JP4385839B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このような配線パターンの微細化に対応しうる手段の一つとして、リソグラフィープロセスに用いる放射線を短波長化する方法があり、近年では、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)等の紫外線に替えて、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やF2エキシマレーザー(波長157nm)等の遠紫外線や、電子線、X線等が用いられるようになっている。
ところで、従来のレジスト組成物には、樹脂成分としてノボラック樹脂、ポリ(ビニルフェノール)等が用いられてきたが、これらの材料は構造中に芳香環を含み、193nmの波長に強い吸収があるため、例えばArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィープロセスでは、高感度、高解像度、高アスペクト比に対応した高い精度が得られない。
そこで、193nm以下、特に、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等に対して透明で、かつ芳香環と同等レベル以上の耐ドライエッチング性を有するレジスト用樹脂材料が求められている。その一つとしてシロキサン系ポリマーが考えられ、MIT R.R.Kunzらは、シロキサン系ポリマーが、193nm以下の波長、特に157nmでの透明性に優れるという測定結果を提示しており、このポリマーが193nm以下の波長を用いるリソグラフィープロセスにおけるレジスト材料に適していると報告している(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。また、ポリシロキサン系ポリマーは耐ドライエッチング性に優れ、中でもラダー構造をもつポリオルガノポリシルセスキオキサンを含むレジストが高い耐プラズマ性を有することも知られている。
また、ポリ(2−カルボキシエチルシロキサン)のカルボキシル基をt−ブチル基等の酸解離性基で保護したポリマーを用いたポジ型レジストが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、このレジストではカルボキシル基の保護率が低いために、未露光部分にカルボン酸成分が多く存在し、通常のアルカリ現像液での現像は困難である。
また、酸解離性エステル基を有するポリオルガノシルセスキオキサンを用いたレジスト樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、このポリオルガノシルセスキオキサンは、ビニルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン等の縮合生成物に、酸解離性基含有(メタ)アクリルモノマーを付加反応させることにより製造されるものであり、ポリマー側鎖に(メタ)アクリルモノマーに由来する不飽和基が残存するため、193nm以下の波長における透明性の面で問題がある。また該公報には、ポリヒドロキシカルボニルエチルシルセスキオキサンをt−ブチルアルコールでエステル化したポリマーを用いたレジスト樹脂組成物も記載されているが、このポリマーもカルボキシル基の保護率が低く、レジストとして特許文献2のものと同様の問題がある。
式(2)において、R5は炭素数1〜20の(f+1)価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基または炭素数3〜20の(f+1)価の脂環式炭化水素を表し、該(f+1)価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基および(f+1)価の脂環式炭化水素はそれぞれ置換されていてもよく、R6は水素原子または1価の酸解離性基を表し、dおよびeは相互に独立に0〜3の整数で、(d+e)≧1を満たし、fは1〜3の整数である;
式(3)において、R7は炭素数3〜20の3価の脂環式炭化水素基または原子数3〜20の3価の複素環式基を表し、該3価の脂環式炭化水素基および3価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R8は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R9は水素原子または1価の酸解離性基を表す。
本発明に使用できるポリシロキサンは、基本単位としてRSiO1.5単位を有するポリシロキサンが好ましい。Rは1価の有機基を表す。
式(1)において、R4で表される炭素数1〜20の2価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、アイコサン等に由来する基を挙げることができる。
これらの2価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基のうち、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等に由来する基が好ましい。
また、R4で表される炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[ 5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
これらの2価の脂環式炭化水素基のうち、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等に由来する基が好ましい。
式(1)におけるR4としては、特に、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンに由来する基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカンに由来する基が好ましい。
これらの置換基のうち、フッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基等が好ましい。
上記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
R3'の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基等が好ましい。
また、R3'の炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基および何れか2つのR3'が相互に結合してそれぞれが結合している炭素原子と共に形成した炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の有橋式炭化水素類に由来する基等を挙げることができる。
これらの1価の脂環式炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基のうち、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等に由来する基が好ましい。
また、上記1価または2価の脂環式炭化水素基の置換誘導体における置換基としては、例えば、上記R4の2価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基および2価の脂環式炭化水素に対する置換基について例示したものと同様の置換基を挙げることができる。
これらの置換基のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。これら置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−n−プロピルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−n−プロピルシクロヘキシル基等の1−アルキルシクロアルキル基;
2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−n−プロピルアダマンタン−2−イル基、2−n−ブチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メトキシメチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イル基、2−エトキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−n−プロポキシメチルアダマンタン−2−イル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−メチル−6−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチル−6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]−4−イル基、4−メチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−9−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−メチル−10−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチル−9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、4−エチル−10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル基、8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−メチル−4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−メチル−4−シアノトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基、8−エチル−4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基等のアルキル置換有橋式炭化水素基;
1−メチル−1−(アダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1−メチル−1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1−メチル−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1−メチル−1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基、1−メチル−1−(4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・有橋式炭化水素基置換メチル基;
1,1−ジシクロペンチルエチル基、1,1−ジ(2−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロペンチル)エチル基、1,1−ジシクロヘキシルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エチル基、1,1−ジシクロへプチルエチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシシクロへプチル)エチル基等のアルキル・ジシクロアルキルメチル基;
1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)エチル基、1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(6−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)エチル基、1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(9−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(10−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチル基、1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基、1,1−ジ(4−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチル基等のアルキル置換・ジ(有橋式炭化水素基)置換メチル基等を挙げることができる。
式(1)における基−COO−C(R3')3は、酸の存在下で解離してカルボキシル基を生成する酸解離性基をなしている。
本発明のシロキサン樹脂において、構造単位(1)は、単独でまたは2種以上が存在することができる。
これらの(f+1)価の脂環式炭化水素基のうち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンに由来する基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンに由来する基がメチレン基に結合した基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンに由来する基がメチレン基に結合した基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカンに由来する基がメチレン基に結合した基等が好ましい。
これらの置換基のうち、フッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基等が好ましい。これらの置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基等のアルキル置換脂環式炭化水素基;
トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、i−プロピルジメチルゲルミル基、i−プロピルジエチルゲルミル基、トリ−i−プロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、t−ブチルジフェニルゲルミル基、トリベンジルゲルミル基、トリ−p−キシリルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基、t−ブチル・メトキシ・フェニルゲルミル基等のアルキルゲルミル基等を挙げることができる。
式(2)において、R6としては、特に、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等が好ましい。
また、dおよびeとしてはそれぞれ、特に3が好ましく、fとしては、特に1が好ましい。
これらの3価の脂環式炭化水素基のうち、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン等に由来する基が好ましい。
これらの置換基のうち、フッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルアミノ基等が好ましい。上記置換基は、各置換誘導体中に1個以上あるいは1種以上存在することができる。
式(3)において、R7としては、特に、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、上記式(3−1)で表される化合物等に由来する基が好ましい。
また、R8の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3−ペンタフルオロ−n−ブチル基、4,4,4,3,3,2,2−ヘプタフルオロ−n−ブチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等を挙げることができる。
これらのフッ素化アルキル基のうち、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基等が好ましい。
式(3)において、R8としては、特に、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が好ましい。
これらの1価の酸解離性基のうち、t−ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
式(3)において、R9としては、特に、水素原子、t−ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基が好ましい。
MSiO1.5単位において、Mは炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基または炭素数6〜20の1価のハロゲン化芳香族炭化水素基を表す。
炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基等を挙げることができる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができ、炭素数6〜20の1価のハロゲン化芳香族炭化水素基としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基、パーフルオロベンジル基、パーフルオロフェネチル基、2−(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基、3−(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基、脂環式炭化水素基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルカン類に由来する基;アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカニル基等を挙げることができる。
Mとしては、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロフェネチル基、3−(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフルオロ−n−プロピル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基等が好ましい。
シロキサン樹脂(A)は、例えば、構造単位(1)を与えるシラン化合物を、場合により、他の構造単位を与えるシラン化合物と共に、酸性条件下あるいは塩基性条件下にて、無溶媒または溶媒中で重縮合させることによって製造することができるが、酸性条件下にて重縮合させたのち、塩基性条件下にて反応を継続させて製造することが好ましい。
以下、シロキサン樹脂(A)を製造する重縮合法について説明する。
酸性条件下における重縮合に際しては、酸性触媒が使用される。該酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、酢酸、n−プロピオン酸、酪酸、吉草酸、しゅう酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、無水マレイン酸、クエン酸、ホウ酸、燐酸、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。
これらの酸性触媒のうち、塩酸、硫酸、酢酸、しゅう酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、無水酢酸、無水マレイン酸等が好ましい。
酸性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、酸性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
また、上記塩基性触媒のうち、有機塩基類としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のモノアルキルアミン類;
ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のジアルキルアミン類;
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等の直鎖状、分岐状もしくは環状のトリアルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類;
エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン等のジアミン類;
イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;
ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2'−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の他の含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
塩基性触媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。塩基性触媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、0.01〜10,000重量部である。
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類;
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のアルコール類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類のほか、
これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の使用量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、2,000重量部以下である。
また、重縮合に際しては、反応系に水を添加することもできる。この場合の水の添加量は、シラン化合物の全量100重量部に対して、通常、10,000重量部以下である。 酸性条件下または塩基性条件下での重縮合および塩基性条件下での反応における反応条件は、反応温度が、通常、−50〜+300℃、好ましくは20〜100℃であり、反応時間が、通常、1分〜100時間程度である。
式(4)で表される構造を有する化合物としては、繰り返し構造が環状に連結した化合物が挙げられる。繰返し数として、環状構造の場合は6、7または8員環が好ましい。
式(4)で表される構造を有する環状化合物はシクロデキストリン類(以下、CDsと略称する)として知られている。このCDsは分子中に多くのヒドロキシル基を有することから化学修飾が可能である。また重合体であるので優れたフィルム形成能を有する。さらに、CDsは環状低分子重合体であることから、157nmレジスト材料に応用した場合、優れた透明性やエッチング耐性を有すること、またポリマーと比較して、分子サイズが小さいことから、高解像度化が得られやすい化合物である。
D−グルコースユニットから構成される環状低分子重合体であるCDsには、6員環であるα−シクロデキストリン(以下、α−CDと略称する)、7員環であるβ−シクロデキストリン(以下、β−CDと略称する)、8員環であるγ−シクロデキストリン(以下、γ−CDと略称する)が知られている。本発明においては、α−CD、β−CD、またはγ−CDをそれぞれ化学修飾した化合物が使用できる。
マイケル付加反応は、Cs2CO3などの塩基、およびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドなどの相間移動触媒の存在下において行なうことができる。このマイケル付加反応は好ましくは溶媒下で行なうことができる。反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶媒、アニソールなどの芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これら重合溶媒の中では、非プロトン系極性溶媒の極性が高く、溶媒和が大きく、かつ律速段階となる平衡反応を、より中間体側に傾きやすくできるジメチルスルホキシドが好ましい。
反応温度は15〜30℃が好ましく、反応時間は少なくとも12時間以上であることが好ましい。
本発明の感放射線性樹脂組成物において、シロキサン樹脂(A)および化合物(B)は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物におけるシロキサン樹脂(A)と化合物(B)との配合比率は、シロキサン樹脂(A)100重量部に対して、化合物(B)1〜200重量部、好ましくは1〜100重量部である。化合物(B)が1重量部未満であると感度、DOFおよびLERになんら影響を及ぼさず、200重量部をこえるとドライエッチング耐性が悪化する。
酸発生剤(C)は、上記作用を有する限り特に限定されるものではないが、好ましい酸発生剤(C)としては、露光により、トリフルオロメタンスルホン酸または下記式(5)で表される酸(以下、「酸(5)」という。)を発生する化合物(以下、「酸発生剤(C1)」という。)を含むものが好ましい。
本発明における酸発生剤(C)としては、酸発生剤(C1)のみを使用することもできるが、酸発生剤(C1)と、下記式(6)で表される酸(以下、「酸(6)」という。)、下記式(7)で表される酸(以下、「酸(7)」という。)あるいは下記式(8)で表される酸(以下、「酸(8)」という。)を発生する感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(C2)」という。)とを組み合わせて使用することもできる。
式(7)において、Rsは炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基を示し、該環状の1価の炭化水素基は置換されていてもよい。
式(8)において、Rcは炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基、炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基を示し、該環状の1価の炭化水素基および環状の1価のフッ素化炭化水素基はそれぞれ置換されていてもよい。
また、Ra、Rb、RsおよびRcの炭素数3〜20の環状の1価の炭化水素基または炭素数3〜20の環状の1価のフッ素化炭化水素基あるいはこれらの置換誘導体としては、例えば、下記式(9)〜(15)で表される基等を挙げることができる。
式(12)において、qは1〜18の整数である。式(13)において、rは0〜3の整数である。また、Meはメチル基を表す。
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンジルスルホン酸、α―ナフタレンスルホン酸、β―ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;
10−カンファースルホン酸や、上記式(9)〜(15)で表される基の結合手に、−SO3H基が結合した酸等を挙げることができる。
また、酸(5)、酸(6)あるいは酸(7)を発生するスルホン酸化合物としては、例えば、スルホン酸エステル、スルホン酸イミド、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
また、酸(6)を発生するカルボン酸化合物としては、例えば、カルボン酸エステル、カルボン酸イミド、カルボン酸シアネート等を挙げることができる。
また、酸(5)、酸(6)、酸(7)あるいは酸(8)を発生するジアゾケトン化合物としては、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物等を挙げることができる。
また、酸(5)、酸(6)、酸(7)あるいは酸(8)を発生するハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
本発明における酸発生剤(C1)と酸発生剤(C2)との使用比率(酸発生剤(C1):酸発生剤(C2))は、好ましくは100:0〜100:150(重量比)である。
4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等の他のスルホン化合物;
ベンゾイントシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等の他のスルホン酸化合物;
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の他のジアゾケトン化合物;
フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1−ナフチルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等の他のハロゲン含有化合物;
下記式(16)で表されるジスルホニルジアゾメタン化合物、下記式(17−1)または式(17−2)で表されるオキシムスルホネート化合物等を挙げることができる。
また、R13の具体例としては、フェニル基、トシル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記オキシム化合物としては、例えば、2,2―ジフルオロ−2−メチルアセトフェノン−o−メチルスルホニルオキシム、2,2―ジクロロ−2−メトキシメチル−2'−メチルアセトフェノン−o−(n−プロピル)スルホニルオキシム、2,2―ジフルオロ−2−エチルアセトフェノン−o−(n−プロピル)スルホニルオキシム、2,2―ジフルオロ−2−フェニルアセトフェノン−o−エチルスルホニルオキシム、2−クロロ−2−フルオロ−2−シクロヘキシルアセトフェノン−o−(p−トリル)スルホニルオキシム、2,2―ジフルオロ−2−(n−プロピル)アセトフェノン−o−(10−カンファー)スルホニルオキシム、2,2―ジフルオロ−2−メチル−4'−メトキシアセトフェノン−o−(n−プロピル)スルホニルオキシム、2,2―ジフルオロ−2−メチルアセトナフトン−o−トリフルオロメチルスルホニルオキシム、1,1―ジフルオロ−1−フェニルアセトン−o−(n―ブチル)スルホニルオキシム、(1,1−ジフルオロ−1−シクロヘキシル)メチル−2'−チエニルケトン−o−メチルスルホニルオキシム、(1,1−ジクロロ−1−フェニル)メチル−2'−フリルケトン−o−(n−プロピル)スルホニルオキシム、
2'−チエニルケトン−o−メチルスルホニルオキシム、(1,1−ジクロロ−1−チオフェノキシ)メチル−2'−フリルケトン−o−(n−プロピル)スルホニルオキシム、
2'―シアノアセトフェノンオキシム)−o−1,4−ベンゼンスルホン酸、1,4−ビス〔1'−(n−プロピルスルホニルオキシイミノ)−2',2'−ジフルオロ−2'−(メチルスルホニル)エチル〕ベンゼン、1,1,4,4−テトラフルオロ−1,4−ジ(メチルスルホニル)―2,3−ブタンジオン−o,o−ジ(メチルスルホニル)ジオキシム等を挙げることができる。
本発明において、酸発生剤(C)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤は、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の露光や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記式(18)で表される化合物(以下、「酸拡散制御剤(D)」という。)を挙げることができる。
さらに、酸拡散制御剤(D)以外の含窒素有機化合物としては、例えば、4級アンモニウムヒドロキシド化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
含窒素化合物(D3)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、2−ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
上記4級アンモニウムヒドロキシド化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
上記含窒素複素環化合物としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
酸拡散制御剤の配合量は、酸発生剤(C)に対して、通常、100モル%以下、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。この場合、酸拡散制御剤の配合量が100モル%をこえると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の配合量が0.1モル%未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
また、R15の炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ヘプタフルオロ−i−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−ノニル基、パーフルオロ−n−デシル基等を挙げることができる。
また、R16の酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基としては、例えば、t−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エチルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ビニルカルボニル基、アリルカルボニル基、ベンジルカルボニル基、4−エトキシ−1−ナフチルカルボニル基、メチルジチオカルボニル基等の有機カルボニル基;1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチルアダマンタン−2−イル基、2−エチルアダマンタン−2−イル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基等のアルキル置換脂環式炭化水素基;
これらの酸により解離して水素原子を生じる1価の有機基のうち、t−ブトキシカルボニル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基等が好ましい。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
界面活性剤の配合量は、全樹脂成分100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
また、上記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
上記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;
シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類や、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−オクタノール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール等のフッ素含有アルコール類;
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハーや、予め下層膜を形成した基板等の上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、F2エキシマレーザー(波長157nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)に代表される遠紫外線、電子線、X線等が好ましい。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、使用される基板上に有機系あるいは無機系の下層膜を形成しておくこと(例えば、特公平6−12452号公報参照)ができ、また環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けること(例えば、特開平5−188598号公報参照)もでき、あるいはこれらの技術を併用することもできる。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
前記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%を超えると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
前記有機溶媒としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%をこえると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。
また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
実施例および比較例における各測定・評価は、下記の要領で行なった。
(1)MwおよびMw/Mn:
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(A−1)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−1という。)を36.3g、下記式(A−2)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−2という。)41.3g、下記式(A−3)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−3という。)22.4g、4−メチル−2−ペンタノン100g、1.75重量%蓚酸水溶液23.0gを仕込み、撹拌しつつ、60℃で6時間反応させた。その後反応容器を氷冷して、反応を停止させた。
次いで、この溶液に蒸留水34.0g、トリエチルアミン47.7gを加えて、窒素気流中80℃で6時間攪拌したのち、氷冷し、蓚酸35.9gを蒸留水476.5gに溶解した水溶液を加えてさらに撹拌した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、ポリシロキサン(P−1)62.1gを得た。このポリシロキサン(P−1)のMwは1,840であった。
撹拌機、還流冷却器、温度計を装着した3つ口フラスコに、下記式(A−4)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−4という。)を38.6g、下記式(A−2)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−2という。)39.8g、下記式(A−3)で表されるケイ素含有化合物(以下、A−3という。)21.6g、4−メチル−2−ペンタノン100g、1.75重量%蓚酸水溶液22.2gを仕込み、撹拌しつつ、60℃で6時間反応させた。その後反応容器を氷冷して、反応を停止させた。
次いで、この溶液に蒸留水32.8g、トリエチルアミン46.0gを加えて、窒素気流中80℃で6時間攪拌したのち、氷冷し、蓚酸34.6gを蒸留水459.3gに溶解した水溶液を加えてさらに撹拌した。その後、反応溶液を分液ロートに移して、水層を廃棄し、さらにイオン交換水を加えて水洗して、反応溶液が中性になるまで水洗を繰り返した。その後、有機層を減圧留去して、ポリシロキサン(P−2)65.0gを得た。このポリシロキサン(P−2)のMwは2,030であった。
三口ナスフラスコに下記式(B−1)で表されるβ−CD 0.11g(0.10ミリモル水酸基当量2.1ミリモル)を加え、ジメチルスルホキシド 4ミリリットルに溶解させた。この溶液に塩基としてCs2CO3 0.0011g(5モル%)、および相間移動触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.023g(10モル%)を加え、40℃で6時間攪拌し、その後、下記式(B−2)で表されるt−ブチルトリフルオロメタクリレート 0.14g(0.70ミリモル)を加え、室温で12時間反応させた。反応終了後、反応溶液をテトラヒドロフラン(以下、THFと略称する)で希釈し、クエン酸水溶液に注ぎ、析出した固体をろ過により回収した。得られた固体を良溶媒としてTHF、貧溶媒としてn−ヘキサンを用いて再沈精製を行ない、白色固体を収率88%で得た。構造確認は、IR、1H NMRスペクトルの測定により行なった。エーテル化率は1H NMRより、β−CDのアセタールのメチンプロトンの積分値を基準として、t−ブチル基のメチルプロトンの積分値から算出した。
IRスペクトルより、1742cm-1付近にt−ブチルエステル残基のνC=Oに起因する吸収と1731cm-1にt−ブチル基のC−H変角振動に起因する新たな吸収を確認した。また、1H NMRから、1.4〜1.6ppm付近にt−ブチル基に起因するシグナルを確認した。さらに、β−CDのアセタールのメチンプロトンに起因する4.8〜5.0ppm付近のシグナルを基準にして、t−ブチル基のメチルプロトンに起因するシグナルの積分比から算出したエーテル化率は38%であった。これより、目的とするフッ素含有β−CD誘導体が得られた。
温度計を備えたセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下で、アセナフチレン100重量部、トルエン78重量部、ジオキサン52重量部、アゾビスイソブチロニトリル3重量部を仕込み、70℃で5時間攪拌した。その後、p―トルエンスルホン酸1水和物5.2重量部、パラホルムアルデヒド40重量部を添加して、120℃に昇温したのち、さらに6時間攪拌した。その後、反応溶液を多量のi−プロピルアルコール中に投入し、沈殿したポリマーをろ別し、40℃で減圧乾燥して、Mwが22,000のポリマーを得た。
次いで、得られたポリマー10重量部、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファ−スルホネート0.5重量部、4,4'−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール0.5重量部を、シクロヘキサノン89重量部に溶解し、得られた溶液を孔径100nmのメンブランフィルターでろ過して、下層膜形成用組成物を調製した。
表1に示す成分からなる感放射線性樹脂組成物を調製した。なお、各比較例には酸発生剤(B)の総量に対して8モル%のトリオクチルアミンを均一に混合し、各実施例には混合しなかった。得られた感放射線性樹脂組成物について、各種評価を行なった。表1における成分(P−1)〜(P−3)以外の成分は以下の通りである。なお、酸拡散制御剤の配合量は感放射線性酸発生剤に対するモル%である。
感放射線性酸発生剤(C)
C−1:トリフェニルスルホニウム・ノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
C−2:トリフェニルスルホニウム2−ノルボルニル−1,1,2,2−テトラフルオロエタン−1−スルホネート
酸拡散制御剤(D)
D−1:テトラ(n−ブチル)アンモニウム・ヒドロキシド
溶剤(E)
E−1:2−ヘプタノン
各組成物溶液を、予めシリコンウエハー表面に下層膜(β−1)を形成した基板上に、スピンコートにより塗布し、100℃に保持したホットプレート上で、90秒間PBを行なって、膜厚150nmのレジスト被膜を形成した。
ここで、下層膜(β−1)は、合成例4で得られた下層膜形成用組成物をシリコンウエハー上に、スピンコートにより塗布したのち、ホットプレート上にて、180℃で60秒間、さらに300℃で120秒間ベークして形成した膜厚300nmの膜である。
次いで、各レジスト被膜に対して、ArFエキシマレーザー(波長193nm、NA=0.78、σ=0.85)により露光量を変えて露光し、100℃に保持したホットプレート上で、90秒間PEBを行なった。その後、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、23℃で60秒間現像したのち、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
Claims (2)
- (A)ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が500〜1,000,000のシロキサン樹脂と、(B)下記式(4)で表される化合物と、(C)光酸発生剤を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- 前記シロキサン樹脂が下記式(1)で表される構造単位、下記式(2)で表される構造単位、および下記式(3)で表される構造単位から選ばれた少なくとも1つの構造単位を有するシロキサン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
式(2)において、R5は炭素数1〜20の(f+1)価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基または炭素数3〜20の(f+1)価の脂環式炭化水素を表し、該(f+1)価の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基および(f+1)価の脂環式炭化水素はそれぞれ置換されていてもよく、R6は水素原子または1価の酸解離性基を表し、dおよびeは相互に独立に0〜3の整数で、(d+e)≧1を満たし、fは1〜3の整数である;
式(3)において、R7は炭素数3〜20の3価の脂環式炭化水素基または原子数3〜20の3価の複素環式基を表し、該3価の脂環式炭化水素基および3価の複素環式基はそれぞれ置換されていてもよく、R8は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、R9は水素原子または1価の酸解離性基を表す。)
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