JP2006117621A - シラン化合物、ポリシロキサンおよび感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シラン化合物は、下記式(I)で表される。
【化1】
ポリシロキサンは、下記式(1)で表される構造単位を有するか、該構造単位と下記式(2)で表される構造単位とを有する。
【化3】
(Rはアルコキシル基等を示し、R1 は水素原子、フッ素原子、低級アルキル基等を示し、Aは2価の(置換)炭化水素基を示し、R2 は1価の酸解離性基を示す。〕
感放射線性樹脂組成物は、(A)式(1)で表される構造単位と式(2)で表される構造単位とを有するポリシロキサンおよび(B)感放射線性酸発生剤を含有する。
【選択図】なし
Description
このような配線パターンの微細化に対応しうる手段の一つとして、リソグラフィープロセスに用いる放射線を短波長化する方法があり、近年では、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)等の紫外線に替えて、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やF2 エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線や、電子線、X線等が用いられるようになっている。
ところで、従来のレジスト組成物には、樹脂成分としてノボラック樹脂、ポリ(ビニルフェノール)等が用いられてきたが、これらの材料は構造中に芳香環を含み、193nmの波長に強い吸収があるため、例えばArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィープロセスでは、高感度、高解像度、高アスペクト比に対応した高い精度が得られない。
そこで、193nm以下、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2 エキシマレーザー(波長157nm)等に対して透明で、かつ芳香環と同等レベル以上の耐ドライエッチング性を有するレジスト用樹脂材料が求められている。その一つとしてシロキサン系ポリマーが考えられ、MIT R.R.Kunzらは、シロキサン系ポリマーが、193nm以下の波長、特に157nmでの透明性に優れるという測定結果を提示しており、このポリマーが193nm以下の波長を用いるリソグラフィープロセスにおけるレジスト材料に適していると報告している(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。また、ポリシロキサン系ポリマーは耐ドライエッチング性に優れ、中でもラダー構造をもつポリオルガノポリシルセスキオキサンを含むレジストが高い耐プラズマ性を有することも知られている。
また、ポリ(2−カルボキシエチルシロキサン)のカルボキシル基をt−ブチル基等の酸解離性基で保護したポリマーを用いたポジ型レジストが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、このレジストではカルボキシル基の保護率が低いために、未露光部分にカルボン酸成分が多く存在し、通常のアルカリ現像液での現像は困難である。
また、酸解離性エステル基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを用いたレジスト樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、このポリオルガノシルセスキオキサンは、ビニルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン等の縮合生成物に、酸解離性基含有(メタ)アクリルモノマーを付加反応させることにより製造されるものであり、ポリマー側鎖に(メタ)アクリルモノマーに由来する不飽和基が残存するため、193nm以下の波長における透明性の面で問題がある。また該公報には、ポリヒドロキシカルボニルエチルシルセスキオキサンをt−ブチルアルコールでエステル化したポリマーを用いたレジスト樹脂組成物も記載されているが、このポリマーもカルボキシル基の保護率が低く、レジストとして特許文献2のものと同様の問題がある。
下記式(I)で表されるシラン化合物(以下、「シラン化合物(I)」という。)、からなる。
下記式(1)で表される構造単位を有する、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン(以下、「ポリシロキサン(1)」という。)、からなる。
下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とを有する、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン(以下、「ポリシロキサン(1−1)」という。)、からなる。
(A)ポリシロキサン(1−1)、および(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、からなる。
シラン化合物(I)
式(I)において、Rの炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
式(I)において、Rとしては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、アセトキシ基、塩素原子等が好ましく、特にエトキシ基が好ましい。
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基等のアルコキシメチル基;
2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−i−プロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−t−ブトキシエチル基等のアルコキシエチル基;
4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−i−プロポキシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−t−ブトキシブチル基等のアルコキシブチル基
等を挙げることができる。
ヒドロシリル化触媒のうち、前記遷移金属触媒としては、例えば、H2PtCl6 、K2PtCl6 、Na2PtCl6、(NH4)2PtCl6 、K2PtCl4 、Na2PtCl4、(NH4)2PtCl4 、PtCl2 、H2PtBr6 、
K2PtBr6 、Na2PtBr6、PtBr4 、K2PtBr4 、PtBr2 、K2PtI6、Na2PtI6 、PtI4、PtI2、
PtCl2(C6H5CN)(但し、C6H5はフェニル基を示す。以下同様。) 、PtCl2(CH3CN)2 、
PtCl2[P(C6H5)3]2、cis-PtCl2(スチレン)2、cis-PtCl2(p-クロロスチレン)2、
KPtCl3(スチレン)2、(n-Bu)4NPtCl3(スチレン)2(但し、n-Buはn−ブチル基を示す。以下同様。) 、
[(n-Bu)4N]2PtCl6、[P(C6H5)4]2PtCl4、(n-Bu)4NPtI3(CO)、
[(n-Bu)4N]2-cis-PtCl2(SnCl3)2 、[(CH3)4N]3Pt(SnCl3)5、
[ビス(トリフェニルホスフィン)イミニウム]Pt(SnCl3)3[As(C2H5)3]2 、
(C2H5)4NPt(SnCl3)3(1,5-シクロオクタジエン) 、白金−活性炭、白金ブラック等の白金触媒;
PdCl2[P(C6H5)3]2、PdCl2(1,5-シクロオクタジエン) 、パラジウム−活性炭、パラジウムブラック等のパラジウム触媒;
HRh[P(C6H5)3]4、ロジウム−活性炭等のロジウム触媒;
IrCl3 等のイリジウム触媒;
RuCl3 等のルテニウム触媒;
Co2(CO)8等のコバルト触媒;
NiCl2 、NiBr2 、Ni(CN)2 等のニッケル触媒;
CuCl2 、CuBr2 、CuCl、CuBr、CuCN等の銅触媒
等を挙げることができる。
前記遷移金属触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記遷移金属触媒は、例えばi−プロパノール等の有機溶剤に溶解して添加してもよい。
遷移金属触媒の使用量は、ヒドロシラン化合物(β) 100重量部に対して、通常、0.00001〜1,000重量部である。
ラジカル反応開始剤の使用量は、ヒドロシラン化合物(β) 100重量部に対して、通常、0.01〜1,000重量部である。
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;
n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;
ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、アセトニトリル
等を挙げることができる。
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、ヒドロシラン化合物(β) 100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
さらに、このヒドロシリル化反応は、窒素あるいはアルゴン気流中、無水条件下で行うことが好ましい。
このヒドロシリル化反応の温度は、通常、−50〜+300℃、好ましくは0〜200℃であり、反応時間は、通常、5分〜1,000時間程度である。
一般的なヒドロシリル化反応は、通常、常圧あるいはそれ以上の加圧下で行うのが望ましいとされているが、シラン化合物(I)を合成するヒドロシリル化反応の場合、常圧より低い圧力下での反応も可能であり、特別な反応容器を必要としない利点を有する。
このヒドロシリル化反応後、蒸留、再結晶、液体クロマトグラフィ等により、シラン化合物(I)を精製することができる。
式(1)において、R1 は、前記式(I)におけるR1 と同義である。
構造単位(1)において、R1 としては、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシメチル基等が好ましく、特に水素原子が好ましい。
ポリシロキサン(1)において、構造単位(1)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
他の構造単位としては、例えば、下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(2)」という。)、下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(3)」という。)、下記式(4)で表される構造単位(以下、「構造単位(4)」という。)、下記式(5) で表される構造単位(以下、「構造単位(5)」という。)、下記式(6)で表される構造単位(以下、「構造単位(6)」という。)等の縮合反応に関して3官能のシラン化合物に由来する構造単位や、縮合反応に関して2官能あるいは4官能のシラン化合物に由来する構造単位等を挙げることができる。
R3 は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、該アルキル基は置換されてもよい。〕
メチレン基や、1,1−エチレン基、ジメチルメチレン基、1,2−エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン等の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基;
1,2−シクロブチレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘプチレン基、1,3−シクロヘプチレン基、1,4−シクロヘプチレン基、1,2−シクロオクチレン基、1,3−シクロオクチレン基、1,4−シクロオクチレン基等の環状のアルキレン基;
ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
t−ブチル基、t−アミル基、2−エチル−2−ブチル基、3−メチル−3−ペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基等のトリアルキルメチル基;
1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−n−プロピルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−n−プロピルシクロヘキシル基等の1−アルキルシクロアルキル基;
2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピルアダマンタン−2−イル基、2−n−ブチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−n−プロポキシメチルアダマンタン−2−イル基、
8−メチルトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−メチル−4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−メチル−4−シアノトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−エチルトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、8−エチル−4−ヒドロキシトリシクロ[ 5.2.1.02,6 ]デカン−8−イル基、
13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基、4−エチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカン−4−イル基等のアルキル置換有橋式炭化水素基;
等を挙げることができる。
また、R9 の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
また、R9 の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、3−オキソシクロペンチル基、3−オキソシクロヘキシル基、4−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等を挙げることができる。
t−ブトキシカルボニル基、t−アミルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロポキシカルボニル基、1−メチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−エチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−メチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、(2−メチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−エチルアダマンタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニル基、(2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシカルボニル基、
2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基
等を挙げることができる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基
等を挙げることができる。
オキセタン、チエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
下記式(ii−1)〜(ii−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基等を挙げることができる。
また、何れか一方のR10とR11とが相互に結合して形成した環としては、例えば、R10が結合している炭素原子およびR11が結合している酸素原子と共に形成した3〜8員の環等を挙げることができる。
メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基、シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、フェノキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェネチルオキシメチル基等の置換メチル基;
1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−i−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−t−ブトキシエチル基、1−シクロペンチルオキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−フェネチルオキシエチル基等の1−置換エチル基;
1−メトキシ−n−プロピル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−n−プロポキシ−n−プロピル基、1−フェノキシ−n−プロピル基等の1−置換−n−プロピル基;
2−メトキシ−n−プロピル基、2−エトキシ−n−プロピル基、2−n−プロポキシ−n−プロピル基、2−フェノキシ−n−プロピル基等の2−置換−n−プロピル基;
1−メトキシ−n−ブチル基、1−エトキシ−n−ブチル基、1−n−プロポキシ−n−ブチル基、1−フェノキシ−n−ブチル基等の1−置換−n−ブチル基;
テトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等の複素環式基等を挙げることができる。
また、R2 の原子数3〜20の1価の複素環式基としては、例えば、前記式(i−2)におけるR9 の原子数3〜20の1価の複素環式基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R2 のトリアルキルシリル基としては、例えば、前記式(i−2)におけるR9 のトリアルキルシリル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
また、R2 の炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、例えば、前記式(i−2)におけるR9 の炭素数4〜20のオキソアルキル基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。
Bの前記2価の炭化水素基に対する置換基としては、例えば、前記式(2)におけるAの2価の炭化水素基に対する置換基について例示したもののうち、フッ素原子を含まない基を挙げることができる。これらの置換基は、置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
13,6 .02,7 ]ドデカンに由来する基;1,4−シクロヘキレン基またはシクロヘキサン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンもしくはテトラシクロ[ 6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカンに由来する基が炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換された基等が好ましい。
R3 の前記アルキル基に対する置換基としては、例えば、式(2)におけるAの2価の炭化水素基に対する置換基について例示したものと同様の基等を挙げることができる。これらの置換基は、置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
等を挙げることができる。
また、(a+b)としては、特に6が好ましく、cとしては、特に1が好ましい。
構造単位(4)において、R4 としては、水素原子、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
また、構造単位(4)において、aおよびbとしてはそれぞれ、特に3が好ましく、cとしては、特に1が好ましい。
テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン等の非有橋式複素環式化合物に由来する基;
前記式(ii−1)〜(ii−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基等を挙げることができる。
構造単位(5) において、R5 としては、フッ素原子、トリフルオロメチル基等が好ましい。
構造単位(5) において、R6 としては、水素原子、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基;
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状のアルキル基;
フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基
等を挙げることができる。
前記式(ii−1)〜(ii−4)で表される化合物等の有橋式複素環式化合物に由来する基等を挙げることができる。
ポリシロキサン(1)において、他の構造単位は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
−COO−、−NHCOO−または−NHCONH−を示す。〕
ポリシロキサン(1−1)は、構造単位(1)および構造単位(2)以外に他の構造単位をさらに有することができる。
前記他の繰返し単位としては、例えば、構造単位(3)、構造単位(4)、構造単位(5)および構造単位(6)の群の少なくとも1種を挙げることができる。
この場合、構造単位(1)の含有率が0.1モル%未満では、レジストとしたときの側壁形状のラフネスが劣る傾向があり、一方50モル%を超えると、レジストとしたときの透明性の低下によるパターンがテーパー形状となる傾向がある。また、構造単位(2)の含有率が0.1モル%未満では、レジストとしたときの焦点深度(DOF)が狭くなる傾向があり、一方70モル%を超えると、レジストとしたときのパターン剥がれが生じやすい傾向がある。また、構造単位(3)、構造単位(4)、構造単位(5)および構造単位(6)の合計含有率が90モル%を超えると、レジストとしたときの解像度が低下する傾向がある。
ポリシロキサン(1)は、シラン化合物(I)を、場合により他の構造単位を与える縮合性シラン化合物と共に、重縮合することにより製造することができる。
また、ポリシロキサン(1−1)は、シラン化合物(I)と構造単位(2)を与える縮合性シラン化合物とを、場合により他の構造単位を与える縮合性シラン化合物と共に、重縮合することにより製造することができる。
前記各重縮合に使用される縮合性シラン化合物としては、例えば、トリエトキシシラン化合物、トリアセトキシシラン化合物、トリクロロシラン化合物等を使用することができる。
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、しゅう酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。
前記酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のモノアルキルアミン類;
ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のジアルキルアミン類;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のトリアルキルアミン類;
エチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン等のジアミン類;
ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2’−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、
ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等の他の含窒素複素環化合物
等を挙げることができる。
前記塩基性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。 塩基性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、(A)ポリシロキサン(1−1)および(B)感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(B)」という。)を含有するものである。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、ポリシロキサン(1−1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物においては、ポリシロキサン(1−1)と共に、他のポリシロキサンを1種以上併用することもできる。
前記他のポリシロキサンとしては、例えば、構造単位(2)、構造単位(3)、構造単位(4)、構造単位(5)および構造単位(6)の群から選ばれる単位を1種以上有するポリシロキサン等を挙げることができる。
酸発生剤(B)は、露光により酸を発生する成分であり、その酸の作用によって、ポリシロキサン(1−1)中に存在する酸解離性基を解離させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
酸発生剤(B)は、前記作用を有する限り特に限定されるものではないが、好ましい酸発生剤(B)としては、露光により、スルホン酸またはカルボン酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤(B1)」という。)を1種類以上含むものが好ましい。
また、前記スルホン酸化合物としては、例えば、スルホン酸エステル類、スルホン酸イミド類、アリールスルホン酸エステル類、イミノスルホネート類等を挙げることができる。
また、前記オキシム化合物としては、例えば、アリール基含有オキシムスルホン酸類を挙げることができる。
また、前記カルボン酸化合物としては、例えば、カルボン酸エステル類、カルボン酸イミド類、カルボン酸シアネート類等を挙げることができる。
また、前記ジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
また、前記ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、酸拡散制御剤、溶解制御剤、界面活性剤等の各種の添加剤を配合することができる。
前記酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(7) で表される化合物(以下、「酸拡散制御剤(C) 」という。)を挙げることができる。
さらに、酸拡散制御剤(C) 以外の含窒素有機化合物としては、例えば、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
含窒素化合物(C3)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
前記4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
酸拡散制御剤の配合量は、酸発生剤(B)に対して、通常、100モル%以下、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が100モル%を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.1モル%未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
溶解制御剤の配合量は、全ポリシロキサン100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、溶解制御剤の配合量が50重量部を超えると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、全ポリシロキサン100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、前記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類や、
トリフルオロアセトアミド、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン等のフッ素含有アミン類;
2,4−ジフルオロトルエン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)等のフッ素置換環状炭化水素類
等のフッ素含有溶剤のほか、
等を挙げることができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物においては、露光により酸発生剤から酸が発生し、その酸の作用によって、ポリシロキサン(1−1)中の酸解離性基が解離してカルボキシル基あるいはヒドロキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去されて、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハーや、予め下層膜を形成した基板等の上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、F2 エキシマレーザー(波長157nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)に代表される遠紫外線、電子線、X線等が好ましい。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、使用される基板上に有機系あるいは無機系の下層膜を形成しておくこと(例えば、特許文献7参照。)ができ、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けること(例えば、特許文献8参照。)もでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%を超えると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
また、本発明のポリシロキサン(1)は、例えば、成形品、フィルム、ラミネート材、塗料等に使用することができるほか、酸解離性基を有する場合、遠紫外線、電子線、X線等の放射線を用いる微細加工用の化学増幅型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物等に使用することができる
また、ポリシロキサン(1−1)を樹脂成分として含有する本発明の感放射線性樹脂組成物は、ホール・アンド・スペースパターンの場合でも、特に、高感度で、パターン形状に優れ、かつスペースの大小に係わらず常に広い焦点深度(DOF)を有するものである。したがって、本発明の感放射線性樹脂組成物は、遠紫外線、電子線、X線等の各種の放射線を用いる微細加工用の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
Mw:
下記する各実施例および比較例で得られたポリシロキサンと下記する調製例で得られたポリマーのMwは、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、アセナフチレン154.8gおよびトルエン180ミリリットルを仕込み、室温にて撹拌したのち、塩化白金酸
(H2 PtCl6 ) の0.2モルi−プロピルアルコール溶液0.9ミリリットルを加えて60℃に加熱した。その後、トリエトキシシラン200.8gを滴下して、反応を開始させ、75℃で3時間加熱した。その後、反応生成物を減圧蒸留により精製して、0.08mmHgにおける沸点が115℃の留分232gを得た。
この留分について、 1H−NMRスペクトル(化学シフトδ)を測定したところ、下記のとおりであり、下記式(a−1) で表される化合物(以下、「化合物(a−1)」という。)として同定された。
δ(単位ppm):
7.6−7.2(ナフタレン環中のCH基)、3.7(エトキシ基中のCH2 基)、3.6−3.1(アセナフテン環中のCH2 基(1−位)およびCH基(2−位))、1.0(エトキシ基中のCH2 基)。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、化合物(a−1)5.8g、下記式(b−1)で表されるシラン化合物(以下、「化合物(b−1)」という。)38.91g、下記式(b−2)で表されるシラン化合物(以下、「化合物(b−2)」という。)16.07g、下記式(b−3)で表されるシラン化合物(以下、「化合物(b−3)」という。)39.21g、4−メチル−2−ペンタノン100g、および1.75重量%蓚酸水溶液26.9gを仕込み、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して、反応を停止させた。
次いで、反応溶液に4−メチル−2−ペンタノン177.9gおよびトリエチルアミン18.55gを加えて、窒素気流中80℃で6時間攪拌したのち、氷冷し、7%蓚酸水198gを加えてさらに撹拌した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、ポリシロキサン(1−1)58.2gを得た。このポリシロキサン(1−1)のMwは2,450であった。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、化合物(a−1)6.4g、下記式(b−4)で表されるシラン化合物(以下、「化合物(b−4)」という。)46.69g、化合物(b−3)46.90g、4−メチル−2−ペンタノン100g、および1.75重量%蓚酸水溶液29.7gを仕込み、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して、反応を停止させた。
次いで、反応溶液に4−メチル−2−ペンタノン165.2gおよびトリエチルアミン20.48gを加えて、窒素気流中80℃で6時間攪拌したのち、氷冷し、7%蓚酸水219gを加えてさらに撹拌した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、ポリシロキサン(1−1)53.8gを得た。このポリシロキサン(1−1)のMwは2,340であった。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、シラン化合物(b−1)41.98g、化合物(b−2)8.67g、化合物(b−3)49.35g、4−メチル−2−ペンタノン100g、および1.75重量%蓚酸水溶液29.0gを仕込み、撹拌しつつ、80℃で6時間反応させた。その後、反応容器を氷冷して、反応を停止させた。 次いで、反応溶液に4−メチル−2−ペンタノン168.3gおよびトリエチルアミン20.01gを加えて、窒素気流中80℃で6時間攪拌したのち、氷冷し、7%蓚酸水214gを加えてさらに撹拌した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、ポリシロキサン54.8gを得た。このポリシロキサンのMwは2,410であった。
温度計を備えたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下で、アセナフチレン100重量部、トルエン78重量部、ジオキサン52重量部、アゾビスイソブチロニトリル3重量部を仕込み、70℃で5時間攪拌した。その後、p―トルエンスルホン酸1水和物5.2重量部、パラホルムアルデヒド40重量部を添加して、120℃に昇温したのち、さらに6時間攪拌した。その後、反応溶液を多量のi−プロピルアルコール中に投入し、沈殿したポリマーをろ別し、40℃で減圧乾燥して、Mwが22,000のポリマーを得た。
次いで、得られたポリマー10重量部、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファ−スルホネート0.5重量部、4,4’−〔1−{4−(1−[ 4−ヒドロキシフェニル ]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール0.5重量部を、シクロヘキサノン89重量部を溶解し、得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過して、下層膜形成用組成物を調製した。
表1に示す各ポリシロキサン100部(重量基準。以下同様。)、2−ヘプタノン900部、表1に示す酸発生剤(B)、および酸発生剤(B)の総量に対し8モル%の2−フェニルベンズイミダゾールを均一に混合して、組成物溶液を調製した。
次いで、各組成物溶液を、予めシリコンウエハー表面に下層膜を形成した基板上に、スピンコートにより塗布し、表2に示す温度に保持したホットプレート上で、それぞれ90秒間PBを行って、膜厚1,500Åのレジスト被膜を形成した。
ここで、下層膜は、前記下層膜形成用組成物をシリコンウエハー上に、スピンコートにより塗布したのち、ホットプレート上にて、180℃で60秒間、さらに300℃で120秒間ベークして形成した膜厚3,000Åの膜である。
次いで、各レジスト被膜に対して、ArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.78、σ=0.85)により露光量を変えて露光したのち、表2に示す温度に保持したホットプレート上で、それぞれ90秒間PEBを行った。その後、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で60秒間現像したのち、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
感度(1H1S)
コンタクトホール径130nmおよびスペース幅70nmのホール・アンド・スペースマスクを用いて、コンタクトホール径100nmのホール・アンド・スペースパターン(1H1S)を1:1の線幅で形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(1H1S)とした。
焦点深度(DOF)
コンタクトホール径130nmおよびスペース幅70nmのホール・アンド・スペースマスクを用いて、前記最適露光量で焦点をずらして露光して、コンタクトホール径100nmのホール・アンド・スペースパターン(1H1S)を形成したとき、ホールパターンの孔径が90nm以上110nm以下となる焦点深度(DOF(1H1S))を測定し、またコンタクトホール径140nmおよびスペース幅520nmのホール・アンド・スペースマスクを用いて、前記最適露光量で焦点をずらして露光して、コンタクトホール径100nmのホール・アンド・スペースパターン(1H5.6S)を形成したとき、ホールパターンの孔径が90nm以上110nm以下となる焦点深度(DOF(1H5.6S))を測定した。パターン形状
コンタクトホール径100nmのホール・アンド・スペースパターン(1H1S)のコンタクトホールパターンの断面形状を、チルト角90度にて走査型電子顕微鏡で観察し、実測値をコンタクトホールパターンピッチが200nmになるように校正した。このとき、図1に示すように、1つのコンタクトホールパターンの一方の側面凹凸部の内側面と外側面との幅をX(1)nm、他方の側面凹凸部の内側面と外側面との幅をX(2) nmとして、連続する3つのコンタクトホールパターンの合計6箇所の値を平均して評価した。この平均値が10nm以下である場合、パターン形状が良好であるといえる。
酸発生剤(B)
B-1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B-2:トリフェニルスルホニウム10−カンファスルホネート
Claims (4)
- 下記式(1)で表される構造単位と下記式(2)で表される構造単位とを有する、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のポリシロキサン。
〔式(2)において、Aは炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の2価の炭化水素基を示し、該2価の炭化水素基は置換されていてもよく、R2 は1価の酸解離性基を示す。〕 - (A)請求項3に記載のポリシロキサンおよび(B)感放射線性酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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