JP2006117819A - ポリエチレンテレフタレートの処理方法 - Google Patents
ポリエチレンテレフタレートの処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】
チタン化合物を重合触媒として重合した、固有粘度が0.60dl/g以上であるポリエチレンテレフタレートを、過酸化物と接触することを特徴とするポリエチレンテレフタレートの処理方法。過酸化物としては過硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドから選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(使用原料)
本発明に係るポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸と、エチレングリコールを原料として用いる。テレフタル酸はモノアルコールとのエステルまたは酸無水物等、そのエステル形成性誘導体であっても良く、エチレングリコールは1塩基酸とのエステルや脱水縮合物等、そのエステル形成性誘導体であっても良い。
(エステル化工程)
具体的には、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
エステル化反応は好ましくは2個以上のエステル化反応基を直列に連結した装置を用いてエチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら行う。
上記のようなエステル化工程で得られた低次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給される。
(液相重縮合工程)
四塩化チタンなどのハロゲン化チタン化合物;
α−チタン酸、β−チタン酸、チタン酸アンモニウム、チタン酸ナトリウムなどのチタン酸化合物;
硫酸チタン、硝酸チタンなどの無機酸チタン塩化合物;
テトラフェニルチタン、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライドなどのチタン有機金属化合物;
テトラフェノキシチタンなどのアリーロキシチタン化合物;
テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、テトラキス(トリフェニルシロキシ)チタンなどのシロキシチタン化合物;
酢酸チタン、乳酸チタン、クエン酸チタン、酒石酸チタンなどの有機酸チタン塩化合物;
テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、チタンテトラピロリドなどのチタンアミド化合物;または
チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、ポリ(ジブチルチタネート)、クロロチタントリイソプロポキシド、チタンアセテートトリイソプロポキシド、アンモニウムヘキサエトキシチタネート、ナトリウムヘキサエトキシチタネート、チタンビス(2,4−ペンタンジオナート)ジイソプロポキシド、チタンビス(アンモニウムラクテート)ジイソプロポキシド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシドなどのチタンアルコキシド類など、およびそれらの加水分解物が挙げられる。
安定剤としては、たとえば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルフェニホスファイト等の亜リン酸エステル類;メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等のリン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸等のリン化合物が挙げられる。
この液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートは、所望によりさらに固相重縮合することができる。
固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレートは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
なお、この予備結晶化処理によっては、いわゆるポリエチレンテレフタレートの固相重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、液相重縮合後のポリエチレンテレフタレートの固有粘度とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエチレンテレフタレートの固有粘度と予備結晶化される前のポリエチレンテレフタレートの固有粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
本発明のポリエチレンテレフタレート処理方法は固相重合後のペレットを過酸化物と接触させる処理を行う。
過酸化物は有機過酸化物、無機過酸化物が用いられる。
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ヘキシルパーオキサイドのジアルキルパーオキサイド類;
を挙げることができる。
これらの過酸化物は通常単独で用いるが、2種以上を用いても構わない。
(ポリエチレンテレフタレート)
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各値は以下の方法により求めた。
環状3量体量の測定方法について説明する。試料を0.5g秤量し、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールとクロロホルムを1/1の割合で混合した溶液5mlに溶解後、20mlのクロロホルムで希釈し、80mlのテトラヒドロフランで樹脂を沈降させる。5Aろ紙でろ過後、エバポレーターで蒸発乾固させ、ジメチルホルムアミドで定容する。3量体量の定量には2690/2487アライアンスシステム(日本ウォーターズ)を使用し、カラムにはDevelosil ODS−HG−3 4.6×150mm(野村化学)、移動相には0.25%AcOHaq/アセトニトリルを使用し85/15の比率で供給を開始し、10分後には60/40、それから25分後に35/65、更に10分後に0/100の比率になるように変化させる。流量は1.0ml/minとした。検出器は紫外吸収検出器(254nm)を使用した。
(成形品の成形方法)
試料を除湿エア乾燥機で樹脂中の水分量が40ppm以下となるまで乾燥する。乾燥した試料を日精エー・エス・ビー機械(株)製の射出成形機(ASB−50)を用いて、シリンダー設定温度295℃で成形し、プリフォームを得る。
ICP分析法により測定した固体状含チタン化合物中の金属チタン含量は、34.8重量%であった。
高純度テレフタル酸 13kg、モノエチレングリコール 5.83kg、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド 20%水溶液 6.88gをオートクレーブに仕込み、圧力 1.7kg/cm2G、260℃の窒素雰囲気下にて6時間攪拌しながら反応させた。この反応により生成した水は常時系外に留去した。
その際各触媒の添加量としては、チタン原子に換算して、生成ポリエチレンテレフタレートに対し12ppmとなるようにチタン触媒のエチレングリコール溶液を添加し、さらに水酸化ナトリウムのエチレングリコール溶液をナトリウム原子に換算して生成ポリエチレンテレフタレートに対し12ppmとなるように加え、さらにリン酸をリン原子に換算して生成ポリエチレンテレフタレートに対し6ppmとなるように加え、1時間かけて285℃まで昇温し系内を2torrまで減圧し、さらに80分反応させ、エチレングリコールを系外に留去することにより液相重縮合反応を行った。反応終了後、反応物を反応器外にストランド状に抜き出し、水中に浸漬、冷却した後、ストランドカッターによりチップ状に裁断した。以上の液相重縮合によって得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度は0.54dl/gであった。
乾燥後のポリエチレンテレフタレートをプリフォームに成形した。プリフォーム成形後の環状3量体は0.34wt%と非常に低い値となった。
(比較例1)
プリフォーム成形後の環状3量体は0.30wt%と非常に低い値となった。
(比較例2)
次に重縮合触媒として、実施例1で調製したチタン触媒のエチレングリコール溶液を用い、上記で得られた低次縮合物の重縮合反応を行った。
プリフォーム成形後の環状3量体は0.32wt%と非常に低い値となった。
次に重縮合触媒として、実施例1で調製したチタン触媒のエチレングリコール溶液を用い、上記で得られた低次縮合物の重縮合反応を行った。
プリフォーム成形後の環状3量体は0.31wt%と非常に低い値となった。
(比較例3)
Claims (3)
- チタン化合物を重合触媒として重合した、固有粘度が0.60dl/g以上であるポリエチレンテレフタレートを、過酸化物と接触することを特徴とするポリエチレンテレフタレートの処理方法。
- 前記過酸化物が、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも1種の無機過酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートの処理方法。
- 前記過酸化物がt−ブチルハイドロパーオキサイドであることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンテレフタレートの処理方法。
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