JP2011070025A - 対物光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】細径を維持したまま視野を広げかつ像面湾曲を抑えて、精度良い観察を行う。
【解決手段】物体側から順に、正屈折力の第1群G、正屈折力の第2群G、負屈折力の第3群G、正屈折力の第4群Gおよび第5群Gを備え、第4群よりも像側に中間結像面が配置され、第1群が、最も物体側に略平面のレンズ面を有し像側に凸面を向けた凸レンズを含み、第2群が、最も物体側に凸面のレンズ面を物体側に向けたレンズを含み、第3群が、最も像側に凹面のレンズ面を像側に向けたレンズを含み、第4群が、最も物体側のレンズの凸面からなる像側レンズ面を像側に向け、かつ最も像側のレンズの凸面からなる物体側レンズ面を物体側に向けたレンズを含み、第5群が、中間結像面に最も近い面が中間結像面に凹面を向けたレンズを含み、以下の条件式(1)を満足する対物光学系1を提供する。
(1) 0.28<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
【選択図】図1

Description

本発明は、対物光学系に関するものである。
従来、対物光学系を用いた顕微鏡的観察が普及しており、例えば、培養状態の生物の細胞や組織内の生体関連分子の振る舞いなどを画像観察するために、特定の分子や組織、細胞などに色素や蛍光マーカーをつけて、これを蛍光顕微鏡や共焦点レーザー走査顕微鏡などで観察する方法が知られている。近年、マウスなどの哺乳類の生物個体が生きた状態での分子の振る舞いは培養細胞とは異なる場合が有るため、生物個体が生きたまま(in vivo)でも生体組織や細胞内の生体関連分子を観察できるin vivoイメージング技術が各種提案されている。さらに、生物個体を低侵襲に観察する目的から、細径の光学系で構成される対物レンズを顕微鏡の対物レンズとして採用し、生物個体に直接挿し込むことにより、生物個体を低侵襲に観察できる顕微鏡が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−119300号公報
しかしながら、この特許文献1に開示されているような従来の対物光学系は、マウスの脳などの比較的小さな臓器や侵襲によるダメージを受け易い生体部位の深部を観察する場合には、対物光学系の侵入部分をできるだけ細く設計する必要が有るが、対物レンズの先端径を細くすればするほど、視野範囲(FOV)が狭くなるという不都合がある。
実験小動物を始めとする哺乳類の細胞、筋肉等の生体組織、あるいは、心臓、肝臓等の各種臓器、特に脳組織を生きたままの状態で、比較的長期間にわたって低侵襲に顕微観察するためには、さらに先端径を細くしなければならない。しかし、従来の細径の対物レンズをさらに細くしようとすると、球面収差や像面湾曲などの緒収差が発生し易くなり、顕微観察する際に不都合が生じることとなる。このことは、従来の細径の対物レンズについて、より広い視野範囲で観察しようとする場合にも同様の不都合をもたらす。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、物体側の開口数をなるべく落とさずに、かつ、像面湾曲を抑えて、精度良い観察を行うことができる対物光学系を提供することを目的としている。また、本発明は、物体側の開口数をそれほど落とさずに、像面湾曲を抑えたまま更なる先端細径化および/または広視野化を実現できる対物光学系を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、物体側から順に、正屈折力の第1群、正屈折力の第2群、負屈折力の第3群、正屈折力の第4群、中間結像面、第5群、そして正屈折力の第6群で構成され、前記第1群は最も物体側のレンズ面が略平面であり、更に像側に凸面を向けた凸レンズを含み、前記第2群は最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、前記第3群は最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けているレンズを含み、前記第4群は最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けており、かつ最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、前記第5群は前記中間結像面に最も近い面が前記中間結像面に凹面を向けたレンズを含み、前記第6群は凸レンズと凹レンズが接合され、かつ前記接合面が負屈折力である接合レンズを含み、無限遠設計で前記第4群と前記第5群との間に中間結像面を持ち、像側射出瞳位置が対物光学系の最も像側に位置するレンズ面よりも像側に位置することを特徴とする対物光学系を提供する。
この発明によれば、正屈折力の第1群において、最も物体側が略平面となることにより、液浸観察において標本と対物光学系との間に気泡が入らないようにすることができる。また、像側に凸面を向けた凸レンズを含むことにより、アプラナティック条件に近くして、球面収差とコマ収差の発生を抑えつつ、標本からの発散光の発散を緩和させることができる。
正屈折力の第2群において、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けることにより、球面収差やコマ収差が大きく発生するが、光束の発散を小さくして第2群以降で光線高が高くなるのを防ぐことができ、レンズ外径を小さくすることができる。
負屈折力の第3群において、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けていることによって、第3群内での光線高を高くすることなく、ペッツバール和を小さくすることができ像面湾曲や球面収差を補正することができる。
正屈折力の第4群においては、最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けていることで、アプラナティック条件に近くし、第3群からの発散光を球面収差とコマ収差の発生を大きくすることなく、略収斂光にすることができる。さらに最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けることで、アプラナティック条件に近くし、球面収差とコマ収差の発生を大きくすることなく収斂光にすることができる。
第5群において、中間結像面に近い位置に、凹面を配置することにより、中間結像位置からの光を、その発散を比較的大きくすることなくペッツバール和を小さくすることができる。このとき、中間結像面の物体側に配置される第4群の中間結像位置に最も近いレンズ面を凹面としてペッツバール和を小さくした場合、中間結像面からの発散光を凹面で更に発散させるため、先端レンズ径が大きくなってしまう。この発散光の広がりを抑制するために、より強い正屈折力で発散を抑制すると、球面収差が発生するなどするため不都合である。
また、中間結像面に対して、より像側に凹面を配置することにより、ペッツバール和を小さくし像面湾曲の発生を抑えると共に、主光線の集光角度を緩和させることができるため、像側の射出瞳位置を前記対物光学系の最も像側に位置するレンズ面よりも像側に位置させることが可能となり、本対物光学系の像側にリレー光学系を配置することが光学的に容易になる。
上記発明においては、前記中間結像面は、前記第4群と前記第5群との間に配置されている。
このようにすることで、第5群を構成するレンズの外径を大きくしても、第1群から中間結像面までの外径寸法を抑えて、外径がさらに細い対物光学系を提供することができる。
正屈折力の第6群において、発散光を平行光に変換するために全体として正屈折力を持たせると共に、負屈折力の接合面を持つ接合レンズを含むことによって、第1群から第4群で補正しきれなかった球面収差、色収差などを補正することができる。
また、上記発明においては、条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)は、視野範囲を広くしたことにより像面湾曲が発生し、その像面湾曲を補正するために、本発明の対物光学系の物体側視野範囲FOVと、第5群の中間結像面に凹面を向けた中間結像面に最も近いレンズ面の曲率半径の大きさRと、第5群の中間結像面に最も近いレンズ面と中間結像面との距離tと、中間結像面での焦点深度Depとの最適な関係を規定している。
条件式(1)が0.28を下回ると、tが短くなる。tが小さいと光線高が低い位置で光線を曲げるために曲率半径Rを小さくしなければならず、Rを小さくすると、像面湾曲が補正過剰となるため不都合である。また、視野範囲FOVが大きくなると像面湾曲の補正が困難になるため不都合である。
逆に、条件式(1)が0.55を上回ると、tが長くなる。すると、逆に曲率半径Rが大きくなり、像面湾曲を補正することができず不都合である。
さらには、式(1)は収差補正上、以下の範囲に入るのがより好ましい。
0.4 < (t・R)/(Dep・FOV) < 0.55
よって、このように構成された本発明によれば、外径が細く、視野範囲が広く、諸収差が良好に補正されていて、2光子励起にも使用可能な高開口数でin vivo観察に適した対物光学系を提供することができる。
また、上記発明においては、以下の条件式(2)から(6)を満足することが好ましい。
(2) 0.37<F12/(t13・NA)<0.45
(3) 2.0<φ/φ12<2.5
(4) 1.75<n12<1.90
(5) 0.27<Δn<0.45
(6) 30<Δν<55
ただし、
12:第1群から第2群までを合わせた焦点距離
13:物体面から第3群の像側面までの光軸距離
NA:物体側開口数
φ:第6群のレンズのうち最も大きなレンズ径
φ12:第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径
12:第1群と第2群のレンズのうち最も大きな屈折率(d線)
Δn:第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)
Δν:第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)
条件式(2)は、先端径を細くしたことにより、収差補正上好ましい、第1群から第2群までを合わせた焦点距離F12、物体面から第3群の最も像側面までの光軸距離t13と物体側開口数NAとの関係を規定している。
条件式(2)が0.37を下回ると第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が小さくなり、第1群と第2群の屈折力が強くなるため、球面収差が大きく発生し、その補正が困難になる。また、物体側開口数NAが大きくなるために、球面収差などが大きく発生し、その補正が困難になる。
逆に、条件式(2)が0.45を上回ると、第1群から第2群を合わせた焦点距離F12が大きくなり屈折力が小さくなる。その結果、球面収差が補正過剰になるなどの不都合が生じる。もしくは、物体側開口数NAが小さくなるため、球面収差などの収差が補正過剰になり不都合である。
条件式(3)は、標本面に在る物体に対するFOVと開口数の両方を大きくした場合に収差を良好に保ちながら出来るだけ細長い光学系を実現するための条件に関する。即ち、標本面に在る物体に対するFOVと開口数の両方を大きくした場合、標本面からの発散光はより広がり易い光束になるために、そのままでは像側の光学系が太径になってしまうので、逆に略収斂光となるような強いパワー光学系を採用するようにした。このとき、最も物体に近いレンズで広がりの大きい光束を形成した直後に、2番目に物体に近いレンズで収斂する方向に急激に光束を狭めていることになる。この急激な発散角の変更に伴い、先端細径部分では比較的大きい収差(主に球面収差)が発生する問題が新たに生じる。そのため、本発明では、先端で発生した収差を第6群の光束径を大きくして補正することとし、その為の、第1,2群で最も小さなレンズ外径に対する第6群で最も大きなレンズ外径の関係を、条件式(3)は規定している。本発明では、条件式(3)を満たすように、第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径に対する、第6群のレンズのうち最も大きなレンズ径の比を、2.0から2.5と規定したことにより、標本面からの発散光が広がらずに収斂させることができ、細長い形状を維持しながら各種の収差を充分に補正できるようになる。
条件式(3)が2.0を下回ると、第6群のレンズのうち最も大きなレンズ径φが小さくなるため、第1群から第4群で発生した球面収差などをはじめとする諸収差の第6群での補正が困難になる。
逆に、条件式(3)が2.5を上回ると、第6群のレンズのうち最も大きなレンズ径φが大きくなり、第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径φ12が小さくなるため、第1群から第4群で発生した球面収差などをはじめとする諸収差の第6群での補正が過剰となる。
条件式(4)は、先端径を細くするために先端部分の第1群と第2群の屈折力を強くしなければならないが、収差補正上、第1群と第2群のレンズの中で最も大きな屈折率を最適に設定するのが好ましい。
条件式(4)が1.75を下回ると、第1、2群の曲率半径が小さくなるため、球面収差が補正不足となるとともに、像面湾曲が発生するため不都合である。
逆に条件式(4)が1.90を上回ると、第1、2群の曲率半径が大きくなるため、球面収差の補正が過剰になるとともに、像面湾曲が補正過剰となるため不都合である。
条件式(5)は、第5群までで発生した球面収差などの緒収差を補正するために、第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)Δnについて規定している。
条件式(5)が0.27を下回ると、前記負屈折力の接合面での屈折率差が小さくなり第1群から第4群で発生した球面収差などの収差を補正することが困難になる。
逆に条件式(5)が0.45を上回ると、前記負屈折力の接合面での屈折率差が大きくなり、収差が補正過剰になる、もしくは光線高が大きくなるなどの不都合が生じる。
条件式(6)は、第5群までで発生した色収差を補正するために、第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)Δνについて規定している。
条件式(6)が30を下回ると、色収差が補正不足になる。
逆に条件式(6)が55を上回ると、色収差の補正が過剰になるため、不都合である。
また、上記発明においては、前記第1〜3群を収容するほぼ単一径の外筒を有していてもよい。
また、上記発明においては、前記外筒の平均内径が1mm以下であってもよい。
また、上記発明においては、前記外筒の外径と長さとの寸法比率が10倍以上であってもよい。
また、上記発明においては、前記外筒が、外径約1.8mm以内、長さ約20mm以上であってもよい。
また、上記発明においては、物体側視野範囲が0.25以上で、かつ、物体側開口数が0.35以上であることが好ましい。
本発明によれば、細径を維持したまま視野を広げることができ、像面湾曲を抑えて、かつ、高開口数で、精度良い観察を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、像面湾曲を抑えたまま更なる先端細径化および/または広視野化を実現し、高開口数で、精度良い観察が可能になるという効果も奏する。
本発明の第1の実施形態に係る対物光学系の構成図である。 図1の対物光学系を示す外筒を含む構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る対物光学系の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る対物光学系の構成図である。 図1の対物光学系の一実施例の収差図であり、(a)球面収差,(b)正弦条件違反量,(c)非点収差と像面湾曲,(d)歪曲収差をそれぞれ示している。 図3の対物光学系の一実施例の収差図であり、(a)球面収差,(b)正弦条件違反量,(c)非点収差と像面湾曲,(d)歪曲収差をそれぞれ示している。 図4の対物光学系の一実施例の収差図であり、(a)球面収差,(b)正弦条件違反量,(c)非点収差と像面湾曲,(d)歪曲収差をそれぞれ示している。 結像レンズの一例を示す構成図である。
本発明の第1の実施形態に係る対物光学系1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る対物光学系1は、液浸対物光学系であって、図1および図2に示されるように、無限遠設計で中間結像面を有している。
この対物光学系1は、最も物体側に配置された物体側のレンズ面が略平面であるレンズと、像側に凸面を向けた凸レンズを含む正屈折力の第1レンズ群(第1群)Gと、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第2レンズ群(第2群)Gと、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けている負屈折力の第3レンズ群(第3群)Gと、最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けており、さらに最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第4レンズ群(第4群)G、中間結像面に最も近い面が中間結像面に凹面を向けている第5レンズ群(第5群)Gと、負屈折力の接合面を持つ凸レンズと凹レンズとの接合レンズを含む正屈折力の第6レンズ群(第6群)Gと、第4レンズ群Gと第5レンズ群Gとの間に配置された中間結像面とを備えている。
さらに具体的には、第1レンズ群Gは、平行平板からなる第1レンズLと像面側に凸面を向けd線の屈折率が1.883である平凸レンズからなる第2レンズLとを備え、正屈折力を有している。
第2レンズ群Gは、物体側の面が物体側に凸面を向いている凸レンズからなる第3レンズLと凹レンズからなる第4レンズLとを接合した接合レンズを備え、正屈折力を有している。
第3レンズ群Gは、両凸レンズからなる第5レンズLと像側の面が像面側に凹面を向けている両凹レンズからなる第6レンズLとを接合した接合レンズを備え、負屈折力を有している。
第4レンズ群Gは、最も物体側に配置された両凸レンズからなる第7レンズLの像側レンズ面が像側に凸面が向いており、最も像側に配置された平凸レンズからなる第8レンズLの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けており、全体として正屈折力を有している。
第5レンズ群Gは、中間結像面に最も近いレンズ面が前記中間結像面に凹面を向けているメニスカスレンズからなる第9レンズLを有している。
第6レンズ群Gは、両凸レンズからなる第10レンズL10と両凹レンズからなる第11レンズL11とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズと、両凸レンズからなる第12レンズL12とを備え、正屈折力を有している。
そして、像側の射出瞳の位置は第12レンズL12から3.29mm像側に配置されている。
本実施形態においては、各レンズが以下の条件式(1)〜(6)を満たすように構成されている。
(1) 0.28<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
(2) 0.37<F12/(t13・NA)<0.45
(3) 2.0<φ/φ12<2.5
(4) 1.75<n12<1.90
(5) 0.27<Δn<0.45
(6) 30<Δν<55
ここで、F12は第1レンズ群Gから第2レンズ群Gまでを合わせた焦点距離、t13は物体面から第3レンズ群Gの最も像側面までの光軸距離、NAは対物光学系1の物体側開口数、tは中間結像面から第5レンズ群Gの最も中間結像面に近い面までの距離、Rは第5レンズ群Gの中間結像面に最も近い面の曲率半径、Depは中間結像面での片側焦点深度で、以下の式で定義される。
Dep = λ/(NA/β)
ここで、λはd線(587.6nm)の波長、βは物体面から中間結像面までの倍率である。
FOVは本液浸対物光学系の物体側視野範囲、φは第6レンズ群Gのレンズのうち最も大きなレンズ径、φ12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も小さなレンズ径、n12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も大きな屈折率(d線)、Δnは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)、Δνは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)である。
条件式(1)は、視野範囲を広くしたことにより像面湾曲が発生し、その像面湾曲を補正するために、本発明の対物光学系の物体側視野範囲FOVと、第5レンズ群Gの中間結像面に凹面を向けた中間結像面に最も近いレンズ面の曲率半径の大きさRと、第5レンズ群Gの中間結像面に最も近いレンズ面と中間結像面との距離tと、中間結像面での焦点深度Depとの最適な関係を規定している。
条件式(1)が0.28を下回ると、tが短くなる。tが小さいと光線高が低い位置で光線を曲げるために曲率半径Rを小さくしなければならず、Rを小さくすると、像面湾曲が補正過剰となるため不都合である。また、視野範囲FOVが大きくなると像面湾曲の補正が困難になるため不都合である。
逆に、条件式(1)が0.55を上回ると、tが長くなる。すると、逆に曲率半径Rが大きくなり、像面湾曲を補正することができず不都合である。
さらには、式(1)は収差補正上、以下の範囲に入るのがより好ましい。
0.4<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
したがって、この条件式(1)を満たすことにより、外径が細く、視野範囲が広く、諸収差が良好に補正されていて、2光子励起にも使用可能な高開口数でin vivo観察に適した対物光学系を提供することができる。
条件式(2)は、先端径を細くしたことにより、収差補正上好ましい、第1レンズ群Gから第2レンズ群Gまでを合わせた焦点距離F12、物体面から第3レンズ群Gの最も像側面までの光軸距離t13と物体側開口数NAとの関係を規定している。
条件式(2)が0.37を下回ると第1レンズ群Gから第2レンズ群Gを合わせた焦点距離F12が小さくなり、第1レンズ群Gと第2レンズ群Gの屈折力が強くなるため、球面収差が大きく発生し、その補正が困難になる。また、物体側開口数NAが大きくなるために、球面収差などが大きく発生し、その補正が困難になる。
逆に、条件式(2)が0.45を上回ると、第1レンズ群Gから第2レンズ群Gを合わせた焦点距離F12が大きくなり屈折力が小さくなる。その結果、球面収差が補正過剰になるなどの不都合が生じる。もしくは、物体側開口数NAが小さくなるため、球面収差などの収差が補正過剰になり不都合である。
条件式(3)は、先端径を細くするために標本面からの発散光があまり広がらないうちに略収斂光にしなければならず、先端細径部分での収差(主に球面収差)の発生が大きい。そのため、先端で発生した収差を第6レンズ群Gの光束径を大きくして補正する必要がある。その為、第1,2群で最も小さなレンズ外径と、第6レンズ群Gで最も大きなレンズ外径との関係を規定している。
条件式(3)が2.0を下回ると、第6レンズ群Gのレンズのうち最も大きなレンズ径φが小さくなるため、第1レンズ群Gから第4レンズ群Gで発生した球面収差などをはじめとする諸収差の第6レンズ群Gでの補正が困難になる。
逆に、条件式(3)が2.5を上回ると、第6レンズ群Gのレンズのうち最も大きなレンズ径φが大きくなり、第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も小さなレンズ径φ12が小さくなるため、第1レンズ群Gから第4レンズ群Gで発生した球面収差などをはじめとする諸収差の第6レンズ群Gでの補正が過剰となる。
条件式(4)は、先端径を細くするために先端部分の第1レンズ群Gと第2レンズ群Gの屈折力を強くしなければならないが、収差補正上、第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズの中で最も大きな屈折率を最適に設定するのが好ましい。
条件式(4)が1.75を下回ると、第1、2レンズ群G,Gの曲率半径が小さくなるため、球面収差が補正不足となるとともに、像面湾曲が発生するため不都合である。
逆に条件式(4)が1.90を上回ると、第1、2レンズ群G,Gの曲率半径が大きくなるため、球面収差の補正が過剰になるとともに、像面湾曲が補正過剰となるため不都合である。
条件式(5)は、第5レンズ群Gまでで発生した球面収差などの緒収差を補正するために、第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)Δnについて規定している。
条件式(5)が0.27を下回ると、前記負屈折力の接合面での屈折率差が小さくなり第1レンズ群Gから第4レンズ群Gで発生した球面収差などの収差を補正することが困難になる。
逆に条件式(5)が0.45を上回ると、前記負屈折力の接合面での屈折率差が大きくなり、収差が補正過剰になる、もしくは光線高が大きくなるなどの不都合が生じる。
条件式(6)は、第5レンズ群Gまでで発生した色収差を補正するために、第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)Δνについて規定している。
条件式(6)が30を下回ると、色収差が補正不足になる。
逆に条件式(6)が55を上回ると、色収差の補正が過剰になるため、不都合である。
したがって、これら条件式(2)〜(6)を満たすことにより、各レンズ群において発生した球面収差、像面湾曲及び色収差等の諸収差を適正に補正することができる。
表1に本実施形態に係る対物光学系1の一実施例のレンズデータを示し、図1に本実施例の光路図、図5に収差図を示す。
Figure 2011070025
本実施例において、条件式(1)〜(6)における各値は以下の通りである。
12=0.63
13=3.87
NA=0.38
φ12=0.8
φ=1.8
=2.0
=3.423
Dep=54.7
β=3.67
FOV=0.3
よって、
(1)(t・R)/(Dep・FOV)=0.42
(2)F12/(t13・NA)=0.43
(3)φ/φ12=2.3
(4)n12=1.88
(5)Δn=0.44
(6)Δν=54.1
となる。
本実施例に係る対物光学系1においては、図2に示されるように、レンズL〜Lまでのレンズ直径は最大0.8mm(有効径は0.6mm)、レンズL〜Lのレンズ直径は最大1.2mm(有効径は1.0mm)、レンズL〜L13のレンズ直径は最大1.8mm(有効径は1.6mm)であり、レンズL〜Lまでの先端部分は非常に小さい径のレンズのみで構成されている。このため、これらレンズL〜L12、特に、第1〜第3レンズ群G〜GのレンズL〜Lを収容する外筒11を極めて細く構成することができ、マウスなどの実験小動物の体内奥深くの広い範囲を低侵襲で比較的長期間に渡ってin vivo観察するのに適している。また、上記発明においては、前記外筒の平均内径が1mm以下であってもよい。ここにおいて、本発明の対物光学系を保持する外筒は従来に比べて非常に細長く、例えば、外径が約2mm以内(レンズ直径は1.8mm以内)で、かつ長さが約20mm以上(表では22.53mm)であり得る。つまり、本発明は、対物光学系が光軸に沿って直列的に配置する部分についての外径と長さとの寸法比率が10倍以上であるような細長い形状において、従来よりも視野範囲が広い対物レンズを提供できる。このことは、前記寸法比率が要求されるような観察フィールド内の対象に最も有利な顕微鏡観察を実行できる。また、外筒の有無に関係なく、前記寸法比率の配置スペースのみ許容されるような任意の小型装置に適用するのに適している。
また、本実施例は可視光だけでなく、近赤外域まで収差を良好に補正しており、近赤外光を用いて試料の表面だけでなく比較的散乱の影響を受けずに生体内部を観察することができる。さらに、物体側開口数を比較的大きくしているため多光子励起にも使用することができる。さらに、本発明では、In vivo観察に要求される、大きいFOV(広視野)と、高い開口数(高解像)の全てを満足する。本発明を採用した対物光学系は、例えば、0.25以上の物体側視野範囲と、0.35以上の物体側開口数と、0.9mm以下の先端レンズ径を有するとともに、先端からのレンズ鏡筒が略1mm以下の外径をする。
表中の記号については、r:曲率半径,d:面間隔,nd:屈折率(d線),νd:アッベ数(d線)となっており、長さの単位はmmである。
次に、本発明の第2の実施形態に係る対物光学系2について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る対物光学系2は、図3に示されるように、無限遠設計で中間結像面を有している。
この対物光学系2は、最も物体側に配置されたレンズの物体側のレンズ面が略平面であるレンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズを含む正屈折力の第1レンズ群Gと、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第2レンズ群Gと、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けている負屈折力の第3レンズ群Gと、最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けており、さらに最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けた正屈折力の第4レンズ群Gと、中間結像面に最も近い面が中間結像面に凹面を向けている第5レンズ群Gと、負屈折力の接合面を持つ凸レンズと凹レンズとの接合レンズを含む正屈折力の第6レンズ群Gとを備え、第4レンズ群Gと第5レンズ群Gとの間に中間結像面が配置されている。
さらに具体的には、第1レンズ群Gは、平行平板からなる第1レンズLと、像面側に凸面を向けd線の屈折率が1.883である平凸レンズからなる第2レンズLとを備え、正屈折力を有している。
第2レンズ群Gは、物体側の面が物体側に凸面を向いている両凸レンズからなる第3レンズLと、平凸レンズからなる第4レンズLとを接合した接合レンズを備え、正屈折力を有している。
第3レンズ群Gは、両凸レンズからなる第5レンズLと像側の面が像面側に凹面を向けている両凹レンズからなる第6レンズLとを接合した接合レンズを備え、負屈折力を有している。
第4レンズ群Gは、最も物体側に配置された両凸レンズからなり、像側レンズ面が像側に凸面を向けた第7レンズLと、第8レンズLと第9レンズLとを接合し物体側レンズ面が物体側に凸面を向けた接合レンズと、最も像側に配置された第10レンズL10と第11レンズL11とを接合し物体側レンズ面が物体側に凸面を向けた接合レンズとを備え、全体として正屈折力を有している。
第5レンズ群Gは、中間結像面に最も近いレンズ面が前記中間結像面に凹面を向けているメニスカスレンズからなる第12レンズL12を有している。
第6レンズ群Gは、両凸レンズからなる第13レンズL13と両凹レンズからなる第14レンズL14とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズと、両凸レンズからなる第15レンズL15とを備え、正屈折力を有している。
像側の射出瞳の位置は第15レンズL15から像側3.56mmの位置に配置されている。
本実施形態においては、各レンズが以下の条件式(1)〜(6)を満たすように構成されている。
(1)0.28<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
(2)0.37<F12/(t13・NA)<0.45
(3)2.0<φ/φ12<2.5
(4)1.75<n12<1.90
(5)0.27<Δn<0.45
(6)30<Δν<55
ここで、F12は第1レンズ群Gから第2レンズ群Gまでを合わせた焦点距離、t13は物体面から第3レンズ群Gの最も像側面までの光軸距離、そして、NAは物体側開口数、tは中間結像面から第5レンズ群Gの最も中間結像面に近い面までの距離、Rは第5レンズ群Gの中間結像面に最も近い面の曲率半径、Depは中間結像面での片側焦点深度で、以下の式で定義される。
Dep = λ/(NA/β)
ここで、λはd線(587.6nm)の波長、βは物体面から中間結像面までの倍率である。
FOVは物体側視野範囲、φは第6レンズ群Gのレンズのうち最も大きなレンズ径、φ12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も小さなレンズ径、n12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も大きな屈折率(d線)、Δnは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)、Δνは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)である。
表2に本実施形態に係る対物光学系1の一実施例のレンズデータを示し、図3に本実施例の光路図、図6に収差図を示す。
Figure 2011070025
本実施例において、条件式(1)〜(6)における各値は以下の通りである。
12=0.56
13=3.66
NA=0.38
φ12=0.8
φ=1.8
=2.1
=4.901
Dep=64.7
β=3.99
FOV=0.3
よって、
(1)(t・R)/(Dep・FOV)=0.53
(2)F12/(t13・NA)=0.4
(3)φ/φ12=2.3
(4)n12=1.88
(5)Δn=0.44
(6)Δν=54.1
となる。
本実施例に係る対物光学系2は、基本的には第1の実施例とほぼ同じであるが、第1の実施例よりも球面収差、軸上色収差、コマ収差を補正し、軸上の結像性能をより良くした例である。
本実施例に係る対物光学系2においては、レンズL〜Lのレンズ直径は最大0.8mm、レンズL〜L11のレンズ直径は最大1.2mm、レンズL12〜L15のレンズ直径は最大1.8mmであり、レンズL〜Lの先端部分は非常に小さい径のレンズのみで構成されている。このため、マウスなどの実験小動物の体内奥深くの広い範囲を低侵襲で比較的長期間に渡ってin vivo観察するのに適している。
ここで、本発明の対物光学系を保持する外筒は従来に比べて非常に細長く、例えば、外径が約2mm以内(レンズ直径は1.8mm以内)で、かつ長さが約20mm以上(表では24.43mm)であり得る。つまり、本発明は、対物光学系が光軸に沿って直列的に配置する部分についての外径と長さとの寸法比率が10倍以上であるような細長い形状において、従来よりも視野範囲が広い対物光学系を提供することができる。このことは、上記寸法比率が要求されるような観察フィールド内の対象に最も有利な顕微鏡観察を実行することができる。また、外筒の有無に関係なく、上記寸法比率の配置スペースのみ許容されるような任意の小型装置に適用するのに適している。
また、本実施例は可視光はもちろんのこと近赤外域まで収差を補正しており、近赤外光を用いて試料の表面だけでなく比較的散乱の影響を受けずに生体内部を観察することができる。さらに、物体側開口数を比較的大きくしているため多光子励起にも使用することができる。
表中の記号については、r:曲率半径,d:面間隔,nd:屈折率(d線),νd:アッベ数(d線)となっており、長さの単位はmmである。
次に、本発明の第3の実施形態に係る対物光学系3について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る対物光学系3は、図4に示されるように、無限遠設計で中間結像面を有している。
本実施形態に係る対物光学系3は、最も物体側に配置されたレンズの物体側のレンズ面が略平面であるレンズと、像側に凸面を向けた平凸レンズとを含む正屈折力の第1レンズ群Gと、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けている正屈折力の第2レンズ群Gと、最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けている負屈折力の第3レンズ群Gと、最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けており、さらに最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けた正屈折力の第4レンズ群Gと、中間結像面に最も近い面が中間結像面に凹面を向けている第5レンズ群Gと、負屈折力の接合面を持つ凸レンズと凹レンズとの接合レンズを含む正屈折力の第6レンズ群Gとを備えている。
そして、第4レンズ群Gと第5レンズ群Gの間に中間結像面が配置されている。
さらに具体的には、第1レンズ群Gは、平行平板からなる第1レンズLと、像面側に凸面を向けd線の屈折率が1.773である平凸レンズからなる第2レンズLとを備え、正屈折力を有している。
第2レンズ群Gは、物体側の面が物体側に凸面を向いている両凸レンズからなる第3レンズLと平凸レンズからなる第4レンズLとを接合した接合レンズを備え、正屈折力を有している。
第3レンズ群Gは、両凸レンズからなる第5レンズLと像側の面が像面側に凹面を向けている両凹レンズからなる第6レンズLとを接合した接合レンズを備え、負屈折力を有している。
第4レンズ群Gは、最も物体側に配置された平凸レンズからなる第7レンズLの像側レンズ面が像側に凸面が向いており、最も像側に配置された平凸レンズからなる第8レンズLの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けており、全体として正屈折力を有している。
第5レンズ群Gは、中間結像面に最も近いレンズ面が前記中間結像面に凹面を向けているメニスカスレンズからなる第9レンズLを有している。
第6レンズ群Gは、両凸レンズからなる第10レンズL10と両凹レンズからなる第11レンズL11とを接合し接合面が負屈折力の接合レンズと、両凸レンズからなる第12レンズL12とを備え、正屈折力を有している。
そして、像側の射出瞳の位置は第12レンズL12から3.51mm像側に配置されている。
本実施形態においては、各レンズが以下の条件式(1)〜(6)を満たすように構成されている。
(1)0.28<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
(2)0.37<F12/(t13・NA)<0.45
(3)2.0<φ/φ12<2.5
(4)1.75<n12<1.90
(5)0.27<Δn<0.45
(6)30<Δν<55
ここで、F12は第1レンズ群Gから第2レンズ群Gまでを合わせた焦点距離、t13は物体面から第3レンズ群Gの最も像側面までの光軸距離、そして、NAは本対物光学系3の物体側開口数、tは中間結像面から第5レンズ群Gの最も中間結像面に近い面までの距離、Rは第5レンズ群Gの中間結像面に最も近い面の曲率半径、Depは中間結像面での片側焦点深度で、以下の式で定義される。
Dep=λ/(NA/β)
ここで、λはd線(587.6nm)の波長、βは物体面から中間結像面までの倍率である。
FOVは本対物光学系の物体側視野範囲、φは第6レンズ群Gのレンズのうち最も大きなレンズ径、φ12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も小さなレンズ径、n12は第1レンズ群Gと第2レンズ群Gのレンズのうち最も大きな屈折率(d線)、Δnは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)、Δνは第6レンズ群Gの負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)である。
表3に、本実施形態に係る対物光学系3の一実施例のレンズデータを示し、図4に本実施例の光路図、図7に収差図を示す。
Figure 2011070025
本実施例において、条件式(1)〜(6)における各値は以下の通りである。
12=0.55
13=3.68
NA=0.38
φ12=0.8
φ=1.8
=1.71
=2.989
Dep=56.9
β=3.74
FOV=0.3
よって、
(1)(t・R)/(Dep・FOV)=0.30
(2)F12/(t13・NA)=0.39
(3)φ/φ12=2.3
(4)n12=1.773
(5)Δn=0.276
(6)Δν=31.9
となる。
本実施例に係る対物光学系3は、基本的には第1の実施例とほぼ同じであるが、第1の実施例よりも歪曲収差を補正し、像の歪みを少なくした例である。本実施例に係る対物光学系3においては、レンズL〜Lまでのレンズ直径は最大0.8mm、レンズL〜Lのレンズ直径は最大1.4mm、レンズL〜L12のレンズ直径は最大1.8mmであり、レンズL〜Lまでの先端部分は非常に小さい径のレンズのみで構成されている。
このため、マウスなどの実験小動物の体内奥深くの広い範囲を像の歪みを少なく低侵襲に比較的長期間に渡ってin vivo観察するのに適している。
ここで、本発明の対物光学系を保持する外筒は従来に比べて非常に細長く、例えば、外径が約2mm以内(レンズ直径は1.8mm以内)で、かつ長さが約20mm以上(表では21.58mm)であり得る。つまり、本発明は、対物光学系が光軸に沿って直列的に配置する部分についての外径と長さとの寸法比率が10倍以上であるような細長い形状において、従来よりも視野範囲が広い対物光学系を提供することができる。このことは、上記寸法比率が要求されるような観察フィールド内の対象に最も有利な顕微鏡観察を実行することができる。また、外筒の有無に関係なく、上記寸法比率の配置スペースのみ許容されるような任意の小型装置に適用するのに適している。
また、本実施例は可視光はもちろんのこと近赤外域まで収差を補正しており、近赤外光を用いて試料の表面だけでなく比較的散乱の影響を受けずに生体内部を観察することができる。さらに、物体側開口数を比較的大きくしているため多光子励起にも使用することができる。
表中の記号については、r:曲率半径,d:面間隔,nd:屈折率(d線),νd:アッベ数(d線)となっており、長さの単位はmmである。
なお、実施例1〜3は、全て像側への射出光が平行光となるので、それ自体では結像しない。そこで、例えば、以下の表4に示すレンズデータを有し、図8にレンズ構成図を示す結像レンズなどと組み合わせて使用する。ここでも、結像光学系の作動距離に相当する6.1mmの長さ範囲にわたり、レンズの最大直径が1.8mm以内(有効径は1.6mm以内)と細径を維持できることから、対物光学系と結像光学系を合計した光学系の全長(上記実施例によれば、27.63〜30.53mm)について細径を維持することができることがわかる。このとき、イメージファイバ、CCDの受光面を第4の像面(結像面)に位置するように接続して観察することも可能である。なお、表4に示したレンズデータには像面に接するように反射を防ぐ平板ガラスを貼り付けた例を示してある。
Figure 2011070025
ここで、上述した各種実施例からもわかるように、本発明の対物光学系の射出瞳位置は、対物光学系の最も像側に位置するレンズ面よりも像側に位置していることにより、結像レンズの瞳位置が結像レンズ内に位置している場合であっても光学的に組み合わせることが比較的容易である。このように、本発明においては、レンズの凹面を1次像の後側に配置することによって像面湾曲を補正することができるとともに、対物光学系の先端をより細くすることが可能となる。さらに、主光線の光軸に対する角度(集光度合い)が緩和され、主光線と光軸の交わる点を像位置に近くすることができるので、射出瞳位置(像側瞳位置)をレンズの外に出すことができる。
表中の記号については、r:曲率半径,d:面間隔,nd:屈折率(d線),νd:アッベ数(d線)となっており、長さの単位はmmである。
以上、本発明を説明したが、上記の主旨において以下のような変更や応用も可能である。
(A) 上記実施形態においては、第4レンズ群Gと第5レンズ群Gとの間に中間結像面を配置した場合を例示したが、これに代えて、第5レンズ群Gと第6レンズ群Gとの間に中間結像面を配置してもよく、この場合には、第5レンズ群Gの凹面は像側の中間結像面に向けて配置することにすればよい。
(B) in vivo観察とは、生きた動植物の所定の観察部位を拡大観察するような顕微光学系であれば、いわゆる顕微鏡に限らず、内視鏡等にも適用できる。
(C) 液浸型とは、生体等に対し接近して顕微観察する際に、体液や培養液等の液体に対物光学系側の先端部が浸る状態で観察を行うような光学系を意味し、本発明はそのような液浸型の光学系にとくに適している。
(D) 細長い対物光学系の場合は、対物光学系の先端部分から像側に向けて外筒の径が増大しない形状なので、低侵襲のまま観察部位にアプローチすることが可能となり、観察対象(例えば生体)または観察対象に至る経路において損傷を最小限にしながら奥深い場所での観察を広視野で行うような任意の用途に適している。
(E) 分解能を下げずに低侵襲で深部を直接観察したい観察対象に対し、適用するのが容易である。
(F) 外観が筒状である観察用手段に限らず、細長いスペースでもって搭載するのが望ましい各種小型光学装置(例えば、カプセル内視鏡、超小型カメラ)に対し、本発明の対物光学系を配置することができる。
第1レンズ群(第1群)
第2レンズ群(第2群)
第3レンズ群(第3群)
第4レンズ群(第4群)
第5レンズ群(第5群)
第6レンズ群(第6群)
第1レンズ
第2レンズ
第3レンズ
第4レンズ
第5レンズ
第6レンズ
第7レンズ
第8レンズ
第9レンズ
10 第10レンズ
11 第11レンズ
12 第12レンズ
13 第13レンズ
14 第14レンズ
15 第15レンズ
13 物体面から第3レンズ群の像側面までの光軸距離
中間結像面から第5レンズ群の最も前記中間結像面に近い面までの距離

Claims (8)

  1. 物体側から順に、正屈折力の第1群、正屈折力の第2群、負屈折力の第3群、正屈折力の第4群、中間結像面、第5群、そして正屈折力の第6群で構成され、
    前記第1群は最も物体側のレンズ面が略平面であり、更に像側に凸面を向けた凸レンズを含み、
    前記第2群は最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、
    前記第3群は最も像側のレンズ面が像側に凹面を向けているレンズを含み、
    前記第4群は最も物体側に配置されたレンズの像側レンズ面が像側に凸面を向けており、かつ最も像側に配置されたレンズの物体側レンズ面が物体側に凸面を向けたレンズを含み、
    前記第5群は前記中間結像面に最も近い面が前記中間結像面に凹面を向けたレンズを含み、
    前記第6群は凸レンズと凹レンズが接合され、かつ前記接合面が負屈折力である接合レンズを含み、
    無限遠設計で前記第4群と前記第5群との間に中間結像面を持ち、像側射出瞳位置が対物光学系の最も像側に位置するレンズ面よりも像側に位置することを特徴とする対物光学系。
  2. 以下の条件式(1)を満足する請求項1に記載の対物光学系。
    (1) 0.28<(t・R)/(Dep・FOV)<0.55
    ただし、
    :中間結像面から第5群の最も前記中間結像面に近い面までの距離
    :第5群の前記中間結像面に最も近い面の曲率半径
    Dep:前記中間結像面での片側焦点深度であり、以下の式で定義される
    Dep=λ/(NA/β)
    ここで、λはd線(587.6nm)の波長、βは物体面から中間結像面までの倍率
    FOV:物体側視野範囲
  3. 以下の条件式(2)から(6)を満足する請求項1または請求項2に記載の対物光学系。
    (2) 0.37<F12/(t13・NA)<0.45
    (3) 2.0<φ/φ12<2.5
    (4) 1.75<n12<1.90
    (5) 0.27<Δn<0.45
    (6) 30<Δν<55
    ただし、
    12:第1群から第2群までを合わせた焦点距離
    13:物体面から第3群の像側面までの光軸距離
    NA:物体側開口数
    φ:第6群のレンズのうち最も大きなレンズ径
    φ12:第1群と第2群のレンズのうち最も小さなレンズ径
    12:第1群と第2群のレンズのうち最も大きな屈折率(d線)
    Δn:第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズの屈折率差(d線)
    Δν:第6群の負屈折力の接合面を持つ接合レンズのアッベ数差(d線)
  4. 前記第1〜3群を収容するほぼ単一径の外筒を有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の対物光学系。
  5. 前記外筒の平均内径が1mm以下である請求項4に記載の対物光学系。
  6. 前記外筒の外径と長さとの寸法比率が10倍以上である請求項4に記載の対物光学系。
  7. 前記外筒が、外径約1.8mm以内、長さ約20mm以上である請求項6に記載の対物光学系。
  8. 物体側視野範囲が0.25以上で、かつ物体側開口数が0.35以上である請求項4に記載の対物光学系。
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