図1は、本発明の実施の一形態の乗車システム1の構成を概略的に示す概念図である。本実施の形態の乗車システム1は、携帯端末装置2を、公共の交通機関の定期券として利用したり、物品およびサービスの購入に利用したりするものであり、利用者が所有する貨幣を、この貨幣と等価な数値を表す数値情報に換金して、携帯端末装置2に記憶させ、この記憶された数値情報に基づいて、交通機関を利用したり、物品を購入したりすることができる。乗車システム1は、対価支払システムを含んで構成される。
乗車システム1は、携帯端末装置2と、交通機関システム3と、通信システムである携帯電話システム4と、ゲートウェイ5とを含む。交通機関システム3は、本実施の形態では電車に適用して示す。
図2は、携帯端末装置2の構成を示すブロック図である。携帯端末装置2は、電話機能を有する。携帯端末装置2は、第1通信部11、第2通信部12、音声信号処理部13、音声入力部14、音声出力部15、表示部16、キー操作部17、報知部18、メモリ部19、メモリカードインタフェース(I/F)部21、電源部22、電子マネー記憶部23、電子マネー計算部24、認証部25、タイマ計算部26、および携帯端末制御部27を含んで構成される。
第1通信部11は、送信手段および受信手段であって、第1アンテナ31、第1送受信部32および第1編復調部33を含んで構成される。第1通信部11は、無線通信によって交通機関システム3と通信する。第1編復調部33は、携帯端末制御部27からの指令に基づいて、与えられる情報によって搬送波を変調した送信信号を第1送受信部32に与え、また第1送受信部32から与えられる変調された搬送波である受信信号を復調して、情報を取り出す。
第1送受信部32は、予め定める無線通信の通信プロトコルに基づいて、第1編復調部33から送信信号を第1アンテナ31に与え、第1アンテナ31から与えられる受信信号を第1編復調部33に与える。
第1アンテナ31は、第1送受信部32から送信信号を電波として送出し、交通機関システム3から到来する電波を受信信号として第1送受信部32に与える。
第1通信部11は、たとえばISM(Industry Science Medical band)バンドとして使用が許可されている無線システムであってもよく、ブルートゥース(登録商標)、IEEE(Institute of Electronic and Electronics Engineers)802.11として知られている無線LAN(Local Area Network)またはフェリカ(Felica)などの通信規格に基づいて通信する無線システムであってもよい。このような無線システムは、システム自体が複雑ではないが、十分に秘匿が保たれる。第1通信部11は、電波の送受信エリアが半径数メートルで十分であり、音声情報ではなく、文字データのみの送受信を行うことができればよい。第1通信部11は、通信に係るコストが電話通信によって通信を行う第2通信部12よりも安価な通信システムによって実現される。
第2通信部12は、第2送信手段および第2受信手段であって、第2アンテナ34、第2送受信部35および第2変復調部36を含んで構成される。第2通信部12は、無線通信によって携帯電話システム4と通信する。
第2変復調部36は、携帯端末制御部27からの指令に基づいて、与えられる情報によって搬送波を変調した送信信号を第2送受信部35に与え、また第2送受信部35から与えられる変調された搬送波である受信信号を復調して、情報を取り出す。第2通信部12は、音声情報および画像情報の送受信が可能である。第1通信部11と第2通信部12とは、異なる通信方式によって通信する。
第2送受信部35は、携帯電話の通信プロトコルに基づいて、第2変復調部36から与えられる送信信号を第2アンテナ34に与え、第2アンテナ34から与えられる受信信号を第2変復調部36に与える。
音声信号処理部13は、第2変復調部36から与えられる情報が音声情報である場合に、この音声情報を音声出力部15から出力することができるように変換して、すなわちデジタル信号で表される音声情報を、アナログ信号に変換して、音声出力部15に与える。また音声信号処理部13は、音声入力部14から与えられるアナログ信号を、デジタル信号に変換して、音声情報として第2変復調部36に与える。
音声出力部15は、音声信号処理部13から与えられるアナログ信号に基づいて、音を出力する。音声出力部15は、スピーカによって実現される。音声入力部14は、音を、アナログ信号に変換して、音声信号処理部13に与える。音声入力部14は、マイクロホンによって実現される。
表示部16は、携帯端末制御部27に指令に基づいて、情報を表示する。表示部16は、たとえば液晶表示パネルによって実現される。
キー操作部17は、複数の操作キーを含む。利用者が、各操作キーを操作することによって、携帯端末制御部27に、各操作キーに対応した指令を与えることができる。操作キーは、たとえばテンキーを含む。またキー操作部17を操作することによって、携帯端末装置2に情報を入力することができる。
報知部18は、携帯端末制御部27からの指令に基づいて、予め定める報知情報を報知する。報知部18は、たとえば報知情報を可視情報および可聴情報の少なくともいずれか一方として出力する。本実施の形態では、報知情報は、液晶表示装置およびスピーカによって報知される。
メモリ部19は、携帯端末制御部27からの指令に基づいて情報を記憶する。前記情報は、携帯端末装置2の自己の電話番号情報、電話するときに用いられる電話番号情報を表す電話帳データ、およびキー操作部17によって入力された情報を含む。メモリ部19は、固定メモリであり、携帯端末装置2に固定して設けられる。メモリ部19は、たとえばフラッシュロムなどによって実現される。
メモリカードインタフェース(I/F)部21は、メモリカード37を着脱自在に接続することができる。携帯端末制御部27からの指令に基づいて、メモリカードインタフェース部21は、着脱自在に装着されるメモリカード37に情報を記憶し、またメモリカード37から情報を読み出す。メモリカード37は、カード状の記憶媒体であり、たとえばフラッシュロムを含んで実現される。メモリカード37は、着脱メモリである。
電源部22は、2次電池によって実現され、第1通信部11、第2通信部12、音声信号処理部13、音声入力部14、音声出力部15、表示部16、キー操作部17、報知部18、メモリ部19、メモリカードインタフェース(I/F)部、電子マネー記憶部23、電子マネー計算部24、認証部25、タイマ計算部26、および携帯端末制御部27に電力を供給する。
電子マネー記憶部23は、記憶手段であって、貨幣として用いられ、数値を表す数値情報を記憶する。以後、この数値情報を電子マネー情報と記載する場合がある。電子マネー記憶部23は、たとえばフラッシュロムによって実現される。前記電子マネー情報を表す「数値」を、以後「度数」と記載する。電子マネー情報を表す度数の貨幣としての価値は、予め乗車システム1において、定めるルールによって決定される。前記予め定めるルールによって交通機関システム3と、携帯電話システム4とが異なる運営機関によって運営されたとしても、共同で運営することができる。たとえば、10円を1度数としてカウントし、5000円を電子マネーに換金して、携帯端末装置1に充填すると、電子マネー記憶部23には、500度数を表す電子マネー情報が記憶される。電子マネー記憶部23は、携帯端末装置2の外部からのアクセスが制限されており、後述する交通機関システム3の第1制御局46または携帯電話システム4の第2制御局113による承認なしには、書き換えることができない。
電子マネー計算部24は、数値減算手段および数値加算手段であり、携帯端末制御部27からの指令に基づき、電子マネー記憶23に記憶される電子マネー情報が表す数値を減少させたり、増加させたりする。電子マネー記憶部23は、500度数を表す電子マネー情報が記憶される場合、たとえば新たに2000円を電子マネーに換金して携帯端末装置1に充填した場合、電子マネー計算部24によって、200度数が加算され、合計で700度数を表す電子マネー情報が、電子マネー記憶部23に記憶される。たとえば、反対に1000円の物品またはサービスを購入した場合は、100度数が電子マネー計算部24で減算され、500−100=400度数を表す電子マネー情報が、電子マネー記憶部23に記憶される。
認証部25は、フラッシュメモリなどの記憶媒体を含んで構成され、認証情報を記憶する。認証情報は、携帯端末装置2によって対価を支払うときに用いられる情報であり、利用者によって予め設定され、乗車システム1において用いられる携帯電話装置2を、交通機関システム3および携帯電話システム4において個別に識別するための暗証番号情報を含む。以後認証情報を、認証番号情報と記載する場合がある。
タイマ計算部26は、たとえばカウンタを含み、携帯端末制御部27からの指令に基づいて、日時をカウントする。またタイマ計算部26は、後述する携帯端末装置2を定期券として利用する場合の利用期限を表す利用期限情報を記憶する期限情報記憶部を有する。
携帯端末制御部27は、携帯端末装置2の各部、すなわち第1通信部11、第2通信部12、音声信号処理部13、表示部16、キー操作部17、報知部18、メモリ部19、メモリカードインタフェース(I/F)部、電子マネー記憶部23、電子マネー計算部24、認証部25およびタイマ計算部26を制御する。
携帯端末制御部27は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)および制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)とを含んで実現される。中央演算処理装置は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することによって、装置の各部を制御する。
携帯端末制御部27は、たとえばキー操作部17からの指令に基づいて、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報を表示部16に表示させることができる。これによって、利用者は、表示部16を目視することによって、電子マネー情報が表す残度数を確認することができ、携帯端末装置1を用いて、支払うことができる対価を知ることができる。また携帯端末制御部27は、たとえばキー操作部17からの指令に基づいて、電子マネー記憶部に記憶される電子マネー情報を音声出力部15から音声として出力させることができる。これによって、目視では利用情報を確認することができないで場合あっても、電子マネー情報が表す残度数を確認することができる。
前記第2通信部12、音声信号処理部13、音声入力部14、音声出力部15、キー操作部17および携帯端末制御部27によって電話機能が実現される。つまりキー操作部17によって入力される電話番号情報に基づいて、第2通信部12に発呼させ、回線が確立した後、または発呼に応じて、キー操作部17によって回線を確立した後、音声入力部14および音声出力部15によって、電話通信を行うことができる。
交通機関システム3は、自動改札機41、自動券売機42、自動精算機43、構内売店端末44、申し込み窓口端末45、第1制御局46、ローカルサーバ47、中央制御局48、および第1サーバ49とを含む。
図3は、自動改札機41の構成を示すブロック図である。自動改札機41は、アンテナを含む改札機無線通信部51と、改札機制御部52と、ゲート部53と、改札機有線通信部54とを含む。改札機無線通信部51は、改札機制御部52に指令に基づいて、携帯端末装置2の第1通信部11と無線で通信することができる。すなわち改札機無線通信部51と、第1通信部11とは同様な構成である。改札機制御部52は、自動改札機41の各部、すなわち改札機無線通信部51と、ゲート部53と、改札機有線通信部54とを制御する。改札機制御部52は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。ゲート部53は、開閉可能なバーを有するゲートであって、改札機制御部52からの指令に基づいて、バーの開閉を行う。改札機有線通信部54は、改札機制御部52からの指令に基づいて、第1制御局46と通信する。改札機有線通信部54と、第1制御局46とは、LANによって接続される。本発明の他の実施の形態では、自動改札機41と、第1制御局46とは、無線LANなどによって接続されてもよい。
図4は、構内売店端末44の構成を示すブロック図である。構内売店端末44は、アンテナを含む売店端末無線通信部81と、売店端末制御部82と、売店端末操作部83と、売店情報生成部84と、売店端末有線通信部85とを含む。売店端末無線通信部81は、売店端末制御部82に指令に基づいて、携帯端末装置2の第1通信部11と無線で通信することができる。すなわち売店端末無線通信部81と、第1通信部11とは同様な構成である。売店端末制御部82は、自動構内売店端末44の各部、すなわち売店端末無線通信部81と、売店端末操作部83と、売店端末有線通信部85とを制御する。売店端末制御部82は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。売店端末操作部83は、携帯端末装置1の利用者が売店で購入した物品の情報を入力するための入力キーを含む。
売店端末有線通信部85は、売店端末制御部82からの指令に基づいて、第1制御局46と通信する。売店端末有線通信部85と、第1制御局46とは、LANによって接続される。本発明の他の実施の形態では、自動構内売店端末44と、第1制御局46とは、無線LANなどによって接続されてもよい。
売店端末操作部83によって、利用者が売店で購入しようとする物品の情報が入力されると、売店端末制御部83は、この利用者が売店で購入しようとする物品の対価に関する情報を売店情報生成部84に生成させて、売店端末有線通信部85から第1制御局46に与える。以後、携帯端末装置2の利用者が購入する物品の対価に関数する情報を、以後店舗物品情報と記載する場合がある。
申し込み窓口端末45は、たとえば駅構内の申し込み窓口に設けられ、専用のパーソナルコンピュータ(PC)によって構成される。申し込み窓口端末45によって、携帯端末装置2を定期券として利用するための登録情報を、第1制御局に入力することができる。
図5は、第1制御局46の構成を示すブロック図である。第1制御局46は、第1制御局通信部91、第1制御局制御部92、第1制御局登録内容確認部93、条件選択部94、利用度数生成部95およびローカルサーバ接続部96を含んで構成される。第1制御局通信部91は、自動改札機41の改札機有線通信部54、自動券売機42の券売機有線通信部66、自動精算機43の精算機有線通信部74、構内売店端末44の売店端末有線通信部85、申し込み窓口端末45、および中央制御局48と接続される。第1制御局通信部91は、第1制御局制御部92からの指令に基づいて、改札機有線通信部54、券売機有線通信部66、精算機有線通信部74、売店端末有線通信部85、申し込み窓口端末45、および中央制御局48とそれぞれ通信することができる。
第1制御局制御部92は、第1制御局46の各部、第1制御局通信部91、第1制御局登録内容確認部93、条件選択部94、利用度数生成部95およびローカルサーバ接続部96を制御する。第1制御局制御部92は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。
条件選択部94は、第1制御局制御部92の指令に基づいて、複数の支払い条件のうち、1つの支払い条件を選択する。本実施の形態では、携帯電話装置2を定期券として使用する場合には、第1の支払い条件が選択され、携帯電話装置2によって、構内売店端末44を利用して対価を支払う場合には、第2の支払い条件を選択する。
利用度数生成部95は、対価情報生成手段であり、条件選択手段94が選択した支払い条件に基づいて、対価情報であり、対価として支払われるべき度数を表す利用度数情報を生成する。利用度数情報の生成動作については、後述する。
第1制御局46のローカルサーバ接続部96には、ローカルサーバ47が接続される。ローカルサーバ47には、利用者の登録情報が記憶されている。登録情報は、申し込み窓口端末45によって入力されることによって登録されるか、または携帯端末装置2のキー操作部17を用いて登録される。登録情報は、携帯端末装置2を定期券として利用するための定期券情報である。
表1は、ローカルサーバ47に記憶される登録情報を示す。
登録情報は、利用者の携帯端末装置2の電話番号を表す携帯電話番号情報と、承認情報を表す認証番号情報と、使用者のクレジットカード番号を表すクレジットカード番号情報と、利用者の電子メールアドレスを表す電子メール情報と、路線を表す利用機関情報、定期券として利用する利用駅を表す利用区間情報、利用期間を表す利用期間情報と、携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に記憶される電子マネーの残度数を表す残度数情報と、後述する携帯電話システム4を介して、携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に充填された電子マネー情報が表す度数の総計を表す充填度数情報と、携帯端末装置1に充填可能な度数を表す利用限度情報とを含む。各携帯電話番号情報に対応して、認証番号情報、クレジットカード番号情報、電子メール情報、利用機関情報、利用区間情報、利用期間情報、残度数情報、填度数情報および利用限度情報が記憶される。
第1制御局登録内容確認部93の動作処理については、後述する。
図6は、中央制御局48の構成を示すブロック図である。中央制御局48は、中央制御局通信部101、中央制御局制御部102、第1サーバ接続部103および第1入力部104を含んで構成される。中央制御局通信部101は、中央制御局制御部102からの指令に基づいて、第1制御局通信部91と通信する。また中央制御局通信部101は、ゲートウェイ5と接続され、後述する第2制御局113と通信することができる。
中央制御局制御部102は、中央制御局48の各部、すなわち中央制御局通信部101、および第1サーバ接続部103を制御する。中央制御局制御部102は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。
中央制御局48の第1サーバ接続部103には、第1サーバ49が接続される。第1サーバ49には、前述したローカルサーバ47と同様な、利用者の登録情報が記憶されている。第1サーバ49および前述したローカルサーバ47は、第2記憶手段である。交通機関システム3は、駅ごとに第1制御局46を有し、複数の第1制御局46が、中央制御局48と接続される。第1サーバ49は、各第1制御局46のローカルサーバ47に記憶される登録情報を全て記憶する。第1制御局46と中央制御局48とは、定期的に通信することによって、登録情報の変更があった場合に、一方のサーバで変更された登録情報を、他方のサーバにも記憶する。交通機関システム3と、携帯電話システム4において、登録情報を共有することによって、携帯端末装置2の盗難に対して、即座に対応することができ、携帯端末装置2の不正使用を防止することができる。
第1入力部104は、登録情報を入力するためのキーボードを含む。第1入力部104のキーボードを操作することによって、中央制御局制御部102は、第1サーバ接続部103を制御して、第1入力部104から入力される前記登録情報を第1サーバ49に登録することができる。
携帯電話システム4は、基地局アンテナ111、無線基地局112の通信設備、第2制御局113および第2サーバ114を含む。基地局アンテナ111と無線基地局112の通信設備とは、相互に接続され、またそれぞれ複数設けられる。無線基地局112の通信設備は、基地局アンテナ111を介して、携帯電話の通信プロトコルにしたがって、携帯端末装置2の第2通信部12と通信することができる。無線基地局112の通信設備は、第2制御局113と通信可能に接続される。
図7は、第2制御局113の構成を示すブロック図である。第2制御局113は、第2制御局通信部121、第2制御局制御部122、第2入力部123、メール作成部124、第2制御局登録内容確認部125、および第2サーバ接続部126を含んで構成される。第2制御局通信部121は、無線基地局112の通信設備、およびゲートウェイと通信可能に接続される。第2制御局通信部121は、第2制御局制御部122からの指令に基づいて、無線基地局112の通信設備およびゲートウェイ5を介して中央制御局48と通信することができる。第2制御局登録内容確認部125の動作処理については後述する。
第2制御局制御部122は、第2制御局113の各部、第2制御局通信部121、第2入力部123、メール作成部124、第2制御局登録内容確認部125および第2サーバ接続部126を制御する。第2制御局制御部122は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。
第2制御局113の第2サーバ接続部126には、第2サーバ114が接続される。第2サーバ114は、増加数値記憶手段である。第2サーバ114には、第1サーバ49と同様に利用者の登録情報が記憶されている。第2制御局113と中央制御局48とは、情報共有手段であるゲートウェイ5によって通信可能に接続され、互いに記憶されている情報が共有されている。第2制御局113と、中央制御局48とは、定期的に通信することによって、登録情報の変更があった場合に、一方のサーバで変更された登録情報を、他方のサーバにも記憶することができる。
第2入力部123は、登録情報を入力するためのキーボードを含む。第2入力部123のキーボードを操作することによって、第2制御局制御部122は、第2サーバ接続部126を制御して、第2入力部123から入力される前記登録情報を第2サーバ114に登録することができる。
メール作成部124は、第2制御局制御部122の指令に基づいて、電子メールを作成する。メール作成部124によって作成された電子メールは、第2制御局制御部122の指令に基づいて、第2制御局通信部121から送信される。
ゲートウェイ5は、公衆回線網131およびインターネット網132に接続される。公衆回線網131を介して、無線端末装置2は、たとえば固定電話装置と通信することができ、またインターネット網132を介して、無線端末装置2は、インターネット網132に接続されるサーバと通信することができる。中央制御局48は、公衆回線網131およびインターネット網132の少なくともいずれかを介して、金融機関であるクレジットカード会社のカード決済システムと接続されており、第1サーバ49に登録される登録情報に含まれる充填度数情報が表す度数に基づいて、クレジットカード会社と乗車システム1の運営機関との間で決済が行われる。利用者には、クレジットカード会社から、たとえば月に一度、携帯端末装置2に充填した充填度数情報が表す度数に対応する代金の支払い請求がなされる。前述した登録情報に含まれる利用限度額情報は、クレジットカード会社から、携帯電話装置2の利用者に貸与可能な金額に基づいて設定される。本発明の他の実施の形態において、乗車システム3または携帯電話システム4に前記カード決済システムと同様なシステムを設けてもよい。
まず携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に電子マネーを充填する方法について説明する。以下、電子マネー記憶部23に電子マネーを充填するとは、言い換えれば、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数を、増加させる方法である。まず第1の方法としては、携帯端末装置2が携帯電話システム4と通信することによって、電子マネーを充填する。次に第2の方法としては、携帯電話システム4を運営するキャリアの直営ショップ、あるいは交通機関システム3の申し込み窓口に設置される申し込み窓口端末45から充填する方法がある。
第1の方法によって、電子マネーを充填する場合、まずクレジットカードの申し込みを、たとえば携帯電話システム4を運営する運営機関の直営ショップ、および交通機関システム3を運営する鉄道会社の窓口で事前に行い、利用するクレジットカードを指定し、クレジットカードの運営会社の審査が完了すると、中央制御局48に設けられる第1入力部104または第2制御局113に設けられる第2入力部123によって、第1または第2サーバ49,114に、携帯端末装置2の電話番号情報、認証番号情報、クレジットカード番号情報および携帯端末装置2が取得可能な電子メールアドレスを表す電子メール情報が登録される。以後、電話番号情報を、携帯電話番号情報と記載する場合がある。
図8は、携帯端末装置2を用いて、携帯端末装置2を定期券として利用するための操作を説明する図である。まず携帯端末装置2のキー操作部17を操作して、表示部16に第1画面141を表示させる。第1画面141は、メインメニュー画面であり、画面には複数のメニューボタン142が含まれる。メニューボタン142には、「定期券」メニューボタンが含まれる。操作キーは選択キーおよび決定キーを含み、この選択キーによって、たとえば画面に重ねて表示されるカーソルを移動させることによって、「定期券」ボタンを選択して、決定キーを操作することによって、表示部16には第2画面143が表示される。以後、操作キーのうち選択キーによって、カーソルを移動させて、画面に表されるメニューボタンにカーソルを合わせることを単に選択すると記載し、操作キーのうち決定キーを操作することを単に決定すると記載する。
第2画面143は、定期券の利用に関する選択画面である。第2画面143には、定期券を新規に申し込むための「1.新規申し込み」メニューボタン、定期券の更新するための「2.更新」メニューボタン、定期券の内容を変更するための「3.変更」メニューボタン、定期券の利用を停止するための「4.キャンセル」メニューボタンが含まれる。たとえば、「1.新規申し込み」メニューボタンを選択して、決定すると、第3画面144が表示される。
第3画面144は、利用機関に関する選択画面である。第3画面144には、複数の交通機関の名称を表すメニューボタンが含まれる。たとえば「1.J*西日本」メニューボタンを選択して、決定すると、第4画面145が表示される。携帯端末制御部27は、選択されたメニューボタンが表す交通機関に関する交通機関情報を、メモリ部19に記憶する。
第4画面145は、利用区間を指定する画面である。第4画面145には、利用区間の駅名を入力する入力欄146が設けられる。利用者は、入力欄146を選択して、キー操作部17によって駅名を入力し、決定すると、第5画面147が表示される。ここでは、たとえば入力欄146に広島駅と、西条駅との駅名が入力されたとする。携帯端末制御部27は、入力された利用区間を表す利用区間情報を、メモリ部19に記憶する。
第5画面147は、利用期間を指定する画面であり、画面には、定期券の利用期間を表すメニューボタンが含まれる。ここでは、たとえば「1.1ヶ月」メニューボタン、「2.2ヶ月」メニューボタン、「3.3ヶ月」メニューボタン、および「4.6ヶ月」メニューボタンが表示される。ここでは、たとえば「1.1ヶ月」メニューボタンを選択して決定すると、第6画面148が表示される。携帯端末制御部27は、選択されたメニューボタンが表す利用期間を表す利用期間情報を、メモリ部19に記憶する。
第6画面148は、利用開始日を指定する画面であり、申し込んだその日から定期券としての利用するための「1.今日から」メニューボタンと、利用開始日を指定するための「2.指定日入力」メニューボタンとが表示される。「2.指定日入力」メニューボタンを選択して決定すると、入力欄148aに利用開始日を入力することができるようになる。利用者は、キー操作部17を操作することによって、入力欄148aに利用開始日を入力することができる。ここでは、キー操作部17によって4月20日と入力して、決定すると、第7画面149が表示される。携帯端末制御部27は、選択されたメニューボタン、または入力された利用開始日に関する利用開始日情報を、メモリ部19に記憶する。
第7画面149は、利用区間、利用開始日、利用期間および利用金額を確認するための画面である。第7画面149には、第4〜第6画面145,147,148で選択または入力した情報が表示される。携帯端末装置2は、携帯電話システム4と通信し、利用区間および利用期間に関する情報を携帯電話システム4の第2制御局113に与える。第2サーバ114には、利用区間および利用期間に対応して、定期券の代金を表す代金情報が記憶されている。第2制御局113は、与えられた利用区間および利用期間に関する情報に基づいて、第2サーバ114に記憶される代金情報を検索して、代金情報を無線局112の通信設備および基地局アンテナ111を介して携帯端末装置2に与える。ここでは、定期券の代金は3500円であったとする。
携帯端末装置2は、第7画面149において、携帯電話システム4から与えられた金額情報を表示するとともに、登録しているクレジットカードから3500円に等価な度数を表す電子マネー情報を携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に充填してもよいか否かの確認情報を表示する。電子マネー記憶部23に電子マネー情報を充填するとは、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数に、第2制御局113から与えられる電子マネー情報が表す度数を加算することである。
第7画面149が表示されているときに、決定ボタンを操作すると、第8画面150が表示される。第7画面149おいて決定ボタンを操作すると、登録内容が利用者によって承認されたものとみなし、携帯端末装置2は、メモリ部19に記憶される交通機関情報、利用区間情報、利用機関情報、および利用期間情報を、第2通信部12から第2制御局113に送信するとともに、第2制御局113から定期券の代金と等価な度数を表す電子マネー情報を受信する。携帯端末装置1の電子マネー計算部24は、前記受信した電子マネー情報が表す度数を、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数に加算して記憶する。
交通機関情報、利用区間情報、利用機関情報、利用開始日情報および利用期間情報を第2制御局通信部121が受信すると、第2制御局113の第2制御局制御部112は、第2サーバ114に登録される電話番号情報および認証情報に対応させて、交通機関情報、利用区間情報、利用期間情報、残度数情報および充填度数を記憶する。残度数情報は、携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数を表す。第2サーバ112に記憶される利用期間情報は、利用開始日と、利用終了日を表す。
第8画面150では、申請が完了したことを表す情報が表示されるとともに、「期限切れ1週間前に更新確認メールをお送りします。」という内容の文章が表示される。第2制御局113のメール作成部124は、第2サーバ114に記憶される登録情報の利用期間情報を検出して、利用期間の終端日の1週間前になると、定期券として利用を継続するために利用期間を更新するか否かを確認するための電子メールを作成し、対応する電子メール情報が表す電子メールアドレスに、作成した電子メールを送信する。
利用者は、携帯端末装置2のキー操作部17によって、定期券の利用期間情報を表示させる指令を与えると、携帯端末制御部27は、メモリ部19に記憶される利用開始日情報および利用期間情報とから、利用開始日と、利用終了日とを含む新たな利用期間情報を生成して、表示部16に表示させる。これによって、利用者は、携帯端末装置2を定期券として利用することができる期間を把握することができ、利便性が向上する。
第2の方法によって、電子マネーを充填する場合、交通機関システム3を運営する鉄道会社の窓口において、前記図8の各画面において選択または入力した情報と同様の情報を、利用する携帯電話の電話番号情報および認証情報とともに申請用紙に書き込み、窓口の係員に提出する。窓口の係員が、申し込み窓口端末45から前記申請用紙に記載された情報を入力することによって、第1制御局46が、中央制御局48に申請を行い、第1サーバ49の申請者のクレジットカード番号情報が登録されているか否かを検索する。第1サーバ49に、申請者のクレジットカード番号情報が登録されている場合には、中央制御局48がゲートウェイ5を介して、第2制御局46と通信して、申請者が3500円すなわち350度数の定期券の購入申請をした場合、その携帯端末装置2に、350度数の電子マネーを充填するよう依頼する。第1制御局46は、前記登録情報をローカルサーバ47に、第2制御局は、前記登録情報を第2サーバにそれぞれ登録する。
第2制御局113は、登録情報を第2サーバ114に登録すると同時に、無線基地局112の通信設備および基地局アンテナ111を介して、350度数を表す電子マネー情報を充填する命令コマンドを、申請者の携帯端末装置2に送信するとともに、電子メール生成部124によって生成された定期券の受付完了を通知する電子メールを送信する。申請者の携帯端末装置2において、定期券の受付完了を通知する電子メールを受信すると、申請者はその電子メールで申請内容を確認し、この後携帯端末装置2の定期券としての利用が可能となる。
交通機関システム3の自動改札機41、自動券売機42、自動精算機43、構内売店端末44、申込み窓口端末45、および第1制御局46は、交通機関システムを運営する鉄道会社の各駅に設置されており、中央制御局48によって一括して管理される。
定期券利用可能となった携帯端末装置2によって自動改札機41を通過するときの処理について説明する。
図9は、携帯端末装置2と自動改札機41と第1制御局46との通信プロセスを示すシーケンス図である。携帯端末装置2の所持者が、改札の外側から改札の内側に入る場合、携帯端末装置2と自動改札機41と第1制御局46との間で、次のような通信が行われる。携帯端末装置2の所持者が、自動改札機41に近づくと、自動改札機41は、改札機無線通信部51によって、携帯端末装置2に携帯電話番号情報および認証番号情報とを要求する要求信号を出力する。携帯端末装置2は、第2通信部12によって前記要求信号を受信すると、携帯電話番号情報および認証番号情報とを送信する。自動改札機41は、携帯電話番号情報および認証番号情報を受信すると、第1制御局46に携帯電話番号情報および認証番号情報の確認要求信号を出力する。第1制御局46では、ローカルサーバ47に記憶される登録情報に基づいて、利用区間、定期券の利用期間、および残度数を確認する。
第1制御局46は、自動改札機41から与えられた携帯電話番号情報および認証番号情報が、ローカルサーバ47に記憶されている場合には、定期券の利用者であると判断して、利用度数を通知する。定期券の登録範囲、すなわち利用区間情報および利用期間の範囲内であり、残度数が予め定める残度数以上であれば、利用度数を通知する。条件選択部94は、携帯端末装置1による対価の支払いが、定期券として利用であると判断すると、定期券による対価の支払い条件を規定する第1の支払い条件を選択し、利用度数生成部95は、第1の支払い条件に適合した利用度数情報を生成する。利用度数生成部95は、第1の支払い条件が選択された場合、登録情報に含まれる利用期間情報が表す期間、および利用区間情報が表す予め定める区間においは、予め定める時間単位で対価が支払われるように利用度数情報を生成する。前記予め定める時間は、たとえば1日である。したがって、登録情報に含まれる利用期間情報が表す期間、および利用区間情報が表す予め定める区間においては、1日に何度も自動改札機41を通過して、複数回乗車しても、一定の対価しか支払われない。したがって、1日に何度も自動改札機41を通過して、複数回乗車しても、携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数は、1日に一定数しか減少しない。
またたとえば利用度数生成部95は、携帯端末装置2を定期券として利用する利用者が、たとえば2日間、携帯端末装置2を定期券として使用しなかった場合には、次に利用者の携帯端末装置2が自動改札機41と通信したときに、対価として支払われていない2日間分の対価を表す利用度数情報を生成する。
第1制御局46は、利用度数情報を生成すると、自動改札機41に利用度数情報を通知する。自動改札機41は、第1制御局46から与えられた利用度数情報を携帯端末装置2に送信し、ゲート部53のバーを開状態とする。これによって、携帯端末装置2の利用者が自動改札機41を通過することができる。
定期券としての利用が無効である駅、すなわち利用区間外の自動改札機41と、通信端末装置2との間で、前述した図9に示す通信プロセスが行われると、第1制御局46はローカルサーバ47に登録された情報に基づいて、自動改札機41から無効情報コマンドを携帯端末装置2に送信させ、携帯端末装置2の報知部18が、利用不可能である旨を報知する。
図10は、自動改札機41を通って入場するときの携帯端末装置2の携帯端末制御部27の動作処理を示すフローチャートである。第1通信部11が、改札機無線通信部51によって出力される、携帯端末装置2に携帯電話番号情報および認証番号情報を要求する要求信号を受信すると、ステップa0からステップa1に移る。
ステップa1では、第1通信部11を制御して、メモリ部19に記憶される携帯電話番号情報と、認証部25に記憶される認証番号情報とを自動改札機41に送信して、ステップa2に移る。
ステップa2では、第1通信部11が自動改札機41から利用度数情報を受信したか否かを判断する。ステップa2において、第1通信部11が、利用度数情報を受信したと判断すると、ステップa3に移る。
ステップa3では、電子マネー計算部24に、電子マネー記憶部23に記憶されている度数情報が表す度数から、第1通信部11が受信した利用度数情報が表す度数を減算させて、新たな度数を電子マネー記憶部23に記憶させるとともに、利用度数情報を受取ったことを表す第1受信完了情報を、第1通信部11から自動改札機41に送信させる。これによって対価が支払われる。ステップa3の処理が終了すると、ステップa4に移り動作処理を終了する。ステップa3では、さらに電子マネー記憶部23に記憶される新たな度数を表す電子マネー情報、言い換えれば残度数情報を、表示部16に表示させる。表示部16に表示される残度数情報を見ることによって、利用者は、携帯端末装置2によってどの程度の対価を支払うことができるのかを把握することができる。
ステップa2において、第1通信部11が、利用度数情報を受信していないと判断すると、ステップa5に移る。ステップa5では、第1通信部11が、定期券が期限切れであることを示す期限切れ情報、または残度数が不足していることを表す残度数不足情報を受信した否かを判断する。ステップa5において、期限切れ情報または残度数不足情報を受信したと判断した場合、ステップa6に移り、期限切れ情報を受信した場合には、報知部18に定期券としての利用期限が切れていることを表す期限切れ情報を報知させ、残度数不足情報を受信した場合には、報知部18に残度数が不足していることを報知させて、ステップa4に移る。
報知部18は、液晶表示パネルに、期限切れ情報または残度数不足情報を文字情報として表示させ、さらにスピーカによって、期限切れ情報または残度数不足情報を音声情報として発音させる。これによって、利用者は、定期券としての利用期間が終了していることを認識する、または携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数が不足していることを認識することができる。またステップa6では、期限切れ情報を表示部16に表示させるとともに、第1通信部11に期限切れ情報または残度数不足情報を受取ったことを表す第2受信完了情報を、第1通信部11から自動改札機41に送信させる。
前述したステップa5において、期限切れ情報または残度数不足情報を受信していないと判断した場合、ステップa7に移る。ステップa7では、定期券の利用者ではないことが通知されたか否かを判断する。具体的には、定期券の利用者ではないことを表す利用不可情報を、第1通信部11が受信したか否かを判断する。ステップa7において、定期券の利用者ではないことが通知されたと判断すると、ステップa8に移る。
ステップa8では、定期券の利用者ではないことを表す利用不可情報を、報知部18に報知させる。報知部18は、乗車区間報知手段に対応する。これによって利用者は、たとえば定期券の利用区間外で乗車する場合などにおいて、携帯端末装置2を定期券として利用ができないことを認識することができる。ステップa8では、利用不可情報を報知部18に報知させるとともに、利用不可情報を受取ったことを表す第3受信完了情報を、第1通信部11から自動改札機41に送信させて、ステップa4に移る。
前述したステップa7において、定期券の利用者ではないことが通知されていないと判断すると、再びステップa1に移る。これによって、第1通信部11の通信エラーによって自動改札機41を通過できないという不具合が生じないようにすることができ、システムの信頼性を向上させることができる。
図11は、携帯端末装置2によって入場するときの自動改札機41の改札機制御部52の動作処理を示すフローチャートである。改札機制御部52では、電源を投入すると、ステップb0からステップb1に移る。ステップb1では、ゲートは閉じた状態である。ステップb1では、改札機無線通信部51によって、携帯電話番号情報と、認証番号情報との送信を要求する送信要求信号を出力させ、ステップb2に移る。
ステップb2では、携帯端末装置2から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報とを、改札機無線通信部51によって受信したか否かを判断する。ステップb2において、受信したと判断すると、ステップb3移り、受信していないと判断すると、ステップb1に移る。ステップb1とステップb2とを繰返すことによって、改札機無線通信部51は、間欠的に送信要求信号を出力する。
ステップb3では、改札機有線通信部54を制御して、改札機無線通信部51によって受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とを第1制御局46に送信し、これらの情報の確認要求を行う。ステップb3が終了すると、ステップb4に移る。
ステップb4では、第1制御局46から改札機有線通信部54に利用度数情報が通知されたか否かを判断する。ステップb4において、通知されたと判断すると、ステップb5に移る。
ステップb5では、改札機有線通信部54によって受信した利用度数情報を、改札機無線通信部51から携帯端末装置2に送信させ、ステップb6に移る。
ステップb6では、第1通信部11によって、第1受信完了情報を受信したか否かを判断する。ステップb6で、受信したと判断すると、ステップb7に移り、受信していないと判断するとステップb6を繰返す。
ステップb7では、ゲート部53に指令を与えて、開閉バーを開けさせて、開閉バーを開き、次にステップb8に移り、動作処理を終了する。開閉バーを開くことを、ゲートを開けると記載する場合がある。ゲート部53は、赤外線センサを有し、赤外線センサによって、携帯端末装置2の利用者が開閉バーを追加することを検出した後、ゲートは閉じる。
前述したステップb4において、第1制御局46から改札機有線通信部54に利用度数情報が通知されていないと判断すると、ステップb9に移る。ステップb9では、期限切れ、または残度数が不足していることが通知されたか否か、すなわち改札機有線通信部54が、第1制御局46から期限切れ情報または残度数不足情報を受信したか否かを判断する。ステップb9において、期限切れ情報または残度数不足情報が通知されたと判断すると、ステップb10に移る。
次にステップb10では、定期券が期限切れであること、または残度数が不足していることを報知する、具体的には、改札機無線通信部51に、ステップb9で第1制御局46から受信した期限切れ情報または残度数不足情報を送信させて、ステップb11に移る。ステップb11では、改札機無線通信部51が第2受信完了情報を受信したか否かを判断する。ステップb11において、受信したと判断するとステップb8に移り、受信していないと判断すると、ステップb11を繰返す。
前述したステップb9において、改札機有線通信部54が第1制御局46から期限切れ情報または残度数不足情報を受信していないと判断すると、ステップb12に移る。ステップb12では、第1制御局46から定期券の利用者ではないことが通知されたか、言い換えれば定期券の利用者ではないことを表す利用不可情報を、改札機有線通信部54が第1制御局46から受信したか否かを判断する。ステップb12において、受信したと判断した場合、ステップb13に移る。
ステップb13では、携帯端末装置2に定期券の利用者ではないことを通知する、すなわち定期券の利用者ではないことを表す利用不可情報を、改札機無線通信部51から携帯端末装置2に送信させて、ステップb14に移る。
ステップb14では、改札機無線通信部51が、第3受信完了情報を受信したか否かを判断する。ステップb14において、受信したと判断すると、ステップb8に移り、受信していないと判断すると、ステップb14を繰返す。
前述したステップb12において、定期券利用者ではないことを表す利用不可情報を、改札機有線通信部54が受信していないと判断すると、ステップb3に移る。これによって、自動改札機41が第1制御局46に確認要求する際に、送信エラーが発生した場合であっても、再び確認要求を送信することができ、信頼性を向上させることができる。
図12は、携帯端末装置2によって入場するときの第1制御局46の第1制御部92の動作処理を示すフローチャートである。第1制御局通信部91が、改札機無線通信部51から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報との確認要求を受信すると、ステップc0からステップc1に移る。ステップc1では、第1制御局登録内容確認部93に、ローカルサーバ47に記憶された登録情報に、受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とが記憶されているか否かを検出させ、また登録情報に登録される利区間情報が表す利用区間における利用であるか否かを検出させ、さらに利用度数を検出させる。ステップc1が終了すると、ステップc2に移る。
ステップc2では、第1制御局登録内容確認部93の検出結果に基づいて、定期券の利用者であるか否かを判断する。ステップc2において、定期券の利用者であると判断された場合、すなわち受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とがローカルサーバ47に記憶されており、前記情報を送信した自動改札機41が、ローカルサーバ47に記憶される利用区間情報が表す区間内に設置されている場合、ステップc3に移る。第1制御局制御部92は、通信端末装置2が、予め定める乗車区間における乗車に用いられるのか否かを判断する判断手段である。
ステップc3では、第1制御局登録内容確認部93の検出結果に基づいて、利用期間内であるか否かを判断する。ステップc3において、期限切れではないと判断すると、ステップc4に移る。
ステップc4では、条件選択部94に支払い条件を選択させて、選択された支払い条件によって、利用度数生成部95に利用度数情報を生成させる。自動改札機41から携帯電話番号情報と、認証番号情報とが与えられ、かつ定期券として登録がなされており、さらに登録情報に登録される利区間情報が表す利用区間内、および利用期間情報が表す利用期間内である場合、条件選択部94は、第1の支払い条件を選択する。
利用度数生成部95は、第1の支払い条件に基づいて、登録情報に含まれる利用期間情報が表す期間、および利用区間情報が表す予め定める区間においは、前述したように、予め定める時間単位で対価が支払われるように利用度数情報を生成する。前記予め定める時間は、たとえば1日である。たとえば定期券としての予め定める時間単位における対価を表す利用度数が「X」(Xは度数を表す)であったとすると、利用度数生成部95は、予め定める時間内において、初めの自動改札機41からのアクセス時にのみ、度数Xを表す利用度数情報を生成し、その後は度数「0」の利用情報を生成する。これによって、登録情報に含まれる利用期間情報が表す期間、および利用区間情報が表す予め定める区間においては、たとえば予め定める時間内に何度も自動改札機41を通過して、複数回乗車しても、一定の対価しか支払われない。したがって、1日に何度も自動改札機41を通過して、複数回乗車しても、携帯端末装置2の電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数は、1日に一定数しか減少しない。
また利用度数生成部95は、携帯端末装置2を定期券として利用する利用者が、たとえば予め定める時間内に、携帯端末装置2を定期券として使用していなくても、予め定める時間ごとに一定の対価が支払われるように利用情報が生成するので、次に利用者の携帯端末装置2が自動改札機41と通信したときに、支払われていない対価を含めて利用度数情報を生成する。
次にステップc5では、第1制御局登録内容確認部93の検出結果および利用度数生成部95によって生成された利用度数情報とに基づいて、利用度数が不足しているか否かヲ判断する。登録情報に含まれる残度数情報が表す残度数が、ステップc4において生成された利用度数情報が表す度数以上であれば、利用度数が不足してはいないと判断して、ステップc6に移る。
ステップc6では、ステップc4において生成された利用度数情報を、第1制御局通信部91から自動改札機41に送信させて、ステップc7に移り動作処理を終了する。またステップc6では、第1制御局通信部91に利用度数情報を送信させるとともに、ローカルサーバ接続部96によって、ローカルサーバ47に記憶される登録情報に含まれる残度数情報が表す度数から、前記送信した利用度数が表す度数を減算して、新たな残度数情報を、記憶させる。
前述したステップc2において、定期券の利用者ではないと判断された場合、すなわち受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とがローカルサーバ47に記憶されていない、または前記情報を送信した自動改札機41が、ローカルサーバ47に記憶される利用駅情報が表す区間内に設定されていない場合、ステップc8に移る。ステップc8では、定期券使用者ではないことを表す情報を利用不可情報を、第1制御局通信部91から自動改札機41に送信させて、ステップb5に移る。
前述したステップc3において、第1制御局登録内容確認部93の検出結果に基づいて、利用期間内ではないと判断すると、ステップc9に移る。ステップc9では、利用期間外であり、期限切れであることを表す期限切れ情報を、第1制御局通信部91から自動改札機41に送信させて、ステップb5に移る。
前述したステップc5において、第1制御局登録内容確認部93の検出結果と、利用度数生成部95が生成した利用度数情報とに基づいて、利用度数が不足していると判断すると、ステップc10に移る。ステップc10では、利用度数が不足していることを表す利用度数不足情報を、第1制御局通信部91から自動改札機41に送信させて、ステップb5に移る。
図13は、自動改札機41を通って退場するときの携帯端末装置2の携帯端末制御部27の動作処理を示すフローチャートである。第1通信部11が、改札機無線通信部51によって出力される、携帯端末装置2に携帯電話番号情報および認証番号情報とを要求する要求信号を受信すると、ステップd0からステップd1に移る。
ステップd1では、第1通信部11を制御して、メモリ部19に記憶される携帯電話番号情報と、認証部25に記憶される認証番号情報とを、自動改札機41に送信して、ステップd2に移る。
ステップd2では、第1通信部11が追加の利用度数を表す追加度数情報を受信したか否かを判断する。追加度数情報は、対価情報であり、登録情報に登録される利用区間外で下車する場合、言い換えれば乗り越した場合に、不足している運賃に対応する度数を表す情報である。ステップd2において、追加度数情報を受信したと判断すると、ステップd3に移る。
ステップd3では、電子マネー計算部24に、電子マネー記憶部23に記憶されている度数情報が表す度数から、受信情報が受信した追加度数情報が表す度数を減算させて、新たな度数を電子マネー記憶部23に記憶させるとともに、追加度数情報を受取ったことを表す第4受信完了情報を、第1通信部11から自動改札機41に送信させる。ステップd3の処理が終了すると、ステップd4に移る。
ステップd4では、乗り越しの精算が完了したことを報知部18に報知させて、ステップd5に移り、動作処理を終了する。報知部18は、精算が完了したことを表す情報に加えて、追加して支払われた度数を表す度数情報を表示部16に表示させる。これによって、利用者は、携帯端末装置2と自動改札機41との通信によって、乗り越しの精算がされたことを認識することができる。
前述したステップd2において、第1通信部11が、追加度数情報を受信していないと判断すると、ステップd6に移る。ステップd6では、利用度数が不足していることが通知されたか否かを判断する。具体的には、第1通信部11が、利用度数が不足していることを表す度数不足情報を受信したか否かを判断する。ステップd6において、利用度数が不足していることが通知されたと判断すると、ステップd7に移る。
ステップd7では、報知部18に、不足分の利用度数を表す情報を報知させて、ステップd5に移る。これによって利用者は、利用度数が不足していること、および不足している利用度数がどれ程度であるのかを認識することができる。
前述したステップd6において、利用度数が不足していることが通知されていないと判断すると、定期券として、適切な利用区間および利用期間内で用いられており、かつ利用度数の不足もないと考えられるので、ステップd5に移り、動作処理を終了する。
図14は、携帯端末装置2によって退場するときの自動改札機41の改札機制御部52の動作処理を示すフローチャートである。改札機制御部52では、電源を投入すると、ステップe0からステップe1に移る。ステップe1では、ゲートは閉じた状態である。ステップe1では、改札機無線通信部51によって、携帯電話番号情報と、認証番号情報との送信を要求する送信要求信号を出力させ、ステップb2に移る。
ステップe2では、携帯端末装置2から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報とを、改札機無線通信部51によって受信したか否かを判断する。ステップe2において、受信したと判断すると、ステップe3移り、受信していないと判断すると、ステップe1に移る。ステップe1とステップe2とを繰返すことによって、改札機無線通信部51は、間欠的に送信要求信号を出力する。
ステップe3では、改札機有線通信部54を制御して、改札機無線通信部51によって受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とを第1制御局46に送信し、これらの情報の確認要求を行う。ステップe3が終了すると、ステップe4に移る。
ステップe4では、改札機有線通信部54が、第1制御局46から、開閉バーを開ける指示を表す指示情報を受信したか否かを判断する。ステップb4において、受信したと判断した場合と、ステップe5に移る。
ステップe5では、ゲート部53に指令を与えて、開閉バーを開けさせて、開閉バーを開き、次にステップe6に移り、動作処理を終了する。ゲート部53は、赤外線センサを有し、赤外線センサによって、携帯端末装置2の利用者が開閉バーを追加することを検出した後、開閉バーを閉じる。
前述したステップe4において、改札機有線通信部54が、第1制御局46から、開閉バーを開ける指示を表す指示情報を受信していないと判断すると、ステップe7に移る。ステップe7では、追加の利用度数を表す追加度数情報が通知されたか否か、言い換えれば改札機有線通信部54が、第1制御局46から、追加度数情報を受信したか否かを判断する。ステップe7において、受信したと判断した場合、ステップe8に移る。
ステップe8では、改札機無線通信部51に、追加度数情報を、送信させて、ステップe9に移る。ステップe9では、追加利用度数が携帯端末装置2に受信されたか否かを判断する。具体的には、ステップe9では、追加度数情報を受取ったことを表す第4受信完了情報を、改札機無線通信部51が受信したか否かを判断する。ステップe9において、受信したと判断すると、ステップe5に移り、受信していないと判断すると、ステップe9を繰返す。
前述したステップe7において、追加度数情報が通知されていなと判断した場合、ステップe10に移る。ステップe10では、利用度数が不足しているのか否か、すなわち改札機有線通信部54によって、利用度数が不足していることを表す度数不足情報が受信されたか否かを判断する。ステップe10において、度数不足情報を改札機有線通信部54が受信したと判断すると、ステップe11に移り、受信していないと判断すると、ステップe3に移る。
ステップe11では、携帯端末装置2に利用度数が不足していることを通知し、すなわち改札機無線通信部51によって携帯端末装置2に利用度数不足情報を送信して、ステップe6に移る。
図15は、携帯端末装置2によって退場するときの第1制御局46の第1制御局制御部92の動作処理を示すフローチャートである。第1制御局通信部91が、改札機無線通信部51から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報との確認要求を受信すると、ステップf0からステップf1に移る。ステップf1では、第1制御局登録内容確認部93に、ローカルサーバ47に記憶された登録情報に、受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とが記憶されているか否かを検出させ、また登録情報に登録される利用駅情報が表す利用駅における利用であるか否かを検出させ、さらに携帯電話番号情報と、認証番号情報とに対応する残度数情報を検出させる。ステップc1が終了すると、ステップc2に移る。
ステップf2では、第1制御局登録内容確認部93の検出結果に基づいて、受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報とを送信した自動改札機41が、登録情報の利用区間情報が表す利用区間内の駅に設置されているものであるか否かを判断する。ステップf2において、自動改札機41が利用区間内の駅に設置されているものであると判断すると、ステップf3に移る。
ステップf3では、第1制御局通信部91に、開閉バーを開く指示を送信させて、ステップf4に移り、動作処理を終了する。
前述したステップf2において、自動改札機41が利用区間内の駅に設置されているものではないと判断すると、ステップf5に移る。ステップf5では、条件選択部94に支払い条件を選択させて、選択された支払い条件によって、利用度数生成部95に不足分の利用度数を算出させ、不足度数情報を生成させて、ステップf6に移る。自動改札機41から携帯電話番号情報と、認証番号情報とが与えられ、かつ定期券として登録がなされており、さらに登録情報に登録される利区間情報が表す利用区間外である場合に、条件選択部94は、第2の支払い条件を選択する。
利用度数生成部95は、第2の支払い条件に基づいて、利用度数情報を生成する。第2の支払い条件では、利用度数生成部95は、物品またはサービスを購入する度に、対価が支払われるように、利用度数情報を生成する。したがって、利用度数生成部95は、乗り越した区間の運賃と等価な度数を表す不足度数情報を生成する。
ステップf6では、ステップf5で生成された不足度数情報が表す度数が、第1制御局登録内容確認部93によって検出された残度数情報が表す度数に対して不足しているか否かを判断する。ステップf6において、不足していないと判断するとステップf7に移り、不足していると判断するとステップf8に移る。
ステップf7では、自動改札機41に対して、追加の利用度数を表す追加度数情報を、第1制御局通信部91によって送信させるとともに、ローカルサーバ接続部96によってローカルサーバ47に記憶される登録情報の残度数情報が表す度数から、第1制御局通信部91によって送信した追加度数情報が表す度数を減算して、新たな残度数情報をローカルサーバ47に記憶させて、ステップf4に移る。
ステップf8では、自動改札機41に対して、利用度数が不足していることを表す度数不足情報を、第1制御局通信部91によって送信させて、ステップf4に移る。
次に、構内売店において、携帯端末装置2を用いて、物品を購入する場合について説明する。
図16は、構内売店において、携帯端末装置2を用いて物品を購入する場合の、携帯端末装置2の携帯端末制御部27の動作処理を示すフローチャートである。第1通信部11が、売店端末通信部81によって出力される、携帯端末装置2に携帯電話番号情報および認証番号情報とを要求する要求信号を受信すると、ステップg0からステップg1に移る。
ステップg1では、第1通信部11を制御して、メモリ部19に記憶される携帯電話番号情報と、認証部25に記憶される認証番号情報とを、売店端末無線通信部81に送信して、ステップg2に移る。
ステップg2では、第1通信部11が利用度数を表す利用度数情報を受信したか否かを判断する。ステップg2における利用度数情報は、構内売店において購入する物品の対価を表す情報である。ステップg2において、利用度数情報を受信したと判断すると、ステップg3に移る。ステップg3では、電子マネー計算部24に、電子マネー記憶部23に記憶されている度数情報が表す度数から、受信情報が受信した利用度数情報が表す度数を減算させて、新たな度数を電子マネー記憶部23に記憶させるとともに、追加度数情報を受取ったことを表す第5受信完了情報を、第1通信部11に送信させる。
ステップg4では、精算が完了したことを報知部18に報知させて、ステップg5に移り、動作処理を終了する。報知部18は、精算が完了したことを表す情報に加えて、対価として支払われた度数を表す度数情報に表示する。
前述したステップg2において、利用度数情報を受信していないと判断すると、ステップg6に移る。ステップg6では、第1通信部11が、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を受信したか否かを判断する。ステップg6において、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を受信したと判断した場合、ステップg7に移る。
ステップg7では、残度数が不足していること報知部18によって報知させるとともに、残度数不足情報を受取ったことを表す第6受信完了情報を第1通信部11に送信させて、ステップg5に移る。
前述したステップg6において、第1通信部11が、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を受信していないと判断すると、ステップg1に移る。これによって、携帯端末装置2から自動改札機41に情報の送信エラーが発生した場合であっても、携帯端末装置2から自動改札機41に再び電話番号情報と認証番号情報とが送信されるので、携帯端末装置2を用いた物品の購入におけるシステムの信頼性を向上させることができる。
図17は、構内売店において、携帯端末装置2を用いて物品を購入する場合の、構内売店端末の売店端末制御部82の動作処理を示すフローチャートである。売店端末操作部83から、店舗物品情報、言い換えれば価格を表す情報が入力されると、ステップh0からステップh1に移る。携帯端末装置2の利用者が購入する物品の対価に関数する情報は、店舗物品情報である。
ステップh1では、売店端末無線通信部81によって、携帯電話番号情報と、認証番号情報との送信を要求する送信要求信号を出力させ、ステップh2に移る。
ステップh2では、携帯端末装置2から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報とを、売店端末無線通信部81によって受信したか否かを判断する。ステップh2において、受信したと判断すると、ステップh3移り、受信していないと判断すると、ステップh1に移る。ステップh1とステップh2とを繰返すことによって、改札機無線通信部51は、間欠的に送信要求信号を出力する。
ステップh3では、売店端末有線通信部85を制御して、売店端末無線通信部81によって受信した携帯電話番号情報と、認証番号情報と、店舗物品情報とを第1制御局46に送信する。
ステップh4では、店舗端末有線通信部85が第1制御局46から利用度数情報を受信したか否かを判断する。ステップh4において、受信したと判断すると、ステップh5に移る。
ステップh5では、携帯端末装置2の利用者が購入する物品の対価として支払われるべき度数を表す利用度数情報を、売店端末無線通信部81から携帯端末装置2に送信して、ステップh6に移る。
ステップh6では、売店端末無線通信部81によって、第5受信完了情報を受信したか否かを判断する。ステップh6で、受信したと判断すると、ステップh7に移って動作処理を終了し、受信していないと判断するとステップh6を繰返す。
前述したステップh4において、店舗端末有線通信部85が第1制御局46から利用度数情報を受信していないと判断すると、ステップh8に移る。ステップh8では、店舗端末有線通信部85が、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を受信したか否かを判断する。ステップh8において、受信したと判断した場合には、ステップh9に移る。
ステップh9では、携帯端末装置2に、残度数が不足していることを通知する、つまり売店端末無線通信部81に、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を、携帯端末装置2に対して送信させて、ステップh10に移る。
ステップh10では、売店端末無線通信部81によって、第6受信完了情報を受信したか否かを判断する。ステップh9で、受信したと判断すると、ステップh7に移り、受信していないと判断すると、ステップh9を繰返す。
図18は、構内売店において、携帯端末装置2を用いて物品を購入する場合の、第1制御局46の第1制御局制御部92の動作処理を示すフローチャートである。第1制御局通信部91が、売店端末無線通信部81から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報と、店舗物品情報とを受信すると、ステップi0からステップi1に移る。ステップi1では、条件選択部94に支払い条件を選択させて、選択された支払い条件によって、利用度数生成部95に利用度数情報を生成させる。構内売店端末44から携帯電話番号情報と、認証番号情報と、店舗物品情報とを受信した場合、条件選択部94は、第2の支払い条件を選択する。利用度数生成部95は、第2の支払い条件に基づいて、利用度数情報を生成する。ここでは、利用度数生成部95は、店舗物品情報が表す対価に対応する利用度数を表す利用度数情報を生成する。ステップi1が終了すると、ステップi2に移る。
ステップi2では、ローカルサーバ接続部96によってローカルサーバ47に記憶される登録情報に含まれ、売店端末無線通信部81から送信される携帯電話番号情報と、認証番号情報とに対応する残度数情報を検出し、検出した残度数情報が表す度数が、ステップi1で生成された利用度数情報が表す度数に対して、不足していないか否かを判断する。ステップi2において、不足していないと判断した場合、つまり検出した残度数情報が表す度数が、ステップi1で生成された利用度数情報が表す度数以上である場合、ステップi3に移る。
ステップi3では、第1制御局通信部91によって、構内売店端末44にステップi1で生成された利用度数情報を送信して、ステップi4に移る。
ステップi4では、ローカルサーバ接続部96によってローカルサーバ47に記憶される登録情報に含まれる残度数情報が表す度数から、第1制御局通信部91によって、ステップi3において構内売店端末44に送信された利用度数情報が表す度数を減算して、新たな残度数情報を生成して記憶させることによって、ローカルサーバ47の登録情報を更新する。
前述したステップi2において、残度数が不足している判断した場合、つまり検出した残度数情報が表す度数が、ステップi1で生成された利用度数情報が表す度数未満である場合、ステップi6に移る。
ステップi6では、残度数が不足していることを表す残度数不足情報を、第1制御局通信部91から構内売店端末44に送信させて、ステップi5に移る。
図16〜図18のフローチャートに示すように、構内売店において、物品を購入する場合には、物品を購入する度に対価が支払うことができるので、携帯端末装置2を財布として用いることができ、利便性が向上する。
次に、携帯端末装置2に電子マネーを補充するときの動作について述べる。携帯端末装置2は、第2制御局113と通信することによって、電子マネーを補充することができる。
図19は、携帯端末装置2に電子マネーを補充するときの携帯端末制御部27の動作処理を示すフローチャートである。キー操作部17から、電子マネーを充填する指令、および充填する度数を表す充填要求情報とが入力されると、ステップj0からステップj0に移る。ステップj1では、第2通信部12を制御して、第2制御局113と通信し、充填すべき度数を要求する。具体的には第2通信部12から第2制御局113に、電話番号情報と、認証番号情報と、充填要求情報とを送信する。充填要求情報は、増加要求情報である。ステップj1が終了すると、ステップj2に移る。充填要求情報が表す充填すべき度数は、キー操作部17に含まれる数値情報を入力する数値キーを操作することによって入力される。
ステップj2では、第2通信部12によって、第2制御局113から送信される前記充填すべき度数を表す充填度数情報を受信して、ステップj3に移る。
ステップj3では、電子マネー計算部24に指令を与えて、ステップj2で受信した充填度数情報が表す度数を、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数に加算して、新たな度数を表す電子マネー情報を電子マネー記憶部23に更新して記憶させて、ステップj4に移り、動作処理を終了する。
図20は、携帯端末装置2に電子マネーを補充するときの第2制御局113の第2制御局制御部122の動作処理を示すフローチャートである。携帯端末装置2が、第2制御局113にアクセスすると、第2制御局通信部113が、携帯端末装置2と通信し、電話番号情報と、認証番号情報と、増加要求情報である充填要求情報とを受信して、ステップk2に移る。第2制御局113は、数値増加手段である。
ステップk2では、第2制御局登録内容確認部125が、ステップk1で受信した電話番号情報と、認証番号情報とが、第2サーバ126に登録されており、この電話番号情報および認証番号情報対応して、第2サーバ114に登録されている利用限度情報を検出し、充填要求情報が表す度数が、利用限度数以内であるのか否かを判断する。ステップk2において、電話番号情報と、認証番号情報とが、第2サーバ126に登録されており、つまり登録情報が一致し、かつ利用限度以内であると判断すると、ステップk3に移る。
ステップk3において、ステップk1で要求された度数を表す充填度数情報を、第1制御局通信部91によって、携帯端末装置2に送信して、ステップk4に移る。充填度数情報は、増加数値情報である。
ステップk4では、ステップk3において送信した補充度数情報に基づいて、第2サーバ114に記憶される登録情報の残度数を増加させて更新するとともに、更新した登録情報を、第2制御局通信部121から中央制御局48に、ゲートウェイ5を介して送信して、ステップk5に移り、動作処理を終了する。ステップk4では、充填度数情報が表す度数を残度数情報が表す度数に加算して、新たな残度数情報を生成して、第2サーバ114に記憶させ、さらに充填度数情報が表す度数を、充填度数情報が表す度数に加算して、新たな充填度数情報を生成して、第2サーバ114に記憶させる。中央制御局48では、更新情報を取得すると、この更新情報を第1サーバ49に記憶させるとともに、第1制御局46に更新情報を与える。第1制御局46では、更新情報に基づいて、ローカルサーバ47に記憶される登録情報を更新する。
次に、携帯端末装置2を定期券として用いる場合における、定期券の利用期間の更新に関する携帯端末装置2の動作処理について説明する。更新手段は、キー操作部17、携帯端末制御部27、第2通信部12および表示部16を含む。
図21は、定期券の利用期間の更新に関する携帯端末装置2の携帯端末制御部27の動作処理を示すフローチャートであり、図22は定期券情報が表す有効期限を更新するときに表示部16に表示される画面を示す図であり、図23は定期券情報が表す条件を変更して更新するときに表示部16に表示される画面を示す図である。
第1サーバ49に、携帯端末装置2を定期券として用いるための登録情報が登録されると、携帯端末制御部27は、メモリ部19に記憶される利用開始日情報が表す日にちから、タイマ計算部26に、タイマをカウントさせて、ステップm0からステップm1に移る。
ステップm1では、タイマ計算部26のタイマのカウントと、メモリ部19に記憶される利用期間情報が表す期間とに基づいて、利用期間の終端日の1週間前になったか否かを判断する。ステップm1において、有効期限の1週間前であると判断すると、ステップm2に移り、利用期間の終端日の1週間前ではないと判断すると、予め定める期間をあけて、ステップm1を繰返す。以後、利用期間の終端日を、利用期限日と記載する場合がある。
ステップm2では、報知部18を制御して、利用期限日の1週間前であることを表す期限通知情報を表示させて、ステップm3に移る。図22に示す第1更新画面160は、期限通知情報を表す。期限通知情報は、「定期券がまもなく切れます。」という定期券の有効期限が迫っていることを表す情報を含む。第1更新画面160には、メニューボタンが含まれる。メニューボタンは、定期券を継続して利用するための「1.自動更新する」メニューボタン、定期券の条件を変更するための「2.条件を変更する」メニューボタン、更新しないための「3.更新しない」メニューボタンを含む。
ステップm3では、キー操作部17からの操作によって、第1更新画面160に含まれるメニューボタンのうちの1つが、選択および決定されたか否かを判断する。ステップm3において、メニューボタンが選択および決定されたと判断すると、ステップm4に移り、メニューボタンが選択および決定されていないと判断すると、ステップm3を繰返す。
ステップm4では、メニューボタンのうち、「1.自動更新する」メニューボタンが選択されたか否かを判断する。ステップm4において、「1.自動更新する」メニューボタンが選択されたと判断すると、ステップm5に移る。
ステップm5では、表示部16に更新内容情報を表示させて、ステップm6に移る。図3に示す第2更新画面151は、更新内容情報を表す。更新内容情報は、利用区間を表す利用区間情報、利用開始日を表す開始日情報、および利用期間を表す利用期間情報を含む。
ステップm6では、更新内容情報を第1通信部11によって第2制御局113に送信するとともに、更新の完了を表す更新完了情報を表示部16に表示させる。第2制御局113では、第2サーバ114に更新内容情報を登録する、つまり有効期限情報、残度数情報および充填度数情報を更新するとともに、中央制御局48にも更新内容情報を送信する。中央制御局48では、第2制御局113から与えられる更新内容を第1サーバ49に登録して、さらに第1制御局46に与える。第1制御局46は、中央制御局48から与えられる更新内容情報を、ローカルサーバ47に登録する。
図22に示す第3更新画面152は、更新完了情報を表す。第3更新画面152に画面に含まれる「終了」ボタンに対応する操作キーを操作すると、ステップm7に移り、動作処理を終了する。
前述したステップm4において、「1.自動更新する」メニューボタンが選択されていないと判断すると、ステップm8に移る。ステップm8では、「2.条件を変更する」メニューボタンが選択されたか否かを判断する。ステップm8において、「2.条件を変更する」メニューボタンが選択されたと判断すると、ステップm9に移り、選択されていないと判断すると、ステップm7に移る。
ステップm9では、表示部16に変更条件情報を表示させて、条件変更処理を行う。まず表示部16に、図23の第1条件変更画面153を表示させる。第1条件変更画面153には、区間の変更を指定する「1.区間変更」メニューボタン、期間の変更を指定する「2.期間変更」メニューボタン、および区間および期間の両者を変更する「3.全て変更」メニューボタンが含まれる。たとえば、「2.期間変更」メニューボタンが選択および決定されると、表示部16に第2条件変更画面154を表示させる。第2条件変更画面154には、期間を変更するためのメニューボタンが含まれる。ここでは、期間を1ヶ月に変更する「1.1ヶ月」メニューボタン、期間を2ヶ月に変更する「2.2ヶ月」メニューボタン、期間を3ヶ月に変更する「3.3ヶ月」メニューボタン、および期間を6ヶ月に変更する「4.6ヶ月」メニューボタンが表示される。ここで、たとえば「3ヶ月」メニューボタンを選択して、決定すると、表示部16に第3条件更新画面155が表示される。第3条件更新画面155は、更新される情報を表す。また携帯端末制御部27は、第1通信部11によって、更新される定期券の代金を表す代金情報を第1制御局46から取得して、第3条件更新画面155に含んで表示させる。第3条件更新画面155が表示部16に表示されているときに決定ボタンを操作すると、ステップm6に移る。ステップm6では、更新内容情報を第1通信部11によって第2制御局113に送信するとともに、更新の完了を表す更新完了情報を表示部16に表示させる。第2制御局113では、第2サーバ114に更新内容情報を登録する、つまり有効期限情報、残度数情報、充填度数情報を更新するとともに、中央制御局48にも更新内容情報を送信する。中央制御局48では、第2制御局113から与えられる更新内容を第1サーバ49に登録して、さらに第1制御局46に与える。第1制御局46は、中央制御局48から与えられる更新内容情報を、ローカルサーバ47に登録する。図23に示す第4条件更新画面156は、更新完了情報を表す。第4条件更新画面156に画面に表示される「終了」ボタンに対応する操作キーを操作すると、ステップm7に移り、動作処理を終了する。
図24は、自動券売機42の構成を示すブロック図である。自動券売機42は、アンテナを含む券売機無線通信部61と、券売機制御部62と、券売機操作部63と、券売機有線通信部66とを含む。券売機無線通信部61は、券売機制御部62に指令に基づいて、携帯端末装置2の第1通信部11と無線で通信することができる。すなわち券売機無線通信部61と、第1通信部11とは同様な構成である。券売機制御部62は、自動券売機42の各部、すなわち券売機無線通信部61と、券売機操作部63と、切符情報生成部65と、券売機有線通信部66とを制御する。券売機制御部62は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。券売機操作部63は、操作キーを含む。利用者は、券売機操作部63の操作キーを操作することによって、下車する駅を指定することができる。
券売機有線通信部66は、券売機制御部62からの指令に基づいて、第1制御局46と通信する。券売機有線通信部66と、第1制御局46とは、LANによって接続される。本発明の他の実施の形態では、自動券売機42と、第1制御局46とは、無線LANなどによって接続されてもよい。
携帯端末装置2によって、自動券売機42で切符を購入する動作は、前述した構内売店において物品を購入する動作と同様であるので、詳細な説明を省略する。
通信端末装置2は、電話番号情報と、認証番号情報とを自動券売機42に送信し、前記自動券売機42の券売機制御部62は、券売機操作部63によって下車駅が指定されると、券売機有線通信部66に、第1通信局46と通信させ、第1制御局46において生成される、前記下車駅までの乗車運賃に対応する利用度数を表す利用度数情報を受信させる。第1制御局46では、自動券売機42から電話番号情報と、認証番号情報とを受信すると、条件選択部94は、第2の支払い条件を選択して、券売機操作部63によって指定された下車駅までの運賃と等価な度数を表す利用度数情報が、利用度数生成部95によって生成される。
自動券売機42は、第1制御局46から受信した利用度数情報を、携帯端末装置2に送信し、さらに行き先の駅名を表す駅名情報を送信する。第1制御局46では、ローカルサーバ47に記憶される残度数情報を更新する。
携帯端末装置2では、利用度数情報を受信すると、報知部18によって切符を購入が完了したことが報知され、携帯端末制御部27が表示部16に、第1通信部11によって受信した行き先の駅名を表す駅名情報と、対価を表す利用度数情報とを表示させる。
利用者が切符を購入した利用区間を表す区間情報は、ローカルサーバ47に記憶され、自動券売機42によって切符を電子マネーによって購入した場合、前記区間情報の駅の自動改札機41を通過することができる。
図25は、自動精算機43の構成を示すブロック図である。自動精算機43は、アンテナを含む精算機無線通信部71と、精算機制御部72と、精算機有線通信部74とを含む。精算機無線通信部71は、精算機制御部72に指令に基づいて、携帯端末装置2の第1通信部11と無線で通信することができる。すなわち精算機無線通信部71と、第1通信部11とは同様な構成である。精算機制御部72は、自動精算機43の各部、すなわち精算機無線通信部71と、精算機有線通信部74とを制御する。精算機制御部72は、CPUおよび制御プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、CPUが制御プログラムを実行することによって実現される。
精算機有線通信部74は、精算機制御部72からの指令に基づいて、第1制御局46と通信する。精算機有線通信部74と、第1制御局46とは、LANによって接続される。本発明の他の実施の形態では、自動精算機43と、第1制御局46とは、無線LANなどによって接続されてもよい。
携帯端末装置2によって、自動精算機43で乗り越した区間の運賃と等価な度数を支払う動作は、前述した構内売店において物品を購入する動作と同様であるので、詳細な説明を省略する。
通信端末装置2は、電話番号情報と、認証番号情報とを自動券売機42に送信し、前記自動精算機43の精算機制御部72は、券売機有線通信部66に、第1通信局46と通信させ、第1制御局46において生成される、乗り越し運賃に対応する利用度数を表す利用度数情報を受信させる。第1制御局46では、自動券売機42から電話番号情報と、認証番号情報とを受信すると、条件選択部94は、第2の支払い条件を選択して、定期券情報または切符を購入したときに記憶される区間情報から、乗り越した区間の運賃と等価な度数を表す利用度数情報が、利用度数生成部95によって生成される。
自動精算機43は、第1制御局46から受信した利用度数情報を、携帯端末装置2に送信する。第1制御局46では、ローカルサーバ47に記憶される残度数情報を更新する。
携帯端末装置2では、利用度数情報を受信すると、報知部18によって精算が完了したことが報知され、携帯端末制御部27が表示部16に、乗り越した区間の乗車運賃の対価を表す利用度数情報とを表示させる。
利用者が自動精算機43によって精算すると、利用者が自動精算機43によって精算したことを表す精算情報が、ローカルサーバ47に記憶され、自動精算機43によって乗り越し運賃を精算した場合、前記自動精算機43が設置される駅における自動改札機41を通過することができる。
以上のように本実施の形態の乗車システム1では、携帯端末装置2を所有する利用者が、携帯端末装置2を、たとえば通勤および通学などに利用する定期券として使用することができる。携帯端末装置2は、無線通信によって自動改札機41と通信し、たとえば鞄などに入れたままであっても、交通機関システム3の自動改札機41を通過することができるので、ラッシュ時の混雑が大きく改善される。さらに携帯端末装置2に、電子マネー情報を表す度数を充填することができるので、たとえば乗り越し時の精算、緊急の乗車券購入、および交通期間システム3が運営する売店での物品の購入が可能となる。
前述した携帯端末装置2の第1通信部11と第2通信部12とは、互いに異なる通信方式を用いて通信するので、第1通信部11と第2通信部12とにおいて、同時に通信を行わせることができ、一方の通信中に他方の通信を停止する必要がないので、対価を支払うための処理と、電子マネーを充填する処理とを円滑に行うことができる。
また、支払い条件が異なる場合には、それぞれの支払い条件に基づいて、対価を表す利用度数情報が生成されるので、携帯端末装置2を、定期券として利用する場合であっても、財布として利用する場合であっても、それぞれの利用方法毎に専用の記憶媒体を有する必要がなく、1つの電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報を用いて、対価を支払うことができるので、利便性を向上させることができる。また携帯端末装置2では、異なる支払い方法で対価を支払う場合であっても、受信した利用度数情報が表す度数を、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数から減算するという処理を実行するだけでよい。したがって、携帯端末装置2における処理の負担が増加することが防止される。
また携帯端末装置2を、定期券として利用し、不用意に乗り越しなどをしてしまった場合であっても、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報を用いて、容易に精算することができ、さらに電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報を用いても対価を支払うことができない場合には、第2通信部12によって電子マネーを充填することができるので、不用意に対価を支払う必要がある場合であっても、対応することができ、利便性を向上させることができる。
また第2通信部12によって第2制御局113と通信することによって、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数を増加させることができるので、携帯端末装置2を財布の代替手段として円滑に利用することができる。
前述した第2制御局2のメール作成部124は、第2サーバ114に記憶される有効期間情報を検出して、有効期間の終端日の1週間に、定期券の有効期限が近づいていることを表す情報を含む電子メールを、有効期間の終端日の1週間前となった携帯端末装置2の電話番号情報に対応して記憶される電子メール情報が表す電子メールアドレスに送信する。
本発明のさらに他の実施の形態の乗車システムでは、前述した乗車システム1と同様の構成であり、乗車システム1の構成に付加して、第1制御局46に、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数が予め定める数値よりも小さくなった場合に、電子マネー情報が表す度数に応じて、ローカルサーバ47に記憶される登録情報の有効期間情報が表す期間を短縮する期間短縮手段を有する。
乗車システム1のように、異なる支払い方法であっても、電子マネー記憶部23に記憶されている電子マネー情報を用いて、対価を支払うことができるので、たとえば携帯端末装置2によって、構内売店によって物品を購入した場合、対価を支払うことによって、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数が、定期券の利用期間において乗車の対価として支払われるべき度数よりも小さくなってしまうおそれがある。期間短縮手段は、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数が予め定める度数よりも小さくなった場合に、電子マネー情報が表す度数に応じて、ローカルサーバ47に記憶される登録情報の有効期間情報が表す期間を短縮する。前記予め定める度数は、定期券としての利用期間内に支払われるべき対価に等しい度数である。これによって携帯電話装置2によって対価が支払われる交通期間システムの提供者は、対価を確実に受取ることができる。
たとえば1ヶ月分の定期券の代金と等価な度数を表す電子マネー情報が、電子マネー記憶部23に記憶されており、定期券の有効期間の残りが10日であるとする。つまり、携帯端末装置2を定期券として残り10日間使用することができ、たとえば電子マネー情報が表す度数が120であるとする。ここで、急用でやむなく別の駅まで自動券売機42で切符を購入し、その切符の購入に50度数必要であったと、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数は、120−50=70となる。電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数は、ローカルサーバ47に残度数情報として記憶されている。期間短縮手段は、定期券の有効期間は10日あり、残度数が120である必要があるのに、残度数が70になっているので、度数が70で利用可能な定期券の有効期間を計算して、算出した有効期間をローカルサーバ47に更新して記憶させる。
携帯端末装置2の電子マネー計算部24は、前記期間短縮手段と同様の機能を有し、メモリ部19に記憶される有効期間情報と、電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報とに基づいて、前記期間短縮手段と同様に定期券の有効期間を算出して、算出した有効期間を、表示部16に表示させる。これによって携帯端末装置2を定期券として利用する利用者は、物品などの購入に、携帯端末装置2を使用して対価を支払った場合に、不用意に電子マネー記憶部23に記憶される電子マネー情報が表す度数が減った場合に、定期券の有効期間が変更されたことを把握することができるので、電子マネーを補充したりすることができるので、利便性が向上する。
本発明のさらに他の実施の形態の乗車システムでは、前述した乗車システム1と同様の構成であり、自動改札機41を通過するごとに、携帯端末装置2の携帯端末制御部27は、自動改札機41から自動改札機41が設置される駅名情報を第1通信部11によって取得し、取得した駅名情報をメモリ部19に履歴情報として記憶させる。キー操作部17からの指令に基づいて、携帯端末制御部27は、メモリ部19に記憶される駅名情報を含む履歴情報を表示部16に表示させる。これによって、自動改札機41を利用した履歴を、利用者が把握することができる。駅名情報は、携帯端末装置2が自動改札機41と通信した時刻を表す時刻情報を含んでいてもよい。この場合には、利用者は、自動改札機41を利用した時刻まで把握することができるようになるので、利便性をさらに向上させることができ、たとえば家計簿をつけるときなどに有効に活用することができる。
本発明のさらに他の実施の形態の乗車システムでは、前述した乗車システム1と同様の構成であり、乗車システム1の構成に付加して、第2制御局113に、通信端末装置2を定期券として利用することを停止する停止手段を有する。停止手段は、第2サーバ114に記憶される登録情報のうち定期券に関する情報、すなわち利用機関情報、利用区間情報および利用期間情報を削除する。これによって、条件選択部94が第1の支払い条件を選択することが防止される。このように、定期券の有効期間中に、定期券の使用を停止すると、残度数情報が表す度数は、予め定める時間単位で減少することがない。
停止手段は、携帯端末装置2から利用停止情報を与えることによって動作する。利用停止情報の送信は、表示部16に表示される変更画面に従って、キー操作部17を操作することによって、第2通信部12から、無線基地局112の通信設備に送信されて、第2制御局113に与えられる。第2制御局113では、第2制御局制御部122が第2制御局制御部121が利用停止情報を受信したと判断すると、停止手段に停止指令を与える。停止手段は、停止指令が与えられると、第2サーバ114の登録情報を更新する、すなわち登録情報のうち定期券に関する情報、すなわち利用機関情報、利用区間情報および利用期間情報を削除すると同時に、更新した登録情報をゲートウェイ5を介して中央制御局48に通知し、これによって中央制御局48は第1サーバ49の登録情報を更新する。さらに中央制御局48は、更新された登録情報を第1制御局46に通知し、これによってローカルサーバ47の登録情報が更新される。
このように停止手段によって、定期券として利用しているものの、たとえば学校を卒業したり、転校したりした場合に、定期券の有効期間が残っていても、定期券の代金の払い戻しができないといった不都合がなくなり、利便性を向上させることができる。
本発明のさらに他の実施の形態の乗車システムでは、前述した乗車システム1と同様の構成であり、携帯端末装置2によって、対価の支払いが可能なエリアに、携帯端末装置2が存在することを報知するエリア報知手段を含む構成とする。エリア報知手段は、前記第1通信部11、携帯端末制御部27および報知部16を含んで実現される。第1通信部11が、改札機無線通信部51および売店端末無線通信部81からそれぞれ出力される、携帯端末装置2に携帯電話番号情報および認証番号情報を要求する要求信号を第1通信部11が受信すると、携帯端末制御部27は、報知部16に携帯端末装置2によって、対価の支払いが可能なエリアに、携帯端末装置2が存在することを報知する。これによって携帯端末装置2によって対価を支払うことができるエリアにいるのか否かを利用者に知らせることができ、この携帯端末装置を用いて物品またはサービスの購入することができることが分かり、利便性を向上させることができる。
本発明のさらに他の実施の形態の乗車システムでは、前述した乗車システム1と同様の構成であり、携帯端末装置2では、メモリカードインタフェース部21に着脱自在に接続されるメモリカード37に充填された電子マネーを利用して対価を支払う構成とする。
本実施の形態では、まず携帯端末装置2に接続されるメモリカード37を購入するために、携帯電話システム4を運営する電話会社の直営ショップ、あるいは交通機関システム3を運営する鉄道会社の窓口に赴き、利用者が携帯端末装置2に充填したい電子マネーと等価な金額を支払うと、その金額に相当する度数を表す電子マネー情報が記憶されたメモリカード37を入手することができる。このメモリカード37には、前記電子マネー情報が暗号化されたものが記憶される。利用しようとする金額に相当する暗号化されている電子マネー情報は認証部25で解凍され、電子マネー計算部24で実際の金額分として計算される。したがって、残った金額に相当する暗号化された電子マネー情報は、前記メモリーカード37に残り、後から不正に入金することができないので、不正を防止することができる。
携帯端末制御部27のCPUは、メモリカード37がメモリカードインタフェース部21に接続されると、メモリカードインタフェース部21を介して、前記暗号化された電子マネー情報は、認証部25でメモリ部19に予め記憶されるプログラムとして記憶されているプロトコルに従って、解凍され、電子マネー化された度数を表す電子マネー情報を、電子マネー計算部24に与える。電子マネー計算部24は、電子マネー情報に基づいて、電子マネー記憶部23に度数を加算して新たな電子マネー情報を記憶させる。
前述した各実施の形態において通信端末装置2は、携帯通信機器である携帯電話機によって実現されているが、本発明の他の実施の形態において、携帯端末装置2は、無線機能を有するPDAなどの携帯情報機器によって実現されてもよい。
本発明の各実施の形態の乗車システムは、交通機関であれば鉄道の運営機関に限らず、たとえば路線バスの運営機関などにおいて用いることができる。
前述した各実施の形態の乗車システムは、前述した各フローチャートをコンピュータによって実行可能なプログラムを、コンピュータに実行させることによって実現することができる。前記プログラムは、交通機関システム3と携帯電話システム4との両方に跨ったシステムプログラムであると同時に、携帯端末装置2に内蔵されたそれぞれの機能ブロックを実行するプログラムを含む。
前述した本発明の各実施の形態では、対価支払システムを乗車システムに適用したものであるが、本発明のさらに他の実施の形態では、乗車システム以外、たとえば特定の地域への入退場を管理するシステムなどにおいて、対価支払システムを適用してもよい。