って形成されたドレイン電極35と電気的に接続されている。
ソース電極34は、バリア金属膜(バリア層)61aと、ソース電極膜(基体層)66と、被覆金属膜(被覆層)68aとを積層してなる3層構造の導電部材であり、ドレイン電極35は、バリア金属膜(バリア層)61aと、ドレイン電極膜(基体層)67と、被覆金属膜(被覆層)68aとを積層してなる3層構造の導電部材である。バリア金属膜61aは、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Mn(マンガン)等から選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成され、ソース電極膜66及びドレイン電極膜67は、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等から選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成され、被覆金属膜68aは、上記バリア金属膜61aと同様、Ni,Ti,W,Mn等から選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成されている。
なお、図3に示したように、データ線16とソース電極34、及び走査線18aとゲート電極80aとは、それぞれ一体に形成されているので、データ線16はソース電極34と同様の3層構造を備えた導電部材となっており、走査線18aはゲート電極80aと同様の2層構造を備えた導電部材となっている。
ドレイン電極35の一部表面と、ソース電極34とを覆うように、バンク31cが形成されている。このバンク31cは、実際には、図3に示した各画素電極19に対応する開口部を具備した平面視略格子状を成してガラス基板P上に形成されており、液晶表示装置の製造時に、液相法を用いて画素電極19をパターン形成するための仕切部材として用いられるものである。画素電極19は、図4に示すように、絶縁膜31cから図示右側へ突出しているドレイン電極35の上面及び側面と当接するように形成され、ドレイン電極35と電気的に接続されている。
なお、実際には、画素電極19及び絶縁膜31cの表面には、液晶の初期配向状態を制御するための配向膜が形成されており、ガラス基板Pの外面側には、液晶層に入射する光の偏光状態を制御するための位相差板や偏光板が設けられている。さらに、TFTアレイ基板10の外側(パネル背面側)には、透過型ないし半透過反射型の液晶表示装置の場合の照明手段として用いられるバックライトが設けられている。
対向基板25については、詳細な図示は省略するが、ガラス基板Pと同様の基板の内面(TFTアレイ基板との対向面)側に、図3に示した着色部22R、22G、22Bを配列形成してなるカラーフィルタ層と、平面ベタ状の透光性導電膜からなる対向電極とを積層した構成を備えている。また、前記対向電極上にTFTアレイ基板と同様の配向膜が形成されており、基板外面側には、必要に応じて位相差板や偏光板が配設されたものとなっている。
また、TFTアレイ基板10と対向基板25との間に封止された液晶層は、主として液晶分子で構成されている。この液晶層を構成する液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶分子を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。
以上の構成を備えた本実施形態の液晶表示装置100は、バックライトから入射した光を、電圧印加により配向状態を制御された液晶層で変調することで、任意の階調表示を行えるようになっている。また各ドットに着色部22R、22G、22Bが設けられているので、各画素毎に3原色(R,G,B)の色光を混色して任意のカラー表示を行えるようになっている。
本実施形態の液晶表示装置では、TFT60のゲート電極80a、ソース電極34、ドレイン電極35、及び画素電極19が液相法を用いてパターン形成されたものとなっている。
そして、ソース電極34が、基体層であるソース電極膜66上に被覆層である被覆金属膜68aを積層した構造を備える一方、ドレイン電極35が基体層であるドレイン電極膜67上に被覆層である被覆金属膜68aを積層した構造を備えていることで、前記被覆金属膜68aによって、上記電極膜66,67を構成するAg,Cu,Al等の金属材料が絶縁膜31cへ拡散するのを効果的に防止できるようになっている。なお、この被覆金属膜68aは、拡散が問題にならない場合には省略することができる。
また、ソース電極34及びドレイン電極35は、バリア金属膜61a上に、基体層であるソース電極膜66及びドレイン電極膜67をそれぞれ積層した構造を具備している。これにより、基体層である電極膜66,67を構成するAgやCu、Al等がNシリコン層85やアモルファスシリコン層84に拡散するのを、上記バリア金属膜61aによって良好に防止することができ、前記拡散によってTFT60の動作不良や性能低下が生じるのを防止することができる。
また、液晶表示装置100では、ドットを構成するTFT60や画素電極19に液相法を用いて形成された導電部材が使用されているので、高価な真空装置を用いたプロセスを減らし、また材料の使用効率を高めることができ、液晶表示装置の低コスト化を図ることができる。
また、ゲート電極80aが、第1電極層81と第2電極層82とを積層した2層構造となっているので、被覆層である第2電極層82によって、基体層である第1電極層81を構成するAgやCu,Alがゲート絶縁膜83へ拡散するのを効果的に防止することができる。これにより、前記拡散によってTFT60に動作不良や移動度の低下等が生じるのを防止することができる。
また本実施形態の液晶表示装置では、実装端子202…が、ソース電極34(データ線16)又はゲート電極80a(走査線18a)と同様の構成を具備して同層に形成されていてもよい。すなわち、実装端子202が、ソース電極34ないしゲート電極80aの形成工程にてこれらと同時に形成されたものであってもよい。このような構成とするならば、実装端子202が、その表面にNi,Ti,W等からなる被覆層を有するものとなり、当該実装端子202に対して外部回路のハンダ接合を行う場合に、良好な接合性を得ることができる。これは、実装端子202の表面に基体層を構成するAg,Cu,Al等が露出している場合と、前記Ni等からなる被覆層が形成されている場合とでは、後者の構成の方が、良好な濡れ性をもってハンダを付着させることができるからである。
なお、本実施形態ではゲート電極80aを、第1電極層81と第2電極層82とからなる2層構造としているが、第1電極層81とガラス基板Pとの間に、両者の密着性を向上させるための密着層を設けてもよい。この密着層は、例えばMnにより形成することができ、Mn微粒子を分散させた液体材料を用いた液相法によって形成することができる。
(薄膜トランジスタの製造方法)
次に、本発明の薄膜トランジスタの製造方法を含むTFTアレイ基板の製造方法について、その実施形態を図5から図11を参照しつつ説明する。なお、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
[液滴吐出装置]
まず、本製造方法の複数の工程で用いられる液滴吐出装置について説明する。本製造方法では、液滴吐出装置に備えられた液滴吐出ヘッドのノズルから導電性微粒子を含むインク(液体材料)を液滴状に吐出し、薄膜トランジスタを構成する各導電部材や電極を形成するものとしている。本実施形態で用いる液滴吐出装置としては、図5に示した構成のものを採用することができる。
図5(a)は、本実施形態で用いる液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と、X軸方向駆動軸304と、Y軸方向ガイド軸305と、制御装置CONTと、ステージ307と、クリーニング機構308と、基台309と、ヒータ315とを備えている。
ステージ307は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド301は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド301の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルからは、ステージ307に支持されている基板Pに対して、上述した導電性微粒子を含むインクが吐出される。
X軸方向駆動軸304には、X軸方向駆動モータ302が接続されている。X軸方向駆動モータ302はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸304を回転させる。X軸方向駆動軸304が回転すると、液滴吐出ヘッド301はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸305は、基台309に対して動かないように固定されている。ステージ307は、Y軸方向駆動モータ303を備えている。Y軸方向駆動モータ303はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ307をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド301に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ302に液滴吐出ヘッド301のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ303にステージ307のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構308は、液滴吐出ヘッド301をクリーニングするものである。クリーニング機構308には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸305に沿って移動する。クリーニング機構308の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ315は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ315の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド301と基板Pを支持するステージ307とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。したがって、液滴吐出ヘッド301の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。なお、図5(a)では、液滴吐出ヘッド301は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド301の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させるようにしてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド301の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節できるようにしてもよい。
図5(b)は、ピエゾ方式による液体材料の吐出原理を説明するための液滴吐出ヘッドの概略構成図である。
図5(b)において、液体材料(インク;機能液)を収容する液体室321に隣接してピエゾ素子322が設置されている。液体室321には、液体材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系323を介して液体材料が供給される。ピエゾ素子322は駆動回路324に接続されており、この駆動回路324を介してピエゾ素子322に電圧を印加し、ピエゾ素子322を変形させて液体室321を弾性変形させる。そして、この弾性変形時の内容積の変化によってノズル325から液体材料が吐出されるようになっている。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み量を制御することができる。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子322の歪み速度を制御することができる。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
[インク(液体材料)]
ここで、本実施形態に係る製造方法で用いられる、液滴吐出ヘッド301からの吐出に好適なインク(液体材料)について説明する。
本実施形態で用いる導電部材形成用のインクは、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液、若しくはその前駆体からなるものである。導電性微粒子として、例えば金、銀、銅、パラジウム、ニオブ及びニッケル等を含有する金属微粒子の他、これらの前駆体、合金、酸化物、並びに導電性ポリマーやインジウム錫酸化物等の微粒子などが用いられる。これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の粒径は1nm〜0.1μm程度であることが好ましい。0.1μmより大きいと、後述する液体吐出ヘッド301のノズルに目詰まりが生じるおそれがあるだけでなく、得られる膜の緻密性が悪化する可能性がある。また、1nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となる。
分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また液滴吐出法(インクジェット法)への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい分散媒としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
上記導電性微粒子の分散液の表面張力は0.02N/m〜0.07N/mの範囲内であることが好ましい。インクジェット法にて液体を吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、インク組成物のノズル面に対する濡れ性が増大するため飛行曲りが生じやすくなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量や、吐出タイミングの制御が困難になる。表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。上記表面張力調節剤は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでもよい。
上記分散液の粘度は1mPa・s〜50mPa・sであることが好ましい。インクジェット法を用いて液体材料を液滴として吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合にはノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるだけでなく、液滴の吐出量が減少する。
[TFTアレイ基板の製造方法]
以下、図6から図10を参照してTFTアレイ基板の各製造工程について説明する。図6から図10は、本実施形態の製造方法における一連の工程を示す断面工程図である。
本実施形態の製造方法は、ガラス基板上にバンクを形成し、このバンクに囲まれた領域に液滴吐出装置を用いた液滴吐出法により電極パターン及び配線パターンを形成することで薄膜トランジスタを作製し、TFTアレイ基板を製造する方法である。
<ゲート電極形成工程>
まず、図6の各図に示すように、基体となるガラス基板P上を用意し、その一面側にバンク30を形成した後、バンク30に設けた開口部30aに対し所定のインクを滴下することで、開口部30a内にゲート電極80aを形成する。このゲート電極形成工程は、バンク形成工程と、撥液化処理工程と、第1電極層形成工程と、第2電極層形成工程と、焼成工程と、を含むものとなっている。
{バンク形成工程}
まず、ゲート電極80a(及び走査線18a)をガラス基板上に所定パターンで形成するために、図6(a)に示すように、ガラス基板P上に所定パターンの開口部30aを有するバンク30を形成する。バンク30は、基板面を平面的に区画する仕切部材であり、このバンクの形成にはフォトリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法を用いることができる。例えば、フォトリソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、ガラス基板P上に形成するバンクの高さに合わせてアクリル樹脂等の有機系感光性材料を塗布して感光性材料層を形成する。そして、形成したいバンク形状に合わせて感光性材料層に対して紫外線を照射することで、ゲート電極用の開口部30aを備えたバンク30を形成する。また、バンク30は、ポリシラザンを含む液体材料等を用いて形成した無機物の構造体であってもよい。
{撥液化処理工程}
次に、バンク30に対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)を採用することができる。CFプラズマ処理の条件は、例えばプラズマパワーが50kW〜1000kW、4フッ化メタンガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板搬送速度が0.5mm/sec〜1020mm/sec、基板温度が70℃〜90℃である。なお、処理ガスとしては、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることもできる。
このような撥液化処理を行うことにより、バンク30には、これを構成する樹脂中にフッ素基が導入され、高い撥液性が付与される。
また、上記撥液化処理に先立って、開口部30aの底面に露出されたガラス基板Pの表面を清浄化する目的で、Oプラズマを用いたアッシング処理やUV(紫外線)照射処理を行っておくことが好ましい。この処理を行うことで、ガラス基板P表面のバンクの残渣を除去することができ、撥液化処理後のバンク30の接触角と当該基板表面の接触角との差を大きくすることができ、後段の工程で開口部30a内に配される液滴を正確に開口部30aの内側に閉じ込めることができる。また、バンク30がアクリル樹脂やポリイミド樹脂からなるものである場合、CFプラズマ処理に先立ってバンク30をOプラズマに曝しておくと、よりフッ素化(撥液化)されやすくなるという性質があるので、バンク30をこれらの樹脂材料で形成している場合には、CFプラズマ処理に先立ってOアッシング処理を施すことが好ましい。
上記Oアッシング処理は、具体的には、基板Pに対しプラズマ放電電極からプラズマ状態の酸素を照射することで行う。処理条件としては、例えばプラズマパワーが50W〜1000W、酸素ガス流量が50ml/min〜100ml/min、プラズマ放電電極に対する基板Pの板搬送速度が0.510mm/sec〜10mm/sec、基板温度が70℃〜90℃である。
なお、バンク30に対する撥液化処理(CFプラズマ処理)により、先に行われた残渣処理により親液化された基板P表面に対し多少は影響があるものの、特に基板Pがガラス等からなる場合には、撥液化処理によるフッ素基の導入が起こりにくいため、基板Pの親液性、すなわち濡れ性が実質上損なわれることはない。また、バンク30については、撥液性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成することにより、その撥液処理を省略するようにしてもよい。
{第1電極層形成工程}
次に、図6(b)に示すように、開口部30aに対して、液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド301から第1電極層形成用インク81aを滴下する。ここでは、導電性微粒子としてAg(銀)を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエールを用いたインク81aを吐出配置する。このとき、バンク30の表面には撥液性が付与されており、開口部30aの底面部の基板表面には親液性が付与されているので、吐出された液滴の一部がバンク30に載っても、バンク表面で弾かれて開口部30a内に滑り込むようになっている。
次いで、電極形成用インクからなる液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理を行う。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃で60分間程度の加熱を行う。この加熱は窒素ガス雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザ、アルゴンレーザ、炭酸ガスレーザ、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W〜5000Wの範囲のものが用いられるが、本実施形態では100W〜1000Wの範囲で十分である。この中間乾燥工程を行うことにより、図6(c)に示すように、固体の第1電極層81が形成される。
{第2電極層形成工程}
次に、図6(c)に示すように、液滴吐出装置による液滴吐出法を用いて、第2電極層形成用インク82aを、バンク30の開口部30aに配置する。ここでは、導電性微粒子としてNi(ニッケル)を用い、溶媒(分散媒)として水およびジエタノールアミンを用いたインク(液体材料)を吐出配置する。このとき、バンク30の表面には撥液性が付与されており、開口部30aの底面部の基板表面には親液性が付与されているので、吐出された液滴の一部がバンク30に載っても、バンク表面で弾かれて開口部30a内に滑り込むようになっている。ただし、開口部30aの内部に先に形成されている第1電極層81の表面は、本工程で滴下するインク82aに対して高い親和性を有しているとは限らないため、インク82aの滴下に先立って、第1電極層81上にインク82aの濡れ性を改善するための中間層を形成してもよい。この中間層は、インク82aを構成する分散媒の種類に応じて適宜選択されるが、本実施形態のようにインク82aが水系の分散媒を用いている場合には、例えば酸化チタンからなる中間層を形成しておけば、中間層表面で極めて良好な濡れ性が得られる。
液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。処理条件は、例えば加熱温度180℃、加熱時間60分間程度である。この加熱についても、窒素ガス雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、先の第1電極層形成工程後の中間乾燥工程で挙げたものを用いることができる。また加熱時の出力も同様に100W〜1000Wの範囲とすることができる。この中間乾燥工程を行うことにより、図6(d)に示すように、第1電極層81上に固体の第2電極層82が形成される。
{焼成工程}
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触を向上させるために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、液中での分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤が導電性微粒子の表面にコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
この熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定されるが、係る構成でも、前記第1電極層及び第2電極層が先に挙げた材料を用いて形成されているので、250℃以下の焼成温度とすることができる。ただし本工程では、基板P上に半導体層は設けられていないので、バンク30の耐熱温度の範囲内で焼成温度を高めることができ、例えば250℃以上、あるいは300℃程度の焼成温度とすることでさらに良好な導電性を具備した金属配線を形成することができる。
以上の工程により、吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換され、バンク30の開口部30aに第1電極層81と第2電極層82とを積層してなるゲート電極80aが形成される。また、図3に示したように、ゲート電極80aと一体の走査線18aも上記工程によってガラス基板P上に形成される。
また焼成工程後の第1電極層81の膜厚は500nm〜1500nm程度、第2電極層82の膜厚は、20nm〜400nm程度とすることが好ましい。第2電極層82の膜厚が20nm未満では、第1電極層81からゲート絶縁膜83への金属元素の拡散を十分に防止することができず、400nmを超える膜厚では、ゲート電極80a(及び走査線18a)の抵抗が上昇するため好ましくない。
なお、上記各工程では、Agからなる第1電極層81と、Niからなる第2導電層82とを形成し、これら第1電極層81と第2電極層82の積層体によりゲート電極80aを形成しているが、これら第1電極層81は、Ag以外の金属、例えばCuやAl、あるいはこれらの金属を主成分とする合金であっても構わない。また、第2金属層82は、Ni以外のTiやW、Mn、あるいはこれらの金属を主成分とする合金であっても構わない。
<ゲート絶縁膜形成工程>
次に、ゲート電極80a上に窒化珪素からなるゲート絶縁膜83を形成する。このゲート絶縁膜83は、例えばプラズマCVD法により全面成膜した後、フォトリソグラフィ法により適宜パターニングすることで形成することができる。CVD工程において用いる原料ガスとしては、モノシランと一酸化二窒素との混合ガスや、TEOS(テトラエトキシシラン、Si(OC)と酸素、ジシランとアンモニア等が好適で、形成するゲート絶縁膜83の膜厚は150nm〜400nm程度である。
<半導体層形成工程>
次に、図7(a)に示す半導体層33をゲート絶縁膜83上に形成する。この半導体層33は、ゲート絶縁膜83を形成した基板Pの全面に、150nm〜250nm程度の膜厚のアモルファスシリコン膜と、膜厚50nm〜100nm程度のNシリコン膜とをプラズマCVD法等により積層形成し、フォトリソグラフィ法により所定形状にパターニングすることで得られる。アモルファスシリコン膜の形成工程で用いる原料ガスとしては、ジシランやモノシランが好適である。続くNシリコン膜の形成工程では、上記アモルファスシリコン膜の形成で用いた成膜装置に、Nシリコン層形成用の原料ガスを導入して成膜を行うことができる。
その後、上記アモルファスシリコン膜およびNシリコン膜を、フォトリソグラフィ法により図7(a)に示す形状にパターニングすることで、ゲート絶縁膜83上に所定平面形状のアモルファスシリコン層84とNシリコン層85とが積層された半導体層33が得られる。パターニングに際しては、Nシリコン膜の表面に、図示の半導体層33の側断面形状と同様の略凹形のレジストを選択配置し、係るレジストをマスクにしてエッチングを行う。このようなパターニング法によりゲート電極80aと平面的に重なる領域にてNシリコン層85が選択的に除去されて2つの領域に分割され、これらのNシリコン層85,85が、それぞれソースコンタクト領域及びドレインコンタクト領域を形成する。
<電極形成工程>
次に、半導体層33が形成されたガラス基板P上に、図4に示したソース電極34及びドレイン電極35を形成する。この電極形成工程は、バンク形成工程と、撥液化工程と、バリア金属膜形成工程と、電極膜形成工程と、被覆金属膜形成工程と、焼成工程と、を含むものである。
{バンク形成工程}
アモルファスシリコン層84、Nシリコン層85を形成したならば、ソース電極及びドレイン電極を形成するためのバンクをガラス基板P上に形成する。バンクの形成はフォトリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、フォトリソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、形成するバンクの高さに合わせてアクリル樹脂等を主体とする有機系感光性材料を塗布して感光性材料層を形成し、その後バンク形状に合わせて感光性材料層に対して紫外線を照射する。
ここでは、2種類のバンク、つまり第1バンク部31bと第2バンク部31aとを形成するものとしているが、まず第1バンク部31bは、図7(b)に示すように、アモルファスシリコン層84及びNシリコン層上であって、アモルファスシリコン層84の略中央部に位置するように紫外線照射による感光を行う。すなわち、この第1バンク部31bは、後段の工程で形成するソース電極とドレイン電極とを平面的に区画する仕切部材として形成される。一方、第2バンク部31aは、図7(c)に示すように、アモルファスシリコン層84の外側の領域に、アモルファスシリコン層84を取り囲むように形成する。
また、バンク部31a、31bは、ポリシラザンを含む液体材料等を用いて形成した無機物の構造体であってもよい。無機材料のバンクを形成する場合、樹脂材料等の有機材料を用いてバンクを形成するのに比べ、硬化時の加熱温度が高くなる場合が多いが、上記ポリシラザンを含む液体材料では硬化温度は250℃以下でよい。このように硬化温度が250℃以下であるので、基板P上に既設の半導体層33において水素脱離を生じることがなく、この水素脱離に起因する薄膜トランジスタのON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下を防止することができるようになっている。
なお、各バンク部31a、31b間におけるバンク形成時のレジスト(有機物)残渣を除去するために、残渣処理を施すことが好ましい。この残渣処理としては、紫外線を照射することにより残渣処理を行うUV照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOアッシング処理等を選択できるが、ここではOアッシング処理を実施する。アッシング処理の条件は、先のバンク30のパターニング時に用いた条件と同等の条件でよい。
{撥液化処理工程}
続いて、各バンク部31a、31bに対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、例えば大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理法(CFプラズマ処理法)を採用することができる。CFプラズマ処理の条件は、バンク部31a、31bが先のバンク30と同様の材質であれば、バンク30に対するプラズマ処理の条件と同等でよい。このような撥液化処理を行うことにより、各バンク部31a、31bには、これを構成する樹脂中にフッ素基が導入され、高い撥液性が付与される。
なお、各バンク部31a、31bに対する撥液化処理により、先に行われた残渣処理により親液化されたゲート絶縁膜83の表面に多少は影響があるものの、ゲート絶縁膜83には撥液化処理によるフッ素基の導入が起こりにくいため、その親液性(濡れ性)を損なうことはない。また、各バンク部31a、31bを、撥液性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成している場合には撥液処理を省略することができる。
{バリア金属膜形成工程}
次に、図7(c)に示すように、液滴吐出装置による液滴吐出法を用いて、図4に示したバリア金属膜61aを形成するためのインク(液体材料)61を第1バンク部31bと第2バンク部31aとに囲まれた領域に塗布する。ここでは、導電性微粒子としてNiを用い、溶媒(分散媒)として水およびジエタノールアミンを用いたインクを吐出する。
このバリア金属膜形成工程では、液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド301からバリア金属膜形成用のインク61を液滴にして吐出し、第1バンク部31bと第2バンク部31aとによって囲まれた領域に配置する。このとき、各バンク部31a、31bには撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク部上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク部表面で弾かれ、滴下されたインク(液滴)61は、図7(c)に示すように第1バンク部31bと第2バンク部31aとに囲まれた領域に流れ落ちる。
次いで、バリア金属膜形成用インクの液滴を吐出配置した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、先の第1電極層形成工程後の中間乾燥工程で挙げたものを用いることができる。また加熱時の出力も同様に100W〜1000Wの範囲とすることができる。この中間乾燥工程を行うことにより、図8(a)に示すように、所望のバリア金属膜61a、61aが、ゲート絶縁膜83とNシリコン層85とに跨って形成される。バリア金属膜61a、61aは、それぞれソース電極、ドレイン電極の一部を成すものである。
{電極膜形成工程}
次に、図8(b)に示すように、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、電極膜形成用のインク65を上記バリア金属膜61a上に塗布する。ここでは、導電性微粒子として銀を用い、溶媒(分散媒)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを用いたインクを吐出する。
この電極膜工程では、液滴吐出ヘッドから電極膜形成用のインク65を液滴にして吐出し、その液滴を基板P上の第1バンク部31b、第2バンク部31aに囲まれた領域に配置する。このとき、バンク部31a、31bには撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク部31a、31b上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク部31a、31bの表面で弾かれ、滴下された液状体は前記領域に流れ落ちる。
なお、この電極膜形成工程に先立って、先に形成されているバリア金属膜61aの表面に、前記インク65の濡れ性を改善するための中間層を形成してもよい。この中間層としては、例えばMn等を用いることができ、その成膜に際しては、電極膜66,67と同様の液滴吐出法を用いることができる。
液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、先の第1電極層形成工程後の中間乾燥工程で挙げたものを用いることができる。また加熱時の出力も同様に100W〜1000Wの範囲とすることができる。この中間乾燥工程を行うことにより、図8(c)に示すように、バリア金属膜61a、61a上に、それぞれソース電極膜66とドレイン電極膜67とが形成される。
{被覆金属膜形成工程}
次に、図9(a)に示すように、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、図4に示した被覆金属膜68aを形成するためのインク(液体材料)68を第1バンク部31bと第2バンク部31aとに囲まれた領域(ソース電極膜66及びドレイン電極膜67の上面)に塗布する。ここでは、導電性微粒子としてNiを用い、溶媒(分散媒)として水およびジエタノールアミンを用いたインクを吐出する。
この被覆金属膜形成工程では、液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド301から被覆金属膜形成のインク68を液滴にして吐出し、第1バンク部31bと第2バンク部31aとによって囲まれた領域に配置する。このとき、各バンク部31a、31bには撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク部上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク部表面で弾かれ、滴下されたインク(液滴)68は、前記領域に流れ落ちる。
なお、この被覆金属膜形成工程に先立って、先に形成されている電極膜66,67の表面に、前記インク68の濡れ性を改善するための中間層を形成してもよい。この中間層としては、例えば酸化チタンを含む薄膜を用いることができ、その成膜に際しては、被覆金属膜68aと同様の液滴吐出法を用いることができる。
次いで、電極形成用インクからなる液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、先の第1電極層形成工程後の中間乾燥工程で挙げたものを用いることができる。また加熱時の出力も同様に100W〜1000Wの範囲とすることができる。この中間乾燥工程を行うことにより、図9(b)に示すように、ソース電極膜66及びドレイン電極膜67上に、被覆金属膜68a,68aが形成される。これらの被覆金属膜68a、68aは、それぞれソース電極、ドレイン電極の一部を成すものである。
{焼成工程}
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤がコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。
本実施形態では、ソース電極34及びドレイン電極35の積層構造を構成する金属材料が、上述した金属材料とされていることで、この焼成工程における熱処理を250℃以下で行うことができるようになっている。すなわち、250℃以下の加熱であっても良好な導電性を具備した電極部材を形成することができるようになっている。これにより、半導体層33における水素脱離に起因して薄膜トランジスタにON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下が生じるのを良好に防止することができ、形成される薄膜トランジスタの動作信頼性を維持できるようになっている。
以上の工程により、吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換される。そして、ガラス基板P上に、3層構造のソース電極34及びドレイン電極35が形成される。あmた、図4に示したようにソース電極34と一体のデータ線16も上記工程により基板P上に形成される。
また焼成工程後のバリア金属膜61a及び被覆金属膜68aの膜厚は、それぞれ20nm〜400nm程度とすることが好ましく、電極膜66,67の膜厚は、500nm〜1500nm程度とすることが好ましい。バリア金属膜61aの膜厚が20nm未満では、電極膜66,67から半導体層33への金属元素の拡散を十分に防止することができず、400nmを超える膜厚では、ソース電極34(及びデータ線16)、ドレイン電極35の抵抗が上昇するため好ましくない。また、被覆金属膜68aの膜厚が20nm未満では、電極膜66,67からバンク31c(図4参照)及び液晶層への金属元素の拡散を十分に防止することができず、400nmを超える膜厚では、ソース電極34(及びデータ線16)、ドレイン電極35の抵抗が上昇するため好ましくない。
なお、上記各工程では、基体層としてAgからなる電極膜66,67を形成し、バリア層としてNiからなるバリア金属膜61aを形成し、被覆層としてNiからなる被覆金属膜68aを形成しているが、これらの金属膜を構成する材料は、Ag及びNiに限定されず、電極膜66,67は、例えばCuやAl、あるいはこれらの金属を主成分とする合金であっても構わない。また、バリア金属膜61a及び被覆金属膜68aは、TiやW、Mn、あるいはこれらの金属を主成分とする合金であっても構わない。
<バンク除去工程>
次に、ガラス基板P上に設けられているバンクのうち、第1バンク部31bと第2バンク部31aとを選択除去する。この除去工程では、プラズマアッシングやオゾンアッシング等のアッシング処理により前記バンク部31a、31bを除去する。プラズマアッシングは、プラズマ化した酸素ガス等のガスとバンクとを反応させ、バンクを気化させて除去する方法である。また、オゾンアッシングは、オゾン(O)を分解して活性酸素とし、活性酸素とバンクとを反応させることでバンクを気化させて除去する方法である。このバンク除去工程により、図9(c)に示すように、ガラス基板P上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)60を得ることができる。
<画素電極形成工程>
次に、TFT60が形成されたガラス基板P上に、図4に示した画素電極19を形成する。この画素電極形成工程は、バンク形成工程と、撥液化処理工程と、液体材料配置工程と、焼成工程と、を含むものである。
{バンク形成工程}
次に、図10(a)に示すように、基板P上の所定位置に画素電極19を形成するためのバンクを形成する。このバンク31cは、図10に示すようにTFT60を部分的に覆って形成され、平面的には図4に示した各画素電極19を取り囲む略格子状に形成される。バンクの形成はフォトリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で行うことができる。例えば、フォトリソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法で、形成するバンクの高さに合わせてアクリル樹脂等を主体とする有機系感光性材料を塗布して感光性材料層を形成し、その後バンク形状に合わせて感光性材料層に対して紫外線を照射する。
ここでは、TFT60の構成部材のうち、ドレイン電極35が、バンク31cに囲まれる領域内に突出するようにバンク31cをパターン形成する。またこのバンク31cのパターニングにおいて、基板P上に既設のドレイン電極35の表面部分には被覆金属膜68aが形成されているので、エッチング液が電極膜66,67に進入してこれらを侵食するのを防止することができる。
また、バンク31cは、ポリシラザンを含む液体材料等を用いて形成した無機物の構造体であってもよい。無機材料のバンクを形成する場合、樹脂材料等の有機材料を用いてバンクを形成するのに比べ、硬化時の加熱温度が高くなる場合が多いが、上記材料を用いることでバンク31cの硬化温度を250℃以下とすることができる。これにより、半導体層33での水素脱離を効果的に防止することができ、もって形成される薄膜トランジスタのON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下を防止することができる。
なお、バンク31cに囲まれる領域におけるバンク形成時のレジスト(有機物)残渣を除去するために、残渣処理を施すことが好ましい。この残渣処理としては、紫外線を照射することにより残渣処理を行うUV照射処理や大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするOアッシング処理等を選択できるが、ここではOアッシング処理を実施する。アッシング処理の条件は、先のバンク30のパターニング時に用いた条件と同等の条件でよい。
{撥液化処理工程}
続いて、バンク31cに対し撥液化処理を行い、その表面に撥液性を付与する。撥液化処理としては、先に述べた撥液化処理と同様の処理方法を用いることができる。
なお、バンク31cに対する撥液化処理により、先に行われた残渣処理により親液化されたゲート絶縁膜83の表面に多少は影響があるものの、ゲート絶縁膜83には撥液化処理によるフッ素基の導入が起こりにくいため、その親液性(濡れ性)を損なうことはない。また、バンク31cを、撥液性を有する材料(例えばフッ素基を有する樹脂材料)によって形成している場合には撥液処理を省略することができる。
{液体材料配置形成工程}
次に、図10(b)に示すように、液滴吐出装置IJによる液滴吐出法を用いて、画素電極を形成するためのインク(液体材料)をバンク31cに囲まれた領域に塗布する。ここでは、ITO、IZO、FTO等の透光性導電材料の微粒子を溶媒(分散媒)に分散させたインクを吐出するが、本実施形態では特に、焼成温度250℃以下でも良好な透光性と導電性を得られる透光性導電膜形成用の液体材料が用いられる。このような液体材料としては、ITO微粒子とシリコン有機化合物とを含む液体材料や、ITO微粒子とインジウム有機化合物と錫有機化合物とを含む液体材料を例示することができる。これらの液体材料を用いることで、ITO微粒子同士が前記金属有機化合物から生成したSiOやITOのマトリクスで強固に接着された構造の透光性導電膜を形成することができ、焼成温度が低温であってもITO微粒子が緻密に配置され、微粒子間で良好な導電性が得られる透光性導電膜を形成することができる。
この画素電極形成工程では、液滴吐出装置IJの液滴吐出ヘッド301から画素電極形成材料を含むインク69を液滴にして吐出し、バンク31cによって囲まれた領域に配置する。このとき、バンク31cには撥液性が付与されているため、吐出された液滴の一部がバンク部上に載っても、バンク表面が撥液性となっていることによりバンク表面で弾かれ、滴下されたインク(液滴)69は、図10(b)に示すようにバンク31cに囲まれた領域31dに流れ落ちる。
次いで、電極形成用インクからなる液滴を吐出した後、分散媒の除去のため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、例えば基板Pを加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる加熱処理によって行うことができる。本実施形態では、例えば180℃加熱を60分間程度行う。この加熱はN雰囲気下など、必ずしも大気中で行う必要はない。
また、この乾燥処理は、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、先の第1電極層形成工程後の中間乾燥工程で挙げたものを用いることができる。また加熱時の出力も同様に100W〜1000Wの範囲とすることができる。この中間乾燥工程を行うことにより、図10(c)に示すように、所望の画素電極19が形成される。
{焼成工程}
吐出工程後の乾燥膜は、微粒子間の電気的接触をよくするために、分散媒を完全に除去する必要がある。また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるために有機物などのコーティング剤がコーティングされている場合には、このコーティング剤も除去する必要がある。そのため、吐出工程後の基板には熱処理及び/又は光処理が施される。
熱処理及び/又は光処理は通常大気中で行われるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。熱処理及び/又は光処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング剤の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。
本実施形態では、画素電極19を形成するための液体材料が、上述した構成の液体材料とされていることで、この焼成工程における熱処理を250℃以下で行うことができるようになっている。これにより、半導体層33における水素脱離に起因して薄膜トランジスタにON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下が生じるのを良好に防止することができ、形成される薄膜トランジスタの動作信頼性を維持できるようになっている。
以上の工程により、吐出工程後の乾燥膜は微粒子間の電気的接触が確保され、導電性膜に変換される結果、基板P上に画素電極19が形成され、図4に示した薄膜トランジスタを具備したTFTアレイ基板を製造することができる。
そして、本実施形態の製造方法によれば、半導体層33がガラス基板P上に形成された後の加熱処理における加熱温度が250℃以下とされているので、半導体層33における水素脱離を効果的に防止することができる。これにより、ON抵抗の上昇やキャリア移動度の低下を防止することができ、動作信頼性に優れたTFT60、及び高信頼性のTFTアレイ基板を得ることができる。
上記実施形態では、ソース電極34及びドレイン電極35を形成するに際して、バリア金属膜61a、電極膜66,67、被覆金属膜68の焼成を同時に行うようにした場合について説明したが、各々の金属膜の焼成を順次行うようにすることもできる。つまり、バリア金属膜61aを焼成した後、電極膜66,67を形成するためのインクを吐出配置して電極膜を形成し、電極膜66,67の焼成を行った後に被覆金属膜61を形成するためのインクを吐出配置する方法も採用することができる。この場合、基板P上に既設の金属膜の溶媒(分散媒)に対する安定性が向上することとなる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、液滴(液体材料)を配置するために液滴吐出装置を用いた液滴吐出法を採用しているが、その他の方法として、例えば図11に示すようなCapコート法を採用することもできる。Capコート法は毛細管現象を利用した成膜法で、塗布液70にスリット71を差し込み、その状態で塗布液面を上昇させるとスリット71の上端に液盛72が生成される。この液盛72に対して基板Pを接触させ、所定方向に基板Pを平行移動させることにより、塗布液70を基板P面に塗布することができる。
さらに、各実施形態で示した薄膜トランジスタの製造方法は、薄膜トランジスタを具備した各種電気光学装置の製造方法に適用することができる。例えば、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマ表示装置等の薄膜トランジスタを形成する際に採用するのが好適である。
(電子機器)
図12は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。この図に示す携帯電話1300は、本発明の液晶表示装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。
上記各実施の形態の電気光学装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、映像モニタ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができる。このような電子機器は、安価でありながら信頼性に優れたものとなる。
実施形態に係る液晶表示装置の等価回路図。 同、全体構成を示す平面図。 同、1画素領域を示す平面構成図。 同、TFTアレイ基板の部分断面構成図。 (a)は液滴吐出装置の一例を示す図、(b)は吐出ヘッドの概略図。 薄膜トランジスタの製造方法を説明するための断面工程図。 薄膜トランジスタの製造方法を説明するための断面工程図。 薄膜トランジスタの製造方法を説明するための断面工程図。 薄膜トランジスタの製造方法を説明するための断面工程図。 薄膜トランジスタの製造方法を説明するための断面工程図。 Capコート法を説明するための概略断面図。 電子機器の一例を示す斜視構成図。
符号の説明
P…ガラス基板(基板)、80a…ゲート電極(導電部材)、81…第1電極層(基体層)、82…第2電極層(被覆層)、83…ゲート絶縁膜、84…半導体層、85…Nシリコン層、30,31c…バンク、31b…第1バンク部、31a…第2バンク部、34…ソース電極(導電部材)、35…ドレイン電極(導電部材)、60…TFT(薄膜トランジスタ)、61a…バリア金属膜(バリア層)、66…ソース電極膜(基体層)、67…ドレイン電極膜(基体層)、68a…被覆金属膜(被覆層)

Claims (7)

  1. 基板上に形成された半導体層と電極部材とを具備した薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記基板上に半導体層を形成した後に行われる前記電極部材を形成する工程が、液相法を用いて金属材料からなる前記電極部材を形成する工程であり、当該工程における前記電極部材の焼成温度が250℃以下であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記基板上に前記電極部材を形成する工程が、前記電極部材の形成領域を取り囲むバンクを液相法により形成する工程を含んでおり、当該工程における前記バンクの硬化温度が250℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記電極部材を形成する工程が、前記基板上に、液相法を用いて金属材料からなるバリア層を形成する工程と、該バリア層上に液相法を用いて金属材料からなる基体層を形成する工程とを含んでおり、
    前記バリア層を、Ni,Ti,W,Mnから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記電極部材を形成する工程が、前記基板上に、液相法を用いて金属材料からなる基体層を形成する工程と、該基体層上に液相法を用いて金属材料からなる被覆層を形成する工程とを含んでおり、
    前記被覆層を、Ni,Ti,W,Mnから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記基体層を、Ag,Cu,Alから選ばれる1種又は2種以上の金属材料を用いて形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた薄膜トランジスタを具備したことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6に記載の電気光学装置を具備したことを特徴とする電子機器。
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