JP5139668B2 - 発泡体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、美麗な外観を呈し、高い剛性を有し、均一で大きいセル径を有する発泡体およびその製造方法に関する。
発泡体の製造方法としては、古くは化学発泡剤を樹脂に添加して樹脂を発泡させる方法が知られており(特許文献1)、これを起点として様々な方法が開発されて来た。最近では、発泡能力を向上させるために、超臨界状態の二酸化炭素や窒素を樹脂に含浸させて樹脂の発泡成形を行う超臨界発泡成形法が提案される一方(特許文献2)、全く別な手法として、特定温度で熱分解してガスを発生する化学発泡剤を熱可塑性樹脂に配合した熱膨張性マイクロカプセルを用いで発泡体を製造する方法も提案されている(特許文献3)。このように様々な素材や製法の提案がなされているが、いまだに発泡成形法或いは得られた発泡体において、後述するような様々な課題を抱えている。
特公昭39−22213号公報(化学発泡剤を用いる発泡体の製造方法) 米国特許第5334356号明細書(超臨界発泡成形による発泡体の製造方法) 特許第3490829号公報(熱膨張性マイクロカプセルを用いる発泡射出成形物の製造方法)
一般的に、発泡体の強度など諸物性は、発泡セルの大きさやその分布に支配され、それらを規定する大きな因子としてのマトリックス樹脂の伸長粘度特性に支配されていることは良く知られている。
そのため、化学発泡剤を使用する発泡成形や、物理発泡剤を使用する物理発泡成形においては、発泡起爆剤として大量のガスを樹脂中に含浸させ高倍率の発泡体を得ようとしても、樹脂の伸長粘度がその力に耐えられなければ、発泡セルの壁が破れてしまって巣と呼ばれる大きな空洞が生じ、成形品はもはや発泡体とはいえないものとなった。そのため、発泡体の倍率はある範囲内にとどまらざるを得ず、その改善策として、樹脂の伸長粘度を上げる樹脂改質や、増粘剤的な添加剤の使用が検討された。しかし、そのような対策を取ると、もともと発泡体が持っていた軽量化による材料費削減という大きな特質を損なってしまい、その発泡体使用のメリットを失う結果になった。また、射出成形機内で樹脂中に含浸されていた気体が射出時に樹脂外に放出されることにより製品表面にシルバーストリークという筋状の外観欠陥が発生し、このために発泡体の使われる用途を限定させる結果となっていた。
一方、上記のような問題を解決する技術として、シェル・コア構造を持つ熱膨張性マイクロカプセルによる発泡成形が提案された。この方法は、発泡剤がシェルの中に収まっているために、美麗な外観を持つ発泡体を得ることができるという長所を持っている反面、発泡倍率の点では化学発泡や物理発泡のレベルには及ばないという欠点があった。
本発明は、セル壁の破断やボイドを来たすことなく、美麗な外観を呈し、高い剛性を有し、均一で大きいセル径(すなわち高い発泡倍率)を有する発泡体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、樹脂の特性を損ねずに発泡倍率を上げる方法として、樹脂に不活性ガスと、シェル・コア構造を持つ熱膨張性マイクロカプセルとを充填させることにより、マイクロカプセル粒子のシェルをセル壁とし、内部を、コアおよび樹脂に添加された不活性ガスとした高倍率の発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、射出成形機内で熱可塑性樹脂と熱膨張性マイクロカプセルとを加圧下に混合し、これに、1MPa以上の高圧状態かつ超臨界状態で60MPa未満の不活性ガスを含浸させるとともに、該熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で溶融させてなる溶融混合物を固定型および可動型からなる金型のキャビティ内に向けて射出し、次いで、可動型を移動させることで金型キャビティを拡大して、金型キャビティ内の圧力を急速に低下させることで発泡させることを特徴とする発泡体の製造方法である。
本発明方法により得られる発泡体は、不活性ガスの含浸は行わないで製造した発泡体(すなわち、射出成形機もしくは押出機内で熱可塑性樹脂と熱膨張性マイクロカプセルを、該熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で溶融混合し、この混練物を射出もしくは押出したあと大気圧下に発泡させることで得られた発泡体)に比べ、大きい径のセルを含む。本発明の製造方法によれば、熱膨張性マイクロカプセルの充填と共に不活性ガスの含浸を行うことにより、セル壁の破断やボイドを来たすことなく、美麗な外観を呈し、高い剛性を有し、大きいセル径(すなわち高い発泡倍率)を有する発泡体を得ることができる。
本発明方法により得られる発泡体の好ましい見かけの発泡倍率は1.2倍以上であり、好ましい目付量は1.5kg/m 以下であり、好ましい厚みは2.0mm以上である。発泡体の形態の好ましい例としては、シート状体、板状体、或いはこれらにリブやボス等が付設されたものなどが挙げられる。
以下、本発明の各構成について詳しく説明をする。
本発明方法においては、射出および押出成形材料である熱可塑性樹脂と、熱膨脹性マイクロカプセルとを、成形機内で該熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で加圧下に溶融混合する。
射出および押出の成形素材である熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂等)、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂(酢酸セルロース等)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体系熱可塑性エラストマー、天然ゴム系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、トランス−ポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーが用いられる。
上記熱可塑性樹脂には、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、補強剤、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を必要に応じて適量加えることができる。
上記熱可塑性樹脂には、の添加剤を配合することができる。
熱膨脹性マイクロカプセルとは、熱可塑性樹脂からなるシェル内に発泡剤(膨張剤)を内包したものである。発泡剤(膨張剤)としては、たとえば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパンの如き特定フレオン類や代替フレオン類、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルの如き炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロロエチレンの如き塩素化炭化水素などが例示される。
熱膨張性マイクロカプセルに占める発泡剤(膨張剤)の割合は、好ましくは5〜30重量%である。
熱膨脹性マイクロカプセルのシェルを構成する熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、酢酸ビニルなどを構成成分として含むホモポリマーまたはコポリマーをはじめとする種々の熱可塑性樹脂が例示される。この熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋剤で架橋または架橋可能にされていてもよい。
熱膨脹性マイクロカプセルの平均粒径は、通常は2〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは10〜30μmである。
熱膨脹性マイクロカプセルは、膨張開始温度が115℃以上(好ましくは120℃以上)、最大膨張温度が150℃以上(好ましくは160℃以上、殊に170℃以上)であるものが特に望ましい。上限は、膨張開始温度が200℃程度(殊に180℃程度)まで、最大膨張温度が250℃程度(殊に230℃程度)までである。
熱膨脹性マイクロカプセルはそのまま成形素材の熱可塑性樹脂と混合してもよいが、予めこれを少量の熱可塑性樹脂(上記の成形素材樹脂と同種でも異種でもよい)に混合してマスターバッチとし、これを用いることも好ましい。マスターバッチに用いる樹脂は、上述した成形素材の熱可塑性樹脂から選ばれたものであってよい。マスターバッチを構成する熱膨脹性マイクロカプセルと樹脂の重量比は、好ましくは100:10〜100:65である。
熱可塑性樹脂100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルの割合は、通常は0.3〜10重量部、好ましくは0.4〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜6重量部である。熱膨張性マイクロカプセルの割合が余りに少ないときは発泡体の特性が得られず、余
りに多いときは、成形性が損なわれたり、機械的強度が低下したりする。
つぎに、上記熱可塑性樹脂と熱膨脹性マイクロカプセルの溶融混合の後、得られた溶融混合物に超臨界状態にある不活性ガスを含浸させる。
本発明で用いられる不活性ガスとしては、上記熱可塑性樹脂に対して不活性なものであれば特に制限されず、例えば、二酸化炭素、窒素ガス等が挙げられる。これらのガスは混合して用いてもよい。
不活性ガスの供給位置は、特に限定されず、例えば、成形機の加熱バレルに設けられたガス注入口、成形機のホッパ等であってよい。
不活性ガス含浸工程における圧力は、不活性ガスの熱可塑性樹脂や熱膨脹性マイクロカプセルへの含浸速度を上げるために1MPa以上の高圧状態、更には超臨界状態とすることが好ましい。但し、二酸化炭素の場合60MPa以上で含浸させると、含浸圧力を少し変化させるだけでセル径、セル密度が大きく変わるため、セル径及びセル密度の制御が困難になりやすい。
不活性ガス含浸工程における温度は、例えば10〜350℃程度である。
つぎに、溶融混合物への不活性ガスの含浸の後、この混合物を射出もしくは押出し、発泡させる。
射出成形では、溶融混合物を金型キャビティ内へ超高速で一挙に吐出充填し次いで金型キャビティ内の圧力を急速に低下させる。圧力を低下させるには、例えば、金型を構成する可動型やスライド駒をキャビティ拡大方向へ移動(後退)させる方法が採用できる。
本発明による発泡体の製造方法は、バッチ方式でも連続方式でもよいが後者が好ましい。連続方式によれば、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を使用して上記熱可塑性樹脂と熱膨脹性マイクロカプセルとを所定温度以上で加圧下に溶融混合し、ここへ高圧の不活性ガスを注入し、十分にガスを熱可塑性樹脂中に含浸させた後、溶融混合物を熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で金型キャビティ内に向けて射出し、または金型を経て押出したあと、急激に圧力を低下させることにより発泡体を得ることができる。
本発明の発泡体の製造方法によれば、セル壁の破断やボイドを来たすことなく、美麗な外観を呈し、高い剛性を有し、均一で大きいセル径(すなわち高い発泡倍率)を有する発泡体を得ることができる。
つぎに、本発明を具体的に説明するために、本発明の実施例およびこれとの比較を示すための比較例をいくつか挙げる。
実施例および比較例において用いた熱膨張性マイクロカプセルは、シェルをアクリル系架橋構造を持つ有機物で構成し、コアをイソペンタンとイソオクタンの混合物からなる発泡剤で構成したものであり(平均粒径30μm、膨張開始温度165℃、最大膨脹温度220℃)、これを予めエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学製、「KC−10」)と1:1の重量比で溶融混練してマスターバッチを作製し、これを用いた。
成形素材としての熱可塑性樹脂としては、汎用ポリプロピレン(プライムポリマー社製、「ポリプロピレン樹脂J−466HP」)を用いた。
不活性ガスの供給位置は、図1に示すように射出成形機の加熱バレル(1)に設けられたガス注入口(2)、図2に示すように射出成形機の加熱バレル(1)のホッパ(3)等であってよい。
図1および図2において、(4)はシリンダ、(5)はスクリュ、(6)はシャットオフノズル、(7)は固定型(8)と可動型(9)からなる金型である。
不活性ガスとしては二酸化炭素を用いた。
金型(7)のキャビティーの初期厚みは1.5mmとし、金型(7)の可動型(9)をキャビティ拡大方向へ移動(後退)させる量を変えることで最終製品の厚みを変えた。
実施例1
上記ポリプロピレン100重量部に熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチ3重量部を添加したものを成形素材として、図1に示す射出成形機の加熱バレル(1)にホッパ(3)から供給し、加圧下に混合した。超臨界状態にある二酸化炭素(ポリプロピレン100重量部当たり二酸化炭素0.3重量部)を、加熱バレル(1)の途中に設けられたガス注入口(2)から加熱バレル(1)内に注入し、樹脂組成物に含浸させるとともに、同組成物を該熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で加圧下に溶融させた。得られた発泡性樹脂組成物を金型(7)のキャビティ内に向けて射出した後、金型(7)の可動型(9)をキャビティ拡大方向へ1mm移動(後退)させることにより圧力を低下させた。こうして得られた発泡体をサンプリングした。
実施例2
可動型(9)の後退量を1.5mmとした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
実施例3
ポリプロピレン100重量部当たりの二酸化炭素量を1重量部とし、可動型(9)の後退量を1.5mmとした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行っ
た。実施例4
ポリプロピレン100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチ量を5重量部とし、ポリプロピレン100重量部当たりの二酸化炭素量を1重量部とし、可動型(9)の後退量を1.5mmとした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
実施例5
ポリプロピレン100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチ量を5重量部とし、ポリプロピレン100重量部当たりの二酸化炭素量を1重量部とし、可動型(9)の後退量を1.8mmとした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
比較例1
熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチは添加せず、ポリプロピレン100重量部当たりの二酸化炭素量を1重量部とした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
比較例2
熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチは添加せず、ポリプロピレン100重量部当たりの二酸化炭素量を3重量部とした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
尚、この比較例で、可動型(9)の後退量を1.5mmとした場合の成形品のサンプリングはしなたかったが、成形品内部に大きな空洞が発生し、発泡体は得られなかった。
比較例3
ポリプロピレン100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルのマスターバッチ量を5重量部とし、二酸化炭素量の注入を行わず、可動型(9)の後退量を1.3mmとした以外、実施例1と同様の操作を行い、発泡体のサンプリングを行った。
得られた発泡体の厚みは、キャビティの初期厚みと可動型(9)の後退量との和に比べかなり小さくなっており、薄肉からの発泡成形の場合、その力が弱いことを示唆していた。また、可動型(9)の後退量を1.3mm以上にしたところ、表面がアバタ状になった不良品を発生した。
比較例4
ポリプロピレンを成形素材として用い、二酸化炭素を注入せず、可動型(9)の後退も行わない(すなわち発泡を行わない)以外、実施例1と同様の操作を行い、成形品のサンプリングを行った。
評価試験
実施例および比較例で得られたサンプルについて、つぎの方法で評価試験を行った。
a)強度
実用上の強度を把握する指標として知られているEt3指標を用いた。この指標は、
(曲げ弾性率)×(測定サンプル厚み) で計算したもので、サンプルに同量の加重をかけたときのたわみ量の指標として使われている。
b)外観
成形時の樹脂流動痕として残るシルバーストリークの評価を下記の基準で行った。
◎:光沢面、シボ面共に良好
○:シボ面は良好
×:光沢面、シボ面共にシルバーストリークが観察された
c)最大セル径
サンプルを厚さ方向に切断し、断面の中心近傍をマイクロスコープにて観察して、最大のセルについて長径と短径の平均値を求めた。
得られた試験結果を、測定サンプルの厚み、密度、曲げ弾性率、目付量、発泡倍率と共に表1に示す。
Figure 0005139668
表1から明らかなように、実施例1〜5のサンプルではいずれも比較例の発泡体より曲げ弾性率は低くなっているが、それ以上に厚みの効果で、実際に荷重がかかったときの耐性が高い成形品になっている。これはEt3指標が高くなっていることで示されている。
また、外観も、光沢面に対しては比較例4の非発泡成形品が優位であるものの、実用的に施されるシボ面においては、同等の評価を与えることができた。
一方、熱膨張性マイクロカプセルの有無による発泡体の比較として、比較例1、2と実施例1〜5とを比べると、まずシルバーストリークの有無(外観)の点で後者が明らかに優れており、更には可動型(9)の後退量を1.5mm以上とした実施例2〜5の発泡体においては、熱膨張性マイクロカプセルを加えていない比較例1、2の発泡体では得られなかった高いEt3指標が得られ、より剛性のある成形品を得ることができた。
実施例および比較例で用いた熱可塑性樹脂の射出発泡体の製造装置における樹脂加熱溶融部の一例を示す概略構成図である。 熱可塑性樹脂の射出発泡体の製造装置における樹脂加熱溶融部の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
(1) 射出成形機の加熱バレル
(2) ガス注入口
(3) ホッパ
(4) シリンダ
(5) スクリュ
(6) シャフトオフノズル
(7) 金型
(8) 固定型
(9) 可動型

Claims (2)

  1. 射出成形機内で熱可塑性樹脂と熱膨張性マイクロカプセルとを加圧下に混合し、これに、1MPa以上の高圧状態かつ超臨界状態で60MPa未満の不活性ガスを含浸させるとともに、該熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度以上の温度で溶融させてなる溶融混合物を固定型および可動型からなる金型のキャビティ内に向けて射出し、次いで、可動型を移動させることで金型キャビティを拡大して、金型キャビティ内の圧力を急速に低下させることで発泡させることを特徴とする発泡体の製造方法。
  2. 不活性ガスが、二酸化炭素および窒素のいずれか一方またはこれらの混合物とされていることを特徴とする請求項1記載の発泡体の製造方法。
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