JP2002001783A - 熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物発泡体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造方法および熱可塑性樹脂組成物発泡体

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JP2002001783A
JP2002001783A JP2000181801A JP2000181801A JP2002001783A JP 2002001783 A JP2002001783 A JP 2002001783A JP 2000181801 A JP2000181801 A JP 2000181801A JP 2000181801 A JP2000181801 A JP 2000181801A JP 2002001783 A JP2002001783 A JP 2002001783A
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resin composition
mold
foam
temperature
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JP2000181801A
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English (en)
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Satoshi Shimura
吏士 志村
Koji Harada
浩次 原田
Hitoshi Kawachi
斉 河内
Hiroyuki Hirano
博之 平野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/58Moulds
    • B29C44/586Moulds with a cavity increasing in size during foaming

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高倍率の発泡体を安定的に得ることができる
熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造方法を提供する。 【解決手段】 射出成形において、拡型機構を備えた金
型のキャビティ内に発泡性樹脂混合物を射出する。発泡
性樹脂混合物は熱可塑性樹脂と充填材とを前者100重
量部に対し後者5〜500重量部の割合で含み、さらに
発泡剤を加えて成る。その後、キャビティ内の射出樹脂
混合物の厚み方向中央部における温度が所定の温度範囲
になった状態で金型を拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂に充
填材とさらに発泡剤を加えて成る発泡性樹脂混合物を、
拡型機構を備えた金型のキャビティ内に射出し発泡させ
て発泡体を得る熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造方法、
および、この製造方法によって得られる熱可塑性樹脂組
成物発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、充填材を含む熱可塑性樹脂発泡体
のニーズは高まっている。これに関し、本出願人は、先
に、充填材を多く含む熱可塑性樹脂発泡体を製造する方
法として、熱可塑性樹脂と充填材とを、前者100重量
部に対し後者50〜500重量部の割合で含み、かつ押
出機内で混合溶融されてなる溶融樹脂混合物を押出機か
ら金型を経て押し出して、押出成形を行うに当たり、押
出機に供給前の樹脂混合物および/または押出機内の溶
融樹脂混合物に非反応性ガスを溶解させる方法を提案し
た(特願平11−73876号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は、
シート状の発泡体の製造方法であり、3次元形状を有す
る発泡体を得ることはできなかった。
【0004】充填材を多く含む熱可塑性樹脂の3次元形
状発泡体を得る方法として、射出成形の応用が考えられ
る。しかし、射出成形では、押出成形等の連続成形に比
べ、金型内において溶融成形材料を急激に冷却するの
で、材料温度の制御が困難になり、急激な温度降下のた
め材料の伸長粘度も急激に変化するため、発泡体を安定
的に得られなかったり、倍率の低い発泡体しか成形する
ことができなかった。
【0005】本発明は、上記の点に鑑み、高倍率の発泡
体を安定的に得ることができる熱可塑性樹脂組成物発泡
体の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明の具体的な説明を以
下に示す。
【0007】射出成形を応用して、金型のキャビレィ内
に発泡剤を含む樹脂混合物を射出し、発泡させて発泡体
を製造する製造方法は、主として次のような工程順序を
とる。まず、金型のキャビレィ内に発泡性樹脂混合物を
射出する射出工程。次に、この発泡性樹脂混合物を発泡
させる発泡工程。発泡工程では、射出工程後にキャビテ
ィを拡大して樹脂が発泡できるスペースを確保した後、
発泡を行う。次に、発泡した樹脂組成物を冷却・固化し
形状を固定する冷却工程。最後に、熱可塑性樹脂組成物
発泡体を金型から取り出す取り出し工程である。
【0008】本発明において、「樹脂混合物」とは充填
材を含む熱可塑性樹脂にさらに発泡剤を加えてなる成形
材料であり、「熱可塑性樹脂組成物」とは溶融された樹
脂混合物を成形したものであり、「熱可塑性樹脂組成物
発泡体」とは発泡している熱可塑性樹脂組成物である。
【0009】本発明は、射出成形において、熱可塑性樹
脂と充填材とを前者100重量部に対し後者5〜500
重量部の割合で含み、さらに発泡剤を加えて成る発泡性
樹脂混合物を、拡型機構を備えた金型のキャビティ内に
射出した後、キャビティ内の射出樹脂混合物の「厚み方
向の中央部」の温度が所定の温度範囲になった状態で金
型を拡大することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物発泡
体の製造方法である。
【0010】本発明方法において、熱可塑性樹脂として
下記条件を満たすものを用いることが好ましい。
【0011】伸長粘度測定から得られた伸長応力σとH
encky歪みεの関係を表すグラフf(ε)におい
て、伸長応力σの最大値σmaxを示すHencky歪
みの値をεmaxとし、破断時の歪みをε1としたとき
のグラフf(ε)のε=0.1×ε1からε=0.25
×ε1の値から求めた近似直線をg(ε)とするとき、
σmax>g(εmax)の関係が成立すること。σm
axがg(εmax)よりも大きければ大きいほど好ま
しい。
【0012】上記のような条件を満たす樹脂を使用する
理由は、上記条件の樹脂が歪みの増加とともに伸長応力
が増加するという歪み硬化性を持つからである。
【0013】本発明で用いられる伸長応力σとHenc
ky歪みεの関係を表すグラフf(ε)は、以下の測定
方法により求められる。
【0014】○測定装置:測定装置は、Meissne
r型の一軸伸長粘度計、例えば東洋精機社製の一軸伸長
粘度計等である。
【0015】○サンプル:サンプルは直径5mm程度、
長さ20cm程度のひも状サンプルである。ひも状サン
プルは押出機または円管式溶融物性測定器で成形された
ものである。
【0016】○測定温度:測定温度は特に限定されない
が、好ましくは本発明において定義した「所定の温度範
囲」である。
【0017】○伸長応力σおよびHencky歪みεの
計算(参考文献「日本レオロジー学会誌」、13巻、3
号、93−100頁(1985)。
【0018】これらは一定歪み速度の条件で測定され
る。ここでいう歪みとは以下に定義されるHencky
歪みεのことである。
【0019】ε=ln(l/l )(ただし、lは時
間t秒後の長さ、l は初期の長さ)
【0020】Meissner型一軸伸長粘度計では、
サンプルを一定距離の回転クランプで保持し、回転速度
を一定にしてその区間内でのサンプルの伸長挙動を測定
するので、t秒後のサンプル全体の伸長長さを把握する
ことはできない。さらに回転クランプは、歪み速度の設
定値から計算された一定回転速度で回転するが、回転ク
ランプとサンプルの間に滑りが生じ、実際のサンプルの
歪み速度は設定値よりも小さくなる。よって、ひも状の
サンプルの直径dを時間毎に計測し、その減少度から歪
み速度ε を計算する。樹脂の非圧縮性を仮定すると
以下の式が成り立つ。
【0021】lnd=lnd −1/2(ε t)
(ただしd は初期直径、dはt秒後の直径) この式の直線関係(lnd対t)の傾きから歪み速度ε
が求められる。
【0022】伸長応力σと伸長粘度ηは次式で算出され
る。
【0023】σ=F/(π・(d/2)^2)(ただし
Fはt秒後の張力) η=σ/ε 通常、伸長時間tに対して上記で得られた伸長粘度ηを
両対数プロットし、そのカーブから伸長特性を把握する
が、記述したように、設定歪み速度通りに測定ができな
いので、一般には歪み速度を変化させ、数個のグラフか
らその樹脂の伸長特性を把握するようにしている。しか
し、その方法では測定が煩雑になる上、他の樹脂との比
較がしにくい。ところが上記の参考文献にもあるよう
に、Hencky歪みεに対して伸長特性をプロットす
ると、歪み速度によらず、ほぼ同じ挙動を示すことが分
かっている。故に、本発明においては伸長応力σとHe
ncky歪みεの関係を表すグラフf(ε)を基に樹脂
混合物の特性を規定する。
【0024】○測定条件:設定歪み速度0.1sec−1 熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂を用いること
が好ましい。
【0025】発泡剤として、非反応性ガスを用いること
が好ましい。
【0026】金型温度を「所定の金型温度範囲」にする
ことが好ましい。
【0027】上記の方法のいずれか1つまたは2以上の
組み合わせによって望ましい熱可塑性樹脂組成物発泡体
を得ることができる。
【0028】上記の方法のいずれか1つまたは2以上の
組み合わせによって成形され、かつ、少なくとも一面の
少なくとも一部の表層が除去されてなる熱可塑性樹脂組
成物発泡体を得ることができる。
【0029】得られた発泡体は、見かけの発泡倍率が
1.25倍以上、好ましくは1.75倍以上、さらに好
ましくは3.5倍以上のものである。ここで、見かけの
発泡倍率とは次式で示される。発泡倍率の上限は好まし
くは5倍程度である。
【0030】見かけの発泡倍率=樹脂混合物の密度÷熱
可塑性樹脂組成物発泡体の密度本発明において「表層」
とは、熱可塑性樹脂組成物発泡体の少なくとも表面近く
において、気泡が無いか、もしくは、気泡径が10μm
以下である気泡が気泡全体の80容積%以上を占める部
分を含む領域をいう。ここで気泡径とは、熱可塑性樹脂
組成物発泡体を厚み方向に沿って切断したときの、気泡
の断面を楕円で近似した長軸とする。
【0031】本発明において「所定の温度範囲」とは、
樹脂がある程度以上およびある程度以下の伸長応力を有
する温度範囲であり、結晶性樹脂の場合は[融解温度T
pm+40℃]から[Tpm−20℃]、好ましくは
[融解温度Tpm+30℃]から[Tpm−10℃]、
さらに好ましくは[融解温度Tpm+20℃]から[T
pm]であり、非結晶樹脂の場合は[ガラス転移温度T
mg+40℃]から[Tmg−20℃]、好ましくは
[ガラス転移温度Tmg+30℃]から[Tmg−10
℃]、さらに好ましくは[ガラス転移温度Tmg+20
℃]から[Tmg]である。但し、ポリ塩化ビニル樹脂
においては、融解温度Tpmと熱分解温度が近く、成形
は融解温度Tpm以下で行われている。このように成形
が融解温度Tpm以下で行われている結晶性樹脂の場合
は[融解温度Tpm]から[Tpm−60℃]、好まし
くは[融解温度Tpm]から[Tpm−40℃]、さら
に好ましくは[融解温度Tpm]から[Tpm−20
℃]を「所定の温度範囲」とする。同様に成形がガラス
転移温度Tmg以下で行われている非結晶性樹脂の場合
は、[ガラス転移温度Tmg]から[Tmg−60
℃]、好ましくは[ガラス転移温度Tmg]から[Tm
g−40℃]、さらに好ましくは[ガラス転移温度Tm
g]から[Tmg−20℃]を「所定の温度範囲」とす
る。
【0032】「所定の温度範囲」を、樹脂がある程度以
上、ある程度以下の伸長応力を有する温度範囲とした理
由は、樹脂混合物の溶融物が発泡する際に温度が高すぎ
ると、伸長応力が低下し、発泡した気泡壁が形状を保持
できず、ちぎれや気泡の破泡が生じてしまい発泡体の成
形ができず、逆に発泡する際に温度が低すぎると、伸長
応力が高くなり、気泡が成長できないからである。
【0033】融解温度Tpmおよびガラス転移温度Tm
gの決定方法としては、例えば、次のような方法があ
る。ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂等の
結晶性樹脂の場合は、融解温度TpmはJIS K71
21により測定した融解温度とする。後述する実施例で
は、融解温度Tpmの決定方法として、上記の方法を用
いた。ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ABS樹脂等の非結晶性
樹脂の場合は、ガラス転移温度TmgはJIS K71
21により測定したガラス転移温度とする。
【0034】本発明において「所定の温度範囲」の判定
箇所をキャビティ内の射出樹脂混合物の「厚み方向の中
央部」にした理由は、以下の通りである。射出成形にお
いて金型のキャビティ内に射出された樹脂混合物は表面
から冷却されていく。例えば、キャビティ内の射出樹脂
混合物の「厚み方向の表面近く」の温度が「所定の温度
範囲」になった時点で拡型を行い発泡を試みた場合、場
合によっては「厚み方向の中央部」の樹脂温度がまだ高
いままであり、樹脂混合物が「所定の温度範囲」まで冷
却されていない可能性がある。もし、樹脂混合物が「所
定の温度範囲」まで冷却されていなければ、同中央部に
おいて、伸長応力が低下し発泡した気泡壁が形状を保持
できず、ちぎれや気泡の破泡が生じてしまい発泡体の成
形ができない。一方、「厚み方向の中央部」の樹脂温度
が「所定の温度範囲」になった時点で拡型を行い、発泡
を試みた場合、場合によっては表面近くの樹脂温度はす
でに低くなっており、樹脂混合物が「所定の温度範囲」
以下まで冷却されている可能性がある。しかし、このよ
うに表面近くでは樹脂混合物が「所定の温度範囲」以下
まで冷却され、温度が低すぎて伸長応力が高くなり、気
泡が成長できなくても、中央部が発泡できるので、常に
発泡体の成形はできることになる。
【0035】後述する実施例では、金型内での樹脂温度
を、金型温度の実測値、樹脂物性の実測値を用い数値解
析にて求めた。
【0036】本発明において「所定の金型温度範囲」と
は、“樹脂が流動性から非流動性になる温度以下でかつ
70℃以上”である。樹脂が流動性から非流動性になる
温度は、結晶性樹脂の場合は融解温度Tpmであり、非
結晶樹脂ではガラス転移温度Tmgである。但し、ポリ
塩化ビニル樹脂においては、融解温度Tpmと熱分解温
度が近く、成形は融解温度Tpm以下で行われている。
このように成形が融解温度Tpm以下で行われている結
晶性樹脂の場合は[融解温度Tpm−30℃]を“樹脂
が流動性から非流動性になる温度”とする。同様に成形
がガラス転移温度Tmg以下で行われている非結晶性樹
脂の場合は、[ガラス転移温度Tmg−30℃]を“樹
脂が流動性から非流動性になる温度”とする。
【0037】「所定の金型温度範囲」を“樹脂が流動性
から非流動性になる温度以下で70℃以上”とした理由
は、下記の通りである。樹脂組成物を発泡させることだ
けを考えると理想的には、金型の温度は上述の「所定の
温度範囲」とするのが好ましい。しかし、表面近くの樹
脂が高温で流動性がある場合、成形品は形状を保持する
ことができないので金型から取り出すことができない。
そのため、「所定の金型温度範囲」は、“樹脂が流動性
から非流動性になる温度以下”である必要がある。「所
定の金型温度範囲」を“70℃以上”としたのは、70
℃未満では効果がでない上に、“70℃以上”にするた
めには一般的な水温調ではなくオイル温調が必要になる
ためである。
【0038】本発明において、拡型は変速で行ってもよ
いし、2段階以上(2段階を含む)の多段で行ってもよ
い。多段で拡型を行うことにより、金型表面と樹脂の間
の熱伝達係数を低下することができ、厚み方向の樹脂温
度分布を均一化できるので、高倍率の発泡体をより安定
的に得ることができる。この場合、2段階目以降(2段
階目を含む)の金型拡型において、キャビティ内の射出
樹脂混合物の「厚み方向の中央部」の温度が「所定の温
度範囲」になった状態で金型を拡型する。
【0039】発泡剤は特に限定されるものではなく、例
えばアゾジカルボンアミド(ADCA)、イソブチロニ
トリル(AZDN)等の化学発泡剤または、炭酸ガス、
窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等の物理発泡
剤が使用でき、これらは単独で使用されてもよいし、2
種類以上併用されてもよい。発泡剤として非反応性ガ
ス、例えば炭酸ガスを用いることが好ましい。
【0040】熱可塑性樹脂は特に限定されるものではな
い。例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ABS樹脂等が使用できる。ポリアセター
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等には架橋樹脂を用
いることもできる。熱可塑性樹脂としてポリオレフィン
系樹脂を用いることが好ましい。
【0041】充填材も特に限定されるものではない。例
えば、シリカ、マイカ、タルク、石粉、珪藻土、クレ
ー、グラファイト、カーボンブラック、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉、
二硫化モリブデン、硫酸バリウム、リチウム石けん、木
粉、古紙、パルプ、ガラス等でも構わない。充填材とし
て木質系粉末を用いることが好ましい。
【0042】充填材は熱可塑性樹脂100重量部に対し
5〜500重量部、好ましくは50〜500重量部、よ
り好ましくは50〜200重量部の割合で配合される。
【0043】その理由は、例えば充填材として木質系粉
末を用いる場合、吸音性は充填材が気泡形態を変化させ
ることにより発現しており、5重量部以上であれば発現
可能であり、吸放湿性等の充填材自体の機能は、50重
量部以上では十分に発現でき、逆に200重量部を超え
ると粘度が高くなり500重量部を超えると著しく粘度
が増加し成形困難になるからである。
【0044】後述する実施例では、樹脂特性は樹脂の選
定で実現したが、架橋等の樹脂改質や、ナノコンポジッ
ト(幅数十nm〜数百nm、厚み0.数nm〜数nmの
層状珪酸塩)の配合等により樹脂特性を改質しても構わ
ないし、樹脂製造時にメタロセン触媒等を用いて分子量
分布を変更することにより、樹脂改質を実現しても構わ
ない。
【0045】金型温度を「所定の金型温度範囲」にした
場合、発泡剤により発生した発泡ガスの圧力により熱可
塑性樹脂発泡体が膨れ、破壊等することがある。この場
合、熱可塑性樹脂発泡体内にある発泡剤により発生した
発泡ガスを金型内で脱ガスし、膨れ、破壊等を防ぐこと
ができる。脱ガスの方法としては、金型に設けた、キャ
ビティ内に突出可能な可動式のピン等により熱可塑性樹
脂発泡体表面に穴をあける方法や、型内ゲートカット機
構を設けた金型を用い、取り出し前に型内ゲートカット
機構を作動させ、ゲート部に切り込み、穴等をあける方
法等がある。
【0046】
【作用】本発明では、金型にキャビティを拡大できる拡
型機構を備えた金型に用いることと、キャビティを拡大
するときの樹脂温度を「所定の温度範囲」に限定するこ
とにより、熱可塑性樹脂組成物発泡体を安定的に製造す
るができる。
【0047】請求項2記載の特定の樹脂特性をもつ樹脂
を用いることで、充填材を多く含む場合でも、高倍率の
熱可塑性樹脂組成物発泡体を得ることができる。
【0048】充填材に木質系粉末を用いることにより、
発泡体に吸放湿性機能を付与することができる。
【0049】熱可塑性樹脂にポリオレフィンを用いるこ
とにより、コストが安く、強度等も良好で、しかも、燃
焼時にダイオキシン、窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害
物質の発生の恐れの少ない発泡体を得ることができる。
【0050】発泡剤に非反応性ガスを用いることによ
り、樹脂の可塑化効果が増し、樹脂組成物を低温で成形
できる。したがって、高温で劣化しやすい木質系粉末等
の充填材を使用した場合に、充填材を劣化させることな
く成形ができる。また、ADCA等の化学発泡剤は窒素
を含むので燃焼時にNOx等の発生が懸念されるが、炭
酸ガスのような非反応性ガスを使った場合はそのような
恐れはない。さらに非反応性ガスではADCA等の化学
発泡剤に比べ発泡圧が高いために成形条件幅が広がり安
定的な成形ができる。
【0051】金型温度を「所定の金型温度」にすること
により、厚み方向に「所定の温度範囲」の樹脂領域を大
きくすることができたので、さらに高倍率の熱可塑性樹
脂組成物発泡体を得ることができる。
【0052】さらに、少なくとも一面の少なくとも一部
の表層が除去されてなる熱可塑性樹脂組成物発泡体は、
吸放湿性等の機能を格段に向上し、吸音性という新たな
機能を発現させることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によ
り具体的に説明する。
【0054】図1は本発明に係る熱可塑性樹脂発泡体の
製造方法の一実施形態を示す説明図である。
【0055】(比較例1)図1において、(1) は射出成
形装置、(11)は同成形装置(1) の樹脂可塑化混練用のシ
リンダ、(12)はシリンダ(11)の後端寄りの上側に設けら
れた耐圧チャンバー、(13)は耐圧チャンバー(12)の上に
設けられたホッパー、(14)は発泡剤として使用する炭酸
ガスのボンベで、管路(142) を介して耐圧チャンバー(1
2)に接続されている。(141) は管路(142) に設けられた
圧力調整バルブ、(121)(122)(123)(124)はバルブであ
る。(2) は固定型(21)と可動型(22)からなる射出成形用
金型である。
【0056】熱可塑性樹脂として結晶性樹脂である日本
ポリケム社製ポリプロピレン(グレード:EA7、樹脂
の融解温度160℃)と、充填材としての天然木質粉末
を、前者100重量部に対し後者100重量部の割合で
配合し、この配合物を押出機により予めペレット化し
た。
【0057】得られたペレットをホッパー(13)に投入
し、バルブ(122) を開にして、ペレットを耐圧チャンバ
ー(12)内へ送った。その後、バルブ(122)(123)(124) を
閉じ、圧力調整バルブ(141) により圧力を5.5MPa
に調整された炭酸ガスをバルブ(121) を経て耐圧チャン
バー(12)に導入した。
【0058】こうして、耐圧チャンバー(12)内におい
て、ペレットを炭酸ガスの圧力5.5MPaで温度40
℃で1時間保持し、炭酸ガスをペレットに溶解させた。
【0059】図2および図3において、可動型(22)は進
退可能な移動型(221) と、上下動可能なクサビ片(222)
とを具備し、クサビ片(222) は油圧装置(224) と接続さ
れた油圧シリンダ(223) の動作により昇降されるように
なっている。そして、図2(a) に示すようにクサビ片(2
22) が降下したときキャビティ(3) が縮小され、図3に
示すようにクサビ片(222) が上昇するときはキャビティ
(3) は拡大される。キャビティ(3) 内のシリンダ側面に
は中心よりやや上に赤外線温度計(300) が設けられてい
る。
【0060】炭酸ガスを溶解した熱可塑性樹脂ペレット
を高圧チャンバー(12)からバルブ(124) を経て、ヒータ
温度を200℃に設定した樹脂可塑化混練用のシリンダ
(11)内に供給し、シリンダ(11)先端寄りの計量部に、図
2(a) に示す厚み3mmのキャビティ(3) の容量の分だ
け樹脂可塑化混練物を溜めた。キャビティ(3) の形状
は、図2(b) に示すように、シリンダの長さ方向に見て
直径200mmの円盤形状である。
【0061】その後、この樹脂可塑化混練物をランナー
部(5) およびゲート部(4) を経て厚み3.75mmのキ
ャビティ(3) 内に射出し、キャビティ(3) 内にある熱可
塑性樹脂組成物発泡体を210秒間冷却し、金型(2) を
開き、同発泡体を取り出した。
【0062】キャビティ(3) の厚み(t) を4.5mm、
5.25mmと変えた以外、上記と同様の操作を行い、
それぞれ熱可塑性樹脂組成物発泡体を得た。
【0063】得られた熱可塑性樹脂組成物発泡体の発泡
状態を目視観察した。観察結果を表1に示す。表中、○
は発泡状態が良好であること、×は発泡状態が不良であ
ることを示す。
【0064】
【表1】 (比較例2)比較例1において、図2(a) の厚み(t1)3
mmのキャビティ(3) に内樹脂可塑化混練物を射出した
直後、油圧シリンダ(223) によってクサビ片(222) を上
昇させ、移動型(221) を後退させることにより、キャビ
ティ(3) の厚みを図2(a) の(t1)から図3の(t2)に拡大
した。その後、キャビティ(3) 内にある熱可塑性樹脂組
成物発泡体を210秒間冷却し、金型(2) を開き、同発
泡体を取り出した。厚み拡大後のキャビティ厚み(t2)は
3.75mm、4.5mm、5.25mm、拡大速度は
10mm/秒とした。その他の点は比較例1と同様に操
作した。
【0065】得られた熱可塑性樹脂組成物発泡体の発泡
状態を目視観察した。観察結果を表2に示す。表中、○
は発泡状態が良好であることを、×は発泡状態が不良で
あることを示す。
【0066】
【表2】 (実施例1)比較例2において、図2(a) の厚み(t1)3
mmのキャビティ(3) に内樹脂可塑化混練物を射出した
後、所定の遅延時間をおき、厚み方向の樹脂温度を変化
させて、その後、油圧シリンダ(223) によってクサビ片
(222) を上昇させ、移動型(221) を後退させることによ
り、キャビティ(3) の厚みを図2(a) の(t1)から図3の
(t2)に拡大した。その後、キャビティ(3) 内にある熱可
塑性樹脂組成物発泡体を210秒間冷却し、金型(2) を
開き、同発泡体を取り出した。シリンダ(11)のヒータ温
度は200℃とし、冷却水温度は30℃とした。
【0067】厚み拡大後のキャビティ厚み(t2)はそれぞ
れ3.75mm、4.5mm、5.25mm、6.00
mmとし、見かけの設定発泡倍率はそれぞれ1.25
倍、1.5倍、1.75倍、2.0倍となる。また拡大
速度は10mm/秒とした。
【0068】上記遅延時間はそれぞれ1秒、2秒、3
秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、1
1秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒とし
た。その他の点は比較例2と同様に操作した。
【0069】得られた熱可塑性樹脂組成物発泡体の発泡
状態を目視観察した。観察結果を表3に示す。熱可塑性
樹脂組成物発泡体の厚み方向の中央部での樹脂温度を数
値解析により求め、表3に示す。表3には、樹脂温度と
融解温度Tpmとの温度差も併せて示す。表中、○は発
泡状態が良好であることを、×は発泡状態が不良である
ことを示す。
【0070】
【表3】 [評価]比較例1、比較例2と実施例1とを比べると、
比較例1、比較例2では発泡体が安定的に得られない
か、倍率1.25倍以下の熱可塑性樹脂組成物発泡体し
か得られないのに対し、実施例1ではキャビティを拡大
するときの樹脂温度を「所定の温度範囲」にすることに
より、倍率1.75倍の熱可塑性樹脂発泡体を安定的に
得ることができる。
【0071】(実施例2)実施例1において、樹脂熱可
塑性樹脂としてMontel社製ポリプロピレン(グレ
ード:HMS−PP)を使用した。
【0072】日本ポリケム社製ポリプロピレン(グレー
ド:EA7)とMontel社製ポリプロピレン(グレ
ード:HMS−PP)との伸長粘度特性を測定した。測
定温度は190℃とした。測定結果を図4および図5に
それぞれ示す。図4より日本ポリケム社製ポリプロピレ
ン(グレード:EA7)はσmax>g(εmax)の
関係を満たしていないことが分かり、図5よりMont
el社製ポリプロピレン(グレード:HMS−PP)は
σmax>g(εmax)の関係を満たしていることが
分かる。Montel社製ポリプロピレン(グレード:
HMS−PP)の融解温度Tpmも160℃である。
【0073】Montel社製ポリプロピレン(グレー
ド:HMS−PP)を用いたこの実施例において、キャ
ビティ内の射出樹脂混合物の厚み方向中央部における温
度を所定の温度範囲にするために、射出完了9秒後に、
油圧シリンダ(223) によってクサビ片(222) を上昇さ
せ、移動型(221) を後退させることにより、キャビティ
(3) の厚みを図2(a) の(t1)3mmから図3の(t2)に拡
大した。温度回析の結果、射出完了9秒後には、キャビ
ティ内の射出樹脂混合物の厚み方向中央部における温度
は167℃になっていた。
【0074】その後、キャビティ(3) 内にある熱可塑性
樹脂組成物発泡体を210秒間冷却し、金型(2) を開
き、同発泡体を取り出した。
【0075】厚み拡大後のキャビティ厚み(t2)は4.5
mm、6mm、9mm、10.5mm、12mmとし、
拡大速度は10mm/秒とし、シリンダ(11)のヒータ温
度は200℃にし、冷却水温度を30℃とした。その他
の点は実施例1と同様に操作した。
【0076】得られた熱可塑性樹脂組成物発泡体の発泡
状態を目視観察した。観察結果を表4に示す。表中、○
は発泡状態が良好であることを、×は発泡状態が不良で
あることを示す。
【0077】
【表4】 [評価]実施例2では、請求項2記載の特定の樹脂特性
をもつ樹脂を用いることにより、3.5倍という高倍率
の熱可塑性樹脂組成物発泡体を得ることができる。
【0078】(実施例3)実施例2において金型温度を
120℃にした。Montel社製ポリプロピレン(グ
レード:HMS−PP)の融解温度Tpmは160℃で
あるので、金型温度120℃はTpm−40℃に相当す
る。
【0079】キャビティ(3) の厚みを図2(a) の(t1)3
mmから図3の(t2)に拡大した。厚み拡大後のキャビテ
ィ厚み(t2)は4.5mm、6mm、9mm、10.5m
m、12mm、13.5mm、15mm、16.5m
m、18mm、19.5mmとし、拡大速度は10mm
/秒とし、熱可塑性樹脂組成物発泡体を冷却する時間は
420秒とした。その他の点は実施例2と同様に操作し
た。
【0080】得られた熱可塑性樹脂組成物発泡体の発泡
状態を目視観察した。観察結果を表5に示す。表中、○
は発泡状態が良好であることを、×は発泡状態が不良で
あることを示す。
【0081】
【表5】 [評価]実施例3では金型温度を「所定の金型温度」に
することにより、倍率6.0倍という高倍率の熱可塑性
樹脂組成物発泡体を得ることができる。
【0082】(実施例4)実施例2で得られた3.5倍
の熱可塑性樹脂組成物発泡体を温度25℃で、相対湿度
50%の雰囲気中に12時間保持し、その重量W0を測
定した。その後、温度25℃で、相対湿度を90%に変
化させて、この雰囲気中に上記発泡体を6時間保持し、
その重量W1を測定した。この発泡体の吸湿率を下式で
求めた結果、0.3重量%であった。
【0083】吸湿率=(W1−W0)÷W0×100 その後、温度25℃で、相対湿度を50%に戻し、この
雰囲気中に上記発泡体を6時間保持し、その重量W2を
測定した。その時の吸湿率を下式で求めた結果、−0.
2重量%であった。
【0084】吸湿率=(W2−W1)÷W1×100 [評価]実施例2で得られた倍率3.5倍の熱可塑性樹
脂組成物発泡体は吸放湿性を示すことがわかる。
【0085】(実施例5)実施例2で得られた倍率3.
5倍の熱可塑性樹脂組成物発泡体の片面の表層を、表面
から深さ2mmのところまで全面的にカッターでそぎ落
とし、温度25℃で、相対湿度50%の雰囲気中に同発
泡体を12時間保持し、その重量W0を測定した。その
後、温度25℃で、相対湿度を90%に変化させて、こ
の雰囲気中に上記発泡体を6時間保持し、その重量W1
を測定した。その時の吸湿率を下式で求めた結果、4重
量%であった。
【0086】吸湿率=(W1−W0)÷W0×100 その後、温度25℃で、相対湿度を50%に戻し、この
雰囲気中に上記発泡体を6時間保持し、その重量W2を
測定した。その時の吸湿率を下式で求めた結果、−3重
量%であった。
【0087】吸湿率=(W2−W1)÷W1×100 [評価]実施例2で得られた倍率3.5倍の熱可塑性樹
脂組成物発泡体の表層を除去することにより、熱可塑性
樹脂組成物発泡体の吸放湿性が格段に向上する。
【0088】(実施例6)実施例5で用いた熱可塑性樹
脂組成物発泡体の吸音率を、周波数100Hz〜500
0Hzで測定した。
【0089】その結果を図6に示す。図6には吸音ウレ
タンフォームの吸音率も併せて示す。
【0090】[評価]実施例2で得られた倍率3.5倍
の熱可塑性樹脂組成物発泡体の表層を除去することによ
り、熱可塑性樹脂組成物発泡体に吸音ウレタンフォーム
並みの吸音特性を発現させることができる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物発
泡体を安定的に製造するができる。特に、請求項2記載
の特定の樹脂特性をもつ樹脂を用いることにより、充填
材を多く含む場合でも、高倍率の熱可塑性樹脂組成物発
泡体を得ることができる。
【0092】また、充填材に木質系粉末を用いることに
より、発泡体に吸放湿性機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物発
泡体の製造に用いられる射出成形装置の一実施形態を示
す概略図である。
【図2】 図2(a) は、本発明に係る熱可塑性樹脂組成
物発泡体成形用金型のキャビティ拡大前の状態を示す垂
直縦断面図である。図2(b) は図2(a) 中のb−b線に
沿う断面図である。
【図3】 図3は、図2に示す金型のキャビティ拡大後
の状態を示す垂直縦断面図である。
【図4】 図4は、日本ポリケム社製ポリプロピレン
(グレード:EA7)の伸長粘度特性(伸長応力σとH
encky歪みεの関係)を表すグラフである。
【図5】 図5は、Montel社製ポリプロピレン
(グレード:HMS−PP)の伸長粘度特性(伸長応力
σとHencky歪みεの関係)を表すグラフである。
【図6】 図6は、熱可塑性樹脂組成物発泡体の吸音特
性(吸音率と周波数の関係)を表すグラフである。
【符号の概略】
(1) :射出成形装置 (11):シリンダ (12):耐圧チャンバ (121) 〜(124) バルブ (13):ホッパー (14):炭酸ガスボンベ (141) :圧力調整弁 (2):金型 (21):固定型 (22):可動型 (221) :移動型 (222) :クサビ片 (223) :油圧シリンダ (224) :油圧装置 (3) :キャビティ (300):赤外線温度計
フロントページの続き (72)発明者 平野 博之 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AB02 AB11 AG01 AG20 CA11 CB01 CK06 CK19 4F206 AA03 AB02 AB11 JA04 JC01 JN25 JN35 JQ81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形において、熱可塑性樹脂と充填
    材とを前者100重量部に対し後者5〜500重量部の
    割合で含み、さらに発泡剤を加えて成る発泡性樹脂混合
    物を、拡型機構を備えた金型のキャビティ内に射出した
    後、キャビティ内の射出樹脂混合物の厚み方向中央部に
    おける温度が所定の温度範囲になった状態で金型を拡大
    することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、伸長粘度測定から得ら
    れた伸長応力σとHencky歪みεの関係を表すグラ
    フf(ε)において、伸長応力σの最大値σmaxを示
    すHencky歪みの値をεmaxとし、破断時の歪み
    をε1としたときのグラフf(ε)のε=0.1×ε1
    からε=0.25×ε1の値から求めた近似直線をg
    (ε)とするとき、σmax>g(εmax)の関係が
    成立する熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1
    記載の熱可塑性樹脂組成物発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性
    樹脂組成物発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡剤が非反応性ガスであることを特徴
    とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物発泡
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 金型温度を所定の金型温度範囲に制御す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹
    脂組成物発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの方法で成形さ
    れたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物発泡体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかの方法で成形さ
    れ、かつ、少なくとも一面の少なくとも一部の表層が除
    去されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物発泡
    体。
  8. 【請求項8】 見かけの発泡倍率が1.25倍以上であ
    ることを特徴とする請求項6または7記載の熱可塑性樹
    脂組成物発泡体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006159531A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性樹脂発泡成形体の製造方法
WO2014038609A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 Akimoto Hideo 発泡成形品および発泡成形品の製造方法
CN114249877A (zh) * 2021-05-31 2022-03-29 东莞市润富高分子材料有限公司 一种防水效果好的渗透海绵及生产工艺

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