JP2006117886A - 防水性型内発泡粒子成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、水分が型内発泡粒子成形体の内部に浸透し漏水することがなく、長期にわたって防水性を維持することができ、しかも成形体を多少変形させても防水層には亀裂が生じず、防水性が損なわれることがない防水性型内発泡粒子成形体を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明の防水性型内発泡粒子成形体においては、型内発泡粒子成形体の表面に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)を塗布してなる防水層が形成されている。【選択図】 なし

Description

本発明は、防水性を有する型内発泡粒子成形体に関する。
型内発泡粒子成形体は、ポリオレフィン系樹脂等の発泡粒子を成形用型内に充填した後に、該発泡粒子を加熱発泡させて得られるものであり、複雑な形状を付与することができる。更に、軽量性、断熱性、緩衝性、反発弾性等に優れていることから、型内発泡粒子成形体は、断熱材、緩衝材、建築資材、自動車部品等の広範な用途に使用されている。
上記の型内発泡粒子成形体は、独立気泡構造を有する発泡粒子からなるにもかかわらず、水と長期に接触していると漏水しやすいという問題があった。これは、押出発泡体の場合には起きることがない現象であることから、水が発泡粒子間に僅かに存在する空隙に浸透することが原因であると考えられる。
このため、型内発泡粒子成形体をキッチンのシンク、ユニットバス等の水周りの断熱材として使用した場合、水分が型内発泡粒子成形体の内部に浸透し、該水分が汚染したり腐敗したりすることから、衛生性に欠けるという問題や、断熱性が低下するという問題が生じていた。また、水洗トイレ用タンク等の貯水タンクの外表面に生じる結露を防止するための内張材として型内発泡粒子成形体を使用した場合、長期間の使用に伴い内張材とタンク本体との境目に水が浸透してしまい、結露を防止する効果が減少するという不具合が生じていた。
このような問題を解決することを目的とし、型内発泡粒子成形体の防水性を向上させたものとして、ポリオレフィン系樹脂からなる型内発泡成形体の表面にパラフィンワックス、シリコンオイル、流動パラフィン等の防水剤を塗布含浸させて防水加工を施したもの(特許文献1)や、成形体の表面にポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メチルポリシロキサン等の防水剤を塗布したもの(特許文献2)等が知られている。
しかしながら、防水剤としてシリコンオイルや流動パラフィンを使用した型内発泡粒子成形体(特許文献1)には、流れている水に接触すると防水剤が徐々に成形体から流出してしまい、防水効果が徐々に失われて、水の漏水を防止できなくなるという問題があった。 また、防水剤としてパラフィンワックス、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メチルポリシロキサン等を使用した型内発泡粒子成形体(特許文献2)には、施工する際に発泡粒子成形体を曲げる等して変形させると、防水剤の被膜に亀裂が発生することを防ぐことができないという問題があった。例えば前述したような水洗トイレ用タンクの内張材等に防水剤を塗布した成形体を使用すると、内張材をタンク内に内設する際に成形体をねじ曲げる等して変形させながらタンク内に押し込まなければならず、このとき成形体に塗布した防水剤の被膜に亀裂が発生しやすく、該亀裂から水が漏出してしまい、防水性が損なわれるという問題があった。
特公昭60−23784号公報 特開昭60−36253号公報
本発明は、水分が型内発泡粒子成形体の内部に浸透し漏水することがなく、長期にわたって防水性を維持することができ、しかも成形体を多少変形させても防水層には亀裂が生じず、防水性が損なわれることがない防水性型内発泡粒子成形体を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下に示す防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
〔1〕 型内発泡粒子成形体の表面に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)を塗布してなる防水層が形成されていることを特徴とする防水性型内発泡粒子成形体。
〔2〕 型内発泡粒子成形体の表面に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)と、ウレタン樹脂を主成分として含有する配合物(ii)とを塗布してなる防水層が形成されていることを特徴とする防水性型内発泡粒子成形体。
〔3〕 該配合物(i)が型内発泡粒子成形体の表面から少なくとも厚み1mm含浸して防水層が形成されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の防水性型内発泡粒子成形体。
〔4〕 該配合物(i)及び/又は配合物(ii)が型内発泡粒子成形体の表面から少なくとも厚み1mm含浸して防水層が形成されていることを特徴とする前記〔2〕に記載の防水性型内発泡粒子成形体。
〔5〕 該型内発泡粒子成形体を構成する基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の防水性型内発泡粒子成形体。
本発明の請求項1に係わる発明によれば、特定の配合物からなる防水層が型内発泡粒子成形体の表面に形成されているので、防水性に優れる防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
本発明の請求項2に係わる発明によれば、特定の配合物の組合わせからなる防水層が型内発泡粒子成形体の表面に形成されているので、より防水性に優れる防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
本発明の請求項3に係わる発明によれば、特定の配合物が特定の深さまで含浸して、防水層が形成されているので、より防水性に優れる防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
本発明の請求項4に係わる発明によれば、特定の配合物が特定の深さまで含浸して、防水層が形成されているので、より防水性に優れる防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
本発明の請求項5に係わる発明によれば、型内発泡粒子成形体を構成する基材樹脂がポリオレフィン系樹脂なので、発泡粒子成形体と防水層が共に柔軟性を有し、施工時に防水性発泡成形体を多少曲げても防水性が低下しない防水性型内発泡粒子成形体が提供される。
以下、本発明の防水性型内発泡粒子成形体について詳細に説明する。
本発明の防水性型内発泡粒子成形体(以下、単に「防水性発泡成形体」ともいう。)は、型内発泡粒子成形体(以下、単に「発泡成形体」ともいう。)の表面、又は表面及び内部に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)からなる防水層が形成されている。かかる防水層が形成されていると、水が発泡成形体の内部に浸透し、漏水することが防止される。また、配合物(i)はスチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分としているので、防水性発泡成形体を施工の際に多少変形させても、防水層がその変形に追随して防水層に亀裂が入るということがない。
上記スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分とするものとしては、例えば、SEBS系やSEPS系のものや、SBS系又はSlS系のもの等が包含される。SBS系又はSIS系のものは、ハードセグメントとしてポリスチレンの結晶相を有し、ソフトセグメントとしてポリブタジエン又はポリイソプレンがブロック的に共重合された構造を有する。一方、SEBS系やSEPS系のものは、前記SBS系やSIS系のものに含まれているポリブタジエン、ポリイソプレンを高度に水素化してその主鎖中の二重結合を飽和させたものである。これらのSEBS系や、SEPS系、SBS系及びSIS系等のスチレン系熱可塑性エラストマーについては、「プラスチックエージ」、第101頁〜第106頁(June 1985)に詳述されている。
さらに前記熱可塑性ポリマーは極性モノマーをグラフト共重合させたものでも構わない。極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、不飽和カルボン酸およびその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル等を挙げることができるが、特に、水酸基含有エチレン性不飽和化合物及び不飽和カルボン酸及びその誘導体が好ましい。
前記水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記アミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルを挙げることができる。
前記エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル等を挙げることができる。
前記不飽和カルボン酸類としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはこれらの酸無水物化、酸ハライド化、アミド化、イミド化、エステル化等を挙げることができる。
前記ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニルを挙げることができる。
これらのモノマーは単独あるいは複数で使用することができる。また上記極性モノマーはスチレン−共役ジエン−スチレントリブロック共重合体またはその水素添加物に対し0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%グラフト共重合することが好ましい。
本発明の防水性発泡成形体において、上記スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分とするとは、配合物(i)100重量%に対して該熱可塑性ポリマーを50〜100重量%含むことをいう。
また、配合物(i)が含有する他の成分としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、酢酸ブチル、酢酸ビニル、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒の単独または2以上の混合物が挙げられる。これらの有機溶媒が配合されていると、配合物(i)の塗布及び/又は含浸が簡単になるので、容易に防水層が形成される。
なお、前記有機溶媒は、塗布後、揮発すると考えられるが、塗布するだけで発泡成形体に含浸させることができ、優れた防水層を形成しやすいという観点から、有機溶媒の量は、配合物(i)100重量%に対して40〜70重量%、上記スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーは、配合物(i)100重量%に対して30〜60重量%が好ましい。
配合物(i)の具体例としては、例えば株式会社ソテック社製の商品名「スキップ66」が挙げられる。
本発明の防水性発泡成形体においては、配合物(i)が、発泡成形体の表面から少なくとも厚み1mm含浸して、防水層が形成されていることが好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上がさらに好ましい。一方、その上限は防水性発泡成形体の厚み全体でも構わないが、厚み全体に含浸しても防水性が顕著に向上することもないので、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。さらに発泡成形体の厚みを100%とした場合、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。このように配合物(i)が、防水性発泡成形体の表面だけでなく上記範囲の内部まで含浸していると、長期間に渡って防水性能が維持され、また取り扱いの際に表面を傷つけても防水性が低下しない。尚、防水層を形成する側は、防水性発泡成形体に水が浸入する面側が好ましい。該面側に形成されていると、防水効果が効率よく発揮され、断熱性の低下が少なく、発泡成形体の内部における水分の残存量が少なくなる。
次に、本発明の他の防水性発泡成形体について説明する。
本発明の他の防水性発泡成形体においては、防水性発泡成形体の表面に、上記配合物(i)と、ウレタン樹脂を主成分として含有する配合物(ii)とからなる防水層が形成されている。かかる構成によりさらに優れた防水性が発揮されるので、水が防水性発泡成形体の内部に浸透することなく、漏水が効果的に防止される。特に防水性発泡成形体の表面とその表面から内部にかけて防水層が形成されると表面に傷がついても防水性が低下しない。また配合物(i)はスチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分とし、配合物(ii)はウレタン樹脂を主成分としているので、施工の際に防水性発泡成形体を多少変形させても、防水層はその変形に追随し、防水層に亀裂が入るということがない。
本発明において、上記ウレタン樹脂を主成分とするとは、配合物(ii)100重量%に対して該ウレタン樹脂を50〜100重量%含むことをいう。また、上記ウレタン樹脂を主成分として含有する配合物(ii)には、ウレタン樹脂以外の成分としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、酢酸ブチル、酢酸ビニル、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の有機溶媒の単独または2以上の混合物が挙げられる。これらの有機溶媒が配合されていると、配合物(ii)を簡単に塗布し、含浸させることができるので、容易に防水層が形成される。
なお、前記有機溶媒は、塗布後、揮発すると考えられるが、塗布する際に発泡成形体に含浸させやすく優れた防水層を形成しやすい観点から、有機溶媒の量は、配合物(ii)100重量%に対して40〜70重量%、上記ウレタン樹脂は、配合物(ii)100重量%に対して30〜60重量%が好ましい。
配合物(ii)の具体例としては、例えば日本特殊塗料株式会社製の商品名「スプレーユータックプライマー」が挙げられる。
本発明の他の防水性発泡成形体においても、配合物(i)と、配合物(ii)とが発泡成形体の厚みの表面から少なくとも厚み1mm含浸して、防水層が形成されていることが好ましく、2mm以上がより好ましく、3mm以上がさらに好ましい。一方、その上限は防水性発泡成形体の厚み全体に含浸しても構わないが、厚み全体に含浸しても防水性が顕著に向上することもないので、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましく、20mm以下がさらに好ましい。さらには発泡成形体の厚み100%とした場合、その上限は50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。防水層が、防水性発泡発泡体の表面だけでなく内部まで形成されていると、長期間に渡って防水性能が維持され、また、取り扱いの際に表面を傷つけても防水性が低下しない。
尚、本明細書における前記した発泡成形体の厚み100%とは、発泡成形体の形状により厚みが厚い部分と薄い部分があるが、一番厚い部分を基準とする意味であり、その部分における表面から最も内部に含浸している部分を含浸の深さとする。含浸の深さは必要に応じて配合物(i)及び/又は配合物(ii)を着色することによって確認できる。
前記した配合物(i)或いは配合物(i)と配合物(ii)とが防水性発泡成形体の内部に防水層が形成されてなる状態としては、発泡成形体における発泡粒子相互の隙間や発泡粒子の内部に含浸しても構わないが、発泡粒子相互の隙間に含浸することが水の通り道である防水層を効率よく形成させる点で好ましい。
本発明において、防水層を形成させる方法としては、例えば、刷毛塗りやスプレーアップによる塗布の方法のほかに、浸漬などが挙げられる。
本発明において、防水性発泡成形体の表面に防水層を形成する方法としては、配合物(i)と配合物(ii)を併用する場合、配合物(i)と配合物(ii)を混合したものを用いても良ければ、配合物(ii)を塗布した後、配合物(i)を塗布しても良いが、工程が少なく、手間をかけずに発泡成形体の内部に含浸させ易い点で、配合物(i)と配合物(ii)との混合物を用いることが好ましい。 但し、配合物(i)を塗布した後、配合物(ii)を塗布すると、配合物(i)と配合物(ii)との混合物が発泡粒子相互の空隙に含浸しにくい虞がある。
配合物(i)と配合物(ii)との混合物を用いる場合、発泡成形体の表面と内部に防水層を形成させ易いことから、配合物(i)と配合物(ii)との重量比は2:1〜20:1が好ましい。配合物(ii)に対する配合物(i)の重量比が2未満の混合物は、発泡発泡体の内部に含浸しすぎて、表面の防水層が薄くなるので、表面の防水性が低下する虞れや、塗布面の反対面まで含浸すると発泡粒子相互の融着性が悪影響を受ける虞れがある。かかる観点から、配合物(i)の配合物(ii)に対する重量比は3:1以上であることがより好ましく、4:1以上であることがさらに好ましい。一方、配合物(ii)に対する配合物(i)の重量比が20超の配合物は、発泡成形体の表面や内部に含浸し難くなるので、配合物(i)の配合物(ii)に対する重量比は18:1以下であることがより好ましく、16:1以下であることがさらに好ましい。
配合物(i)のみを用いる場合の塗布量は、防水性の観点から100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましい。その上限は、塗布しても防水性が向上せず過剰な品質となることから通常400g/mである。また、配合物(i)と配合物(ii)をあわせて用いる場合の塗布量は、100g/m以上が好ましく、200g/m以上がより好ましい。その上限は、塗布しても防水性が向上せず過剰な品質となることから通常400g/mである。
本発明においては、必要に応じて配合物(i)、配合物(ii)に着色剤を加えることができ、その場合の添加量は、配合物(i)100重量部又は、配合物(i)と配合物(ii)の混合物100重量部に対して、100〜300重量部が好ましい。
該着色剤に制限はないが、例えば、日本特殊塗料株式会社製のウレタン系着色剤である商品名「クリアブルー」が挙げられる。
本発明で用いる発泡成形体を構成する基材樹脂としては、配合物(i)や配合物(ii)が含有する有機溶媒に溶けさえしなければ、いかなる樹脂でも構わないが、例えば、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、生分解性樹脂が好ましい樹脂として挙げられる。これらの中でも、耐熱性と柔軟性に優れ、さらに配合物(i)及び/又は配合物(ii)を発泡成形体に塗布及び/又は含浸して均一な防水層を形成しやすいことから、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、分岐低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等が挙げられるが、耐熱性、剛性に優れるプロピレン系樹脂が好ましく、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体等のプロピレン系のランダム共重合体が最も好ましい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は架橋したものであっても良いが、無架橋のものが好ましい。
上記基材樹脂より発泡粒子を製造する手段としては、従来公知の手段を採用することができる。公知の方法としては、先ずペレット状の樹脂粒子を製造し、該樹脂粒子を発泡させる方法が挙げられる。該ペレット状の樹脂粒子の製造方法としては、例えば基材樹脂を押出機で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、次いで冷却後、適宜長さに切断するか、或いは適宜長さに切断後、冷却する等の手段で先ずペレット状の樹脂粒子を製造する方法が好ましい。樹脂粒子を発泡させる方法としては、密閉容器内で上記樹脂粒子を発泡剤の存在下で、水等の分散媒に分散させ、該樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤を含浸させ、しかる後容器の一端を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出して樹脂粒子を発泡せしめる方法が好ましい。但し、本発明はこの方法に限定するものではない。
本発明で用いる発泡成形体は、上記のようにして得た発泡粒子を必要に応じて無機ガス又は無機ガスと揮発性発泡剤との混合ガスにより加圧熟成して粒子内に所定の内圧を付与した後、該発泡粒子をそのまま、若しくは加圧圧縮状態で、開閉し得るが密閉し得ない成形用型内に充填し、加熱成形することによって得られる。加熱成形は、おおむね基材樹脂の融点付近の温度の水蒸気を成形用型内に導入して、発泡粒子を加熱して粒子相互を融着せしめ、冷却することにより行われ、このようにすると型通りに成形された発泡成形体が得られる。尚、本発明の発泡成形体の見掛け密度は、使用目的、樹脂の種類に応じて適宜選択されるが、優れた緩衝性と断熱性を発揮できることから、0.015〜0.18g/cmが好ましく、0.017〜0.13g/cmがより好ましく、0.02〜0.1g/cmがさらに好ましい。該見掛け密度は、発泡成形体の外形寸法から求められる体積VM(cm3)にて発泡成形体の重量WM(g)を割り算する(WM/VM)ことにより求められる
なお、発泡成形体を型内成形する際、その表面を溶融させてソリッド化させても構わないが、発泡成形体の表面の空隙率が1〜3%存在すると、前記配合物(i)、配合物(ii)が発泡成形体の内部にまで含浸し易くなり、表面に傷をつけても防水性が低下する虞れがないので好ましい。但し、3%を超えると防水層を形成するのに多量に塗布しなければならず、防水層の形成ができない虞れもある。
発泡成形体の表面の空隙率が1〜3%となるように発泡成形体を型内成形するには、型内金型への最密充填時の空間率が20〜60%、好ましくは30〜50%の形状を有する発泡粒子を型内金型の成形空間に充填することが好ましい。最密充填時の空間率が20%未満であると、加熱媒体の透過性が悪く発泡粒子相互間の融着が悪い発泡成形体しか得られない虞がある。
上記最密充填時の空間率は次のように行うものとする。
まず、発泡粒子の一定量をメスシリンダー等の目盛り付き容器に充填し、容器を上下に振動させて発泡粒子を圧縮することなく、発泡粒子の嵩が最小となるようにした時の、容器の目盛りから求められる一定量の発泡粒子の体積を見掛けの体積:A(cm3 ) とする。次に見掛けの体積を測定した後の発泡粒子を、アルコールを入れた目盛り付き容器のアルコール中に沈めてアルコールのみの時の容積からの増加分から、一定量の発泡粒子の真の体積:B(cm3 ) を求め、見掛け体積:Aと真の体積:Bとから下記(1)式より、最密充填時の空間率を求める。
最密充填時の空間率(%)={1−(B/A)}×100 (1)
上記発泡成形体の表面の空隙率の測定は次のように行うものとする。 発泡成形体から発泡成形体のスキン面(発泡成形体と型内金型との接触面)25mm×100mmを含む25mm×25mm×100mmのサンプルを切り出し、その外形寸法(25mm×25mm×100mm)より求めた体積をa(cm)、該サンプルをアルコールを入れた目盛り付き容器のアルコール中に沈めた時の、目盛りの上昇分から求められるサンプルの真の体積をb(cm)とし、下記(2)式より求める。
発泡成形体の表面の空隙率(%)={(a−b)/a}×100 (2)
本発明の防水性発泡成形体は防水性、断熱性に優れることから、キッチンのシンク、ユニットバスの断熱材、防露タンク等の水周りの断熱材、断熱容器、防舷材、フロート等として好適に用いられる。
以下、本発明の防水性発泡成形体について実施例により説明する。但し、本発明は実施例に限定するものではない。
実施例1
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量2.4重量%、融点146℃)を基材樹脂とする見掛け密度0.06g/cmの平板状発泡成形体(厚み55mm×幅600mm×長さ900mm、表面の空隙率3%)の一方の表面(幅600mm×長さ900mm)に、配合物(i)として株式会社ソテック社製の商品名「スキップ66」100重量部に対して、日本特殊塗料株式会社製ウレタン系着色剤クリアブルーを200重量部加えたものを1mあたり300gとなるようにスプレーアップにより塗布し、65℃のオーブンで20分乾燥し、防水性発泡成形体を得た。発泡成形体の断面を電子顕微鏡で確認したところ、塗装膜の厚みは10〜50μmであった。また、着色の程度により塗装膜の厚みを確認したところ、配合物(i)は発泡成形体の表面から2mm(発泡成形体の厚み100%に対して3.6%)まで含浸し、防水層が形成されていた。防水層は、発泡成形体における発泡粒子相互の隙間に配合物(i)が含浸することにより、形成されていた。
実施例2
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量2.4重量%、融点146℃)を基材樹脂とする見かけ密度0.06g/cmの平板状発泡成形体(厚み55mm×幅600mm×長さ900mm、表面の空隙率3%)の一方の表面(幅600mm×長さ900mm)に、配合物(i)として株式会社ソテック社製の商品名「スキップ66」を用い、配合物(ii)として日本特殊塗料株式会社製の商品名「スプレーユータックプライマー」(主成分:ウレタン樹脂45重量%、芳香族炭化水素:キシレン44重量%、脂肪族炭化水素:酢酸ブチル11重量%)を用い、配合物(i)と配合物(ii)とを重量比で15:1の割合で混合した。この配合物(i)と配合物(ii)の混合物100重量部に対して、日本特殊塗料株式会社製ウレタン系着色剤クリアブルーを200重量部加えたものを1mあたり300gとなるようにスプレーアップにより塗布し、65℃のオーブンで20分乾燥し、防水性発泡成形体を得た。発泡成形体の断面を電子顕微鏡で確認したところ、塗装膜の厚みは10〜50μmであった。また、着色の程度により塗装膜の厚みを確認したところ、配合物(i)及び(ii)は、発泡成形体の表面から10mm(発泡成形体の厚み100%に対して18%)まで含浸し、防水層が形成されていた。防水層は、発泡成形体における発泡粒子相互隙間に配合物が含浸することにより、形成されていた。
比較例1
配合物(i)を塗布しないこと以外は、実施例1と同様に防水性発泡成形体を得た。
<防水性の評価>
実施例1、実施例2及び比較例1で得られた防水性発泡成形体を用いて垂直透過試験を行なった。
具体的には、三角漏斗(最大内径75mm、55mm高さ、管部内径8mm長さ500mm)を用い、(株)ライオン社製の界面活性剤「ママレモン」(界面活性剤成分27%)を水に1100ppmとなるようにした水溶液で、初期の水頭高さを160mmとして24時間後の水頭高さを測定した。その結果、実施例1、2の防水性発泡成形体では共に、水頭高さが160mmと変化しなかった。一方、比較例の防水性発泡成形体では、徐々に水溶液が下へ染み出して24時間後には水頭高さが1mmとなった。

Claims (5)

  1. 型内発泡粒子成形体の表面に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)を塗布してなる防水層が形成されていることを特徴とする防水性型内発泡粒子成形体。
  2. 型内発泡粒子成形体の表面に、スチレンとゴムのセグメントをもつ熱可塑性ポリマーを主成分として含有する配合物(i)と、ウレタン樹脂を主成分として含有する配合物(ii)とを塗布してなる防水層が形成されていることを特徴とする防水性型内発泡粒子成形体。
  3. 該配合物(i)が型内発泡粒子成形体の表面から少なくとも厚み1mm含浸して防水層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の防水性型内発泡粒子成形体。
  4. 該配合物(i)及び/又は配合物(ii)が型内発泡粒子成形体の表面から少なくとも厚み1mm含浸して防水層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の防水性型内発泡粒子成形体。
  5. 該型内発泡粒子成形体を構成する基材樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防水性型内発泡粒子成形体。
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