JP2006117889A - 孔版印刷用兼インクジェット用インク、及びインク記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる孔版印刷用兼インクジェット用インク等の提供。
【解決手段】 少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなる孔版印刷用兼インクジェット用インクであって、前記インクの25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、かつ前記インクの表面張力が30〜50dyn/cmである孔版印刷用兼インクジェット用インクである。該溶剤が、沸点300℃以上の油成分、及び有機溶剤の少なくともいずれかであり、該溶剤のインク中における含有量が10質量%以上である態様、該溶剤が水であり、該水のインク中における含有量が5質量%以上である態様、などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる孔版印刷用兼インクジェット用インク、及びインク記録物に関する。
孔版印刷方法は、周知のように穿孔部を有する孔版印刷原紙(孔版)を用い、この孔版の穿孔部を介して孔版の一方の側より他方の側にインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行う方法である。この孔版印刷方法はその原理上、単色の同一画像イメージを高速かつ大量に作成することに優れているが、フルカラー画像イメージを作成、あるいはページ毎に異なる画像イメージを作成(バリアブル印刷)することは作業の煩雑さやコスト面から、不向きである。
一方、インクジェット記録は、容易にフルカラー印刷やバリアブル印刷することは可能であるが、画像イメージを高速かつ大量に作成することには不向きである。
そこで、印刷画像イメージ中において、単色又はページ間で同一画像部分は孔版印刷で行い、フルカラー部分又はバリアブル部分はインクジェット記録で行う方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この提案では、インクの濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性等のインクの特性に由来する多くの課題がある。例えば、孔版印刷とインクジェット記録を併用した場合には、孔版印刷用インクとインクジェット用インクの親和性が乏しければ、重ね刷り時に被印刷部がインキに濡れない状態となる。
現在、インクジェット用インクとしては、水溶性染料を水と水溶性有機溶剤に溶解したインク(特許文献2及び特許文献3参照)、顔料を水と水溶性有機溶剤に分散したインク(特許文献4及び特許文献5参照)、などが提案されている。しかし、これらの提案はいわゆる水性インクであり、水分の蒸発に伴う固化、あるいは粘度上昇から逃れることは困難であり、耐目詰まり性、及び吐出安定性が良好であるとは言いがたい。また、水溶性染料はインク乾燥後に紙上に残る着色成分が少なく、本質的に画像濃度を向上させることが困難である。更に、水溶性染料は分子状態で水に溶解、あるいは紙上に存在しているため、退色しやすく、耐光性に重大な欠点がある。また、溶性染料は水への溶解性が高く、結果的に印字物の耐水性、及び耐湿性が悪いという欠点も有している。また、色材として顔料を使用しても、顔料は粒子でありインクジェットヘッドノズル部に詰まりやすく、耐目詰まり性、及び吐出安定性が良好とは言いがたい。
また、インクジェット用インクとしては、非水系の油性インクも使用されている。その中でも、揮発性有機溶剤を主成分とするものは、引火性、及びVOC(volatile organic compounds)の問題から使用が限定される。不揮発性有機溶剤いわゆる油を主成分とするインクは、インク自体が不揮発であることから耐目詰まり性、及び吐出安定性には優れている。しかし、この不揮発性有機溶剤(いわゆる油)を主成分とする油性インクは、紙上でのインクの蒸発乾燥がまったく期待できないことからインク乾燥性に問題が生じ易く、印字直後のハンドリングが困難であり、ドット再現性(=色再現性)、色境界にじみ(カラーブリード)、及び裏抜けの問題も生じ易い。また、着色剤として油溶性染料を使用した場合には、着色剤たる油溶性染料が分子状態で油に溶解、又は紙上に存在しているため退色しやすく、耐光性に重大な欠点がある。更に、色材として顔料を使用しても、同様にインクジェットヘッドノズル部に詰まりやすく、耐目詰まり性、及び吐出安定性が良好であるとはいえない。
したがって現在までのところ、孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れるインクは未だ提供されていないのが現状である。
特許第3433177号公報 特開平5−124220号公報 特開平5−17715号公報 特開平5−263028号公報 特開平6−306317号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる孔版印刷用兼インクジェット用インク、及びインク記録物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなるインクの25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、かつ前記インクの表面張力が30〜50dyn/cmであることによって、孔版印刷用インクとインクジェット用インクの親和性が十分確保され、重ね刷り時の被印刷部への十分なインクの濡れ性が得られ、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性に優れる孔版印刷と併用されるインクジェット用インクを提供できるという知見である。
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなる孔版印刷用兼インクジェット用インクであって、前記インクの25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、かつ前記インクの表面張力が30〜50dyn/cmであることを特徴とする孔版印刷用兼インクジェット用インクである。
<2> 溶剤が、沸点300℃以上の油成分、及び有機溶剤のいずれかであり、該溶剤のインク中における含有量が10質量%以上である前記<1>に記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクである。
<3> 溶剤が水であり、該水のインク中における含有量が5質量%以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクである。
<4> 着色剤が、染料及び顔料の少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクである。
<5> 顔料は、平均粒径(メディアン径=D50)が0.5μm以下であり、D99が0.8μm以下であり、かつD100が1.0μm以下である前記<4>に記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクである。
<6> 記録媒体上に前記<1>から<5>のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明の孔版印刷用兼インクジェット用インクは、少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなり、前記インクの25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、かつ前記インクの表面張力が30〜50dyn/cmである。その結果、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる孔版印刷用兼インクジェット用インクが得られる。
本発明のインクジェット記録物は、記録媒体上に本発明の前記孔版印刷用兼インクジェット用インクを用いて形成された画像を有してなる。該インクジェット記録物においては、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる高画質が前記記録媒体に保持される。
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、濡れ性、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、印字直後のハンドリング性、耐光性、耐水性、及び耐湿性のいずれにも優れる孔版印刷用兼インクジェット用インクを提供できる。
(孔版印刷用兼インクジェット用インク)
本発明の孔版印刷用兼インクジェット用インクは、少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなり、更に必要に応じて乳化剤、樹脂、体質顔料、顔料分散剤、ゲル化剤、酸化防止剤、水溶性有機溶剤、水溶性高分子、O/W型樹脂エマルション、電解質、防腐・防かび剤、pH調整剤などのその他の成分を含有してなる。
前記孔版印刷用兼インクジェット用インクは、25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、20〜50mPa・sが好ましい。また、前記インクの表面張力は30〜50dyn/cmであり、35〜45dyn/cmが好ましい。このような粘度及び表面張力を満たすことによって、孔版印刷用インクとインクジェット用インクの親和性が十分に確保され、重ね刷り時の被印刷部への十分なインクの濡れ性が得られる。
ここで、孔版印刷を先刷りする場合には、粘度が60mPa・sを超え、かつ表面張力が50dyn/cmを超えるインクジェット用インクとすると、孔版印刷用インクは通常W/Oエマルジョンインクで、紙上に不揮発性有機溶剤あるいはいわゆる油成分を残留しているため、被孔版印刷部でインクジェット用インクの十分な濡れ性が得られず、十分な画像濃度、ベタ埋まり、インク乾燥性が得られないことがある。一方、粘度が10mPa・s未満であり、かつ表面張力が30dyn/cm未満のインクジェット用インクで印字した場合には濡れ性が高すぎて、画像にじみ、インクの裏抜け等が発生することがある。
また、インクジェット印刷を先刷する場合には、粘度が60mPa・sを超え、かつ表面張力が50dyn/cmを超えるインクジェット用インクで印字した場合、浸透乾燥性が低いため、該インクジェット印刷部はインクジェット用インクで覆われており、十分な孔版印刷用インクの転移が得られないことがある。その結果、孔版印刷の画像濃度維持、ベタ埋まり性、インク乾燥性、等が阻害される。一方、粘度が10mPa・s未満であり、かつ表面張力が30dyn/cm未満のインクジェット用インクで印字した場合には先刷り、又は後刷り関係なく濡れ性が高すぎて、画像にじみ、インクの裏抜け等が発生することがある。
ここで、前記粘度は、例えば、エーアンドデイ社製の振動式粘度計(SV−10)により測定することができる。また、前記表面張力は、例えば、協和界面科学株式会社製の表面張力計(CBVP−A3)により測定することができる。
−溶剤−
前記溶剤としては、(1)沸点300℃以上の油成分、及び有機溶媒の少なくともいずれかを使用し、該溶剤の前記インク中における含有量は10質量%以上が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。これにより、印刷機上、インクジェットヘッドノズル、又は目詰まり防止ユニット部において、インク中の揮発成分が失われても、有機溶剤又は油成分が存在しているため、インクが固化せず、目詰まりや吐出不良が生じ難いという効果がある。
また、(2)前記溶剤として水を使用し、該水の前記インク中における含有量は5質量%以上が好ましく、30〜40質量%がより好ましい。これにより、インク中の水分を含みつつ印字でき、紙上にインクが到達した場合、紙上でのインク水分の蒸発乾燥が期待でき、不揮発性有機溶剤いわゆる油を主成分としたインクに比べて、乾燥性に優れる。その結果、耐裏抜け、及び印字直後のハンドリング性に優れる。
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。
前記溶剤としては、前記(1)及び(2)の少なくともいずれかが好適であるが、油中水型(=W/O)エマルションインクとして外相溶剤として沸点300℃以上の油成分又は有機溶剤を使用し、その量がインク全量中の10質量%以上であり、かつ内相溶剤として水を使用し、その量がインク全量中の5質量%以上含む態様がより好ましい。その結果、耐目詰まり性、吐出安定性、耐裏抜け、及び印字直後のハンドリング性に優れる。
前記油中水型(=W/O)エマルションは、エマルションを安定化することに課題があるため、油相中の油成分にヨウ素価100以下の植物油変性エステルを含み、乳化剤にHLB3〜5の非イオン性界面活性剤を含ませることが望ましい。これは、安定な油中水型(=W/O)エマルションを得るには、油相中に溶解しつつ親水性も保持しているHLB3〜5の非イオン性界面活性剤が望ましく、乳化状態において当該HLB3〜5の非イオン性界面活性剤の親油基を溶解性の強い溶剤、即ち植物油変性モノエステルで油相中に親和、伸直させることが好ましいからである。伸直した親油基は内相(ここでは水相)の表面に立体障害を形成し、内相と内相の接触、接着、合一を防ぎ、油中水型(=W/O)エマルションを安定化させることができる。仮に、ここで溶解性の弱い溶剤、例えばパラフィン系オイルを主体とし、溶解性補助剤的なものを使用しないで油相を構成した場合、親油基の伸直が期待できないため、内相表面の立体障害も形成されず、内相と内相の接触、接着、合一が発生し、油中水型(=W/O)エマルションが不安定化する。また、仮にインク中の水分を中心とした揮発成分が失われても、外相である油相の油成分が存在しているため、固形分の使用にも自由度がある。できるならば、エマルションの外相である油相中に油溶性樹脂を含ませることが好ましい。これは、インク粘度をコントロール、即ちにじみをコントロールし、ドット再現性(=細線再現性、色再現性)を向上させ、色境界にじみ(カラーブリード)、裏抜けを防止できるからである。更に、油相中に油溶性樹脂を含むことは、高分子の顔料分散剤、高分子の皮膜形成剤の使用を許容することを意味し、インクの保存安定性(=顔料凝集の発生防止)及び耐擦性も向上する。
前記(1)の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(1)の沸点300℃以上の油成分としては、特に制限はなく、保存安定性などを阻害しない範囲で適宜選択することができ、例えば、鉱物油、石油系溶剤、合成油、植物油、植物油変性エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、油成分を2種以上併用した場合には、混合油成分の沸点が300℃以上が好ましい。
前記油成分の沸点が300℃未満であると、油成分の揮発が始まり、いわゆるVOCの問題が顕在化することがある。
前記鉱物油としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、スピンドル油、マシン油、潤滑油などが好適であり、市販品を使用してもよい。
前記パラフィン系オイルとしては、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシリーズ(1010、1022、1032、1046、1068、1100、3032、3046、3068など);新日本石油社製の日石スパーオイルシリーズ(B、C、D、Eなど);出光興産社製のダイアナプロセスオイル(PX−32、PX−90、PW−32、PW−90、PW−380、PS−32、PS−90、PS−430など)、ダイアナフレシアシリーズ(S−32、S−90、P−32、P−90、P−150、P−180、P−430など)などが挙げられる。
前記ナフテン系オイルとしては、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト及びガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産社製のダイアナプロセスオイル(NP−24、NR−26、NR−68、NS−90S、NM−280など)、ダイアナフレシアシリーズ(N−28、N−90、N−150、U−46、U−56、U−68、U−130、U−170、U−260);日本サン石油社製のサンセンオイルシリーズ(410,420,450,480,3125,4240等)等が挙げられる。
前記石油系溶剤としては、例えば、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ及びエクソールシリーズの一部;新日本石油社製のAFソルベントシリーズの一部などが挙げられる。
前記合成油としては、例えば、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、アルキル芳香族、ポリグリコール、ペンタフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジエステル、ポリオールエステル等が挙げられる。前記ポリブテンとしては、例えば、出光興産社製の水素添加グレード(0H、5H);新日本石油社製の(LV−7、LV−10、LV−25、LV−50、LV−100)などが挙げられる。前記ポリ−α−オレフィンとしては、例えば、出光興産社製のPAOシリーズ(5002、5004、5006、5008、5010)、新日鐵化学社製のシンフルードシリーズ(201、401、601、801)などが挙げられる。前記アルキル芳香族としては、例えば、新日石化学社製のアルケンシリーズ(20T、22、100P、68、200P)などが挙げられる。前記ポリグリコールとしては、例えば、佐藤特殊製油社製のホットベアリングオイル(No.200、No.255)などが挙げられる。前記ペンタフェニルエーテルとしては、例えば、松村石油研究所製のS−3105などが挙げられる。前記アルキルジフェニルエーテルとしては、例えば、松村石油研究所製のモレスコハイループシリーズ(LB−15、LB−22、LB−32、LB−46、LB−68、LB−100)などが挙げられる。前記ジエステルとしては、例えば、新日鐵化学社製のエステルシリーズ(H2906、H2911、H2910、H2901、H2850)、ポリオールエステル、例えば、新日鐵化学社製のエステルシリーズ(H2962、H2915、H3855、H3895、H5150、H5068、H5005)等が挙げられる。
前記植物油としては、例えば、各社のあまに油、トール油、とうもろこし油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、大豆油、やし油、等が挙げられる。
前記植物油変性エステルとしては、ヨウ素価100以下の植物油変性エステルが特に好ましく、例えば、メチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、2−エチルヘキサノ−ル(オクチル)エステルなどが好適に挙げられる。
前記メチルエステルとしては、例えば、当栄ケミカル社製の#2012−98、#2014−95、#2016−95、#2018−95、#2180−80、#3050、#3000、#3100、#3120;AG Environmental Products, L.L.C.製のSoyGold1000、SoyGold1100、SoyGold1500、SoyGold2000などが挙げられる。前記イソプロピルエステルとしては、例えば、当栄ケミカル社製の#4014、#4016などが挙げられる。前記ブチルエステルとしては、例えば、当栄ケミカル社製の#4001、#4002、#4120、#4160、#4200などが挙げられる。前記イソブチルエステルとしては、例えば、当栄ケミカル社の#4014、#4016などが挙げられる。前記2−エチルヘキサノ−ル(オクチル)エステルとしては、例えば、当栄ケミカル社の#5001、#5168、#5100、#5100‐80、#5090等が挙げられる。
これらの油成分は安全性を考慮した場合、3環以上の縮合芳香族環を含む芳香族炭化水素である多環芳香族成分が3質量%未満のものを使用することが好ましい。また、変異原性指数MIが1.0未満、アロマ分(%C)が20〜55%、アニリン点が100℃以下であって、かつオイル全質量基準でベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a,j]アクリジン等の多環芳香族の含有量がそれぞれ10ppm以下であり、かつ合計含有量が50ppm以下である。
なお、必要に応じて安全性の高いアロマー系オイル(例えば、特開平11−80640号公報参照)を使用することもできる。
前記沸点が300℃以上の油成分の添加量としては、インク中の油相成分全体の70質量%以上が好ましく、100質量%が特に好ましい。前記油成分の添加量が70質量%未満であると、油成分の量が多くなりすぎて、揮発性の問題が生じることがある。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料及び染料のいずれかを好適に用いることができる。これらの中でも、顔料、特に平均粒径(メディアン径=D50)が0.5μm以下、D99が0.8μm以下、D100が1.0μm以下である顔料が以下の理由から好ましい。
前記着色剤として油溶性染料又は水溶性染料を使用した場合には、着色剤である染料が分子状態で油又は水に溶解、あるいは紙上に存在しているため、退色しやすく、耐光性に重大な欠点がある。また、着色剤として水溶性染料を使用した場合には、着色剤である染料が水溶性であるため、水又は湿気に対して再溶解しやすく、耐水性、及び耐湿性に重大な欠点がある。更に、着色剤として顔料を使用しても、顔料は粒子でありインクジェットヘッドノズル部に詰まりやすく、耐目詰まり性、及び吐出安定性が良好であるとは言いがたい。、この点について、顔料の平均粒径(メディアン径=D50)が0.5μm以下、D99が0.8μm以下、D100が1.0μm以下とすることによって、耐目詰まり性、及び吐出安定性を確保することができる。
前記顔料は、着色剤分子が集合して形成された粒子であるため、仮に、粒子表面の着色剤分子が退色しても、この退色分子の下には未退色分子が存在し、顔料粒子全体を見れば退色は免れている。また、顔料は印字された紙上、又は紙繊維上に顔料集合体として重なり合って存在しているため、仮に最上層の顔料粒子が退色しても、この退色顔料粒子の下には未退色顔料粒子が存在し、印字全体を見れば退色は免れている。このように顔料を使用することによって、耐光性が向上する。また、顔料は着色剤分子が集合して形成された粒子であるため、水又は湿気に対して溶解し難く、印字された紙上又は紙繊維上に顔料集合体として重なり合って存在している顔料も水又は湿気に対して堅牢であり、十分な耐水性、及び耐湿性が得られる。
前記顔料としては、各種色調の公知の顔料を用いることができ、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、等のカーボンブラック類、特に水相に分散する場合には、カーボンブラック表面を各種の親水基で修飾した自己分散型と言われるカーボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉などの金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料;無金属フタロシアニン顔料や銅フタロシアニン顔料などのフタロシアニン系顔料;不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料などのアゾ系顔料;アントラキノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサンジン系、スレン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、金属錯体、などの縮合多環系顔料、酸性又は塩基性染料のレーキ顔料等の有機顔料、或いは蛍光顔料、等が挙げられる。該蛍光顔料としては、合成樹脂を塊状重合する際又は重合した後に、様々な色相を発色する蛍光染料を溶解又は染着し、えられた着色塊状樹脂を粉砕して微細化した、所謂、合成樹脂固溶体タイプのもので、染料を坦持する合成樹脂としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を染料に坦持するの蛍光顔料等が挙げられる。また、ゼーター電位等の性質が近い場合には2種類以上の着色剤を同相に添加してもよい。
前記着色剤としてのカーボンブラックを油相に添加する場合には、pH5未満の酸性のカーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、例えば、MA−100、MA−7、MA−77、MA−11、#40、#44(いずれも三菱化学株式会社製)、Raven1100、Raven1080、Raven1255、Raven760、Raven410(いずれもコロンビヤンカーボン株式会社製)、などが挙げられる。
前記顔料の前記インクにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常2〜15質量%が好ましい。
前記顔料分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記乳化剤用非イオン界面活性剤、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、アルキド樹脂等の不溶性着色剤分散能を有する樹脂、インクの保存安定性を阻害しない範囲であればイオン性界面活性剤、両性界面活性剤なども使用可能である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記顔料分散剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記着色剤の総質量の40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
前記アルキド樹脂は高分子量の樹脂を添加するときに不溶性着色剤の分散安定性に特に効果があるが、アルキド樹脂を単独又は他の分散剤と併用して使用する場合の樹脂の添加量は不溶性着色剤の5質量%以上が好ましい。
前記ゲル化剤は、油に含まれる樹脂をゲル化してインクの保存安定性、定着性、流動性を向上させる役割をもち、本発明のインクに添加されるゲル化剤としては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物を例示すると、Li、Na、K、AlCa、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等である。具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩;ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩;ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩;アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。
前記ゲル化剤の前記インクにおける添加量は、15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインクの粘度の上昇等が防止される。
前記酸化防止剤の前記インクにおける添加量は、2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
前記体質顔料としては、特に制限はなく、インク中には滲み防止、粘度調整のために油相、水相、又は両相に添加することができ、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかが好ましい。前記無機微粒子としては、例えば、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。前記有機微粒子としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体、などが挙げられる。
前記体質性顔料の市販品としては、例えば、アエロジル200、アエロジルR972等(日本アエロジル社製)、NEW D ORBEN(白石工業社製)、BEN−GEL、S−BEN、ORGANITEなど(豊順洋行社製)、TIXOGELシリーズ(VP、DS、GB、VG、EZ−100など)、OPTIGEL(日産ガードラー触媒社製)などが挙げられる。
前記体質顔料の前記インクにおける添加量は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
前記水溶性有機溶剤、即ち蒸発防止剤又は凍結防止剤は兼用可能である。これらの目的で添加される水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;1,3−ブタンジオール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール;等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性有機溶剤の前記インクにおける添加量は、80質量%以下が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物、などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子化合物等が挙げられる。
前記水溶性高分子化合物の前記インク中における添加量は、25質量%以下が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましい。
前記O/W型樹脂エマルションとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、合成高分子化合物でも天然高分子化合物でもよい。前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。前記天然高分子化合物としては、孔版印刷用兼インクジェット用インクに普通に用いられる油相に添加できる高分子化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記水中油型樹脂エマルションの分散方法についても特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。前記水中油型樹脂エマルションの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、40℃以下が好ましい。
前記電解質としては、エマルションの保存安定性を高めるために水相に添加されるものである。従って、電解質により影響を受ける材料が水相に存在しない場合に使用するのが望ましい。本発明に使用される電解質は、硫酸マグネシウムが好ましい。
前記電解質としては、上記の硫酸マグネシウム以外に保存安定性などを阻害しない範囲で他の電解質を併用してもよい。電解質はクエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等の陰イオン或いはアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなどを含む電解質であることが好ましい。前記電解質としては、硫酸マグネシウム以外に、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、等が好ましい。
前記電解質の前記インクにおける添加量は、0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
前記防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合に有効である。該防腐・防かび剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物又はその塩素化合物、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記防腐・防かび剤の前記インクにおける添加量は、3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
水相に添加されるpH調整剤としては、いわゆるグッド緩衝液が使用され、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、顔料が凝集したり、水溶性高分子が添加されている場合にはその効果が損なわれたりする。
本発明の孔版印刷と併用されるインクジェット用インクの製造方法としては、特に制限はなく、従来の水性、油性、エマルションインクの製造と同様であり、例えば、有機溶剤又は油成分、もしくは水に着色剤、樹脂等の添加物を良く分散させ、必要に応じて乳化して、インキ化すればよい。
(インク記録物)
本発明のインク記録物は、記録媒体上に本発明の前記孔版印刷用兼インクジェット用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例、参考例、及び比較例)
−孔版印刷用兼インクジェット用インクの調製−
以下のようにして、孔版印刷と併用される油性インクジェット用インク、又は孔版印刷と併用される水性インクジェット用インクをそれぞれ調製した。なお、インクはシアン、マゼンタ、イエロー、及びクロの4色で1セットである。
まず、下記表1〜表8に記載の組成により、油成分又は水に顔料、顔料分散剤、適宜添加剤等を投入し、ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製、ミニゼーターMZ03)を用いて顔料分散液を作製した。
次に、得られた顔料分散液を平均孔径3μmのフィルターで濾過した。以上により、孔版印刷と併用される油性インクジェット用インク、又は水性インクジェット用インクを調製した。
次に、得られた実施例、参考例、及び比較例の各インクについて、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表1〜表8に示す。
<粘度>
前記粘度は、エーアンドデイ社製の振動式粘度計(SV−10)を用いて、液温25℃で測定した。
<表面張力>
前記表面張力は、協和界面科学株式会社製の表面張力計(CBVP−A3)を用いて、液温25℃で測定した。
<濡れ性>
前記濡れ性は、印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、以下のようにして、評価を行った。
(1)図1に示すように、孔版印刷機PriportN850(株式会社リコー製)で赤、緑、及び青のベタ画像を形成した。このベタ画像上にインクジェットプリンター(BJ−F850、キヤノン株式会社製)で、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を重ね刷りし、印刷サンプルを24時間放置した。重ね刷り部分のドット径サイズを計測し、インクジェット単色刷り部分のドット径サイズと比較した。
(2)図2に示すように、インクジェットプリンター(BJ−F850、キヤノン株式会社製)で、シアン、マゼンタ、及びイエローのベタ画像を形成した。このベタ画像上に孔版印刷機PriportN850(株式会社リコー製)で赤、緑、青、及び黒のベタ画像を重ね刷りし、印刷サンプルを24時間放置した。重ね刷り部分のドット径サイズを計測し、インクジェット単色刷り部分のドット径サイズと比較した。
得られたドット径サイズの差の程度を5段階にランク分けし、濡れ性の評価とした。ドット径サイズに差のないものが濡れ性にすぐれる。
<耐目詰まり性>
耐目詰まり性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、ヘッド位置調整パターンを印刷後、電源を入れたまま、72時間放置した。ノズルチェックパターン印刷を行い、チェックパターンの欠損状態を「1〜5」の5段階にランク分けし、耐目詰まり性を評価した。なお、数字が大きいほど耐目詰まり性が良好であることを示す。
<吐出安定性>
吐出安定性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、0.75ポイントのライン印刷を行い、ラインの欠損、直線性を評価し、「1〜5」の5段階にランク分けし、吐出安定性を評価した。なお、数字が大きいほど吐出安定性が良好であることを示す。
<耐裏抜け>
耐裏抜けは、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を形成し、印刷サンプルを24時間放置、それぞれの表面の画像濃度、裏面の画像濃度を測定、裏面の画像濃度/表面の画像濃度比をパーセントで算出し、「1〜5」の5段階にランク分け、耐裏抜けの評価とした。なお、数字が大きいほど耐裏抜け性が良好であることを示す。
<印字直後のハンドリング性>
印字直後のハンドリング性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を形成し、5秒後の印刷サンプルのベタ部をクロックメータ(東洋精機製作所製)で摩擦、摩擦部と非摩擦部の画像濃度を測定、摩擦部画像濃度/非摩擦部画像濃度比をパーセントで算出し、「1〜5」の5段階にランク分け、印字直後のハンドリング性の評価とした。摩擦部画像濃度と非摩擦部画像濃度に差のないものが印字直後のハンドリング性に優れる。なお、数字が大きいほどハンドリング性が良好であることを示す。
<耐光性>
耐光性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を形成し、24時間経過後、以下の条件で耐光性加速試験を実施し、試験前後の画像劣化の程度を「1〜5」の5段階にランク分けし、耐光性の評価とした。照射部画像濃度と非照射部画像濃度に差のないものが耐光性に優れる。なお、数字が大きいほど耐光性が良好であることを示す。
〔耐光性加速試験条件〕
ウエザオメーター(Ci5000、アトラス社製、光源:キセノンアークランプ、光フィルター:内側Sタイプポリシリケイト、外側ソーダ・ライム)を用いて、試験機内温湿度25℃−60%RH、ブラックパネル温度40℃、照射エネルギー0.18W/m2、照射時間48時間である。
<耐水性>
耐水性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を形成、24時間後に印刷サンプルをイオン交換水に5秒間浸漬し、浸漬前後の画像劣化の程度を「1〜5」の5段階にランク分けし、耐水性の評価とした。浸漬部画像濃度と非浸漬部画像濃度に差のないものが耐水性に優れる。なお、数字が大きいほど耐水性が良好であることを示す。
<耐湿性>
耐湿性は、インクジェットプリンター(BJ−F850、キャノン株式会社製)、及び印刷試験用紙としてType6200(株式会社リコー製)を用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、及びクロのベタ画像を形成し、24時間後に印刷サンプルを温湿度試験器(30℃−90%RH)に72時間保存し、保存前後の画像劣化の程度を「1〜5」の5段階にランク分けし、耐湿性の評価とした。30℃−90%RH保存後の画像濃度と30℃−90%RH保存前の画像濃度に差のないものが耐水性に優れる。なお、数字が大きいほど耐湿性が良好であることを示す。
Figure 2006117889
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Figure 2006117889
なお、参考例1は、溶剤として沸点300℃以上の油成分を9質量%含有し、「溶剤が、沸点300℃以上の油成分、及び有機溶剤のいずれかであり、該溶剤のインク中における含有量が10質量%以上である」という要件を満たさないものである。
Figure 2006117889
参考例2は、溶媒としての水の含有量が4質量%であり、「溶剤が水であり、該水のインク中における含有量が5質量%以上である」という要件を満たさないものである。
Figure 2006117889
参考例3は、「顔料の平均粒径(メディアン径=D50)が0.5μm以下であり、D99が0.8μm以下であり、かつD100が1.0μm以下」の要件を満たさないものである。
表1〜表8中における略号は、以下の通りの意味を表す。
*Cはシアン、mはマゼンタ、yはイエロー、kはクロをそれぞれ表す。
*染料DB86は、C.I.Direct Blue 86
*染料AR92は、C.I.Direct Acid Red 92
*染料DY98は、C.I.Direct Yellow 98
*染料DB168は、C.I.Direct Black 168
*染料SB35は、C.I.Solvent Blue 35
*染料SR24は、C.I.Solvent Red 24
*染料SY141は、C.I.Solvent Yellow 141
*水溶性有機溶剤:1,3−BD(1,3−ブタンジオール)
*顔料PB15:3は、C.I.Pigment Blue 15:3(フタロシアニンブルー)
*顔料DQ122は、C.I.Pigment Red 122(ジメチルキナクリドン)
*顔料MA74は、C.I.Pigment Yellow 74(モノアゾ)
*顔料酸性CBは、酸性カーボンブラック
*bpは沸点
本発明の孔版印刷用兼インクジェット用インクは、孔版印刷及びインクジェット記録に併用することができ、例えば、印刷画像イメージ中において、単色又はページ間で同一な部分は孔版印刷を行い、フルカラー部分及びバリアブル部分はインクジェット記録を行うことができる。
図1は、実施例における濡れ性の評価方法に使用する孔版印刷上にインクジェット記録を行ったサンプルを示す模式図である。 図2は、実施例における濡れ性の評価方法に使用するインクジェット記録上に孔版印刷を行ったサンプルを示す模式図である。

Claims (6)

  1. 少なくとも溶剤及び着色剤を含有してなる孔版印刷用兼インクジェット用インクであって、前記インクの25℃での粘度が10〜60mPa・sであり、かつ前記インクの表面張力が30〜50dyn/cmであることを特徴とする孔版印刷用兼インクジェット用インク。
  2. 溶剤が、沸点300℃以上の油成分、及び有機溶剤のいずれかであり、該溶剤のインク中における含有量が10質量%以上である請求項1に記載の孔版印刷用兼インクジェット用インク。
  3. 溶剤が水であり、該水のインク中における含有量が5質量%以上である請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インク。
  4. 着色剤が、染料及び顔料の少なくともいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インク。
  5. 顔料は、平均粒径(メディアン径=D50)が0.5μm以下であり、D99が0.8μm以下であり、かつD100が1.0μm以下である請求項4に記載の孔版印刷用兼インクジェット用インク。
  6. 記録媒体上に請求項1から5のいずれかに記載の孔版印刷用兼インクジェット用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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