JP2006119300A - 液浸対物光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した液浸対物光学系を実現する。
【解決手段】 物体側から順に、正パワーの第1群G1、正パワーの第2群G2、負パワーの第3群G3、正パワーの第4群G4、正パワーの第5群G5で構成され、第1群G1は、像面側に凸面を向けた平凸レンズL1を含み、かつ、最も物体側の面が略平面であり、第2群G2は、該第2群G2の最も物体側の面が物体側に凸面を向けたレンズL2と、該第2群G2の最も像面側の面が像面側に凹面を向けたレンズL3とを含み、第3群G3は、物体側から両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズを含み、第4群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL6を含み、第5群G5は、少なくとも1つの接合レンズを含む液浸対物光学系1を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、細長い形状をした高開口数の対物光学系に関し、特に、哺乳類などの動物に挿入し、生きたまま観察するのに適した液浸対物光学系に関するものである。
従来、特定の分子や組織、細胞などに色素や蛍光マーカーを付けて、これを蛍光顕微鏡や共焦点レーザ走査顕微鏡などでみることにより、生物の細胞や組織内の分子の振る舞いなどを観察することが行われている。
マウスなどの哺乳類の生物個体が生きた状態での分子の振る舞いは培養細胞とは異なる場合があり、個体が生きたまま(in vivo)で生体組織や細胞内を観察が行われている。
生物個体の内部を観察する場合、従来の顕微鏡では対物レンズの外径が大きいので、生体を大きく切り開いて観察する必要がある。しかし、生体を大きく切り開くと侵襲が高いので、長時間の観察は不可能であった。
一般の内視鏡は外径が小さいので生体に対する侵襲は低いが、倍率が低いので生体組織や細胞内の分子の振る舞いを観察を行うのには不十分である。
拡大内視鏡は倍率は高いが、物体側の開口数(NA)が低いので分解能や明るさが不足する。
一方、開口数が大きく、外径が小さく、全長も比較的長い対物光学系も開示されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に開示された対物光学系によれば、生体に小さな穴をあけて、この穴からこの光学系を挿入することにより、生体内部を低侵襲で観察できる。
米国特許出願公開第2004/0051957号明細書
しかしながら、特許文献1に記載された対物光学系においては、色収差が十分に補正されておらず、白色光で観察したり、蛍光観察したりする場合に、励起光と試料が発する蛍光の波長とが異なるので分解能が低下するという不具合がある。
特に共焦点光学系を用いた蛍光観察の場合は、色収差が補正されていないと、検出される蛍光の明るさが低下するという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した液浸対物光学系を実現することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、物体側から順に、正パワーの第1群、正パワー第2群、負パワーの第3群、正パワーの第4群、正パワーの第5群で構成され、前記第1群は、像面側に凸面を向けた平凸レンズL1を含み、かつ、最も物体側の面が略平面であり、前記第2群は、該第2群の最も物体側の面が物体側に凸面を向けたレンズL2と、該第2群の最も像面側の面が像面側に凹面を向けたレンズL3とを含み、前記第3群は、物体側から両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズを含み、前記第4群は、物体側に凸面を向けた正レンズL6を含み、前記第5群は、少なくとも1つの接合レンズを含む液浸対物光学系を提供する。
この発明によれば、正パワーの第1群において、最も物体側が略平面とされることにより、間に気泡が入らないようにすることができる。また、像面側に凸面を向けた平凸レンズL1を含むことにより、アプラナティック条件に近くして、球面収差およびコマ収差の発生を小さくすることができる。
また、正パワーの第2群においては、第2群の最も物体側の面を、物体側に凸面を向けたレンズL2としたので、この面によって球面収差やコマ収差が大きく発生するが、その代わりに、光束の発散を小さくして、第2群より像面側で光線高が高くなるのを防止することができる。その結果、レンズ外径を小さくすることができる。
また、第2群の最も像面側の面が像面側に凹面を向けたレンズL3を含むので、レンズL3の像面側に向けた凹面で光束を少し発散させて、第2群のレンズL2で発生したコマ収差および軸上色収差を補正することができる。
さらに、負パワーの第3群においては、物体側から両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズを含むので、レンズL3の像面側の面によって、少し発散させられた光束を両凸レンズL4の物体側の凸面で光束を緩やかに収束させる。これにより、接合レンズ内で光線高が高くなるのを防止し、レンズ外径を小さくすることができる。
また、両凸レンズL4と両凹レンズL5との接合面で第1群、第2群および両凸レンズL4の物体面側で発生した球面収差と、第1群と第2群のレンズL2で発生した軸上色収差を補正することができる。両凹レンズL5の像面側の凹面によって光束を発散させることで、補正不足だった球面収差を補正し、さらに、軸上色収差を補正することができる。また、レンズL2および両凸レンズL4で発生したコマ収差もこの面で補正することができる。
また、正パワーの第4群においては、物体側に凸面を向けた正レンズL6を含むので、第3群を出た発散光束をほぼ平行光束にすることができる。第4群の物体側に凸面を向けることで、正レンズL6内で光線高が高くなるのを防止して、レンズ外径を小さくすることができる。
また、第5群においては、第4群通過後にほぼ平行になった光束を集光するため全体として正パワーを持たせる。そのとき第5群に接合レンズを用いることで、その接合面において第4群で発生した球面収差、軸上色収差およびコマ収差を補正することができる。
したがって、このように構成された本発明に係る液浸対物光学系によれば、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、生きたままの(in vivo)観察に適した液浸対物光学系を実現することができる。
上記発明においては、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
(1) 0.03<|F12/F|<0.13
ただし、Fは第3群の焦点距離、F12は第1群と第2群とを合わせた焦点距離である。
|F12/F|が0.03以下になると、ペッツバール和が大きくなり、像面湾曲が大きくなってしまう。また、|F12/F|が0.13以上になると、第3群の負パワーが強くなり過ぎたり、第1群と第2群の正パワーが弱過ぎたりする。いずれの場合も、光束径が大きくなるため、レンズ外径を大きくする必要があり、生体に対する侵襲が高い光学系になってしまうという不具合が発生する。
また、上記発明においては、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
(2) 0.8<|β・F14/F|<1.2
ただし、βは液浸対物光学系の倍率、F14は第1群から第4群までを合わせた焦点距離、Fは第5群の焦点距離である。
|β・F14/F|が0.8以下の場合、第1群から第4群の間のパワーが強くなり過ぎて、諸収差の発生量が大きくなるため、第5群で収差補正が困難になる。また、|β・F14/F|が1.2以上の場合は、第1群から第4群の間のパワーが弱くなるので諸収差の発生量は小さくすることができるが、光束径が大きくなるためレンズ外径を大きくする必要があり、生体に対する侵襲が大きくなるという不具合が発生する。
また、上記発明においては、以下の条件式(3)、(4)、(5)を満足することが好ましい。
(3) ν−ν>40
(4) 0.12<n−n<0.22
(5) 1.4<|R4O/R45|<1.9
ただし、ν、νは各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対するアッベ数、n、nは各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対する屈折率、R4O、R45は各々、両凸レンズL4の物体側、両凸レンズL4と両凹レンズL5の接合面の曲率半径である。
第3群の両凸レンズL4と両凹レンズL5との接合レンズは、球面収差を補正するため、屈折率差を小さくして、さらに両凸レンズL4と両凹レンズL5との接合面の曲率半径を小さくすることが望ましい。そのために、n−nが0.22より小さいことが望ましい。n−nが0.22以上だと、接合面の曲率半径が大きくなるので、球面収差および軸上色収差が補正不足になる。しかし、n−nが0.12以下だと接合面の曲率半径が小さくなり過ぎてレンズの加工性が悪くなるので、n−nは0.12より大きいことが望ましい。したがって、両凸レンズL4と両凹レンズL5との屈折率差は条件式(4)を満足することが望ましい。
また、接合面の曲率半径に対しては、球面収差の補正量を最適にするため 条件式(5)を満足することが望ましい。|R40/R45|が1.4以下だと球面収差の発生量が大き過ぎて系全体で考えたときに、十分に補正できなくなる。|R40/R45|が1.9以上だと接合面で球面収差が補正過剰となり系全体で考えたときには球面収差が補正過剰になってしまう。
また、軸上色収差を補正するために両凸レンズL4に分散が小さい材料、両凹レンズL5に分散が大きい材料を使うことが望ましい。 より具体的には条件式(3)を満足させることが望ましい。 これを満足することとで軸上色収差の補正が十分に行えるが、これを満足しない場合は軸上色収差が補正不足になる。
また、上記発明においては、以下の条件式(6)、(7)、(8)を満足することが好ましい。
(6) n<1.65
(7) ν<50
(8) 3<|R3I/F12|<5
ただし、nはレンズL3のd線に対する屈折率、νはレンズL3のd線に対するアッベ数、R3IはレンズL3の像面側の曲率半径、F12は第1群と第2群を合わせた焦点距離である。
第2群のレンズL3の材料は低屈折率で高分散のものを用いることが望ましい。レンズL3の材料に低屈折率で高分散のものを用いて、像面側の面を凹面にすることでコマ収差、軸上色収差を良好に補正することができる。具体的には、条件式(6)、(7)を満たすことが望ましい。
レンズL3が条件式(7)を満足しない場合は、第1群から第4群までで発生した軸上色収差が補正しきれず、光学系全体で軸上色収差が補正不足になる。条件(6)を満たす場合、コマ収差や軸上色収差の補正量を大きくするためにレンズL3の像面側の曲率半径を小さくしても第2群通過後の光束があまり発散し過ぎないので、第3群に入射する光束径が大きくならないようにすることが可能である。条件式(6)を満たさない場合は、レンズL3の像面側の曲率半径が大きくなり過ぎてコマ収差および軸上色収差の補正が十分行えなくなるか、曲率半径が小さくてもレンズL3の像面側の負パワーが強過ぎて、第2群通過後の光束が発散し過ぎて、第3群での光束径が大きくなり過ぎる不具合が発生する。
さらに、第1群および第2群で発生したコマ収差、軸上色収差の補正と第2群を通過後の光束の発散具合をバランスさせるために、レンズL3の像面側の曲率半径R3Iは条件式(8)を満足するようにすることが望ましい。|R3I/F12|が3以下になると第2群通過後の光束の発散角が大きくなるため、第3群での光束径が大きくなり、レンズ外径が大きくなってしまう不具合がある。|R3I/F12|が5以上になるとレンズL3の像面側の負パワーが小さくなるため、コマ収差や軸上色収差が補正不足になる。
また、上記発明においては、第5群の内、最も物体側のレンズが、負レンズL7と正レンズL8とを接合した接合レンズであり、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
(9) 0.2<F14 ・{(n−1)/R5I +(n−n)/R78 }<0.4
ただし、F14は第1群から第4群までを合わせた焦点距離、n、n、nは各々、両凹レンズL5、負レンズL7、正レンズL8のd線に対する屈折率、R5I、R78は、両凹レンズL5の像面側の曲率半径、負レンズL7と正レンズL8との接合面の曲率半径である。
両凹レンズL5の像面側および負レンズL7と正レンズL8との接合面で球面収差を補正するが、条件式(9)は、両凹レンズL5の像面側の面と、負レンズL7と正レンズL8との接合面で補正する球面収差量を適正にするための条件である。条件式を下回ると球面収差が補正不足になり、条件式を上回ると球面収差が補正過剰になる。
また、上記発明においては、第5群が、物体側から、最も物体側にある負レンズL7と正レンズL8とを接合した接合レンズ、正レンズL9、正レンズL10と像面側に凹面を向けた負レンズL11とを接合した接合レンズを含んでいることが好ましい。
負レンズL7と正レンズL8との接合面において、第4群で発生した球面収差、軸上色収差およびコマ収差を補正する。また、正レンズL10と負レンズL11との接合面で非点収差を補正することができる。
本発明によれば、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した対物光学系を実現することができるという効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施形態に係る液浸対物光学系1について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る液浸対物光学系1は、図1に示されるように、物体側から順に、正パワーの第1群G1、正パワーの第2群G2、負パワーの第3群G3、正パワーの第4群G4および正パワーの第5群G5により構成されている。
前記第1群G1は、像面側に凸面を向けた平凸レンズL1単体により構成されている。すなわち、平凸レンズL1は、その物体側に配される面が略平面となっている。
前記第2群G2は、物体側に配されるレンズL2と、像面側に配されるレンズL3とから構成されている。レンズL2は、物体側に凸面を向けて配置されている。また、レンズL3は、像面側に凹面を向けて配置されている。
前記第3群G3は、物体側に配される両凸レンズL4と、像面側に配される両凹レンズL5とを接合した接合レンズにより構成されている。
前記第4群G4は、物体側に凸面を向けた正レンズL6により構成されている。
前記第5群G5は、物体側から、負メニスカスレンズL7と両凸レンズL8との接合レンズ、物体側に凸面を向けた平凸レンズL9および物体側に略平面を向けた平凸レンズL10と両凹レンズL11との接合レンズにより構成され、全体として正のパワーを有している。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系1によれば、第1群G1においては、平凸レンズL1の物体側の略平面により、液浸対物光学系1と物体との間に気泡が入り難くすることができる。また、平凸レンズL1の像面側の凸面はアプラナティック条件に近くして球面収差およびコマ収差の発生を抑えることができる。
また、第2群G2においては、レンズL2の物体側の凸面によって光を屈折させて、レンズL2の内部で光束の発散角を小さくし、光線高が高くなるのを防止した結果、レンズ外径を小さくすることができる。また、レンズL2の像面側の凸面で光をさらに屈折させて、レンズL2内部において光束の発散をより小さくすることができる。
また、レンズL3の像面側の凹面で光束を少し発散させることにより、レンズL2で発生したコマ収差、軸上色収差を補正することができる。
また、第3群G3においては、第2群G2で少し発散した光束を両凸レンズL4の物体側の凸面で緩やかに収束させることにより、接合レンズ内で光線高が高くなるのを防止することができる。また、接合面によって、第1群G1、第2群G2および両凸レンズL4の物体側で発生した球面収差と、第1群G1と両凸レンズL4で発生した軸上色収差とを補正することができる。
また、両凹レンズL5の像面側の凹面で光束を発散させることで、平凸レンズL1から両凸レンズL4までにおいて補正不足だった球面収差を補正し、さらに軸上色収差を補正することができる。また、レンズL2および両凸レンズL4で発生したコマ収差もこの面で補正することができる。
また、第4群G4においては、両凹レンズL5を出た発散光束がほぼ平行光束にされる。両凸レンズL6の物体側の凸面により、両凸レンズL6内で光線高が高くなるのを防止し、レンズ外径が大きくならないようにすることができる。
また、第5群G5においては、両凸レンズL6を通過後にほぼ平行になった光束を負メニスカスレンズL7と両凸レンズL8との接合レンズおよび平凸レンズL9によって収束させる。負メニスカスレンズL7と両凸レンズL8との接合面において、第4群G4で発生した球面収差、軸上色収差、コマ収差を補正することができる。
また、平凸レンズL10と両凹レンズL11との接合面で非点収差を補正することができる。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系1によれば、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した対物光学系を実現することができる。
特に、以下の条件式(1)〜(9)を満足することが好ましい。
すなわち、
(1) 0.03<|F12/F|<0.13
(2) 0.8<|β・F14/F|<1.2
(3) ν−ν>40
(4) 0.12<n−n<0.22
(5) 1.4<|R4O/R45|<1.9
(6) n<1.65
(7) ν<50
(8) 3<|R3I/F12|<5
(9) 0.2<F14 ・{(n−1)/R5I +(n−n)/R78 }<0.4
である。
ここで、Fは第3群の焦点距離、F12は第1群と第2群とを合わせた焦点距離、βは液浸対物光学系の倍率、F14は第1群から第4群までを合わせた焦点距離、Fは第5群の焦点距離、ν、νは各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対するアッベ数、n、nは各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対する屈折率、R4O、R45は各々、両凸レンズL4の物体側、両凸レンズL4と両凹レンズL5の接合面の曲率半径、nはレンズL3のd線に対する屈折率、νはレンズL3のd線に対するアッベ数、R3IはレンズL3の像面側の曲率半径、F12は第1群と第2群を合わせた焦点距離、F14は第1群から第4群までを合わせた焦点距離、n、n、nは各々、レンズL5、レンズL7、レンズL8のd線に対する屈折率、R5I、R78は、レンズL5の像面側の曲率半径、レンズL7とレンズL8との接合面の曲率半径である。
|F12/F|が0.03以下になると、ペッツバール和が大きくなり、像面湾曲が大きくなってしまう。また、|F12/F|が0.13以上になると、第3群の負パワーが強くなり過ぎたり、第1群と第2群の正パワーが弱過ぎたりする。いずれの場合も、光束径が大きくなるため、レンズ外径を大きくする必要があり、生体に対する侵襲が高い光学系になってしまうという不具合が発生する。
また、|β・F14/F|が0.8以下の場合、第1群から第4群の間のパワーが強くなり過ぎて、諸収差の発生量が大きくなるため、第5群で収差補正が困難になる。また、|β・F14/F|が1.2以上の場合は、第1群から第4群の間のパワーが弱くなるので諸収差の発生量は小さくすることができるが、光束径が大きくなるためレンズ外径を大きくする必要があり、生体に対する侵襲が大きくなるという不具合が発生する。
また、第3群の両凸レンズL4と両凹レンズL5との接合レンズは、球面収差を補正するため、屈折率差を小さくして、さらに両凸レンズL4と両凹レンズL5との接合面の曲率半径を小さくすることが望ましい。そのために、n−nが0.22より小さいことが望ましい。n−nが0.22以上だと、接合面の曲率半径が大きくなるので、球面収差および軸上色収差が補正不足になる。しかし、n−nが0.12以下だと接合面の曲率半径が小さくなり過ぎてレンズの加工性が悪くなるので、n−nは0.12より大きいことが望ましい。したがって、両凸レンズL4と両凹レンズL5の屈折率差は条件式(4)を満足することが望ましい。
また、接合面の曲率半径に対しては、球面収差の補正量を最適にするため 条件式(5)を満足することが望ましい。|R40/R45|が1.4以下だと球面収差の発生量が大き過ぎて系全体で考えたときに、十分に補正できなくなる。|R40/R45|が1.9以上だと接合面で球面収差が補正過剰となり系全体で考えたときには球面収差が補正過剰になってしまう。
また、軸上色収差を補正するために両凸レンズL4に分散が小さい材料、両凹レンズL5に分散が大きい材料を使うことが望ましい。より具体的には条件式(3)を満足させることが望ましい。 これを満足することとで軸上色収差の補正が十分に行えるが、これを満足しない場合は軸上色収差が補正不足になる。
さらに、第2群の平凹レンズL3の材料は低屈折率で高分散のものを用いることが望ましい。平凹レンズL3の材料に低屈折率で高分散のものを用いて、像面側の面を凹面にすることでコマ収差、軸上色収差を良好に補正することができる。具体的には、条件式(6)、(7)を満たすことが望ましい。
平凹レンズL3が条件式(7)を満足しない場合は、第1群から第4群までで発生した軸上色収差が補正しきれず、光学系全体で軸上色収差が補正不足になる。条件(6)を満たす場合、コマ収差や軸上色収差の補正量を大きくするために平凹レンズL3の像面側の曲率半径を小さくしても第2群通過後の光束があまり発散し過ぎないので、第3群に入射する光束径が大きくならないようにすることが可能である。条件式(6)を満たさない場合は、平凹レンズL3の像面側の曲率半径が大きくなり過ぎてコマ収差および軸上色収差の補正が十分行えなくなるか、曲率半径が小さくても平凹レンズL3の像面側の負パワーが強過ぎて、第2群通過後の光束が発散し過ぎて、第3群での光束径が大きくなり過ぎる不具合が発生する。
さらに、第1群および第2群で発生したコマ収差、軸上色収差の補正と第2群を通過後の光束の発散具合をバランスさせるために、平凹レンズL3の像面側の曲率半径R3Iは条件式(8)を満足するようにすることが望ましい。|R3I/F12|が3以下になると第2群通過後の光束の発散角が大きくなるため、第3群での光束径が大きくなり、レンズ外径が大きくなってしまう不具合がある。|R3I/F12|が5以上になるとL3の像面側の負パワーが小さくなるため、コマ収差や軸上色収差が補正不足になる。
両凹レンズL5の像面側および負メニスカスレンズL7と両凸レンズL8との接合面で球面収差を補正するが、条件式(9)は、両凹レンズL5の像面側の面と、負メニスカスレンズL7と両凸レンズL8との接合面で補正する球面収差量を適正にするための条件である。条件式を下回ると球面収差が補正不足になり、条件式を上回ると球面収差が補正過剰になる。
図2に、本実施形態に係る液浸対物光学系1を小型のレーザ走査型共焦点光学システム2に接続した例を示す。
光学ユニット4内には図示しない励起用のレーザ光源が設けられており、レーザ光が光ファイバ8を通って走査ユニット3に導かれ、コリメータ光学系10で平行にされた後、光走査部11で光の射出方向が走査され、瞳投影光学系12で中間結像位置に結像される。瞳投影光学系12と液浸対物光学系1は接続されていて、瞳投影光学系12で結像された像は図1で示された本実施形態に係る液浸対物光学系1によって物体(生体7の観察対象部位B)へ再結像され、物体(生体組織や色素等)の励起を行う。
物体Bで発生した蛍光は、液浸対物光学系1、瞳投影光学系12、光走査部11、コリメータ光学系10、光ファイバ8を経て、光学ユニット4内の図示しないダイクロイックミラーで励起光と分離された後、励起光カットフィルターを経て、光検出器で検出され、コンピュータ6を介してモニタ7により表示される。
本実施形態では、光ファイバ8のコアが共焦点ピンホールの役割をしており、物体を観察する場合は、フォーカスがあった部分近傍以外のところからの光はカットされるのでSN比の高い観察が可能になっている。また、制御ユニット5の作動により走査ユニット3内にある駆動機構13を作動させ、コリメータレンズ10と光ファイバ8の距離を変化させることで、液浸対物光学系1の長手方向(Z方向)の観察位置を調節することができる。したがって、光走査部11での横方向(X,Y方向)の走査と組み合わせることで3次元の画像取得も可能である。
次に、本発明の第2の実施形態に係る液浸対物光学系20について、図3を参照して説明する。
本実施形態に係る液浸対物光学系20は、図3に示されるように、物体側から順に、正パワーの第1群G1、正パワーの第2群G2、負パワーの第3群G3、正パワーの第4群G4および正パワーの第5群G5により構成されている点は第1の実施形態と同様である。本実施形態に係る液浸対物光学系20は、各レンズ群の構成要素において相違している。
前記第1群G1は、平行平板P1と平凸レンズL1との接合レンズにより構成されている。平行平板P1は物体側に配置され、平凸レンズL1は、像面側に凸面を向けて配置されている。これにより、第1群は全体として正パワーを持っている。
前記第2群G2は、両凸レンズL2と、平凹レンズL3とにより構成されている。平凸レンズL2は物体側に配置され、第2群G2は全体として正パワーを持っている。
前記第3群はG3は、両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズにより構成されている。両凸レンズL4は物体側に配置され、第3群は全体として負パワーを持っている。
前記第4群G4は、両凸レンズL6により構成され、正パワーを有している。
第2群G2〜第4群G4までは第1の実施形態に係る液浸対物光学系1と同一である。
前記第5群G5は、物体側から順に配置された平凹レンズL7と平凸レンズL8との接合レンズ、平凸レンズL9および両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合レンズにより構成されている。平凹レンズL7は物体側に略平面を配置している。第5群G5は全体として正パワーを有している。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系20によれば、第1群G1においては、平凸レンズL1の屈折率を第1の実施形態に係る液浸対物光学系1より大きくして、像面側の凸面の曲率半径を大きくするとともに、平凸レンズL1自体の厚さも厚くすることができる。これによりレンズの加工性が第1の実施形態より良くなり、製造コストを低減することができる。
また、第1の実施形態と比較して、平凸レンズL1の屈折率を高くしたことにより非点収差の発生を小さくすることができる。このため、第1の実施形態に係る液浸対物光学系1より広い観察範囲を確保することができる。さらに、平凸レンズL1の水や生体に対する耐性が高くない場合に、耐性がよいP1を先端に接合することで平凸レンズL1を保護することができる。
また、第5群においては、第4群の両凸レンズL6を通過した後にほぼ平行光になった光束を平凸レンズL9、および両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合レンズによって収束させる。また、平凹レンズL7と平凸レンズL8との接合面において、第4群G4で発生する球面収差、軸上色収差、コマ収差を補正することができる。さらに、両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合面において非点収差を補正することができる。
その他のレンズ群G2〜G4の作用は第1の実施形態と同じである。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系20によれば、第1の実施形態に係る液浸対物光学系1と同様に、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した対物光学系を実現することができる。特に、上記条件式(1)〜(9)を満足することが好ましい。
また、本実施形態に係る液浸対物光学系20も、第1の実施形態と同様に、レーザ走査共焦点光学システム2に接続可能である。
次に、本発明の第3の実施形態に係る液浸対物光学系30について、図4を参照して説明する。
本実施形態に係る液浸対物光学系30も、図4に示されるように、物体側から順に、正パワーの第1群G1、正パワーの第2群G2、負パワーの第3群G3、正パワーの第4群G4および正パワーの第5群G5により構成されている点は第1および第2の実施形態と同様である。本実施形態に係る液浸対物光学系30は、各レンズ群の構成要素において相違し、作動距離を長くしている点において、第1および第2の実施形態と相違している。
前記第1群G1は、平行平板P1と平凸レンズL1とを接合した接合レンズにより構成されている。平凸レンズL1は像面側に凸面を向けて配置されている。第1群G1は全体として正パワーを持っている。
前記第2群G2は、両凸レンズL2と両凹レンズL3とを接合した接合レンズにより構成されている。両凸レンズL2は物体側に配置され、両凹レンズL3は像面側に配置され、物体側に凸面、像面側に凹面を向けて配置されている。
前記第3群G3は、両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズにより構成されている。第3群G3は全体として負パワーを持っている。
前記第4群G4は、両凸レンズL6により構成されている。
前記第5群G5は、負メニスカスレンズL7と平凸レンズL8との接合レンズ、平凸レンズL9、平行平板P2および両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合レンズにより構成されている。第5群G5は全体として正パワーを有している。また、両凸レンズL10は、全長を長く確保するために設けられている。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系30によれば、第2群G2において、両凸レンズL2の物体側の凸面によって光を屈折させて、両凸レンズL2の内部で光束の発散角を小さくし光線高が高くなるのを防止することができる。その結果、レンズ外径を小さくすることができる。
また、両凹レンズL3の像面側の凹面で光束を少し発散させて、両凸レンズL2で発生したコマ収差、軸上色収差を補正することができる。また、両凸レンズL2と両凹レンズL3とを接合したことにより、両凸レンズL2と両凹レンズL3との間に間隔管を設ける必要がなくなり部品点数が減らすことができるとともに、面間隔の誤差による球面収差の劣化を防止することができる。さらに、両凸レンズL2と両凹レンズL3との接合面の面精度公差を緩くしても収差への影響を小さくできる。したがって、レンズの面精度公差を緩くして製造コストを低減することができる。
また、第5群G5において、第4群の両凸レンズL6を通過した後にほぼ平行光になった光束を負メニスカスレンズL7と平凸レンズL8との接合レンズ、平凸レンズL9と平行平板P2との接合レンズおよび両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合レンズによって収束させることができる。
負メニスカスレンズL7と平凸レンズL8との接合面において、第4群G4で発生した球面収差、軸上色収差およびコマ収差を補正することができる。また、両凸レンズL10と両凹レンズL11との接合面において、非点収差を補正することができる。
その他のレンズ群G1,G3,G4の作用は第2の実施形態と同じである。
このように構成された本実施形態に係る液浸対物光学系30によれば、第1、第2の実施形態に係る液浸対物光学系1,20と同様に、外径が細く、全長が長く、色収差が良好に補正されていて、高開口数で、in vivo観察に適した対物光学系を実現することができる。特に、上記条件式(1)〜(9)を満足することが好ましい。
また、本実施形態に係る液浸対物光学系30も第1の実施形態と同様に、レーザ走査共焦点光学システム2に接続可能である。
[第1の実施例]
第1の実施形態に係る液浸対物光学系1の一実施例について、図1、図5および表1を参照して以下に説明する。
図1および表1において、符号rは曲率半径(mm)、符号dは面間隔(mm)、表1において、符号nはd線(587.56nm)の屈折率、符号νはアッベ数ν=(n−1)/(n−n)を示している。ここで、n、nは、それぞれF線,C線の屈折率である。
Figure 2006119300
また、図5の収差図の内、符号NAは像面側の開口数、符号yは像高を示し、符号Mはメリディオナル面、符号Sはサジタル面を示し、倍率色収差はd線(587.56nm)を基準としている。
また、C線の波長は656.27nm、d線の波長は587.56nm、e線の波長は546.07nm、F線の波長は486.13nm、g線の波長は435.84nmである。
レンズの直径は、平凸レンズL1が0.9mm、両凸レンズL2から両凹レンズL5までが1mm、両凸レンズL6から両凹レンズL11までが1.3mmであり、非常に小さな直径のレンズのみで構成されている。このため、本実施例の液浸対物光学系1は、マウスなどの小動物の体内の深部を低侵襲で観察するのに適した光学系である。
また、本実施例の液浸対物光学系1は、先端部から結像面の光学系の全長が10.44mmであり、液浸対物光学系1の後ろにリレーレンズやCCDを接続して、生体から少し離れたところで像を監視しても、リレーレンズやCCDが生体(の頭部等)に接触し難い構造となっている。
また、本実施例に係る液浸対物光学系1は、明るい蛍光像および高い分解能を得るために、液浸対物光学系1の物体側の開口数は0.5を確保している。また、軸上色収差および倍率色収差が良好に補正されているので、白色光観察や蛍光観察、特に、レーザ走査型共焦点顕微鏡の対物光学系として適した対物光学系である。
作動距離(WD)は0.098mmであり、液浸対物光学系の先端を生体に密着させることで、生体内部をブレなく観察可能である。
また、本実施例の液浸対物光学系1を図2に示されるレーザ走査型共焦点顕微鏡システムに接続することにより、対物光学系の後ろに瞳投影光学系や走査ユニットを接続しても、瞳投影光学系や走査ユニットを生体から離れた位置に接触することなく配置することができる。
[第2の実施例]
次に、第2の実施形態に係る液浸対物光学系20の一実施例について、図2、図6および表2を参照して以下に説明する。
図2および表2において、符号rは曲率半径(mm)、符号dは面間隔(mm)、表2において、符号nはd線(587.56nm)の屈折率、符号νはアッベ数ν=(n−1)/(n−n)を示している。ここで、n、nは、それぞれF線,C線の屈折率である。
Figure 2006119300
また、図6の収差図の内、符号NAは像面側の開口数、符号yは像高を示し、符号Mはメリディオナル面、符号Sはサジタル面を示し、倍率色収差はd線(587.56nm)を基準としている。
また、s線の波長は852.11nm、C線の波長は656.27nm、d線の波長は587.56nm、e線の波長は546.07nm、F線の波長は486.13nm、g線の波長は435.84nmである。
本実施例は、第1の実施例と比較して、色収差を可視光域から900nm付近の近赤外域まで補正し、さらに、観察範囲も第1の実施例より広い範囲を確保している。
レンズの直径は平行平板P1から両凹レンズL5までが1mm、両凸レンズL6から両凹レンズL11までが1.4mmであり、非常に小さい直径のレンズのみで構成されている。
このため、本実施例の液浸対物光学系20は、マウスなどの小動物の体内の深部を低侵襲で観察するのに適した光学系である。
また、本実施例の液浸対物光学系20は、先端部から結像面の光学系の全長が、11.55mmであり、液浸対物光学系20の後ろにリレーレンズやCCDを接続して、生体から少し離れたところで像を監視しても、リレーレンズやCCDが動物(の頭部など)と接触し難い構成になっている。
また、明るい蛍光像および高い分解能を得るために、液浸対物光学系20の物体側の開口数は0.5を確保している。
また、軸上色収差および倍率色収差が良好に補正されているので、白色光観察や蛍光観察、特に、レーザ走査型共焦点光学顕微鏡の液浸対物光学系20として適している。
さらに、生体内で散乱が小さい近赤外領域まで収差が補正されているために、組織表面から深いところを、より鮮明に観察できる光学系である。
また、本実施例も第1の実施例と同様に、レーザ走査共焦点光学システム2に接続可能である。
[第3の実施例]
次に、第3の実施形態に係る液浸対物光学系30の一実施例について、図3、図7および表3を参照して以下に説明する。
図3、図7および表3における符号は、第2の実施例と同じである。
本実施例は、第2の実施例と比較して、作動距離WDを長くしたものである。
Figure 2006119300
レンズの直径は平行平板P1から両凹レンズL5までが1mm、両凸レンズL6から両凹レンズL11までが1.4mmであり、非常に小さい直径のレンズのみで構成されている。
このため、本実施例の液浸対物光学系30は、マウスなどの小動物の体内の深部を低侵襲で観察するのに適した光学系である。
また、本実施例の液浸対物光学系30は、先端部から結像面の光学系の全長が、11.71mmであり、対物レンズの後ろにリレーレンズやCCDを接続して、生体から少し離れたところで像を監視しても、リレーレンズやCCDが動物(の頭部など)と接触し難い構成になっている。
また、明るい蛍光像および高い分解能を得るために液浸対物光学系20の物体側の開口数NAは0.5を確保している。
また、軸上色収差および倍率色収差が良好に補正されているので、白色光観察や蛍光観察、特にレーザ走査型共焦点光学顕微鏡の液浸対物光学系30として適している。
さらに、生体内で散乱が小さい近赤外領域まで収差が補正されているために、組織表面から深いところをより鮮明に観察できる光学系である。
また、作動距離WDは0.2mmであり、液浸対物光学系20の先端を生体組織に押し当てた場合でも、押し当てた生体組織表面からより深い場所を観察することが可能である。
本実施例も第1、第2の実施例と同様に、レーザ走査共焦点光学システム2に接続可能である。
表4に第1〜第3の実施例における条件式(1)〜(9)のデータを示す。
Figure 2006119300
なお、本発明(第1〜第3の実施形態全ての)の液浸対物光学系1,20,30にはイメージファイババンドル、CCDを接続して明視野観察を行うことも可能である。
そのときには、液浸対物光学系1,20,30のすぐ外側に照明用ファイバを設けて生体を照明したり、対物光学系の後ろ側にリレーレンズとハーフミラーを設けて照明光を液浸対物光学系1,20,30と同軸に入射させたりする方法などがある。
本発明の第1の実施形態に係る液浸対物光学系を示すレンズ配列である。 図1の液浸対物光学系を備えたレーザ走査型共焦点顕微鏡システムを示す全体構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る液浸対物光学系を示すレンズ配列である。 本発明の第3の実施形態に係る液浸対物光学系を示すレンズ配列である。 図1の液浸対物光学系の実施例による各収差を示す図である。 図3の液浸対物光学系の実施例による各収差を示す図である。 図4の液浸対物光学系の実施例による各収差を示す図である。
符号の説明
G1 第1群
G2 第2群
G3 第3群
G4 第4群
G5 第5群
L1 平凸レンズ
L2 両凸レンズ(レンズ)
L3 平凹レンズ(レンズ)
L4 両凸レンズ
L5 両凹レンズ
L6 両凸レンズ(正レンズ)
L7 負メニスカスレンズ(接合レンズ)
L8 両凸レンズ(接合レンズ)
L9 平凸レンズ
L10 平凸レンズ(接合レンズ)
L11 両凹レンズ(接合レンズ:負レンズ)
1,20,30 液浸対物光学系
β 液浸対物光学系の倍率
第3群G3の焦点距離
第5群G5の焦点距離
12 第1群G1と第2群G2を合わせた焦点距離
14 第1群G1から第4群G4までを合わせた焦点距離
ν、ν、ν 各々、レンズL3〜レンズL5のd線に対するアッベ数
、n、n、n、n 各々、レンズL3〜L8のd線に対する屈折率
3I レンズL3の像面側の曲率半径
4O、R45 各々、両凸レンズL4の物体側、両凸レンズL4と両凹レンズL5の接合面の曲率半径
5I レンズL5の像面側の曲率半径
78 レンズL7とレンズL8との接合面の曲率半径

Claims (7)

  1. 物体側から順に、正パワーの第1群、正パワーの第2群、負パワーの第3群、正パワーの第4群、正パワーの第5群で構成され、
    前記第1群は、像面側に凸面を向けた平凸レンズL1を含み、かつ、最も物体側の面が略平面であり、
    前記第2群は、該第2群の最も物体側の面が物体側に凸面を向けたレンズL2と、該第2群の最も像面側の面が像面側に凹面を向けたレンズL3とを含み、
    前記第3群は、物体側から両凸レンズL4と両凹レンズL5とを接合した接合レンズを含み、
    前記第4群は、物体側に凸面を向けた正レンズL6を含み、
    前記第5群は、少なくとも1つの接合レンズを含む液浸対物光学系。
  2. 以下の条件式(1)を満足する請求項1に記載の液浸対物光学系。
    (1) 0.03<|F12/F|<0.13
    ただし、
    :第3群の焦点距離
    12:第1群から第2群までを合わせた焦点距離
    である。
  3. 以下の条件式(2)を満足する請求項1または請求項2に記載の液浸対物光学系。
    (2) 0.8<|β・F14/F|<1.2
    ただし、
    β :液浸対物光学系の倍率、
    14:第1群から第4群までを合わせた焦点距離、
    :第5群の焦点距離
    である。
  4. 以下の条件式(3)、(4)、(5)を満足する請求項1から請求項3のいずれかに記載の液浸対物光学系。
    (3) ν−ν>40
    (4) 0.12<n−n<0.22
    (5) 1.4<|R4O/R45|<1.9
    ただし、
    ν、ν: 各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対するアッベ数、
    、n: 各々、両凸レンズL4、両凹レンズL5のd線に対する屈折率、
    4O、R45:各々、両凸レンズL4の物体側、両凸レンズL4と両凹レンズL5の接合面の曲率半径である。
  5. 以下の条件式(6)、(7)、(8)を満足する請求項1から請求項4のいずれかに記載の液浸対物光学系。
    (6) n<1.65
    (7) ν<50
    (8) 3<|R3I/F12|<5
    ただし、
    :レンズL3のd線に対する屈折率、
    ν:レンズL3のd線に対するアッベ数、
    3I:レンズL3の像面側の曲率半径、
    12:第1群と第2群を合わせた焦点距離
    である。
  6. 前記第5群の内、最も物体側のレンズが、負レンズL7と正レンズL8とを接合した接合レンズであり、以下の条件式(9)を満足する請求項1から請求項5のいずれかに記載の液浸対物光学系。
    (9) 0.2<F14 ・{(n−1)/R5I +(n−n)/R78 }<0.4
    ただし、
    14: 第1群から第4群までを合わせた焦点距離、
    、n、n:各々、レンズL5、レンズL7、レンズL8のd線に対する屈折率、
    5I、R78: レンズL5の像面側の曲率半径、レンズL7とレンズL8との接合面の曲率半径である。
  7. 前記第5群が、物体側から、最も物体側にある負レンズL7と正レンズL8とを接合した接合レンズ、正レンズL9、正レンズL10と像面側に凹面を向けた負レンズL11とを接合した接合レンズを含んでいる請求項1から請求項6のいずれかに記載の液浸対物光学系。
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