JP3682217B2 - 熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特公昭51−8424号公報に記載されているように、金型のキャビティに発泡性熱可塑性樹脂組成物を充填した後、キャビティを拡大して熱可塑性樹脂を発泡させて熱可塑性樹脂射出発泡成形体を製造する方法が知られている。
【0003】
この方法においては、高発泡の発泡体を所望の発泡倍率で得ることができるという利点がある一方、発泡セル径が粗大化し、条件が不適切な場合は中空の成形品しか得られないという問題もあった。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するため、例えば、特開平8−300391号公報に記載されているように、発泡性熱可塑性樹脂組成物の充填完了後に、金型面に接触する固化層と内部の溶融層が混在するまで冷却した後、キャビティを拡大する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法においては、金型面に接触する固化層のため、十分な断熱性能が得られず、熱抵抗は0. 04〜0. 07m2 K/Wと低いものしか得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決し、高倍率で熱伝導率が低く、熱抵抗の高い熱可塑性樹脂射出発泡成形体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」という)は、射出成形用金型のキャビティ内に、計量値で、拡大前のキャビティの体積の60〜90%の射出量の発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する工程と、キャビティをその状態に保持するとともに、上記樹脂組成物をその発泡によりキャビティ内に充満させつつ冷却する工程と、冷却後、キャビティ内の樹脂組成物の平均温度が樹脂の融点〜[融点+50℃]の範囲内になった時点で、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大し、発泡した気泡を成長させる工程とを包含するものである。
本発明により得られる熱可塑性樹脂射出発泡成形体は、熱伝導率が0. 07W/mK以下で、熱抵抗が0. 2m2 K/W以上となる。
【0008】
この成形体は、熱可塑性樹脂を射出成形により発泡成形して得られるものである。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、塩素化ポリエチレン等のオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「ABS樹脂」という)等のスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル等の塩素系樹脂;ポリフッ化エチレン等のフッ素系樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ケイ素樹脂、熱可塑性ウレタン、各種エラストマーなどが挙げられる。
【0009】
とりわけ、発泡に適した溶融張力もしくは伸張粘度を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等が好適に使用される。更に、ポリエチレン、ポリプロピレン等としては伸張粘度特性を調整した微架橋樹脂が好ましい。
【0010】
これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0011】
本発明の製造方法においては、まず、射出成形用金型のキャビティ内に、該キャビティ体積を充満するに不十分な射出量の発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する。
【0012】
上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する量は、拡大前のキャビティの体積の60〜90%に限定され、好ましくは65〜80%である。
【0013】
発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する量(即ち計量値)が少なすぎると、破泡による発泡セル径の粗大化が生じたり、熱可塑性樹脂樹脂がキャビティを充満しきらず、所望の形状の発泡体が得られず、多すぎると、発泡倍率の低下並びに、発泡不良による気泡数の減少、即ち所望の熱特性のものが得られないという問題が発生しやすくなる。
【0014】
本発明の製造方法において使用される発泡性熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と発泡剤とからなる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、本発明の成形体の項で説明したものと同様のものが使用される。
【0015】
上記発泡剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアゾジカルボンアミド、イソブチロニトリル等の化学発泡剤;炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、酸素等の物理発泡剤が使用できる。就中、炭酸ガス、窒素、アルゴン、ネオン、ヘリウム等の不活性ガス、すなわち樹脂に対して非反応性であるガスが、発泡力が高くかつ樹脂に均質に溶解させることが可能なため、品質の安定した高倍率発泡体の製造が可能となるので好ましい。これらは単独で使用されてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0016】
本発明の製造方法においては、次いで、キャビティをその状態に保持するとともに、上記樹脂組成物をその発泡によりキャビティ内に充満させつつ冷却する。
【0017】
キャビティをその状態に保持するとは、可動型が実質的に停止している状態を意味し、可動型が実質的に停止している状態とは、通常、可動型がキャビティを拡大する方向に移動する速度が、0.1mm/sec以下の状態をいう。ただし、可動型の移動する速度は好ましくは0mm/secである。
【0018】
この工程においては、熱可塑性樹脂は溶融されているとともに、発泡剤の分解温度(発泡温度)以上に加熱されているので、発泡が開始する。しかし、キャビティの体積が変化しないので、発泡はそれ以上進行しない。
【0019】
本発明の製造方法において、発泡させた樹脂組成物を冷却した後、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大し、上記樹脂組成物を完全に発泡させる。
この工程においては、キャビティ内の樹脂組成物の平均温度が樹脂の融点〜[融点+50℃]の範囲内になった時点で、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大させる。
【0020】
上記「融点」とは、樹脂が流動状態から非流動状態になる温度と定義する。融点は樹脂により次のように決められる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール等の結晶性樹脂は、JIS K7121により測定された融解温度Tpmを融点とする。また、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどの非結晶樹脂は、JIS K7121により測定されたガラス転移温度Tmgを融点とする。塩化ビニルは結晶性樹脂ではあるが、融解温度Tpmと熱分解温度が近く、成形は融解温度Tpm以下で行われている。このように成形が融解温度Tpm以下で行われている結晶性樹脂は、[融解温度Tpm−30℃]を融点とする。同様に、成形がガラス転移温度Tmg以下で行われている非結晶樹脂は、[ガラス転移温度Tmg−30℃]を融点とする。
【0021】
本発明において、「樹脂の平均温度」とは、金型キャビティ内の充填樹脂層の厚み方向の温度の平均値と定義する。充填樹脂層の厚み方向の温度は、特に限定されるものではないが、好ましくは、金型のゲート部と樹脂層先端との中央部すなわち層厚の中央部における温度である。
【0022】
充填樹脂の温度の決定方法の例としては、例えば金型内に赤外線温度センサーを設置して充填樹脂の温度を測定する方法、またCAE射出流動解析により充填樹脂の温度を計算により求める方法などが挙げられる。
【0023】
また、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大する際のキャビティのの拡大速度は、5〜10mm/secであることが好ましい。キャビティ拡大速度が遅い場合は、キャビティ拡大中に樹脂の冷却が進行して樹脂の伸張力が発泡圧力よりも大きくなってしまうため、所望のキャビティ拡大幅まで発泡しないか、表面に金型形状と異なる凹凸が発生する。さらに、キャビティ拡大速度が速すぎる場合は、金型と樹脂表面が一度離れ、最終のキャビティ拡大位置で金型が停止した際に、樹脂表面が金型表面に再転写されるため成形品表面の外観が悪くなるという問題が発生する恐れがある。
【0024】
(作用)
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法は、射出成形用金型のキャビティ内に、計量値で、拡大前のキャビティの体積の60〜90%の射出量の発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する工程と、キャビティをその状態に保持するとともに、上記樹脂組成物をその発泡によりキャビティ内に充満させつつ冷却する工程と、冷却後、キャビティ内の樹脂組成物の平均温度が樹脂の融点〜[融点+50℃]の範囲内になった時点で、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大し、発泡した気泡を成長させる工程とを包含するものであるから、樹脂組成物が高圧状態から急速に脱圧され、数多くの気泡核を形成する。この際、樹脂は、比較的型開き方向と直交する方向に多く流動され、従って、気泡核も、流動方向に沿って成長する傾向がある。
【0025】
そして、冷却後、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大し、発泡した気泡を成長させるものであるから、流動方向に沿って成長された気泡核は、この際に、キャビティ拡大方向に、伸長粘度が高い状態で成長するため、破泡せずに均一微細なセルとなって成長する。
その結果、高倍率で熱伝導率が低く、熱抵抗の高い熱可塑性樹脂射出発泡成形体が製造される。
【0026】
この場合、上述した通り、発泡性熱可塑性上記樹脂組成物を供給する射出量が、体積比で、キャビティを充満するに十分な量の60〜90%とすることが、破泡による発泡セル径の粗大化が
生じにくく、発泡不良による気泡数の減少が発生しにくくなる。
【0027】
また、発泡させた樹脂組成物を冷却した後、キャビティ内の樹脂組成物の平均温度が樹脂の融点〜[融点+50℃]の範囲内になった時点で、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大させるのが、気泡の成長にとって、好ましい。
【0028】
さらに、発泡剤が不活性ガスであると、発泡力が高くかつ樹脂に均質に溶解させることが可能なため、品質の安定した高倍率発泡体の製造が可能となるので好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき、より具体的に説明する。
【0030】
図1は本発明の製造方法に使用され得る射出成形装置の一例を示す概略図である。図1において、(1) は射出成形装置、(11)は同成形装置(1) の樹脂可塑化混練用のシリンダ、(12)は同シリンダ(11)の後端寄り上側に設けられた耐圧チャンバー、(13)は耐圧チャンバー(12)の上に設けられたホッパー、(14)は発泡剤として使用する炭酸ガスのボンベで、管路(142) を介して耐圧チャンバー(12)に接続されている。(141) は管路(142) に設けられた圧力調整バルブ、(121) 、(122) 、(123) 、(124) はバルブである。(2) は固定型(21)と可動型(22)からなる射出成形用金型である。
【0031】
上記射出成形装置(1) を用いて熱可塑性樹脂射出発泡成形体を製造するには、まず、熱可塑性樹脂をホッパー(13)に投入し、バルブ(122) を開にして同樹脂を耐圧チャンバー(12)に給送する。その後、バルブ(122)(123)(124) を閉じ、圧力調整バルブ(141) より圧力を調整された不活性ガスをバルブ(121) を経て耐圧チャンバー(12)に導入する。
【0032】
次いで、耐圧チャンバー(12)内において、不活性ガスを所定圧力及び所定温度に保持し、不活性ガスを熱可塑性樹脂に溶解する。
【0033】
尚、熱可塑性樹脂に不活性ガスを高圧下で溶解させる方法としては、不活性ガスを溶融状態の熱可塑性樹脂に溶解させる方法と、固体状態の熱可塑性樹脂に溶解させる方法があるが、どちらの方法を採用してもよく、また、両者を併用してもよい。
【0034】
溶融状態の熱可塑性樹脂に不活性ガスを高圧下で溶解させる方法には、射出シリンダ(11)の途中に設けられたベントを経てシリンダ内の樹脂に混入する方法等が挙げられる。この場合、溶融状態の熱可塑性樹脂で圧力シールを行う。
【0035】
固体状態の熱可塑性樹脂に不活性ガスを高圧下で溶解させる方法には、例えば以下のような方法が挙げられる。
【0036】
(1)予め高圧容器等の内部でペレットまたはパウダー状態の熱可塑性樹脂に不活性ガスを溶解させる方法、
(2)射出成形装置のホッパーから固体輸送部に至る領域に不活性ガスを供給し熱可塑性樹脂に溶解させる方法。
【0037】
上記(2)の場合は、射出シリンダ(11)から不活性ガスが揮散しないように、スクリュー駆動軸およびホッパーの耐圧シール構造を組み入れることが好ましい。
【0038】
不活性ガスの供給は、ガスボンベ(14)から射出シリンダ(11)へ直接行ってもよいし、図示はしていないプランジャーポンプを用いて加圧供給してもよい。
【0039】
この不活性ガス含有熱可塑性樹脂を耐圧チャンバー(12)からバルブ(124) を経て、所定温度に設定されたシリンダ(11)内に供給し、その後、シリンダ(11)前端寄りの計量部に溜まった熱可塑性樹脂を、図2に示すように、ランナー部およびゲート部を経て初期キャビティ(3) 内に射出する。
【0040】
図2および図3において、可動型(22)は進退可能な移動片(221) と、上下動可能なクサビ片(222) とを具備し、クサビ片(222) は油圧装置(224) と接続される油圧シリンダ(223) の動作により昇降されるようになっている。そして、図2に示すようにクサビ片(222) が下降したときキャビティ(3) が縮小され、図3に示すようにクサビ片(222) が上昇するときはキャビティ(3) は拡大される。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
【0042】
(実施例)
図1に示した射出成形装置(1) のホッパー(13)に、ポリプロピレン(Montell-JPO 社製、品番「HMS-PP」、融点127℃)95重量%、タルク5重量%からなる熱可塑性樹脂組成物を投入し、バルブ(122) を開にして同樹脂組成物を耐圧チャンバー(12)に給送した。その後、バルブ(122)(123)(124) を閉じ、圧力調整バルブ(141) より圧力を6MPaに調整された炭酸ガスをバルブ(121) を経て耐圧チャンバー(12)に導入した。
【0043】
次いで、耐圧チャンバー(12)内において、炭酸ガスの圧力を6MPaに、温度を45℃に2時間保持し、炭酸ガスを熱可塑性樹脂に溶解させ、発泡性熱可塑性樹脂組成物を得た。
【0044】
この発泡性熱可塑性樹脂組成物を耐圧チャンバー(12)からバルブ(124) を経て、200℃に設定されたシリンダ(11)内に供給し、その後、シリンダ(11)前端寄りの計量部に溜まった発泡性熱可塑性樹脂組成物を、図2に示すように、ランナー部およびゲート部を経て厚み3.6mm、体積240.3cm3 の初期キャビティ(3) 内に射出した。このときの射出量は186cm3 であった。
【0045】
次いで、発泡性熱可塑性樹脂組成物の平均温度が155℃になった時点で、油圧シリンダ(223) によりクサビ片(222) を上昇させ、移動片(221) を21.4mm後退させ、キャビティ(3) を最終キャビティ拡大幅(キャビティ体積1668.8cm3 )まで拡大した。この時のキャビティ(3) のキャビティ拡大速度は5mm/secであった。
【0046】
その後、キャビティ(3) 内で熱可塑性樹脂の発泡体を240sec間冷却して、金型(2) を開き、発泡体を得た。
【0047】
(比較例1)
初期キャビティの体積を186cm3 としたこと以外は、実施例と同様にして発泡体を得た。
【0048】
(比較例2)
発泡性熱可塑性樹脂組成物の射出量を136.3cm3 としたこと以外は、実施例と同様にして発泡体を得た。
【0049】
(比較例3)
発泡性熱可塑性樹脂組成物の射出量を221.3cm3 としたこと以外は、実施例と同様にして発泡体を得た。
【0050】
(比較例4)
発泡性熱可塑性樹脂組成物の平均温度が190℃になった時点で、クサビ片を上昇させたこと以外は、実施例と同様にして発泡体を得た。
【0051】
(比較例5)
発泡性熱可塑性樹脂組成物の平均温度が120℃になった時点で、クサビ片を上昇させたこと以外は、実施例と同様にして発泡体を得た。
【0052】
実施例、比較例1〜5で得られた発泡体を以下の評価に供した。
【0053】
(評価)
(i)発泡倍率
水中置換法(JIS K7112 A法)により発泡体の比重を測定し、式(1)により発泡倍率を算出した。
I=ε1/ε2 (1)
ここで、 I:発泡倍率(倍)
ε1:発泡前の比重
ε2:発泡後の比重
(ii)熱伝導率
JIS A1412に準拠し、発泡体の熱伝導率を測定した。
(iii)熱抵抗
(ii)で求めた熱伝導率から、式(2)により熱抵抗を算出した。
H=t/λ (2)
ここで、 t:発泡体の厚み(m)
λ:発泡体の熱伝導率(W/mK)
以上の結果を表1に纏めて記した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法は、上述の如き構成となされているから、高倍率で熱伝導率が低く、熱抵抗の高い熱可塑性樹脂射出発泡成形体を得ることができる。
【0056】
本発明の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法により得られた成形体は、断熱性に優れ、且つ、大量生産が可能なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に使用されうる射出成形装置の一例を示す概略図である。
【図2】 金型のキャビティ拡大前の状態を示す水平断面図である。
【図3】 図2に示す金型のキャビティ拡大後の状態を示す水平断面図である。
【符号の説明】
(1) :射出成形装置
(11):シリンダ
(12):耐圧チャンバー
(121) 〜(124) :バルブ
(13):ホッパ
(14):炭酸ガスボンベ
(141) :圧力調整バルブ
(2) :金型
(21):固定型
(22):可動型
(222) :クサビ片
(223) :油圧シリンダ
(224) :油圧装置
(3) :キャビティ
Claims (5)
- 射出成形用金型のキャビティ内に、計量値で、拡大前のキャビティの体積の60〜90%の射出量の発泡性熱可塑性樹脂組成物を供給する工程と、キャビティをその状態に保持するとともに、上記樹脂組成物をその発泡によりキャビティ内に充満させつつ冷却する工程と、冷却後、キャビティ内の樹脂組成物の平均温度が樹脂の融点〜[融点+50℃]の範囲内になった時点で、キャビティを最終キャビティ拡大幅まで拡大し、発泡した気泡を成長させる工程とを包含することを特徴とする熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法。
- 発泡性熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂と発泡剤とからなることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法。
- 発泡剤が不活性ガスであることを特徴とする請求項2記載の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法。
- 熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることを特徴とする請求項2又は3記載の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法。
- 射出成形用金型として、可動型が進退可能な移動片と上下動可能なクサビ片とを具備し、該クサビ片は油圧装置と接続される油圧シリンダの動作により昇降されるようになっており、該クサビ片が下降したとき前記キャビティが縮小され、該クサビ片が上昇するときは前記キャビティが拡大されるものを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の熱可塑性樹脂射出発泡成形体の製造方法。
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